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 飯田グループホールディングス代表取締役会長・飯田一男氏が平成25 年11 月29 日(金)死去した。享年75歳。故人の遺志により葬儀は近親者のみで執り行う。後日「お別れの会(仮称)」を執り行うが、日時・場所などは未定。

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 グループ全体で売上高が住宅・不動産業界で5番目の9,075億円、主力の建売住宅の販売戸数は29,459戸というガリバー企業にまで成長させた方だ。最近は体調を崩されていたのは関係者を通じて聞いていた。

 平成21年に一建設がジャスダックに上場したとき、コメントを取ろうとご自宅までうかがったが、家族の方から「もう一線から退いておりますので」とお会いすることも出来なかったのが心残りだ。ご冥福をお祈りしたします。

建売住宅のガリバー企業誕生 飯田グループホールディングス(2013/11/2)

カテゴリ: 2013年度

 法廷では「どのような答えが返ってくるか分からない質問はしてはならない」というのは弁護士の鉄則だそうだが、われわれ記者も同様だ。懇親会や記者発表会ではいつもそれを心がけている。

 その意味で、記者は昨年も今年も掟破りの質問を敢えて行なった。住宅金融支援機構が11月29日行った恒例のプレスセミナー・懇親会の場で、リスク管理債権について質問したことだ。当然のことながら昨年は明快な答えが返ってこなかった。そのような質問が飛ぶことなど機構は予測していなかったはずだ。それでも質問したのは、機構もそうだが同業の記者にもこの問題について考えて欲しかったからだ。機構に対する質問というより、同業の記者に向けて発した質問だった。

 今回も同じ質問をした。質問は概ね次の通り。「私は、住宅ローン債権は優良債権だと思うし、それを前提としてお聞きしたい。リスク管理債権のうち、既往債券は償還が増え、不良債権が沈殿し濃縮されていくのでのリスク債権比率が高まっていくのは理解できるが、額としては2兆円もあるのは由々しき問題。買取債権のリスク債権比率は金額的には1,000億円しかないが、今後どんどん積みあがっていく。機構は健全なリスク債権比率をどの程度に設定しているのか」

 質問の背景にあるのは、ローン審査の選別融資(厳格化)の問題だ。審査を厳しくすれば不良債権は減るだろうが、その一方で中・低所得者のマイホームの夢がしぼむ。いわば両刃の剣だ。記者は旧公庫から機構に移行してから、審査の厳格化が進み、時計の針でいえば右から左へと振り切った状態にあると考えており、振り戻し、つまり中・低所得者のマイホームの夢をしぼませてはならないという考えがあるからだ。

 今年も機構側からたいした答えは返ってこないだろうと思いつつ、あるいはしっかりした答えが返ってくるのではという期待もあった。融資のプロが同じ轍を踏むとは思えなかったからだ。

 答えは期待以上だった。同機構経営企画部長・池谷(いけのや)文雄氏は、質疑応答の大半の時間を割いて次のように説明した。平成24年度末のリスク管理債権比率は7.47%で、金額は約2兆円。このうち半分は(債務者の再建、支援を目的とした金利の減免、利息の支払猶予など)支払い条件の緩和を行なったもので、この方たちの約7割は7年後には正常に戻っている。既往債権の回収は順調に進んでおり、買取債権のリスク管理債権は、まだ始まったばかりで、7年後当たりに増えだし10年後から安定した数値で推移するというものだ。

 民間のリスク管理債権比率については、都銀が1.9%、地銀が2.94%、第2地銀が3.81%、信金などが4.87%で、機構の7.47%は決して低くないことを明らかにした。池谷氏は「システマティックな融資を行なってきた旧公庫の反省を踏まえ、『貸さない親切』をわれわれは学んだ。以前と比べ確かに厳格化は進んでいる」と話した。

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 記者は、支払い条件緩和者の7割が正常に戻ると聞いたのがうれしかった。機構は以前のように(貸した金を返せというような)督促状を何度も送りつけるようなことはしないで、今年度からは(デフォルト化しない事前相談の)「ご案内」の送付、カウンセリングなどキメ細かな対応を行なっているそうだ。

 池谷氏は、民事再生法の住宅ローン特約を利用することも勧めた。住宅ローン特約とは一定の要件を満たせば、競売にかけられずに返済期間を延長してもらえるものだ。

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 機構のリスク管理債権が約2兆円もあることは重大な問題だ。人数にしたら数万人に上るはずだ。何とか救済する方法はないものかと頭をひねるが、妙案はない。バブルが崩壊してほぼ一貫して資産デフレが続いているのがこうした悲惨な事態を招いている最大の要因だ。

 しかし、記者は「買う勇気」をとくに一次取得者には持って欲しいと思う。賃貸住宅は基本性能、居住性能も分譲より比べようもないほど劣っているし、ばかばかしい「賃貸か分譲か」などのマスコミの記事など読まないでいただきたい。「賃貸か分譲か」の選択肢があるのは富裕層だけだ。しっかり生活設計、資金計画を練ってチャレンジして欲しい。

 マンション管理組合には、大規模修繕や建物の耐震化の工事を無担保で融資する「マンション共用部分リフォーム融資」を積極的に利用して欲しい。建て替えは一部の条件のいいものを除き絶望的だと思う。

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 平成24年度決算では2,000億円余の当期総利益を計上し、2期連続で黒字となったことなどから、宍戸信哉理事長の機嫌がすこぶるよかった。東南アジアからわが国の住宅金融システムについての問い合わせが殺到していることも明かした。そのうちにシステム丸ごと輸出できるのではないか。

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グランプリ作品 「入学の日(hanaさん)」
 

  野村不動産アーバンネットは11月28日、同社の不動産情報サイト「ノムコム」で募集していた「家族の幸せな時間」フォトコンテストの入賞作品を発表した。

 グランプリは「入学の日(hanaさん)」。

 キャンペーンは「ノムコム」の公式Facebookページ 「おうちに帰ろ」(http://www.facebook.com/ouchinikaero)の 「いいね!」数3万人突破を記念して行われたもの。9月26日~10月31日のキャンペーン期間中、全国から765作品が寄せられた。入賞作品は14作品。「家族の幸せな時間」フォトコンテストサイト: http://www.nomu.com/ouchi/enjoy/photo/で公開されている。

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完成した建物

 三井ホームは11月28日(木)、都内初のツーバイフォー(2×4)工法による木造耐火建築5階建て店舗併用住宅が銀座2丁目で完成したのに伴い、完成現場見学会をおこなった。国交省の「平成24年度木造建築技術先導事業」に採択されたプロジェクトでもある。

 建物は、中央区銀座2丁目に位置するツーバイフォー工法(枠組壁工法)5階建て(1階はRC)耐火建築物。敷地面積は59.69㎡、延床面積は212.05㎡、最高高さは18m。総工費は約1億2,000万円、本体工事費は約8,700万円。補助金額は約2,000万円。

 都心の繁華街のRC造7階建てのビルをRC造1階+木造2~5階に建て替えるもので、建築に当たっては①社独自の中層建築に特化した改良型建て起こし工法を採用②パネル工法を併用して工期を短縮③耐力壁の高強度化のために独自のダイダウンシステムを導入④I型複合梁による耐火構造床を採用⑤湿式外壁による耐火外壁ダブルファイヤーブロック(DFB)ウォールを採用-したのが特徴。

 建物を受注した同社東京東支店支店長・五井尚人氏は、「当初は鉄骨造の8階建てが計画されていたが、エレベータを設置しなければならないこと、柱型が出るため有効面積が確保できないことなどから計画がとん挫していた。当社の技術で階数を5階建てに下げても、昇降機を設置し、居住性能が確保でき、さらに工期の短縮、工事費の圧縮が図れたので実現した。オーナーの方は開業医で、木造にも興味をもたれ、環境や人にやさしい点なども評価された。オーナーの方によるとRC造と比較して2~3割安いとのことだった」と話した。

 建物は1階が喫茶店「グラムール」で、2~3階が賃貸住居、4~5階はオーナーが利用する。

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正面外観

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 素晴らしいプロジェクトだ。敷地がわずか約60㎡、延床面積が約212㎡という狭小敷地の建築物だが、木造耐火の建築物を広げる意味で意義は大きい。

 見学会では専門的な言葉がたくさんでてきたので説明が難しいが、簡単に言えば、RCでは足場の確保やエレベータの設置義務などにより、狭小敷地では建設が難しいのを、現場で床を組み立て、壁を作り内側からジャッキで建てて上方に組み立てていく作業としては簡単な工法を同社が開発して実現したものだ。

 記者は、森林・林業の再生という視点からも極めて意義のあるプロジェクトだと思っている。外観も内装も鉄筋やコンクリート住宅とそれほど変わらないのは残念だが、構造材と4階と5階の縦枠に北海道産のカラマツが使用されている。

 この種の見学会では必ずRC造とのコストの比較になるが、記者はもちろんこれも大事だが、人にやさしい、環境にやさしい木造の良さを金額に換算したら比較ならないほど木造のほうが優れていると考える。ハウスメーカーは、経済合理性だけでなく木の持つ社会的有用性を粘り強くアピールすることが求められる。コスト論争に巻き込まれない強い心を持ってほしい。

 国もまた木材の利用率を高めるため思い切った規制緩和を進めるべきだ。わが国の気候風土にもっとも適しているのは木と紙と土の住宅ではないのか。日本の美しい文化と技術を伝承しているわが故郷の伊勢神宮を見習ってほしい。専門家でも理解できない複雑な耐火・準防火の基準緩和は待ったなしだ。

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室内(左)と昇降機     

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 1階の喫茶店も紹介しておく。なかなかおしゃれな店だ。写真のように無垢材、突板、銅版などが多用され、コーヒーカップはマイセン、ヘレンド。ゆったりくつろげる空間がコンセプトだ。松屋、三越、歌舞伎座の帰りに立ち寄る人にお勧めだ。近くには馬券売り場もあるが、馬券を買う人はタバコが吸えないのでどうか。味は保障するが…。

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喫茶店「グラムール」

公共建築物の木造化 24年度は100戸のマンション1棟分(2013/11/9)

「木づかい」を国民運動にするシンポジウム(2013/10/8)

鹿島建設・住友林業 スギ耐火集成材を初採用「oto no ha Cafe」(2013/5/15)

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左から中村氏、田中氏

 積水ハウスが11月21日、一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)が主催する「IAUDアウォード2013」の未来世代部門で金賞を受賞した。大賞を受賞したのは本田技術研究所。

 同社が金賞を受賞したのは、2011年から取り組んでいる「ドクターユニバーサルデザイン授業プログラム」。「座学」と「実習」を2時間のパッケージとして小学校へスタッフらが出張して授業を行うもので、座学ではUDを知ると優しくなる、社会に役立つことなどを教え、実習では学内の様々な施設で実証するもの。全体を通じ「知性」「感性」「社会性」「(健康な)身体」を身につけてもらう取り組み。豊中市の小学校で一昨年と昨年の2年間で4回実施した。

 表彰式に参加した同社総合住宅研究所部長・中村孝之氏は、「UDの取り組みはまだユニバーサルデザインの言葉が世の中に知られていないときから行ってきた。最近はUDで通用するようになってきた」と喜びを語った。また、同研究所技術研究室課長・田中眞二氏は「今後は健康、空気環境など研究テーマを広げ、メニューをそろえていく」と話した。

 受章者のIAUDは、ユニヴァーサルデザインの普及と実現を目指す団体で、2003年11月に設立。設立時に総裁を務められた故・寬仁親王は「100%の障害者はいない。100%の健常者もいない。人間は皆、身体(又は精神)のどこかに障害部分を持っており、なおかつ健常なる部分をも合わせ持っている。ユニヴァーサルデザインとは、誰でもが豊かで快適な生活を送るためのものである」(同協議会ホームページ)と述べられている。

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 記者は20年以上前からユニバーサルデザインを取材してきた。中村氏が語ったように、読者にユニバーサルデザインを伝えるのに難儀した。デベロッパーが取り組みだしたのはこの20年だ。ニチモが企業スローガンに掲げたときはうれしかった。その後、扶桑レクセルが積極的にマンションに採用した。社内で認定制度を設け、設備仕様も一新した。

しかし、最近はほとんどのデベロッパーがパンフレットなどでユニバーサルデザインを謳うようになってはきたが、設備仕様面ではむしろ後退している。

どこよりも早くこの問題に取り組んできた積水ハウスの受賞は当然だ。メーターモジュールの廊下・階段などの採用はどこよりも早かった。他のハウスメーカーやデベロッパーももっと真剣に取り組んでほしい。このままではいつまでたっても差は縮まらない。

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 住宅関連では、積水ホームテクノの「ユニットバス」が医療福祉部門で金賞を受賞した。浴槽の位置が変えられ、介護者の負担も軽減できるものだ。浴室の寸法が2m×2.5mとややスペースを取るのが難点と言えば難点だと思った。

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約200人が参加した会場

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 住友林業グループの住友林業クレストは11月20日、木質系住宅部材の製品シリーズ「BeRiche(ベリッシュ)」の国産材を利用し、木材利用ポイント対象商品となる「ベリッシュカラーフロアTR-J」を同日から発売すると発表した。また、これまで発売していた「シストS-J」にベリッシュシリーズ5柄を追加設定した「国産材活用フロアベリッシュシストS-J」を同日より発売する。

 2つの商品は、国産材のトドマツとヒノキをフロア基材として採用。「ベリッシュカラーフロアTR-J」は表面突板にも国産のカバ材を使用している。

 「ベリッシュカラーフロアTR-J」は1坪当たり19,000円。「ベリッシュシストS-J」は1坪当たり26,000円。

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平成24 年度第13 回公共建築賞で国土交通大臣表彰を受けた三重県立熊野古道センター(三重県尾鷲市)

 農林水産省と国土交通省は11月7日、平成24年度の公共建築物における木材の利用の促進に向けた措置の実施状況をまとめ発
表した。木造で整備を行なった公共建築物は42棟7,744㎡(前年は31棟6,534㎡)で、内装などの木質化を行なった公共建築物は258棟5,002㎥(同257棟9,511㎥)だった。

 平成22年に施行された「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」では、低層3階建て以下の公共建築物は原則としてすべて木造化を図るものとし、内装などについても、直接又は報道機関などを通じて間接的に国民の目に触れる機会が多いと考えられる部分を中心に木質化を促進するとしている。

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 公共建築物の木造化は全然進んでいないといわざるを得ない。42棟の省庁内訳は農水省(9棟)、国交省13棟)、警察庁(3棟)、環境省(16棟)、防衛省(1棟)のみだ。用途も倉庫、トイレ、作業施設などが20棟以上を占める。延べ床面積の総数は100戸ぐらいのマンション1棟ぐらいにしか過ぎない。24年度に国が整備した3階建ての公共建築物は462棟249,692㎡だから、木造化率は棟数比率にして16.8%、延べ床比率では0.03%だ。

 木造化が図れなかった理由としては、①延べ面積3,000 ㎡を超える大規模な建築物は建築基準法などの基準で耐火建築物とすること又は主要構造部を耐火構造とすることが求められた建築物であること②自衛隊施設など治安上又は防衛上の目的から木造以外の構造とすべき③刑務所、拘置所などの収容施設であり、施設の機能上の観点から木造以外の構造とすべき-などとしている。

 ①については、本気で木造化を図るのであれば建基法を改正して規制を緩和すべきだし、自衛隊や刑務所施設を木造化したら防衛上、機能上問題があると考える国民などほとんどいないだろう。自衛隊の施設は大砲を撃ち込まれても大丈夫なのだろうか。

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 地方自治体は、法律に基づき同じように都道府県や市町村ごとに木材利用を促進する方針を定めてもよいことになっているが、これも大都市圏ではそれほど進んでいない。

 東京都は62の市町村のうち方針を定めているのは新島村、神津島村、港区、日野市しかない。神奈川県は33市町村のうち小田原市、逗子市、相模原市など9市町村、埼玉県は63市町村のうち秩父市、飯能市、熊谷市など20市町村、千葉県は54市町村のうち富津市、茂原市など13市町村のみだ。

 木を大切にする自治体は人にも優しいはずだ。マンションや戸建てを検討する際に参考になるのではないか。港区は日本一のお金持ち自治体(特別区)だ。人気を集めるのも理解できる。

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 「当社は相対取引ができる計画的な大型案件が中心で、闇雲に用地争奪戦に加わるようなことはしない。第2四半期の決算数字を見る限りでは建築費の上昇は顕在化していない」-三井不動産の決算説明会で、同社の経理部経理グループ長・富樫烈氏はこう語った。

 しかし、その一方で「業界では職人さんの引き抜き合戦が始まっている。待遇を改善するなどして安定的に職人さんを確保することが課題となってくる。価格に転嫁しなくても済む努力が必要」(旭化成ホームズ・平居正仁社長)「郊外部では坪150万円以下では難しくなってきた。職人不足は深刻で、リーマン・ショック前の『新価格』どころか、ゼネコンが積年の恨みつらみを晴らす『倍返し』価格になるかもしれない」(あるデベロッパー)「建築費は上がるし、大手は設備仕様を上げているので、われわれ中堅は苦しい。大手の一人勝ちになるのでは」(ある中堅デベロッパー販売責任者)など、先行きの建築費・価格上昇を懸念する声が噴出している。

 記者も最近の価格上昇は序章、序の口に過ぎないと思う。マンションの単価は2~3年前までは、「えっ、こんなに安くできるの」という物件がかなり見られたが、最近、とくに今秋の物件は「えっ、そんなに高いの? 」と驚く物件ばかりだ。

 今後10年間で200兆円の規模でインフラなどの基盤整備を進めるという「国土強靭化」を背景に震災復興に伴う公共工事、東京オリンピック、リニア、都市再開発などが目白押しだ。リニア建設費は10兆円と言われているし、これから本格的に始まる復興区画整理事業は56カ所で総面積は3,000haを越える。数千億円規模だ。ビッグプロジェクトに大量の土木・建設技能労働者が投入されれば、中小規模マンションなどははじき出されるのは火を見るより明らかだ。土地の仕入れはしたものの、着工が出来ないという「在庫倒産」も出てくるのではないか。

 そのような事態を避けるため、竣工時期の平準化は喫緊の課題だと思う。前出の三井不動産の場合、第2四半期のマンション計上戸数は1,555戸で、通期計上予定の6,450戸に対する割合は24.1%でしかない。富樫氏は「たまたま今期は下半期に竣工・引渡しが集中したため」と説明したが、マンションの竣工が期末に集中するのは常識だ。

 そこで、現在分譲中のマンション200物件の竣工時期を調べてみた。もっとも多いのが2月で45物件、以下、3月32物件、1月24物件、11月22物件の順だ。もっとも少ないのが5月の6物件だった。四半期ごとでは第4四半期が104物件(52.0%)と過半数に達し、以下第3四半期49物件(24.5%)、第1四半期24物件(12.0%)、第2四半期23物件(11.5%)となっている。

 下半期に竣工・引渡しが集中しているのは、購入者の入居希望時期と密接な関係がある。単身者やDINKSはともかく、子育て世帯にとっては子ども転校は学年途中は避け、年度初めの進級時に行ないたいという親心が働き、デベロッパーもその意向を汲んで竣工を年度末に集中してきた経緯がある。

 竣工時期と売れ行き、企業規模や施工会社などとの相関関係を分析しないといけない部分があるが、下期に竣工することがマンション単価を引き上げる要因になっているのは間違いない。

 この問題について、三井不動産レジデンシャルはすでに手を打っているようで、今年4月、建築工事発注機能を強化するため「建設統括部」を新設した。三井不動産グループの三井ホームも「工期の平準化に力を入れていく」(市川俊英社長)という。

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 同時に進めなければならないのは、建設業が抱える重層下請け構造の改善だ。

 建設労働者は景気の安全弁的な役割を背負わせていることから、賃金が抑えられ、若年入職者が激減している。建設技能労働者52万人のうち60歳以上は約18%にのぼり、10年後には大半が引退するといわれている。京都工芸繊維大学准教授・矢ケ崎善太郎氏は「日本の職人たちの技は世界に誇る無形の文化財でもある」と語ったが、現実の待遇はまるで正反対だ。

 この命題はなんとも皮肉なパラドックスとしてわれわれに突きつけるが、関係者は知恵を絞って明解な解答を導き出して欲しい。

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「グレイプスふじみ野」完成予想図

 東京建物と東京建物不動産販売は11月16日、埼玉県ふじみ野市で開発を進めている両社のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)第2弾「グレイプスふじみ野」を開業する。開業に先立つ6日、報道陣に公開した。

 物件は、東武東上線ふじみ野駅から徒歩14分、埼玉県ふじみ野市南台1丁目に位置する5階建て全86戸(他に訪問介護事務所、居宅介護支援事業所)。専用面積は18.60~50.69㎡(1R~2LDK)、月額賃料は63,000~198,000円、管理費は15,000~20,000円。他にサービス費、食費あり。事業主が東京建物、貸主が東京建物不動産販売、運営受託がやさしい手、建物管理が東京建物アメニティサポート。設計施工は大末建設。

 「グレイプス」シリーズとしては22年に開業した「グレイプス浅草」(99戸)に次ぐ第2弾で、医療介護連携による24時間見守り体制、分譲マンション「Brillia」の設備仕様、「アクションフリー型在不在検知システム」と「インターホンによる代理応答システム」との連動、専有部個別設計変更システム、終身建物賃貸借、入居一時金不要などが特徴。

 これまで問い合わせ件数は412件、申し込み・契約は39区画。居住地は地元3市が37%、他の埼玉が24%、東京が27%。介護度は自立が16人、要支援が6人、要介護が28人。年齢は平均80歳。40~50㎡の2LDK7区画は申込受付当日に全戸申し込みが入った。

 同社グループは今後も4物件で301戸を計画しており、東京都住宅供給公社などからの受託案件も4物件で256戸が進行中。

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2人居住を想定したモデルルーム(天蓋付きのベッドには驚かされた。2人居住の需要もあるとのことだった)

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 「グレイプス浅草」も見学しているが、進化しているものがいくつかあった。その一つが「見守り体制」だ。「浅草」には入居者が長時間水を使用しないと自動的に異変を察知してフロントと警備会社に自動的に通報する「水量センサー」が設置されていたが、今回は居室内と玄関に設置することで居宅中なのか外出したのか帰宅したのかも把握できる。「見守り時間」を設定することでセンサーが作動しないときは緊急事態が発生したことを告げることができる。

 「代理応答システム」もよく考えられていると思った。本人が在宅か就寝中かなどもフロントが対応する。

 少しだが食事も試食した。記者は特養や民間の〝日本一おいしい〟ある有料老人ホームの食事も食べたことがあるが、今回のほうが数段おいしいと思った。「センターミール」社の「真空調理法」により従来調理法の問題点を解決したという。これは〝スグレモノ〟だ。1日のカロリーは1,500キロカロリー。

 前回も書いた「サービス費」(月額29,400円)について。「安心・安全」「お・も・て・な・し」を金額に換算したらものすごく安いと思った。賃料は一般の賃貸マンションと比較すると割高だが、共用施設が充実しているので単純な比較はできない。

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玄関に設置された人感センサー(天井の円形のものと、引き戸の上部にある小さい縦長のもの。居室にも円形のものがついている)

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食事メニューの1例

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こういった施設に付きものの手すり(手すりは連続してその機能を発揮するもので、防火扉、機械室の扉にはほとんどついていないし、

手すりを利用する入居者もほとんどいない。この規制は矛盾している。緩和すべきだと思う)

東京建物 高齢者専用賃貸住宅第一弾「グレイプス浅草」が竣工(2010/1/21)

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逆転に沸く三井不動産リアルティ ナイン

 

  1 2 3 4     合 計
野村不動産アーバンネット      
三井不動産リアルティ      

(6回時間切れ)

野村不動産アーバンネット 拙守たたる

 三井不動産リアルティが快勝。野村不動産アーバンネット茂木投手は立ち上がり制球を欠き、野手陣も拙守で足を引っ張った。

 1点先制された三井リアルは初回、3つの四球で得た1死満塁の好機から5番引地のショートゴロ敵失でまず1点。6番水野が倒れたあと8番安田の内野安打で2者が還りこの回3点。3回には1死1、3塁から3塁走者の神村が本盗を決めて突き放した。先発の北地は初回に1失点したが、その後は安定したピッチングで5回まで無失点に抑えた。

 野村アーバンは初回、四球で出塁した3番遠藤を1塁に置き、4番三根が左中間2塁打を放ち1点を先制したが、その後は抑えられた。

○安西監督 結果オーライ(と言ったかどうか。エンドランスクイズのサインを見落としたのは澤村のようだった)

○神村 …(本盗が決まっても浮かぬ顔)

●赤堀 いい当たり? 野球で飯を食っていた男だから当たり前(三根の快打にも手厳しかった)

  
三井 北地投手(左)と野村 茂木投手


〝いかんなぁ〟野村 三根監督

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