東急不動産他 豊洲の50階建てマンション1,230戸など 都市計画決定
「(仮称)豊洲地区1-1街区開発計画」
東急不動産、NIPPO、大成有楽不動産は11月30日、江東区豊洲五丁目大規模プロジェクト「(仮称)豊洲地区1-1街区開発計画」が都市計画決定されたと発表した。
事業地は、東京メトロ有楽町線豊洲駅から徒歩4分、江東区豊洲五丁目1号に位置する敷地面積約24,300㎡。住宅棟は地上50階建て約1,230戸。このほか生活利便施設棟、保育所棟が併設される。竣工は2021年度。
水辺へのアクセス機能とにぎわいを創出する広場機能を備えたプロムナードの整備をはじめ、水域や公園と連続する多様なオープンスペースを創出する。住宅棟の一部住戸に東京ガスのマンション向け家庭用燃料電池「エネファーム」を導入する予定。
マンションの坪単価は400万円をはるかに突破するとみられている。
駅から15分 克服できる商品企画 大和地所レジ「ヴェレーナ浦和ザ・ハウス」
「ヴェレーナ浦和 ザ・ハウス」完成予想図
大和地所レジデンスが12月下旬に分譲する「ヴェレーナ浦和 ザ・ハウス」を見学した。浦和駅から徒歩15分とややあるが、周囲は低層住宅街で希少な中層マンション、戸建て感覚のオープンエアリビング付き1階住戸、6,6mのワイドスパン、屋上ペントハウスプランなどの特性をアピールできるかどうかが成否のカギを握る。
物件は、JR京浜東北線、湘南新宿ライン、上野東京ライン浦和駅から徒歩15分、さいたま市南区太田窪二丁目に位置する6階建て全52戸。専有面積は65.26~80.20㎡、価格は未定。竣工予定は平成31年2月下旬。施工は森組。設計はオンズデコ一級建築士事務所。
現地は、第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置。元企業の研究所跡地。周辺も同じ用途地域だが、ほとんど戸建て用に土地は細分化されており、高い建物が建つ可能性は低い。
建物は美しいシンメトリーのデザインが特徴。住戸プランは一部を除き6.6mのワイドスパン、角住戸にコーナーガラスを採用し、1階オープンエアリビング付き、屋上ペントハウスプランなどとし、御影石のキッチンカウンター、食洗機などが標準装備。廊下はメーターモジュールを採用している。
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駅から徒歩15分(バス2分徒歩3分)と学区の小学校・中学校の距離がマイナス要素と思われるが、これをどう覆すか。
第一は価格だ。同社は未定としているが、記者は坪単価220万円なら十分勝負できると思う。70㎡で1階住戸は5,000万円、その他は4,700万円くらいだ。最上階の13~16mスパンペントハウスタイプとルーフバルコニー付きで6,500万円でも売れるとみた。それだけの商品企画力がある。
第二は、この優れた商品企画をどうアピールするか。1階住戸と最上階住戸はよさが分かるから問題はない。他の住戸をどうするかだ。設備仕様・仕上げは他の郊外型と比べても勝てるはずだ。駅と反対側の徒歩15分なら坪単価は280万円だろうし、低層の良好な住宅街なら300万円はする。これをきちんと説明できるか。
メーターモジュールを採用した郊外のマンションはまず埼玉県にはないし、6.6mスパンもない。
ついでだが、記者も見学し記事にも書いた「ヴェレーナグラン大宮大門町 瑞景」は残り1ケタもないようだ。記者が予想した坪単価280万円よりずいぶん低いようだ。
住友不「シティテラス杉並方南町」竣工 「外観美しい」完成後に来場が倍化
「シティテラス杉並方南町」サウス棟
住友不動産は12月1日、東京メトロ丸ノ内線方南町駅から徒歩1分の国家公務員宿舎跡地に完成した大規模マンション「シティテラス杉並方南町」の報道陣向け竣工内覧会を行った。2016年7月の第1期~3期まで半数以上の約160戸が契約済みで、建物が竣工してからは「外観がきれい」というお客さんの購入が目立ち、来場ペースがそれ以前より倍増しているという。関係者は完売まで1年はかからないとみている。累計問い合わせ件数は約4,000件、来場者は約1,400件。竣工を待って現地棟内にモデルルームを新設した。
物件は、地上6 階建て・11階建て2棟全298戸。専有面積は54.68~85.07㎡。坪単価は370万円。竣工は2017年11月30日。設計・施工は三井住友建設。
購入者のうち30~40歳代が全体の約6割。大手町、霞が関勤務のアッパーサラリーマン層がメイン。現居住地は区内が約3割。隣接区を含めると約6割。
都心の駅近大規模で、資産性・利便性を求める幅広い層から支持を集めている。現在、方南町駅ホームの延伸工事が進められており、2019年度に完成すれば中野坂上止まりなのが都心方面まで直通運転される。
ノース棟
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一昨年4月に取材したとき、「外観デザインが美しい。コンクリート打ち放し風の外壁は一部有孔コンクリが採用されており、風情がある。坪単価は未定だが、ほぼ予想したとおりだ。坪400万円はないとみた」と書いた。
関係者も、「竣工してからコンクリート打ち放しのきれいなのを見て購入を決断される方が多い」というのもうなずける。外階段のルーバーとのコントラストも美しい。
坪単価もこれから割安感がでてくるはずだ。
外階段ルーバー
駅1分、外観デザインがいい 住友不動産「シティテラス杉並方南町」(2016/4/22)
三井不動産レジデンシャル「パークシティ中央湊ザ タワー」竣工見学会
「パークシティ中央湊 ザ タワー」
三井不動産レジデンシャルは11月27日、中央区湊2丁目の36階建て大規模再開発マンション「パークシティ中央湊 ザ タワー」(416戸)が竣工したのに伴うプレス見学会を行った。
物件は、東京メトロ日比谷線・JR京葉線八丁堀駅から徒歩6分。建物の外観・外構デザインは光井純氏が監修。見学会では天井高約7.6m、広さ約200㎡の
「エグゼクティブラウンジ」や湾岸エリアを見渡せる「スカイガーデン」などの共用部分が公開された。
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この物件に関しては一昨年の2月見学取材しているのでその記事を参照していただきたい。坪単価440万円には驚いたが、将来価値を考慮すると妥当かとも感じた。
竣工後の共用施設は、これまでの同社の大規模マンション同様納得させるものがある。写真を紹介する。
スカイガーデン
東京駅方面(左)と湾岸方面の眺望
リバービューラウンジ
スタディカフェ(左)とライブラリー
天井高7m超のラウンジ
ガーデン
隅田川沿いの商・住一体開発 プラン秀逸 三井レジ「パークシティ中央湊」(2016/2/12)
〝4方良し〟足立区最高値 三井不レジ「パークホームズ北千住」1期78戸が即日完売
「パークホームズ北千住アドーア」完成予想図
三井不動産レジデンシャルの「パークホームズ北千住アドーア」(全89戸)第1期78戸が即日完売した。最近人気が高まっている北千住の駅から夜も明るいアーケード街を通って5分、イトーヨーカドーが入居し、すぐ近くには区内で有名な千住本町小学校があり、施工は大成建設。坪単価はリーマンショック前の瞬間を除き足立区最高値の絶妙の330万円。同社-施工-購入者に加え、足立区のポテンシャルを引き上げた意味で〝4方良し〟のマンションだ。資料請求は全89戸にしては驚異的な2,500件に達している。
物件は、東京メトロ日比谷線・JR常磐線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス北千住駅から徒歩5分、足立区千住3丁目に位置する13階建て全89戸。専有面積は47.15~87.04㎡、第1期3次(戸数未定)の予定価格は4,900万円台~6,300万円台(47.15~65.51㎡)。坪単価は330万円。竣工予定は平成31年3月下旬。設計・監理・施工は大成建設。
現地は、駅西口を降りほぼまっすぐに伸びているアーケード街の中の南西角地。すぐ裏には区内のモデル校の千住本町小学校。JR北千住駅から5分以内のマンション供給としては13年振りで、日光街道に面していないのも特徴の一つ。
住戸プランは、70㎡台以上が26戸で、40~60㎡のコンパクトタイプが比較的多いのが特徴。食洗機、キッチン・洗面台の御影石カウンタートップ、バックカウンター・吊戸棚(一部を除く)が標準仕様。天井高は2600ミリ。
モデルルームは76㎡台で、約7.6mスパン。玄関・ホールがゆったりしており、リビングと一体利用できる小上がりの和室を設置。
物件担当の同社都市開発二部事業室・太刀川慶所長は「当社だけでなく、7,000万円を超える住戸の供給事例がほとんどなかったので不安もあったが、イトーヨーカー堂1号店の跡地で、夜も明るいアーケード街、施工が大成さんという安心感が高く評価された」と、圧倒的人気の要因などを話した。
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太刀川氏は「社内で〝安すぎたのでは〟という声が出るほど」と冗談交じりに〝異常〟人気ぶりを表現したが、記者は〝腹八分〟の坪330万円が丁度いいと評価した。都心部はどんどん高値追究して結構。しかし、準都心部・郊外部は一般の人が購入できる価格に抑えてほしいと願っている。
この物件に関しては、あるいは坪350万円くらいかとも予想したが、先日、取材を申し込んだら「78戸が完売した。もう残りは10戸」と広報担当から聞いた時点で、単価はそれより安いと確信した。
この値段で同社も施工の大成も十分利益が出るはずだし、お客さんも〝いい物件を購入した〟と思っているはずだ。その意味で3方良しの物件だ。
さらに言えば、足立区のマンション価格はずっと23区内で底這い状態が続いてきた。安いのも結構だが、他とのバランスもある。坪330万円は決して安くはないが、東京電機大もできるなど街のイメージは一変している。
デベロッパーは街のポテンシャルを引き上げるのも役割の一つだ。その意味で、このマンションは〝4方良し〟の物件だ。このマンションが好調であることを何より三菱地所レジデンスが喜んでいる。来年分譲の駅から3分の再開発マンションは坪350万円と読んだ。
1・2階イトーヨーカドーが入居する
三菱地所レジデンスなど 北千住の再開発マンション184戸着工
「千住一丁目地区第一種市街地再開発事業」
千住一丁目地区市街地再開発組合、三菱地所レジデンス、三菱倉庫、杉本興業の4者は11月20日、東京都足立区の「千住一丁目地区第一種市街地再開発事業」を今月着工したと発表した。分譲マンションは184戸の予定で、来年夏にモデルルームをオープンする。
計画地は老朽化した建物が密集する街区となっており、約300㎡オープンスペースの整備を始め、周辺の街路整備・拡幅など防災性の向上と、老朽化した商業・業務施設の更新、都市型住宅の整備を図ることを目的としている。施行区域は約5,000㎡。
物件は、JR 常磐線、東京メトロ千代田線・日比谷線、東武伊勢崎線、 つくばエクスプレス北千住駅から徒歩3分、足立区千住一丁目に位置する30階建て延べ床面積約24,000㎡。住宅は4~30階の全184戸。専有面積は約25~約110㎡。竣工予定は2020年12月。設計は梓設計、施工はフジタ。
三井不レジ他 武蔵小山駅前の再開発タワーは坪単価470万円 第1期は204戸
「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」完成予想図
三井不動産レジデンシャルと旭化成不動産レジデンスは11月20日、武蔵小山駅前の大規模再開発マンション「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」の第1期204戸の販売を11月23日から開始すると発表した。
物件は、東急目黒線武蔵小山駅から徒歩1分、品川区小山3丁目に位置する免震の41階建て全598戸(地権者住戸121戸、事業協力者住戸16戸含む。販売戸数は低層棟の地権者住戸30戸含む491戸)。専有面積は37.69~122.11㎡、第1期の価格は6,750万~26,390万円。坪単価は470万円。設計・監理は日本設計(構造設計協力:鹿島建設)。施工は鹿島建設。デザイン監修は光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。竣工予定は2020年1月上旬。
現地は、武蔵小山駅前大規模再開発の第1号プロジェクト。街の新たなシンボルとなる「ザ・プラザ(広場)」を設け、751台を収容する公共的・商業用自転車置き場や電柱の地下化、歩行者優先道路、道路拡幅も同時に行う。
敷地北東側の隣接地では住友不動産が約500戸の41階建てマンションを分譲する予定。敷地西側には高い建物が少なく、眺望に恵まれているのが特徴。
住戸プランは1フロア15戸(最上階は10戸)のワイドスパンが特徴。リビング天井高は2600ミリ(最上階は2700ミリ)、キッチンバックカウンター・吊戸棚が標準。
今年4月に物件サイトを開設してから資料請求数は9,000件以上、モデルルーム累計来場者数は約1,700組に達している。
「ザ・プラザ(広場)」
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坪単価はずいぶん安いという印象を受けた。坪単価500万円はともかく480~490万円くらいではないかとみていた。それでも10年前に取材した、三井不動産レジデンシャルの駅から徒歩3分の「パークホームズ武蔵小山」は坪単価320万円だったから、ざっと5割近い上昇だ。
今回の再開発によって雑居ビルなどが蝟集していた駅周辺が一変する。武蔵小山商店街(パルム)はどう変わるのか興味深い。武蔵小山の街は女性にも人気だ。
モデルルームは76㎡台と最上階のプレミアムグレードの113㎡台の2タイプ。76㎡台は、ワイドスパンの特徴を生かし玄関・ホールがたっぷり取られており、天井高が高く、柱や梁型が少ないのが特徴。
価格が2億6,390万円の113㎡台は坪単価にして668万円。これまたずいぶん安い。天然木突板仕上げがエントランス扉、建具・収納扉などに多用されている。
「ザ・テラス」屋上庭園
女性ブルーモワ&男性販売スタッフの勝利 東建「大山Park Front」第1期62戸が即完
東京建物が11月13日(月)、抽選販売した「Brillia大山Park Front」第1期62戸が登録完売し、近く第1期2次も19戸も追加供給する模様だ。
物件は、東武東上線大山駅から徒歩7分、板橋区大山西町に位置する7階建て135戸。第1期62戸の専有面積は56.91~83.16㎡、価格は4,518万~7,798万円(最多価格帯5,800万円台)、坪単価は280万円弱。
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この物件は、9月に見学した際、間違いなく早期完売するとみていた。第1期は総戸数の半分近くで、追加販売を合わせると約6割に達する。最近の準都心部のマンションでは極めて好調に推移しているといえそうだ。
詳細は、添付の記事を読んでいただきたい。女性の「Bloomoi(ブルーモワ)」スタッフが商品企画を担当し、同社の〝精鋭〟男性スタッフが販売を担当した。双方の連携に乾杯!
もはや価格の問題ではない 東レ建設・総合地所 我孫子で9年ぶりマンション供給
「The FORESIS(ザ・フォレシス)」完成予想図
東レ建設と総合地所が共同で11月下旬に分譲する「The FORESIS(ザ・フォレシス)」を見学した。JR我孫子駅エリアで実に9年ぶりの供給という全263戸の大規模マンションで、3LDKで3,000万円台の前半という価格の安さもさることながら、シニア層からの反響も約3割と多いのが特徴だ。
物件は、JR常磐線我孫子駅から徒歩10分、千葉県我孫子市台田一丁目に位置する14階建て全263戸。専有面積は68.88~83.85㎡、予定価格は2,900万円台〜4,200万円台(最多価格帯3,300万円台)。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は平成31年2月下旬。販売代理は東レハウジング、長谷工アーベスト。
現地は、約20年前から10年間くらいの間に「エールの丘」(482戸)「シティア」(851戸)「グラン・レジデンス」(731戸)「アクア・レジデンス」(424戸)の4棟約2,500戸が次々分譲され、概ね好調に売れたマンション街区に近接。
建物は、全戸南東向きで、駐車場は全戸分確保。住戸プランはファミリー向けの3LDKが中心。ディスポーザー、食洗機、床暖房が標準装備。天井高は2550~2600ミリ。1階住戸は専用サイクルポート付き。
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我孫子エリアで9年ぶりのマンション供給ということは、リーマンショック後は皆無ということだ。
上野東京ラインを利用すれば北千住駅まで22分、上野駅まで34分、東京駅まで40分。東武伊勢崎線なら南越谷駅圏あたりか。にもかかわらず9年間に1件のマンションも分譲されていないとは信じられない。
記者は昭和50年代から60年代、我孫子はもちろん、マンションや建売住宅の取材でJR成田線の布佐、木下、小林、安食などを頻繁に訪れた。多い時では年間に数百戸から1,000戸は分譲され、人気にもなった。
バブル崩壊後でも、前出の我孫子駅から徒歩6分の「エールの丘」(482戸、2000年竣工)が瞬く間に売れたのをよく覚えている。「売れたら頭を剃ってやる」と施工・分譲会社の長谷工コーポの広報担当者と賭けをし、その通り3分刈りしたからだ。坪単価は128万円だった。
そして今回。価格もまた信じられないくらい安い。時代が変わったといえばそれまでだが、かつて「北の鎌倉」と称され、明治から大正にかけ白樺派の文人が多く住んだ「我孫子」のポテンシャルはどうなったのか。
反響の3割が60歳以上というのも考えさせられる材料だ。先に書いたように、我孫子以遠の成田線沿線では昭和50~60年代に1万戸を下らない建売住宅が分譲された。それらのエリア居住者の需要を吸収する可能性もあると見た。
ファミリーラウンジ
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一つ、驚いたことがある。パンフレットとシアターに星野順一郎市長が「市長インタビュー」として登場し、市の住宅地としての魅力、行政サービスの充実、住宅購入を検討しているユーザーへのメッセージなどを語っている。同市は人口減少を深刻に受け止めており、何とか歯止めをかけようと必死の取り組みを行っていることがうかがえる。
例えば行政サービス。同市は平成29年度まで31年間待機児童がゼロという。少子高齢化で要保育児童が減少しているからと思ったが、全然そうではない。1985年の保育園の定員は1,260人で、要保育児童は1,047人。その後、保育園の定員も要保育児童数も漸減しているが、定員は1998年の1,080人を、要保育児童は1992年の734人をそれぞれ底に増加傾向にあり、2017年度の保育園定員は2,217人、要保育児童は2,024人となっている。要保育児童はこの25年間で実に約2.8倍に増加している。厚労省の専業主婦世帯と共働き世帯の推移データとほぼ同じだ。
ここでまた考えた。仮に夫あるいは妻が東京に勤務すると考えると、ドアツードアまで約1時間だ。保育園に子どもを預ける時間を考慮すると1時間30分はかかりそうだ。いま保育料の無料化が検討されている。これはこれで結構だが、働き方改革を一層進め、保育士の確保なども同時に進めないと、子育てファミリー層の都心・駅近志向の動きは止まらない。
もはや価格が高い・安いの問題ではない。一方で都心のアッパーミドル・富裕層向けの価格上昇が著しく、物件によっては飛ぶように売れている-格差是正も喫緊の課題だと思う。
我孫子市の現在人口は約132,000人。同市の人口は平成23年の約136,000人をピークに減少に転じており、平成33年には約127,000人に減少すると推計されている。何もしなければ、それ以降は間違いなく加速度的に減少するはずだ。
坪単価390万円では計れない「ミクストユース」の価値あり三井レジ他「横浜北仲」
「ザ・タワー横浜北仲」完成予想図
三井不動産レジデンシャル(事業比率72%)と丸紅(同28%)は11月16日、駅直結・横浜市内最大規模・最高層の免震超高層マンション「ザ・タワー横浜北仲」の事業説明会・モデルルーム見学会を行い、第1期730戸を11月25日から販売開始すると発表した。第1期の販売戸数、階数、最高8億円の価格は横浜市・神奈川県の最多・最高記録。圧倒的な人気を呼んでいる。
物件は、横浜高速鉄道みなとみらい線馬車道駅から徒歩1分、横浜市中区北仲通五丁目に位置する敷地面積13,135㎡、延床面積168,285㎡の58階建て全1,176戸(事業協力者住戸50戸含む、他に宿泊施設・店舗・事務所等)。専有面積は44.03~212.30㎡、第1期(730戸)の価格は4,500万~8億円(最多価格帯6,600万円台、平均価格8,781万円)、坪単価390万円。竣工予定は2020年2月下旬。設計・監理は鹿島建設。施工は鹿島建設、パナソニックES建設エンジニアリング。
現地は、約7.5㏊の「北仲通北開発等促進地区地区計画」の中心部に位置し、みなとみらい21地区と、歴史を感じさせる街並みも残る関内地区の結節点。2020年6月に移転される横浜市新庁舎にも近接。
敷地内に現存する横浜市の指定有形文化財に指定されている旧横浜生糸検査所附属倉庫事務所を保存し、倉庫棟の復元を図るとともに、駅の出入口を新設、駅前広場を整備。「ミクストユース」の観点から住宅、商業・文化施設、宿泊施設などを整備する複合開発となる。
具体的には、1~3階が商業・文化施設、5~45階が分譲住宅、46階が一般にも開放する展望フロア、46~51階が「オークウッド」が入居するサービス付き長期・短期滞在型宿泊施設(150室)、52~58階がハイグレード分譲住宅となる。
事業説明会に臨んだ三井不動産レジデンシャル執行役員横浜支店長・小西英輔氏は「当社グループが最近力を入れている〝ミクストユース〟という住宅単体だけでなく多様な用途を一体として開発するプロジェクト。文化・歴史も残し、〝街区で暮らす〟という新たな価値を創造する」と話した。
これまで資料件数は約14,200件、来場者は3,600組以上。来場者は神奈川県65%(うち中区、西区、神奈川区が36)、東京都28%。年齢層は30~50歳代まで幅広く、職業は会社員が53%、家族数は2人が約半数。人気住戸は北西向きの約60㎡のSタイプ、南東向きの54㎡のSタイプ。
駅前広場
エントランスホール
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もうあれやこれやと書く必要もない。単価はひょっとしたら400万円を突破するかと思っていたが、390万円に落ち着いた。2期以降もそんなに上昇しないと読んだ。
間違いなく、現時点で横浜市の最高峰マンションだと思う。アッパーミドル・富裕層にもお勧めだが、一般の会社員でも手が届きそうな住戸が分譲される。40~60㎡台だ。もっとも安いのは44㎡で4,500万円だから坪単価は337万円だ。50~60㎡台も1~2スパンはある。価格帯にして5,000~6,000万円台、これがお勧めだ。
なぜ勧めるか。同社も力説したが、このマンションは坪単価では計れない「ミクストユース」の価値があるからだ。それらの付加価値を考慮すると、分譲単価は極めて安い。
ユーザーもそう考えているようだ。一つ面白いことを紹介する。同社は来場者の傾向を示したが、その中の職業で「会社員」53%、「会社役員」14%、「経営者」9%のほかに「その他」が24%もあった。「その他」には医者や弁護士などの富裕層も含まれるのだろうが、記者は「資産家」という職業はないから「無職」の人もかなりいるのではと読んだ。
モデルルームは4タイプ。8億円の住戸の坪単価は1,245万円だか、その価値は十分ある。床、壁などもすべて天然石、突板、本皮などが採用されている。天井高は2,550ミリ(階高3,500ミリ)。
通常階の住戸プランもいい。天井高は2,450ミリだが、階高は3,250ミリ確保されており、柱・梁型が少ない。この価値も大きい。75㎡のタイプでも浴室は1620が採用されていた。
所有・権利関係、議決権、管理・運営がどうなるのかよくわからないが、「1敷地で2建物。管理組合は9つの部会で構成される。これまでにない三井不動産レジデンシャルサービスの『管理者管理方式を採用した』高度な管理を行う」(同支店開発室主査・町田俊介氏)とのことだ。興味のある方は取材すると面白いと思う。
議決権は、面積割合でいえばもっとも広い住戸はもっとも狭い住戸の約4.8倍で、価値(価格)割合は17.8倍となるが…。
8億円のモデルルーム
近接する大正15年築の横浜市第2庁舎