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 ポラスグループは6月30日、2023年3月期の決算を発表。売上高310,322百万円(前期比10.8%増)、営業利益31,345百万円(同4.8%減)、経常利益31,984百万円(同4.3%減)、純利益8,357百万円(同2.8%減)の増収減益となった。売上高は7期連続過去最高を更新した。主力の中央住宅の売上高は95,521百万円(同0.5%増)、営業利益は9,170百万円(同9.2%減)、ポラテックの売上高は116,447百万円(同15.6%増)、営業利益は6,567百万円(同22.9%減)。

 セグメント別では、戸建分譲住宅の売上戸数は過去2番目の2,792戸(同0.7%増)となったほか、分譲マンションは362戸(同27.6%減)、注文住宅は685戸(同7.5%増)、プレカット事業の外販売上棟数39,096棟となり過去最高を更新。不動産売買仲介事業の売上高3,517百万円(同5.0%増)、リフォーム事業の売上高10,502百万円(同12.0%増)、賃貸事業の手数料収入453百万円(同7.3%増)とも過去最高を更新した。

 2024年3月期決算は売上高310,000百万円(前期比0.1%減)、経常利益27,000百万円(同15.6%減)、純利益7,000百万円(同16.2%減)を見込む。売上棟・戸数は戸建て分譲住宅が3,430戸(同22.9%増)、マンションが410戸(同13.3%増)、注文住宅が824戸(同20.3%増)、賃貸・集合住宅が179戸(同58.4%増)、合計戸数4,843戸(同225.%増)の計画。

 決算発表会でグループ代表取締役・中内晃次郎氏は「先が読めない時代が続くが、エリア価値の向上を目指し、お客さまから満足していただける地域に根差した魅力的な街づくりと安全・安心・環境に配慮した暮らし方の提案を行っていく」と述べた。

 また、中央住宅代表取締役社長・品川典久氏は「好調だったコロナ禍の市場から一変しており、営業力も低下している。今期の目標数字は楽ではないが達成する」と語った。

 今後の市場について問われた中内代表は「これまでの好不調の波からすると、今回は2年半の好調の波があった。向こう1年くらいは不調の波が来るのではないか」と語り、品川社長は「インフレが進んでいるが、所得は伸びていない。粗利を下げて対応しているのが現状だ。見通しは何とも言えない」と話した。

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 上場企業の2023年3月期決算からして、前述のような業績になるのはある程度予測していた。戸建て分譲市場は活況を呈した1~2年前と様変わりしており、完全に勢いは止まった。注文住宅も着工減が続いており、もっと落ち込むかと予想していた。同社は健闘しているのではないか。不動産売買仲介、リフォーム、賃貸事業が伸びているのは市場の反映か。

 品川社長が語った「営業力の低下」について考えた。中内代表は「当社社員は技術系が多い。そこまでやるかと声が上がるほどこだわりを持って商品をつくっている」と話したように、商品企画力は優れている。例えば2700ミリの天井高、15段の階段ステップ、ソフトクローズ機能付き引き戸・開き戸、挽板仕上げの床などだ。同社商圏の他社物件と比較して、価格が500~1,000万円高くても売れており、顧客の紹介による契約が増えているということがそれを証明している。

 にもかかわらず「営業力の低下」と品川社長が語ったのは、その商品企画意図が営業担当⇒消費者にきちんと伝えられていないという率直な思いの表明なのだろう。

 記者も同感だ。コロナ禍でも予想外に売れたことから、各社はオンライン・バーチャルに切り替え、リアルでの紹介は激減している。それをよしとする消費者にも責任の一端があるし、さらにいえば、モノを観ないで、市場動向を伝えるメディアの取材力の退行にも問題がある。

 メディアの取材力の退行を象徴する質問が決算発表会でもあった。ある記者が「(飯田グループなどのことか)大量生産・販売を志向しているところがあるが、御社はどうか」と質問した。中内氏は「当社は都市・街づくりを大切にしている。大量生産・販売をやるつもりはない。デザイン、品質を大事にしていく」と応えたのは当然だが、同社の物件を一つでも見ていたらこんな質問は絶対出ないはずだ。

 

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「6つの感性フィールド」

 積水ハウスは6月20日、顧客の“感性”を住まいに映し出す新デザイン提案システム「life knit design」を「インテリア提案」「エクステリア提案」として6月30日から全国で始動すると発表した。

 「インテリア提案」では、従来の流行に合わせたテイスト提案を脱却、空間における色や素材、カタチなどから受ける印象を言語化し導き出した独自の「6つの感性フィールド」(「静」「優」「凛」「暖」「艶」「奏」)へ変革。顧客と“感性”を共有し、的確な提案へと導く「インテリアコミュニケーションツール」を新たに開発、“感性”に響く住まいがデザインされる場として「life knit atelier」を全国84か所でオープンする。

 「エクステリア提案」では、従来の「和」「洋」「モダン」の3つのテイスト提案から、「日本カラーデザイン研究所と共同研究で日本及び海外の約150 シーンの美しいまちなみを構成する色や四季の植栽の色を分析。日本の景観や樹木と調和する色を特定し、外壁色に落とし込み、また、美しい景観に共通してみられる色の明るさの法則〝明度グラデーション〟に着目」し、一棟の建物としても、建ち並ぶ街並みとしても上品で優しいグラデーションを実現する提案に変革する。

 「life knit design」を体現したモデルハウス「HUE(ヒュー)」を「駒沢シャーウッド展示場 HUE」でオープンする。

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 上段は同社のニュース・リリース(A4判4ページ)のコピペだ。記者もそうだが、読者のみなさんもなんのことやらさっぱり分からないはずだ。

 そもそも「感性」なるものは、人間が持って生まれた生得的な五感のほか、それぞれの地域の歴史・文化などによって体得される後天的な側面を持つ。例えば「美しい」。リリースには8回この言葉が出てくる。記者は草花のドクダミが大好きで美しいと思うのだが、これを美しいと感じる人は圧倒的少数派のはずだ。美しいとされるシンメトリーの建築物は、時には「悪の権化」に見える。いったい何が美しくて醜いか。これは永遠の課題・テーマだ。

 モデルハウス見学を同社にお願いし、レポートする。同社のグローバルビジョン「『わが家』を世界一幸せな場所にする」はどのような形で具現化されているのか興味津々だ。

 

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 住協グループは6月5日、埼玉西武ライオンズの公式スポンサーとして、水上由伸投手(背番号69)と古賀悠斗選手(背番号22)を起用した新CMを6月1日から開始したと発表した。

 CMは15秒と30秒の2種類で、1試合につき2回、ベルーナドームのコンコース・大型Lビジョンで放映される。放映期間は2023年8月27日まで。

 「一度聴いたら耳に残り、思わず笑顔になる」というのがコンセプトで、水上投手、古賀選手にはユニフォームだけでなく、現場監督の作業姿や大工の作業姿にもなってもらい、撮影は終始和やかな雰囲気で行われ、Youtube【住協チャンネル】で配信したメイキング映像は公開後2日で4,500回以上の再生数を記録したという。

 住協グループは2008年から埼玉西武ライオンズの公式スポンサーを務めており、レフト側外野フェンスにグループロゴを掲示している。

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 小学校3~4年生のころからだから、60年以上西武ファンの小生は、取材・飲み会など外出している以外は毎日CSで観戦している。4月の段階では絶好調で、優勝もできるのではないかと思った。

 ところが、5月に入って突如変調をきたし、急坂を転げ落ち、底這いを続けている。投手は踏ん張っても打線が援護できない、守れない。5月だけで勝率は3割以下。Y選手の不祥事が原因の全てだろう。もう楽天との最下位争いを楽しむことに切り替えた。そうしないとストレスは記事にも影響する。もうしているか。酒の量が増え、怒りに身を任せた思慮分別を著しく欠いた記事が増えているような気がする。

 住協グループが西武の公式スポンサーだったとは全然知らなかった。取材したのはもう20年も前だろうか。

開幕前に西武〝日本一〟 素晴らしいボールパーク化工事完了 人材流失に終止符(2021/3/9)

 


 

 

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積水ハウスは529日、グループ会社・積水ハウス建設の20254月入社までの高校卒業予定者を中心とした「住宅技能工」採用計画を新たに取りまとめたと発表。20244月入社では、今期の2.4倍にあたる年間95名、20254月入社では3.4倍にあたる年間133名の採用を予定している。

新たに採用する人事制度では、「住宅技能工」の名称を改め、「ホープ」、「クラフター」、「チーフクラフター」、「マスタークラフター」の4つの職務等級に変更し、新評価制度による客観的評価を導入する。

処遇改善では、高卒新入社員の初任給を月収・年収ベースで11%引き上げを 20234月に実施。20244月の新人事制度導入により、チーフクラフター() の待遇を大幅に改善し、30代で現在年収500600万円から、最大約1.8倍の約 900万円まで引き上げる。

働き方改革では、「48休」、「年間休日120日」、「完全週休2日」、「男性育休取得率100%」を引き続き実施する。

今回の採用計画に合わせ、現場でのイメージアップと社員の満足度向上を図るため、ビームスのユニフォームブランドに依頼し、ユニフォームの制作を行い、夏冬用、防寒服、空調服などの一式を2024年春から全国の「住宅技能工」が着用する予定。

新施策の導入について同社は「建設現場での職方の高齢化や若年就業者の減少の加速に加え、年間時間外労働の上限の制限が202441日から適用される『2024年問題』がある一方で、良質住宅のストック形成に向けた担い手の創出が強く求められている」ためとしている。

令和4年賃金構造基本統計調査によると、建設躯体工事従事者で3034歳の平均年収は420万円、3539歳の平均年収は470万円

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結構な改革だと思う。「クラフト」は「玄人」を連想させるではないか。参考までに厚生労働省編の職業分類表小分類の職業を以下に紹介する。

裁判官、検察官、弁護士、弁理士、司法書士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、宅建士、編集者、記者、著述家、グラフィックデザイナー、音楽家、俳優、医師、看護師、栄養士、保育士、小・中学校教員、企画・調査事務員、秘書、コールセンターオペレーター、集金人、レジ係、不動産仲介・売買人、介護支援専門員(ケアマネジャー)、家政婦(夫)、理容師、美容師、調理人、旅館・ホテルフロント係、接客社交係、芸者、ビル管理人、チラシ配布員、葬儀師、火葬係、トリマー、ブライダルコーディネーター、自衛官、警察官、海上保安官、稲作・畑作作業員、植木職、造園師、漁労作業員、金属プレス工、自動車整備・修理工、タクシー・ハイヤー運転手、型枠大工、とび工、解体工、鉄筋工、大工、左官、港湾荷役作業員、ビル・建物清掃員

呼称は「官」「士」「工」「手」「員」「人」「係」「者」「家」のほか「コーディネーター」「オペレーター」など外来語もある。職業に貴賎なしと言われるが…なんやら侮蔑的な呼称もある。みんな「クラフター」にしたらどうか。

小生は、何の公的資格も必要ない(免許証もないので国家資格はひとつも持っていない)「記者(ライター)」を名乗っている。〝クラフトライター〟にしたら認知されるか。

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 飯田グループホールディングスは5月15日、2023年3月期決算を発表。売上高1兆4,397億円(前期比3.8%増)、営業利益1,023億円(同33.2%減)、経常利益757億円(同27.1%減)、純利益755億円(同26.9%減)となった。売上総利益率は16.1%で前期比4.2ポイント低下した。期末契約在庫数は25,767棟で、前期末より1,629戸減少した。

 主力の戸建分譲住宅の計上戸数は40,826戸(前期は41,534戸)で、1戸当たり単価は2,967.4万円(同2,888.3万円)。

 2024年3月期は、売上高1兆5,400億円(前期比7.0%増)、営業利益1,090億円(同6.5%増)、経常利益700億円(同7.6%減)、純利益700億円(同7.4%減)を見込む。

 セグメント別業績は次の通り。

【一建設グループ】
 戸建分譲      10,650戸   売上高   3,095億円(前期比1.0%減)
マンション分譲      704戸   売上高   294億円(1.8%増)
請負工事         1,844戸   売上高      417億円(同21.9%増)
その他               売上高      196億円(同27.8%増)
小 計         13,198戸  売上高   4,003億円(同2.4%増)

【飯田産業グループ】
戸建分譲      6,198戸  売上高    2,187億円(同6.2%増)
マンション分譲      467戸  売上高       212億円(同50.7%増)
請負工事         363戸  売上高       800億円(同1.6%減)
その他             売上高       106億円(同7.8%増)
小 計         7,028戸  売上高    2,577億円(同8.6%増)
【東栄住宅グループ】
戸建分譲       4,734戸  売上高    1,702億円(同6.8%増)
マンション分譲       469戸  売上高        64億円(同642.3%増)
請負工事       281戸  売上高       103億円(同11.3%増)
その他            売上高        22億円(同30.7%増)
小 計        5,484戸  売上高   1,893億円(同10.5%増)

【タクトホーム】
建て分譲         5,435戸  売上高 1,7127億円(同9.8%増)
マンション分譲    -
請負工事        71戸  売上高      18億円(同36.6%増)
その他             売上高    20億円(同30.7%減)
小 計       5,506戸 売上高    1,752億円(同9.3%増)

【アーネストワングループ】
戸建分譲       10,588戸 売上高   2,570億円(同8.0%減)
マンション分譲      764戸 売上高    284億円(同6.9%減)
請負工事         429戸 売上高    100億円(同1.3%増)
その他             売上高     46億円(同38.6%増)
小 計          1,1781戸 売上高   2,960億円(同7.5%減)

【アイディホーム】
戸建分譲        3,020戸 売上高      794億円(同8.2%減)
マンション分譲  ---
請負工事        48戸  売上高     10億円(同13.6%減)
その他           売上高     59億円(69.6%増)
小 計       3,068戸    売上高   811億円(同8.0%減)

【その他】
戸建分譲         201戸  売上高      61億円(同1,052.4%増)
マンション分譲     17戸  売上高      50億円(同13.0%減)
請負工事            売上高      27億円(同746.5%増)
小 計          218戸 売上高    398億円(同115.2%増)

【区分合計】
戸建分譲       40,826戸 売上高1兆2,115億円(同1.0%増)
マンション分譲   2,421戸 売上高  861億円(同14.8%増)
請負工事      3,036戸 売上高  734億円(同14.2%増)
その他            売上高  686億円(同42.9%増)
合 計       46,283戸 売上高1兆4,397億円(同3.8%増)

注1)戸建分譲には宅地などが含まれる
注2)マンション分譲にはマンション用地等が含まれる
注3)請負工事事業には、注文住宅のほかリフォームやオプション工事などが含まれる
 

 

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 大和ハウス工業は5月15日、2023年3月期決算発表に伴うメディア向けスモールミーティングを開催。冒頭、芳井敬一社長は「2023年3月期は経済活動が正常化し、受注環境の改善、ホテル運営事業の回復、アメリカ、中国を中心とする海外事業の進展により、事業施設を除くセグメントで増益を達成することができた。第7次中期経営計画の初年度としては計画を上回る順調なスタートが切れた」と語り、約1時間にわたり記者団の質問に答えた。

 当期の売上高は4兆9,081億円(前期比10.6%増)、退職給付債務の減少額812億円と年金資産の運用益159億円の数理差異966億円を含めた営業利益は4,653億円(同21.4%増)、経常利益は4,560億円(同21.2%増)、純利益は3,083億円(同36.9%増)となった。売上高、営業利益は過去最高で、開発物件売却の前期反動減と資材価格高騰の影響を受けた事業施設事業を除くセグメントで増益を達成した。

 セグメント別では、戸建住宅事業は売上高9,100億円(前期比15.9%増)、営業利益466億円(同21.6%増)。国内戸建住宅は減収減益となったが、海外住宅はアメリカを中心に好調で売上高4,638億円(同45.9%増)、営業利益は369億円(同57.8%増)となった。

 賃貸住宅事業は売上高1兆1,494億円(前期比9.2%増)、営業利益1,097億円(同13.5%増)。営業利益率は9.5%(同0.3ポイント増)、入居率は97.8%(同0.4ポイント減)と高い水準を維持している。

 マンション事業は売上高4,843億円(前期比27.5%増)、営業利益408億円(前
期比319.2%増)。営業利益率は8.4%(同5.8ポイント増)と改善、受注済みを除く完成在庫は638戸(同141戸減)。

 商業施設事業は売上高1兆921億円(前期比5.2%増)、営業利益1,329億円(同7.1%増)。ダイワロイネットホテルの2023年1月から3月までの平均稼働率は85.1%へ改善した。

 事業施設事業は売上高1兆1,302億円(前期比4.7%増)、営業利益996億円(同20.6%減)。開発物件売却は計画を上回ったが、前期からの反動減と資材価格高騰に対する価格転嫁が想定以上に進まず減益となった。

 環境エネルギー事業は売上高1,886億円(前期比17.1%増)、営業利益62億円(同19.3%増)。

 その他では、響灘火力発電所の経営権を取得、今年1月にグループ会社とした。現在は石炭とバイオマス燃料(木質ペレット)の混焼による発電を行っているが、バイオマス燃料を100%利用したバイオマス専焼発電所へ転換し、2026年4月の運転開始を目指す。

 2024年3月期は、売上高4兆9,200億円(前期比0.2%増)、営業利益3,800億円(同18.3%減、数理差異除く)、経常利益3,540億円(同22.4%減)、純利益2,500億円(同18.9減)を見込む。

 当期年間配当金は前期より4円増配の130円の予定で、2024年3月期は前期比5円増配の135円を予定している。

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 芳井社長に聞きたかったことがあった。持家の着工減と同社の国内戸建住宅に関することだ。

 持家の着工戸数は16か月連続で減少しており、2022年は暦年で253,287戸(前年比11.3%減)、年度で248,132戸(同11.8%減)と2けた減となった。一方、分譲住宅は暦年で255,487戸(同4.7%増)、年度で259,549戸(同4.5%増)となり、暦年、年度とも持家を16年ぶりに上回った。

 こうした市場環境を反映してか、同社の国内戸建住宅の売上高は4,462億円(前期比0.1%減)、営業利益は97億円(同34.9%減)、利益率は2.2%(同1.0ポイント減)となった。

 聞きたかったのは、どうして戸建住宅の落ち込みが激しいのか、コロナ禍と関連はあるのかないのか、2024年3月期売上高は4,738億円(前期比6.2%増)、営業利益は164億円(同69.1%増)、利益率は3.5%(同1.3ポイント増)を見込んでいるように、落ち込みは一過性のものかどうかだった。

 小生は、持家離れは今後も続くのではないかと悲観的な見方をしている。消費者の持家志向に変化はないが、かつての賃貸⇒マンション⇒戸建ての住宅双六は死語となり、どちらかと言えば郊外の戸建てより利便性の高い、維持・管理も楽なマンションへの志向が強まり、官民連携のスマートシティの取り組みが加速し、さらにまた、分譲戸建て市場の4割を占める、価格競争力が圧倒的に強い飯田グループ、オープンハウスグループ、ケイアイスター不動産の建売御三家の攻勢も持家市場に影響を及ぼしそうで、これらは戸建て市場にとっては向かい風になるのではないかと考えている。

 しかし、質問は途中で断念した。記者団と芳井社長のQ&Aは聞き取れなかった部分が多く、質問してもどのような回答が得られるか分からなければ質問する意味がないと判断したからだ。

 スモールミーティングはオンラインでも行われたので、同社広報に頼んで録画を送ってもらった。Q&Aの音声はとても鮮明だった。聞き取れなかったのは小生の耳が遠くなったからだ。

 ここで、Q&Aの一つひとつを紹介する余裕はないが、芳井社長は「戸建ての現在の利益率はいいとは考えていない」「ZEHは義務。戸建てもマンションも集合住宅も100%を目指す」「カーボンニュートラルは正対しないといけない。響灘火力発電所は利益が薄くてもやるべき」「分譲を増やしていくが、原材料高を価格に転嫁できるかどうかは価格動向を見極める必要がある」などと語った。

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 芳井社長はスモールミーティングの最後に「お願いしたいことがある」と切り出し、「数理計算上の差異(営業利益)の発生については以前にお知らせしており、12日の決算発表のときにも今期の営業利益には数理差異を含まないことをきちんと説明している。数理差異を除いた額が当社の実力だと考えているからです。にもかかわらず『20%減益』などと書かれ、株価はあっという間に+65円からマイナスに転じ、今日(15日)は100円高。株価の乱高下はこれだけではないでしようが、(メディアの)伝え方はとても大事なこと。きちんと伝えていただきたい」と語り、一部のメディアが今期の営業利益が20%減と報道したことに苦言を呈した。

 同社は4月13日付リリース「退職給付に関する割引率見直しに伴う数理計算上の差異(営業利益)の発生について」で、「数理差異も含めた広義の退職給付費用は長期的には人件費の一部を構成していること、将来の営業費用が増加することから今回の数理差異を営業費用の減額として表示することが通算の営業損益を適切に表示することなどから、営業利益(営業費用の減額)として表示することが適切との判断に至りました。以上を踏まえ、今回発生した数理差異を一括処理の上、202 3年3月期の営業利益(営業費用の減額)として処理することといたしました」とし、当期決算で退職給付債務の減少額812億円と年金資産の運用益159億円の数理差異966億円を営業利益として一括処理している。

 芳井社長は「こんなことは言うべきじゃないかもしれないが」とも語ったが、小生は正解だと思う。言いたいことを堂々と話すべきだ。それがメディアとの垣根を縮めることに繋がる。積水ハウスの元社長・会長の和田勇氏は関西弁丸出しで報道陣を批判した。芳井社長は怒ると絶滅危惧にある関西弁が飛び出すのか。

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 日本エスコンは5月15日、日成ビルド工業と2012年11月に締結した業務提携基本契約を解消し、日成ビルド工業が保有する同社株式650万株(直近の議決権の6.72%に相当)は、SMBC日興証券が買い付けを行う予定と発表した。

 買付日は5月22日(月)から5月25日(木)までの間のいずれかの日で、買い付け価格は5月25日(木)から5月30日(火)までの間の同社株価の終値を仮条件とし、需要状況等を勘案したうえで決定する。同社の直近の株価は860~870円で推移している。

 同社はまた、日成ビルド工業との良好な取引関係を継続していくと発表した。

 

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 FJネクストホールディングスは5月12日、2023年3月期決算を発表。売上高84,688百万円(前期比3.0%増)、営業利益8,250百万円(同9.3%減)、経常利益8,219百万円(同9.5%減)、純利益5,621百万円(同11.3%減)となった。

 不動産開発事業は売上高749,25百万円(前期比3.7%増)、セグメント利益70,64百万円(同6.3%減)。主力の新築マンション事業は資産運用型「ガーラマンションシリーズ」721戸(前年比61.3%)、ファミリーマンション「ガーラ・レジデンスシリーズ」227戸(同96.9%)の合計948戸(同66.2%)、売上高27,748百万円(同69.8%)を計上。中古マンションは1,613戸(同157.4%)、売上高40,410百万円(同160.5%)を計上した。

 2024年3月期は売上高93,000百万円(前期比9.8%増)、営業利益7,500百万円(同9.1%減)、経常利益7,500百万円(同8.8%減)、純利益5,000百万円(同11.0%減)を見込む。

 

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 セントラル総合開発は5月12日、2023年3月期決算を発表。売上高30,391百万円(前期比3.7%増)、営業利益1,538百万円(同29.7%増)、経常利益1,260百万円(同36.1%増)、純利益845百万円(同34.2%増)となった。

 主力事業の新築分譲マンション事業は売上高26,669百万円(前期比3.7%増)、営業利益2,009百万円(同12.5%増)。当初の計画どおり12物件(首都圏2物件・地方圏10物件)を竣工・引渡しした。

 2024年3月期は売上高31,800百万円(前期比4.6%増)、営業利益1,650百万円(同7.2%増)、経常利益1,300百万円(同3.2%増)、純利益850百万円(同0.5%増)を見込む。期末配当金を3円増の18円とし、年間配当金は3円増の18円を予定している。

 

カテゴリ: 2023年度

 日神グループホールディングスは5月12日、2023年3月期決算を発表。売上高82,348百万円(前期比1.1%増)、営業利益4,194百万円(同19.6%減)、経常利益4,055百万円(同19.2%減)、純利益2,763百万円(同21.6%減)となった。

 不動産事業は売上高27,349百万円(前期比14.8%減)、セグメント利益2,316百万円(同9.9%減)。新築マンション販売は528戸(前期506戸)、売上高は21,010百万円(同18,253百万円)と増加したが、不動産証券化事業は売上高1,617百万円(同82.7%減)、中古マンション(買取再販)は売上高2,896百万円(同8.3%減)とそれぞれ減収。

 多田建設の売上高は41,735百万円(前期比17.5%増)となったが、原材料費・労務費の高騰の影響を受け、セグメント利益は704百万円(同56.2%減)と減益となった。

 2024年3月期は売上高86,000百万円(前期比4.4%増)、営業利益4,000百万円(同4.6%減)、経常利益3,700百万円(同8.8%減)、純利益2,100百万円(同24.0%減)を見込む。
 

 

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