RBA OFFICIAL
 

IMG_9981.jpg
「レーベンザTSUKUBA」(右が現場。億ションに見えるマンションが「エスペリア竹園」230戸。坪120万円で人気になった)

 タカラレーベンが分譲中の「レーベンザTSUKUBA」を見学した。つくばエクスプレス線つくば駅から徒歩8分の一等地に建つ全322戸で、昨秋の分譲開始以来すでに3分の2が売れている。同社の記念碑的なマンションになる。

 物件は、つくば駅から徒歩8分、つくば市竹園1丁目に位置する15階建て3棟全322戸の規模。専有面積は75.34~100.47㎡、近く分譲する2期3次の価格は3,200万円台~5,600万円台(最多価格帯3,800万円台・4,200万円台)、坪単価は160万円。竣工予定は平成27年8月末。施工は多田建設。

1-02 .jpg
完成予想図

 現地は、敷地の南西側に大清水公園、イベントホールの「つくばカビオ」、北側に中央警察署、UR都市機構、市立ノバホールなどの公園・施設があり、西武デパートも近接。UR都市機構が所有していた土地で、一時は市役所の建設が予定されていたということからも一等地であることが分かる。敷地に隣接して商業施設も併設される。

 プランがゆったりしていていい。100㎡タイプも多く、間口は8.0~8.5m。75㎡タイプでも間口は約6.2m確保されている。「太陽光発電全量売電」と「電力一括購入サービス」などの組み合わせで、電力消費量の抑制を図る。ディスポーザー、食洗機、「たからの水」を標準装備。

IMG_9983.jpg
大清水公園から臨む現地

◇       ◆     ◇

 別掲の記事も参照していただきたいが、つくばではTXの開業を前後して雨後のタケノコのようにマンションが林立した。当初の坪単価は110~120万円ぐらいで、飛ぶように売れた。年間1,000戸くらいのペースで供給された。

 ところが、2008年のリーマン・ショックで市場は激変。マンションは墓石と化した。値下げ競争が激化し、坪単価にして100万円かそれ以下で処分された物件も少なくなかった。

 今回の坪単価は160万円とかなり強気な設定だが、この立地条件なら納得だ。半年で200戸以上売れているのも理解できる。よほどのことがない限り、南西側の眺望は確保されるはずだ。住むならやはり「竹園」だと思う。

 もう一つ、なぜこの一等地のマンションがよく売れるかの理由が分かったような気がした。それは、国がつくば市内の公務員宿舎約2,500戸を処分する決定を昨年下したというのだ。こんご、どうなるかは分からないが、公務員宿舎がなくなった後の職員住宅の受け皿としてこのマンションが最高だと記者も思う。

 同社は駅近でもう1物件200戸強を分譲するし、やはりつくばで供給実績が豊富なフージャースコーポレーションの「建設予定」の看板が立っていた。公務員宿舎の受け皿としてつくばがまた脚光を浴びるのだろうか。

model_01.jpg
モデルルーム

筑波研究学園と多摩ニュータウン 似ているのか似ていないのか(2014/4/12)

正念場迎えたつくば市内のマンション(2008/2/20)

 

カテゴリ: 2014年度

image002.gif
「オーベル浦和レジデンス」完成予想図

 大成有楽不動産は4月10日、埼玉県庁やさいたま市役所など多くの行政機能が集積する官庁エリアの閑静な住宅街に位置する希少性の高い「オーベル浦和レジデンス」(全119戸、販売対象105戸・非分譲14戸))の第1期92戸・第1期2次7戸の合計99戸が連続して即日完売したと発表した。

 物件は、JR京浜東北線・高崎線・宇都宮線・湘南新宿ライン浦和駅から徒歩12分、さいたま市浦和区仲町3丁目に位置する14階建て。専有面積は72.89~90.19㎡。坪単価は230万円弱。竣工予定は2015年2月下旬。設計・施工・監理は大成建設。

 1期・1期2次の価格は4,250万~7,090万円(最多価格帯4,600万円台・5,390万円)。1期の登録期間は3月15日~3月21日。最高7倍、平均1.46倍。1期2次の登録日は3月30日。最高5倍、平均1.85倍。総来場者は約380件。契約者の29%が浦和区居住者で、他では川口市8%、南区4%、東京都北区4%など。年齢は30歳代が62%、40歳代が15%。家族構成は夫婦・子どもが62%、夫婦が34%。居住形態は賃貸が64%、社宅が22%。

 契約者の主な評価ポイントは、交通利便性の高さ、官庁エリアの一画にある閑静な住宅街、レベルの高い基本性能、オーベルオリジナル商品「オレンジキッチン」「オレンジ収納」などの設備仕様。

◇     ◆   ◇

 このマンションが人気になっていることは同社広報から聞いており、取材を申し込んだ結果、4月11日が取材日に決まっていた。その前日、即日完売のニュースが飛び込んできた。戸数の多さに驚いた。

 浦和駅圏ではここ数年、かなりのマンションが供給されているが、即日完売したのは、今回のマンションに近接する2009年分譲の野村不動産「プラウド浦和仲町マークス」(全54戸)の1期35戸しかしらない。坪単価は224万円だった。それ以来の即完物件だが、戸数は3倍近くある。これはすごい数字だ。

 記者は2週間前の「オーベル志村城山」の記事の中で「大成有楽不動産のマンションは飛躍的によくなっている」と書いた。それが証明されたようでもあり嬉しい。

 嬉しいのは即完したこと以外にもう一つの理由がある。坪単価だ。現地は個人の邸宅跡地。単価予想としては240万円くらいではないかと読んだが、それより10万円くらい低かった。記者は富裕層向けのマンションはどんどん高値追及してもいいと思っている。設備仕様もあげてお金持ちの心をくすぐる戦法を支持する。

 しかし、サラリーマン向けのマンションは極力価格を抑え、買いやすくしてほしいと願っている。野村不動産の物件より若干高いだけに抑えたのは大正解。腹八分目だ。スラブ厚は260~300ミリ、戸境壁は250ミリそれぞれ確保し、設備仕様は決して高いとはいえないが、それでもディスポーザー、食洗機、ミストサウナは標準装備。物干しポールなどきめ細かな商品企画もいい。

IMG_9994.jpg

現地近くの空き地で摘んできた野草(春先の取材はこうした楽しみもある。草花はハナニラ、タンポポ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ。喫茶店のコップに入れて楽しみ、帰るときは水で濡らしたティッシュにくるんで会社に持ち帰りまた楽しむ)

カテゴリ: 2014年度

 ・20per_140328_03.jpg
「クリオレジダンス横浜新杉田ハマシップ」完成予想図

 明和地所が4月下旬に分譲する「クリオレジダンス横浜新杉田ハマシップ」を見学した。JR根岸線・シーサイドライン新杉田駅前の商住一体再開発で、「都市計画提案制度」の適用を受けた横浜市初のマンションだ。

 物件は、JR京浜東北線・根岸線新杉田駅から徒歩3分、シーサイドライン新杉田駅から徒歩2分、京浜急行本線杉田駅から徒歩8分、横浜市磯子区新杉田町に位置する15階建て全176戸の規模。専有面積は55.73~100.32㎡、価格は未定だが、坪単価は193万円の予定。竣工予定は平成27年3月下旬。設計・施工は三井住友建設。都市計画提案・デザインはアール・アイ・エー。

 現地は、根岸線とシーサイドライン新杉田駅前のバスターミナルに隣接。周辺には平成16年に竣工した横浜市住宅供給公社の30階建て全308戸の「ヨコハマ・シーナリータワー」くらいしかマンションはなく、ほとんど空白区といえるエリア。

 最大の特徴は「都市計画提案制度」を利用した横浜市初の物件であること。都市計画提案制度とは、一定規模以上の土地について、土地所有者の3分の2以上の同意があれば、都市計画の決定や変更の提案ができる都市計画制度のこと。同社は、東芝の研修所などだった一帯を平成17年に取得。用途地域は工場専用地域だったが、市は同社の提案を受け近隣商業地域に変更した。

 マンション棟の隣接地には4階建ての商業棟が建設されるのも大きな特徴の一つで、商業棟には保育所、飲食店舗、医療施設、事務所などが予定されており、屋上には緑の展望デッキとして開放される。津波災害発生時には避難場所として提供される。

 マンションの最上階の9戸はグレードの高いプレミアム住戸として分譲される。同社の大規模マンション「クリオレジダンス」シリーズは2012年に竣工した「クリオレジダンス玉川上水」以来10棟目くらい。

0140408.jpg

◇     ◆   ◇

 同社は今年で創業29周年だそうだが、記者は創業時からずっとマンションを取材してきた。フラッグシップである「クリオレミントン」はもちろん、今回の「クリオレジダンス」も何件かは見学してきた。

 「クリオレミントン」は、ディスポーザーを標準装備した業界初のマンション「三鷹」をはじめ、100㎡住宅、低床バスの積極採用など、業界の最先端の商品企画を提案してきた。「クリオレジダンス」では、横浜市内の駅前再開発タワーマンションなども手がけてきた。ところが最近は、「玉川上水」を最後に供給が途絶えていた。

 今回の物件は、同社も相当の力が入っていると見た。デザインに著名なアール・アイ・エーを起用したことにもそれが現れている。坪単価は200万円は突破しないだろうと見ていたので、リーズナブルなものではないか。ディスポーザー、食器洗い乾燥機、ミストサウナが標準装備。プレミアム住戸はオプション仕様通りだと1,000万円くらいしそうだが、思い切った提案はどんどんやるべきだ。

 面白いのは商業棟だ。商住の一体開発だが、マンションと商業棟の管理組合はそれぞれ設立し、さらに全体としての組合も設立するという。商業棟の所有権は同社が現段階では保有している。

20140408.jpg
四季の小路

0327hiru03.jpg
15階相当部分からの眺め

カテゴリ: 2014年度

h2.jpg
「世田谷千歳台ガーデン&レジデンス」完成予想図

 京阪電鉄不動産・日本土地建物「世田谷千歳台ガーデン&レジデンス」を見学した。駅から徒歩9分の5階建て中層マンション。価格は未定だが、単価設定が悩ましい。

 物件は、小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩9分、世田谷区千歳台1丁目に位置する5階建て全102戸。専有面積は62.47~86.65㎡、価格は未定。施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は平成27年3月上旬。販売代理は長谷工アーベスト。

 現地はNTT社宅跡地で、指定容積率が200%の第一種中高層専用地域だが、前面道路の幅員が4mのため160%となり中層の5階建てとなった。建物はロの字型で南向きが76%。

 植栽計画に力を入れているのが特徴のひとつで、前面道路を6m幅に拡張し、既存樹を含む約3,000本の樹木・草花を施している。都のマンション環境性能評価制度で満点の星15個に1個欠ける14個(建物の長寿命化が星2つ)を獲得している。

 3月の3連休からモデルルームを予約制でオープンしており、これまで約150件の来場がある。ゴールデンウィークまでは全て予約で満席だという。

◇       ◆     ◇

 ランドスケープデザインがいい。先日見学した第一種低層住居専用地域の4層マンション、三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス上鷺宮」は敷地面積が約18,000㎡で、中・高木の植栽計画は約2,400本だった。こちらは敷地面積が約4,800㎡で、草花を含めた植栽計画は約3,000本。敷地西側の道路拡幅と提供公園の緑が見事だ。中庭にはプライベートガーデンも配している。

 価格予想が悩ましい。先の「上鷺宮」は坪単価が280万円で、記者は予想を外した。久々に予想を外したためやや自信が揺らいでいるのだが、ここはアッパーで270万円ではないか。建築費が上昇しているので難しいだろうが、早期完売を目指すなら260万円と読んだがどうだろう。

 沿線は異なるが、京王線の同じ長谷工コーポ施工の野村不動産「仙川」は270万円していないはずだ。

カテゴリ: 2014年度

IMG_0010.jpg
「中村孝明貴賓館」を背景に街びらきイベント

 「BrilliaCity横浜磯子」の管理組合の下部組織「磯子タウンマネジメント倶楽部」は4月5日、街びらきのイベントとして「磯子ペニンシュラマルシェ」を行った。地産地消をテーマに磯子や三浦半島で採れた食材や加工品などを販売する18店が出店。居住者や地域住民など約2,000名が集まり、キックオフイベントを祝った。

 「磯子タウンマネジメント倶楽部」は、「BrilliaCity横浜磯子」(全1,230戸)のマンション管理組合からタウンマネジメント業務を受託・運営する会社で、管理組合の下部組織として発足した。運営費は、管理費とは別に毎月1,000円の業務委託費として組合員から徴収するほか、イベントなどの売り上げなどを充当する。

 マンション管理組合理事長は、「マルシェは、地域コミュニティの向上、地域との交流をテーマに実施するもので、今後も継続してやっていきたい。街と地域の発展の一助になり、気持ちがいい親しまれるものとして定着させたい」と話した。理事長は都内出身、奥さんが横須賀市出身。子どもが誕生したことがきっかけでこのマンションの購入を決断。初代理事長として自ら手をあげたという。

 このほか、磯子区長や町内会・商店街の代表なども駆け付け、「ここは磯子プリンスホテルとして区民にとってはなつかしいところ」「人が増えないと街は発展しない」「磯子はシャッター通りになっているが、マンションの完成によって活性化されることに期待したい」「磯子地区は高齢化が進んでいるが、ものすごく若返った」などと話した。

 タウンマネジメント手法によるコミュニティ支援活動は最近増えており、よく知られる事例としては「Fujisawa SST(サスティナブル・スマートタウン)」のタウンサービスがある。コミッティ会員は会費(12,760円/月)を負担し、タウンマネジメント会社はFujisawa SSTコミッティ(住民自治会)に様々な支援やサービスの提供を行う。

IMG_0012.jpg IMG_0018.jpg 

IMG_0016.jpg

「Brillia City横浜磯子」竣工 料理の鉄人「中村孝明貴賓館」も併設(2014/2/25)

カテゴリ: 2014年度

100外観完成予想図01.jpg
「ザ・パークハウス上鷺宮」完成予想図 

 三菱地所レジデンスは4月4日、都内23区では過去最大級の第一種低層住居専用地域に位置する低層マンション「ザ・パークハウス上鷺宮」モデルルーム内覧会を行った。全261戸で、坪単価280万円。西武線では久々の高額マンションになる。

 物件は、西武池袋線富士見台から徒歩4分、中野区上鷺宮3丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率80%)に位置する地下1階地上3階建て(4層)全3棟261戸の規模。専有面積は62.75~108.00㎡、価格は未定だが、坪単価は280万円。完成予定は平成27年2月中旬。設計は三菱地所設計。施工は東亜建設工業。販売開始は5月上旬。

 敷地は元東京海上火災の社宅跡地。敷地面積は約18,000㎡、記録がある1997年以降では23区内で最大規模。

 敷地内には約800㎡のプライベートガーデンやライブラリーラウンジ、ゲストルーム、パーティルーム、キッズルームを設け、パン・カフェサービスも行う。建物は、街路に面した外階段をタイルと木彫ルーバーの2つの異なる素材を用いることで、建物全体が街並みとなるよう工夫している。天井高は各棟とも2,450~2,480ミリ。

 住戸プランは60㎡台から70㎡台、80㎡台、100㎡台をバランスよく配し、地下1階住戸には約8.3畳大の離れ付きも7戸設けている。

 挨拶した同社城西事業部長・吉田重郎氏は、「昨年10月に物件ホームページを立ち上げてから問い合わせは約3,000件、2月5日からの事前案内会には約700組の来場がある。第一種低層の住環境、駅4分の利便性のほか、ランドスケープデザイン、共用施設なども高い評価を得ている」と話した。

100グランドエントランス完成予想図.jpg
グランドエントランス

◇       ◆     ◇

 単価予想は完全に外れた。当初は坪270~280万円も考えた。ところが、西武線のひばりが丘や石神井公園の物件単価と売れ行きなどを考えると、どうもこの沿線はグロス6,000万円の壁があるような気がしてならないし、22~23坪だと坪270万円あたりに落ち着くのではないかと結論づけた。

 西武線を見くびっていた。読みが甘かった。西武線と副都心線・東横線の相互乗り入れ効果を過小評価してしまった。西武ライオンズファンとしても忸怩たる思いだ。恥じ入るばかりだ。

 モデルルームはよくできている。玄関の床は大理石、キッチン、洗面のカウンター天板は御影石(シーザーストーンもあり)。食洗機も標準装備。バルコニー手すりとサイクルポート付き住戸には、貼る角度を変えたオリジナルのロートアルミを採用している。

100外観・パブリックガーデン完成予想図.jpg  100外観・プライベートガーデン完成予想図.jpg
パブリックガーデン(左)とプライベートガーデン

カテゴリ: 2014年度

 

img_sample_cg.jpg
「ヴィークスクエア船橋高根台」完成予想図

 消費税が8%に引き上げられた4月1日、清水総合開発が分譲中の「ヴィークスクエア船橋高根台」を見学した。第一次取得層にとっては何とか取得できる希望の星、最後の砦のような存在だ。

 物件は、新京成線高根公団駅から徒歩10分、船橋市高根台3丁目に位置する7階建て全262戸。現在分譲中の住戸の専有面積は67.27~82.46㎡、価格は2,428万~3,278万円、坪単価は120万円前後。竣工予定は平成27年3月中旬。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 物件が位置する「高根台団地」は、昭和30年代にUR都市機構(当時日本住宅公団)によって開発された施行面積約73ha。計画戸数約5,000戸の千葉県内でも屈指の大規模団地で、建物が老朽化したのに伴い建て替え・再生事業が進行中だ。

 住宅の建て替えのほか、民間によるマンションや戸建て分譲のほか、商業施設、病院、高齢者支援施設、保育園・幼稚園、公園などが整備されることになっている。

 これまで民間マンションとしては、清水総合開発「ヴィークステージ船橋高根台」(130戸)が今年1月に竣工、すべて完売。戸建てとしては野村不動産「プラウドシーズン船橋高根台」(62戸)も残りはほとんどない。

 「ヴィークスクエア船橋高根台」の建物は南向きが中心に東向きと西向きの4棟構成。専有面積は平均74㎡で、設備仕様としてはディスポーザが標準装備。全戸平置き駐車場付きで、料金は無料。

 3月中旬から分譲開始されており、供給された140戸のうち半分の約70戸が契約済みだ。

◇       ◆     ◇

 都心から測れば近いとは言い難い。乗り換え時間などを入れれば1時間半くらいかかる。しかし、圧倒的な価格の安さがある。坪120万円でこれから建てられるマンションなど首都圏はおろか地方圏でも難しいのではないか。一次取得層にとっては最後の砦のような存在だ。

 現地販売担当者によると、「ヴィークステージ船橋高根台」は4か月くらいで完売となったそうで、坪単価は115万円くらいとか。今回は消費増税率3%を上回る4.3%の上昇だ。これでも長谷工コーポだから低く抑えられたと記者は見ている。

 今後のマンション用地としては「ヴィークスクエア船橋高根台」の隣接地約6,600㎡の入札が予定されているほか、さらに数百戸分に当たる用地が分譲されるようだ。戸建て用地としてはポラスグループが約130戸を分譲する予定。駅前の5,000㎡弱は商業施設用地となる。

IMG_9982.jpg
現地(左側がマンション敷地。街路樹はユリノキと思われる)

カテゴリ: 2014年度

main.jpg
「オーベル志村城山」完成予想図

 大成有楽不動産の「オーベル志村城山」を見学した。駅から徒歩3分の高台に立地する志村坂上の〝一等地〟マンションだ。

 物件は、都営三田線志村坂上駅から徒歩3分、板橋区志村二丁目に位置する9階建て全74戸(地権者予定住戸7戸を含む)。専有面積は62.29~101.68㎡、価格は未定だが、坪単価は230万円前後になる模様。竣工予定は平成27年2月中旬。施工は大成ユーレック。販売開始予定は5月下旬。

 現地は、駅近でありながら車などほとんど通らないマンションや戸建てが建ち並ぶ閑静な住宅街の一角。敷地の近くには、江戸時代に徳川吉宗が鷹狩りの際に立ち寄り、清らかな湧水を称えたという逸話を記す石碑が建っている。北側の道路との比高は約12mあり、眺望もいい。

 マンションのレベルも高い。建物基壇部には自然石を配し、エントランスホールには大理石にガラス素材を貼りつけた「光壁」を採用。

 住戸設計では、天井や壁際の梁の出っ張りを解消した「壁内蔵梁工法」や逆梁ハイサッシを採用。

 モデルルームは100㎡のオーダータイプ。同社のオリジナル商品を開発していく取り組み「O-range LABO(オレンジラボ)」から生まれた「オレンジ収納」をフル装備しているほか、大理石、御影石をふんだんに用いている。キッチンシンクはユーテイリティシンクを採用。ドア把手は壁面から出っ張らないようセットバック。物干しポールをリビングに取り付けている。「スマートマンション」認定も取得している。

◇       ◆     ◇

 販売事務所には驚いた。過去6~7年間の間に3度も訪れたことのあるところだったからだ。最初は野村不動産の、その次は三菱地所レジデンス(当時、藤和不動産)、3度目は大京のマンションだった。そして今回。同じ場所で異なる4社のマンションモデルルームを見学するのは記憶にない。

 過去に見学した3物件と比較しても今回が立地は一番いい。そこで記者がはじき出した単価は230~240万円。ほぼぴったりだった。一等地にふさわしい単価設定だ。

 毎回毎回、単価予想が的中することについて読者の方々は不思議に思うかもしれない。「嘘だろう」と訝るかもしれないが、現地取材を重ねると、単価が見えてくるのだ。単価予想が外れるようならよほど市場が激変しているか、記者の見る目がないかのどちらかだ。

 大成有楽不動産のマンションは飛躍的によくなっている。今回の見学でそれを確認することができた。「浦和」でも官庁街の一角で分譲するというので近く見学してまたレポートしたい。

residence_p01.jpg
完成予想CG

カテゴリ: 2014年度

main.jpg
「G/CLASSIC 山の手PJ」モデルルーム

商品企画は女性中心リーダー高荒氏は営業統括グループ長に昇格

 タカラレーベンの新ブランド「THE LEBEN」シリーズ第一弾「G/CLASSIC 山の手PJ」を見学した。JR山手線大塚駅から徒歩11分、比高差にして約9mの丘の上に位置し、敷地は江戸時代中・後期の大名で、肥前国平戸藩の第9 代藩主だった松浦清(まつらきよし)氏の私邸跡地。商品企画は女性メンバーが中心の部署が担当。単価320万円は割安感があると見た。

 物件は、東京メトロ丸の内線新大塚駅から徒歩9分、JR山手線大塚駅から徒歩11分、豊島区南大塚一丁目の第1種中高層住居専用地域に位置する地下1階地上5階建て全43戸。1期(8戸)の専有面積は58.71~80.15㎡、価格は4,998万~7,898万円。坪単価は320万円。竣工予定は平成27年3月上旬。施工は大和小田急建設。設計・監理はアーバンライフ建築事務所。3月30日に1期分譲が始まる。

 モデルルームは〝非日常を〟演出しているが、玄関床は天然大理石、キッチンカウンターは御影石かフィオレストーンか無料で選択できる。食洗機、ディスポーザ、食器棚、バックカウンターも標準装備。

 商品企画を担当したのは同社第4営業部。女性7人に男性2人の女性が中心の部署だ。物件の販売も担当する同部1課課長代理・岩元里江氏は、「用地は昨年取得。野村(克也)さんが『勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし』と話されたのは、もともとは清の随筆集『甲子夜話』が出典です。2月22日からモデルルームをプレオープンしており、来場者は約300件。巣鴨駅や六義園駅はフラットなのもセールスポイントのひとつ」と話した。

◇       ◆     ◇

 記者は、道すがらいつものように分譲単価をはじいた。320万円だった。表通りからなだらかな坂を上った。坂は長所でもあり短所だ。とりあえず坂の上まで上ってみようとのぼった。工事中のその一角だけが大きな区画のままであることからも、邸宅跡地であることがすぐわかった、。現地から周囲を眺めた。南西側は1階部分でも前面の建物の日影をほとんど受けないことが確認できた。敷地南側の法面には竹林が残っていた。これなら340万円でも行けるかもしれないと考えた。

 岩元氏から320万円くらいだと聞いて納得。腹八分目がいちばんいい。この単価なら文京区などの競合物件に負けないのではないか。

◇       ◆     ◇

 岩元氏とは他の現場でもお会いしているが、岩元氏が所属する女性中心の部署のリーダーは高荒美香氏だ。初めてお会いしたのは3年前だが、当時は次長だった。現在は営業本部第四営業部副部長で、この4月1日には同部営業統括グループ長兼営業推進部長兼営業企画室長に昇格する。

 同社は4月1日付で現社長の村山義男氏が会長に、副社長の島田和一氏が社長にそれぞれ就任するが、島田氏は高荒氏を以前から高く買っていた。全幅の信頼を寄せているようだ。

sub2.jpg
モデルルーム

タカラレーベン 「巣鴨」で同社初の高単価マンション(2011/2/7)

カテゴリ: 2014年度

IMG_5230.jpg
花牟禮氏

大規模修繕実行委員・花牟禮幸隆氏が改修の経緯などを語る

 マンションコミュニティ研究会(代表:廣田信子氏)は3月20日、多摩市の「エステート鶴牧4・5住宅」大規模修繕実行委員・花牟禮幸隆氏を講師に招き、国土交通省の平成24年度(第2回)「住宅・建築物省CO2先導事業」にも採択された「省エネ改修」について勉強会を行なった。

 「省エネ改修」は、工事を担当した長谷工リフォームと共同で提案したもので、住みながら屋根を含む建物躯体の外側を断熱材で包み込む外断熱工法やインナーサッシを採用することなどでコンクリートの寿命を2倍(45年から90年)に延ばし、CO2排出量を23%削減できるもの。共同住宅の省エネ改修のビジネスモデルとしての展開も視野に入れたプロジェクトとして評価された。

 「エステート鶴牧4・5住宅」は、多摩市鶴牧4丁目に位置する敷地面積約49,000㎡、壁式鉄筋コンクリート造の2~5階建て全29棟356戸の団地。建物完成は昭和57年3月(築32年)。工事期間は平成25年2月~26年3月。工事費は約11.6億円。このうち補助対象部分の50%が補助金で賄われ、1戸当たりの補助額は約100万円。

 花牟禮は、平成23年7月から屋根の葺き替えを中心とする大規模修繕の検討に着手したこと、一度は予算面で外断熱を断念したこと、長谷工リフォームの提案を受けわずか10日間くらいで提案書を作成したこと、4分の3同意を得るため臨時総会の直前までマンガによるニュースなどで説明を徹底させたこと、3億5,000万円の銀行融資を取り付けたこと(金利1.25%のうち1%は都の利子補給)、反対者は25人いたことなどを話した。

◇      ◆   ◇

 記者は、康和地所や明豊エンタープライズ、ナイスなどの新築マンションの取材を通じ外断熱のよさは分かっているし、同じ多摩ニュータウンには地元の建築のプロ集団が企画した「永山ハウス」もある。

 よさは分かっていたつもりだが、長谷工リフォームがこの「省エネ改修」のニュースをリリースしたときは驚いた。記者が住む団地は「エステート鶴牧4・5住宅」に近接しており、築年数も住棟構成もよく似ており、「まさかそんな大規模団地で、後付の外断熱なんかできるわけがないし、合意形成も難しい」と思っていたからだ。工事中の現場を何回か見た。外壁に断熱材を張る工事は気の遠くなるような工事に思えた。

◇      ◆   ◇

 花牟禮氏の話は、そんな疑問を吹き飛ばした。目からうろこだった。高経年のマンションはどのようにして価値を維持・向上させるか、いかに合意形成を図るべきかなどを教えてくれた。

 まず、団地の価値の維持・向上。大規模修繕は定期的に行なわなければならないのは当然だが、花牟禮氏は「単なる修繕では建物の老化と入居者の高齢化により魅力は低下し、資産価値は低下するばかり。建て替えも選択肢にあると考える人はいるかもしれないが、郊外では駅近辺や、都心部と違い、余剰床を売って資金を捻出しようなどということは絶望的」「改修により建物の維持を図る場合、内外の居住環境の向上、すなわち、建物の長寿命化や、外構、住戸内温熱環境等、住環境の性能アップを計るなどして資産価値をあげ、安心して快適に住み続けられるものにしないと若年購買層に対する団地間競争に勝てない」などと話した。

 合意形成について花牟禮氏は、「10年前から機会あるごとに団地の価値向上について話し合ってきた。約10人の理事は輪番制だが、10年間となると約100人と意識の共有ができたのではないか。」「価値の維持・向上は一つの団地だけでは限界がある。団地を取り巻く周辺環境が団地の魅力を増す。特に商業は重要であり、近隣の団地とも連携し、地元のスーパーを守ろう、盛り立てようと話してきた」などと語った。

 花牟禮氏は著名な設計会社「アール・アイ・エー」の東京支社設計担当参与を務める一級建築士でもある。建築のプロとして継続して入居者と接し信頼を得てきたのがプロジェクトを成功に導いたのだろう。記者は工事が終わった住棟の居住者から「暖房なんかぜんぜん使わなくても快適」という声を聞いた。

 アール・アイ・エーが設計したマンションでは、記者は首都圏不燃建築公社・三菱地所「パークハウス阿佐ヶ谷レジデンス」を思い出す。

後姿が美しい「パークハウス阿佐ヶ谷レジデンス」 「マンション環境性能表示」☆3つ(2010/3/8)

 

カテゴリ: 2014年度
 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン