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モデルルーム「ピアキッチン」 

 ポラスグループの中央住宅が近く分譲する「ルピアコート西大宮」モデルルームを見学した。平成21年に誕生したJR埼京線・川越線西大宮駅の同駅圏初の分譲マンションで、女性の目線から細かな部分にもこだわった商品企画が光る。圧倒的な人気を呼ぶ可能性を秘めた好物件だ。

 物件は、JR埼京線・川越線西大宮駅から徒歩6分の土地区画整理事業地ないに位置する全124戸。専有面積は61.03~87.68㎡、予定価格は2,800万円台~4,300万円台(最多価格帯3,700万円台)。竣工予定は平成30年1月末。売主は同社のほか施工も担当するファーストコーポレーション。販売代理は東京中央建物。

 現地は、土地区画整理事業地内の一角で、敷地西側は指扇小学校。周辺は戸建てや賃貸マンションが立ち並ぶ。マルエツ西大宮店には徒歩10分。

 建物は小学校に面した西向きを中心に、南向きと東向きの配棟。子どもの怪我を防止し、大きな手荷物を置くことができる2m四方の「まもるんスペース」を駐車場に設置する。

 住戸プランでは、トイレ・収納を含めすべてフローリングとすることで掃除機「ルンバ」が働きやすくし、実用新案を取得済みの「ピアキッチン」を3分の1の住戸に設置する。このほか、浴室や洗面室には子どもの浴槽での溺死や洗濯機への閉じ込め、洗剤の誤飲を防止する「とどかないJ(錠)」、電動自転車のバッテリーを充電できる下足入れのコンセント、廊下幅を1050ミリ取りダウンライトで照らす「マイギャラリー」、上階からの目線を遮る一辺が3.5mの正三角形の専用庭用タープ、洗濯機の天井の「ちょいおきレール」、などを設置する。二重床・二重天井、食洗機、バックカウンター・収納も標準装備。

 同社マインドスクェア事業部マンションディビジョン・西牟田奈津子氏は「駅から信号がなく、交通量の激しい国道16号線の内側という立地と、ピアキッチン、まもるんスペース、電動自転車用の下足入れコンセント、出窓、ルンバが仕事しやすいフラットフロア、洗濯物のちょい置きレール、鍋蓋が入るキッチン収納、これらはみんな働く主婦の立場から採用しているアイテム。ここまでやっているところはないと思います」と話した。

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「ルピアコート西大宮」完成予想図

◇       ◆     ◇

 以前は記者も収納一つ、コンセント一つをチェックしたが、最近はどうもおざなりになっているようだ。他社もあるのか同社だけのアイデアなのか、その判断ができない。西牟田氏から一つひとつ詳細な説明を受け納得した。西牟田氏と初めてお会いしてから10年くらいか。あの頃は記者が教える立場だった。見事に逆転した。

 さて、価格。いつものようにモデルルームを見学する前に坪単価を予想した。大宮駅の徒歩圏は坪300万円以上だ。大宮駅から2駅目の徒歩圏なら坪200万円もあるかもしれないが、これではちょっと高すぎる。坪180万円くらいが妥当とはじいたが、予定価格からするともっと低くなる。設備仕様レベルからすれば極めて割安感がある。物件の特徴を訴えきれれば間違いなく早期完売する。

 一つ、注文もある。これほど魅力的なマンションであるにも関わらず、チラシは並以下だ。企画意図が全然表現できていない。記者なら「ルンバだけじゃない。働く主婦に嬉しいこれだけの魅力」とでも見出しにつけて、他社にない少なくとも50くらいのアイテムを盛り込んだチラシにする。

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モデルルーム

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トイレ収納

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ピアキッチンのバックカウンター&収納(左)と「ちょいおきレール」

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ふとん収納

 

カテゴリ: 2017年度

 

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「プラウドシティ武蔵野三鷹」エントランス

 野村不動産が分譲中の「プラウドシティ武蔵野三鷹」を見学した。横河電機の倉庫などが建っていた普通賃借権付き全334戸で、3月末に分譲した第1期分譲100戸の契約が90戸に迫るなど好調なスタートを切った。アクセスのよさ、坪単価320万円台の半ばという買いやすさ、充実した共用施設などが人気の要因。ブリヂストン、長谷工コーポレーションとともに開発した間取りの自由度を高めた排水システム「ミライフル」を装備した第1号マンションでもある。

 物件は、中央線三鷹駅から徒歩10分、武蔵野市中町三丁目に位置する敷地約13,156㎡7階建て2棟(一団地認定)全334戸。吉祥寺にある月窓寺から85年間にわたり横河電機が借りていた土地で、入札により同社が新たに借り受けたもの。借地期間は30年で更新可。専有面積は71.17~91.47㎡、坪単価は320万円台の半ば。竣工予定は平成30年1月下旬。施工は長谷工コーポレーション。4月下旬に第2期(戸数未定)が分譲される予定。

 現地は準工業地域だが、これはこの一角が横河電気の倉庫などが古くから建っていたためで隣接する東側エリアは住居系用途。嫌悪施設はほとんどない。

 建物は2棟だが、西側に隣接する公園と一体的に公開空地などを整備するため一団地認定を取得している。住戸は東向き、南向き、西向きで専有面積は最低でも71㎡、76㎡が中心のファムリー向け。

 サイホン排水システム「ミライフル」を装備した第1号マンションでもあり、設備仕様では二重床・二重天井、キッチン・トイレ天板御影石、ディスポーザー(自動給水式)、ミストサウナ、ソフトクローズ玄関下足入れなどが標準装備。

 販売担当の狩野剛氏は「これほど売れ行きがいいのは当社の物件も含め東京西部ではナンバー1」と胸を張った。

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モデルルーム

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 現地は、4年前に書いた鹿島建設「テラス武蔵野中町」のマンションに近接しており、その時の記事と比較していただきたい。いまの市況からすれば所有権だと400万円をはるかに突破するはずで、坪単価320万円台の半ばというのは割安感がある。定期借地権付きでなく普通賃借権というのもユーザーから評価されたようだ。

 徒歩10分をどう評価するかだが、駅から現地までのアプローチは申し分ない。歩道がゆったり取られており、道路も一方通行でもあり車も少ない。吉祥寺駅へも徒歩20分というのが評価ポイントのようだ。戸建てからの買い替え・買い増しも10%はあるという。

 2つのモデルルームのうち91㎡のタイプは「ミライフル」の革新性を表現。アイランド型キッチンとし、間取りの可変性に対応できることを提案している。

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排水システム イメージ図(左が従来型、右が新システム)

野村不・長谷工・ブリヂストン 画期的な排水システム開発、実用化(2015/5/22)

「鹿島の品格」を見た「テラス武蔵野中町」 売れ行きも好調(2013/6/12)

 

カテゴリ: 2017年度

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「アールブラン馬込」完成予想図

 モリモトの「アールブラン馬込」を見学した。馬込駅から徒歩5分の全45戸。坪単価を割安感のある300万円台の前半に設定して早期完売を狙う。

 物件は、都営浅草線「馬込」駅徒歩5分、大田区中馬込2丁目に位置する5階建て全45戸。専有面積は54.51~75.05㎡、価格は未定だが、2LDKが4,800万円台から、3LDKが5,400万円台から。坪単価は300万円台の前半になる模様。竣工予定は平成30年2月上旬。設計・監理は長谷建築設計事務所。デザイン監修は南條設計室。インテリアデザインは石倉雅俊氏(ウィ・アンド・エフヴィジョン)。施工は森本組。販売開始はゴールデンウィーク明けの予定。

 現地は、環七通りから一歩入った中層マンションなどが立ち並ぶ住宅街の一角。敷地は3方道路に囲まれており、1フロア7~11戸。70㎡以上が9戸で50~60㎡台が36戸。全体としてグロスを圧縮しているのが特徴。逆梁ハイサッシ、ディスポーザ、玄関・廊下は大理石仕上げ。

 専有圧縮して建築費の上昇を目立たなくする典型的な物件だが、近隣物件の坪単価は300万円をはるかに超えて来ており、価格的な競争力がある。設備仕様レベルも他のアールブランとほぼ同じ。

 販売担当の同社・加藤滉大氏は「来場者は、2月にモデルルームをオープンしてこれまで約150件、毎週15件ペース。極めて順調に集客できている。お客様の評価も高い」と自信を見せていた。

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モデルルーム

 

カテゴリ: 2017年度

 東急不動産は3月29日、マンション業界で初めて遠隔医療相談サービス 「小児科オンライン」を 「ブランズシティ世田谷中町」で導入すると発表した。

 同社のBRANZサポートメニュー居住者専用サイト「BRANZ  SUPPORT WEB」を通じて小児科医ネットワークを持つKids Public(代表取締役社長:橋本 直也氏)が提供する「小児科 オンライン」に接続すれば、小児科医による具体的なアドバイスを無料(通常会員は月額3,980円)で受けることができる。子どもの状態を写真や動画で送ることができ、LINE、電話、Skypeのほかテレビ電話利用も可能。利用できるのは平日の18~22時。

 第一弾として第一期入居が開始した「ブランズシティ世田谷中町(世田谷区中町、全252戸)に4月上旬から導入し、順次導入していく。

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 病院からセカンドオピニオンなどの医療サービスを受けられるマンションは以前からあり、最近では、野村不動産が聖路加国際病院付属クリニック「聖路加メディローカス」と提携し、月額4万円の会費で人間ドック、運動サポート、医療サポートなどが受けられる「プラウド銀座東」もある。

 しかし、無料で遠隔医療相談サービスが受けられるマンションというのは聞いたことがない。子育てファミリーにはものすごくインパクトのあるサービスだ。記者も子どもが熱を出しパニック状態に陥った経験がある。

 大人向けのサービスは受けられないのか。

東急不動産の記念碑的マンション 定借「ブランズシティ世田谷中町」は坪308万円(2016/9/3)

 

 

 

カテゴリ: 2016年度

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「グランドメゾン品川シーサイドの杜」完成予想図

 積水ハウスが4月1日に分譲する「グランドメゾン品川シーサイドの杜」を見学した。近接する京急電鉄他「プライムパークス品川シーサイド」(1,152戸)と激突するが、商品企画では負けない。こちらも第1期は207戸の大量供給。坪単価は308万円で、京急「ザ タワー」より若干安い。

 物件は、東京臨海高速鉄道りんかい線品川シーサイド駅から徒歩3分、京急本線青物横丁駅から徒歩6分、品川区東品川4丁目に位置する19階建て全687戸(他にゲストルームなど)。専有面積は62.33~77.23㎡、第1期販売戸数は207戸で、価格は5,190万~8,390万円(最多価格帯6,600万円台)。平均坪単価308万円。竣工予定は平成31年11月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。長期優良住宅認定、耐震等級2を取得。

 敷地面積約13,000㎡のうち約3,700㎡を緑化。〝3本は鳥のために、2本は蝶のために〟という同社の「5本の樹計画」にそって約15,000本の樹木を植栽。敷地全体を「杜」にするのが特徴。

 建物は柱・梁型が居室内に出ないアウトフレーム設計を採用。住棟はコの字型で、中庭を囲むように南向き、東向き、西向きの構成。12基のエレベータを設置して4戸1エレベータを実現。4戸のうちの2戸に付いては共用廊下側にプライベートバルコニーを設置する。

 設備仕様では、メーターモジュール、ドア把手の壁面までのセットバック、折上げ天井の廊下、天然石のキッチン天板、食洗機、ミストサウナなどが標準装備。リビング天井高は2500~2650ミリ。

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販売事務所

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 最大の関心事は、近接する京急電鉄他「プライムパークス品川シーサイド ザ タワー」(817戸)とのバッティングが吉と出るか凶となるのか、あるいは共倒れとなるのか相乗効果を発揮してWin-Winの関係となるのか。販売事務所は同じビルの上と下で呉越同舟。

 京急の物件は先日紹介した。「品川」の未来を強烈にアピールしており、第1期供給量が395戸(「ザ タワー」が300戸、「レジデンス」が95戸)に達するように好調なスタートを切った。

 同じような例としては、大成有楽不動産「オーベルグランディオ品川勝島」がある。ほとんど知られていない倉庫街の「勝島」の物件を「品川」エリアであることを徹底して訴えた。これが見事に成功した。

 一方の積水ハウスは、京急と同じ長谷工施工だがコンセプトがまるで異なる。「SLOW&SMART」のブランドビジョンと「家に帰れば、積水ハウス」のコミュニケーションワードを前面に打ち出している。シアターでも物件の説明はほとんどなく、渡り鳥キビタキに託して同社が目指している住まいづくりを訴えている。バックには同社のCM音楽も流れていた。

 販売事務所の設営も京急とは全く異なっている。京急の演出には記者も感動したのだが、積水はスペース全体(京急より広い)を「5本の樹計画」の草木で埋めている。造花の類ではく、ほとんどすべてが本物の草木だ。1階住戸のモデルルームは奥行き3mのバルコニー付で、ここにも本物の観葉樹を植え、付加価値を高めている。

 共用部分に本物の草木を植え癒しの空間を演出した例としては、三井不動産レジデンシャル「パークコート麻布十番ザ タワー」があるが、マンションギャラリーでこれほど草木を配したのは初めて見た。さすが積水というべきか。マンションギャラリー所長・長嶺伸之氏は「通常の3倍くらいのボリューム」とこともなげに言った。

 第1期供給量は京急が395戸、積水が207戸。合計で602戸だ。これはすごい数字だ。結構住み分けもできているような印象も受けた。Win-Winの関係になる可能性もある。双方で低迷市場を吹き飛ばすか。

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モデルルーム

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京急電鉄他「品川シーサイド」 資産性アピール 多様なニーズ取り込む戦略(2017/3/14)

 

 

カテゴリ: 2016年度

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「トレジャーランドプロジェクト(デュオヒルズ・ザ・グラン)」完成予想図

 フージャースコーポレーションが近く分譲する「トレジャーランドプロジェクト(デュオヒルズ・ザ・グラン)」を見学した。

 物件は、つくばエクスプレス柏たなか駅から徒歩3分、柏市小青田に位置する12階建て全253戸。第1期(30戸)の専有面積は68.06~101.40㎡、価格は2,500万円台~5,100万円台(最多価格帯2900万円台)、坪単価は150万円。竣工予定は平成30年10月下旬。施工は長谷工コーポレーション。

 「毎日が宝物になる暮らしを」をコンセプトに親子で楽しめる多機能型のキッズルーム兼スタジオや非日常体験のできる仕掛けを施したパーティールーム兼ゲストルームを設置。同社としては初の取り組みとなる間取りに可変性を持たせた「フリーデザインシステム」を採用する。

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 見学する前は正気かとさえ思った。現在つくばエクスプレス沿線は大激戦、価格下げ競争が激化しており、土地代がただでも建たないような価格水準に来ているからだ。

 そのことを正直に同社の広報担当者に伝えた。「〇〇さん、マイナーな『柏たなか』で253戸を売るのは容易ではないと思いますよ。ぼくの予想ではよくて年間50戸、完売まで5年かかるんじゃないですか」と。

 坪単価は150万円と予想したが、その通りだった。これ以下ではまず建たない。

 販売事務所には見学者は10人くらいいただろうか。同社のシニア向けマンション「デュオセーヌ柏の葉キャンパス」竣工見学会に招待された銀行関係者らしい方を相手に女性が元気な声で説明していた。

 女性はどこかで見たことがあるような気がしたが、思い出せない(昔は女性の名前と顔は絶対忘れなかったが、今は聞いた傍から忘れる。昨日食べた夕飯が分からない。こんなことを言うと馬鹿にするだろうが、年を取ってごらんなさい)。

 「失礼ですけど、どなたですか」と聞いたら、「いやだぁ、もう3回くらい会っていますよ」と言われた。同社の営業企画部部長・友野珠江氏だった。

 最高価格は100㎡の5,500万円だという。「えっ、大丈夫? 売れますか」「大丈夫、絶対売れます」

 半信半疑でシアターを見て、プロジェククションマッピングとVRを体験し、その100㎡のモデルルームを見学した。確かにコンセプトが明確で、若い夫婦と小さな子どもがターゲットであることが一瞬にして理解できた。

 そして、友野氏から話を聞き終えたときは〝ひょっとしたら年間80戸、3年間くらいで売れるかも〟に変わった。それだけ友野氏の説明は説得力があった。 

 「ありきたりの商品企画では売れないと考え、このような仕掛けを施した。ここを目玉にし、とにかく沈滞ムードの業界を元気にしたい。現場は面白いですよ」と語った友野氏の顔は自信にあふれていた。

◇       ◆     ◇

 面白い仕掛けについて。シアターが始まる直前、部屋が真っ暗になった。これだと思った。皆さんはダイアログ・イン・ザ・ダークをご存じか。暗闇の中で感覚を研ぎ澄ますと、見えないものが見えてくるということを。同社はそれをシアターでやって見せた。シアターがマンガだったのは全く理解できなかったが、これも当たり前だ。記者などのお年寄りに見せるものではない。

 プロジェクションマッピングは半端なものではない。見学者にも映像が映りこんだときは驚いた。

 卓上のクリスマスケーキに「息をかけて」と言われたとき、年甲斐もなく記者もフッと息をかけた。何とローソクが消えるではないか。

 「柏たなか」の郊外に暮らすことがどのようなことであるかみんなよく理解できたはずだ。

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プロジェクションマッピング

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 帰りのEXの車内吊り広告で沿線の5~6つのマンションが〝価格の安さ〟を競っていた。〝3LDK2980万円〟〝3LDK2400万円~〟〝頭金0円 月々4万円~〟などだ。〝(都心へ)近・(駅へ)近・(公園学校に)近・(スーパーに)近〟と大書きした、何だか吉永小百合さんの「奈良の春日野」の〝フン フン フーン〟ように韻を踏んだものまであった。

 これを見て逆効果だと思った。ユーザーは購買力がないわけではない。どこも似たり寄ったりで、価格の安さだけが取り柄のような物件に嫌気がさしているのだ。

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グランピングゲストルーム

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「ライオンズ東綾瀬公園グラ ンフォート」完成予想図

 大京は3月16日、足立区では初の全戸にマンション向け「エネファーム」を搭載し、宅配便の「再配達ゼロ」を目指したマンション「ライオンズ東綾瀬公園グラ ンフォート」の記者見学会を行った。3月18日から分譲開始する。

 物件は、東京メトロ千代田線北綾瀬駅から徒歩8分、足立区綾瀬7丁目に位置する9階建て50戸。第1期(27戸)の専有面積は56.05~84.42㎡、価格は3,540万~5,790万円(最多価格帯4,400万円台)、坪単価は215万円。竣工予定は2018年3月。設計はIAO 竹田設計。施工は松村組。

 現地は、3方道路で、低中層の住宅が立ち並ぶ一角。敷地西側は「綾瀬七丁目公園」に隣接。北綾瀬駅は将来的に大手町方面に直通運転されることになっている。

 建物はL字型で住戸は南向きと西向き。全戸に足立区初のマンション向け「エネファーム」が搭載されている。

 また、いま社会問題になっている宅配便の「再配達」がなくなるよう同社が昨年グッドデザイン賞を受賞した宅配ボックス「ライオンズマイボックス」を全戸に設置する。また、同社が力を入れている快適な室内環境を生み出す「ライオンズパッシブデザイン」をフル装備している。

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「綾瀬七丁目公園」から現地方向を写す

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 全戸にマンション向け「エネファーム」がついているマンションは足立区で初めてとは知らなかった。東京ガスが販売を開始して3年が経過するが、これまで約2,000戸に搭載されているという。

 この2,000戸が多いのか少ないのか、よくわからないが一次エネルギー利用効率が石油などの37%と比較して85.8%と効率がよく、年間のCO2排出量が少なく、光熱費も抑えられるいいことづくめであることはいうまでもない。業界をあげて設置するよう望みたい。

 ややかさばるのが難点だが、今回はバルコニー側に設置するのでその難点が解消されている。

 宅配ボックスがついているのは常識だと思うが、それを全戸に設置しているものはどれくらいあるのか記者は全然知らない。これが〝売り〟になったらすごい。

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駅前の公園に咲いていたハナニラ 花がさく 花がさく どこにさく。山にさく 里にさく、野にもさく。

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イメージパース

 三井不動産レジデンシャル、野村不動産、三菱地所レジデンス、伊藤忠都市開発、東方地所、富士見地所、袖ヶ浦興業株式会社の7社は3月16日、千葉市幕張新都心最後の大規模住宅地区となる「幕張新都心若葉住宅地区」に住宅・オフィス・商業の複合機能を備えたミクストユースの街づくり「(仮称)幕張ベイタワーズプロジェクト」を始動したと発表した。

 10年以上にわたって総面積約17万5,000㎡の8区画に約4,500戸の住宅機能を整備し、約1万人が暮らす街を開発するもの。く最終街区の竣工は2029年春。

 分譲住宅事業の第1弾として「(仮称)幕張B-7街区タワー&レジデンス」の販売を2017年11月下旬に予定している。

 物件は、JR京葉線海浜幕張駅から徒歩15分、千葉市美浜区若葉三丁目に位置する37階建て・8階建て503戸。竣工予定はタワー棟が2018年12月中旬、レジデンス棟が2018年12月中旬。専有面積は58.97~104.35㎡。

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「(仮称)幕張B-7街区タワー&レジデンス」
 

カテゴリ: 2016年度

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「プライムパークス品川シーサイド ザ・タワー」完成予想図

 京急電鉄などが3月下旬に分譲する「プライムパークス品川シーサイド」を見学した。駅からペディストリアンデッキで結ばれる徒歩3分の「ザ・タワー」(817戸)と、 駅から徒歩5分の「サ・レジデンス」(335戸)からなる全1,152戸の大規模マンション。来場者はすでに1,500組を超え、第1期分譲としては記録的な約400戸に上る予定だ。

 「ザ・タワー」は、東京臨海高速鉄道りんかい線品川シーサイド駅から徒歩3分、品川区東品川4丁目に位置する29階建て全817戸(他にゲストルーム3室、コンビニ、保育施設などあり)。専有面積は53.38~111.18㎡、予定価格は3,900万円台~15,000万円台(予定最多価格帯6,300万円台)、坪単価310~320万円。竣工予定は2019年2月下旬。売主は同社(事業比率50%)のほか大和ハウス工業(同25%)、三菱地所レジデンス(10%)、総合地所(同10%)、京急不動産(同5%)。施工は長谷工コーポレーション。

 物件は、品川シーサイド駅と建物をペディストリアンデッキで結び、敷地内に保育施設を設置し、また災害時には緊急避難場所として地域に開放するスペースを設けることで容積率の緩和(300%から590%)を受けている。建物は免震構造。

 標準階の住戸は30戸、27・28階が26戸、29階が22戸。50㎡台が100戸強、60㎡台が約440戸、70㎡台が約80戸、80㎡台以上が約200戸。コンパクトタイプが多いのが特徴。リビング天井高は標準階が2550ミリ、27階以上が2650ミリ。

 「ザ・レジデンス」は、東京臨海高速鉄道りんかい線品川シーサイド駅から徒歩5分、品川区東大井1丁目に位置する15階建て335戸(ほかにゲストルームなどあり)。専有面積は45.71~89.73㎡、予定価格は3,500万円台~8,800万円台(予定最多価格帯5,800万円台)、坪単価は285万円。売主は同社(事業比率55%)、三菱地所レジデンス(同35%)、大和ハウス工業(同10%)。施工は長谷工コーポレーション。

 こちらも40㎡台を26戸、50㎡台を49戸設け、単身者・DINKS、投資需要を想定したプランを多く設けているのが特徴。

 マンションギャラリーの京急不動産販売部・橋本昌彦氏は、「当社グループは品川駅での再開発計画もあり、沿線の開発強化を図る第一弾のマンション。来場者は1,500件超。最近は毎週50~100件。手ごたえ十分。第1期分譲は『タワー』が約300戸、『レジデンス』が約100戸。本音でいえば『タワー』だけで昨年の最多供給を記録した『東京王子』の320戸を超えたかった」と話している。

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フォレストゲート

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 最初に坪単価から。近隣の物件を参考に、坪300万円をはるかに突破するようだと苦戦は免れないと読んだ。

 いくつかの壁が立ちはだかるからだ。その第一の壁は、先に竣工完売した三井不動産レジデンシャル「パークホームズ豊洲 ザ レジデンス」690戸の売れ行き。坪単価324万円で完売まで2年かかっている。坪300万円の壁は厚い。

 そして、競合するかどうかはともかく、これから分譲される「晴海」の三井不動産レジデンシャル他「パークタワー晴海」(1,076戸)、「有明」の住友不動産「(仮称)東京ベイトリプルタワー」(1,539戸)の動向を考えた。「有明」は坪300万円をはるかに突破するはずで比較にはならないが、「晴海」は想像していたより安く坪単価は330万円くらいに収まる模様だ。これも壁になる。

 街のポテンシャルはどうか。品川シーサイドは駅前にマンション2棟が建っているが、オフィスビルが林立し商業施設が乏しいのが難点だ。

 それに戸数の壁も大きいと考えた。京急と積水で1,739戸もある。高値競争したら共倒れに終わると見た。

 橋本氏から説明を受け単価設定に納得した。単価上昇には専有を圧縮してグロスを抑え、資産性をアピールして単身者・DINKS・投資用需要を取り込もうという狙いだ。これは吉にでると見た。

 改めて書く積水ハウスの物件との住み分けもできている。双方が申し合わせたわけではないだろうが、積水の物件は60~70㎡台しかなく、面積的に競合するのは587戸のみで、半分以上は積水より狭いか広いかだ。施工はともに長谷工だが、商品企画はまるで異なる。

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「ザ・レジデンス」完成予想図

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 販売事務所の設営とシアターなどもよくできている。ハウスエージェンシーの京急アドエンタープライズがコーディネートしたもので、堅いイメージの電鉄会社のマンションとはとても思えないおしゃれなものだ。

 販売事務所のエントランスは長いトンネル仕立て。床は白のタイル、壁には淡いブルーのモザイクタイル。そこを潜り抜けるとやはり白が基調で、ソファーなどは淡いブルー。床のアッパーライトと天井のダウンライトに包まれた空間は浮遊感が漂い、異次元の世界に迷い込んだような感覚を覚え、場所を間違えたのではないかとさえ思った。

 白のツーピース姿の女性3人が出迎えてくれた。黒のアクセントモールが美しい。襟元には鮮やかなブルーのコサージュ。全体の演出が「未来シップ」がコンセプトのようで、記者はまんまとその狙いにはまり込んだ。

 シアターは品川の過去-現代-未来を船に乗って旅するドラマ仕立てになっている。リニア新幹線の始発駅となり、京急グループの西口開発も控える将来性を巧みに表現している。

 住戸はインナーフレームのため柱・梁型が出ており、設備仕様はそれほど高くないが、その難点を吹き飛ばす可能性もあると見た。

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販売事務所(実際はものすごくきれい)

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京急電鉄他「品川シーサイド」 第1期は約400戸 昨年の「二俣川」「東京王子」上回る(2017/3/13)

 

 

 

カテゴリ: 2016年度

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「プレシス横濱紅葉坂」(現地近くから)

 飯田グループの一建設が4月に分譲する「プレシス横濱紅葉坂」を見学した。桜木町駅へ徒歩5分、横浜ランドマークタワーへも徒歩7分の高台立地。デザイン監修は南條設計室。

 物件は、横浜市営地下鉄ブルーライン桜木町駅から徒歩5分、JR根岸線桜木町駅から徒歩6分、横浜市西区宮崎町に位置する6階建て全51戸。専有面積は70.90~84.63㎡、価格は未定だが、84㎡以上の10戸くらいが億ションになると思われる。坪単価は370万円。設計・監理は光和設計。デザイン監修は南條設計室。施工はイチケン。竣工予定は平成30年8月中旬。販売代理は東急リバブル。

 現地は県の施設跡地で、道路を挟んだ対面に全99戸が114㎡以上という億ション「グランドメゾン伊勢山」があり、紅葉坂の対面にはこれまた圧倒的な人気を呼んだ新日鉄都市開発・三菱地所の建て替えマンション「横濱紅葉坂レジデンス」がある。

 建物は内廊下方式を採用。住戸は東向きのワイドスパンが中心。シーザーストーンのキッチン天板、バックカウンター、食洗機、ミストサウナなどが標準装備。リビング天井高は2450ミリ。

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 飯田グループは年間1,000戸超を供給しており、首都圏のマンション供給ランキングでは最近ベスト10入りしているが、一建設のマンションは同社のマンションを久々に見学した。

 「伊勢山」の擁壁がやや気になるが、立地は申し分ない。隣接のマンションは中古で軒並み坪300万円をはるかに突破しているので、坪単価370万円はリーズナブルなものだろう。

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建設現場

億ションの歴史を変える積水ハウス「グランドメゾン伊勢山」(2011/5/13)

カテゴリ: 2016年度
 

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