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パーティ ルーム銘板

 このほど竣工したNTT都市開発の高額マンション「ウェリス有栖川」を見学した。2カ月前に見学した同社の「ウェリス代官山猿楽町」(44戸)も素晴らしかったが、「有栖川」も甲乙つけがたい本物の億ションだ。

 物件は、東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩4 分、港区南麻布五丁目の第1 種中高層住居専用地域に位置する5階建て全57戸。専有面積は56.18~247.41㎡、価格は7,180万~59,900万円、坪単価は585万円。建物は2013 年11 月に竣工済み。販売代理は三菱地所レジデンス。設計・施工は清水建設。現在までに52戸が販売済みだ。

 特徴は、①中層でありながら免震構造を採用②敷地外周に赤外線センサーや防犯カメラを配備したセキュリティ③ワンフロアを3つのコアに分節し、3基のエレベーターを設置④共用部に左官職人・挾土秀平氏のアートや希少な天然石のエントランスドア、3層吹き抜けのラウンジに設置された約9メートルの水景壁を配置⑤本物志向のワインセラーを設けたパーティールーム⑤シンプルな住戸デザイン・カラーリング-など。

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完成予想図

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 恐るべしNTT都市開発。前回の「代官山」でも書いたが、まさか同社がこんな素晴らしい億ションを供給できるなんて全然思っていなかった。NTTファシリィーズが設計・監修し、鹿島が施工した「代官山」もいいが、今回の「有栖川」もまたいい。億ションは1戸44億円(1棟ではない。念のため)の「ドムス」をはじめたくさん見てきたが、この「有栖川」は富裕層の〝心〟をくすぐる好物件だ。

 外観はいかにも高額マンションらしい雰囲気をかもし出しているが、この物件の特徴はディティールの細やかさだ。例えばパーティールーム。床は挽板材。ワインセラーは18区画あり、18本入るという。月額賃料は3,000円。一般サラリーマンにとっては3,000円は2~3本の値段だろうが、富裕層にとっては1杯分の価格かもしれない。ヴィンテージものを見せびらかして飲む富裕層が目に見えるようではないか。酒を介してサロンになるはずだ。かつての億ションにはこういう発想はなかった。

 共用部分のイタリアだかインドだか、見たこともないような自然石がまたいい。自然光が降り注ぐラウンジに設けられた挾土氏の作品や水景壁に囲まれたラウンジの照明やソファはアルマーニ。エレベータホールには鮮やかな赤と黒の漆塗りのアート。ダストルーム(ゴミ出し室)のドアの把手はデザイン処理されたもの…etc。

 モデルルームはいたってシンプル。しかし、ドア把手、巾木、塗装や布クロス、4ミリ厚の挽板材フローリング、4.5センチ厚のドア、ドア枠、ドイツのドンブラハ社製の水栓、アンモナイトの化石がちりばめられた天然石などは成金には理解されないかもしれないが、本物志向の富裕層の満足度を高めるのは間違いない。

 最近の話題の億ションでは三菱地所レジデンスの「千鳥が淵」があるが、これは皇居が見下ろせる別格の物件。これを除けば同社の「代官山」「有栖川」、積水ハウスの「白金台」が現段階で今年のベスト3億ションだ。三井不動産レジデンシャルは「パークマンション」を今年は1棟も供給していないはずだ。「代官山」も残り1戸というから驚きだ。

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高さ9mの水景壁(左)とパーティルーム(左奥がワインセラー)

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左からダストステーション、エレベータホールの案内板、リビングドア(アルミの鍛鉄製)

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建物外観

本物の億ションを見た NTT都市開発「ウェリス代官山猿楽町」(2013/9/20)

カテゴリ: 2013年度

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「北品川五丁目第一地区」の街並み

 三井不動産レジデンシャル(事業比率45%、以下、他社は非公表)、日本土地建物販売、大成建設、大和ハウス工業、新日鉄興和不動産は11月26日、品川区の大規模開発「パークシティ大崎ザタワー」(総戸数734戸)の第1期分譲288戸を12月1日に抽選分譲すると発表した。

 物件は、JR大崎駅から徒歩6分、品川区北品川5丁目、全体約3.6haの「北品川五丁目第一地区」再開発事業区域の一角に位置する40階建て全734戸(うち一般分譲566戸)の規模。専有面積は43.89~116.89㎡、1期の価格は4,580万~1億8,500万円(最多価格帯9,000万円台、平均8,042万円)、坪単価368万円。設計・監理は日本設計。施工は西松建設。デザイン監修は光井純&アソシエーツ建築設計事務所。竣工予定は平成27年5月下旬。

 主な特徴は、①平成25年の地価公示で都内の住宅地地価上昇率1位の「北品川5丁目」に立地②30年に及ぶ市街地再開発「GARDEN CITYS構想」の集大成③山手線内初の「パークシティ」④オーガニックシティとして7つのガーデンを配置し、緑化率30%以上を実現⑤おしゃれな街の理想的な子育てを実現するため各界のスペシャリスト(桐島かれん氏、滝沢眞規子氏、青山有紀氏、西畠清順氏、石戸奈々子氏)の提案を採用-など。

 発表会で三井不動産レジデンシャル開発事業本部都市開発第一部長・山田貴夫氏は「全体約60haの再開発事業のなかで、今回は最大規模となる3.6haの住・商・業一体の複合開発でこの街の集大成のプロジェクト。11月から始めたモデルルームには1,700組の来場があり、分譲566戸の半分以上の288戸を供給するが、登録即日完売の勢いにある」と自信を見せた。

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コミュニティガーデン             ウェルカムスクエア

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 坪単価について。業界の一部から400万円を超えるのではないかという声も聞かれたが、それはないとみていた。街の将来性を加味すればあるいは400万円もあるかもしれないが、そんな高値追求はしないという確信があった。

 368万円というのは極めてリーズナブルな価格だと思う。発表会で三井不動産レジデンシャル都市開発一部営業室主査・大栗裕樹氏も「お客さんからは街の将来性、希少性が評価された。単価は決して安くはないが適正な価格と考えている」と話した。

 今回も、街並みはデザインガイドラインに沿って整備されており、今回も長さ約250m幅約16mの道路・歩道空間が整備される。沿道には街路樹のシラカシが2段植栽され、その他の樹木が混植される。

 共用施設はもちろんだが「街づくり」を評価すべきマンションだ。難点と言えば敷地と道路を挟んだ南側に31階建ての業務棟が建設されるので、その日影の影響を受ける住戸があることだ。

 大崎のマンションでいえば、2001年竣工の「オーバルコート大崎」が印象に残っている。どちらかと言えば住宅や工場、倉庫などが混在し、色でいえば〝グ レー〟の街を、光井氏が得意とする温かみのあるアースカラーの外観デザインで一変させた。当時の坪単価は320万円だった。よくぞここまで街のポテンシャルを上げたものだ。

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カスケードホール                キッズガーデン

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 各界スペシャリストの提案を盛り込んだ70㎡のモデルルームはよく分からなかった。リビングの隣の6畳大をスライドドア付きのオープンな子ども部屋にし、ダイニングに大きなボードを設けたものだが、リビングの隣に子ども部屋を設ける発想が理解できない。その一方で、主寝室は6.3畳大しかなかった。

 他の2つのモデルルームはよくできていた。住戸プランはワイドスパンが中心で、3~4畳大のDENの提案、5畳大のキッチン、1620の浴室などがいい。設備仕様は天然石、フィオレストーン、標準仕様のバックカウンター付きなどが特徴。

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70㎡のモデルルーム キッチン ダイニング      70㎡のモデルルーム子ども部屋

カテゴリ: 2013年度

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「ドゥ・トゥールキャナル&スパ」(写真左端は竣工済みの賃貸マンション)

価格は公表されずオリンピック効果をどうみるか

 住友不動産は11月21日、来年1月に分譲する中央区晴海の大規模ツインタワーマンション「ドゥ・トゥールキャナル&スパ」の記者発表・モデルルーム見学会を行った。数年前から計画されていた案件で、東日本大震災で計画見直しを行い、2020年の東京オリンピック開催決定を受けて分譲するもの。「災い転じて福をなす」の典型的な物件だ。

 物件は、都営大江戸線勝どき駅から徒歩9分、中央区晴海三丁目に位置する52階建て2棟の全1,450戸とSOHO216区画の規模。住戸の専有面積は44.67~123.77㎡、SOHOは32.34~57.05㎡。価格は未定だが、第1期は上層階を中心に分譲する予定で、価格は6,000万円台~7,000万円台が予定されている。竣工予定は平成27年9月下旬。設計・施工は三井住友建設。

 最大の特徴は、2020年開催の東京オリンピック選手村に近接していること。この価値をどう見るかだ。建物は免震構造を採用、ガラスを多用したファサードで、運河沿いという立地を生かし水辺を含む空地、スカイデッキを整備。幅15mもの巨大な浴槽を備えた広さ約200㎡の「サウナ付き大型スパ」、広さ約150㎡の「ビューラウンジ&バー」などの共用施設を整備する。

 また、逆梁工法を採用して室内の梁型が出にくくするとともに、足元の床近くまで視界がすっきりする新ダイナミックパノラマウインドウ」を採用する。同社としては初の「長期優良住宅認定」を受けており、「カスタムオーダーマンション」対応ともする。

 会見に臨んだ同社執行役員住宅分譲住宅事業本部副本部長・青木斗益氏は「現行消費税率の適用期限の9月を過ぎてもその反動はない。今後も売れ行きは好調に推移する。今回のマンションは当社のタワーマンションの集大成と位置付けているもので、エリアを代表するランドマークにする」と語った。

 「ドゥ・トゥール」は、コーヒーのブランドではなく、フランス語から取った「ツインタワー」という意味だ。

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 最大の関心事はいったい価格(坪単価)がいくらになるかだが、発表会ではいっさい公表されなかった。記者も質問したが、「ご想像にお任せする」としか返ってこなかった。

 そこで記者の予想。同じ晴海エリアの三菱地所レジデンスのツインタワーも坪単価にして320万円の価値があると読んでいたが、オリンピック開催が決まり、今回のマンションも320万円以下はないと読んだ。東京のど真ん中の中央区アドレスで、江東区の豊洲、川崎市の武蔵小杉に負けるようでは情けないし、新宿区の「富久町」と同等の価値があるとみている。ひょっとすると坪330万円もあるかもしれない。郊外部のマンションは価格上昇してほしくないが、都心部のマンションは大手が競い合って高値追求しても問題ない。

 ただ、価格上昇を押しとどめる要因がないわけではない。同じ勝どき駅圏には鹿島建設などの大規模マンションがほぼ同時期に分譲されるし、同じ晴海エリアで三井不動産レジデンシャルが大規模マンションを計画している。

 オリンピックまであと7年もある。それまで分譲しないのなら坪単価は400万円近くになるのではと考えるが、同社は「約2年で完売したい」意向だから、「ワールドシティ タワーズ」で行ったようなオークションも行わないようだ。

 物件の設備仕様そのものもオリンピック特需を見込んだ富裕層向けのものではなく、同社のこれまでのタワーマンションの延長線上にあるものだ。鹿島のマンションがいくらになるかも値付けを難しくしている。

 SOHOはちょっと読めない。少なくともオリンピックが終わるまでは相場の2倍ぐらいの賃料設定でも申し込みが殺到するのではないか。所有権にしても面白い。

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 同業の記者からはオリンピック選手村について質問が飛んだが、青木氏は「非常の魅力的な開発。当社も手を挙げる」と話した。

 現段階では、選手村は17,000人収容の規模しか公表されていないので何戸建設されるかわからないが、5,000~6,000戸に収まるものとみられる。住戸面積もそれほど大きいものはつくらないだろうし、閉幕後は賃貸利用が過半を占め、分譲も定期借地権付きになるような気がする。交通アクセスが悪いのがネックだ。場所にもよるが歩けば駅まで20分はかかる。

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2階デッキ

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高谷氏(2011年6月撮影) 

 今年の春先から夏までに約3カ月で完売した「プレミアムレジデンス府中西府駅前」45戸の施工を担当している新三平建設の建設事業部支援課課長・高谷郁浩氏に話を聞く機会があった。マンションの竣工検査の厳しさを思い知らされた。

 マンションはJR南武線西府駅から徒歩1分の6階建て全45戸。専有面積は57.77~92.17㎡、価格は3,300万円台~5,800万円台(最多価格帯3,900万円)。竣工予定は平成25年12月上旬。施工は新三平建設(事業比率90%)、三信住建(同10%)。売主は三信住建。

 西府駅は2009年に開業した駅で、当時、扶桑レクセル(現大京)が「レクセルマンション府中西府」78戸を分譲して人気になったのを記憶している。坪単価は220万円ぐらいではなかったか。その後、マンションは供給されていないはずだ。

 今回も人気になったのは駅1分の利便性と、道路を隔てた隣接地にスーパーが開業する予定になっていることだろうと思う。

 高谷氏は、引き渡しを目前に控えかなりナーバスになっていた。「竣工検査には社内検査-施主検査-入居者検査の3回ありまして、今回が最初の社内検査。機能性で問題が発生するのはあり得ないことですが、住戸内検査のとき私は左手に軍手をはめて角という角を隈なく撫でまわします。一筆書きと一緒ですよ。途切れることは絶対にない。徹底してキズや汚れをチェックします。1回あたり30カ所ぐらいは修理すべきところを発見します。職人さんたちとは侃侃諤々、掴み合いになるぐらいの議論になることも度々です。それをやるから施主や一般のお客さまからゼネコンは信頼されるのです」と話した。

 左手を見せてもらったが、普通にはあり得ないタコができていた。なぜ左手かは聞かなかったが、右手は何か作業したり書いたりするので使わないのだろうと思った。工事ミスかそうでないかで議論が白熱化するのは、それぞれプロの立場から自論を主張するはずだろうから当然だろうと考えた。

 こうした裏方の苦労を思うと、マンションの施工時期の平準化は急がなければならないし、ゼネコンの多重下請構造の改善も喫緊の課題だ。

一人三役 再生期しチーム引っ張る RBAタイムズ316号(2011年6月) 高谷氏の〝元気印〟

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現地で挨拶する青木氏

青木茂建築工房 賃貸を分譲の「千駄ヶ谷 緑苑ハウス」に再生

 青木茂建築工房(主宰:青木茂首都大学東京特任教授)が11月12日、青木氏がリファイニング建築の設計・監修を担当する再生マンション「千駄ヶ谷 緑苑ハウス」の解体現場見学会を行った。JR千駄ヶ谷駅から徒歩3分の賃貸マンションを同社として初めて分譲マンションに再生するプロジェクトで、行政、不動産、設計事務所、研究者ら約300人が押し寄せた。

 物件は、JR中央・総武線千駄ヶ谷駅から徒歩3分、渋谷区千駄ヶ谷5丁目に位置する7階建て全17戸 (非分譲住戸1戸、非分譲事務所3戸、一般分譲13戸) の規模。専有面積は38.93~50.25㎡、現在分譲中の住戸(6戸)の価格は3,390万~5,180万円。坪単価は290万円。リファイニング工事は山田建設。完成予定は平成26年2月下旬。売主はハチハウス。媒介は三井不動産レジデンシャル。既存建物は築43年が経過。再生工事を着手後、これまでに半分以上が分譲済み。

 青木氏は、「見学者が100名、200名は想定していたが、300名を突破するとは。僕もよく分からない。こういったプロジェクトは大きな可能性を秘めている。旧耐震でも再生できないほど耐震性に問題があるのは100棟に1棟ぐらい。今回のプロジェクトは賃貸にするか分譲にするか、事業主をどうするかなどに時間を割かれたため企画段階からこれまで3年がかかったが、現在の事業主は決断が速かったため、3か月で基本設計ができた。検査済証があったため、今回の工事では建築確認の必要はない。行政と協議を行い、確認申請が不要の工事内容であることを確認している」と語った。

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耐震補強前の7階(左)とほぼ補強済みの6階スケルトン

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 まず、見学者の数から。見学会の直前、9日にメールが届いた。「このたびは『千駄ヶ谷 緑苑ハウス リファイニング工事』の解体現場見学会に沢山の参加のお申し込みをいただきありがとうございました。現時点におきまして参加者数が約300名に達しましたため、安全上の観点から、大変恐縮ではございますが受付を締め切らせていただきます」と書かれていた。

 この人数に驚いた。何かの間違いではないかと思った。大手デベロッパーが分譲するマンションの見学会でも多くて50人ぐらいしか集まらない。青木先生とハチハウスには失礼だが、たかが17戸の再生マンションに300人もの見学申し込みがあるはずがないと思った。青木先生が〝さくら〟として学生さんを動員したのだろうと思った。

 ところが、当日の現場は見学者でごった返していた。主催者によると見学者は国交省を含めた行政、不動産会社、建築設計事務所、大学の研究者が中心で、学生さんらしき人は数えるほどしかいなかった。ビルやマンションの再生が大きなテーマになっているが、300人という数に関心の高さをうかがわせた。

 リファイニング建築とは同社の登録商標で、従来のリフォームやリノベーションよりさらにレベルの高い安全性を確保し、トレンドを見据えたデザインを施した再生手法のことだ。

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モデルルーム(梁型を織り上げ天井として演出。照明設計は東京スカイツリーの照明デザインを担当したシリウスライティングオフィス) 

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 現地は、敷地北側に新宿御苑が見渡せる立地。すぐ近くにはトーセイが分譲して早期完売した「THEパームス千駄ヶ谷 御苑の杜」(23戸)が建っている。 従前建物は賃貸と事務所の複合用途建築物。

 旧耐震の建物であることから、様々な手法により耐震補強を行い、第三者調査機関に委託し、躯体の耐用年数推定調査を実施。税法上の残存耐用年数は7年であるにもかかわらず改修後の物理的耐用年数は残り50年と評価された。35年の住宅ローンも借りられる予定である。

 モデルルームは内装と設備の一新を図ったもので、天井高は約2400ミリ(スラブ厚120ミリ、階高2800ミリ)。二重床・二重天井。従前は北側住戸には小さな窓しかなかったものを、耐震補強することで幅約6mの開口部を設けて窓にしている。

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 分譲単価について。新築ならいくらぐらいか判断ができるが、躯体をそれほどいじらないリノベーションでもないから評価は難しい。工事費については青木氏から聞いたが、これは売主のこともあるから明かせない。ハチハウス・青木歩実社長(青木氏とはたまたま同姓)は「坪単価は新築の8掛けと考えていただいて結構」と話した。

 見学会に参加していたある大手のリフォーム会社の常務と取締役は、青木社長から単価を聞いて「よく付けましたね」と感嘆の声を上げたので、記者は「それは安いという意味? それとも頑張った値段? と解していいのですか」と聞いたらすかさず「もちろん、頑張った値段」と返ってきた。

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屋上(左)と現地(写真右端はトーセイのマンション、シートがかかっているのが工事中の建物)

首都大学東京 ウランバートルの都市問題 研究発表会(2013/2/13)

新宿御苑の借景が望める トーセイ「THE パームス千駄ヶ谷御苑の杜」(2012/7/3)

カテゴリ: 2013年度

 

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「品川タワーレジデンス」

 京阪電鉄・京阪電鉄不動産の「品川タワーレジデンス」を見学した。品川がリニア新幹線の始発駅となることが正式に発表され、品川-田町間のJR品川車両基地再開発が「アジアヘッドクォーター特区」にも選ばれるなど、将来性が期待されるエリアにあり、アドレスが「高輪三丁目」の初のタワーマンションだ。

 物件は、JR品川駅から徒歩6分、または都営浅草線泉岳寺駅から徒歩7分、港区高輪三丁目に位置する25階建て125戸の規模。専有面積は30.00~87.37㎡、現在分譲中の住戸の最多価格帯は8,800万円台。坪単価は385万円。設計・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は2015年2月下旬。販売代理は三井不動産レジデンシャル。

 現地は、品川駅高輪口から第一京浜道路を北に向かった「高輪三丁目」の一角。南側の借景にはグランドプリンス高輪、SHINAGAWA GOOSなどのホテル群や邸宅街が望める。建物は制震構造を採用し、外観は見る方角によって、時間の経過とともに表情が異なるように工夫し、グラデーションを巧に利用している。居室の天井高は最高約2.7m。標準階はワンフロア5~6戸。角住戸比率は76%。これまで80戸が販売済み。

 京阪電鉄不動産首都圏事業部マネージャー・髙橋和寿氏は「仕入れたのは2年前。最初は大手とのJVも考えたが、私たちの矜持を見せようと親会社の京阪電鉄と共同で分譲することになった。商品開発には力を入れた。リニア新幹線の効果もあるが、すでに第1期で80戸が売れているようにお客様に評価されたと考えている」と話した。

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DEN

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 モデルルームを見てすぐ電鉄会社のマンションとしては初めて大手と互角に戦える物件だと思った。

 専有部のインテリア・内装デザインコーディネートは、髙橋氏が「一目見てほれ込んだ」という鈴木ふじゑ氏だ。鈴木氏の「作品」は記者も数え切れないほど見ているが、本物志向でえもいわれぬ色使いに特色がある。57㎡のコンパクトタイプでは主寝室(約6.2畳大)に隣接した約2.8㎡のDENの提案がいい。

 最高価格1億2,000万円の87㎡では、幅約1.5m、奥行き約5m、壁面突き板仕様の玄関・ホールが圧巻。57㎡のタイプ20戸と最高価格住戸を含む80戸が完売というのも納得だ。

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リビングダイニング

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 首都圏の電鉄会社はみんな立派な街をつくってきた。ところが、分譲マンションとなると、記憶に残るいいマンションはほとんどない。大手デベロッパーとのJVで〝ぶら下がり〟として名を連ねているぐらいだ。最近でいえば、近鉄不動産の「大宮」が出色の出来だったが、これも鹿島建設とのJVだ。西武線を中心に水準以上のマンションを供給していた西武不動産は分譲から撤退してしまった。社名もなくなった。情けない限りだ。

 そんな事情があるので、今回見学した「品川」もそれほど期待はしていなかった。そもそも京阪電鉄も京阪電鉄不動産もよく知らなかった。大阪や京都には多くはないが取材や旅行で行ってはいるが、京阪電車に乗った記憶はない。中ノ島、枚方、東福寺、祇園四条などにはどうやって行ったのだろう。一般のユーザーも記者と同じではないか。「京都タワー」は知っていても、それが京阪電鉄のホテルだと知っている人は少ないのではないか。

 それもそのはずだ。過去、関西でプロ野球球団を経営した「近鉄」「阪急」「阪神」「南海」は日本中に強烈な印象を残しているが、「京阪」は全国へのブランド展開を行ってこなかった。 

 記者が見学取材している「戸田公園」「聖蹟桜ヶ丘」のマンションも髙橋氏に指摘されるまで、同社が分譲したマンションであることを忘れていた。

 いま考えてみると、知名度が低いからこそそのハンディを跳ね返すためにも「矜持を込めた」商品企画にしたのに違いない。関西圏でマンション供給第3位の力を首都圏で見せた。

 同社は来春、王子駅前の一等地で近鉄不動産と共同で29階建てタワーマンション285戸を分譲するという。見るのが楽しみだ。社員約100人のうち8割がプロパーという他の電鉄(系)会社にない企画力を見せてくれるのではないか。東京の営業所長である髙橋氏は関西出身だが、あるゼネコンの経験を含めて東京勤務20年の大ベテランだ。

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キッチン

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 最後に坪単価について。道すがら考えた。高輪の住居系なら坪400万円をはるかに越えるが、第一京浜に面していることから坪400万円は越えないと予想した。しかし、リニアや再開発の将来性を先取りすると400万円をはるかに越えると思った。

 モデルルームを見学している途中で「単価はいくらですか」と聞いたら、逆に髙橋氏から「いくらだと思いますか」と聞かれたので、とっさに「坪420万円」と、リップサービスの意味も込めて答えた。385万円は極めてリーズナブルだし、将来性を考えたら割安感のあるマンションだ。

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87㎡のモデルルーム玄関

京阪電鉄不動産・日土地建物販売 圧倒的な価格の安さで「ファインレジデンス戸田公園」人気

カテゴリ: 2013年度

 「当社は相対取引ができる計画的な大型案件が中心で、闇雲に用地争奪戦に加わるようなことはしない。第2四半期の決算数字を見る限りでは建築費の上昇は顕在化していない」-三井不動産の決算説明会で、同社の経理部経理グループ長・富樫烈氏はこう語った。

 しかし、その一方で「業界では職人さんの引き抜き合戦が始まっている。待遇を改善するなどして安定的に職人さんを確保することが課題となってくる。価格に転嫁しなくても済む努力が必要」(旭化成ホームズ・平居正仁社長)「郊外部では坪150万円以下では難しくなってきた。職人不足は深刻で、リーマン・ショック前の『新価格』どころか、ゼネコンが積年の恨みつらみを晴らす『倍返し』価格になるかもしれない」(あるデベロッパー)「建築費は上がるし、大手は設備仕様を上げているので、われわれ中堅は苦しい。大手の一人勝ちになるのでは」(ある中堅デベロッパー販売責任者)など、先行きの建築費・価格上昇を懸念する声が噴出している。

 記者も最近の価格上昇は序章、序の口に過ぎないと思う。マンションの単価は2~3年前までは、「えっ、こんなに安くできるの」という物件がかなり見られたが、最近、とくに今秋の物件は「えっ、そんなに高いの? 」と驚く物件ばかりだ。

 今後10年間で200兆円の規模でインフラなどの基盤整備を進めるという「国土強靭化」を背景に震災復興に伴う公共工事、東京オリンピック、リニア、都市再開発などが目白押しだ。リニア建設費は10兆円と言われているし、これから本格的に始まる復興区画整理事業は56カ所で総面積は3,000haを越える。数千億円規模だ。ビッグプロジェクトに大量の土木・建設技能労働者が投入されれば、中小規模マンションなどははじき出されるのは火を見るより明らかだ。土地の仕入れはしたものの、着工が出来ないという「在庫倒産」も出てくるのではないか。

 そのような事態を避けるため、竣工時期の平準化は喫緊の課題だと思う。前出の三井不動産の場合、第2四半期のマンション計上戸数は1,555戸で、通期計上予定の6,450戸に対する割合は24.1%でしかない。富樫氏は「たまたま今期は下半期に竣工・引渡しが集中したため」と説明したが、マンションの竣工が期末に集中するのは常識だ。

 そこで、現在分譲中のマンション200物件の竣工時期を調べてみた。もっとも多いのが2月で45物件、以下、3月32物件、1月24物件、11月22物件の順だ。もっとも少ないのが5月の6物件だった。四半期ごとでは第4四半期が104物件(52.0%)と過半数に達し、以下第3四半期49物件(24.5%)、第1四半期24物件(12.0%)、第2四半期23物件(11.5%)となっている。

 下半期に竣工・引渡しが集中しているのは、購入者の入居希望時期と密接な関係がある。単身者やDINKSはともかく、子育て世帯にとっては子ども転校は学年途中は避け、年度初めの進級時に行ないたいという親心が働き、デベロッパーもその意向を汲んで竣工を年度末に集中してきた経緯がある。

 竣工時期と売れ行き、企業規模や施工会社などとの相関関係を分析しないといけない部分があるが、下期に竣工することがマンション単価を引き上げる要因になっているのは間違いない。

 この問題について、三井不動産レジデンシャルはすでに手を打っているようで、今年4月、建築工事発注機能を強化するため「建設統括部」を新設した。三井不動産グループの三井ホームも「工期の平準化に力を入れていく」(市川俊英社長)という。

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 同時に進めなければならないのは、建設業が抱える重層下請け構造の改善だ。

 建設労働者は景気の安全弁的な役割を背負わせていることから、賃金が抑えられ、若年入職者が激減している。建設技能労働者52万人のうち60歳以上は約18%にのぼり、10年後には大半が引退するといわれている。京都工芸繊維大学准教授・矢ケ崎善太郎氏は「日本の職人たちの技は世界に誇る無形の文化財でもある」と語ったが、現実の待遇はまるで正反対だ。

 この命題はなんとも皮肉なパラドックスとしてわれわれに突きつけるが、関係者は知恵を絞って明解な解答を導き出して欲しい。

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「プラウド立川マークス」

 野村不動産が11月下旬に分譲する「プラウド立川マークス」を見学した。立川駅北口から徒歩4分、坪単価は200万円台半ばと安くはないが、同社が参画する駅前再開発エリアにも近接しており、商品企画も優れているマンションだ。

 物件は、JR中央線・南武線・青梅線「立川」駅から徒歩4分、または多摩都市モノレール線「立川北」駅から徒歩3分、立川市曙町一丁目に位置する14階建て68戸の規模。専有面積は62.48 ~83.61㎡、価格は未定だが、坪単価は200万円台半ばになる模様。竣工予定は平成27年5月中旬。施工は安藤・間。

 現地は、伊勢丹、高島屋などの大型商業施設やホテル、図書館などが集積する商業エリアと、駅前の「第一デパート」跡地などで開発が進む大規模再開発事業エリアに近接した駅近であるのが特徴。再開発事業には、同社が32階建て319戸のマンションを建設するほか、ヤマダ電機などの商業施設、公益施設が入居することになっている。また、来春開業予定の都内初の「IKEA立川」が来春開業するほか、立川駅圏には「ららぽーと(業態想定)」も計画されている。

 現地は南側の道路を挟んでビルなどが建っており眺望が優れているとはいえないが、建物の商品企画がいい。内廊下方式で基準階は6戸構成。ワイドスパンと全戸角住戸の多面採光が特徴。バルコニーにはガラス手すりのほか、外からの目線をさえぎり通風にも配慮したアルミルーバーとガラス手すりを組み合わせたオリジナルの手すりなどを採用している。

 設備仕様は、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、タンクレストイレなどが標準装備。モデルルームは、木目調の格子窓付き多目的ルームの提案がいい。

 マンションギャラリー所長・相馬裕太氏は、「北口の曙町は駅南口の柴崎町とともに人気のエリア。モデルルームの出来もいい」と早期完売に自信を見せた。

◇     ◆   ◇

 今回の見学取材は同社広報の〝お勧め〟マンションで、広報マンによると相馬氏は担当するマンションがことごとく即日完売しており、若手のホープと紹介された。相馬氏とは坪単価350万円で即日完売した昨年分譲の「吉祥寺御殿山HOUSE」でも説明を受けているが、その後「プラウド王子本町」122戸(坪単価275万円)、「プラウド王子本町ディアージュ」37戸(坪単価259万円)も即日完売したのだという。

 さて、分譲単価。相馬氏は「現場を100回は歩いた」というが、記者はそれほどでもないが少しは知っている。「第一デパート」はかなり古く、表通りの街並みもかなり古い。モノレールの東側と西側では街並みは異なるので、坪単価は230万~250万円とはじいた。

 相馬氏には鎌をかける意味で「坪230万円でしょ」と声をかけたら「もう少し上です」と返された。予想は外れた。

 いま、わが街、多摩センターの駅近マンションは坪単価200万円が相場だ。新宿から同じ距離圏の立川に坪50万円もの差をつけられている現実を見せられショックを受けた。多摩市は多摩地域の都市間競争に大きく後れを取っている。

カテゴリ: 2013年度

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「ザ・パークハウス多摩ニュータウン永山」完成予想図

 三菱地所レジデンスが11月に分譲する「ザ・パークハウス多摩ニュータウン永山」を見学した。永山の一等地に建つマンションで、同社の新しい設備仕様が盛り込まれており、価格もリーズナブルなことから人気を呼びそうだ。

 物件は、京王電鉄相模原線京王永山駅・小田急電鉄多摩線小田急永山駅から徒歩5分、多摩市永山2丁目に位置する11階建て全156戸。専有面積は68.78~89.15㎡、1期(107戸)の価格は2,948万~5,588万円(最多価格帯3,600万円台)、坪単価は170万円台。竣工予定は平成26月11月中旬。施工は東急建設。登録受付は11月9日(土)~。抽選は11月16日(土)。

 現地は、商業施設が建ち並ぶ駅前から5分、住居系エリアの入り口に立地。敷地南側には小学校がある。昭和40年代の開発当初はともかく、過去これほど駅に近い民間マンションは分譲されたことがない。住宅地としては一等地といえる。

 建物は南向きが中心でシンメトリーなデザインを採用。分節手法を採用することで単調にならないよう工夫を凝らし、バルコニーのガラス手すりは下層階から上層階に向かって薄くなっていくグラデーションを施している。

 設備仕様は、同社がすべてのマンションに標準化しつつあるキッチン御影石天板、食洗機、ディスポーザー、ミストサウナ、ソフトクローズ機能付き玄関収納、背の高さに合わせて調整できる2カ所の浴室スライドバーなどをフル装備している。

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モデルルーム

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 多摩市はわが街だ。我田引水のところがあるかもしれないが、住むにはいいところだ。やや坂はあるが、歩道は歩車分離されており駅まで信号などを渡らなくて済む。買い物も便利だし、緑も豊富だ。

 問題は価格だ。見学したときは価格が決まっておらず、販売担当者から具体的な単価は聞けなかった。そこで「175万から180万円ぐらいでしょうが、180万円はないはず」と聞いたら、ほぼその通りだった。東京建物の「Brillia」は駅からマンション入り口まで10分の表示で単価は150万円台だったが、立地はこちらのほうが断然いい。単価は極めてリーズナブルなものだ。

 本音を言えば多摩ニュータウンのポテンシャルを考えればもっと高くてもいいと考えているが、現状では永山は180万円の壁があると思う。同社は多摩センターでも駅近マンションを計画しているが、こちらは坪200万円の壁を打ち破ることができるかどうか。記者が商品企画担当者だったら、近隣居住者が見たこともないような最高の設備仕様を盛り込んで坪200万円の壁に挑戦する。デベロッパーは街のポテンシャルを引き上げる役割も担っているからだ。

カテゴリ: 2013年度

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「アトラス渋谷公園通り」完成予想図

角を矯めて牛を殺すことにならないか総合設計制度改正

 旭化成ホームズは10月29日、渋谷区の「宇田川町住宅」の建て替え事業「アトラス渋谷公園通り」が竣工したのに伴い、報道陣向けに見学会を行った。

 物件は、渋谷駅から徒歩5分、渋谷区宇田川町3の敷地面積約870㎡の商業地域に位置する13階建て49戸(店舗1)。専有面積は約33~104㎡。坪単価は420~430万円。

 従前建物は、昭和36年に竣工した東京都住宅供給公社が分譲した店舗併用マンションで、地下1~3階を同公社が所有、住戸(約58㎡)は4~7階で全16戸。エレベータはなし。

 平成15年から建て替えの計画が進められたが、合意形成ができず検討がストップ。同18年、有志が同社の建て替えセミナーに参加したことがきっかけで再び建て替えの検討が始まり、同21年6月、同社が事業協力者としてプレゼンを行った3社の中から選定された。同22年9月、全員同意で建て替え決議を行い、同年12月、組合員全員が再取得することが決まった。

 同社は当初、建基法案と総合設計案を提示したが、平成22年に都の総合設計制度改正が行われることになっており、適用の可否、容積率の割り増し、公開空地の確保や非住宅面積の制限が厳しくなることなど上に伸ばすメリットがなくなったとして断念した。

 また、同社は、権利者が17人と少ないことから、複数の議決権を持つ権利者が建て替え決議に大きな影響を及ぼすこと、商業立地の店舗併存マンションは更地での売却、商業ビルへの建て替えのほうが「最有効活用」となる場合が少なくないこと、テナントとの交渉に時間がかかるなどの課題もあると説明した。

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エントランス

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 計画は聞いていたが、坪単価420~430万円で分譲済みとは知らなかった。同じ公社住宅の建て替えマンションとして話題を集めた「渋谷美竹」より少し遅れて分譲された。こちらは「公園通り」に面しており、隣は東武ホテル、その先は渋谷区役所、NHKなどがある一等地。記者は坪単価500万円でも売れるのではないかと思った。リーマンショック前では坪500万円のマンションが近くで分譲されており、高額を除き人気になった。

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 総合設計制度を活用しなかったというのも驚いた。都は平成22年に同制度を改正。単に公開空地の面積の確保だけでなく、緑化率などの質や住宅の質、環境性能などが問われるようになった。

 今回のマンションは敷地面積が小さく要綱が改正される前で、その概要が明確でなかったために同制度の活用を見送ったようだ。しかし、総合設計制度は良好な街づくり、住宅供給を促すための制度だ。権利者が基準法を選択したほうがいいと判断される要綱改正は、制度の趣旨からしていかがなものか。

 都の総合設計制度の適用案件は毎年20~30件あったが、要綱が改正されたあとの平成23年度も24年度もそれぞれ3件しかないのは気になる。角を矯めて牛を殺すことにならないのか。

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屋上テラス

カテゴリ: 2013年度
 

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