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「クリオレジダンス横浜新杉田ハマシップ」完成予想図

 明和地所が4月下旬に分譲する「クリオレジダンス横浜新杉田ハマシップ」を見学した。JR根岸線・シーサイドライン新杉田駅前の商住一体再開発で、「都市計画提案制度」の適用を受けた横浜市初のマンションだ。

 物件は、JR京浜東北線・根岸線新杉田駅から徒歩3分、シーサイドライン新杉田駅から徒歩2分、京浜急行本線杉田駅から徒歩8分、横浜市磯子区新杉田町に位置する15階建て全176戸の規模。専有面積は55.73~100.32㎡、価格は未定だが、坪単価は193万円の予定。竣工予定は平成27年3月下旬。設計・施工は三井住友建設。都市計画提案・デザインはアール・アイ・エー。

 現地は、根岸線とシーサイドライン新杉田駅前のバスターミナルに隣接。周辺には平成16年に竣工した横浜市住宅供給公社の30階建て全308戸の「ヨコハマ・シーナリータワー」くらいしかマンションはなく、ほとんど空白区といえるエリア。

 最大の特徴は「都市計画提案制度」を利用した横浜市初の物件であること。都市計画提案制度とは、一定規模以上の土地について、土地所有者の3分の2以上の同意があれば、都市計画の決定や変更の提案ができる都市計画制度のこと。同社は、東芝の研修所などだった一帯を平成17年に取得。用途地域は工場専用地域だったが、市は同社の提案を受け近隣商業地域に変更した。

 マンション棟の隣接地には4階建ての商業棟が建設されるのも大きな特徴の一つで、商業棟には保育所、飲食店舗、医療施設、事務所などが予定されており、屋上には緑の展望デッキとして開放される。津波災害発生時には避難場所として提供される。

 マンションの最上階の9戸はグレードの高いプレミアム住戸として分譲される。同社の大規模マンション「クリオレジダンス」シリーズは2012年に竣工した「クリオレジダンス玉川上水」以来10棟目くらい。

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 同社は今年で創業29周年だそうだが、記者は創業時からずっとマンションを取材してきた。フラッグシップである「クリオレミントン」はもちろん、今回の「クリオレジダンス」も何件かは見学してきた。

 「クリオレミントン」は、ディスポーザーを標準装備した業界初のマンション「三鷹」をはじめ、100㎡住宅、低床バスの積極採用など、業界の最先端の商品企画を提案してきた。「クリオレジダンス」では、横浜市内の駅前再開発タワーマンションなども手がけてきた。ところが最近は、「玉川上水」を最後に供給が途絶えていた。

 今回の物件は、同社も相当の力が入っていると見た。デザインに著名なアール・アイ・エーを起用したことにもそれが現れている。坪単価は200万円は突破しないだろうと見ていたので、リーズナブルなものではないか。ディスポーザー、食器洗い乾燥機、ミストサウナが標準装備。プレミアム住戸はオプション仕様通りだと1,000万円くらいしそうだが、思い切った提案はどんどんやるべきだ。

 面白いのは商業棟だ。商住の一体開発だが、マンションと商業棟の管理組合はそれぞれ設立し、さらに全体としての組合も設立するという。商業棟の所有権は同社が現段階では保有している。

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四季の小路

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15階相当部分からの眺め

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「世田谷千歳台ガーデン&レジデンス」完成予想図

 京阪電鉄不動産・日本土地建物「世田谷千歳台ガーデン&レジデンス」を見学した。駅から徒歩9分の5階建て中層マンション。価格は未定だが、単価設定が悩ましい。

 物件は、小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩9分、世田谷区千歳台1丁目に位置する5階建て全102戸。専有面積は62.47~86.65㎡、価格は未定。施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は平成27年3月上旬。販売代理は長谷工アーベスト。

 現地はNTT社宅跡地で、指定容積率が200%の第一種中高層専用地域だが、前面道路の幅員が4mのため160%となり中層の5階建てとなった。建物はロの字型で南向きが76%。

 植栽計画に力を入れているのが特徴のひとつで、前面道路を6m幅に拡張し、既存樹を含む約3,000本の樹木・草花を施している。都のマンション環境性能評価制度で満点の星15個に1個欠ける14個(建物の長寿命化が星2つ)を獲得している。

 3月の3連休からモデルルームを予約制でオープンしており、これまで約150件の来場がある。ゴールデンウィークまでは全て予約で満席だという。

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 ランドスケープデザインがいい。先日見学した第一種低層住居専用地域の4層マンション、三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス上鷺宮」は敷地面積が約18,000㎡で、中・高木の植栽計画は約2,400本だった。こちらは敷地面積が約4,800㎡で、草花を含めた植栽計画は約3,000本。敷地西側の道路拡幅と提供公園の緑が見事だ。中庭にはプライベートガーデンも配している。

 価格予想が悩ましい。先の「上鷺宮」は坪単価が280万円で、記者は予想を外した。久々に予想を外したためやや自信が揺らいでいるのだが、ここはアッパーで270万円ではないか。建築費が上昇しているので難しいだろうが、早期完売を目指すなら260万円と読んだがどうだろう。

 沿線は異なるが、京王線の同じ長谷工コーポ施工の野村不動産「仙川」は270万円していないはずだ。

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「中村孝明貴賓館」を背景に街びらきイベント

 「BrilliaCity横浜磯子」の管理組合の下部組織「磯子タウンマネジメント倶楽部」は4月5日、街びらきのイベントとして「磯子ペニンシュラマルシェ」を行った。地産地消をテーマに磯子や三浦半島で採れた食材や加工品などを販売する18店が出店。居住者や地域住民など約2,000名が集まり、キックオフイベントを祝った。

 「磯子タウンマネジメント倶楽部」は、「BrilliaCity横浜磯子」(全1,230戸)のマンション管理組合からタウンマネジメント業務を受託・運営する会社で、管理組合の下部組織として発足した。運営費は、管理費とは別に毎月1,000円の業務委託費として組合員から徴収するほか、イベントなどの売り上げなどを充当する。

 マンション管理組合理事長は、「マルシェは、地域コミュニティの向上、地域との交流をテーマに実施するもので、今後も継続してやっていきたい。街と地域の発展の一助になり、気持ちがいい親しまれるものとして定着させたい」と話した。理事長は都内出身、奥さんが横須賀市出身。子どもが誕生したことがきっかけでこのマンションの購入を決断。初代理事長として自ら手をあげたという。

 このほか、磯子区長や町内会・商店街の代表なども駆け付け、「ここは磯子プリンスホテルとして区民にとってはなつかしいところ」「人が増えないと街は発展しない」「磯子はシャッター通りになっているが、マンションの完成によって活性化されることに期待したい」「磯子地区は高齢化が進んでいるが、ものすごく若返った」などと話した。

 タウンマネジメント手法によるコミュニティ支援活動は最近増えており、よく知られる事例としては「Fujisawa SST(サスティナブル・スマートタウン)」のタウンサービスがある。コミッティ会員は会費(12,760円/月)を負担し、タウンマネジメント会社はFujisawa SSTコミッティ(住民自治会)に様々な支援やサービスの提供を行う。

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「Brillia City横浜磯子」竣工 料理の鉄人「中村孝明貴賓館」も併設(2014/2/25)

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「ザ・パークハウス上鷺宮」完成予想図 

 三菱地所レジデンスは4月4日、都内23区では過去最大級の第一種低層住居専用地域に位置する低層マンション「ザ・パークハウス上鷺宮」モデルルーム内覧会を行った。全261戸で、坪単価280万円。西武線では久々の高額マンションになる。

 物件は、西武池袋線富士見台から徒歩4分、中野区上鷺宮3丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率80%)に位置する地下1階地上3階建て(4層)全3棟261戸の規模。専有面積は62.75~108.00㎡、価格は未定だが、坪単価は280万円。完成予定は平成27年2月中旬。設計は三菱地所設計。施工は東亜建設工業。販売開始は5月上旬。

 敷地は元東京海上火災の社宅跡地。敷地面積は約18,000㎡、記録がある1997年以降では23区内で最大規模。

 敷地内には約800㎡のプライベートガーデンやライブラリーラウンジ、ゲストルーム、パーティルーム、キッズルームを設け、パン・カフェサービスも行う。建物は、街路に面した外階段をタイルと木彫ルーバーの2つの異なる素材を用いることで、建物全体が街並みとなるよう工夫している。天井高は各棟とも2,450~2,480ミリ。

 住戸プランは60㎡台から70㎡台、80㎡台、100㎡台をバランスよく配し、地下1階住戸には約8.3畳大の離れ付きも7戸設けている。

 挨拶した同社城西事業部長・吉田重郎氏は、「昨年10月に物件ホームページを立ち上げてから問い合わせは約3,000件、2月5日からの事前案内会には約700組の来場がある。第一種低層の住環境、駅4分の利便性のほか、ランドスケープデザイン、共用施設なども高い評価を得ている」と話した。

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グランドエントランス

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 単価予想は完全に外れた。当初は坪270~280万円も考えた。ところが、西武線のひばりが丘や石神井公園の物件単価と売れ行きなどを考えると、どうもこの沿線はグロス6,000万円の壁があるような気がしてならないし、22~23坪だと坪270万円あたりに落ち着くのではないかと結論づけた。

 西武線を見くびっていた。読みが甘かった。西武線と副都心線・東横線の相互乗り入れ効果を過小評価してしまった。西武ライオンズファンとしても忸怩たる思いだ。恥じ入るばかりだ。

 モデルルームはよくできている。玄関の床は大理石、キッチン、洗面のカウンター天板は御影石(シーザーストーンもあり)。食洗機も標準装備。バルコニー手すりとサイクルポート付き住戸には、貼る角度を変えたオリジナルのロートアルミを採用している。

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パブリックガーデン(左)とプライベートガーデン

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「ヴィークスクエア船橋高根台」完成予想図

 消費税が8%に引き上げられた4月1日、清水総合開発が分譲中の「ヴィークスクエア船橋高根台」を見学した。第一次取得層にとっては何とか取得できる希望の星、最後の砦のような存在だ。

 物件は、新京成線高根公団駅から徒歩10分、船橋市高根台3丁目に位置する7階建て全262戸。現在分譲中の住戸の専有面積は67.27~82.46㎡、価格は2,428万~3,278万円、坪単価は120万円前後。竣工予定は平成27年3月中旬。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 物件が位置する「高根台団地」は、昭和30年代にUR都市機構(当時日本住宅公団)によって開発された施行面積約73ha。計画戸数約5,000戸の千葉県内でも屈指の大規模団地で、建物が老朽化したのに伴い建て替え・再生事業が進行中だ。

 住宅の建て替えのほか、民間によるマンションや戸建て分譲のほか、商業施設、病院、高齢者支援施設、保育園・幼稚園、公園などが整備されることになっている。

 これまで民間マンションとしては、清水総合開発「ヴィークステージ船橋高根台」(130戸)が今年1月に竣工、すべて完売。戸建てとしては野村不動産「プラウドシーズン船橋高根台」(62戸)も残りはほとんどない。

 「ヴィークスクエア船橋高根台」の建物は南向きが中心に東向きと西向きの4棟構成。専有面積は平均74㎡で、設備仕様としてはディスポーザが標準装備。全戸平置き駐車場付きで、料金は無料。

 3月中旬から分譲開始されており、供給された140戸のうち半分の約70戸が契約済みだ。

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 都心から測れば近いとは言い難い。乗り換え時間などを入れれば1時間半くらいかかる。しかし、圧倒的な価格の安さがある。坪120万円でこれから建てられるマンションなど首都圏はおろか地方圏でも難しいのではないか。一次取得層にとっては最後の砦のような存在だ。

 現地販売担当者によると、「ヴィークステージ船橋高根台」は4か月くらいで完売となったそうで、坪単価は115万円くらいとか。今回は消費増税率3%を上回る4.3%の上昇だ。これでも長谷工コーポだから低く抑えられたと記者は見ている。

 今後のマンション用地としては「ヴィークスクエア船橋高根台」の隣接地約6,600㎡の入札が予定されているほか、さらに数百戸分に当たる用地が分譲されるようだ。戸建て用地としてはポラスグループが約130戸を分譲する予定。駅前の5,000㎡弱は商業施設用地となる。

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現地(左側がマンション敷地。街路樹はユリノキと思われる)

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「オーベル志村城山」完成予想図

 大成有楽不動産の「オーベル志村城山」を見学した。駅から徒歩3分の高台に立地する志村坂上の〝一等地〟マンションだ。

 物件は、都営三田線志村坂上駅から徒歩3分、板橋区志村二丁目に位置する9階建て全74戸(地権者予定住戸7戸を含む)。専有面積は62.29~101.68㎡、価格は未定だが、坪単価は230万円前後になる模様。竣工予定は平成27年2月中旬。施工は大成ユーレック。販売開始予定は5月下旬。

 現地は、駅近でありながら車などほとんど通らないマンションや戸建てが建ち並ぶ閑静な住宅街の一角。敷地の近くには、江戸時代に徳川吉宗が鷹狩りの際に立ち寄り、清らかな湧水を称えたという逸話を記す石碑が建っている。北側の道路との比高は約12mあり、眺望もいい。

 マンションのレベルも高い。建物基壇部には自然石を配し、エントランスホールには大理石にガラス素材を貼りつけた「光壁」を採用。

 住戸設計では、天井や壁際の梁の出っ張りを解消した「壁内蔵梁工法」や逆梁ハイサッシを採用。

 モデルルームは100㎡のオーダータイプ。同社のオリジナル商品を開発していく取り組み「O-range LABO(オレンジラボ)」から生まれた「オレンジ収納」をフル装備しているほか、大理石、御影石をふんだんに用いている。キッチンシンクはユーテイリティシンクを採用。ドア把手は壁面から出っ張らないようセットバック。物干しポールをリビングに取り付けている。「スマートマンション」認定も取得している。

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 販売事務所には驚いた。過去6~7年間の間に3度も訪れたことのあるところだったからだ。最初は野村不動産の、その次は三菱地所レジデンス(当時、藤和不動産)、3度目は大京のマンションだった。そして今回。同じ場所で異なる4社のマンションモデルルームを見学するのは記憶にない。

 過去に見学した3物件と比較しても今回が立地は一番いい。そこで記者がはじき出した単価は230~240万円。ほぼぴったりだった。一等地にふさわしい単価設定だ。

 毎回毎回、単価予想が的中することについて読者の方々は不思議に思うかもしれない。「嘘だろう」と訝るかもしれないが、現地取材を重ねると、単価が見えてくるのだ。単価予想が外れるようならよほど市場が激変しているか、記者の見る目がないかのどちらかだ。

 大成有楽不動産のマンションは飛躍的によくなっている。今回の見学でそれを確認することができた。「浦和」でも官庁街の一角で分譲するというので近く見学してまたレポートしたい。

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完成予想CG

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「G/CLASSIC 山の手PJ」モデルルーム

商品企画は女性中心リーダー高荒氏は営業統括グループ長に昇格

 タカラレーベンの新ブランド「THE LEBEN」シリーズ第一弾「G/CLASSIC 山の手PJ」を見学した。JR山手線大塚駅から徒歩11分、比高差にして約9mの丘の上に位置し、敷地は江戸時代中・後期の大名で、肥前国平戸藩の第9 代藩主だった松浦清(まつらきよし)氏の私邸跡地。商品企画は女性メンバーが中心の部署が担当。単価320万円は割安感があると見た。

 物件は、東京メトロ丸の内線新大塚駅から徒歩9分、JR山手線大塚駅から徒歩11分、豊島区南大塚一丁目の第1種中高層住居専用地域に位置する地下1階地上5階建て全43戸。1期(8戸)の専有面積は58.71~80.15㎡、価格は4,998万~7,898万円。坪単価は320万円。竣工予定は平成27年3月上旬。施工は大和小田急建設。設計・監理はアーバンライフ建築事務所。3月30日に1期分譲が始まる。

 モデルルームは〝非日常を〟演出しているが、玄関床は天然大理石、キッチンカウンターは御影石かフィオレストーンか無料で選択できる。食洗機、ディスポーザ、食器棚、バックカウンターも標準装備。

 商品企画を担当したのは同社第4営業部。女性7人に男性2人の女性が中心の部署だ。物件の販売も担当する同部1課課長代理・岩元里江氏は、「用地は昨年取得。野村(克也)さんが『勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし』と話されたのは、もともとは清の随筆集『甲子夜話』が出典です。2月22日からモデルルームをプレオープンしており、来場者は約300件。巣鴨駅や六義園駅はフラットなのもセールスポイントのひとつ」と話した。

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 記者は、道すがらいつものように分譲単価をはじいた。320万円だった。表通りからなだらかな坂を上った。坂は長所でもあり短所だ。とりあえず坂の上まで上ってみようとのぼった。工事中のその一角だけが大きな区画のままであることからも、邸宅跡地であることがすぐわかった、。現地から周囲を眺めた。南西側は1階部分でも前面の建物の日影をほとんど受けないことが確認できた。敷地南側の法面には竹林が残っていた。これなら340万円でも行けるかもしれないと考えた。

 岩元氏から320万円くらいだと聞いて納得。腹八分目がいちばんいい。この単価なら文京区などの競合物件に負けないのではないか。

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 岩元氏とは他の現場でもお会いしているが、岩元氏が所属する女性中心の部署のリーダーは高荒美香氏だ。初めてお会いしたのは3年前だが、当時は次長だった。現在は営業本部第四営業部副部長で、この4月1日には同部営業統括グループ長兼営業推進部長兼営業企画室長に昇格する。

 同社は4月1日付で現社長の村山義男氏が会長に、副社長の島田和一氏が社長にそれぞれ就任するが、島田氏は高荒氏を以前から高く買っていた。全幅の信頼を寄せているようだ。

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モデルルーム

タカラレーベン 「巣鴨」で同社初の高単価マンション(2011/2/7)

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花牟禮氏

大規模修繕実行委員・花牟禮幸隆氏が改修の経緯などを語る

 マンションコミュニティ研究会(代表:廣田信子氏)は3月20日、多摩市の「エステート鶴牧4・5住宅」大規模修繕実行委員・花牟禮幸隆氏を講師に招き、国土交通省の平成24年度(第2回)「住宅・建築物省CO2先導事業」にも採択された「省エネ改修」について勉強会を行なった。

 「省エネ改修」は、工事を担当した長谷工リフォームと共同で提案したもので、住みながら屋根を含む建物躯体の外側を断熱材で包み込む外断熱工法やインナーサッシを採用することなどでコンクリートの寿命を2倍(45年から90年)に延ばし、CO2排出量を23%削減できるもの。共同住宅の省エネ改修のビジネスモデルとしての展開も視野に入れたプロジェクトとして評価された。

 「エステート鶴牧4・5住宅」は、多摩市鶴牧4丁目に位置する敷地面積約49,000㎡、壁式鉄筋コンクリート造の2~5階建て全29棟356戸の団地。建物完成は昭和57年3月(築32年)。工事期間は平成25年2月~26年3月。工事費は約11.6億円。このうち補助対象部分の50%が補助金で賄われ、1戸当たりの補助額は約100万円。

 花牟禮は、平成23年7月から屋根の葺き替えを中心とする大規模修繕の検討に着手したこと、一度は予算面で外断熱を断念したこと、長谷工リフォームの提案を受けわずか10日間くらいで提案書を作成したこと、4分の3同意を得るため臨時総会の直前までマンガによるニュースなどで説明を徹底させたこと、3億5,000万円の銀行融資を取り付けたこと(金利1.25%のうち1%は都の利子補給)、反対者は25人いたことなどを話した。

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 記者は、康和地所や明豊エンタープライズ、ナイスなどの新築マンションの取材を通じ外断熱のよさは分かっているし、同じ多摩ニュータウンには地元の建築のプロ集団が企画した「永山ハウス」もある。

 よさは分かっていたつもりだが、長谷工リフォームがこの「省エネ改修」のニュースをリリースしたときは驚いた。記者が住む団地は「エステート鶴牧4・5住宅」に近接しており、築年数も住棟構成もよく似ており、「まさかそんな大規模団地で、後付の外断熱なんかできるわけがないし、合意形成も難しい」と思っていたからだ。工事中の現場を何回か見た。外壁に断熱材を張る工事は気の遠くなるような工事に思えた。

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 花牟禮氏の話は、そんな疑問を吹き飛ばした。目からうろこだった。高経年のマンションはどのようにして価値を維持・向上させるか、いかに合意形成を図るべきかなどを教えてくれた。

 まず、団地の価値の維持・向上。大規模修繕は定期的に行なわなければならないのは当然だが、花牟禮氏は「単なる修繕では建物の老化と入居者の高齢化により魅力は低下し、資産価値は低下するばかり。建て替えも選択肢にあると考える人はいるかもしれないが、郊外では駅近辺や、都心部と違い、余剰床を売って資金を捻出しようなどということは絶望的」「改修により建物の維持を図る場合、内外の居住環境の向上、すなわち、建物の長寿命化や、外構、住戸内温熱環境等、住環境の性能アップを計るなどして資産価値をあげ、安心して快適に住み続けられるものにしないと若年購買層に対する団地間競争に勝てない」などと話した。

 合意形成について花牟禮氏は、「10年前から機会あるごとに団地の価値向上について話し合ってきた。約10人の理事は輪番制だが、10年間となると約100人と意識の共有ができたのではないか。」「価値の維持・向上は一つの団地だけでは限界がある。団地を取り巻く周辺環境が団地の魅力を増す。特に商業は重要であり、近隣の団地とも連携し、地元のスーパーを守ろう、盛り立てようと話してきた」などと語った。

 花牟禮氏は著名な設計会社「アール・アイ・エー」の東京支社設計担当参与を務める一級建築士でもある。建築のプロとして継続して入居者と接し信頼を得てきたのがプロジェクトを成功に導いたのだろう。記者は工事が終わった住棟の居住者から「暖房なんかぜんぜん使わなくても快適」という声を聞いた。

 アール・アイ・エーが設計したマンションでは、記者は首都圏不燃建築公社・三菱地所「パークハウス阿佐ヶ谷レジデンス」を思い出す。

後姿が美しい「パークハウス阿佐ヶ谷レジデンス」 「マンション環境性能表示」☆3つ(2010/3/8)

 

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完成した「千駄ヶ谷緑苑ハウス」

 築43年の旧耐震賃貸住宅(一部事務所)を耐震補強し、内外装や設備を一新するリファイニング手法を用いた分譲マンション「千駄ヶ谷緑苑ハウス」が完成し、3月22日、関係者に公開された。約140人が参加した。

 物件は、JR中央線千駄ヶ谷駅から徒歩3分、渋谷区千駄ヶ谷5丁目に位置する7階建て全17戸(事務所3/住戸13)。専有面積は30.50~86.12㎡。建設年は昭和45年(築年数43年)。事業者はハチハウス。設計・監理は青木茂建築工房(意匠設計)、金箱構造設計事務所(構造設計)。施工は山田建設。竣工は平成26年3月。

 建物は、道路を挟んだ北側に新宿御苑があり、屋上からは新宿のビル群や神宮外苑花火が眺められる好立地にありながら、旧耐震であるうえ間取り・設備の陳腐化が進んでいた。建物を建て替えずに先代から譲り受けた建物をそのまま残したいという意向を受けてハチハウスが物件を取得。

 改修にあたっては、耐震性能を向上させるため構造・計画上不要な部分を撤去して軽量化を図り、使い勝手や意匠を損なわないよう補強をバランスよく行い、北側や南側の開口部を大きく取る工夫を行っている。

 外壁は中性化対策としてタイルを使用。屋上は外断熱として緑化も図っている。防音対策としてはスラブ厚が120ミリだったため、遮音性能の高いフローリングを採用。設備計画では縦配管を共用廊下側に設置することでメンテナンス性を向上させた。

 建物の価値向上のために1,600ページに及ぶ補修個所の全数を記載した「家歴書」を作成。耐用年数は第三者機関の調査の結果、推定耐用年数は残り50年と診断された。耐震性の確保、建物の長寿命化、適法性の確保、商品競争力を確保したことなどで住宅ローンが借りられるようにもした。

 現在まで13戸が全て契約・申し込み済み。坪単価は290万円。

 設計・監理を担当した青木茂建築工房・青木茂主宰は、「リファイニングによる住宅の再生は、賃貸の再生、居ながらの再生、分譲の再生、賃貸から分譲への再生をこれまで行ってきた。金融も含めどのようなケースでも対応できるという意味で集合住宅の再生は完成した」と話した。

 ハチハウスのオーナー・岡本軍八氏は、「私は74歳。これまで50年間、不動産事業にかかわってきた。最後の仕事として社会に還元したいという思いで取り組んできた。当初予算は坪70万円と想定していたが、耐震補強費などがかさみ結果的には坪100万円になった。しかし、分譲単価は想定していた240万円から290万円に上昇しても、お客さんが商品性を評価してくれた。内覧会でみなさんびっくりしていた。〝死ぬしかない〟と思っていた建物がリファイニングによって生まれ変わり、十分採算に乗ることが実証できた。夢のチャレンジが成功した」と語った。

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岡本氏(左)と青木氏

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 「千駄ヶ谷 緑苑ハウス」については、工事中の段階でも記事にしているのでそちらも参照して頂きたい。百聞は一見に如かず。青木先生のすごさが分かった。デザイン力も素晴らしい。倉庫だった1階は天井高が4mあったことから、ロフト付きにし、耐震性を確保しながら開口部を大きくしたこと、梁やカーテンレールの部分はライティングを施し、最上階は外廊下部分を専有化するなどの工夫を凝らしている。リフォームや今流行のリノベーションとは全く異なるものだ。

 もうひとつ驚いたことがある。岡本軍八氏が登場したことだ。岡本氏については別掲の記事を読んでいただきたい。記者は9年前、岡本氏にお会いし、記事にもしているが、すっかり忘れていた。岡本氏には失礼だが、もう過去の人だと思っていた。岡本氏自身も「浦島太郎になっちゃった」とその時話している。

 昨年取材したとき「ハチハウス」はどこかで聞いたような気がしたが、ハチハウス・青木歩実社長が軍八氏の娘さんだとは全然思わなかった。「ハチ」はロッキード事件のハチのひと刺しか連想できなかったし、青木茂氏の娘さんかと思って質問したぐらいだ。軍八の「ハチ」を社名に使うなどやはり岡本氏は只ものでなかった。

 岡本氏は、「山田建設の山田社長は長いおつきあい。どこも工事を受けてくれなかったのに意気に感じてやってくれた。近く中堅のデベロッパー向けに説明会をやる」と意気込んでいた。すっかり旬が過ぎた岡本氏がよみがえったのが何よりうれしい。リファイニングは人間再生にも応用できるのか。

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梁の部分をライティング処理               屋上の緑化

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窓の外は新宿御苑                 倉庫だった1階部分の天井高は4mのロフト付き

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リファイニング事例のひとつ「清瀬けやきホール」のビフォー(左)とアフター(写真撮影は「イメージグラム」)

千駄ヶ谷のリファイニング建築に見学者300人(2013/11/12)

岡本軍八氏に久しぶりにお会いして(2005/3/3)

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「セントラルレジデンス調布ステーションコート」完成予想図

 京王線調布駅前の再開発マンション住友不動産「セントラルレジデンス調布ステーションコート」を見学した。整備が進む駅前広場に面した一等地のマンションだ。

 物件は、京王線調布駅から徒歩2分、調布市布田4丁目に位置する16階建て全190 戸(事業協力者住戸29 戸含む)。専有面積は41.71~82.47㎡。価格は未定。竣工予定は平成27年1月。施工は清水建設。

 マンションは、京王線の地下化に伴う市の駅前広場整備事業を中心とした街づくり方針に沿って建設されるもので、公益施設・商業・業務施設からなる複合開発。地下に市の自転車置場が設置され、3階までは業務・商業施設となる。

 建物は、北側コーナーにガラスカーテンウォールを配し、全体的に落ち着いたモノトーンの素材・色調を採用し、白い縦ラインのアクセントを入れることで端正な表情にしているのが特徴。住宅部分は4階からで、70㎡が中心、その他41㎡のコンパクトタイプや54㎡の小家族向けタイプが約4割。一部の住戸は、足元から天井近くまで設置した大型窓「ダイナミックパノラマウインドウ」を採用している。

 販売を担当する同社住宅分譲事業本部首都圏営業所主任・長嶋史和氏は、「3月1日から予約で見学を受け付けているが、毎週土日に設けた各日の予約枠18組はほぼ満席。分譲を待ち望んでいた方が多い。私がこれまで15年間担当したマンションの中でこの物件が一番立地がいい。府中?桜上水? 負けません。仙川? 予算的に難しい方は仙川を検討されると思います」と話した。

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 調布は、記者が結婚して最初に住んだ街。京王線沿線の中ではもっともポテンシャルの高い街だった。最近は伊勢丹が進出した府中に押され気味だったが、京王線の地下化にともなう整備計画の進行によって再び輝きを取り戻しつつある。線路だったところに京王電鉄が商業・業務ビルを3棟を計画しているが、現段階で詳細は不明。

 マンションでもっとも気になるのが価格だ。長嶋氏は「南向きの価格の高いところから分譲する予定で、70㎡台で6,000万円台の後半」としか話さなかったが、府中にも桜上水にも負けないということからおのずと単価は推測される。

 徒歩5分圏には大型商業施設や市役所、図書館、コンサートホールが揃っている。単身者・DINCSを含め申し込みが殺到するかもしれない。

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外観

カテゴリ: 2014年度
 

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