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グランドアプローチ

 大和地所レジデンスが分譲中の「ヴェレーナシティ パレ・ド・シエル」を見学した。京急本線屏風浦駅からグランドアプローチ(敷地入口)まで徒歩8分、横浜市磯子区森6丁目に位置する第一種低層住居専用地域に位置する全240戸の大規模開発で、昨年12月の販売開始から140戸超が契約済みとなり、最終街区の「カルティエ4」(81戸)がこれから分譲される。

 物件は、京急本線屏風浦駅からグランドアプローチ(敷地入口)まで徒歩8分、横浜市磯子区森6丁目に位置する3階建て「カルティエ1」~「カルティエ3」まで3棟と4階建て「カルティエ4」の全240。最終分譲となる「カルティエ4」(81戸)会員エントリー制先着順住戸(45戸)の価格は3,498万~5,898万円。竣工予定は平成30年1月下旬。施工はNB建設。設計・監理はDAN総合設計。

 現地は敷地面積約1.9haのNTTの社宅跡地。従前は道路から比高差にして4層分くらいの坂を迂回しなければならなかったが、新たに敷地隣地を同社が買収して、入居者専用のエレベータを設置し、「徒歩8分」の表示を可能にした。

 植栽計画は日比谷花壇グループの日比谷アメニスが担当。建物は全体で全4棟。住戸商品企画は、雁行設計を一部採用して採光に配慮したほか、奥行き4mのオープンエアリビングバルコニー付き、奥行き3mのオープンエアスペース、ルーフバルコニー、スカイビューテラス付きなどが特徴。

 基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、天然御影石キッチン・洗面カウンター、食洗機、ソフトクローズ機能付き玄関収納など。

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「ヴェレーナシティ パレ・ド・シエル」完成予想図

◇       ◆     ◇

 今年に入って第一種低層住居専用地域の大規模マンションは野村不動産「プラウドシティ阿佐ヶ谷」と東急不動産「ブランズシティ世田谷中町」を見学したが、今回の同社のマンションもなかなかいい物件だ。

 同社の〝十八番〟であるオープンエアリビング、オープンエアスペースなどは低層マンションで一層その良さが生かされる。

 商品企画にも相当力が入っている。敷地入り口に街のシンボルとなる時計塔と入居者専用のエレベータを設置し、入り口部分にキッズルーム、ラウンジ、パーティルーム、バーベキューコーナーなど共用施設を配置したのもそうだが、植栽計画には日比谷花壇グループを採用している。

 設備仕様レベルも高い。御影石はカウンタートップだけでなく袖壁も標準だ。玄関収納のソフトクローズ機能も標準だが、これは最近の建築費高で姿を消しつつあるものだし、スロップシンクも設置している。 

 坪単価200万円強という価格設定もリーズナブルだと思う。全体の質からして、同社が12年前に分譲して圧倒的な人気を呼んだ全戸100㎡超の「レイディアントシティ横濱」を思い出したほどだ。

 一つ残念なのは敷地全体ののり面をほとんどコンクリで覆っていることだ。植栽を施せば管理費は年間で数百万円規模に膨れ上がりそうなので止めたと思われるが、四季の草花を咲かせれば素晴らしい景観になるはずだが…。

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「カルティエ3」バルコニー

カテゴリ: 2016年度

 マンション管理業協会は9月21日、「管理組合として民泊を禁止または容認する場合の管理規約の例および考え方を作成・公表いただきたい」とする内容の要望書を石井国土交通大臣宛に提出した。

 要望書では、「分譲マンションは、そのほとんどが区分所有者が生活の本拠を置く実住型で、平穏に暮らすことを目的としており、不特定多数の者が出入りする民泊は、これを阻害するものとして、関係方面から多くの反対意見が表明されており、一方、リゾートマンションや繁華街等に位置する一部の投資型マンションでは、その利用形態から民泊制度を活用したいニーズもあるのが現状」とし、「国土交通省が作成・公表する現行の『マンション標準管理規約』では、民泊のような利用形態は想定されていないことから、これに準拠する各分譲マンションでは、管理規約上、民泊はそもそも認められていないと考えてよいか、また、今後、認める場合・認めない場合にどのように規定すればよいか混乱が生じています」としている。

◇      ◆     ◇

 この要望書に対して国交省がどのような回答をするかだが、法律に照らし合わせると、マンションでの民泊は不可と解されるのではないか。

 区分所有者の権利義務を定めた区分所有法第6条では、「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」と定めている。民泊利用が区分所有者の共同の利益に抵触する可能性が高いと理解されそうだ。

 また、マンションの規約の設定、変更などを定めた同法第31条では、前段で「規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする」とあり、また後段では「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」と規定されており、規約変更によって民泊利用を可能にするのは大きな壁がある。

 さらに、国土交通省が作成した「マンション標準管理規約」の専有部分の用途を定めた第12条には「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」としている。

 常識的に考えるなら、「専ら住宅」は他の用途を想定していない。ただ、「専ら」の文言は「主として」とも解されるので、住宅以外の用途を完全に排除したものではないとも受け取れる。

 なので、投資用マンションなどでは民泊を認める動きが出てくる可能性もありそうだ。

 

カテゴリ: 2016年度

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「イマジンテラス(ファインシティ横浜江ヶ崎ルネ)完成予想図

 京阪電鉄不動産(事業比率55%)、総合地所(同44%)、長谷工コーポレーション(同1%)の3社共同マンション「イマジンテラス(ファインシティ横浜江ヶ崎ルネ)」を見学した。南武線尻手駅から徒歩14分とやや距離はあるが、坪単価は173万円。圧倒的な価格の安さが人気で、第1期131戸に102戸の申し込みが入った。

 物件は、JR南武線尻手駅から徒歩14分(矢向駅から徒歩15分)、横浜市鶴見区江ヶ崎町に位置する7階建て全338戸。専有面積は68.70~85.50㎡、3LDK、70㎡台が3,500万円台中心で坪単価は173万円。竣工予定は平成30年2月上旬。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 現地は、尻手駅からはやや距離があるが、敷地面積約1.3haの敷地に建物をロの字型に配し、その中央の3,000㎡超に中庭を設置。9つの企業とコラボして共用施設の充実を図り、入居者のコミュニティ支援を前面に打ち出したのが特徴。

 川崎駅へ1駅で、圧倒的な価格の安さから9月13日に抽選分譲した第1期131戸には102戸の申し込みが入った。プライベートガーデン(専用庭)を設けた1階住戸は7階住戸と価格がほとんど同じだったにも関わらず、抽選になる人気で完売となった。4月からの来場者は約400件。申込者のうち約15%が東京都大田区の居住者で、歩留まりが高いのが特徴。

 京阪電鉄不動産首都圏事業部東京営業部所長・高橋和寿氏は、「3LDKで3,500万円台中心という価格を何とか維持し、入居者がマンション全体を自然にシェアしながら自発的にコミュニティを形成していく仕掛けを施した。第1期が好調なスタートを切れたことで、〝郊外の販売不振〟の打開策に一つの答えを出せた」と語った。

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アコースティックライブ

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 「第一次取得層の取得限界は3,500万円というのがわたしの信念」-同社・高橋氏が前回取材した「ファインシティ東松戸モール&レジデンス」でこう語ったが、今回の「イマジンテラス」でもこの信念が貫かれている。

 この思いに記者も共感できる。ファミリー向けの3LDKで3,500万円台というマンションは、よほどの遠隔地マンションでないと供給できなくなってきた。ローン金利がただ同然になのは救いだが、一般所得層の実質賃金はバブル崩壊後低迷したままだ。その一方で、一挙にマンション価格が上昇してしまった。消費者の消費マインドも一向に上向く気配がない。

 このような状況下で、どこが需要を創造するかずっと注目してきたのだが、同社が敢然と「3LDKで3,500万円台」に挑戦。結果を出している。いま郊外マンションの第1期分譲で成約できるのはせいぜい数十戸だ。いかにこの物件が〝人気〟になっているかよくわかる。

 プロジェクションマッピングを活用した模型やモデルルームはよくできている。アウトドア用品ブランド「LOGOS」商品を盛り込んだ1階の専用庭付きモデルルームタイプが人気になったのも頷けるし、押入れクローゼットの提案もいい。

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「LOGOS」の提案を盛り込んだ1階住戸(モデルルームタイプ)

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押入れ収納

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 8月26日付の同社「ファインシティ東松戸モール&レジデンス」の記事と同様、高橋氏は「面積を70㎡台に抑え、基本性能は守りながらオプション工事にできる設備仕様はオプションにしている」と話した。

 広告上の豪華さを競う一方、マンションの原価構成が一般消費者にはわかりづらいことが郊外の販売不振の原因にあるのではないか。「価格の上がる設備仕様のハードを競うより、コミュニティ支援によるソフトを充実させる」。記者は同社の正直な企業姿勢を支持するし、

きちんと説明責任を果たしていると思う。関西の狭い商圏でJRや他の私鉄と戦っている京阪電鉄(不動産)の強かな戦略がここにも見えてくる。〝三方よし〟など今のマンション市場ではありえない。

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中庭

第一次取得層向けの郊外マンションは復活するのか(2016/8/30)

〝三方一両損〟で3,500万円の3LDKを死守 京阪電鉄不「東松戸」が大健闘(2016/8/26)

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ン「RHYTHM Ekkamai(リズム エカマイ)」完成予想図

 三菱地所レジデンスは9月20日、タイ・バンコクのデベロッパーAP社と共同で分譲した第8号プロジェクトマンション「RHYTHM Ekkamai(リズム エカマイ)」(総戸数326戸)を9月3日から販売開始し、9月8日までわずか6日間で全戸完売したと発表した。タイの平均年収は140万円くらいだそうだ。

 都心からのアクセス・生活利便性に優れ、人気のあるスクンビットエリアに位置する地上32階建て。専有面積は30㎡~80㎡、価格は536万バーツから。日本人向けの現地販売ツアーを行い、総戸数の約1割である計30戸に申し込みが入った。

 バンコクは所得の上昇・人口の流入・核家族化の進行・公共交通機関の拡張等により、都心部での分譲マンションへのニーズが高まっており、同社グループは2014年からタイ・バンコクでの住宅事業に参画し、約2年間で計8物件、約6,500戸の販売を行ってきたが、約8割が分譲済み。同社は今後も事業を加速し、年間3~5物件、総売上200億バーツ規模での事業展開の継続を目指す。

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 海外のマンション市場は全く分からないが、〝すごい〟のひとことだ。1バーツ2.92円で換算すると、日本円にして価格は1,565万円から。坪単価で172万円だ。

 先週末、南武線尻手駅圏の京阪電鉄不動産「イマジンテラス(ファインシティ横浜江ヶ崎ルネ)」を見学したが、坪単価は173万円だった。タイ・バンコクとほぼ同じだ。

 「イマジンテラス」は第1期131戸に対して102戸に申し込みが入り大健闘しているのだが、バンコクのマンションはその3倍の戸数がわずか6日間で完売するとは。年収倍率でいえば、日本もタイも同じくらいか。

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「ザ・ガーデンズ東京王子」完成予想図

 三井不動産レジデンシャル・近鉄不動産・大和ハウス工業・三菱地所レジデンス・長谷工コーポレーションは9月16日、5社が共同で分譲している「ザ・ガーデンズ東京王子」の売れ行きが好調につき追加販売すると発表した。

 8月27日から9月3日まで第1期1次として今年の都内最多315戸を供給し、約300組の登録申し込みがあったため、第1期2次として9月下旬に追加供給する。

 物件は、JR東十条駅から徒歩5分、北区王子五丁目に位置する総開発面積約4.3haの全864戸。第1期1次(315戸)の価格は4,878万~7,588万円(最多価格帯5,900万円台)、専有面積は68.19~85.09㎡。5月からのモデルルーム来場者は約1,600組。

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 このマンションについては、別掲の記事を参照していただきたい。売れ行きがいいというのは業界内ではよく知られていたが、この種のプレスリリースが発表されるのは久々だ。300戸超の分譲で即日完売するのは当たり前だったからだ。

 ところが、ここにきて都心部も郊外部も市況が怪しくなってきており、リリースは売れ行きが好調であることをアピールし、秋の商戦につなげようとする狙いがありそうだ。

 今年の一挙供給の多さでは、相鉄不動産他「グレーシアタワー二俣川」が380戸を供給して好調なスタートを切った。

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 このリリースにタイミングよく、9月18日付の朝日新聞デジタルは、北区の魅力をPRするポスター「住めば、北区東京。」と、そのポスターを描いた漫画家・清野とおる氏を紹介している。漫画のタイトルは「東京都北区赤羽」で、「作者が主人公になり、赤羽を舞台に出会った人や発見したものなど多彩な魅力を独自の視点から取り上げた作品」(朝日新聞)だ。清野氏は13年前、板橋区から赤羽に引っ越したという。

 その「北区赤羽」のマンション坪単価は300万円をはるかに突破する。一般所得層が買えなくなってきている。東十条も取得限界にあるが、赤羽より坪数十万円は安い。「住めば、北区東京。」が効果を発揮することを期待したい。

 隣の区、板橋区(一部豊島区)では今から6年前、野村不動産が「プラウドシティ池袋本町」全785戸をわずか半年で完売して話題となった。来場者は12,000組に達した。最多価格帯は「東京王子」より約400万円安い5,500万円台だった。

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清野とおる氏が描いた北区の魅力をPRするポスター「住めば、北区東京。」の一つ

「ザ・ガーデンズ東京王子」(864戸)は坪260万円台(2016/7/8)

記録的な一挙供給量380戸 「グレーシアタワー二俣川」は坪280万円(2016/8/22)

 

 

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「クレヴィア千鳥町」完成予想図

 伊藤忠都市開発は9月16日、ライフスタイルに合わせて間取りの設計変更や収納仕様、浴槽形状などを選択できる「カスタムオーダーメイド」を導入した「クレヴィア千鳥町」(総戸数61戸)のマンションギャラリーをオープンしたと発表した。

 物件は、東急池上線千鳥町駅から徒歩5分、大田区千鳥三丁目に位置する9階建て。専有面積は55.45~94.82㎡、竣工予定は2017年8月下旬。設計・監理は古沢建築工房。施工は鍜治田工務店。

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「ルピアージュ田無」

 ポラスグループの中央住宅は9月9日、同社2棟目の一棟リノベーションマンション「ルピアージュ田無」の記者見学会を行った。西武新宿線田無駅から徒歩10分の第一種低層住居専用地域に位置する全50戸で、5つのモデルルームから好みのプランを選べるのが特徴だ。

 物件は、西武新宿線田無駅から徒歩10分、西東京市田無町7丁目の第一種低層住居専用地域に位置する3階建て全50戸。専有面積は73.45㎡、第1期(3戸)の価格は4,198万円~4,548万円。坪単価は200万円強。建物は平成5年2月に竣工。施工は長谷工コーポレーション。改修は長谷工リフォーム。改修完了は平成29年2月中旬予定。販売代理は長谷工アーベスト。

 大手企業の社宅だったのをスケルトンでリノベーションし、共用部分・外構・植栽を一新。一部の住戸には最大52.85㎡の専用庭を設置。エントランスにはルーバーフェンスを設置。駐車場は38台分確保。

 住戸プランは、費用負担がかからないものから270万円の5つのモデルルームを用意し、好みのプランを選べるのが特徴。

 同社取締役マインドスクェア事業部長・金児正治氏は、「昨年分譲した『天王台』は残り3戸。いろいろなことを学んだ。今回はプランをパッケージ化して好みのものを選んでもらうようにし、施工したのが長谷工さんであり、今後の展開も考えて改修、販売代理も長谷工さんにお願いした。1棟リノベは『百合丘』21戸の仕込みも済んでおり、今後は年間2棟くらいを供給していきたい。事業部全体では来年度売り上げ100億円にチャレンジする」と語った。

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グランドエントランス

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 従前は大手企業の社宅で、建築確認が平成3年とあるからバブルがはじけた直後だ。分譲だったら坪単価は300万円近くしていたころだ。外観はタイル張りでバブル仕様であることをうかがわせた。

 ただ、同社が昨年分譲した「天王台」は90㎡が中心で今回は73㎡。ここに大きな差がある。企業の社宅に対する考え方や用途(幹部用か一般社員向けか)の差が出ているようだ。

 見学会で公開された5つのモデルルームは以下の通り。

①「Gathering House 笑顔のステーションを持つ家」(設計デザイン:中央住宅マインドスクェア事業部マンションDv、追加料金95万円)

②「SLOW HOUSE 包容力の豊かな家」(設計デザイン:中央住宅 マインドスクェア事業部女性チーム、追加料金115万円)

③「DECOR Houseデザインを魅せる家」(設計デザイン:中央住宅スタディ・スタイル一級建築士事務所、追加料金270万円)

④「DRESS HOUSE 優雅な時を奏でる家」(デザイン提案長谷工アーベスト、追加料金230万円)

⑤「Atelier HOUSE 『個』を大切にする家族の家」(デザイン提案:長谷工リフォーム、追加料金ゼロ)

 記者が一番いいと思ったのは①「Gathering House 」だった。モデルルームは8月27日からオープンされており、2週間で40組ある来場者の一番人気もこのタイプだそうだ。すでに〝十八番(おはこ)〟となっている〝ピアキッチン〟が標準装備されている。

 追加料金がもっとも高い270万円の③「DECOR House」は、建具や面材に「シナベニア」を多用し、コルク材の床、コンクリート打ちっぱなしの土間の提案など意欲的な作品ではある。世界的な流れを盛り込んだ企画意図もよくわかるのだが、「シナベニア」はいかにも「べニア板」仕様だ。同社が分譲する戸建てはいかにも「木」らしい素材感がある建具・家具を採用している。

 他のプランはオーソドックスなものだ。従前の間取りプランは、中央に玄関があり、北側に2住戸、南側にリビングと和室(洋室)に振り分ける平凡な田の字型プランだったと思われるが、今回も基本的にはそれを踏襲するものだ。世帯構成が激変し、ニーズも多様化している現在、もっと大胆な提案があってもよかった。5つのプランとも全て3LDKだった。

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①「Gathering House 笑顔のステーションを持つ家

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④「DRESS HOUSE 優雅な時を奏でる家」

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③「DECOR Houseデザインを魅せる家」

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②「SLOW HOUSE 包容力の豊かな家」

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⑤「Atelier HOUSE 『個』を大切にする家族の家」

ポラスグループ、“オールポラス”で初のリノベ 「天王台」はバブル仕様(2015/11/19)

 

 

 

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「Duo Veel銀座レジデンスギャラリー」

 フージャースコーポレーションがコンパクトマンションブランド「Duo Veel(デュオヴェール)」を立ち上げ、初弾の「Duo Veel飯田橋」「Duo Veel渋谷初台」の総合マンションギャラリー「Duo Veel銀座レジデンスギャラリー」を9月3日(土)にオープンした。

 マンション分譲事業で培ってきたものづくりのノウハウを生かし、女性ものづくりチームが中心となって商品を企画。メインターゲットとしている「都心でいきいきと、自分らしく働く女性」が快適に暮らせる住まいを提案する。

 今後、この2物件を含め秋葉原・学芸大学・上野松が谷・赤羽で計6物件約250戸(上記2物件含む)の供給を予定している。2021年3月期には年間供給約300戸のコンパクトマンションを手掛けていく計画。

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 このプロジェクトの説明会が9月28日(水)に行われるで、取材してレポートしたい。

 

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「アルファグランデ千桜タワー」完成予想図

 スターツグループのスターツデベロッブメントと安田不動産が分譲している「アルファグランデ千桜タワー」を見学した。神田や日本橋も徒歩圏の都営新宿線岩本町駅から徒歩1分、免震工法を採用した期間70年の定期借地権付きで坪単価は350万円。中堅所得層でも手が届く価格帯が評価され、好調な売れ行きを見せている。

 物件は、都営地下鉄新宿線「岩本町」駅徒歩1分、千代田区神田東松下町に位置する25階建て全276 戸(事業協力者住戸27戸、非分譲住戸65戸含む)。専有面積は56.14〜110.51㎡、坪単価は350万円。竣工予定は平成30年6月中旬。設計は山下設計・大成建設。施工はスターツCAM・大成建設共同企業体。事業主はスターツコーポレーション。売主はスターツデベロップメントと安田不動産。

 プロジェクトは、千代田区立千桜小学校の跡地と隣接の民有地を一体として開発するもので、区のコンペによって応募7社(グルーブ)の中からスターツグループが選定された。評価されたのは免震工法を採用したこと、建物の高さを抑え周辺環境に配慮したこと、防災機能を備え公開空地を確保したこと、定期借地権付きとしたスキームであること、周辺住民・地権者・住宅購入者・区のいずれにも偏らない計画であることなど。

 建物の1階から7階までは店舗、事務所、非分譲住戸で分譲住戸は8階以上。住戸は50~60㎡台の小家族向けから70~80㎡台のファミリー向けがバランスよく配置されているのが特徴。共用部分には江戸小紋や江戸切子をモチーフにしたデザインが施されている。最上階のプレミアム住戸は突板仕様の建具・壁が採用されている。

 これまで178戸が供給され、販売は極めて好調に推移している。

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 この前は、やはり期間70年の定期借地権付き「ブランズ世田谷中町」を紹介したが、今回もまた同じ期間70年の定借マンションだ。都心部や準都心部のマンションは地価・建築費の高騰で中堅所得層の取得が困難になりつつあるが、この二つのマンションは何とか手が届く範囲内だ。「千桜」は、3LDKが5,000万円台で取得できる。人気になるのも当然だ。

 現地は千葉周作の道場があったところだそうで、「神田東松下町」は「神田紺屋町」「神田東紺屋町」「神田鍛冶町」「神田北乗物町」などに隣接・近接しており、昔ながらの下町の風情が残っているところもある。きれいとは言えないが神田川もすぐ近くに流れる。

 広告表示では、岩本町駅まで徒歩1分(80m、広告表示では駅の出入り口までの距離を表示することになっている)だが、私道を通れば数十秒で行けるそうだ。記者はその私道を見つけられなかった。そもそも私道は許可なく立ち入ることは不可だ。土地所有者は黙認するのだろうか。

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エントランス

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「ブランズシティ世田谷中町」(右)と「グランクレール世田谷中町」完成予想図

 東急不動産が9月中旬に分譲する大規模複合マンション「ブランズシティ世田谷中町」を見学した。敷地規模が約1万坪(シニア住宅含む)の第一種低層住居専用地域に位置する低層マンションで、期間70年の定期借地権付き。同社の記念碑的なマンションの一つになるのは間違いない。

 物件は、東急田園都市線桜新町駅・用賀駅から徒歩15分、世田谷区中町五丁目の第一種低層住居専用地域に位置する4階建て6棟構成の全252戸。専有面積は70.58~90.98㎡、予定価格は5,800万円台~9,400万円台(最多価格帯6,600万円台)、坪単価は308万円。期間70年の定期借地権付き。竣工予定は2017年7月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。

 現地は、NTT東日本の社宅跡地。敷地規模1万坪超の第一種低層住居専用地域に位置するマンションは、世田谷区内では過去に三井不動産他「パークシティ弦巻」しかなく今回は2件目。

 街づくりコンセプトは〝LOVE &INNOVATION〟。米国・ポートランドの街を参考に世代が交流しあう循環型のモデルシティを目指す。東京都の「一般住宅を併設したサービス付き高齢者向け住宅整備事業」第一号案件でもある。

 分譲マンションのほかに、シニア住宅「グランクレール世田谷中町」(サービス付き高齢者向け住宅シニアレジデンス176戸・ケアレジデンス75戸)と、グランクレールの敷地にはコミュニティサロン、カルチャールーム、介護事業所、認可保育園が併設される。コミュニティサロンは東京都市大学と連携して様々な空間設計・プログラム企画を行う。

 「ブランズシティ世田谷中町」は全住棟が南東向き。各棟の間にはシーズンプロムナード、プライベートキッチンガーデン、キッズベース、ハーヴェストガーデンなどを整備。五感で感じる自然を演出し、みんなが集まる仕掛けを施す。用賀駅への直通専用シャトルバスも運行する。

 住戸は70㎡台のファミリー向けが中心。御影石のカウンターキッチン・洗面カウンター、ミストサウナが標準装備。

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シーズンプロムナード

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 上野毛駅近くに設けられているゲストサロンに入ってすぐ、回転すしの小型コンベアに老若男女、様々な生活シーンを描いた工作物が流れているのが目に飛び込んできた。壁の棚には米国・ポートランドのグッズが並べられていた。

 「循環型モデルシティ」のコンセプトが集約されており、なかなかいい仕掛けだと感心したら、その奥の模型もまたよくできていた。先週は約4.7haの第一種低層住居専用地域の野村不動産「プラウドシティ阿佐ヶ谷」を見学し、その圧倒的な緑に驚いた。今回はそれより規模は小さいが、1万坪に広がる4階建ての美しいスカイラインが表現されていた。

 定期借地権付きというのもいい。プランはショートスパンの70㎡台の住戸も少なくはないが、だからこそ、普通のサラリーマン層でも容易ではないが何とか手が届く価格帯になるのではないか。所有権分譲だったら、坪単価は300万円台の後半になっていたはずだ。

 見学しながらずっと同社の他の大規模マンションと比較して考えていた。最近ではタワー型の「みなとみらい」が出色だったが、中低層型のマンションでは2001年竣工の「東急ドエル イディオスあざみ野」(321戸)が真っ先に浮かんだ。確か大手銀行の社宅跡地だった。

 今回はNTTの社宅跡地だ。シアターやパンフレットには「ブランズの集大成」とあったが、間違いなくそう言える。同社の記念碑的マンションの一つに加えたい。

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コミュニティサロン

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ゲストサロン

東急不HDグループ 「世田谷中町プロジェクト」で東京都市大と産学連携(2016/8/9)

 

 

 

 

カテゴリ: 2016年度
 

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