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 リノベーション中古マンションの販売を手掛けるスター・マイカは913日、「マンション管理組合における議決権行使ガイドライン」を公表した。

 同社は東京都、神奈川県を中心に年間400 室程度の中古マンションをリノベーションし、販売しており、将来の商品となる賃貸中の物件を含めると現在約1200 中古マンション保有している。同社が同一マンション内に複数戸を所有するケースでは、管理組合総会での議案の賛否に大きな影響を及ぼすこともあることから、「ガイドライン」を公表した。

 「ガイドライン」では、同社が保有・管理する不動産の価値の増大を目的とし、「他の組合員の良好な関係を維持し、マンション住民の総意を優先すべく、理事会を尊重した『全体の視点』から判断」し、原則として総会、理事会提案に賛成するとしている。原則として、同社が管理組合総会に出席して意見・質問を述べることなどは行なわないとしている。

 

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本格的な音楽スタジオ3室を併設

 

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「(仮称)西船橋シェアハウス計画」外観(完成予想図)

 日本土地建物913日、同社のシェアハウス第二弾「(仮称)西船橋シェアハウス計画」を着工したと発表。シェアハウス業界では最高水準の共用部をもつ建物で、ホテルライクな広々とした共用部、さらに完全防音仕様の「音楽スタジオ」を併設。個人練習からバンド演奏まで幅広く対応可能な本格的な音楽スタジオを3 を設置した。完成予定は2014 2 月中旬。募集は2014年1月から。第1弾は2012年竣工の「シェアリーフ千歳烏山」(87戸)。

 物件は、東京メトロ東西線西船橋駅から徒歩12分、船橋市本郷町に位置する敷地面積約2,000㎡、建物は5階建て全85室。企業の研修所だった延床面積約1,100坪の建物をリノベーションするもの。

 個室は最低9.6畳大で、最大は15.8畳大。ベッド、冷蔵庫、デスク、椅子、クローゼット、空調、照明が完備。リビング・ダイニングは74畳大、キッチンは49畳大、多目的室は53畳大ある。

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 シェアハウスについては、流行のはしりだった十数年前、何件か見学取材をしている。ひと言で言えば玉石混交。ひどいものは、民家を改造したもので、一人の居住スペースは2畳あるかどうか、まるで〝たこ部屋〟(実際にたこ部屋なるものを見たことはないが、おそらくそのようなものだっただろうと想像したのだが)だった。〝火事でも起きたらどうなるのだろう〟とぞっとした。当時は「貧困ビジネス」という概念はなかったが、そのはしりでもあったのだろう。

 これが〝石〟なら〝玉〟は企業の独身寮をリノベーションしたもので、建物も共用施設も充実していた。

 まだ業界などがなかった頃だが、自主規制基準を設置しないと早晩、社会問題になるだろうと思ったものだ。

 あれから十数年。同社のニュースリリースによると、2000年には80棟だったシェアハウスは2011年には836棟に達しているという。国交省などが調査、指導に乗り出しているのは当然だ。劣悪なものは、改造に携わった建築士はもちろん、ガス・水道の供給を止めるぐらいの措置も必要だと思う。

 その一方で、同社のような大手が立派なものにリノベーションするのはよく理解できる。シェアハウスに居住する40歳代の女性は、「居住スペースは6畳大しかないが、リビングなど共用部分がとても充実している。隣の人にはもちろん気は使いますが、共同生活をするのですから当たり前のこと。逆に風邪を引いたときなどは、お互い助け合える」と話している。

 

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「音楽スタジオ」完成予想図

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都民報告会に集まった参加者

「オールジャパンの勝利」猪瀬都知事

 2020年オリンピック・パラリンピック開催都市決定 都民報告会に6000人-東京都スポーツ振興局とオリンピック招致委員会は9月10日夜、都庁都民広場で開催決定の都民報告会を開き、都民ら約6000人とともに招致決定を祝った。

 冒頭、挨拶に立った猪瀬直樹都知事は、「ただいま。ブエノスアイレスから戻りました。皆さんの声援は届きました。みなさん、都民と国民、アスリート、政財界、その他のすべての団体の声援のお陰で2020年のオリンピック・パラリンピックの東京開催が決まりました。オールジャパンのチームが勝ったのです。9月8日は歴史に刻まれます。伝統のあるこの国が新しい歴史をつるのです。希望をつくって、元気を出して頑張りましょう」と呼びかけた。6000人の参加者は万来の拍手と歓声で応えた。

 報告会には水野正人・招致委員会副理事長兼専務理事、太田雄貴・オリンピアン、佐藤真海・パラリンピアなども出席した。

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 参加者にオリンピックに期待する声を聞いた。

・25歳の女性会社員 日本全体が明るくなって欲しい

・40代・50代・60代の女性三人組 元気になって欲しい。後世、子ども世代に希望をつなげたい

・お父さんと一緒の12歳の少年 みんなで観戦し、国際交流もしたい。英語? うん、勉強する

・73歳の飲食店経営者 上から末端まで経済効果が波及することを願っている。私は、ここ(新宿)で育った。ここ(都庁)は浄水場だった。最初のオリンピックのときは、板前の修業で全然見ることができなかった。今日は私の誕生日。あと7年、間に合うかどうか

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クス玉割り 

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東京の招致が決まれば選手村が予定されている晴海はどうなるか

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 2020年のオリンピック開催都市がいよいよ8日の未明に決まる。外電によれば東京が有利とも伝えられているが、汚染水問題も浮上している。どうなるかは神のみぞ知るだ。前回も失敗しているだけに何とか招致が決まって欲しいと願うばかりだ。ここでは招致が決まれば選手村が建設され、多くの競技が行なわれる湾岸エリアの中心地、晴海のマンション開発の近未来像を描いてみた。

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 まず、晴海一丁目。ここにはすっかり街が熟成した「トリトンスクエア」がある。敷地面積は約60ha。就業人口約2万人、住宅戸数約2,000戸の商住一体型の複合都市だ。街開きからすでに12年が経過する。オリンピック招致が決まれば、商業施設が大賑わいになるのは間違いない。

 晴海2丁目では、三菱地所レジデンスと鹿島建設が49階建てのツインタワーマンション「ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンス」(883戸)と「ザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロレジデンス」(861戸)を分譲中だ。

 「クロノ」は今年11月、「ディアロ」は20164月にそれぞれ完成する予定だ。分譲坪単価は275万円と見られる。中央区アドレスで現時点で最高レベルのマンションでありながら、豊洲や武蔵小杉の単価より安いのは、最寄り駅の勝どき駅から徒歩11分とややあることや、通勤時の混雑もユーザーの決断を鈍らせている要因だ。しかし、招致が決まれば豊洲や武蔵小杉に割り負けするはずはなく、申し込みが殺到する事態になるかもしれない。

三菱地所レジ1,744戸に続き三井不レジは約2,000戸予定

 

 招致でもっとも恩恵を受けるのが三井不動産レジデンシャルかもしれない。同社は昨年11月、約8,800㎡の都有地を約90億円で取得しているが、数年前に隣接地を太平洋セメントから約10,000㎡の土地を取得済みで、合わせて2,000戸ぐらいの規模のマンションになるはずだ。取得額からして原価はかなり安い。招致が決まれば「市場価格」で分譲するはずだ。

 この三菱地所と三井不動産の物件の隣接地には約18,000㎡の太平洋セメントの生コン工場があるが、工場は来年末で稼動を停止することが決まっている。その後の土地利用については現段階では決まっていない。招致が決まれば複合開発となる模様だ。

 

住友不動産は3丁目でSOHO付き1,450戸分譲

 

  晴海3丁目で52階建てツインタワーマンション「DEUX TOURS CANAL&SPA (ドゥ・トゥール)」1450戸を分譲するのが住友不動産だ。詳細は未定だが、分譲開始予定は来年1月。専有面積は44.67123.77㎡。このほかSOHO216区画(32.3457.05㎡)を分譲するのも特徴の一つだ。このエリアでSOHO需要があるのかという声も聞かれるが、招致が決まれば国際的に注目を浴びるわけだから十分売れると記者は見る。

 問題の価格だが、招致を逸すれば坪300万円がアッパーだろう見るが、決まれば320万円でも安いと考えるがどうだろう。同社のマンション分譲が遅れたのは震災の影響が大きいのだろうが、ここでチャンスがめぐってきた。

 この晴海3丁目では、住友不動産のマンションの隣接地「晴海三丁目西地区」では再開発マンションB棟として前田建設工業が33階建て350戸のマンションを建設中だ。同社が分譲するのかデベロッパーに卸すのかは現段階では未定のようだ。住友不動産の動向をうかがいながら事業を進めるということのようだ。

 晴海3丁目ではこのほか1.5haの「東地区」があるが、一部をUR都市機構が取得し再開発計画を進めている。URの資料によれば、招致が決まれば「メインスタジアムの門前町としての役割も期待される」としている。一気に再開発計画が進行するはずだ。

4~5丁目の選手村には恒久住宅5,000戸前後

 

 晴海4丁目、5丁目には、オリンピック招致が決まれば選手村が建設される。招致委員会の資料によれば、都が所有する約40haを含む約44haにユニバーサル・デザインの考え方に基づいて約17,000室が確保される。例示されている居室面積は63㎡の4人用住戸から136㎡の 8人用住戸まで様々なタイプが用意される。全ての住戸にはリビングルームも設けられる。

 選手村用地の所有者である東京都は、公募条件を示し、民間事業者にコンペ方式で建設させることになっている。恒久住宅部分については、大会期間中、大会組織委員会が賃借し、大会終了後の恒久住宅は民間事業者に返却する。民間事業者は、後利用計画に合わせて住宅を改装し、分譲または賃貸することで開発資金を回収する。

 

招致決定すれば開催時には1万数千戸のマンションが完成

 

 いったい恒久利用の住宅規模がどれくらいかは明示されていないが、仮に17,000人を34人で割れば4,3005,600戸ぐらいの計算になる。

 現在、約100haの晴海15丁目にあるマンションは賃貸を含めて約3,300戸。これから建設されるマンションは約5,500戸だ。これに恒久住宅が加われば住宅戸数は1万数千戸になる。アクセスを含めて交通システムをどう整備するかが大きな課題となってきそうだ。財政難の折から地下鉄の延伸までは無理だと思う。BRTBus Rapid Transit)、LRTLight Rail Transit)、あるいは乗り合いタクシーなどの新交通システムが考えられるのではないか。

 

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選手村(完成予想図)

三菱地所レジデンス 全1744戸の「ザ・パークハウス晴海タワー」

前回2016 オリンピック招致失敗時の記事

本日 オリンピック開催地決定(2009/10/2)

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東京ドーム 日ハム-ソフトバンク戦に1200人招待

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子どもた100人が参加したベースランニング

 三菱地所の新CM発表会を兼ねた東京ドームでの「三菱地所を、見に行こう。ナイター」を9月5日取材した。プロ野球日本ハムの主催試合「日ハム-ソフトバンク」公式戦の試合前30分間で行なわれたもので、1万数千人の観客が見守る中、「三菱地所を、見に行こう」のTシャツを着た招待客の子どもたちがグラウンドを駆け巡り、子どもたちによる日ハム・栗山監督、ソフトバンク秋山監督への花束贈呈、CMの主役を務める女優の桜庭ななみさんの始球式も行なわれるなど盛りたくさんな内容。観客の感想も好意的なものが多く、三菱地所も日ハムも招待客も観客も〝3方よし〟のイベントだった。

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受け付け

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 CMイベントは、日ハム球団の営業サイドから同社に持ち込まれた企画で、同社は新しいCMの発表会とCSR活動の一環である「三菱地所を、見に行こう」を兼ねることで実施に踏み切ったものだと思われる。

 同社グループの三菱地所レジデンスクラブ会員や丸の内のカード会員に参加者を募り、1,200名を招待したものだ。試合開始の30分前、招待客の子どもたち100人がグラウンドに下り、全員がベースランニングを行なったほか、招待客の中から選ばれた4人が栗山監督と秋山監督に花束贈呈した。同社のCMの主役・桜庭ななみさんの挨拶、新CM、始球式の模様がオーロラビジョンに映し出された。イベント終了後は、この日登板予定のない木佐貫投手が子どもたちを見送った。

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ベースランニング

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  西武ファンの記者は同社の広報から取材の誘いを受けたとき、主旨もよく分からなかったし、日ハム-ソフトバンクの試合など見たくもなかった。ただ、昨年、「三菱地所を、見に行こう」を取材しているので、今回はどのようなものなのかを確かめるために取材した。昨年も感動的な取材が出来たのだが、今回もとても面白い取材ができた。

 グラウンドの降りるのは、RBA野球大会で60回以上も取材しており、アンチ巨人の記者にとって全然面白くないのだが、何と同社の杉山博孝社長が日ハムの関係者らしき人と談笑していた。

 早速、声を掛けた。「社長、どっちのファンですか? もちろん三菱地所ファンですよね」社長が笑った。「もちろん」 聞きもしないのに社長は言った。「プロ野球はアカ(思想ではない)が好きでね」「エッ、広島? どうして」「よくわかんない。僕は東京出身だけどね、小学生のころからのファン」 さらに一言「パリーグは日ハム」「どうして? 」「ハムがおいしい」

 このとき、隣にいた人が破顔一笑した。(秘書らしき人から「取材はお控えください」と言われたが、後の祭り。聞きたいことはすべて聞いた後だった。隣の方は日ハムの社長だった)

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左から杉山社長、竹添昇・日ハム社長、加藤譲・三菱地所専務執行役員、桜庭さん

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 今回のイベントのCM効果だが、同社の広報マンは明言を避けた。しかし、1,200人の招待客の子どもが東京ドームのグラウンドに降り、ベースを1周できるなんて経験はまずできない。プロ野球は興行でもある。ファンサービスの一環としこのようなイベントを行なうのは大賛成だ。

 観客にとっては退屈な30分かもしれないが、何人かの観客にも声を聞いた。以下に紹介する。

 「選手を絡めたらもっと面白い」「CMソングは結構耳にしている」「赤いTシャツがよかった」「ベースランニングがかわいい。私は子どもはいないが、いたら参加したい」「桜庭さんが可愛い」

 選手の反応もうかがったが、日ハムの陽選手や大塚コーチはとても楽しそうに見ていた。栗山監督は今季の成績がいまひとつなのと昨日はパリーグ史上最長の6時間1分の試合に敗れたためか、終始むっつりとしていた。ウルフの投球練習も見た。やはりすごい。大引選手が2回に満塁弾を放ったところで帰った。試合は11-5で日ハムが大勝。に

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子どもたちを見送る木佐貫投手

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 東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会は94日(現地時間)、アルゼンチン・ブエノスアイレスで行なった記者会見の概要をまとめ発表した。

 竹田恆和招致委員会理事長は、「東京での開催は、若者にとって新しい刺激をもたらすとともに、革新的なマーケティングモデルも示される。スポンサーシップによる収入見込みは93200米ドルで、これは日本企業がいかにオリンピック・パラリンピックを支援したいと思っているかの表れとなる」などと語った。

 また、張富士夫氏(日本体育協会会長/トヨタ自動車名誉会長)は、「東京での開催が実現すれば、ビジネスという側面だけではなく、日本、アジア、そして世界にスポーツの価値を広めることに貢献できるという点からも、多くの日本企業が国内スポンサーに集まると確信している」と話した。

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実証実験の知見を社会に還元し、人材育成、SC検定などにも取り組む

 

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「サステナブル・コミュニティ研究会」セミナー(秋葉原コンベンションセンター)

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挨拶するアドバイザリーボードの浅見泰司・東大大学院教授

 

 三井不動産レジデンシャル、三井不動産住宅サービス、外部団体、有識者からなるアドバイザリーボードで構成される「サステナブル・コミュニティ研究会」は93日、「コミュニティ力が創る新しい暮らし~集合住宅から暮らしが変わる~」をテーマにセミナーを行ない、これまでの実証実験の報告と今後の活動について報告した。約200人が参加し、関心の高さをうかがわせた。

 同研究会は、東日本大震災後の集合住宅のあり方として、住民同士の共助や地域住民との連携による持続可能な地域づくりが重要として20117月に発足。サステナブル。コミュニティ(SC)指標を作成し、新築マンションや既存マンションを対象に実証実験を行なってきた。

 SC施策はコミュニケーションの深化に効果があると報告された一方で、必ずしもコミュニティに対する関心・意識が高くないことから「懇親会」+「防災訓練」など住民の関心の高いテーマにイベントを工夫する必要があるとした。また、居住者の自主的な活動を支えるコーディネータの育成や、キーマンが承認・応援されるような環境づくりも重要であることなどが報告された。

 今後は居住者内部で得られた知見を地域に還元することも必要とし、管理組合向け人材育成セミナーやSC検定などを行なっていくとした。

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驚いたのは参加者の多さだった。会場となった秋葉原コンベンションホールは満席となった。集まるのは三井不動産の関係者や報道陣ぐらいではないかという予想は外れた。

驚いたのは参加者の数だけではなく、その属性にも驚いた。勤務先が不動産業というのは8.9%で、建設業、コンピュータ・情報通信、製造業、サービス業の4業種がそれぞれ14.610.4%と不動産業を上回った。官公庁も4.6%あった。商社マンやコンサルタント、弁護士などの参加もあった。企業規模は1万人以上が13.9&を占め、1,000人以上が約34%に達した。職種でも経営者・管理職、専門職が60%近くにのぼった。役職では会長・社長が11.1%もあった。

マンションのコミュニティ形成についてはここ数年関心が高まっており、同研究会のほかにも国交省の「マンション管理の新たなルールづくり検討会」、マンション管理業協会の「マンション長寿命化協議会」などでも活発な論議が行なわれてきた。今回の参加者の多さは主催者サイドの動員力もあるのだろうが、官民の取り組みの成果であり、われわれが考えている以上にマンションのコミュニティ形成に大きな関心が寄せられている証左だ。

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興味深い報告もあった。三井不動産レジデンシャル市場開発部 商品企画グループ兼総務部環境推進室主管・川路武氏が先進的な事例として紹介したもので、「柏の葉キャンパスシティ」のマンションでは、こどもが生まれたときやサークル・ボランティア活動、上下階の交流会などへ町会からコミュニティ支援として祝い金や助成金が支給されるというものだ。これはこれからの地域連携を考える意味で参考になる。

また、基調講演を行なった英国王立芸術大学院のへレン・ハムリン・センター・フォー・デザイン シニアリサーチフェロー  ジュリア・カセム氏は「イギリスにはマンションは少なく、人生をケアするシステム、選択肢が協会やチャリティなどを通じて行なわれている」と話した。わが国には大きな影響力のある協会などは存在しないが、かつては冠婚葬祭や町内会がその役割を果した。昔のままというわけにはいかないだろうが、現代に即した新しいデザインを考える必要がありそうだ。

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左からパネルディスカッションのモデレータを務めた日経エコロジー編集長・谷口徹也氏、パネリストの明海大教授・齊藤広子氏、三井不動産住宅サービス マンション管理本部業務推進部 業務推進課課長代理・木村貴一氏

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ひだりから川路氏、ジュリア・カセム氏

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武蔵小杉に来年4月オープン

 

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「三井のすまいのモール」武蔵小杉店 位置図
 

 三井不動産92日、同社の住まいのワンストップサービス店舗「三井のすまいモール」3号店の「武蔵小杉店」を来年4月中旬にオープンすると発表した。「すまいモール」は、

「新築・中古」「所有・賃貸」「建て替え・リフォーム」などあらゆる住まいに関するニーズにワンストップで応える施設で、2012 4 月に目黒、同年11 月に横浜にオープンして以来、累計約7,000

組の来場者がある。

 「武蔵小杉」店は、東急東横線・目黒線武蔵小杉駅から徒歩1分。出店会社は三井不動産レジデンシャル、三井不動産リアルティ、三井ホーム、 三井不動産リフォーム。店舗面積は約125坪。

 また、「すまいモール」の開設と同時に開始したメンバーシップサービス「すまいLOOP」の利用者も増加しており、会員数は約10万人にを突破した。サービス提供店舗・施設数は約350カ所に拡大した。

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 3号店の武蔵小杉店は当初から予定されており、いよいよ来年に開設することが決まった。武蔵小杉はマンション供給ラッシュが続いており、その中でも同社がもっとも供給量が多い。今後も駅周辺で2,000戸超(他社とのJV含む)を供給する。坪単価も10年前は220万円だったのが、最近の駅近では300万円近くになっている。晴海や豊洲、川崎などを凌ぐ単価水準だ。

 

「住んでみたい街」3位 脅威の売れ行き野村不動産「武蔵小杉」

 

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ポラスと第三企画のCSRが意味するもの

 


「南越谷阿波踊り」フィナーレ

 記者はこの10年間、本場徳島を含めて3大阿波踊りと呼ばれる南越谷と高円寺の阿波踊りをほとんど欠かさず見学している。

 前者はハウスメーカー各社の広報担当者やメディアとの懇親が目的の「広報連絡会 臨時会」の参加者の一人として、後者は「第三企画」が「第三企画連」として踊りに参加しているのを写真に収めるためだ。前者の場合は、飲むのも目的の一つだから踊りを見るころにはかなり酔っ払ってはいるが、それでも「虹」とか「菊の会」など世界をまたに駆けて公演しているトップクラスの連の舞台踊りをみている。後者もまた、地元の有名連の一つ「殿様連」が第三企画連と一緒に踊っているので、やはりどこにも負けない踊りを見学している。この10年間を振り返って、阿波踊りの果たしている役割などについて考えてみた。

 まず、南越谷阿波踊りについて。いうまでもなく、この阿波踊りは徳島県出身でポラスグループの中央住宅の創業社長・故中内俊三氏が呼びかけて始まったものだ。昭和60824日に第1回目が行なわれている。観衆は約3万人だったという。それが、最近では毎年約60万人が集まるという。60万人といえば越谷市の人口の2倍近い数だ。参加連は70を越え、踊りに参加する人は延べ5000人にのぼるという。

 中内氏が開催を提唱したころのポラスの売上高はせいぜい数百億円だったのではないか。今ではグループの平成253月期の売上高は1,531億円(前期比13.9%増)、経常利益は110億円(同1.1%増)にものぼる。従業員数は2,425人で、これもまた当時より数倍に増えているのではないか。中内氏が亡くなられて8年が経過する中内氏が存命であれば今日の盛況振りをどう評価するだろうか。

 記者がもう一つ考えるのは地域貢献のあり方だ。中内氏は「会社がつぶれても阿波踊りだけはつぶすな」と語ったそうだが、世間には宣伝のためにイベントを行う会社がたくさんある、しかし同社は地域密着企業として、地域と一緒になって努力し汗をかいてきたからこそ共感を得られたのだろうと思う。CSRはどうあるべきかを考える意味でもこの南越谷の阿波踊りは参考になるはずだ。

 


ポラス「北辰連」

後片付けをするポラスの社員

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 次に高円寺の阿波踊りについて。これももう説明するまでもなく全国に知れ渡っている。今回で57回目を数え、参加連は90を越え、観衆は本場の約130万人に匹敵する約120万人を動員するというから驚きだ。

 第三企画はこの高円寺の阿波踊りに平成元年から参加している。同社の社長・久米信廣が連長を務める。徳島出身で若いときはミュージシャンを目指したという久米は重さ10キロもある鉦を軽々と片手に持ち、約10人の大太鼓の「暴れ太鼓」を鼓舞する。久米が「音の魔術師」なら太鼓の部隊は神業師だ。太鼓の部隊のほとんどは第三企画の印刷工場で重さ数十キロの紙と踊る紙業が日課だからだ。

 この暴れ太鼓に呼応するのが殿様連の暴れ踊りだ。手に「弓張提灯」を持ち、腰を落として鳴り物を合図に一気に駆け上がる差込が得意技で、ドドドッと十数メートルも駆け回る。

 この光景はどう控え目に見ても他を圧する。鳴り物の腕前は、殿様連の連長が「みんな本場に連れて帰りたい」と真顔で語ったほどだ。2年前は「観衆を楽しませた」として「青梅市友好賞」を受賞している。

 記者のモットーである「記事はラブレター」は、第三企画の理念「人の前に明かりを灯す」と同義語だ。

 

第三企画連&殿様連

     

殿様連(左)と第三企画連

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 この10年間の見学でたどり着いた結論は、阿波踊りこそ究極の盆踊りということだ。おんな踊りは極楽鳥ではないかということだ。編み笠は鳥の羽で、背を大きく見せつつも満月の光を遮り、かつ炬火の光で下から顔を照らす効果を狙っているかのようだ。浴衣の赤やピンクの裏地は日本古来の鴇色が基本だという。ステップを踏むごとに裾から白い脛がのぞく。久米の仙人(久米信廣ではない)は、洗濯する女性の白い脛を見て神通力をなくしたと徒然草はいう。記者も日本の女性をもっとも美しく見せるのは阿波踊り以外にないと思う。

 

  

第三企画連

     

殿様連  

  

 

   

 

   

 

  

 

第三企画連&殿様連

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参入障壁が低く報酬額が守られているのが要因 

 

 国土交通省が平成24年度の宅地建物取引業の施行状況をまとめ発表した。調査によると、平成25 年3月末(平成24 年度末)現在の宅地建物取引業者数は大臣免許が2,137 業者、知事免許が120,373 業者で、全体では122,510 業者となっている。監督処分は免許取り消しが129件、業務停止や指示処分を含めた全体は258件で、全体の処分件数は平成15年度と比較すると28.3%減となっている。

 業者数は平成15年度と比較すると大臣免許が5.3%増、知事免許が6.2%減、合計が6.0%減。過去20年間で業者数は13.8%減少している。

      ◆      ◇

 一般の方も読まれるので、宅地建物取引業(宅建業)について少し説明しよう。

 宅建業法は、宅建業の健全な発展と消費者保護を主な目的とする法律で、免許を受けなければ業として宅建業を営むことは禁止されている。免許を申請する際、1つ以上の都道府県に事務所を設ける場合は大臣免許を、1つの都道府県内に事務所を設置する場合は知事免許を受けなければならない。知事免許が多いのは、いわゆる「街の不動産屋」さんが業者の数としては圧倒的に多いからだ。

 免許基準のハードルはそれほど高くない。もっとも重要なのは、一定の宅地建物取引主任者(宅建主任者)を置かなければならないことだが、宅建主任者の資格は高校卒業程度の学力があり一生懸命勉強すれば取得できる。試験範囲は民法、建築基準法、宅建業法などに限られており、他の国家資格と比較して範囲は広くない。

      ◆      ◇

 さて、この全国で約12.3万の業者数が多いか少ないか。判断材料として総務省の「平成18年事業所・企業統計調査」を紹介する。この調査はわが国の全ての産業の事業所、企業の数や従事者をまとめたものだ。

 これによると、不動産業の事務所は全国で約32.0万、従事者は約101万人となっている。これは全産業(約591万事業所、従事者約5,863万人)を16に分けた大分類では事業所数としては7番目、従事者数としては11番目で決して多いほうではない。

 ところが、事業所を420の小分類に分けた数字では、いわゆる街の不動産屋さんと呼ばれる「不動産賃貸・管理業」は約25.5万にのぼりトップに君臨する。

 いかに多いかを他と比較してみよう。次いで多い「食堂・レストラン」が約23.5万で、以下、「医療業」23.3万、「教育・学習支援業」23.2万、「総合工事業」22.5万と続く。「美容業」17.6万、「バー・キャバレー」15.2万、「酒場・ビアホール」15.2万、「理容業」11.7万、「喫茶店」8.1万、「書籍・文房具小売店」5.1万などをはるかにしのぐ。

 事業所の減少スピードも緩やかだ。「不動産賃貸・管理業」は平成13年と比べて2.9%減少しているが、これは全産業の減少率6.9%と比較しても少ない。「医療・福祉」や「ネット関連」の事業所以外の製造業や小売り・サービス業が激減しているのと対象的だ。比較が適当かどうかは分からないが、規制が強化されて激減している「貸金業」(約0.7万)は39.4%減少しているし、「野菜・果実業」(約2.6万)もスーパー・コンビニに押されてか19.4%も減少している。

 注目すべきなのは、事業所の数が多いのに比べて従事者の数が少ないことだ。「不動産賃貸・管理業」の従事者は68.1万人だから、1事業所当たり約2.7人だ。「食堂・レストラン」の1事業所あたり従事者は約7.8人だ。いかに「不動産賃貸・管理業」は零細・個人業が多いかが分かる。

 少人数でも業として不動産業を営むことができるのは、事業参入障壁がほとんどないこともあるが、取引額が400万円以上の場合、報酬額は「取引価格」×3%+6万円として法律で守られていることと無関係ではないと思う。

 今回の調査で処分には至らない「勧告等」が848件で、15年度比34.8%増えているのは気になる材料だが、処分件数は平成15年と比べ約28%減少しているのはせめてもの救いだ。

カテゴリ: 2013年度
 

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