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「幕張ベイパーク」完成予想図

 三井不動産は9月14日、「幕張ベイパーク」の分譲第一弾となる「幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス」のモデルルーム見学会を行った。全体で開発面積が約17万㎡超で、2029年度までに約1万人、住宅4,500戸の首都圏最大級の街づくりを整備する計画の成否を占うプロジェクトだ。

 物件は、JR京葉線海浜幕張駅から徒歩15分、千葉市美浜区若葉三丁目に位置する地上37階建て448戸のタワー棟と49棟のレジデンス棟の全497戸。専有面積は59.77~106.77㎡(平均81㎡)、価格は未定。設計・施工は熊谷組。デザイン監修は光井純&アソシエーツ建築設計事務所。竣工予定は2018年12月中旬。売主は同社と野村不動産、三菱地所レジデンス、伊藤忠都市開発、東方地所(千葉銀行系)、富士見地所(京葉銀行系)、袖ケ浦興業(千葉興銀系)の7社。販売開始は11月下旬。現在の問い合わせ件数は3,000件超。

 敷地内にはサ高住、保育所、コミュニティコワーキングスペース、コンビニなどが併設される。街全体のコンセプト「ミクストユース(複合利用)」の象徴となる物件として位置づけられている。

 タワー棟は免震工法を採用。ワイドスパンが中心。モデルルームは75㎡と106㎡。天井高はタワー棟が2600ミリ、レジデンス棟が2450ミリ。

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販売センターの階段

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販売センター

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 今後分譲されるプロジェクトの販売事務所になる販売センターは非常によくできている。2層で延べ床面積は約2,700㎡もある。階段は上りと下りで3.5メートル幅。白を基調のデザインが美しい。シアターには最初に「この街には、自由がある」「この街には、未来がある」などと印象的なフレーズが流れた。座席は固定だが、画像が動くので浮遊感を感じる(三井不動産レジデンシャル「パークタワー晴海」や大和ハウス「プレミスト湘南辻堂」は座席が動く)。

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スカイビューラウンジ

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 さて、価格について。同社は「価格は未定」としか話していない。なので以下は記者の独断と偏見による意見だと受け止めていただきたい。

 モデルルームを見学した際、記者は単刀直入に坪単価を聞いた。「坪200万円でどうですか」とかまをかけた。スタッフからは「今のところ坪200万円超を考えています」との返答。ここに別の記者が現れ、「75㎡で5,000万円台後半だとか」と話した。えっ、とっさに記者は計算した。75㎡で5,000万円台の後半ということは坪単価250万円くらいになる。これはありえない、聞き間違えか言い間違えか。

 いくら人気の海浜幕張で「自由がある」「未来がある」街づくりが今後行われるとしても、徒歩15分だ。〝75㎡で4,000万円台の後半〟ならわかる。坪220万円くらいだ(この前、大和ハウスが記者見学会を行った辻堂駅から9分の「プレミスト湘南辻堂」も坪単価は220万円台に収まるはずだ)。

 しかし、価格が高いか安いかは、消費者が決めることだ。そこで、オープンしたばかりのコミュニティアウトドアパーク「PARK MAGIC」を利用していた地元の人らしき女性4人組にインタビューした。事情を話し、「皆さん20代、30代でよろしいですね」と声を掛けた(女性にインタビューするときは見た目より10歳若く言うのが鉄則)。

 記者は〝挑発〟した。「首都圏のマンション価格は東京が一番高く、神奈川、埼玉、千葉の順。浦和とか大宮は条件がいいところは坪300万円を突破していますが、千葉県はそんなところはありません。千葉県は埼玉県よりイメージが低い。それは県と政治家の責任(あなたたちの責任でもと口に出そうなのをこらえた)。皆さん、ここの20坪で価格が4,500万円はどうですか」と尋ねた。一様に「高い」「ここ(若葉地区)はいいイメージがない」と答えた。一方で「埼玉県より千葉県のほうがイメージが低いというのは理解できない。あなた(記者)、埼玉の人」とあからさまに嫌悪感も示した。

 これ以上書かないが、この街と比較する材料はある。JRの線路を挟んだ対面には「幕張ベイタウン」がある。その第一弾「パティオス」は千葉県が主導し、大手デベロッパー、ゼネコン、商社などによる6つの企業連合が共演して圧倒的な人気を呼んだ。あれから約20年。賃貸、定借も含めて9,000戸を20年かけて整備してきた。

 それと比べて「幕張ベイパーク」は規模は半分だが、時代が異なる。都市間競争は益々激化する。取材を終え、駅まで汗みずくになりながら坪250万円はあるか、それば絶対ないなどと自問自答した。

 駅に着き、タバコが吸いたくて喫茶店に入った。よく利用するSカフェだった。いつもは216円なのに270円だった。Sカフェ本社に聞いたら「東京などの駅に近いところではSサイズ216円が多いが、郊外のショッピングセンターなどではSサイズがある店は少ない」とのことだった。つまり、競争がないところではメーカーは価格を自由に設定できると理解した。幕張もそうなのか。いや、三井は絶対そんな高値では売らない、常識的な坪200万円を少し超えるくらいの値段を設定すると思う。

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 「PARK MAGIC」に入るとき、「赤羽西を担当しました…」と同社千葉支店事業部主事・長戸早紀子氏に声を掛けられ、一挙にあの素晴らしいプランがよみがえった。長戸氏は今回、街の活性化の仕事をされているようで、ならば坪単価は多少上方修正すべきかとも思った。同社千葉支店はこれまで業界をリードするマンションを供給してきた実績がある。〝高い〟という記者の判断を覆してほしい。 

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「PARK MAGIC」      

三井不レジ、キッチンを動かせる画期的商品「Imagie(イマジエ)」開発 「パークホームズ赤羽西」に採用(2015/9/8)

カテゴリ: 2017年度

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「(仮称)メゾン三田建替計画」

 三菱地所レジデンスと旭化成不動産レジデンスは9月11日、両社が事業協力者として参画している「(仮称)メゾン三田建替計画」事業が「マンションの建替え等の円滑化に関する法律(マンション建替法)に基づく「容積率許可」を東京都より取得し、港区からマンション建替組合の設立が認可されたと発表した。マンション建替法第105条に基づく容積率の緩和特例制度を適用したマンショ ン建替え事業としては国内第一号。

 同制度は、除却の必要性に係る認定(耐震性不足の認定)を受けたマンションの建て替えで一定の敷地面積を有し、市街地環境の整備・改善に資するものについて特定行政庁が許可した場合に容積率が緩和される制度。

 「メゾン三田」は1968年10月竣工の11階建て全67戸。歩道がない道路に対して敷地内の接道箇所すべてに歩道状空地を設け、歩車分離とすることで地域の安全性・快適性を高めるとともに、周辺環境と連続した緑豊かな公開空地を設けるなど街並みの形成に貢献することで、マンション建替法容積率許可を取得。これにより、建物の容積率を400%から463.5%へ約63%割り増すことが可能となった。

  両社は2012年12月に事業協力者に選定され、2016年7月に建て替え決議が成立した。2017年12月頃に解体工事に着手、2020年に竣工予定。建て替え後は地下2階地上23階建て、総戸数115戸のマンションになる。

カテゴリ: 2017年度

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「プレミスト湘南辻堂」完成予想図

 大和ハウス工業は9月16日、JR東海道線辻堂駅圏の大規模マンション「プレミスト湘南辻堂」のモデルルームをオープンすると発表。オープンに先立つ11日、モデルルームやウェアラブルデバイスなどを用いたIoT技術やAI(人工知能)と、同社グループのスポーツクラブNASが監修する運動メニュー提案が体験できるコーナーを報道陣向けに公開した。

 物件は、JR東海道本線辻堂駅から徒歩9分、藤沢市羽鳥一丁目に位置する敷地面積約35,000㎡の全914戸の規模。敷地は今回分譲開始するA敷地(約18,000㎡)とB敷地(約16,000㎡)に分かれているが一団地認定を取得。管理組合は一つで、共用施設なども全体で共有する。

 A敷地は14階建て全404戸で、専有面積は72.22~93.18㎡、価格は未定だが全体の80%を占める74.88㎡で5,000万円前後(単純計算で坪単価は222万円)。竣工予定は2018年12月。設計・施工は長谷工コーポレーション。B敷地の建物は13階建て全510戸で、A敷地の建物が竣工してからそれほど期間を置かずに着工する予定。事業主は同社のほか神奈川中央交通、長谷工コーポレーション。

 内覧会に臨んだ同社東京本店マンション事業部第一営業部事業部長・松岡康成氏は「利便性の高いエリアで、コンセプトは〝モノよりコト〟。子どもからシニアまで利用できる16の共用施設を配置し、業界初のAIやIoT技術を盛り込んだ業界初のプロモーションを行う」と話した。

 販売事務所長・二改隆広氏は、「これまでの来場予約は想定通りの600組。A街区は竣工までに(販売の)めどをつけ、B街区も早期完売につなげたい」と語った。

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ゲストルーム

【大和ハウス工業】ヘルスプロモーションサービス イメージ.jpg

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松岡氏

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 このマンションについては今年1月、同社が記者発表している。コンセプト、その他については当時の記事を参照していただきたい。

 まず紹介したいのか毎日の体力・認知機能を測定・記録し、個別アドバイスが受けられる「Fit with AI Trainer」システムについて。

 ブースは10人くらいが座れるスペースだった。システムを開発したソニーモバイルコミュニケーションズの担当者がデモンストレーションとして、記者を含めた男性3人と女性2人の太ももにセンサーを装着し、反応速度、筋力、下肢協調性を測定した。

 テストされた5人のうち記者が突出して年齢が高く、ほかの記者は30~40代か。体力が著しく低下しているのを自覚している記者は他に負けじと年甲斐もなく必死で足などをバタバタと動かした。

 その場ですぐ結果がプリントされた。最低数値を覚悟していた記者はデータに驚愕し、歓喜した。なんと総合80点で、髪が薄い(男性ホルモンが優っている)男性の96点に次ぎ2位だったのだ。他は77点、73点、49点。96点記者以外は年寄りに花を持たせようと忖度し手抜きしたのはありありだが、データを改ざんしていないことを確かめた。記者の後輩女性記者は「まさか負けるとは」と悔しがって見せた。

 総合点が2位に甘んじたのは下肢協調性(下半身の衰えを計るものではなく、どちらかといえばリズム感)に問題があったためだ。これは5人中最低だった。(言い訳だが、年齢差を加味したら記者がトップではないか。協調性のなさは小さいころからで、みんなが右を向けば小生は左を向いていた。体力と全然関係ない。むしろ名誉なことだ)

 記者生活40年で、これほどマンション販売事務所ではしゃいだのは初めてだった。桐生さんのたかが0.02秒で大騒ぎするのがよくわかった。これはインパクトがある。水準以下の数値が出た人はそっぽを向く可能性もあるが、予想外のいい結果が出た来場者はみんな購入に動くのではないかと思ったほどだ。

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「Fit with AI Trainer」測定数値(80点が記者)

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 「Fit with AI Trainer」が強烈だった割には、客席が360度回転するシアターは物足りなかった。初めて経験する人にとっては驚きだろうが、われわれ記者は三井不動産レジデンシャル「パークタワー晴海」を経験している。三半規管を揺り動かされた。

 それと比べると今回は穏やかで、客席が360度回転しているというより、映像が動いているだけのように思えた。いっそやるなら、昆布だしか塩サバかの匂いを含ませた湘南の潮風を吹き付けるとか、波を浴びせるのは逆効果だろうからせめてミストを降り注ぐくらいの演出があってよかった。

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 松岡氏が語った「コンセプトは〝モノよりコト〟」について。同感、至当だと思う。これほど成熟した市場になると、富裕層向けはいざ知らず郊外型では基本性能・設備仕様で差別化を図るのは難しい。いかに消費者の感性に訴え、需要を創造するかが勝負だ。これはマンションだけでなく、あらゆる商品について言える最近のトレンドだ。

 同じように感性に訴えるマンションとして記者が注目しているのが、三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス オイコス赤羽志茂」だ。キャッチフレーズは〝早く家に帰ろう。〟だ。ここもマンションのモノ(住戸)そのものではなく、コト(様々な仕掛け)で勝負しようというのがありありだ。

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アリーナ

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シャトルバス

三井レジ他「パークタワー晴海」 「有明」と競合必至 価格はいくらになるか(2017/4/26)

「高尾」の再現なるか 湘南の流れ呼ぶか 大和ハウス「(仮称)プレミスト湘南辻堂」(2017/1/25)

首都圏第1弾「シエリア湘南辻堂」第1~3期1次199戸が登録完売 関電不動産開発(2016/11/08)

カテゴリ: 2017年度

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「シティタワー恵比寿」完成予想図

 住友不動産が分譲を開始した「シティタワー恵比寿」を見学した。恵比寿駅から徒歩7分、恵比寿ガーデンプレイスへ徒歩4分、東京都の総合設計制度の適用を受けた23階建て全310戸。坪単価700万円前後だが、劇的に変化しつつある山手線沿線でしかも内側。規模と立地が評価され好調なスタートを切った。

 物件は、JR山手線恵比寿駅から徒歩7分、東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩12分、渋谷区恵比寿一丁目に位置する23階建て全310戸(非分譲住戸3戸、その他住戸13戸含む)。専有面積は40.72~150.89㎡、坪単価は700万円前後。竣工予定は平成31年2月下旬。設計・施工は西松建設。

 現地は、恵比寿通りに面した四方道路の角地。近隣商業地域(建蔽率80%、容積率400%)だが、東京都の総合設計制度の適用を受け、容積率は約680%(容積対象面積を単純に敷地面積で割った数)。緑地面積を敷地面積約3,360㎡の30.58%、約1,027㎡確保したことが高く評価されている。従前は様々な建物が建っていたところで、同社は約10年かけて集約化した。

 基本性能・設備仕様は、内廊下方式、階高約3.15m、リビング天井高最高2,550ミリ、ダイナミックパノラマウィンドウ、キッチン・洗面・トイレカウンターは御影石、突板フローリングなど。

 広報担当者は、「従前は商店や一戸建てなどが建っていたエリア。当社が10年間くらいかけて用地をまとめた。高さ規制は50mだが総合設計制度の適用を受けて75mの緩和を受けている。7月から販売を開始しており、3割近くが成約・成約見込み。好調に推移している」と話している。

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公開空地

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 単価を聞いたときは〝高い〟という印象を受けたが、よくよく考えてみると納得できる値付けだ。

 山手線エリアのマンション相場を東京建物「Brillia Towers目黒」が劇的に変えたのはご存じのはずだ。記者はこの「目黒」600万円を基準に山手線エリアの近未来の坪単価を予想したことがある。トップは東京駅(〝大・丸・有〟)の3,000万円とはじいた。品川も1,000万円以上と予想した。

 ところが、「東京駅(〝大・丸・有〟)は5,000万円ではないか」と、名前は明かせないがうそぶく人がいた。なるほど。国際都市・東京の評価はそれくらいの値がついていい。仮に東京駅(〝大・丸・有〟)が5,000万円ならリニアの品川をはじめ浜松町、渋谷、その他の都心一等地は軒並み1,000万円以上で3,000万円だってありそうだ。恵比寿の坪700万円はいい線に思えてくる。

 ここは、分譲開始時に徹夜で並ぶ人が現れたモリモト「ディアナコート恵比寿」(1999年竣工、110戸)がすぐ近くにあり、道路を挟んだ対面にはこれまた人気になった積水ハウス「グランドメゾン恵比寿の杜」(2004年竣工、145戸)が建っている。恵比寿ガーデンプレイスへも徒歩4分だ。

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モデルルーム

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 この物件が都の総合設計制度の適用を受けていることを強調したい。近年はハードルが高くなっており、以前は年間30~40件くらい認定されていたのが、最近は10件を下回り、うちマンションも数件しか許可されていない。

 同社はこの物件のほか、この2年間に「西新宿六丁目計画」「渋谷区宇田川町計画」も適用を受けている。全体でマンションは9件だから、3分の1が同社だ。

 記者は建築物の高さ規制には大反対で、このように公開空地を確保し、環境に配慮した建物は思い切って容積の緩和(高さ規制の緩和)をすべきだと思っている。足元に公開空地・緑を確保することがどれだけ街ゆく人に安心感を与え、街のポテンシャルを上げるか、言うまでもない。

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建設現場

東京建物「Brillia Towers目黒」の坪600万円が意味するもの(2015/4/2)

カテゴリ: 2017年度

 旭化成不動産レジデンスは9月7日~10日、「四谷コーポラス」の建て替えに伴う建築研究を目的とした一般見学会を実施する。

 希望者は旭化成ホームズ広報室(メール)このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。へ。

 参考までに同社提供の写真を添付します。

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旭化成不レジ 民間初の分譲「四谷コーポラス」建て替え説明会・見学会に80名(2017/9/5)

カテゴリ: 2017年度

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「シティタワー駒沢大学ステーションコート」完成予想図

 住友不動産が販売を開始した「シティタワー駒沢大学ステーションコート」を見学した。駒沢大学駅から徒歩1分の全156戸で、田園都市線の徒歩1分のマンション供給は実に18振り、北道路で敷地南側は中低層住宅街であることなどから各層から幅広い支持を集め人気となっている。

 物件は、東急田園都市線駒沢大学駅から徒歩1分、世田谷区上馬三丁目に位置する20階建てタワー棟と15階建てレジデンス棟の2棟構成の全156戸。9月末分譲予定の専有面積は54.15~73.36㎡、坪単価は450万円前後。設計・施工は大豊建設。竣工予定は平成30年11月下旬。

 8月から第1期52戸を販売、ほぼ全戸成約の見込み。これまでの問い合わせは約2,500件、来場は約600組。

 第1期は最上階や角住戸など条件のいい住戸が中心だったため、坪単価は460万円だが、今後は坪400万円前半の住戸も供給されるため、全体では坪450万円前後になる模様。

 現地は、敷地北側は首都高速3号渋谷線が走っているが、南側は第1種住居とその先は第一種低層住居専用地域。敷地は日産の店舗・社宅などの跡地。

 建物は道路に面したタワー棟と、住居系に位置するレジデンス棟の2棟構成。タワー棟は内廊下、レジデンス棟は外廊下方式。

 同社は、駅1分の利便性、北道路で南側は住居系エリア、駒沢オリンピック公園へ徒歩7分などが評価され、DINKS、ファミリー、シニア層など幅広い層の支持を得ているという。「この立地なら」という戸建て居住者からの住み替え・買い増し層も目立つという。

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 まず価格。どんぴしゃりの坪450万円だった。〝高い〟と見る向きも多いかもしれないが、たまプラーザの駅近が坪400万円近くても売れる田園都市線の駅1分で、敷地南側は高い建物が建たない立地は魅力だ。富裕層の住み替え・買い増しが多いのもうなずける。

 競合している「ブリリア代々木公園クラッシィ」は坪520万円だし、これから供給される「パークシティ武蔵小山ザ・タワー」は坪500万円近くになるはずだ。

 設備仕様レベルも水準以上だ。音対策としては遮音性能T-3~T-2相当のサッシュ、防音フード(一部)を採用し、防犯対策としては一部住戸に防犯合わせガラスを採用。天井高は2500~2550ミリ、御影石のキッチンカウンターなど。

 間違いなく来年11月の竣工を待たずに売れると読んだ。

 この「駒沢大学」のほか、恵比寿駅から徒歩7分の総合設計制度の適用を受けた「シティタワー恵比寿」(310戸)のモデルルームも見学した。坪700万円の高額だが、こちらも人気になっている。稿を改める。

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モデルルーム

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「四谷コーポラス」現地

 旭化成不動産レジデンスは9月5日、わが国初の民間分譲マンションといわれている「四谷コーポラス」の建て替え事業説明会と現地見学会を行った。従前建物は築61年で、5階建て全28戸。建て替え後は地下1階地上6階建て全51戸(販売戸数27戸)となる。分譲開始は来春、竣工は2019年夏の予定。

 説明会に臨んだ同社・池谷義明社長は「当社としては29件目の建て替え案件だが、このマンションが竣工した昭和31年8月は私の誕生日と一緒、同級生。縁を感じる。黎明期のマンションの建て替えを担当することは光栄」などと語った。同社は6社の事業者選定コンペで選ばれた。

 建設当時の売主・日本信販の元社員で、四谷コーポラス建替え事業顧問を務めるトウザイコーポレーション・川上龍雄会長は「居住者の横のつながりが強かったのが合意形成できた要因」と話した。

 また、同社の建て替え事業の研究をしているっている関東学院大学・前橋工科大学非常勤講師の志岐祐一氏は「容積率などの緩和を受けられない案件をよくまとめた。川上さんのコンサル力が大きい。さらに、マスコミや一般の方々にきちんと経緯などを伝えることも評価したい」と述べた。

 建物は一般にも公開される。

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池谷氏(左)と島田氏

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西側の外廊下

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西側の庭

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建物東側

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 四谷コーポラス管理組合理事・建替え推進委員会の島田勝八郎氏(71)が、説明会場にたくさん駆け付けていた記者の多さに驚いたのか、「私が小学5年生のとき引っ越してきた。こんなに注目されているマンションであることを初めて知った」と語った。

 記者の数はたしかに普段より多かった。80名くらいいたのではないか。その数に小生も驚いたが、これは〝民間分譲マンション第一号〟の力と旭化成ホームズの〝動員力〟の相乗効果だろう。

 実は、記者はこのマンションについて35年前、昭和57年(1982年)6月24日付「週刊住宅」に全8段の記事を書いている。取材には1週間くらいかけ、7~8人に取材した。古いマンションの耐震性はもちろん間取りの陳腐化、給排水管の劣化が当時としても問題になっており、分譲マンションの将来を占う意味でこの〝民間分譲マンション第一号〟を取り上げたのが取材の狙いだった。管理がしっかりしており、コミュニティが機能していたのもよく覚えている。

 〝 〟書きにしたのは、果たしてこのマンションが本当に第一号かどうか確信できなかったからであり、いまでも自信がない。旭化成ホームズも断定できないようで、プレスリリースには「第一号といわれている」となっている。

 しかし、草分けマンションであるのは間違いないし、建て替えて再生されるのはとてもうれしい。敷地形状などから判断して建て替えは難しいだろうと当時も考えた。

 さて、建て替えられたらいくらになるかだ。同社開発営業本部第二営業部・花房奈々氏は「価格は未定。周辺相場くらいで売りたい」と明言を避けた。

 しかし、この〝周辺相場〟が曲者だ。周辺に競合する物件は皆無だからだ。強いてあげれば、ここ1~2年、四谷駅圏で分譲されたマンションは坪600~650万円。〝民間分譲マンション第一号の建て替え〟という全国から注目されるはずの価値・訴求力も加味し、さらに周囲の環境(再開発エリアに近接しているが)、敷地形状などを考慮してアッパーで坪570万円、ボトムで坪520万円と予想する。あまり自信はない。いまの建物から建て替えマンションに意匠などとして残せるものはまずない。ずっと記憶に残るようなデザインを期待したい。

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メディア関係者でいっぱいに埋まった説明会場(新宿歴史博物館)

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 現況の建物も見た。当時としては最先端の斬新なプラン、デザインであったことは容易に想像がつくが、よくもここまで住んでこられたものだと感嘆した。   

 生ごみ水切りや米びつがあったのにはびっくりした。東側窓に取り付けられていた木製の格子デザインの網戸もなかなかよかったし、薄っぺらな鋼材ではあったが、玄関周りのブルーのデザインもおしゃれだった。

 それにしても、居住者のみなさんはお金持ちだったはずで、とっくに売り払うかどこかに引っ越されていると思ったが、2世、3世の方も結構いらっしゃるとか。再取得率が9割に達するという、これまた稀有なマンションだ。現居住者の半数以上が60代以上。法人所有は4名。

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キッチン(給湯器は後付けだろうが、奥に生ごみの水切りがある)

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東側の居室(板の間があり、外には木製の格子付き網戸)

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和室

旭化成不動産レジ わが国初の民間マンション「四谷コーポラス」建て替えへ(2017/5/30)

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昭和57年(1982年)6月24日付「週刊住宅」

 

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「イニシア志木」完成予想図

 コスモスイニシアが9月上旬に分譲する「イニシア志木」を見学した。同社がプレスリリースした、「Soup Stock Tokyo」を展開するスマイルズとのコラボも面白いが、意欲的なプランに記者は注目した。

 物件は、東武東上線志木駅から徒歩3分、志木市幸町1丁目に位置する7階建て全43戸。専有面積は70.40~80.80㎡、予定坪単価は244万円。竣工予定は平成30年1月中旬。施工は新三平建設。

 現地は二方道路の角地。住戸プランは、全戸70㎡超で、南東(43戸中34戸)向きと南西(43戸中9戸)向き。スマイルズとコラボレーションし、「おいしい志木の家」を提案しているのが特徴。

 プロジェクトマネージャーの同社分譲事業部分譲一部二課・藤井奈津美さんは、「利便性がよく、価格も〝妥当〟とお客さまの評価が高い。和光市は価格が高く、朝霞は駅近がないし急行が止まらない、朝霞台は商業施設が乏しいという意見が多い」と販売に自信を見せていた。第1期は3~4割供給する見込み。

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 「おいしい志木の家」について。スマイルズが展開している「Soup Stock Tokyo」はよく利用する(女性が多いというより、カロリーを抑えるため)。全てではないが、店舗デザインに本物の木を採用しており、コスモスイニシアのマンションとは親和性もある。

 モデルルームに水道・電気・ガスを実装して、実際の生活シーンを体感・体験出来るワークショップを開催するというのが面白い。

 しかし、それより記者が注目したのは、ショートスパン・専有圧縮の流れに一石を投じるプランだ。面積自体は70㎡台前半の3LDKが中心で、平凡な田の字型プランに見えるが、ほとんどの住戸のスパンは6400ミリ。平凡なプランから20~40ミリ広げることでいかに心地よい空間をつくれるかを示している。

 もっともその効果が表れているのは玄関・廊下スペースだ。奥行きは4000ミリくらいしかないが、幅は1400ミリある。広々とした空間を生み出し、しかも配管を隣接住戸との壁際に寄せることで天井高も2400ミリ確保している。一言でいえば〝魅せる玄関〟の提案だ(これに近いプランは「イニシア笹塚」でも見られた)。

 ランドスケープデザインもいい。敷地はもともと邸宅があったところのようで、道路に面したところには植栽を施し、コブシをシンボルツリーとして植える計画だ。外観は白とレンガ調のタイル。

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70㎡台のプラン

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 販売事務所でいきなり広報担当のAさんから「おめでとうございます」と声をかけられた。お互い西武ファンであることにすぐ気が付いた。前回の「イニシア松陰神社前」は西武が59年振りに球団連勝記録を塗り替えた直後で、今回は楽天を引きずり降ろし、2位に躍進した翌日だった。Aさんは勝利の女神か。

 同社のマンションは年間5~6物件見学している。〝当たりはずれ〟がない。記者にとって貴重なデベロッパーの一社だ。パンフレットにも出ている藤井さんは将来の同社を背負って立つはずだ。

地主の意向を反映 古民家の緑を残す 月内完売したコスモスイニシア「松陰神社前」(2017/8/8)

カテゴリ: 2017年度

 東急リバブルは8月30日、マンション空き家の売却を検討する売主向けサービス「アクティブ売却パッケージ」を9月8日から開始すると発表した。

 築年数の経過などにより設備の交換を必要とし、ホームステージングによる家具などの演出だけでは買主の印象をよくすることが難しい空き家のマンションに対して、売主が初期費用の持ち出しをせずに同社サービス「あんしんリフォームセレクト」のフルパッケージを活用して売却できるサービス。リフォーム後の室内に家具やカーテンなどで装飾する「ルームデコレーション」のサービスも一体となるため、物件の魅力を最大限に高めた販売活動ができる。

 一定期間内にリフォームした物件が売れない場合は、同社の「売却保証」により「査定価格+リフォーム費用」の100%を保証し、売主がリフォーム費用の投資リスクを抱えないようにする。

 適用要件は、①駅徒歩10分以内②昭和58年1月築以降(新耐震基準)③専有面積50㎡以上④査定価格2,500万円以上6,000万円未満。

 

 

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「メガシティテラス(553戸)」完成予想図

 住友不動産は8月24日、同社が代表幹事を務める名古屋市のマンション「メガシティテラス(553戸)」に大垣共立銀行と契約を結び、全国で初めて分譲マンション共用部に「入居者専用銀行ATM」を設置すると発表した。

 「メガシティテラス」は、開発敷地面積・分譲戸数ともに名古屋市内過去最大で、平成30年3月の入居開始に向けて開発が進められている。

 これまで延べ来場者数は1,400組を超え、第1期175戸、第2期56戸の販売を終えている。

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エントランス

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