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 三井不動産は11月11日、三井不動産レジデンシャルが分譲した横浜市都筑区の「傾斜マンション」全棟建て替え問題についてについて、平成29年3月期第2四半期決算の決算短信に「偶発債務」として盛り込んだ。

 建て替え費用や工事期間中の仮住まい費用などの総額は約390億円で、費用のすべてを施工会社の三井住友建設、杭施工を行った日立ハイテクノロジーズと旭化成建材に対し求償すると発表した。

 また、「今後、当該事象の進捗状況によっては、当社グループの連結業績に影響が生じる可能性がありますが、現時点ではその影響額を合理的に見積ることは困難な状況にあります」としている。

 これに対して、先に第2四半期決算を発表した三井住友建設や旭化成は「関係者間の協議の進捗によっては、今後連結業績に影響を与える可能性があります。なお、現時点ではその影響額を合理的に見積ることは困難な状況にあります」(三井住友建設)としている。

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 この問題については、たいして取材もしていないので深入りしないが、問題が大きくなってからの三井不動産の対応は速かったし、国土交通省も事態の収束に動いた。全棟建て替えは入居者の負担も大きいが、建物の不具合が生じた場合の一つの解決策を示した。

 ただ、建て替え費用の分担については各社が発表している通り、なお紆余曲折が予想される。

 違法性が明らかになったのは全4棟のうち1棟だけのはずで、全て4棟の建て替え費用などを求償する法的合理性はあるのかという疑問が沸く。

 また、4棟が建築確認上別々の建物か、それとも1棟の建築物なのかによっても判断が異なるような気がする。

 三井不動産が求償する約390億円は、三井住友建設の営業利益233億円(平成28年3月期)をはるかに超える巨額だが、保険にも入っているだろうからそれで賄われる部分もあるのではないか。それとも保険期間は満了しているのか。

カテゴリ: 2016年度

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「ザ・パークハウスグラン南青山」

 三菱地所レジデンスが11月11日、一般分譲20戸を平均9.65倍で即日完売して話題になった「ザ・パークハウスグラン南青山」が竣工したのに伴い、共用部分などをメディアに公開した。

 外構に植栽をふんだんに施し、外観はランダムに配置したマリオンと御影石の重厚感、彫の深い陰影デザインを施しているのが特徴。

 同社の担当者や周囲の記者の方に「いま売ったらいくら」と聞いたら、一斉に「坪1,000万円」の声が飛んだ。

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エントランス

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 このマンションについては2度記事にしているのでそちらを参照していただきたい。億ションはたくさん見学しているのでそれほど驚きはなかったし、カッシーナのテーブル、椅子が置かれたミーティングルームにも納得もした。デパートの外商などとの商談に用いるのだそうだ。

 そこで売上げが2015年度で9,296億円の高島屋に聞いた。同社広報によると、外商の売上比率は約2割だという。これまたすごい数字だ。

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2層吹き抜けラウンジ

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ミーティングルーム

三菱地所レジ「ザ・パークハウスグラン南青山」 平均9.65倍で即日完売(2016/6/16)

 

カテゴリ: 2016年度

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が11月10日、首都圏の10月度の不動産流通市場動向をまとめ発表した。

 中古マンションの成約件数は3,339件で前年同月比16.1%増加、㎡単価は48.58万円(坪160万円)で同6.1%上昇、成約価格は3,136万円で同6.4%上昇、専有面積は64.56㎡で同0.3%増加した。

 成約件数、㎡単価、成約価格とも2013年1月から46カ月連続で前年同月を上回った。専有面積は15年4月以来18カ月ぶりに前年同月を上回った。

 中古戸建ての成約件数は1,151件で同8.0%増加、成約価格は3,060万円で同2.5%上昇、土地面積は153.73㎡で同4.0%増加、建物面積は105.16㎡で同0.7%増加した。

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「イニシア西新井」完成予想図

 コスモスイニシアは11月9日、足立区で建設中のマンション「イニシア西新井」が「東京都子育て支援住宅認定制度」で分譲マンションとして初の設計認定を受けたと発表した。

 「東京都子育て支援住宅認定制度」とは、居住者の安全性や家事のしやすさなどに配慮された住宅で、かつ、子育てを支援する施設やサービスの提供など、子育てしやすい環境づくりのための取り組みを行っている優良な住宅を東京都が認定する制度。2016年2月に運用が開始され、同物件は分譲マンションとして初めて設計認定を取得した。

 物件は、東武伊勢崎線西新井駅から徒歩9分の9階建て全81戸。

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 同じような制度は、埼玉県の「埼玉県子育て応援分譲住宅認定制度」がある。埼玉県と東京都の制度のどこがどのように異なるのかわからないのでコメントしないが、個別の物件でなく、地域全体で子育てを支援することのほうが大事な気がする。

 埼玉県の制度については、2012年の記事で「いじめの問題が社会問題化しているが、その背景には家族どうしのコミュニケーションの欠如があり、学校も教育委員会もいじめを根絶できないことが分かってきた。唯一、望みを託すことができるのは地域ではないか。家庭-学校-警察-町内会-商店街などが連携して濃密な地域のコミュニティを形成するのがいま求められているような気がする。デベロッパーはそのようなコミュニティ活動を支援すべきだと思うし、行政もそうした取り組みを顕彰することに価値がある。『子育て応援制度』の要諦はここにあると思う」と書いた。

埼玉県「子育て応援制度」 もっと中身のある制度に改善を(2012/9/11)

 

 

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「シエリア湘南辻堂」完成予想図 

 販売好調の関電不動産開発(事業比率60%)、野村不動産(同20%)、パナホーム(同20%)の3社JVマンション「シエリア湘南辻堂」を見学した。辻堂駅から徒歩4分の商・住複合開発の全352戸の規模で、7月の第1期販売から11月の第3期1次まで199戸が登録完売。坪単価220万円強の割安単価も人気の要因だ。

 物件は、JR東海道本線辻堂駅西口から徒歩4 分、茅ヶ崎都市計画事業赤松町地区土地区画整理事業内1 街区に位置する10階建て全352戸。専有面積は68.34~91.68㎡、今週末に分譲される第3期2次(11戸)の最多価格帯は4,800万円台。坪単価は220万円強。設計・監理はIAO竹田設計。施工は三井住友建設。販売代理は住商建物、野村不動産アーバンネット、ライフステージ。竣工予定は平成29年12月下旬。

 現地は、元パナソニックの関連会社の工場跡地。用途地域は工業専用地域だったが、用地を取得した関電不動産開発(前MID都市開発)が個人施行による土地区画整理事業を行い、第一種住居地域に用途変更した結果、マンション、サ高住、商業施設などの建設が可能になった。全体の開発面積は約25,000㎡。マンションのほかサ高住(東京建物の予定)と商業施設が予定されている。

 マンションは全4棟構成で、保育施設、キッズルーム、ライブラリー、ゲストルーム、パーティールームなどからなる別棟(ゲートハウス)か併設される。

 住戸プランはオール電化、エコキュート、ディスポーザー、食洗機が標準装備。これまで主に分譲されてきた南西向きA、B棟と東向きC棟は74~75㎡が中心で、これから主に販売される東向き中庭に面したD棟は70㎡台の3LDKが中心。

 販売を担当する住商建物の不動産営業本部東京住宅販売部第二グループ長・中嶋直樹氏は、「パナソニック系のMID都市開発が相対取引で用地を取得し、区画整理事業として工業専用地域の規制を外してできた事業。お盆明けから地元居住者だけでなく中広域からも集客できるようになってきた。戸塚当たりでも坪単価は300万円を突破しており、価格の安さが評価されている。まだ153戸もあるが、D棟はより価格が安くなるので期待できる」と話した。

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「シエリア湘南辻堂」ラウンジ

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 関電不動産は名前だけは知っていたが、関電不動産開発を全く知らなかった。どのような会社だろうと思っていたが、今年4月、関電不動産とMID都市開発(前松下興産)が合併して関電不動産開発が誕生したことを知ってその謎が解けた。

 ご存じのように東京電力(東電不動産)は不動産の売却を進めており、不動産業から撤退しつつあるが、その代わりに関電不動産開発が首都圏での攻勢を強める戦略なのだろう。今回のマンションが首都圏での第1弾で、「シエリア」は同社の新ブランド(NTT都市開発の「ウエリス」、東レ建設の「シャリエ」と少し似ている)。今回の売主3社は現在開発中の複合タウン「日吉・綱島」でもタッグを組む。

 関西企業では近鉄不動産、阪急不動産、京阪電鉄不動産などが首都圏での攻勢を強めており、今回の関電不動産開発も加わった。首都圏の電鉄会社(系)もマンション事業に力を入れており、大手デベロッパーの寡占化に割って入ろうとしている。面白い展開になるはずだ。

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モデルルーム

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 モデルルームのある建物は、大京と一条工務店が共同で分譲して人気になった「ライオンズ一条レジデンス湘南C-X」と同じ建物だった。当時の記事を読み返したら、坪単価は225万円だった。単価は今回のほうがまだ安い。人気になるのも当然か。第一次取得層の子育て世代と後背地の戸建て居住者の需要も取り込んでいるようだ。

 シアターがまたよくできていた。かわいい中学生くらいの女の子が辻堂周辺を自転車で1日散歩するドラマ風仕立てで、地元のカフェ、パン屋、農園、プロのロング・ボーダーが登場した。ここに暮らせばどのような生活ができるかよく表現されていた。モデルルームのインテリアデザイン担当は、いま〝売れっ子〟の鈴木ふじゑ氏だった。

大京「ライオンズ一条レジデンス湘南C-X」 1期100戸が即日完売(2011/11/21)

 

 

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「Grand Le JADE若松町レジデンス」アプローチ(完成予想図)

 自分で自慢するのは憚れるのだが、記者にも少しはマンション用地の目利き力があることを証明するマンションを紹介する。日本エスコンが11月下旬に分譲する「Grand Le JADE(グラン レ・ジェイド)若松町レジデンス」だ。駅から徒歩3分と近いだけでなく、閑静な住宅街の一角で、3カ所に吹き抜け(ライトコート)を設けたプランがいい。そして何よりもいいのが、長さ約100mのアプローチ空間が付くことだ。

 物件は、都営大江戸線若松河田駅から徒歩3分、新宿区若松町に位置する6階建て全31戸。専有面積は57.33~84.13㎡、価格は未定。竣工予定は平成29年6月上旬。設計・監理はスタイレックス。施工はウラタ。売主は同社(事業比率95%)のほか三信住建(同5%)。販売代理は東急リバブル。

 現地は、敷地は小笠原礼法の宗家と親戚関係にあった西脇健治邸跡地で、幅約4.5m、奥行き約100mの私道(旗竿状敷地)付き。隣接地は東京タワーや早稲田大学大隈講堂の設計を手掛け、わが国初の壁式工法による戸建て住宅を自宅として建て、その後、早大に寄贈された内藤多仲の屋敷跡地。道路に面した敷地は大願寺のお寺。

 住戸プランは南向き中心に1フロア7戸が基本で、5階は4戸、6階は2戸の構成。吹き抜け(ライトコート)を3カ所に設置し、各住戸に光と風を取り込み、かつ廊下側に直接居室が面さないように工夫しているほか、多面採光、ワイドスパンを採用、角住戸比率(58%)を高めているのが特徴だ。

 設備仕様では、ロートアイアン調の門扉がポーチに付き、ディスポーザー、食洗器、天然石キッチン・バックカウンター、グローエ水栓、ミストサウナ、リビングエアコンなどが標準装備。

 11月からモデルルームをオープンし、これまで3週で予約を含め70件に達し、すべて満席。販売を担当する東急リバブルプロジェクトチーフ・葛籠山(クズカゴヤマではなくツヅラヤマ)直樹氏は「11月のこの短期間にこれほど集客できる物件はまずない。新宿区の万で駅近マンションは少なくないが、ほとんどが道路沿い。ここは車の音など聞こえないし、お客さんの評価も高い。間違いなく早期完売する」と話していた。

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 正直に話そう。記者はもちろん日本エスコンの名前は知っていたし、物件も2、3見たことがあるような気がするが、記憶に残っていないくらいだから、大阪が本社の〝並み〟の中堅デベロッパーだと思っていた。今年6月、東証一部に上場して〝大きくなったものだ〟というくらいの認識しかなかった。

 今回の物件も、マンションの用地担当者のように足を棒にして見つけたのではない。記者が糖尿病の治療のために定期的に通っている国立国際医療センター病院に行く途中に看板がかかっていたのを見たのに過ぎない。

 その敷地は、業界では旗竿状敷地と呼ぶのだが、小路は寺の壁と同様、大谷石が敷かれ、まっすぐに伸びていた。隣接地には巨木が茂っていた。これを見たとたん、商品企画次第では間違いなく売れるマンションになると判断した。

 その通りになるかどうか確認するために初めて同社に取材を申し込んだ。結果はその通り、商品企画に力が入っている。今どき、規模がそんなに大きくないのにライトコートを3カ所に設置するデベロッパーはまずいない。このライトコートの設置によって、寝室が直接廊下に面する住戸は一つもないようにしている。モデルルームタイプ(81.35㎡)にはインナーバルコニーもついていた。開口部は8カ所もあった。

 同社に聞いたら物件名に〝Grand(グラン)〟を付けたのは首都圏では今回が初めてだそうだ。価格(坪単価)は「未定」とのことだが、極めてリーズナブルな価格設定になるはずだ。馬喰町、横山町などの問屋街が軒並み坪400万円を突破してきているが、それらとは立地が全く異なるとだけしておこう。

 〝目利き力〟があると言ったのは、たまたま恵まれた土地を見つけただけであるということを白状する。それにしてもわずか31戸の物件に3つのライトコートを設け、ディスポーザーも設置するとは-日本エスコン(用地を取得したのは三信住建だが)のこれからのマンション事業に注目したい。

 ついでだが、カフェ付きマンションとして話題となった祖師ヶ谷大蔵のマンションは、記者が見に行ったときは昼頃だったせいもあるのだろうが、50人くらいの客で店はごった返していた。

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パティオ

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 「プレミスト高尾サクラシティ」

 大和ハウス工業とコスモスイニシアは11月1日、東京都八王子市の大規模マンション「プレミスト高尾サクラシティ」(全416戸)の高層棟「カームコート&デライトコート」第5期分譲(9戸)が2016年10月23日に全戸即日申込登録となった結果、2015年6月28日に中層棟「エアリーコート&ブルームコート」第1期分譲(130戸)以降7期連続の全戸即日申込登録となり、2016年10月30日をもって全416戸が完売したと発表した。

 物件は、JR中央線・京王線高尾駅から徒歩6分、八王子市東浅川町に位置する14階建て。施工は長谷工コーポレーション。専有面積は63.57~92.55㎡。

 2015年1月9日の資料請求受付開始から3,000件以上の資料請求・問い合わせがあり、2015年4月4日のモデルルームオープン以降1,700組超の来場者があった。

 契約者の約半数が八王子市居住者で、23区などの都市部からの契約者は約35%、神奈川エリアが約10%、20代~40代のファミリー層が約6割、50代以上のシニア層が約4割、契約者の持家率は約5割、住み替えが多いのが特徴。

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 このマンションについては、分譲開始前の記事をぜひ読んでいただきたい。売れるかどうかは、周辺の戸建て居住者の買い替え・買い増し需要を吸収できるか、周辺エリア居住者を呼び寄せることができるかどうかと書いた。

 結果は、その通り、郊外居住者のニーズを取り込んだのが早期完売につながった。しかし、売れるのは年間にして百数十戸、完売まで3年くらいかかるのではないかと思っていたので、これは予想を大幅に上回った。

スマートシティ「プレミスト高尾サクラシティ」 高尾はこんな街(2015/6/8)

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「北仲通北再開発等促進地区地区計画」

 三井不動産レジデンシャルと丸紅は11月1日、横浜市中区の大規模開発事業「北仲通北再開発等促進地区地区計画」(約7.5ha)の中心に位置する超高層ミクストユースタワーの建設に着手したと発表した。

 同計画は、東急東横線直通横浜高速鉄道みなとみらい線馬車道駅に直結する新たなランドマークとなり、横浜市最高層・最大規模となる総戸数1,100戸超の分譲住宅と宿泊施設、商業施設、文化施設等を一体的に開発するもの。設計・施工は鹿島建設。竣工は2020年2月の予定。2020年6月末に移転する予定の新市庁舎に近接することになり、新たなランドマークが誕生する。

 建物は地上58階建て・約200m延べ床面積約168,000㎡の超高層ミクストユースタワー。5階から58階(46~51階を除く)は総戸数1,100戸超の分譲マンションとなる。ロサンゼルスに本社を置き、北米、アジア、ヨーロッパに約25,000室以上のサービス付き長期・短期滞在型宿泊施設を運営している「オークウッド」のロビーが46階に設けられ、51階までの各フロアに客室(計175室)が設けられる。低層階の1、2階には、延床面積約6,000㎡の商業・文化ゾーンとなる。

 また、横浜市認定の歴史的建造物を文化創造の核として保全・復元するため、建物基壇部には、日本の産業黎明期の生糸輸出拠点となった倉庫群の復元を行い、横浜市認定の歴史的建造物である「旧横浜生糸検査所付属生糸絹物専用B号倉庫およびC号倉庫(倉庫棟)」の保全を行う。

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完成予想図

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「パークホームズ錦糸町ザ・レジデンス」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルと大栄不動産が共同で分譲中の「パークホームズ錦糸町ザ・レジデンス」のコンセプトルームを見学した。昨年末から分譲開始しており、残りは未分譲を含め12戸で坪単価は264万円。隅田川を超えた隣接の中央区では軒並み400万円を突破してきており、割安感もある。

 物件は、JR総武線快速・JR総武線・東京メトロ半蔵門線錦糸町駅から徒歩12分、都営大江戸線両国駅から徒歩11分、墨田区緑4丁目に位置する12階建て全55戸。現在分譲中の住戸(12戸)の専有面積は67.25~71.66㎡、5,228万~6,168万円、平均坪単価は264万円。竣工予定は平成29年2月下旬。施工は川口土木建築工業。売主は同社のほか大栄不動産。

 現地は三つ目通りに面しており、4方向道路。敷地南側は東方向にペンシルマンションが建っているほかは、眺望が開けた立地。外構に西武造園を起用し、植栽に力を入れているのが特徴。食洗機、ユーティリティシンクが標準装備。

 販売を担当する同社都市開発三部パークホームズ錦糸町ザ・レジデンス所長・山際寛生氏は、「昨年末から販売しており、西向きのタイプは完売。残りの住戸とこれから分譲する住戸は南向き。東側方向にペンシルマンションが1棟あるのみで、眺望が開けている。12月の第2週には建物内にモデルルームを設ける予定で、坪単価が400万円を突破してきている人形町あたりまで自転車で30分もかからないことをアピールしていく」とし、最近の市場についても「私が担当した坪単価281万円の『パークホームズ押上ザ レジデンス』(60戸)はほぼ即日完売。坪単価450万円の『パークホームズ日本橋人形町ザ レジデンス』(80戸)も残りわずか。予定通り進捗している」と話している。

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 価格が高いか安いか、これはユーザーが決めることで、もともと記者は錦糸町駅圏の相場は250~260万円くらいだと思っていた。ところが、スカイツリーが完成したあたりから、相場が一挙に上昇、スカイツリーが見える駅近物件は軒並み坪300万円を突破した。

 それどころか〝問屋街〟だった馬喰町、横山町あたりも坪400万円を突破してきている。いくら何でもこれは上がりすぎだと思う。総じて売れ行きはいま一つと聞いているが、機会があったら取材してみたい。

 そんなことを考えると、錦糸町駅から12分で坪単価264万円というのは〝旧価格〟なのかもしれない。

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外構

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「ウエリス浦和美園」完成予想図

 記者は50年以上の西武ライオンズ(前西鉄ライオンズ)ファンで、球団が所沢に移転してきたとき球場の近くの戸建てかマンションの購入を考えたほど熱を入れたことがあるが、サッカーにはまるで興味がない。国際試合は必ず観て日本を応援するが、国内の試合は浦和が勝とうが大阪が勝とうがどうでもよく、それよりも頭突きをしたり、得点するとユニフォームを脱いで裸になり卑猥な踊りもしたりする、退屈で野蛮なサッカーのどこがいいのかと思っている。

 また、街のポテンシャルはホテル、デパート、食など文化の集積が重要で、その点からしてわが多摩ニュータウンに勝るところはないと思っている。坂の多さを批判する人がいるが、起伏の多い街は景観を美しくする利点もある。千葉や埼玉の大規模住宅地の人気がいま一つなのは、起伏に乏しい地形にも一因があると思っている。

 そんな記者の独断と偏見の物差しで、NTT都市開発他「ウエリス浦和美園」を紹介することを了解していただきたい。

 まず、「浦和美園」について。300ha超に及ぶ土地区画整理事業「みそのウイングシティ」の都市計画決定がなされたのは1999年。バブル崩壊により事態が深刻になっていたころで、前途多難を思わせた。埼玉県やさいたま市も事業に関与していた。

 そして、2001年に埼玉高速鉄道浦和美園駅が開業し、浦和レッズが本拠とする埼玉スタジアムも完成した。2006年には「イオンモール浦和」が開業。その前後にポラスの大規模戸建て分譲が行われ人気になったが、東急不動産他のマンション「センターフィールド浦和美園」(197戸)は完売まで相当時間がかかった。

 記者はこの10年間、4~5回取材に浦和美園を訪れている。街の開発スピードは遅々として進んでいないと思う。もっと早い段階から民間〝活力〟を導入し、街の未来像を描くべきだった。駅前は貧しいのに、どうして駅から15分もかかるところにスタジアムを建設したのか。サッカーファンはやさしいのか、野球ファンなら怒る。街路樹も貧弱だ。官主導の土地区画整理事業は時代遅れの開発スキームだ。

 ところが、2020年東京オリンピックの会場に埼玉スタジアムが選ばれたこともあるのだろうか、ここにきて動きが出てきた。駅前に公共複合施設が開設され、順天堂大学附属病院、商業施設「ウニクス」の進出も決まった。約14,000㎡の公園も整備される。最近は三井不動産レジデンシャルやポラスの戸建て分譲が人気を呼んだ。近く、さいたま市の先進的モデルタウンの戸建て分譲も始まる。

 「浦和美園」はそんな街だ。駅舎、駅前広場は浦和レッズ一色で、チームカラーのレッドは広島カープ同様なかなかいい色だと思う。

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リビングルーム

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 さて、これからが本番。ここまで辛抱強く読んでくださった浦和レッズファンはもちろん、もはやマンションの取得は絶望的と思っている圧倒的多数派のサラリーマンの方にもう少し辛抱して以下を読んでいただきたい。

 「ウエリス浦和美園」は、埼玉高速鉄道線浦和美園駅から徒歩7分、埼玉県さいたま市緑区大字下野田字新道下に位置する15階建て「サウステラス」380戸と「ノーステラス」317戸の合計697戸の規模。現在分譲中の「サウステラス」の専有面積は70.11~92.84㎡、価格は3,478万~5,548万円(最多価格帯3,900万円台)、坪単価は175万円。竣工は「サウステラス」が2016年12月中旬、「ノーステラス」が2018年4月上旬。施工は川口土木建築工業。売主は同社(事業比率80%)のほか川口土木建築工業(同20%)。販売代理は住友不動産販売、東急リバブル。

 物件の特徴は、敷地の南側に約14,000haの公園予定地が広がり、敷地の東側には魚も泳ぐ綾瀬川に隣接している環境のよさだ。販売を担当する住友不動産販売の担当者によると、「始発駅であるので朝の通勤時には座れるし、地下を走るので遅延がほとんどない」とのことだ。

 住戸プランでは、埼玉県初のマンション向けエネファームを全戸に搭載しており、二重床・二重天井、ディスポーザ、「良水工房」が標準装備。コミュニティプログラムは当初1年間、事業主が費用を負担して支援する。

 分譲開始から約1年半、これまで「サウステラス」の約160戸が契約済みだ。「サウステラス」の竣工を前後して全317戸の「ノーステラス」の分譲が始まる。

 「ノーステラス」の特徴は、専有面積63~130㎡のプランバリエーションが全87タイプと豊富で、とくに75㎡の4LDKを設けているのに注目したい。このタイプは、ナイスが採用して成功したように、部屋数を確保したいファミリーをターゲットにしたものだ。

 さらに、70㎡の3LDKのプランは、間口を6,400ミリ(サウステラスは6,000ミリ)とするなど広くし、横長リビングにしたり収納に工夫を凝らしたりしている。

 また、これは「サウステラス」もそうだが、70㎡台の後半のプランの廊下幅を広いものは約1,400ミリとするなどすべてメーターモジュールにしているのも大きな特徴だ。

 価格についてはユーザーが判断することだが、レッズファンにはたまらないマンションではないか。設備仕様などは他のこれくらいの単価のマンションよりは優れているといえる。多摩ニュータウンなら坪200万円を突破するはずだ。勝敗のカギは物件の特性をどうアピールするかだ。

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 同社のマンションブランド「ウエリス」について。昨年の5月、「ウエリス銀座」を取材したとき、どうして物件名が「ウェリス」でないのか悩んでしまった。NTT都市開発ともあろうものが物件名を間違えるはずがない、記者の目が悪いので「ェ」が「エ」に見えるのだろうかと何度も確認し、結局、「ウエリス」にしたのだが、それまでの記事は全て間違っていたのだろうかと冷や汗が出た。

 何のことはない。同社が昨年1月、ブランド名「WELLITH(ウェリス)」を「Wellith(ウエリス)」に変更したのを記者は知らなかっただけのことだった。どうして「Wellith」を「ウエリス」と読ませるのか不思議だが、旧仮名遣いでは拗音・促音はほとんど大文字だったから、まあいいか。

 同社によると、今も「ウェリス」と「ウエリス」が混在しているのだという。

カテゴリ: 2016年度
 

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