「木の居心地を徹底追求・従来間取りを解体」 三菱地所ホーム リフォーム新提案
「KIGOCOCHI(キゴコチ)」イメージ図
三菱地所ホームは7月27日、マンションリフォーム新商品「KIGOCOCHI(キゴコチ)」のティザーサイトを同日オープンし、10月中旬に「三菱地所ホーム みなとみらいショールーム」をリニューアルオープンし、販売を開始すると発表した。
「KIGOCOCHI」は、「KI=木」から得られる「IGOKOCHI=居心地」の良さを徹底的に追求し、都市部マンション居住者向けに「木と寄り添う暮らし」を提案するもの。
デザインはトラフ建築設計事務所が監修。ポイントは①住まいに必要な機能を「コア」と定義し、国産ヒノキ材を使用し、木の塊(コア)として設計②狭い廊下と閉じた個室といった従来の間取りを解体し、柔軟で回遊性の高い空間を可能にする③人間の五感に訴えかける木のディティールや木の経年変化により、使い手に愛着をもたらす-としている。
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リリースには、「木の居心地」を「徹底的に追求」し、「従来の間取りを解体する」とある。意欲的なリフォーム提案のようだ。ショールームを10月中旬にリニューアルオープンするというから、見学して失火見学してレポートしたい。マンション向け全館空調「エアロテック」の外販も進んでいると聞いているので、これについても取材したい。
参考までに。昨日見学取材した、積水ハウスのモデルハウス「HUE(ヒュー)」の2階の8m×6mの無柱空間は全て「木」で覆われていた。家族構成やライフスタイル・サイクルによって間取りを自由に選べ、変更できるものだった。
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記事とは全く関係ないが、この前、ChatGPTに次の質問をした。
「XY軸の0の地点にウサギがいます。Y軸のプラス方向1000mの地点に犬がいます。ヨーイドンでウサギはX軸プラスの方向に時速1000mで走ります。犬はウサギが走る姿を見ながら時速2000mで追いかけます。犬がウサギに追いつくのは何分後でしょうか」
ChatGPTは瞬時に次のように答えた。
「まず、ウサギと犬の初期位置からの距離を計算します。ウサギはX軸の0の地点におり、犬はY軸のプラス方向1000mの地点にいます。このため、ウサギと犬の初期位置の距離は次のように計算できます:
初期位置の距離= √((X軸の距離)^2 + (Y軸の距離)^2)
初期位置の距離= √((0m)^2 + (1000m)^2)
初期位置の距離= √(0 + 1000000) ≈√1000000 ≈1000m
次に、ウサギが時速1000mで走るため、犬との相対速度は次のように計算できます:
相対速度= 犬の速度- ウサギの速度
相対速度= 2000m/h - 1000m/h = 1000m/h
ウサギと犬の初期位置の距離が1000mで、相対速度が1000m/hなので、犬がウサギに追いつくまでの時間は1時間(60分)です」
皆さんいかがか。記者は40年も昔、とても美しい中国人女性(国立大の留学生だった)に同じような質問をしたら、すらすらと答えた。〝日本は負ける〟と思ったものだ。
共用部をシェアする 小規模でも実現可能 コスモスイニシア「芦屋」が人気
モデルルーム
コスモスイニシアは7月18日、「イニシア芦屋レジデンス」(全27戸)の第1期2次(17戸)の登録申込受付を7月14日から開始したと発表。共用部をシェアする概念×生活の質の向上をめざした設備仕様とすることで、合理的で機能的なゆとりのあるライフスタイルを提案しているのが特徴。
物件は、JR芦屋駅北出口から徒歩8分、兵庫県芦屋市親王塚町の第1種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する4階建て全27戸。専有面積は34.01~141.09㎡、第1期2次(17戸)の価格は3,898万円~9,998万円。坪単価382万円。竣工予定は2023年6月。施工は村本建設。
1階の共用部分約180㎡に「シェアリング・パス」という動線を設け、ワークスペース・ラウンジ・シェアブックス・シェアシェルフ・シェアシンク・ランドリー・井戸付き奥庭などを配置。送り状(伝票)番号が通行キーとなる「ココ配」システムを導入し、インターネットなどで注文した荷物が不在時でも自宅前の戸別宅配ボックスに投函され受け取ることができるようにしている。外観デザインには50六丁掛けタイル、アプローチには淡路瓦を採用している。
同社は人気になっている要因として「共用部のシェアや空間設計とあわせて、周辺物件と比較した際の価格にもメリットを感じていただいている」としている。
外観
シェアリング・パス
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芦屋へは5年前、東急不動産「ブランズ芦屋 ザ・レジデンス」と大京「ライオンズ芦屋グランフォート」のマンションの取材で訪れている。今回の物件の所在地はよく分からないが、第1期2次で17戸を分譲するのだから、残りはわずかなのだろう。
注目したいのは、戸数が27戸の小規模物件でありながら、180㎡(延床面積の約7.3%)のスペースを共用施設に充てていることだ。その分レンタブル比は下がるが、販売促進に効果的なのは間違いない。同社は首都圏の物件でもこの種の共用スペースの充実を図っている。大規模物件では当たり前の施設をこのように中小規模でも設置できることを証明している。
シェアシェルフ(左)とワークスペース
奥庭
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物件とは関係ないことだが、26歳で今春の市長選に当選したことから、全国最年少市長として話題になった高島崚輔市長(26)は、JR芦屋駅南口で市が計画している市街地再開発計画(施行面積約1.1ha)を見直し、計画の第一目標は「花と緑あふれる街づくり」であることを打ち出した。
こんな再開発計画は他にないはずだ。特定建設者の応募登録者7月24日に決定される。どこが選定されるのか注目したい。
わが国初の大京NearlyZEHマンション 坪単価は東急「芦屋」の3分の1(2018/7/29)
首都圏の億ションに負けない 関西最高峰の坪610万円 東急不「芦屋」(2018/7/23)
「HARUMI FLAG」タワー棟 第1期573戸 平均15.3倍で即日完売 坪単価421万円
三井不動産レジデンシャルなど10社は7月18日、「HARUMI FLAG」の「SUN VILLAGE第二工区(タワー棟)」第1期(276戸)と「PARK VILLAGE 第二工区(タワー棟)」第1期(297戸)の合計573戸(総戸数1,455戸)の登録申し込み受付を7月8日(土)~7月16日(日)まで行い、登録申込数は8,790件となり、最高倍率142倍、平均倍率約15.3倍で全戸に申し込み(即日完売)が入ったと発表した。
好評につき、9月上旬からそれぞれ第1期2次のパビリオン見学会(完全予約制)を開始し、11月中旬に販売する。
「SUN VILLAGE 」の第1期276戸の専有面積は49.38~145.54㎡、価格は5,440万~32,790万円(最多価格帯6,800万円台・6,900万円台)、「PARK VILLAGE」の第1期297戸の専有面積は47.74~161.12㎡、価格は4,840万~34,990万円(最多価格帯6,100万円台)。坪単価は421万円。
国立市・富士見台団地建て替えへ 野村不・東京建物・URリンケージ
「国立富士見台団地マンション建替え事業」
参加組合員として事業参画している野村不動産、東京建物、URリンケージは7月12日、参加組合員として参画している「国立富士見台団地マンション建替組合」が施行する「国立富士見台団地マンション建替え事業」の権利変換計画の認可を2023 年6月23日に受けたと発表した。
同事業は、国立市初の「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」によるマンション建替え事業となり、事業は、「南北通路の再整備」や「地域貢献施設の整備」、「緑化計画」などが地域の快適性を高め、地域の街並み整備に寄与する計画であると認められ、一般基準の19mから特例基準の25mへ最高高さが緩和された。団地内の既存の雑木林であるコナラやクヌギ等の樹種を交え植えるスペースをつくり、自然環境の向上を持続的に担える緑地を整備する。
物件は、JR中央線国立駅からバス3分・徒歩4分(JR南武線谷保駅から徒歩 9分)の東京都国立市富士見台一丁目に位置する敷地面積約27,371㎡。建て替え前⇒建て替え後の延床面積は約17,106㎡⇒約47,811㎡、戸数は298戸⇒589戸(予定)。構造・規模は5階建て⇒8階建て。着工予定は2024年春、竣工予定は2026年度(予定)。建て替え前の竣工は1965年。コンサルタントは都市設計連合。設計は南條設計室、長谷工コーポレーション。
一次取得層に訴求「ちびまる子ちゃん」ZEH・商業施設隣接・大型 NTT都市開発他
「ウエリス八千代村上」
エヌ・ティ・ティ都市開発など5社が7月中旬に分譲開始するZEHマンション「ウエリス八千代村上」を見学した。大手町に直通約1時間、大型商業施設に隣接した、八千代市最大級の規模。イメージキャラに「ちびまる子ちゃん」を起用した注目物件だ。坪単価は190万円台に落ち着く模様で、販売動向が注目される。
物件は、東葉高速鉄道村上駅から徒歩3分、八千代市村上南1丁目の近隣商業地域に位置する敷地面積約23,292㎡、15階建て全967戸((Ⅰ工区:593戸、Ⅱ工区:374戸)。第1期(戸数未定)の専有面積は54.90~91.85㎡、予定価格は2,700万円台~6,400万円台(最多価格帯3,900万円台)、坪単価は190万円台になる模様。売主は同社(事業比率50%)のほか名鉄都市開発(同20%)、西日本鉄道(15%)、関電不動産開発(同10%)、東方地所(同5%)。建物竣工予定はⅠ工区が2025年2月上旬、Ⅱ工区が2027年3月下旬。駐車場は787台(市の付置義務)。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
現地は、駅前のイトーヨーカ堂、ユニクロなどが出店している45店舗からなる大型商業施設「Fululu GARDEN八千代」(5階建て延床面積 15,415坪)に隣接。敷地西側は国道16号線に面しているが、南側、東側はほとんどが道路を挟んで1低層のエリア。その幅は約29m。今回分譲対象の建物の1工区の建物はコの字型で、南向きが中心。住戸プランは67㎡、73㎡、70㎡の3プランで75%を占め、他は65㎡台の2LDKと84㎡~の4LDK。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented認定、直床、リビング天井高2500ミリ、ディスポーザー、床暖房、Low-E複層ガラスなど(食洗機、浴室タオル掛けはなし)。共用施設はロビーラウンジ、カフェラウンジ、プライベートガーデン、ワークルーム、フィットネスルーム、キッズルーム、パーティルーム、ゲストルームなど。
年明けにホームページを開設し、これまでのエントリー数は約1,400件。5月13日にモデルルームを開設して以降の来場者は約300組。
同社住宅事業部事業推進部営業推進担当部長・松木拓史氏は「ZHEマンションは関西圏で実績がありますが、首都圏では当社初。資料請求に対するモデルルーム来場者の歩留まり率が高く、関心をもっていただけている。価格は近く正式に決めますが、坪200万円を切り、190万円台になんとか抑えたい」と語り、ちびまる子ちゃんの起用については「これだけの規模ですので、集客力をたかめるため、結婚したての女優さん数人も検討しましたが、メインターゲットのファミリー層への訴求力を考えて起用しました」と語った。
販売事務所エントランス(左からたまちゃん、まるちゃん、花輪くん)
販売事務所外観
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これまでも記事にしたように、記者はこの「ちびまる子ちゃん」マンションと、大和ハウス工業「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」(481戸、この他全体で約850戸)、ポラス「ルピアグランデみずほ台(トレジャータウンプロジェクト)」(304戸)・東京建物他「Brillia City ふじみ野」(708戸)の郊外大型3物件に注目している。施工は長谷工コーポレーションで、東京までの距離(時間)は約1時間と言うのが同じだからだ。3物件合わせると戸数は2,829戸にも達する。常識的に考えたら、全物件が完売するまで最低5年はかかりそうだが…。
単価は、大和ハウスは強気で坪単価は250万円くらいを予定しており、「みずほ台」は180万円台の半ばになるようだ。「ちびまる子ちゃん」は当初210万円くらいかと読んでいたが、それより安くなるのに納得した。ここで比較するのは控える(「昭島」と「みずほ台」の記事を読んでいただきたい)。
この物件もZEH-Mだが、パンフレットもホームページもそれほど大きく扱っていない。東葉高速で初のZEH-Mのはずだ。もっとアピールすべきだ。
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記者の関心事はもう一つあって、人気アニメの効果だ。最近はなくなったが、以前は人気タレントを起用したマンションがたくさん供給された。
記者が今でも鮮明に覚えているのはオードリー・ヘップバーンを起用した有楽土地「ティアラシティ」で、そのことを話したら、松木氏は関西の物件でわたせせいぞう氏のイラストを起用して成功した実績があると話した。そして、ジャン・レノを起用した東京建物「Brilliaタワー東京」が印象に残っているとも話した。
ただ、人気アニメとなると、記者は「アルプスの少女ハイジ」がリゾートマンションで起用されたのしか知らない。
実存の著名人は広告料も高く、不祥事を起こすリスクもあるから、人気アニメは効果が大きいのではないか。ちびまる子ちゃんの契約は1年間だそうだから、継続するのかそれとも変更するのか。
「Fululu GARDEN八千代」
建設現場(「Fululu GARDEN八千代」2階から写す)
イメージキャラに「ちびまる子ちゃん」 NTT都市など5社JV「八千代村上」(2023/1/14)
1階天井高2800ミリ、30㎡のルーフテラス付き9戸 日本エスコン「茅ヶ崎東海岸」
「レ・ジェイド茅ヶ崎東海岸南」
先に紹介した「レ・ジェイド新横浜」に続いて「レ・ジェイド茅ヶ崎東海岸南」。地元の人にはよく知られている「SPORTIFF」のカフェ跡地の低層マンションで、1階住戸のリビング天井高を2800ミリとし、3階は30㎡のルーフテラス付きとした商品企画が素晴らしい。
物件は、JR茅ヶ崎駅から徒歩15分、茅ヶ崎市東海岸南2丁目の第1種住居地域、第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域(建ぺい率63.18%、容積率131.76%)に位置する3階建て全31戸。専有面積は56.95~120.19㎡、坪単価は320万円。設計・監理はコモン・リンク一級建築士事務所。施工は鉄建建設。竣工予定は2023年11月下旬。販売代理は大和地所レジデンス。
1月にホームページを開設し、これまでのエントリー数は1,000件、4月10日からオープンしたモデルルーム来場者は150~160組、20戸が成約・申し込み済み。
敷地は、地元によく知られた、「キング・カズ」こと三浦知良氏の奥さん三浦(旧姓・設楽)りさ子さんがモデルになっているカジュアルブランド「SPORTIFF」のカフェ跡地。
建物は内廊下方式で、1階は店舗と南向き・南西角住戸6戸と北西角の1戸、2~3階は南向き・角住戸の7戸と北向き・角住戸の5戸。3階の9住戸は約30㎡のルーフテラス付き。2階は最大奥行き2300ミリのバルコニー付き。
主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2800ミリ(1階)、2450ミリ(2階)、2500ミリ(3階)、2200ミリハイサッシ、フィオレストーンキッチン天板、食洗機など。
同社開発事業本部首都圏企画販売部チーフ・望月洸氏は「『ボールパーク』効果も大きい。来場者の約6割は茅ヶ崎、藤沢市居住の地元の方ですが、いずれ湘南に住みたいと考えていらっしゃる都内居住者の方も多く、販売は順調。浸水ハザードマップに該当しないのもアピールポイントです。100㎡超の7戸も2戸が成約済みで、他も商談中。高額だからといって悲観はしていません。販売代理に大和地所レジデンスさんをお願いしたのは、湘南での販売実績が豊富だから。今後は当社単独で販売できるよう体制を整えています。戸数は追わず質を確保していきたい」と語った。
モデルルーム
モデルルーム
モデルルーム ギャラリー
モデルルーム
2階バルコニー
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販売事務所は、大和地所レジデンスがモデルルームとしていた「ヴェレーナグラン茅ヶ崎東海岸」と同じ場所で、建物の外観もほぼ同じ。内装は日本エスコンの物件に採用しているものと同じにするため模様替えされていた。
モデルルームは間口8750ミリ、専有面積95㎡のスクエアタイプ。小家族居住を想定して2LDKとして提案したものだが、カラーリング、デザインが素晴らしい。1億円超でも検討者を納得させる提案であるのは間違いない。
他の住戸も間口は最低でも7150ミリ確保し、アルコーブ・玄関をゆったりとっているのも目を引いた。坪単価320万円は安くないと思うが、納得させるプランだ。
これまで供給された大和地所レジを含めた「茅ヶ崎」の高額物件を研究した結果だろう。
約30㎡のルーフテラス(居室ではないが、広さは都心部の3,000万円のワンルーム分もある)
市の環境設計制度の適用受ける 坪単価340万円で販売好調 日本エスコン「新横浜」
「レ・ジェイト新横浜」
日本エスコンが分譲している「レ・ジェイト新横浜」「レ・ジェイド茅ヶ崎東海岸南」のモデルルームを見学した。「新横浜」は、市の市街地環境設計制度の適用を受けており、「茅ヶ崎東海岸」は第一種低層住居専用地域に位置する低層マンション。前者は立地、後者は環境に恵まれている。
まず「新横浜」から。物件はJR・横浜市営地下鉄ブルーライン・相鉄・東急新横浜線「新横浜駅」から徒歩9分、横浜市港北区新横浜1丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率600%)に位置する15階建て190戸(このほか店舗・事務所・地域開放集会室)。先着順で分譲中の第1期1次(59戸)の専有面積は30.10~77.68㎡、価格は2,760万~8,490万円、坪単価340万円。竣工予定は2025年2月。設計・監理・施工はファーストコーポレーション。売主は同社(事業比率85%)のほかファーストコーポ(同15%)。
敷地南東側は6車線の環状二号線、北東側は市道にそれぞれ接道。従前はパチンコ屋。建物は内廊下方式で、標準階の住戸プランは南東向きファミリータイプが6戸、北東向き単身者・DINKSタイプが8戸。
横浜市市街地環境設計制度の適用を受け、建物は敷地境界線から約5m(道路舗道を含め約10m)セットバックさせて建築し、地域住民に開放する集会室を設けることなどから、高さ規制11階建て(30m)から15階建て(45m)の緩和を受けている。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、ディスポーザー、食洗機、Low-Eガラス、全戸備蓄倉庫など。共用部には地域住民に開放する集会室のほか、様々な防災対策を施している。
これまでエントリー数は約2,000件、3月4日に開設したモデルルーム来場者は約350件。5月末に供給した第1期50戸のうち契約済みは40戸で、他もほぼ申し込み済み。販売は好調に推移している。
同社開発事業本部首都圏企画販売部チーフ・山﨑泰史氏は「来場者の約3割が地元港北区で、広域から集客できているのが特徴です。相鉄・東急新横浜線の開業も後押ししています。1LDKタイプは資産性を重視したセカンド・投資需要もあります。私は『ボールパーク』の第1期販売を担当していますが、その効果は『新横浜』にも表れています。当社の認知度は飛躍的に高まっています」と語っている。
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モデルルームを見学する前、坪単価はボトムで350万円とはじいた。幹線道路に面し、後背地にラブホテルがあるのは難点だが、相鉄・東急新横浜線の開業で利便性が高まり、新幹線を利用すれば東京駅まで16分(乗車券510円+自由席870円)だ。在来線より料金は倍以上だが、時間は往復で1時間くらい短縮できる。時給に換算するとお釣りが出る。座れるかどうかは分からないが、喫煙室もある。最近の人は〝タイパ〟を重視されるようだから、これは魅力だ。(4年前、ナイスの『新横浜』を取材しているが、坪単価は270万円だった)
実際は340万円。予想より低かったが、欲をかかないということだろう。ラブホテルだが、新横浜北部地区まちづくり協議指針に基づきエリア一帯は「商業住宅複合ソーン」に指定されており、風俗施設などは新たに建てられない。マンション化が進むとみられる。駅南側の再開発計画も進行している。
横浜市市街地環境設計制度について。同制度は、敷地内に歩道や広場(公開空地)を設けるなど、総合的な地域貢献を図ることを条件に、建築物の高さや容積率を緩和する制度で、昭和48年に導入されてからこれまで約500件(令和4年12月現在)が認定されている。約50年で約500件だから、年間10件程度(うち共同住宅は8割くらいか)。同制度の適用を受けたマンションを何件か取材しているが、総じてレベルは高い。
モデルルーム
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山﨑氏は、同社の記念碑的マンション「レ・ジェイドつくばStation Front」と「レ・ジェイド北海道ボールパーク」の販売を担当したと語ったので、ネットで検索したら、You Tubeで山﨑氏の動画が紹介されていた。同社の販売担当で3本指に入る実績を上げたのが評価され、最年少でチーフに昇格した若手のホープのようだ。
なるほど。説明がとても丁寧で誠実さが伝わってきた。のちに紹介する「茅ヶ崎東海岸南」担当の望月洸氏も素晴らしいコメントを残した。同社は、自社のみで販売できる体制を目指すそうだ。
全戸に防災備蓄庫が設けられている(記者はこのような大きなものを初めて見た。先日は「防災」をテーマにしたポラスの分譲戸建てを見学したが、このようなニーズはあるのか)
購入者の4割が道外 日本エスコン 日ハム新球場に隣接マンション118戸完売(2022/9/21)
坪235万円でも7割近い144戸成約100㎡超58戸も人気 日本エスコン「つくば」(2021/4/24)
駅1分の利便性・資産性受けたか 県外が5割 日鉄興和「羽沢横浜国大」好調スタート(2022/6/25)
ナイス 免震「新横浜」 好調スタート 第一期35戸完売へ(2019/10/31)
容積余し、緑地率30%確保など市の規制クリア リスト「センター南」第1期好調
「リストレジデンスセンター南パークサイドテラス」
リストグループのリストデベロップメントが6月18日に抽選分譲する「リストレジデンスセンター南パークサイドテラス」のモデルルームを見学した。
物件は、横浜市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン「センター南」駅から徒歩12分、横浜市都筑区荏田東2丁目の第2種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率150%)に位置する5階建て全64戸。第1期(20戸)の専有面積は66.40~85.35㎡、価格は6,090万~8,790万円、坪単価は329万円。抽選日は2023年6月18日(日)。竣工予定は2024年7月下旬。設計・監理はアーキタンツ一級建築士事務所。施工は大勝。
敷地は日立の研修所跡地。市の港北ニュータウン街づくり協議指針では、大学、研究所などの「核的施設用地」の敷地は緑地率30%以上、既存樹の保護、敷地内の無電柱化、外壁はアースカラーなどの規制があるが、同社は市と協議し、容積率を約120%に抑え、緑地率を30%確保し、敷地内の樹木の維持・管理を行うこと、外観はアースカラーとすることなどで、用途変更をせずに集合住宅の建築を可能にした。敷地西側は緑道「ささぶねのみち」、敷地東側と北側は第一種低層住居専用地域。
建物は東・南・西の3棟構成で、住戸プランはファミリー向け70㎡台中。主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2500ミリ、食洗機、Low-Eガラス、スロップシンク、良水工房、ガス乾燥機「乾太くん」、物干しポール、トランクルーム、ウォールドア、浴室タオル掛け2か所など。管理方式も、従来の理事会方式でなく第三者管理方式を採用。役員にならなくて済むことから共働き世代や若い世代に好評のようだ。
反響は約500件、4月29日オープンしたモデルルーム来場者は150組、6月10日から登録申し込みを受け付けた第1期(20戸)は15日現在、都筑区居住者を中心に15戸に申し込みが入っている。
同社販売チーフ 岩島誠氏は「既存樹と緑道に面した西側住戸には複数の申し込みが入っており、抽選になる可能性があります。南側住戸も建物をセットバックさせ、前建とは20mくらい隔たっていますので、まんべんなく登録が入っています」と語った。
モデルルーム
バルコニー
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坪単価は予想通り。2年前、「センター北駅」から徒歩2分の積水ハウスの物件は坪334万円だったので、その後の市況の変化、駅からの距離などを考えて坪単価は330~340万円くらいだと予想した。
強気な価格設定も可能だろうが、同社は竣工完売を目指すため抑制したようだ。設備仕様レベルも水準以上。
ガス乾燥機「乾太くん」
リスト 人気の「センター南」販売チーフ・岩島 減量に成功「体調は万全」(2023/6/16)
積水ハウス 同社の首都圏初のZEH「センター北」好調スタート/20年間の記事も再録(2021/2/3)
東武東上線初のZEH、三芳町の魅力を伝えきれるか ポラス「みずほ台」
ピアキッチン
ポラスグループの中央住宅は6月2日、同社初&東武東上線の200戸超のマンションで初のZEH-M Oriented認定を取得している「ルピアグランデみずほ台(トレジャータウンプロジェクト)」の分譲を6月12日に開始すると発表した。同日、メディア向け見学会を行った。
物件は、東武東上線・東京メトロ有楽町線・副都心線みずほ台駅から徒歩16分、埼玉県入間郡三芳町竹間沢字新開の工業地域に位置する10階建て全304戸。6月12日(月)に抽選分譲する第1期(50戸)の専有面積は58.73~83.16㎡、価格は2,798万~5,198万円(最多価格帯3,900万円台)。坪単価は未定だが、70㎡で3,900万円台(≒184万円)になる模様。竣工予定は2024年7月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。管理は長谷工コミュニティ。販売代理は長谷工アーベスト。
敷地は木村屋製パン所の工場跡地で、幅員20mの北側道路に接道。建物はL字型で、標準階31戸のうち南東向きが24戸、南西向きが7戸。住戸プランは58㎡台の2LDKが20戸、80㎡台の4LDKが28戸で、他は70㎡中心の3LDK。3LDKのスパンは6200~6400ミリ。
主な基本性能・設備仕様は、一次エネルギー26%を削減するZEH-M、扁平梁、直床、リビング天井高2450~2550ミリ、ディスポーザー、食洗機、食器棚付きピアキッチン(148戸)、リビング・居室床暖房、浴室タオル掛け2か所などのほか、同社オリジナルの「ポラスのしあわせメソッド」をフル装備。共用施設・サービスではコミュニティラウンジ、キッズルーム、屋外ワークスペース、ワーキングスペース、シェアリング倉庫、リサ育スペース、コミュニティプラットフォーム「GOKINJO」など。管理は長谷工コミュニティの第三者管理方式を採用する。
見学会に臨んだ同社取締役・成瀬進氏は、「当社が商圏とする埼玉や千葉の第一次取得層向けのマンション市場は安定して推移している。前期の供給戸数は311戸だったが、今年度は倍増させる計画で、うちコンパクトタイプは3割を予定している。デザイン、商品企画に磨きをかけ、他社との差別化を図っていく。ZEH化は2025年までに8割を目指す。このほか、チャンスがあれば再開発や建て替え、買取再販も手掛けていく」と語った。
販売代理の長谷工アーベスト東京支社販売第二部門のプロジェクトマネージャー・朝田美佳子氏は、「これまでの資料請求は400件、4月15日にオープンしたモデルルーム来場者は181組。約6割は第一次取得のファミリー層で、4割は住み替え希望層。ピアキッチンなど〝唯一無二〟の商品企画が評価されています。第1期50戸の即日完売を目指します」と話した。
イメージパース
浴室タオル掛け2か所
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同社のマンションはかなり取材している。直近の記事「ピアキッチンだけでない ポラスのマンションはなぜ売れるのか 中央住宅『和光本町』」を参照していただければ、同社のマンションの特徴は分かっていただけるはずだ。
モデルルームを見学した率直な感想を言えば、他の競合しそうな物件と比べたら、何よりもZEH-Mが優れているものの、同社の最大の〝売り〟であるピアキッチンをはじめ、ドアはソフトクローズ機能付きではなく、トイレのちょい置きスペースもないことなどから、仕様レベルは最近の物件と比較して落ちると判断した。
この点について、同社マンションディビジョン部長・中島教介氏と話しあった。東武東上線ではトータルで2,000戸くらいが分譲されており、大激戦であることから価格を抑え、仕様も落としたのかとストレートに聞いたら、中島氏は「ピアキッチンの仕様はこれまでのシナ合板ではないものを採用したが、価格は同程度」と話した。また、中島氏の隣にいた長谷工アーベスト東京支社販売第二部門販売一部エリアマネージャー・吉田康一氏も「当社(長谷工コーポ)の施工比率は7割くらいではないか。競合しそうな他の大型物件もコンスタントに売れているが、設備仕様レベルは『みずほ台』がもっとも高い」と語った。
記者はこの吉田氏の言葉は外交辞令ではないと受け止めた。ポラス仕様ではないかもしれないが、東武東上線の物件と比較して見劣ることはないはずだ。
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感心したのはマンションギャラリーの演出だ。ギャラリー内には所狭しとばかり、三芳町の特産品や生息する昆虫類の模型が展示されていた。町の魅力(宝物)を探ろうと、中島氏や吉田氏ら12~13名のスタッフが自転車を借りて丸一日、町内を駆けずり回り、調べ上げたものだという。同社マンションディビジョン参事・湯村元昭氏が「物件名を〝トレジャータウン〟としたように、わくわくする仕掛けを施した」と語った通りだ。
いくつか列挙する。ホタル、カワウソ、アメリカザリガニ、オニヤンマ、クワガタ、カブトムシ、フクロウ、テントウムシ、カマキリ、カメ…皆さんは馬鹿馬鹿しいと思うかもしれないが。中島氏自身も「大変楽しかった。癒された」と語ったように、小生はとても大事なことだと思う。童心に還って自然を観察することは、人間を知ることにもつながる。来場者に物件特性を伝えるのは当然だが、〝ここに住めばどのような生活ができるか〟を担当者が説明できなければ、来場者の心をつかむことはできない。上記した昆虫類のうち23区に生息しているものはどれくらいあるか。人口一人当たりの図書の貸し出し冊数は21年連続埼玉県1位であることも紹介された。
取材の帰りには、JAいるま野とサクマ製菓が共同開発した「さつまいもみるく」を頂いた。1個食べてみた。確かにサツマイモの味がした。町には「いも街道」があるそうだ。(「イモ!」ではない)
この演出を見て、予想していた坪単価170万円を同社が予定している184万円から190万円に上方修正した。ZEHのよさをしっかり説明できるか、町の魅力を伝えきれるかが勝敗のカギを握る。
小生は、今年の郊外マンションで、東(千葉)の「ちびまる子ちゃん(ウエリス八千代村上)」、西(東京)の「昭島(プレミスト昭島 モリパークレジデンス)」、そして北(埼玉)の「みずほ台(ルピアグランデみずほ台)」と「上福岡(Brillia City ふじみ野)」の大規模物件に注目している。施工が同じ長谷工コーポで、東京駅へ1時間圏というのが同じだ。4物件を合わせると約2,830戸だ。年間に売れるのは常識的に考えたら1物件当たり150戸として4物件で600戸くらいではないか。全部売れるまで4.7年もかかる。そんなことにならないよう祈るほかない。成瀬氏は来期(2025年3月)までの完売を目指すと話した。
マンションギャラリー掲示板(ここに住めばこんな自然に触れられる)
左から小生の親指ほどもあるホタル、伊勢海老かと思ったザリガニ、実物に近いカマキリ
左から絶滅したと思っていたオニヤンマ、木に登るカメ、精巧なカブトムシ
左から巨大フクロウ、ロブスターか、かわいいテントウムシ
サツマイモの味がする「さつまいもみるく」
三井不レジ&三井不 大阪・堂島の一等地でマンションとホテルの複合開発着工
「(仮称)大阪市北区堂島浜二丁目計画」
三井不動産レジデンシャルと三井不動産は6月1日、同社初の分譲マンション(513戸)とホテル(220室)の複合プロジェクト「(仮称)大阪市北区堂島浜二丁目計画」を同日着工したと発表した。建物竣工、ホテル開業は2027年春の予定。
物件は、JR大阪駅から徒歩11分、大阪市北区堂島浜二丁目に位置する敷地面積約5,755㎡、40階建て。主用途は分譲共同住宅・ホテル・飲食店舗・事務所など。設計・施工は清水建設。外観デザイン監修はホシノアーキテクツ。
分譲マンションの共用部、専有部、ホテルを含む1棟全ての電力を実質再生可能エネルギー100%の一括受電システムで賄い、分譲マンションはZEH-M(ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション)の認証を取得する予定。ホテルは三井不動産ホテルマネジメントが「三井ガーデンホテルズ」のプレミアシリーズとして運営を行う。
両社は「水都大阪を象徴する堂島川のリバーフロントの好立地を生かし、大阪の未来を担う革新的なプロジェクトを目指す」としている。
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現地はおおよその見当がつく。東京建物「Brillia Tower 堂島」の販売事務所に近いはずで、対岸には日銀大阪支店、大阪市役所、府立図書館、中央公会堂などの公的施設がある。最高の立地条件だ。東京でいえば、日本橋川、神田川、目黒川に面した都心のどこかだろう。
この立地なら、坪単価は650万円でも圧倒的な人気になった「Brillia Tower 堂島」より上回るのは間違いない。大阪駅近接の「グラングリーン大阪(うめきた二期)」(482戸)は坪単価1,000万円くらいではないかと小生は踏んでいるのだが、これに次ぐ価格になるのではないか。
物件のファサードデザイン監修は建築家・星野裕明氏が代表を務める「ホシノアーキテクツ」だ。星野氏と言えば、同社の「パークコート渋谷ザ・タワー」「パークタワー勝どきミッド/サウス」「パークコート渋谷北参道ザ・タワー」「ガーデンヒルズ三田」「東京ミッドタウン日比谷」なども手掛けている。これだけでも力の注ぎようがうかがい知れる。
〝どう見ても美しい〟大阪の市場を変える 東京建物「堂島」は坪単価650万円(2021/11/25)