フージャースコーポ 旧軽井沢のリゾートマンション 2棟目「ザ・ヴィラ」も販売好調
「デュオヒルズ旧軽井沢 ザ・ヴィラ」完成予想図
フージャースコーポレーションの軽井沢での2棟目のリゾートマンション「デュオヒルズ旧軽井沢 ザ・ヴィラ」が好調なスタートを切った。正式な契約はこれからだが、全19戸のうち10戸に申し込みが入っている。
物件は、JR北陸新幹線・しなの鉄道線軽井沢駅から徒歩27分(車約4分)、長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢字西屋敷裏向に位置する2階建て全19戸。価格は5,000万円台から7,000万円台が中心。坪単価は280万円。竣工予定は平成29年12月上旬。施工は北野建設。
今年8月に竣工し、全19戸のうち18戸を完売した「デュオヒルズ旧軽井沢ザ・フォレスト」の隣接地。残りの1戸は同社が保養所として所有し、今回の「ザ・ヴィラ」のモデルルームとして使用している。「ザ・フォレスト」の坪単価は260万円だった。
◇ ◆ ◇
この情報はもちろん同社の広報にも確認したのだが、ついさっき、同社企画開発部企画開発一課課長代理・市川譲氏と企画開発部企画開発二課・北村和樹氏から仕入れたものだ。
種明かしをする。2人には記者が勤務する南青山のビルの喫煙室で1時間近く前にばったり出くわした。2人は商談に行く途中で、記者はいつものように記事の一段落がついたので一服するために地階まで降りていったのだ。市川氏と喫煙室で会うのは2回目だった。
「それでは」とタバコを1本吸って別れ、また記事を書き、一段落したのでまた喫煙室に行ったらまたまた2人に出くわした。「わたしのタバコは記事を書くために必要。あなたたちは仕事しているのか」と問いただしたら、「軽井沢のマンションを売ってきた」というのだ。「坪単価300万円? 」と聞いたら280万円という次第だ。
記者は1時間に1本の記事を書き、市川氏らは坪単価280万円のマンション1戸を売ってきた。(記事にそんな価値はないが)
これでも嫌煙家たちはタバコを嫌悪するか。タバコは音楽でいえばブレス、息継ぎだ。息が継げなければ歌は歌えない。記事も書けない。
軽井沢にはバブルの頃、リゾートマンションの取材で頻繁に訪れている。最盛期には坪単価は500万円くらいしたのではないか。「坪単価300万円? 」と聞いたのはあてずっぽうだが、相場観としてそんなに外れていないはずだ。再びブームが来るとは思えないが、箱根などとともに一定の需要は確実にあると思う。
メジャー7決算 平均価格は5,400万円(2014年比900万円上昇) 在庫じわり増加
不動産上場会社の平成29年3月期第2四半期決算がほぼ出揃った。各社のマンション事業は、空前の低金利を背景に総じて好調を維持しているが、用地・建築費上昇による分譲価格の高騰や、消費者の交通利便性を重視した物件選好の影響を受けて完成在庫が増える傾向にある。在庫増が直ちに収益を圧迫する状況にはないが、価格高騰を吸収する消費力も弱く、デフレ脱却も遠のいた。市場は踊り場を迎えたといえそうだ。各社の決算データから現在のマンション市場を概観した。
メジャー7(業界では三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、住友不動産、野村不動産、東急不動産、東京建物、大京の7社をこう呼ぶ)の中で〝絶好調〟を維持しているのが三井不動産レジデンシャルだ。
今期計上予定戸数5,450戸に対する四半期末の契約進捗率は91%に達している。完成在庫も111戸で、計上予定戸数の2%にしか過ぎない。超都心の高額とアッパーミドル向き、DINKS、コンパクトマンションのバランスがいいのが好決算につながっている。
営業利益率が突出して高い住友不動産も好調を維持している。一言でいえば、三井不動産レジデンシャルは波をつくるのにエネルギーを注ぐ。一方の住友不動産は波に乗る、在庫を〝宝庫〟にするのが巧みだ。この差が利益率の差だ。販売事業全体の2017年度通期売上高2,700億円を2,800億円に上方修正した。計上予定5,000戸に対する契約率は約95%に達している。完成在庫は微減にとどまった。
三井不動産レジデンシャルと住友不動産以外は天気予報に例えれば〝快晴〟とはいいがたい。
ここ数年、戸数、売上高とも漸減している三菱地所レジデンスは期初の計上予定戸数を4,000戸から3,800戸に変更した。最近はJV物件の比率が増えている。完成在庫も徐々に増えている。
これまで完成在庫をほとんど出さなかった野村不動産にも異変が起こっている。2017年度計上予定戸数に対する契約進捗率は77.1%と高水準だが、2014年度、2015年度はそれぞれ26戸、25戸だった完成在庫は2016年度には一挙に209戸に増加し、今四半期末は602戸と3倍に増加した。依然として高い粗利益率を維持しているが、在庫増は気になる材料だ。
東急不動産と大京は戸数、売上高とも減らしており、〝4強〟との差が開いている。今後、両社はそれぞれ独自路線を歩むはずだ。完成在庫は微妙な水準に達している。
東京建物は「「Brillia Tower池袋」(分譲322戸、2015年度)「Brillia多摩ニュータウン」(分譲684戸、2015年度)など好調物件が続いたあとの〝中休み〟。来期は、すでに全戸完売している「Brillia Towers 目黒」(分譲661戸)「Brillia THE TOKYO YAESU AVENUE」(分譲387戸)が計上されるので戸数、売上高とも大幅に増やしそうだ。
メジャー7の売り上げ、価格の推移について。メジャー7の2014年度の計上戸数はトータルで約31,000戸、売上高は約1.3兆円、1戸当たりの平均価格は4,513万円だった。2017年度の予定計上戸数は約24,000戸、予定売上高は約1.3兆円、平均価格は5,401万円。3年間で計上戸数は約7,000戸減らしたが、売上高はほぼ同じ水準で、平均価格は約900万円上昇したことになる。
◇ ◆ ◇
メジャー7以外のデベロッパーの決算データも懸念材料がある。
今期引き渡し予定戸数1,600戸に対して契約進捗率が79.3%と好調のタカラレーベンは、昨年同期は引き渡し予定戸数1,250戸に対して進捗率は86.1%だったので6.8ポイント下落している。
平成26年3月末で330戸の完成在庫を抱えていた日神不動産は、その後販売が進み平成28年9月末で257戸に減少したが、平成26年4月以降の分譲戸数1,456戸に対する完成在庫率は17.7%で楽観できる数値ではない。
NTT都市開発も利益率が悪化している。2015年9月末の利益率が18.5%だったのが、2016年9月末には6.5%へ低下。完成在庫は2015年9月末の271戸から2016年9月末には506戸へと増加している。
2016年3月期末で693戸の完成在庫を抱えていた大和ハウスは半減以下の331戸に減らしたが、通期では2,250戸(前期2,972戸)、1,100億円(同1,313億円)に減らす計画。グループのコスモスイニシアも昨年同期の利益率が20.3%だったのが2016年9月末は17.9%へ落ち込み、完成在庫も49戸から111戸へ倍増している。
◇ ◆ ◇
決算データは遅行指標だ。売り上げに計上されるのは主に1年前、2年前に分譲たれたマンションで、用地取得を含めれば数年前だ。ここ2~3年の上昇気流に乗って売上高、利益率を伸ばしてきた結果が今の数値に表れている。
一方で、完成在庫は先行指標でもある。在庫の増加は一概に事業へ悪影響を及ぼすとは言えない。かつてマンションの雄だった大京の横山修二社長は「完成在庫は供給量の1カ月分くらいが適正」と話したことがある。在庫を抱えていたほうが、お客さんのニーズに応えられるメリットが大きいというのがその理由だ。しかし、資金力の乏しいマンションデベロッパーは、当然ながら極度に完成在庫を恐れた。
当時と現在では借入金利が全然異なるので単純比較はできないが、金利が低くマンション市況が好調なときは在庫増が収益を圧迫することはないが、市況が右肩下がりになると価格の下げ圧力が強まり、利益が吹っ飛ぶ事態もありうるので、やはり供給量の10%くらいが適正在庫ではないかと記者は考えている。
この先の景気・消費動向がどうなるか不透明だが、根強い需要がある富裕層や投資向けはともかく、第一次取得層・アッパーミドル向けマンションの価格(坪単価)は完全に取得限界を超えている。低金利を背景にまだまだ大丈夫という声がないわけではないが、若年層の将来不安は払しょくできていない。直近の消費動向テータも一進一退を繰り返している。トランプ氏が次期アメリカ大統領に就任することが決まり、政治・経済動向も不透明感を強めている。
以上みたように、マンション市場はじわり在庫が増え、踊り場に差し掛かったといえる。景気が上に振れるのか下に振れるのか。アベノミクスの「新三本の矢」「一億総活躍社会」に夢を託せるのかどうかにかかっている。
三井不動産 横浜・傾斜マンション建て替え費用390億円 全額を施工会社などに求償
三井不動産は11月11日、三井不動産レジデンシャルが分譲した横浜市都筑区の「傾斜マンション」全棟建て替え問題についてについて、平成29年3月期第2四半期決算の決算短信に「偶発債務」として盛り込んだ。
建て替え費用や工事期間中の仮住まい費用などの総額は約390億円で、費用のすべてを施工会社の三井住友建設、杭施工を行った日立ハイテクノロジーズと旭化成建材に対し求償すると発表した。
また、「今後、当該事象の進捗状況によっては、当社グループの連結業績に影響が生じる可能性がありますが、現時点ではその影響額を合理的に見積ることは困難な状況にあります」としている。
これに対して、先に第2四半期決算を発表した三井住友建設や旭化成は「関係者間の協議の進捗によっては、今後連結業績に影響を与える可能性があります。なお、現時点ではその影響額を合理的に見積ることは困難な状況にあります」(三井住友建設)としている。
◇ ◆ ◇
この問題については、たいして取材もしていないので深入りしないが、問題が大きくなってからの三井不動産の対応は速かったし、国土交通省も事態の収束に動いた。全棟建て替えは入居者の負担も大きいが、建物の不具合が生じた場合の一つの解決策を示した。
ただ、建て替え費用の分担については各社が発表している通り、なお紆余曲折が予想される。
違法性が明らかになったのは全4棟のうち1棟だけのはずで、全て4棟の建て替え費用などを求償する法的合理性はあるのかという疑問が沸く。
また、4棟が建築確認上別々の建物か、それとも1棟の建築物なのかによっても判断が異なるような気がする。
三井不動産が求償する約390億円は、三井住友建設の営業利益233億円(平成28年3月期)をはるかに超える巨額だが、保険にも入っているだろうからそれで賄われる部分もあるのではないか。それとも保険期間は満了しているのか。
いま売ったら坪1,000万円か 三菱地所レジ「ザ・パークハウスグラン南青山」竣工
「ザ・パークハウスグラン南青山」
三菱地所レジデンスが11月11日、一般分譲20戸を平均9.65倍で即日完売して話題になった「ザ・パークハウスグラン南青山」が竣工したのに伴い、共用部分などをメディアに公開した。
外構に植栽をふんだんに施し、外観はランダムに配置したマリオンと御影石の重厚感、彫の深い陰影デザインを施しているのが特徴。
同社の担当者や周囲の記者の方に「いま売ったらいくら」と聞いたら、一斉に「坪1,000万円」の声が飛んだ。
エントランス
◇ ◆ ◇
このマンションについては2度記事にしているのでそちらを参照していただきたい。億ションはたくさん見学しているのでそれほど驚きはなかったし、カッシーナのテーブル、椅子が置かれたミーティングルームにも納得もした。デパートの外商などとの商談に用いるのだそうだ。
そこで売上げが2015年度で9,296億円の高島屋に聞いた。同社広報によると、外商の売上比率は約2割だという。これまたすごい数字だ。
2層吹き抜けラウンジ
ミーティングルーム
三菱地所レジ「ザ・パークハウスグラン南青山」 平均9.65倍で即日完売(2016/6/16)
10月の中古マンション 件数、単価など46カ月連続で前年比上回る/東日本レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が11月10日、首都圏の10月度の不動産流通市場動向をまとめ発表した。
中古マンションの成約件数は3,339件で前年同月比16.1%増加、㎡単価は48.58万円(坪160万円)で同6.1%上昇、成約価格は3,136万円で同6.4%上昇、専有面積は64.56㎡で同0.3%増加した。
成約件数、㎡単価、成約価格とも2013年1月から46カ月連続で前年同月を上回った。専有面積は15年4月以来18カ月ぶりに前年同月を上回った。
中古戸建ての成約件数は1,151件で同8.0%増加、成約価格は3,060万円で同2.5%上昇、土地面積は153.73㎡で同4.0%増加、建物面積は105.16㎡で同0.7%増加した。
コスモスイニシア「イニシア西新井」 都の「子育て支援住宅」で初のマンション認定
「イニシア西新井」完成予想図
コスモスイニシアは11月9日、足立区で建設中のマンション「イニシア西新井」が「東京都子育て支援住宅認定制度」で分譲マンションとして初の設計認定を受けたと発表した。
「東京都子育て支援住宅認定制度」とは、居住者の安全性や家事のしやすさなどに配慮された住宅で、かつ、子育てを支援する施設やサービスの提供など、子育てしやすい環境づくりのための取り組みを行っている優良な住宅を東京都が認定する制度。2016年2月に運用が開始され、同物件は分譲マンションとして初めて設計認定を取得した。
物件は、東武伊勢崎線西新井駅から徒歩9分の9階建て全81戸。
◇ ◆ ◇
同じような制度は、埼玉県の「埼玉県子育て応援分譲住宅認定制度」がある。埼玉県と東京都の制度のどこがどのように異なるのかわからないのでコメントしないが、個別の物件でなく、地域全体で子育てを支援することのほうが大事な気がする。
埼玉県の制度については、2012年の記事で「いじめの問題が社会問題化しているが、その背景には家族どうしのコミュニケーションの欠如があり、学校も教育委員会もいじめを根絶できないことが分かってきた。唯一、望みを託すことができるのは地域ではないか。家庭-学校-警察-町内会-商店街などが連携して濃密な地域のコミュニティを形成するのがいま求められているような気がする。デベロッパーはそのようなコミュニティ活動を支援すべきだと思うし、行政もそうした取り組みを顕彰することに価値がある。『子育て応援制度』の要諦はここにあると思う」と書いた。
埼玉県「子育て応援制度」 もっと中身のある制度に改善を(2012/9/11)
首都圏第1弾「シエリア湘南辻堂」第1~3期1次199戸が登録完売 関電不動産開発
「シエリア湘南辻堂」完成予想図
販売好調の関電不動産開発(事業比率60%)、野村不動産(同20%)、パナホーム(同20%)の3社JVマンション「シエリア湘南辻堂」を見学した。辻堂駅から徒歩4分の商・住複合開発の全352戸の規模で、7月の第1期販売から11月の第3期1次まで199戸が登録完売。坪単価220万円強の割安単価も人気の要因だ。
物件は、JR東海道本線辻堂駅西口から徒歩4 分、茅ヶ崎都市計画事業赤松町地区土地区画整理事業内1 街区に位置する10階建て全352戸。専有面積は68.34~91.68㎡、今週末に分譲される第3期2次(11戸)の最多価格帯は4,800万円台。坪単価は220万円強。設計・監理はIAO竹田設計。施工は三井住友建設。販売代理は住商建物、野村不動産アーバンネット、ライフステージ。竣工予定は平成29年12月下旬。
現地は、元パナソニックの関連会社の工場跡地。用途地域は工業専用地域だったが、用地を取得した関電不動産開発(前MID都市開発)が個人施行による土地区画整理事業を行い、第一種住居地域に用途変更した結果、マンション、サ高住、商業施設などの建設が可能になった。全体の開発面積は約25,000㎡。マンションのほかサ高住(東京建物の予定)と商業施設が予定されている。
マンションは全4棟構成で、保育施設、キッズルーム、ライブラリー、ゲストルーム、パーティールームなどからなる別棟(ゲートハウス)か併設される。
住戸プランはオール電化、エコキュート、ディスポーザー、食洗機が標準装備。これまで主に分譲されてきた南西向きA、B棟と東向きC棟は74~75㎡が中心で、これから主に販売される東向き中庭に面したD棟は70㎡台の3LDKが中心。
販売を担当する住商建物の不動産営業本部東京住宅販売部第二グループ長・中嶋直樹氏は、「パナソニック系のMID都市開発が相対取引で用地を取得し、区画整理事業として工業専用地域の規制を外してできた事業。お盆明けから地元居住者だけでなく中広域からも集客できるようになってきた。戸塚当たりでも坪単価は300万円を突破しており、価格の安さが評価されている。まだ153戸もあるが、D棟はより価格が安くなるので期待できる」と話した。
「シエリア湘南辻堂」ラウンジ
◇ ◆ ◇
関電不動産は名前だけは知っていたが、関電不動産開発を全く知らなかった。どのような会社だろうと思っていたが、今年4月、関電不動産とMID都市開発(前松下興産)が合併して関電不動産開発が誕生したことを知ってその謎が解けた。
ご存じのように東京電力(東電不動産)は不動産の売却を進めており、不動産業から撤退しつつあるが、その代わりに関電不動産開発が首都圏での攻勢を強める戦略なのだろう。今回のマンションが首都圏での第1弾で、「シエリア」は同社の新ブランド(NTT都市開発の「ウエリス」、東レ建設の「シャリエ」と少し似ている)。今回の売主3社は現在開発中の複合タウン「日吉・綱島」でもタッグを組む。
関西企業では近鉄不動産、阪急不動産、京阪電鉄不動産などが首都圏での攻勢を強めており、今回の関電不動産開発も加わった。首都圏の電鉄会社(系)もマンション事業に力を入れており、大手デベロッパーの寡占化に割って入ろうとしている。面白い展開になるはずだ。
モデルルーム
◇ ◆ ◇
モデルルームのある建物は、大京と一条工務店が共同で分譲して人気になった「ライオンズ一条レジデンス湘南C-X」と同じ建物だった。当時の記事を読み返したら、坪単価は225万円だった。単価は今回のほうがまだ安い。人気になるのも当然か。第一次取得層の子育て世代と後背地の戸建て居住者の需要も取り込んでいるようだ。
シアターがまたよくできていた。かわいい中学生くらいの女の子が辻堂周辺を自転車で1日散歩するドラマ風仕立てで、地元のカフェ、パン屋、農園、プロのロング・ボーダーが登場した。ここに暮らせばどのような生活ができるかよく表現されていた。モデルルームのインテリアデザイン担当は、いま〝売れっ子〟の鈴木ふじゑ氏だった。
大京「ライオンズ一条レジデンス湘南C-X」 1期100戸が即日完売(2011/11/21)
ライトコート付きのプラン秀 日本エスコン 首都圏初の〝グラン〟「若松町」
「Grand Le JADE若松町レジデンス」アプローチ(完成予想図)
自分で自慢するのは憚れるのだが、記者にも少しはマンション用地の目利き力があることを証明するマンションを紹介する。日本エスコンが11月下旬に分譲する「Grand Le JADE(グラン レ・ジェイド)若松町レジデンス」だ。駅から徒歩3分と近いだけでなく、閑静な住宅街の一角で、3カ所に吹き抜け(ライトコート)を設けたプランがいい。そして何よりもいいのが、長さ約100mのアプローチ空間が付くことだ。
物件は、都営大江戸線若松河田駅から徒歩3分、新宿区若松町に位置する6階建て全31戸。専有面積は57.33~84.13㎡、価格は未定。竣工予定は平成29年6月上旬。設計・監理はスタイレックス。施工はウラタ。売主は同社(事業比率95%)のほか三信住建(同5%)。販売代理は東急リバブル。
現地は、敷地は小笠原礼法の宗家と親戚関係にあった西脇健治邸跡地で、幅約4.5m、奥行き約100mの私道(旗竿状敷地)付き。隣接地は東京タワーや早稲田大学大隈講堂の設計を手掛け、わが国初の壁式工法による戸建て住宅を自宅として建て、その後、早大に寄贈された内藤多仲の屋敷跡地。道路に面した敷地は大願寺のお寺。
住戸プランは南向き中心に1フロア7戸が基本で、5階は4戸、6階は2戸の構成。吹き抜け(ライトコート)を3カ所に設置し、各住戸に光と風を取り込み、かつ廊下側に直接居室が面さないように工夫しているほか、多面採光、ワイドスパンを採用、角住戸比率(58%)を高めているのが特徴だ。
設備仕様では、ロートアイアン調の門扉がポーチに付き、ディスポーザー、食洗器、天然石キッチン・バックカウンター、グローエ水栓、ミストサウナ、リビングエアコンなどが標準装備。
11月からモデルルームをオープンし、これまで3週で予約を含め70件に達し、すべて満席。販売を担当する東急リバブルプロジェクトチーフ・葛籠山(クズカゴヤマではなくツヅラヤマ)直樹氏は「11月のこの短期間にこれほど集客できる物件はまずない。新宿区の万で駅近マンションは少なくないが、ほとんどが道路沿い。ここは車の音など聞こえないし、お客さんの評価も高い。間違いなく早期完売する」と話していた。
◇ ◆ ◇
正直に話そう。記者はもちろん日本エスコンの名前は知っていたし、物件も2、3見たことがあるような気がするが、記憶に残っていないくらいだから、大阪が本社の〝並み〟の中堅デベロッパーだと思っていた。今年6月、東証一部に上場して〝大きくなったものだ〟というくらいの認識しかなかった。
今回の物件も、マンションの用地担当者のように足を棒にして見つけたのではない。記者が糖尿病の治療のために定期的に通っている国立国際医療センター病院に行く途中に看板がかかっていたのを見たのに過ぎない。
その敷地は、業界では旗竿状敷地と呼ぶのだが、小路は寺の壁と同様、大谷石が敷かれ、まっすぐに伸びていた。隣接地には巨木が茂っていた。これを見たとたん、商品企画次第では間違いなく売れるマンションになると判断した。
その通りになるかどうか確認するために初めて同社に取材を申し込んだ。結果はその通り、商品企画に力が入っている。今どき、規模がそんなに大きくないのにライトコートを3カ所に設置するデベロッパーはまずいない。このライトコートの設置によって、寝室が直接廊下に面する住戸は一つもないようにしている。モデルルームタイプ(81.35㎡)にはインナーバルコニーもついていた。開口部は8カ所もあった。
同社に聞いたら物件名に〝Grand(グラン)〟を付けたのは首都圏では今回が初めてだそうだ。価格(坪単価)は「未定」とのことだが、極めてリーズナブルな価格設定になるはずだ。馬喰町、横山町などの問屋街が軒並み坪400万円を突破してきているが、それらとは立地が全く異なるとだけしておこう。
〝目利き力〟があると言ったのは、たまたま恵まれた土地を見つけただけであるということを白状する。それにしてもわずか31戸の物件に3つのライトコートを設け、ディスポーザーも設置するとは-日本エスコン(用地を取得したのは三信住建だが)のこれからのマンション事業に注目したい。
ついでだが、カフェ付きマンションとして話題となった祖師ヶ谷大蔵のマンションは、記者が見に行ったときは昼頃だったせいもあるのだろうが、50人くらいの客で店はごった返していた。
パティオ
大和ハウス・イニシア 「プレミスト高尾サクラシティ」全416戸を16カ月で完売
「プレミスト高尾サクラシティ」
大和ハウス工業とコスモスイニシアは11月1日、東京都八王子市の大規模マンション「プレミスト高尾サクラシティ」(全416戸)の高層棟「カームコート&デライトコート」第5期分譲(9戸)が2016年10月23日に全戸即日申込登録となった結果、2015年6月28日に中層棟「エアリーコート&ブルームコート」第1期分譲(130戸)以降7期連続の全戸即日申込登録となり、2016年10月30日をもって全416戸が完売したと発表した。
物件は、JR中央線・京王線高尾駅から徒歩6分、八王子市東浅川町に位置する14階建て。施工は長谷工コーポレーション。専有面積は63.57~92.55㎡。
2015年1月9日の資料請求受付開始から3,000件以上の資料請求・問い合わせがあり、2015年4月4日のモデルルームオープン以降1,700組超の来場者があった。
契約者の約半数が八王子市居住者で、23区などの都市部からの契約者は約35%、神奈川エリアが約10%、20代~40代のファミリー層が約6割、50代以上のシニア層が約4割、契約者の持家率は約5割、住み替えが多いのが特徴。
◇ ◆ ◇
このマンションについては、分譲開始前の記事をぜひ読んでいただきたい。売れるかどうかは、周辺の戸建て居住者の買い替え・買い増し需要を吸収できるか、周辺エリア居住者を呼び寄せることができるかどうかと書いた。
結果は、その通り、郊外居住者のニーズを取り込んだのが早期完売につながった。しかし、売れるのは年間にして百数十戸、完売まで3年くらいかかるのではないかと思っていたので、これは予想を大幅に上回った。
三井不レジ・丸紅 馬車道駅直結 横浜北仲タワープロジェクト着工
「北仲通北再開発等促進地区地区計画」
三井不動産レジデンシャルと丸紅は11月1日、横浜市中区の大規模開発事業「北仲通北再開発等促進地区地区計画」(約7.5ha)の中心に位置する超高層ミクストユースタワーの建設に着手したと発表した。
同計画は、東急東横線直通横浜高速鉄道みなとみらい線馬車道駅に直結する新たなランドマークとなり、横浜市最高層・最大規模となる総戸数1,100戸超の分譲住宅と宿泊施設、商業施設、文化施設等を一体的に開発するもの。設計・施工は鹿島建設。竣工は2020年2月の予定。2020年6月末に移転する予定の新市庁舎に近接することになり、新たなランドマークが誕生する。
建物は地上58階建て・約200m延べ床面積約168,000㎡の超高層ミクストユースタワー。5階から58階(46~51階を除く)は総戸数1,100戸超の分譲マンションとなる。ロサンゼルスに本社を置き、北米、アジア、ヨーロッパに約25,000室以上のサービス付き長期・短期滞在型宿泊施設を運営している「オークウッド」のロビーが46階に設けられ、51階までの各フロアに客室(計175室)が設けられる。低層階の1、2階には、延床面積約6,000㎡の商業・文化ゾーンとなる。
また、横浜市認定の歴史的建造物を文化創造の核として保全・復元するため、建物基壇部には、日本の産業黎明期の生糸輸出拠点となった倉庫群の復元を行い、横浜市認定の歴史的建造物である「旧横浜生糸検査所付属生糸絹物専用B号倉庫およびC号倉庫(倉庫棟)」の保全を行う。
完成予想図