「誰でもできるラグビー」元日本代表・田中さん 三井不 第28回 SPORTS ACADEMY
★「第28回 三井不動産SPORTS ACADEMY 『ラグビーアカデミー』」(東京ドームシティ ラクーアガーデン芝生広場、以下、★印写真は主催者提供)
三井不動産は6月28日(土)、「第28回 三井不動産SPORTS ACADEMY 『ラグビーアカデミー』」を開催。この日行われるJAPAN XV(ジャパン・フィフティーン)との対戦のため来日しているマオリ・オールブラックス選手や田中史朗さん(元ラグビー日本代表)、マヂカルラブリー 野田クリスタルさん、ラグビー芸人 しんやさんなどを招き、小学校低学年(1~3年生約25名)を対象にした実技やトークショーが行われた。身長166cmの田中さんが「ラグビーは誰でもできる」と話したのが印象に残った。
イベントに参加したのは、マオリ・オールブラックスのアントニオ・シャルフーン、コーリー・エヴァウンス、メイソン・シゥバエアさんの3選手、元オールブラックス代表のデイン・コールズさん、元ラグビー日本代表・田中史朗さん、マヂカルラブリー 野田クリスタルさん、ラグビー芸人 しんやさん。小学1~3年生の子どもとボール回し、タックル(ゲストが腰につけている帯をむしり取るゲーム)、トライなどの実技やトークショー、全員の記念写真撮影会が行われた。
トークショーでは、ゲストから「子どもたちにとって外国の選手と交流できるのはとてもいい経験になる」「ラグビーの可能性を広げるイベント」「(日本の)人と文化が好き」などの声が上がった。女の子から鋭い質問も飛んだ。「どうしたらボールを持って速く走れるのですか」と。マオリ・オールブラックスの選手は「ボールを両手でしっかり持って、脇を締めること」と本質的なことを話した。なるほど、体当たりされボールを落としたらノッコン(スローフォワード)を取られる。
ご主人とお子さんと一緒に観戦していた都内に住む30代の女性は、「ラグビーファンです。リーチ・マイケルさんがいる東芝が贔屓チーム。今季は13~14試合、秩父宮に通いました。イベントに参加したのは小学2年の下の子で、小学6年の上の子もラグビーをやっています」と、とても楽しそうだった。
三井不動産は2016年から「BE THE CHANGE」というスローガンを掲げ、スポーツの要素を盛り込んださまざまな街づくりを手掛けており、2024年4月に策定したグループ長期経営方針「&INNOVATION 2030」では「新たなアセットクラスへの展開」を事業戦略の一つとして、「スポーツ・エンターテインメントを活かした街づくり」を加速させ、リアルの体験価値を最大化することを目指している。
★背番号「31」は三井不動産の「ミツイ」だそうだ
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ラグビーは高校のとき、体育の授業で習ったことしかない。先生から、タックルは足首にしろと教わったが、身長163cmしかない記者は、大きな生徒の太ももに抱きつき、そのままずるずると引きずられ、前進を阻めなかった屈辱的な思いしかない。サッカーもそうだが、猪突猛進そのもの、野蛮なスポーツだと決めつけた。
それでもスポーツはみんな好きだったので、大人になってからも50年以上、大学ラグビーや日本選手権、W杯などをテレビ観戦した。日本ラグビーは世界に通用しなかったので、劣等意識は深まるばかりだった。
ところが、W杯第8回(2015年)大会で世界の強豪・南アフリカに勝利したのをテレビで観ていた。日本中が沸き立った。〝ジャイアント・キリング〟という言葉が流行した。
田中さんが、リーチ・マイケルさんなどとともに日本代表選手だったのを最近知ったばかりだ。この日、身近で田中さんを見て、元神戸製鋼のラグビー選手だった大和ハウス工業代表取締役会長CEO・芳井敬一氏もそうだが、とても〝小さい〟のに驚いた。失礼だとは思ったが、「私は西武ライオンズファン。セカンドの滝澤選手は身長164cmですが、俊敏な守備力はトップクラス。田中さんの身長はいくつですか。ラグビーと身長は関係ないのですか」と聞いた。
田中さんは「私は166cm。努力は必要ですが、ラグビーは(背が低くても)誰でもできる」と答えた。夢と希望を与える言葉だ。この日参加した小さなラガーマンの中から日本代表が生まれるかもしれない。28回もSPORTS ACADEMYを開催してきた三井不動産と関係者にエールを送りたい。
左からマオリ・オールブラックス選手、コーリーさん、メイソンさん、アントニオさん
★田中さん
めっちゃ楽しい三菱地所など「仲通り綱引き大会2025」ソニー生命 2年ぶり4度目V(2025/5/22)
ラグビー世界最強NZ オールブラックス応援イベントに7000人超柏市×三井不(2019/9/14)
三井DT ミラノデザインウィークから読み解く「Design Trend Report 2025」
左からMERIDIANI、Minotti、Cassina
三井デザインテックは6月27日、2025年4月8日から13日に開催されたミラノデザインウィーク国際家具見本市の分析と家具や空間デザインの最新トレンドをまとめた「Design Trend Report 2025」を発表した。同社フェロー・見月伸一氏の視点で分析し、解説したもの。
レボードによると「COLOR TREND」については、「落ち着きと温かみを備えたアーストーンを基調に、空間に深みや奥行きを与える配色が目立った。ミルクティカラーを中心としたベージュ系の柔らかなグラデーションが多用され、ウッド素材との親和性が高い構成となっている。自然回帰の志向を反映するフォレストグリーンや、やや赤みを帯びたブラウンも多く、70年代ヴィンテージの空気感を取り入れながら、クラシックなトーンに現代的なニュアンスを加える試みが進んでいる」としている。
「MATERIAL TREND」については「素材そのものが空間の印象やメッセージを担う傾向が強まり、軽やかさや懐かしさを伴うウッド素材の再評価が進んだ。特に、鈍い光沢のミディアムウッドや乾いた質感の白木が多用され、曲線的な加工や異素材との組み合わせによって、穏やかで柔らかな雰囲気が生み出されている。また、再生素材や自然由来の素材の探究も深化しており、サステナブルであると同時に工芸的な価値をも備えた表現として注目された」としている。
左からMinotti、LOUIS VUITTON
「STYLE TREND」については「空間に対する身体的な距離感や過ごし方に焦点を当てたスタイルが広がった。奥行きを深く取ったソファや床座の提案に見られるように、柔らかな姿勢でくつろげる環境への関心が高まっている。70年代を想起させる有機的なフォルムや落ち着いた素材構成が特徴で、ヴィンテージとモダンの要素を融合させたスタイルが主流となった。個の寛ぎを尊重しながらも自然な対話が生まれる低重心のレイアウトや、素材のテクスチャーを活かした自由度の高い空間設計が、多様なライフスタイルに寄り添う新たなスタンダードとして提案されている」としている。
左からbaxter、Minotti
「トレンド分析から見える2025年のデザイントレンド」は以下の通り。
2025年のインテリアデザインは、サステナビリティやウェルビーイングへの関心が深化し、ヘルシーでストイックな志向に加えて、情緒や自由さを重んじる暮らしの価値観へと広がりを見せている。さらにパンデミックの収束から2年以上が経ち、コミュニケーションのあり方や生活様式の変化が進む中で家具の使い方も多様化し、新しい寛ぎ方や対話を重視したレイアウトの提案も行われるようになってきた。
その生活形態の変化を表すように、今年のミラノデザインウィークでは70年代の自然回帰や自由なムードを基調に、60年代カリフォルニアの開放感や80年代の華やかさなど、複数の時代を横断する要素を融合させた展示が多く見られた。異なる要素を組み合わせることでヴィンテージ感と現代的感性の調和を図り、ブランドごとに独自の世界観を構築する動きが顕著になっている。
こうした潮流の中で、インテリアは柔軟性や持続可能性を備えるだけでなく、人と人との対話を促し、自由で多様な暮らしを包み込む舞台としての役割を強めている。そして今、その空間が担うのは、単なる機能や様式の表現にとどまらず、個々の人生や感情に寄り添い、豊かさを語る“ストーリーテリング”型のアプローチである。その象徴ともいえるのが、Loro Piana による《La Prima Notte di Quiete》だ。70年代を想起させるインテリアを舞台に、音や光による演出だけで空間に物語を立ち上げた本作は、インテリアデザインがもたらす情緒的な豊かさを体感させる提案であり、これからのミラノデザインウィークが果たしていく文化的役割を先導する存在ともなっていた。
インテリアが、その場で営まれる人々の生活や物語を織り込んだ表現へと進化するなか、2025年のミラノデザインウィークは、自由で情緒的な暮らしの価値観とともに、多様なライフスタイルに寄り添う新しいデザインのあり方を具体的に提示していた。
Loro Piana による《La Prima Notte di Quiete》
三井不動産 「ららテラス」首都圏6施設目の「北綾瀬」オープン
「三井ショッピングパーク ららテラス北綾瀬」
三井不動産は6月24日、ライフスタイル型商業施設「ららテラス」として首都圏6施設目となる「三井ショッピングパーク ららテラス北綾瀬」をオープンした。年間売上目標は120億円、年間来場者目標は350万人以上。
北綾瀬駅北改札からからペデストリアンデッキで直接接続されており、「暮らし 綾なす」を施設コンセプトに、綾瀬エリア初となる大型フードコートの10店舗のほか、地域居住者のデイリーニーズに応じた全51店舗が入居する。
この他、地域に愛される施設を目指した取り組みとして、綾織を取り入れた外観とし、ストリートピアノの設置を予定。その他、ZEBOriented(物販等)、DBJGreenBuilding認証、太陽光パネルの実装(約80,000kWh/年)、屋上・歩道の緑化(計約960㎡の緑地)などサステナブル社会の実現に向けた取り組みを行っている。
同社は国内商業施設として、22施設のリージョナル型ショッピングセンター、13施設のアウトレットモール、37施設の都心型・複合型商業施設、15施設のライフスタイルパークを展開しており、今回の「北綾瀬」はライフスタイルパークに該当し、首都圏では「南千住」「武蔵小杉」「TOKYO-BAY」「HARUMI FLAG」と、2025年5月31日にオープンした「川口」続き6施設目。コンセプトは「街の賑わい」と「日常生活の彩り」の提供。
施設は、東京メトロ千代田線北綾瀬駅直結、足立区谷中四丁目に位置する敷地面積約8,700㎡、鉄骨造4階建て延床面積約31,800㎡。設計は基本設計が石本建築事務所、実施設計が大本組。施工は大本・三浦建設共同企業体。環境デザインは船場。運営・管理は三井不動産商業マネジメント。
北綾瀬エリアの世帯数は2018年の12,101世帯から2024年は14,116世帯と右肩上がりで増加しており、1㎞圏内の新築マンションも2022年の1棟から2025年5棟に増加。坪単価は数年前と比較すると倍近くに上昇している。
ペディストリアンデッキ
フードコート
屋上緑化
抜群に美味しい「ザファーム」のミニトマト「ららテラスHARUMI FLAG」(2024/3/1)
「南船橋」駅直結の商業施設開業/再開発「日本橋」の次は「水道橋」か三井不動産(2023/11/29)
5月の訪日外客数 前年同月比21.5%増の約369万人 5月として過去最多
日本政府観光局(JNTO)は6月18日、2025年5月の訪日外客数は前年同月比21.5%増の3,693,300人で、5月として過去最高だった2024年の3,040,294人を65万人以上上回り、同月としては過去最高を更新したと発表した。
5月は桜シーズンと夏休みシーズンの間に挟まれた時期であり、多くの市場で訪日需要が前月に比べ落ち着く時期であるものの、一部の市場で祝日やスクールホリデーに合わせた訪日需要の高まりがみられたことなどにより、東アジアでは中国、東南アジアではフィリピン、欧米豪では米国を中心に訪日外客数が増加したことが今月の押し上げ要因となった。
インドで単月過去最高を更新したほか、韓国をはじめ中国、台湾、米国など21市場で5月として過去最高を記録した。
子どもの感性・社会性の発達と会話の関連研究 積水ハウス×京都大学
積水ハウスと京都大学は6月18日、2024年度から実施している包括連携で、今年度からの2か年で実施する共同研究テーマを「住まいにおける子どもと家族との会話によるつながりに関する研究~子どもの感性・社会性の発達を目指して~」にすると発表した。同日、公開報告会をリアル&オンラインで開催し、全国の家族を対象にしたプレ調査結果を報告した。
包括連携は、子どもの感性発達に有効な住提案に関する知見の拡大・創出を目的として2024年から実施しているもので、1年目は共同研究の本格始動に先立ち、住まいにおける「家族のつながり」が子どもの感性や幸福感にどのような影響を与えるのかを探るため、長子が小学校3年生~高校3年生相当の男女と、その長子を対象とした832人を対象としたインターネットによるプレ調査を実施した。
その結果、親とのコミュニケーションに満足している子どもは「今、幸せだ」と感じている割合は76.3%、親との会話が十分とれていると答えたのは38.0%、親とのコミュニケーションに「満足」と回答した子どもは、知的好奇心や感性などの子どもの非認知能力が育まれている傾向が強いことなどが分かった。
共同研究テーマを「住まいにおける子どもと家族との会話によるつながりに関する研究」にしたのは、京大式AGORAを実施した結果、共同研究テーマは、①「感性」に加え、「社会性」も対象にした研究②「子ども」だけでなく、「家族」も対象にした研究③「言葉」、「対話・会話」を対象とした研究が大事との結論に達したため。
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プレ調査の結果は、いずれも納得できるものばかりだった。しかし、記者は逆のことを考えた。親子のコミュニケーションが十分でない子どもの23.7%は「今、幸せだ」と感じていないということでもある。
ここでその理由について深煎りはしないが、ファミリー層の住宅取得(賃貸も同様)環境は厳しさを増している。文科省の調査によると、不登校児童は年々増加しており、令和5年は約34.6万人、1,000人当たり37.2人に上っている。
積水ハウスはこれまでレベルの高い住宅を供給しており、ユニバーサルデザインについてもどこより先進的な取り組みをしていると思う。「5本の樹計画」に代表されるように緑環境の保全にも力を入れている。
共同研究では、住宅の質と緑などの住環境が子どもにどのような影響を及ぼすかについても踏み込んでいただきたい。さらにまた、劣悪な住環境でも立派な大人に成長する子どもはたくさんいるはずだ。
〝空と海と緑と〟最高にいいスカイラウンジ 「BLUE FRONT SHIBAURA」南棟開業へ
「BLUE FRONT SHIBAURA」
野村不動産と東日本旅客鉄道は6月12日、共同で開発を進めている「BLUE FRONT SHIBAURA」ツインタワーのうち南側の1棟目「TOWER S」の全体開業を2025年9月1日に決定し、また、浜松町芝大門・竹芝・芝浦の3地区で開発・運営を行う事業者と共に、共創型のまちづくり組織「芝東京ベイ協議会」を2025年11月を目途に設立することを決定したと発表した。
同プロジェクトは、「TOKYO&NATURE」を施設コンセプトに、都市の利便性と自然の豊かさが融合する〝空と海と緑〟の芝浦らしい自然の繋がりを意識した空間づくりを行い、多様なニーズに応え地域にひらかれた施設を目指す。
1~3階のショップ&レストランは9月1日、7~33階のオフィス&オフィスサポートフロアは8月、35~43階のラグジュアリーホテルフェアモント東京は7月1日にそれぞれ開業・入居する。オフィスの入居率は9割弱。うち野村不動産グループは3割、本社をはじめ8社が入居する。
本社移転の理由について松尾大介社長は「芝浦エリアは新しい海と空の結節点になることと、新宿本社は約50年間利用してきたことによる物理的な閉塞感から脱却するため。新しい本社は壁を取り払い、新しいイノベーションが生まれる空間とし、外部とのコラボレーションも生まれる仕掛けを施した」と説明した。
ブルーフロント芝浦は、港区芝浦一丁目に位置する区域面積約47,000㎡、地上43階地下3階建てTOWER Sと地上45階地下3階建てTOWER Nからなる延床面積約約550,000㎡。建物の高さは約230m。事業主体は野村不動産と東日本旅客鉄道。施工はTOWERSが清水建設、TOWERNは未定。設計は槇総合計画事務所、清水建設、オーヴ・アラ ップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド、日建設計。TOWER Sの着工は2021年10月、竣工は2025年2月。TOWER Nの着工は2027年度(予定)、竣工は2030年度(予定)。
各種認証では、WELLプラチナランク、LEEDゴールドランク、CASBEE 建築・スマートウェルネス オフィスSランク、ZEB Oriented、ABINCなど。
協議会の構成メンバーは、アルベログランデ、世界貿易センタービルディング、東急不動産、野村不動産、東日本旅客鉄道、貿易ビルサービス。
28階スカイラウンジ カフェ&バー
28階スカイラウンジ テラスエリア
28階スカイラウンジ ラウンジエリア
28階スカイラウンジ 個室サウナ
左から中川氏、新井氏、松尾氏
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この日は、正午から「BLUE FRONT SHIBAURA」の記者発表会が「フェアモント東京」で行われると思い込んでいた記者は、余裕をもって会場に着いた。
ところがどうだ。会見開始は午前11時からだった。主催者の野村不動産ホールディングス代表取締役社長・新井聡氏、野村不動産代表取締役社長・松尾大作氏、東日本旅客鉄道常務取締役・中川晴美氏の挨拶、プロジェクト説明はとっくに済んでいた。ざっと見渡したところ、メディアは100人くらいが参加していた。
取材の日時、時間を間違えたのはこの2週間で何と3度目だった。最初は5月29日の木曜日、明治記念館で行われた木住協の懇親会で、日にちを間違え前日に駆け付けた。2度目は先週の木曜日の6月5日、マンション管理業協会の懇親会。1時間遅れた。そして今回。理由は簡単、最近記者を悩ませている腹痛も手伝って、日程表に間違って記載したためだ。
なので、第二部のオフィス共用部・スカイラウンジ内覧会しか取材できなかったが、〝百聞は一見に如かず〟大収穫だった。現時点で最高クラスの共用部だと思う。
ラウンジは、①エンゲージメント向上の「ラウンジ」②イノベーション創造の「共創」③健康経営の「ウェルネス」④自然を生かした環境の「バケーション」&「テラス」⑤会議室の4つのゾーンに分かれている。
何が素晴らしいか。ラウンジ内は、最近流行りのアール形状が多用されているのはともかく、約1,500坪のフロアは緑であふれかえっていた。同じような光景は、〝まるで植物園〟の見出しを付けた野村不動産が2023年2月に開設した「プラウドギャラリー新宿」でも体験しているが、それ以来だ。他社を圧倒している。
これに関連することだが、国土交通省「優良緑地確保計画認定制度(TSUNAG)」の第一号認定で、「BLUE FRONT SHIBAURA」は最高段階評価「★★★(トリプル・スター)」に次ぐ「★★」を獲得した。記者はこの決定に異議を唱えた。「★★★」にすべきだと。審査員の方々は現場を見ているのか。
「ウェルネス」がまた素晴らしい。野村不動産担当者が「メガロスを運営しているからできることで、まず他のオフィスビルにはない」と語ったように、スポーツクラブそのもの。フィットネスのほかにサウナ(男性)、岩盤浴(女性)、シャワー室、メディテーションルームが完備。
このほか、ヘルスケア測定・管理、予約システムなど共用部のデジタル化により快適な空間を実現する。
スカイラウンジの利用時間は10:30~22:30なので、ここで寝泊まりはできないが、〝家に帰りたくなくなる〟のではないかと思った。以前のこのエリア一帯は、鉄道や高速の騒音が激しく、働く場所・住む場所ではないと考えてきたが、〝働くなら、住むなら浜松町〟になるような気がした。
もう一つ、内覧会で驚いたことを紹介する。会見会場となった4階の「ボルルーム」は他のラグジュアリーホテルとそれほど変わらないと思ったが、メインエントランスがある3階の天井高は12mだ。ビル全体の高さは約230m、オフィスフロアの基本天井高は3m(階高4.55m)。単純に1フロアの階高を計算すると約5.3mで、最新のビルは6mを超えていることと比較すると決して高くはないが、1階から3階までの階高・天井高は半端でない。50mくらいあるのではないか。
エントランス
「ボルルーム」
スカイラウンジ(以下、全て)
テラス
会議室
「ウェルネスエリア」
「ウェルネスエリア」個室(利用料は3000円とか)
野村不「BLUE FRONT SHIBAURA」PJ一環「GREEN WALK」店舗公開(2025/5/27)
国交省「TSUNAG 認定」トリプル・スター 東京建物/三菱地所など/積水ハウス(2025/3/19)
芝浜小学校4年生93人自然、環境、遊び場、交通テーマに発表会芝浦エリマネ(2025/3/18)
〝表と裏をひっくり返し世界一の街に〟野村不「CULTURE FRONT」トークイベント(2024/11/26)
世界の水辺の再生・街づくりに学ぶ野村不「BLUE FRONT SHIBAURA」セミナー(2024/11/19)
素晴らしい 6億円(180坪)の大和ハウス5階建て「skye(スカイエ)錦糸町展示場」
「大和ハウスskye(スカイエ)錦糸町展示場」
大和ハウス工業は6月11日、同社の住宅展示場としては最高価格となる約6億円の重量鉄骨造5階建て「大和ハウスskye(スカイエ)錦糸町展示場」を6月14日(土)にオープンすると発表。オープンに先駆け同日、メディア向け見学会を行った。
同社は2013年から都市部の建て替え層をターゲットに5階建てまで対応可能な重量鉄骨造の戸建住宅商品「skye」を販売しているが、今回の「大和ハウスskye 錦糸町展示場」は、敷地面積が限られる都心部の土地を有効活用し、店舗、賃貸、インバウンドにも対応しているのが特徴。
外壁には袖壁「アトラクティブウォール」やタイル外壁などを採用し、外観はスタイリッシュモダンなデザインとしている。
1階は、賃貸収益を得られる店舗のほか、2台分駐車可能なビルトインガレージを想定。
2階の約40坪の親世帯住居スペースは、リビングに坪庭を設置するなど、落ち着いた和モダンな空間とし、将来は賃貸スペースに変更することも可能。
室内階段でつながる3階・4 階の約77.5坪の子世帯住居スペースには、同社の特長である2,720mmの天井高と吹抜けを組み合わせた開放的なLDK(42帖)を設置。4階には、バルコニーにつながるサウナを備えたバスルームや、シアタールームを想定した同社オリジナルの快適防音室「奏でる家」を採用。
5階の約28.5坪のゲストルームは、インバウンドの民泊対応も可能とし、枯山水をイメージした和風庭園を設置している。
見学会に臨んだ同社東京本店住宅事業部事業部長・岡田陽氏は、「この展示場は、当社過去最高価格となる6億円。技術とノウハウの結晶。敷地のポテンシャルを最大限生かしたいという顧客のニーズに応え、増加するインバウンドにも対応したもの。当社の東京エリアにおける高額分譲戸建ての契約者の半数は外国人。都心部の分譲マンションの坪単価は1,000万円、2,000万円に上昇しており、この種の戸建て商品は富裕層に理解されるはず。これまで「skye」の受注は年間90棟、うち東京が40棟。平均単価は2.1億円。今回の展示場オープンにより東京の目標を60棟に引き上げる」と語った。
施設は、墨田区錦糸4丁目(錦糸町住宅公園内)の重量鉄骨造5階建て延床面積約597㎡(180.88坪)。来場目標は年間1,000組。
3階リビング
5階和風庭園(手前が三重県産材の紫雲石)
和風庭園
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同社の富裕層向け戸建て商品「Wood Residence MARE-希-(マレ)」は素晴らしかったが、今回の「skye」もまた引けを取らない。
今回の「skye」の価格は、「希」の約3億円の2倍だが、坪単価は「希」が345万円なのに対し「skye」は333万円。設備仕様は「希」のほうが高いと思うが、「skye」のレベルが低いわけではない。
記者がいいと思ったのは、トータルな質の高さだ。1フロア約40坪。天井高は3階まで2720ミリ。子世帯の吹き抜け空間の天井高は約5.6m、LDKは42帖、サウナ付きの浴室にはトレーニングスペースも併設されており、防音ルーム付き。キッチン収納部分に天然石をあしらったシステムキッチンはイタリア・バルクッチーネで、バックカウンター・収納を含めた総額は2,000万円とか。
自然素材もふんだんに用いられている。それぞれのフロアには2m×1mの中庭や坪庭が配されており、床はタモ材、壁や寝室には塗り壁、組子、格子など。圧巻はラグジュアリーホテルをイメージしたゲストルームだ。10坪以上ありそうな和風庭園は奥山から渓谷、麓山(人里)、大海をイメージしたもので、景石、飛石、沓脱石、延石、延段には三重県産の紫雲石、栃木県産の芦野石、長野県産の諏訪鉄平石が採用されている。樹木はイロハモミジ、アカシデ、ヤマボウシ、ソヨゴ、クロモジ、ヒメユズリハなど。低木・地被は18種。
仮に、この住宅展示場のモデルハウスをそのまま分譲したら、駅からの距離(徒歩7分)、錦糸公園に隣接した立地、開放的な接道条件などからして、マンションなら坪単価800万円として14.4億円で売れると思う。
しかし、課題がないわけではない。同社は建設地を土地面積50坪、建ぺい率80%、容積率300%の商業系エリアを想定しているようだが、このような〝好立地〟の土地は、都心6区はもちろん23区内では〝希〟だろう。仮にあったとしても、土地の価値を最大限生かすなら、土地所有者は自宅兼店舗にはしないのではないか。ガラス張りは覗かれる心配もある。
そこで考えた。都心部ではなく、準都心や郊外の住居系エリアの需要を取り込むことも可能ではないかと。さらにまた、調整区域の建築基準法34条の1号店舗としても建築できるのではないかと。「希」の受注は郊外や地方が中心のようだから、「skye」の需要層である富裕層の中には、都心の喧騒から逃れ、海や山川の自然を満喫しようと考える人も多いのではないか。
中庭(3階)
3階キッチン(手前の横に長い部分は自然石)
4階の会場から階下を望む
現地
価格10億円超分譲戸建ての歴史を変えた諸戸の家「代々木上原」完売(2025/3/6)
「希」に見る設計依頼 1か月で来場100組超大和ハウス富裕層向け「MARE」(2021/6/2)
5月の東京圏の工事原価 集合住宅、事務所、工場、住宅とも上昇 建設物価調査会
建設物価調査会は6月10日、2025年5月の「建設物価 建築費指数」をまとめ発表。2015年を100とした東京圏の集合住宅(RC造)の工事原価指数は137.2となり、前月比1.3%、前年同月比6.5%上昇したほか、事務所(S造)、工場(S造)、住宅(W造)とも前月比、前年同月比とも上昇した。他の都市圏もほぼ同様に上昇した。
上昇要因として、生コンクリートは、セメントや砂などの原材料費や製造プラントの人件費、ドライバーの人件費や燃料油を含んだ輸送費、プラント施設の維持管理費など製造全般のコストの増加を背景としたメーカーの値上げを需要家が認め、価格転嫁していることを上げている。
一方、電線・ケーブルについて原材料である銅の国際相場価格の下落を背景に、需要家の値下げ要求の強まりから、メーカーや販売店が製品価格を引き下げ、指数動向のマイナスに寄与したとしている。
事務所(S造)の指数は137.0%で前月比0.4%増、前年同月比3.9%増。集合住宅(RC造)は137.2%で前月比1.0%増、前年同月比5.0%増。工場(S造)は135.7%で前月比0.5%増、前年同月比3.0%増。住宅(W造)は141.5%で前月比0.3%増、前年同月比2.9%増となっている。
三井ホーム 初の燃えしろ設計で「桜の聖母学院 中学校」木造校舎増築に着手
新校舎 イメージ
三井ホームは6月10日、福島県の学校法人コングレガシオン・ド・ノートルダムが運営する桜の聖母学院中学校の校舎増築を設計し、5月27日(火)に着工したと発表。耐火RC造の既存校舎に、同社初の燃えしろ設計を採用し準耐火木造校舎を増築する。来年4月から校舎として使用開始する。
「児童・生徒・保護者・職員がぬくもりや親しみを感じることができる校舎にしたい」という学校の想いに応えるため、令和4年の建築基準法改正で可能となった「火熱遮断壁等を使用した耐火RC造の建物への木造増築」に挑戦。木造軸組工法(SE構法)を採用し、同社初の柱や梁の燃えしろ設計を行う。一部内装材(床や壁の一部)と家具(下足箱・交流ホールベンチ)に福島県産の木材を活用する。
施設は、福島県福島市花園町に位置する敷地面積約8,699㎡、2階建て・木造軸組工法(SE構法)、延床面積(増築)約1,466㎡。工事は2025年5月~2026年1月。建築主は学校法人コングレガシオン・ド・ノートルダム。施設名称は桜の聖母学院小中学校校舎。設計監理・施工は三井ホーム。
エントランス・下足箱 (左)と教室 イメージ
高気密・高断熱アピール 輸入住宅産業協会 団体設立30周年イベント
村井氏(ワールドインポートビルカンファレンスで)
輸入住宅産業協会は6月9日、団体設立30周年基調講演及び設立30周年懇親パーティーを開催。ライフスタイルプランナー資格試験の変更も発表した。
懇親パーティーで同協会会長・村井秀壽氏(スウェーデンハウス代表取締役)は、「フランス・カンヌで開催された住宅博では、わが国から参加した住友林業、大和ハウス工業さんと当社の住宅が高く評価された。食文化もそうだが、ニュージャポニズムとして品質が優れた住宅が再評価されつつある。わが国の住宅市場は苦戦しているが、視点を変え、自信を高めながらアピールすれば輸入住宅も注目されるはず」とあいさつした。
ライフスタイルプランナー(LSP)資格試験は、1998年に開始し、これまで8,319人の合格者を出している。これまで主に学生を対象にしてきたが、学生の受験が減少しているため、2025年からは社員教育向けに重点を移す。受験者向けにネット配信によるセミナーを実施し、セミナー内容から出題する。また、ライフスタイルリフォームアドバイザーについては、LSP資格試験に統合する。試験日は9月6日(日)、東京、名古屋、神戸など6会場で行われる。
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同協会のイベントに久々に参加した。輸入住宅といえば、2006~2007年だったか、東急ホームの輸入住宅「ミルクリーク」が千葉県・土気で分譲戸建てとして最初に分譲されたのを見学したのを思い出す。ずいぶん価格が安く(当時はバブル崩壊後で高い住宅は売れなかった)、合理的な住宅だと思った。その「ミルクリーク」は2020年3月末に事業終了となったのが寂しい。
スウェーデンハウスのモデルハウスや非住宅施設は何度か取材している。村井氏も「当社が一番」と木製三層窓の断熱性とC値(気密性能)の高さを強調したように、高気密・高断熱の性能の高さはどこにも負けないのではないか。
ライフスタイルプランナーの合格率は、主に新入社員向けの基礎試験は約8割、営業経験3~4年向けの上級試験は約4割とか。
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懇親パーティーでは、カナダ林産業審議会・カナダウッド日本代表のショーン・ローラー氏(58)、同審議会沿岸グループ プログラムマネージャーのスコット・アンダーソン氏(62)、カナダ大使館首席補佐官 インド太平洋地域担当特使上級顧問のディビッド・ボストウィック氏(59)ともしばし歓談した。
ショーン氏はわが国と北米の住宅の違いについて、「日本は人口密度が高く、地震が多いので建築規制が厳しい。住宅は木造が中心だがみんな低い。せいぜい3階建てまで。北米は4階から6階建ては9割が木造」と語り、木造の中高層への活用に期待した。
スコット氏は「日本で2×4がオープン化されて50年。その価値が評価されている」と、より一層の普及に力を注ぐようだ。
ディビッド氏は、「話題を変えよう」と注文し、「鳥取がいい。石破さんの出身地・八頭町にも訪れた」と日本通をアピールした。
どうして日本語が流ちょうなのか聞いたら、スコット氏は「3度目の来日。通算24年間」、ディビット氏は「妻が日本人」、ショーン氏は「タレント(能力)があるから」とそれぞれ語った。日本人は、外国語を話せるようにならないといけないということでは意見の一致を見た。(酒席でなく、ゆっくり話したかった)
左からスコット氏、ディビット氏、ショーン氏
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