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「イニシア志木」完成予想図

 コスモスイニシアが9月上旬に分譲する「イニシア志木」を見学した。同社がプレスリリースした、「Soup Stock Tokyo」を展開するスマイルズとのコラボも面白いが、意欲的なプランに記者は注目した。

 物件は、東武東上線志木駅から徒歩3分、志木市幸町1丁目に位置する7階建て全43戸。専有面積は70.40~80.80㎡、予定坪単価は244万円。竣工予定は平成30年1月中旬。施工は新三平建設。

 現地は二方道路の角地。住戸プランは、全戸70㎡超で、南東(43戸中34戸)向きと南西(43戸中9戸)向き。スマイルズとコラボレーションし、「おいしい志木の家」を提案しているのが特徴。

 プロジェクトマネージャーの同社分譲事業部分譲一部二課・藤井奈津美さんは、「利便性がよく、価格も〝妥当〟とお客さまの評価が高い。和光市は価格が高く、朝霞は駅近がないし急行が止まらない、朝霞台は商業施設が乏しいという意見が多い」と販売に自信を見せていた。第1期は3~4割供給する見込み。

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 「おいしい志木の家」について。スマイルズが展開している「Soup Stock Tokyo」はよく利用する(女性が多いというより、カロリーを抑えるため)。全てではないが、店舗デザインに本物の木を採用しており、コスモスイニシアのマンションとは親和性もある。

 モデルルームに水道・電気・ガスを実装して、実際の生活シーンを体感・体験出来るワークショップを開催するというのが面白い。

 しかし、それより記者が注目したのは、ショートスパン・専有圧縮の流れに一石を投じるプランだ。面積自体は70㎡台前半の3LDKが中心で、平凡な田の字型プランに見えるが、ほとんどの住戸のスパンは6400ミリ。平凡なプランから20~40ミリ広げることでいかに心地よい空間をつくれるかを示している。

 もっともその効果が表れているのは玄関・廊下スペースだ。奥行きは4000ミリくらいしかないが、幅は1400ミリある。広々とした空間を生み出し、しかも配管を隣接住戸との壁際に寄せることで天井高も2400ミリ確保している。一言でいえば〝魅せる玄関〟の提案だ(これに近いプランは「イニシア笹塚」でも見られた)。

 ランドスケープデザインもいい。敷地はもともと邸宅があったところのようで、道路に面したところには植栽を施し、コブシをシンボルツリーとして植える計画だ。外観は白とレンガ調のタイル。

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70㎡台のプラン

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 販売事務所でいきなり広報担当のAさんから「おめでとうございます」と声をかけられた。お互い西武ファンであることにすぐ気が付いた。前回の「イニシア松陰神社前」は西武が59年振りに球団連勝記録を塗り替えた直後で、今回は楽天を引きずり降ろし、2位に躍進した翌日だった。Aさんは勝利の女神か。

 同社のマンションは年間5~6物件見学している。〝当たりはずれ〟がない。記者にとって貴重なデベロッパーの一社だ。パンフレットにも出ている藤井さんは将来の同社を背負って立つはずだ。

地主の意向を反映 古民家の緑を残す 月内完売したコスモスイニシア「松陰神社前」(2017/8/8)

カテゴリ: 2017年度

 東急リバブルは8月30日、マンション空き家の売却を検討する売主向けサービス「アクティブ売却パッケージ」を9月8日から開始すると発表した。

 築年数の経過などにより設備の交換を必要とし、ホームステージングによる家具などの演出だけでは買主の印象をよくすることが難しい空き家のマンションに対して、売主が初期費用の持ち出しをせずに同社サービス「あんしんリフォームセレクト」のフルパッケージを活用して売却できるサービス。リフォーム後の室内に家具やカーテンなどで装飾する「ルームデコレーション」のサービスも一体となるため、物件の魅力を最大限に高めた販売活動ができる。

 一定期間内にリフォームした物件が売れない場合は、同社の「売却保証」により「査定価格+リフォーム費用」の100%を保証し、売主がリフォーム費用の投資リスクを抱えないようにする。

 適用要件は、①駅徒歩10分以内②昭和58年1月築以降(新耐震基準)③専有面積50㎡以上④査定価格2,500万円以上6,000万円未満。

 

 

カテゴリ: 2017年度

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「メガシティテラス(553戸)」完成予想図

 住友不動産は8月24日、同社が代表幹事を務める名古屋市のマンション「メガシティテラス(553戸)」に大垣共立銀行と契約を結び、全国で初めて分譲マンション共用部に「入居者専用銀行ATM」を設置すると発表した。

 「メガシティテラス」は、開発敷地面積・分譲戸数ともに名古屋市内過去最大で、平成30年3月の入居開始に向けて開発が進められている。

 これまで延べ来場者数は1,400組を超え、第1期175戸、第2期56戸の販売を終えている。

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エントランス

カテゴリ: 2017年度

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「クレヴィア金沢八景THE BAY」完成予想図

 伊藤忠都市開発は8月23日、「クレヴィア金沢八景THE BAY」の第1期販売を開始したと発表した。

 物件は、京急本線・京急逗子線金沢八景駅から徒歩3分、金沢シーサイドライン金沢八景駅から徒歩1分、横浜市金沢区瀬戸に位置する10階建て全72戸(販売住戸69戸、事業協力者住戸3戸、他に事業協力者店舗2区画)。第1期の販売戸数は33戸で、専有面積は56.41~89.88㎡、価格は4,460万~9,250万円。竣工予定は2018年7月中旬。

 今年1月のホームページ開設以降900件を超える反響があり、来場者には立地・ロケーションなどが評価されているという。

駅近&海側 こんなマンション見たことない 伊藤忠都市開発「クレヴィア金沢八景」(2017/5/19)

カテゴリ: 2017年度

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「ドレッセWISEたまプラーザ」完成予想図

 東京急行電鉄・三菱商事・三菱地所レジデンス・大林新星和不動産の4社JV「ドレッセWISEたまプラーザ」を見学した。駅前の一等地に建つ全278戸の規模で、横浜市の「CASBEE横浜」Sランクを取得したレベルの高いマンション。坪単価380~390万円の高額ながら売れ行きも好調だ。

 物件は、東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩4分、横浜市青葉区美しが丘一丁目に位置する地上10階建て(A棟・C棟)・9階建て(B棟)全278戸(A棟88戸は会員優先分譲済み)。9月上旬に分譲される第1期2次(戸数未定)の専有面積は62.05~86.92㎡、坪単価は380~390万円。竣工予定は平成30年7月下旬。施工は東急建設。設計・監理は東急設計コンサルタント。デザイン監修は三菱地所設計。販売代理は東急リバブル、東急ライフィア。

 現地は、たまプラーザテラスノースプラザ(東急百貨店)に隣接。敷地は元日本生命社宅跡地。街路樹が美しいユリノキ通りに面している。

 2月に駅に最も近い南向き中心のA棟(88戸)が会員優先で分譲済み。第1期1次140戸が5月から分譲されており、未供給は50戸のみ。極めて好調に進捗している。

 建物はL字型3棟で、街の賑わいと集いの場を担うコミュニティリビング「CO-NIWAたまプラーザ」を設置しているのが特徴。

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「CO-NIWAテラス」

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 高くなると聞いていたのでそれほど驚きはしなかったが、先日見学した、銀座へ徒歩7分の野村不動産「プラウド銀座東レジデンス」の単価は420万円だ。たまプラーザは格別のようだ。詳細は不明だが、億住戸となりそうな80㎡以上は数十戸ある。

 物件の質は間違いなく高い。環境性能表示「CASBEE横浜」のSランク(素晴らしい)を取得しているのが何よりの証拠だ。街をつなぎ人と地域を結ぶ「次世代郊外まちづくり」「CO-NIWA」のコンセプトが高く評価されたといえる。

 ここでおさらいをしておく。これまで「CASBEE横浜」Sランクを取得した物件は、三菱地所レジデンス他「M.M.TOWERS FORESIS」(1,226戸)、野村不動産「プラウド綱島」(99戸)、野村不動産「プラウド横濱中山」(139戸)、東京建物他「Brillia City 横浜磯子」(1,230戸)、野村不動産他「プラウドシティ綱島SST」(94戸)とこの物件しかない。

 神奈川県全体でみてもSランクを取得した物件は、長谷工コーポレーション他「ブリージアテラス淵野辺」(220戸)、東京建物「Brillia e-SQUARE」(129戸)、川崎市住宅供給公社「川崎ゲートタワー」(110戸)のみだ。

 それにしても、たまプラーザの美しい街並みの象徴であるユリノキの街路樹が伐採されるとは…。

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「CO-NIWAテラス」

都市計画の母が泣く たまプラーザの「ユリノキ通り」が消える!? 市が伐採計画(2017/8/22)

カテゴリ: 2017年度

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「プラウド銀座東レジデンス」完成予想図

 野村不動産が9月上旬に分譲する「プラウド銀座東レジデンス」を見学した。最寄り駅の新富町駅まで徒歩2分、銀座アドレスまでも徒歩7分の立地と設備仕様の高さが来場者に評価され、「思ったより安い」という声を上げているそうだ。早期完売は必至と見た。

 物件は、有楽町線新富町駅から徒歩2分、日比谷線築地駅から徒歩6分、中央区明石町に位置する12階建て全102戸(非分譲3戸含む)。専有面積は58.05~100.42㎡、予定価格は6,600万円台~21,900万円台(最多価格帯9,900万円台)、坪単価は420万円。施工は鴻池組。竣工予定は平成31年1月下旬。

 現地は、銀座エリアから徒歩7分。敷地東側が開校107年を迎えた明石小学校(幼稚園併設)に、道路を挟んだ敷地西側が築地川公園にそれぞれ隣接。聖路加病院にも近接。

 建物のデザイン担当はデザイン・ファーム合同会社。外観は、由緒ある街にふさわしく2層までの基壇部は御影石張り。西側道路に面した外観は縦と横のライン、マリオンが印象的なシンメトリー。

 住戸のインテリアデザインはHBA。プランは平均74㎡の広めのプランが中心で、80㎡超も31戸。キッチン、洗面室、ニッチ、浴室のカウンターなどに御影石を多用しているのが特徴。キッチン袖壁と洗面カウンターバックも御影石が標準。ガラストップコンロはリンナイの上位モデルのデリシアを採用している。

 同社の販売担当者は「地元に縁のない方の問い合わせ・来場が多いのが特徴。銀座に近く、駅から徒歩2分、聖路加病院にも近接しているのが評価されている。モデルルームを見られた方は『思っていた以上に設備仕様が高い』とおっしゃっている。第1期は60戸くらい供給する予定。100㎡超も人気。」と話している。

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 この物件は、同社が今年1月に「プラウド銀座東」のマンション見学会を行った時点で必ず見ようと考えていた。「プラウド銀座東」より駅に近く、規模も大きく、明石小学校に隣接していたからだ。価格がどうなるかも大きな関心事だった。

 常識的には坪450万円くらいではないかと思ったが、当時、野村不動産ホールディングス社長兼グループCEO・沓掛英二氏は「年度末にかけ販売を強化する」旨の発言をされたので、ひょっとしたら価格を抑え早期完売を狙うのではないかとも予想した。

 その通りの値付けとなった。「思ったより安い」という来場者の声がそれを証明している。設備仕様レベルを落とさず売り切るという同社の姿勢がはっきり見て取れる物件だ。

 同社は、今期に販売開始した「プラウド綱島SST」(94戸)第1期60戸、「プラウド上鷺宮」(58戸)第1期35戸、戸建ての「プラウドシーズン武蔵境ガーデン」(14戸)などを即日完売するなど好調なスタートを切った。〝即完のプラウド〟を再び強く印象付けようとする戦術と見た。

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キッチン(左)とパウダールーム

文明開化の香りがする中央区明石町 野村不動産「プラウド銀座東」(2017/1/26)

 

 

 

 

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 三菱地所レジデンスは8月17日、フルタイムシステムと共同でマンションの「各住戸玄関前宅配ボックス」の共同開発に着手し、2018年1月に着工予定の分譲マンション(東京都文京区)へ導入する予定と発表した。この種の開発は業界初。

 共用エントランスドアや宅配ボックスの開錠ができるICカードを利用し、宅配業者が玄関前まで荷物を配達する。これにより、住戸数に対する宅配ボックスの設置率が100%以上となる。

 「各住戸玄関前宅配ボックス」は幅約50 cm×奥行約60cm×高さ約136 cm。飲料水の段ボールや精米、ゴルフバッグといった大型宅配物にも対応する。

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「シティタワーズ東京ベイ」

 住友不動産「シティタワーズ東京ベイ」が好調なスタートを切った。第1期1次販売戸数は330戸で、本日(8月17日)から契約を開始したが、同社は300戸くらい成約できると見ている。坪単価は320~330万円。アッパーミドルを中心に湾岸エリアからの買い替え意向が半数近くに上るのが特徴だという。

 物件は、東京臨海高速鉄道りんかい線国際展示場駅から徒歩4分、ゆりかもめ有明駅から徒歩3分、江東区有明二丁目に定置する32・33・33階建て3棟全1,539戸。第1期1次(330戸)の専有面積は43.17~118.36㎡、価格は3,490万~15,490万円(最多価格帯7,000万円台)、坪単価は320~330万円。竣工予定は平成31年7月下旬。施工は前田建設工業。

 現地は、開発面積約10.7haの国家戦略特区認定を受けた住宅・商業・ホテル・子育て支援施設などの大規模複合開発。2010年に都市再生機構と東京都から用地を取得した。

 住宅棟は有明駅とぺディストリアンデッキで結ばれ、建物は免震工法を採用。道路を挟んだ南側は国営公園約6.7ha、都立公園約6.5ha、合計13.2haの東京臨海広域防災公園。周辺に高い建物がなく、眺望が将来にわたって担保されているのが特徴の一つ。

 住戸プランは、70㎡台で約10mスパンを確保するなどすべての住戸がワイドスパンで、内廊下、天井高約2600ミリ、アウトフレーム、ダイナミックパノラマウインドウなどが特徴。

 同社は、「極めて順調。今日から契約開始だが、300戸くらいは成約できそう。築10年超の湾岸マンションからの買い替え意向が半数近くに上っているのが特徴。当社の今年上半期(1~6月)のマンション来場者数も成約数も昨年同期比20%増」と、手ごたえを感じている。

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モデルルーム

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 競合関係はともかくとして、今年供給される湾岸マンション5物件の価格と売れ行きに注目していたが、すべて価格は抑制気味で、売れ行きも極めて好調に推移しそうだ。

 5物件とは、京浜急行他「プライムパークス品川シーサイド」1,152戸(「ザ・タワー」817戸、「ザ・レジデンス」335戸)、積水ハウス「グランドメゾン品川シーサイドの杜」587戸、三井不動産レジデンシャル他「パークタワー晴海」1,076戸、野村不動産「プラウドシティ越中島」305戸と住友不動産のこの物件だ。トータルすると4,659戸にも達する。

 当初から坪単価は300万円を突破するとみていたが、大幅に超えるようだと苦戦必至とみていた。ところが、アドレスが「中央区」の三井不動産レジデンシャル「晴海」が坪340~340万円に落ち着き、住友不動産の「東京ベイ」が320~330万円、京急&積水ハウスの「品川シーサイド」が308~320万円、野村不動産の「越中島」が300万円強と絶妙な値付けが奏功したのか、いずれも極めて好調なスタートを切った(野村不「越中島」は9月分譲)。

 京急「品川シーサイド」の第1期は400戸に上り、積水ハウス「品川シーサイド」も第1期は207戸、三井不動産レジデンシャル「晴海」の第1期が369戸、そして住友不動産「東京ベイ」の第1期が330戸だ。

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エントランスホール

◇      ◆     ◇

 商業施設やホテルがどのようなものになるか未定だが、「東京ベイ」は、同社のフラッグシップにふさわしいレベルが高いマンションだと思う。

 プランがいい。40~50㎡台も含めすべてワイドスパンで、全居室が窓側に面している。四方八方に高い建物がない特性をよく生かしている。天井高も高く、設備仕様も水準以上だ。ジオラマも大きさは20㎡くらいあり、1000分の1の建物も精緻にできている。

 シアターは見なかったが、物件の特性をしっかり伝えているのがユーザーの評価につながっていると見た。

京急電鉄他「品川シーサイド」 第1期は約400戸 昨年の「二俣川」「東京王子」上回る(2017/3/13)

「5本の樹計画」と呉越同舟効果 「グランドメゾン品川シーサイドの杜」(2017/3/24)

三井レジ他「パークタワー晴海」 「有明」と競合必至 価格はいくらになるか(2017/4/26)

野村不「プラウドシティ越中島」は坪300万円強 激戦の湾岸で優位に立つか(2017/7/21)

 

 

 

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「オーベル稲城南山」

 大成有楽不動産が近く分譲を開始する「オーベル稲城南山」を見学した。約87万m²の土地区画整理事業による街づくりが進んでいる「スカイテラス南山」の一角に位置し、目の前は公園や雑木林。この緑の環境が評価され、中広域的に集客が進んでいるという。

 物件は、京王相模原線稲城駅から徒歩8分、東京都稲城市の南山東部土地区画整理事業地内に位置する7階建て47戸。専有面積は67.90~95.57㎡、価格は3,400万円台~6,000万円台、最多価格帯は3,800万円台、坪単価は188万円。施工は南海辰村建設。建物は平成29年7月に竣工済み。

 現地は、広大な土地区画整理事業による街づくりが進んでいる「スカイテラス南山」の集合住宅用地・沿道施設用地の一角にあり、保育園、大型スーパーに近接。道路を挟んだ南側は公園予定地で、その奥には戸建て用地や雑木林が広がる。敷地の北側は先に完売した野村不動産「プラウドシティ南山」(412戸)。

 住戸プランは、南向き中心のファミリー向け。同社オリジナルの提案「オレンジラボ」が標準装備。

 来場者のうち25%が稲城市居住者で、中広域から集客できているのが特徴。南側に公園予定地や戸建て、雑木林などが広がる緑の環境が評価されているという。

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モデルルーム

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 「プラウドシティ南山」が売れ残っているようなら販売は苦しいとみていたが、この4月で完売したそうだ。約2年で412戸が売れたことになる。

 大成有楽不動産の物件は「プラウド」より坪単価で10万円くらい高いが、立地・環境を考慮した値付けだろう。竣工販売にしたのも環境のよさをアピールする狙いがあったからだろう。

 シニア向けに夫婦別室の提案を行っているモデルルーム(83㎡)の提案が面白い。これも竣工販売だからこそできる提案だ。

 50代前半の居住を想定したプランは、夫の部屋が約6.5畳大、その隣に約5畳大の妻の部屋、さらにその隣に5畳大の主に妻用のクローゼットを提案している。

 分譲戸建てでは夫婦別室提案をかなり見学しているが、マンションではほとんど見たことがない。マンションでもニーズはあるはずで、受けるかもしれない。

 タウンマネジメントや里山については、別掲の記事を参照していただきたい。

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モデルルーム

市街化区域編入から44年 稲城・南山の区画整理で分譲開始(2014/9/25)

多摩ニュータウン学会 稲城市の南山東部区画整理・里山を学ぶ(2012/3/26)

地域の魅力をどうアピールするか 野村不動産「プラウドシティ南山」(2015/2/9)

 

 

 

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「QUWON(クオン)新浦安」

 〝オールスターツ〟のビッグプロジェクト、「QUWON(クオン)新浦安」が始動した。50,000㎡超の第一種低層住居専用地域に、同社グループを始めとする民間グループ、浦安市、明海大学などが連携して防災に強い街づくり、高齢社会対応、子育て支援の強化などの課題を解決し、地域ブランドの回復を目指す事業だ。「QUWON(クオン)新浦安」はその第一弾の4階建て全170戸の免震マンション。

 物件は、JR京葉線新浦安駅から徒歩15分、千葉県浦安市明海二丁目の第一種低層住居専用地域に位置する開発面積約51,000㎡の一角に建つ4階建て全170戸。現在分譲中の住戸(9戸)の専有面積は75.87~129.88㎡、価格は5,058万〜11,698万円。坪単価は260万円。竣工予定は平成30年7月下旬。設計は日建ハウジングシステム・スターツCAM、施工はスターツCAM・(液状化対策工事)竹中土木、管理はスターツアメニティー、売主はスターツコーポレーション、売主・販売代理はスターツデベロップメント。

 開発地には同マンションのほかに戸建(90区画)、保育園、高齢者ケア施設が予定されている。

 7月から第1期60戸の分譲が始まっており、マンションギャラリーのチーフアドバイザー・佐藤勇介氏は「当社初のオールスターツの物件。売れ行きは順調。当社グループのホテルエミオン東京ベイが格安で泊まれるサービスも好評。戸建てとの近居を考えているお客さんもいる」と話している。震災時の被害についてはほとんどの来場者がよく知っているという。

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◇       ◆     ◇

 同社は売上高1,808億円(2017年3月期連結実績)、従業員数7,401名(2017年4月末現在)の大きな会社だが、記者が取材を始めた1980年代は江戸川区のあまたある不動産屋に過ぎなかった。「千曲不動産」という商号だった。

 同社がマンションを積極的に分譲しだしたのは1990年代だと記憶しているが、驚愕したのはユニバーサルデザインをテーマにした2000年竣工の「アルファグランデ市川本八幡」(217戸)だった。駅から徒歩19分の絶望的な立地だったが、ものの見事に早期完売した。記者は、この物件を真っ先に「ベスト3マンション」に選んだ。企画を担当したのはスターツデベロップメント社長・市村義和氏だったはずだ。

 あれから約20年。今回のマンションを取材して、地域密着に徹し愚直に住まいのあり方を追求してきた企業姿勢が社会から評価されたのだろうと改めて認識した。同社は2001年から賃貸住宅の免震化を進めてきたが、これまでの施工件数は389棟9,381戸にのぼり、日本一の数だという。すごい数字だ。

 今回のプロジェクトの用地取得は震災前だった。震災後、新浦安ブランドは地に落ちた。そこで同社は一から企画を練り直した。地盤改良の解析と工事のために約1年、24億円を投じた。そして敷地内に18,000本の砂杭を打ち、さらに敷地外周部に2,280本の杭を打っている。4棟のマンションもすべて免震工法を採用している。

 設計-施工-販売-管理まですべて同社グループが主導する〝オールスターツ〟物件だが、ここに同社の意気込みがうかがわれる。浦安と新浦安の同社グループの拠点を中心に約3,200戸の管理戸数がある。本拠地の一つだ。万全の安全対策を施すことが信頼につながると判断したに違いない。

 住戸プランは、市の規制が厳しいので広めの住戸が多いのは当然だが、間口は最低でも6400ミリ最大9000ミリ、サッシ高2200ミリ、バルコニーの奥行き最大3m、メーターモジュールの廊下幅など千葉県の物件ではまず過去に例がないレベルの高さだ。

 坪単価について。新浦安駅から徒歩15分で坪260万円は高いか安いか、これはユーザーが判断することだ。これ以上書かないが、〝安心・安全〟を価格に換算したら、この値段では絶対に供給できないということだけは確かだ。

 あの時から6年振りに新浦安を訪れたが、あの痕跡をほとんど見つけることができなかった。新浦安ブランドが文字通り一新されることを願う。

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液状化に悲鳴あげる浦安市 道路・上下水道ズタズタ、計画停電も(2011/3/17)

「砂上の楼閣都市」新浦安 それでも住宅はしっかり建っていた(2011/3/17)

 

 

 

 

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