地区計画により日照・眺望担保 最上階135㎡は37,498万円 東建「自由が丘」人気
「Brillia 自由が丘」
東京建物が分譲中の「Brillia 自由が丘」を見学した。自由が丘駅から徒歩2分の全61戸で、坪単価800万円を超える住戸もあるが、希少立地であることから、モデルルーム来場者は500組を超えるなど圧倒的な人気を呼んでいる。
物件は、東急東横線・大井町線自由が丘駅から徒歩2分、世田谷区奥沢五丁目の近隣商業地域(容積率300%)に位置する敷地面積約1,445㎡、7階建て61戸。専有面積は32.77(5戸)〜135.69㎡(1戸)、坪単価は700万円台の前半から半ばが中心だが、コンパクト、ファミリー、富裕層向けのタイプによってかなり差異がある。現在、先着順で分譲中の住戸(2戸)の専有面積は88.80・135.69㎡、価格は21,998万円・37,498万円。4月上旬販売予定の第2期3次(戸数未定)の専有面積は32.77~75.18㎡。価格は未定。竣工予定は2024年4月中旬。設計・施工は三井住友建設。デザイン監修はSKM設計計画事務所。
昨年6月に物件ホームページを立ち上げ、9月にモデルルームオープン、販売開始は12月から。駅徒歩2分圏の物件は22年ぶりとかで、これまで約4,200件のエントリーがあり、モデルルーム来場者は500件超。実需、投資、セカンドユースなど多様な層から支持を得て、これまでに47~48戸が成約・申し込み済み。コンパクトタイプ中心に10戸は未分譲。
現地の用途地域は近商だが、地区計画により高さ規制が21mと定められているエリアの一角で、敷地は東南の角地。同社グループの東京建物不動産販売が所有していた賃貸マンション跡地で、相対で同社が取得。敷地西側は魚菜学園が入居するビル、東側は道路を挟んで無印良品の店舗ビル。
建物の1階は店舗、エントランス、駐車場などの共用部分で、住戸は2階以上。2~6階の1フロア住戸構成は10~11戸で、うち4タイプは隣接ビルの日影などの影響を受けるコンパクトタイプ。最上階は7戸で、東南角住戸は135㎡。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented認定、シーザーストーンキッチン天板、カップボード、リビング天井高2400ミリ、食洗機、ディスポーザー、LDK・居室床暖房、Low-Eガラス、樹脂サッシ(一部除く)など。
販売担当の同社住宅営業第一部営業グループ課長代理でゲストサロン所長・飯野哲朗氏は「アンケート調査を行った結果、ZEH-Mについても高い評価を頂きました」と語った。
エントランスホール
モデルルーム
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同社と三菱地所レジデンスが自由が丘でマンションを分譲することを知ったとき、坪単価は最低で700万円を突破すると予測した。記者などは柄でもないので住みたいとは思わないが、〝住みたい街〟やら〝住んでみたい街〟ランキングにいつも上位にランクされているのはよく分かるからだ。〝ハイソ〟とはこのような街のことをいう。
同社のモデルルームは〝ハイソ〟にピッタリだ。もう売れてしまってないという82㎡のメロウ・グレージュのカラーリングは自由が丘ファンには受けそうだ(そんな人がいるのかどうか知らないが)。
坪単価を聞いて納得もした。駅から徒歩2分で、すぐ目の前は桜並木が美しい九品仏川緑道だ。敷地南側は高さ規制21mがあるので、上層階の日照・眺望も担保されている。欲しい人にとっては単価など関係ないはずだ。
(千代田区番町地区では、地区計画で建築物の高さが60mと定められているが、日テレの所有地を切り離し、高さを90mにする地区計画変更を巡って紛糾しているが、そもそも地区計画はみんなで決めたルールなので、よほどのことがない限り変更するものではないと記者は思う)
建築現場
九品仏川緑道
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今回の物件と目と鼻の先で、コンパクトタイプ中心の三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス 自由が丘フロント」32戸も昨秋取材を申し込んだのだが、瞬く間に売れたようで取材は実現しなかった。
坪単価は700万円を切っていると聞いたのでびっくりした(坪680万円くらいか)。よほど立地条件に難があるのかと思ったが、そんなことはない。東京建物の物件に引けを取らないと思う。
自由が丘駅圏では東急不動産もマンションを分譲すると聞いている。こちらも単価は700万円を突破するはずだ。
商業・医療・子育て・住宅の複合再開発「プラウドタワー川口クロス」竣工 野村不
「川口栄町3丁目銀座地区第一種市街地再開発事業」
野村不動産は3月22日、参加組合員として事業参画している「川口栄町3丁目銀座地区第一種市街地再開発事業」が同日竣工したと発表した。
事業は、JR京浜東北線川口駅から徒歩3分、川口市栄町三丁目に位置する敷地面積9,069㎡、28階建て延床面積約66,572㎡。主要用途は住宅、店舗、事務所、医療施設、子育て支援施設、駐車場、駐輪場など。住宅は専有面積46.63~115.77㎡、坪単価は340万円。設計・監理はINA新建築研究所。施工(特定業務代行者)は前田建設工業・埼和興産共同企業体。商業コンサルタントは野村不動産コマース。入居時期は2023年3月下旬。商業施設は5月24日グランドオープンする。
同プロジェクトは2006年6月に勉強会が発足し、2017年5月に都市計画決定、2018年3月に再開発組合設立認可、2020年2月に工事着手。約17年の歳月を経て竣工した。
①商店街の活性化②地域貢献③地域分断化への配慮④歩行空間の充実を図り、1~3階は商業・業務施設(樹モールプラザ)、4~28階は総戸数481戸のマンション「プラウドタワー川口クロス」を整備した。物件は川口市の「低炭素建築物認定」を受けており、30代を中心に単身世帯からファミリー、シニア層まで幅広い層に評価されているという。
エントランス
サ高住・介護付きシニア住宅開発に加速 三井不レジ「千里中央」548室開業
「パークウェルステイト千里中央」
三井不動産レジデンシャルは3月23日、大阪府最大規模となる豊中市の全548室の住宅型有料老人ホーム「パークウェルステイト千里中央」を3月27日に開業すると発表した。「パークウェルステイト」シリーズとしては2019年開業の「浜田山」(70戸)、2021年開業の「鴨川」(473室)に次ぐ第三弾で、関西圏では初となる。同社は来年秋開業予定の3物件を合わせ6物件2,695戸・室を開業する。
物件は、北大阪急行線千里中央駅まで専用シャトルバスで約10分、千里中央駅から梅田駅までは電車で19分、大阪府豊中市北緑丘1丁目に位置する敷地面積約17,909㎡、延床面積約45,120㎡、13階建て居室数548室(一般居室470室、介護居室78室)。一般居室の専用面積46.69~78.95㎡、料金は入居一時金3,135万~7,940万円(78歳・一人入居の場合)。竣工は2023年2月。設計・施工は長谷工コーポレーション。
2021年7月にHPを開設後、約3,500件の問い合わせがあり、申込件数は約220件。申込者の居住地は豊中市約20%、吹田市約15%、大阪市約15%、兵庫県約15%、その他約30%。年齢は60歳代約10%、70歳代約40%、80歳代以上約50%。人数は1人70%、2人30%。男女比は女性70%、男性30%。
大規模物件にふさわしいエントランスホール、広い空間と高い天井高とし、ラグジュアリーな空間を演出しているほか、ダイニングやバーカウンター、水景や松などの植栽を臨む「離れ」、箕面の山々を眺められる「屋上庭園」などを設置。
入居者同士のコミュニティを図る共用施設では、露天風呂、ジャグジー、低温サウナ、数種類のシャワーが時間差で流れ落ちアロマが香る「エクスペリエンスシャワー」を備えた大浴場、約1,500冊の書籍を取り揃えたライブラリー、多目的ホール、フィットネスルーム、ビリヤードルーム、麻雀ルーム、カラオケルーム、シアタールーム、演奏室など。「季節湯」や「子ども食堂」など地域とのコミュニティを育むイベント、サークル活動などによりアクティビティの場を創出する。
医療・介護サービスでは、医療法人との医療連携のほか、併設クリニックと薬局が電子的に処方箋を連携することにより、入居者の利便性を向上し、介護専用フロアの設置、24時間常駐の見守り・生活支援サービスを提供する。
健康サポートでは、エイジングケアサポートプログラムや脳・活性化プログラム「i トレ」、三井住友銀行が運営する医療版情報銀行アプリを導入(大阪大学医学部附属病院監修)し、予防医療から先進医療、薬・介護まで連携した新たな地域医療サービスを提供する。
メインエントランス(左)とラウンジ
ダイニング(左)とサロン
離れ(左)と屋上庭園
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この前の、今後7年間で3,000室以上を供給するという旭化成ホームズの自立~フレイル期シニア向け賃貸住宅「へーベルVillage」記者発表会も驚いたが、コンセプト・ターゲットは異なるとはいえ、三井不動産レジデンシャルの「パークウェルステイト」もまた凄い。
今回の「千里中央」と開業済みの「浜田山」「鴨川」、2024年秋開業予定の「湘南藤沢」(566室)「西麻布」(421室)「幕張ベイパーク」(617室)をトータルすると6物件で2,695戸・室だ。
大浴場(左)と介護フロアリビング
ウェルネスリビング
健康寿命延伸に効果発揮 旭化成ホームズ シニア向け賃貸「へーベルVillage」(2023/3/22)
サ高住の最高峰「浜田山」を超える 三井不動産36階建て421室「西麻布」着工(2021/6/7)
サ高住の最高峰 月額賃料は約94万円(59㎡) 三井不レジ「浜田山」竣工(2019/5/29)
みどりの価値再認識すべき 三菱地所レジなど6社JV「多摩センター」は坪252万円
「THE GRAND CROSS多摩センター(ザ・グランクロス多摩センター)」
三菱地所レジデンスなど6社JVの「THE GRAND CROSS多摩センター(ザ・グランクロス多摩センター)」を見学した。多摩センター駅から徒歩9分の全289戸で、坪単価252万円という安さに多摩市民歴35年の記者は衝撃を受けた。安いのは結構なことだと思う半面、多摩センターの〝価値〟は所詮その程度かという落胆のほうが上回った。
物件は、京王相模原線京王多摩センター駅・小田急多摩線小田急多摩センター駅から徒歩9分、多摩市鶴牧三丁目の商業地域に位置する敷地面積約4,021㎡、21階建て全289戸。4月中旬分譲予定の第2期1次(戸数未定)の専有面積は55.57~72.04㎡、予定価格は3,900万円台〜6,000万円台(最多価格帯5,100万円台)、坪単価は252万円。竣工予定は2024年11月上旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。売主は三菱地所レジデンス(事業比率20%)・長谷工不動産(同10%)・積水ハウス(同20%)・TC神鋼不動産(同20%)・大林新星和不動産(同20%)・京阪電鉄不動産(同10%)。販売代理は長谷工アーベスト。
現地は、歩車分離の舗道を抜けた四叉路の角地。対面には東京海上日動ビルがあり、KDDIビル、JUKI本社、ミツミ本社ビルなどにも近接。ココリア多摩センター、丘の上プラザ、丘の上パティオ、パルテノン多摩、多摩中央公園(公園内には7月開業予定の中央図書館が建設中)、クロスガーデン多摩などが徒歩圏。従前敷地は駐車場。
建物はV字型で、敷地南側と東側にビルが建っていることから、日照を確保するために敷地南側に駐車場を設け、住戸は南西向きと西向きが中心(一部東向き)。住戸プランはほとんどが70㎡前後の3LDKで、1スパン19戸が55.57㎡の2LDK。
主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2500ミリ、食洗機、ディスポーザー、床暖房など。浴室タオル掛けはなし。
1月20日に第1期1次65戸を販売開始し、これまで90戸を供給し約60戸が成約済み。来場者は300件強。
販売代理の長谷工アーベスト担当者は「まずまずの出足。反響は地元が約4割、八王子が約10%、日野市、川崎市麻生区がそれぞれ5%。成約率は地元の人が高く、60歳以上のコンパクトへの買い換えが目立ち、2LDKタイプは残り僅かの状況」と語っている。
エントランス
多摩中央公園
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坪単価予想は外れた。東京建物などの「聖蹟桜ヶ丘」が坪270万円なので、これが上値圧力となっており、これを上回ることはないとみており、とはいえ多摩センターの魅力を考えれば坪260万円を下回ることはないと予想していた。坪252万円と言えば、東京都では八王子、立川以遠、神奈川県は平塚、本厚木、金沢八景以遠、埼玉県は川越、朝霞台、久喜、越谷以遠、千葉県は柏の葉、我孫子、千葉以遠だろう。新宿まで35~36分のわが多摩センターの〝価値〟はそんなものなのか。多摩市民歴35年の小生の〝子育てなら多摩センター〟の思い込みが強すぎるのか。近く分譲される日本エスコンの「レ・ジェイドシティ橋本」に坪100万円近く引き離されそうなのにショックも受けた。
愚痴など書きたくないのだが、書かざるを得ない。まず、これほど安い価格設定をせざるを得ない多摩市・多摩センターのポテンシャルについて。
京王電鉄を俎上に上げる。電鉄会社の不動産開発が沿線の価値向上に大きな役割を果たしていると考えるからだ。同社の2022年3月期の売上高は2,998億円で、不動産事業の売上高は472億円(全体に占める割合は15.8%)、営業利益は104億円(売上高営業利益率は22.0%)だ。首都圏の同業他社と比較してみよう。連結売上高、不動産事業売上高(全体に占める割合)、営業利益(売上高営業利益率)の順。
東急は8,791億円、2,232億円(同25.4%)、452億円(同20.3%)、小田急電鉄は3,587億円、809億円(同22.5%)、185億円(同22.9%)、京急電鉄は2,652億円、794億円(29.9%)、109億円(同13.7%)、相鉄ホールディングスは2,166億円、638億円(同29.5%)、142億円(同6.6%)、東武鉄道は5,060億円、622億円(同12.3%)、155億円(24.9%)、西武ホールディングスは3,968億円、591億円(同14.9%)、198億円(同33.5%)、京成電鉄は2,141億円、274億円(同12.8%)、87億円(同31.8%)だ。
京王電鉄の不動産事業の売上高、営業利益とも京成に次いで下から2番目だ。この数値だけで割り負けしている理由にはならないかもしれないが、京王線の地価水準・街のポテンシャルを100とすれば、京成線はせいぜい半分だ。西武線と比べても互角以上のはずなのに、どうして負けるのか。東急と相鉄がタッグを組んだ「THE YOKOHAMA FRONT」(ザ ヨコハマ フロント)が坪単価700万円を突破したにもかかわらず、圧倒的な人気を呼んだのと対照的だ。街のポテンシャルを左右する「京王プラザホテル多摩」も今年1月で営業中止になり、その後どうするかも現段階で公表されていない。唯一目立つのは、きれいな女性のCM「高尾山」くらいだ。同社はサンウッドを傘下に収めたが、これに期待しよう。
ここまで書いたが、責任は京王電鉄だけにあるのではない。沿線の自治体の発信力の弱さとも関連がありそうだが、これについては触れない。参考になりそうな記事を添付したので、そちらを参照していただきたい。
肝心要の多摩市・多摩センターの魅力について触れよう。これについては何度も書いてきたが、歩車分離の街づくりもそうだが、魅力は何といっても緑環境のよさだ。平成30年の東京都のみどり率は、都全域では52.5%(区部:24.2%、多摩部:67.8%)、多摩市は53.9%となっている。
この数値だけなら、多摩市は都の平均値で、高さ3m以上の高木街路樹16,485本(街路:78,373本、遊歩道8,612本)の本数は江戸川区と八王子市より少なく、町田市と同じくらいだが、人口1,000人当たりでは100本を超え、これらの区市より多い。1本当たり維持管理費も高いという課題はあるが、クスノキやシラカシも多いことから、真冬でも緑にあふれていることは街を歩けば誰でも分かる。
緑環境が優れているとどうなるか。「多摩市街路樹よくなるプラン改定委員会」の委員でもある東京大学大学院農学生命科学研究科准教授・曽我昌史氏が同改定版に寄せたコラムを紹介する。
「都市のみどりは、私たちが健やかな生活を送るうえで重要な役割を持っています。実際にこれまでの研究から、緑地や舗道を訪れたり眺めたりすることは、運動機能の維持・向上、ストレスの減少、地域社会の連帯感の形成、認知機能(記憶、思考、計算などの知的な能力)の維持・向上など様々な面で人の健康に貢献することが分かっています。驚くべきことに、最近海外で行われた研究によれば、家の周りの緑の豊富さ(緑地の面積や街路樹の本数など)は、肥満や高血圧、糖尿病、うつ病、循環器系疾患などの発症を抑える効果を持つことが示されています。
これらの病気の治療には毎年多額の税金が使われている(かつ近年増加傾向にある)ことを考えると、都市のみどりは良好な都市景観の形成の他に、医療費削減という経済面でも大きく貢献する可能性があります」
皆さんいかがか。小生は街路樹についてもしつこいほど書いてきたが、都市のみどりが地球温暖化防止だけでなく、運動機能・認知機能の維持・向上、ストレスの軽減、地域社会との連帯感、肥満や高血圧、糖尿病、うつ病、循環器系疾患などの発症を抑える効果があることが科学的に実証されているというではないか。
マンション選好要因は人それぞれだが、国土交通省の令和3年度住宅市場動 向調査では、「住宅の立地環境が良かったから」が分譲マンション取得世帯は69.6%、中古マンション取得世帯は66.2%とそれぞれトップになっている。平成30年度調査では、分譲マンションは72.3%で、中古マンションは60.5%だったので、マンションの率が下がり、中古マンションは逆に上昇したのは謎だが、今も昔も住宅の立地環境がもっとも重要というのに変わりはない。
最近は〝駅近〟やら〝通勤・通学の利便性〟が重視されているようだが、デベロッパーも住宅購入検討者ももう一度原点に立ち返って考え直すべきだ。〝時は金なり〟-これは「時間」=「金」ではない。時間を有効に使いなさいということだ。
建築現場
クロスガーデン多摩から現地を望む(クレーンの見えるのが現地)
多摩中央公園と建築中の中央図書館
カルガモの夫婦か(多摩中央公園で)
パルテノン大通り
日本エスコン「橋本」は坪330~350万円 販売代理リストの顧客対応はフル回転(2023/3/3)
多様な価値観生かせる多摩ニュータウン 多摩市市制50周年 コンセプトムービー(2022/7/24)
1人当たり街路樹 最多は江戸川区の8.9本1本当たり維持管理費は1.5万円(2022/8/17)
相鉄不・東急 横浜駅直結タワマン 第1期129戸完売 坪717万円(2022/1/26)
「志茂」「多摩センター」は〝割安〟か 東京カンテイ「2020年 マンションPER」(2021/5/8)
〝生きた実験場〟〝やるしかない〟 多摩NT再生 第6回シンポ 藤村氏もエール(2019/2/8)
長谷工コーポ 創業80周年記念「テクニカルセンター・マンションミュージアム」完成(2018/10/23)
あの熱気どこに 多摩市 第5回 多摩NT再生プロジェクトシンポ(2018/2/5)
「多摩NTに風が吹く」 女性の仕事・子育て・地域活動を考える 多摩NT学会が討論会(2016/6/13)
眼の前に多摩中央公園 立地に恵まれたサンウッド「ガーデンコート多摩センター」(2016/1/6)
阪急不動産「ジオ多摩センター」 同駅圏 最後の大規模マンションになるか(2015?9/29)
人・街・未来を語り合う 多摩市 第2回「多摩NT再生シンポジウム」(2015/2/5)
住宅地としては一等地 坪200万円は妥当 清水総合開発「多摩センター」(2014/11/25)
駅近の免震 最初で最後 三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス 多摩センター」(2014/6/6)
多摩ニュータウンの課題を解決し、魅力をどう発信するか(2014/2/13)
「何もしなければ多摩NTの人口は50年後に半減」西浦・明星大教授(2014/1/29)
マンションは1,000戸「昭島」 戸建ては〝3点セット〟注目 大和ハウス レクチャー会
レクチャー会場となった大和ライフネクスト本社1階のスタジオ
大和ハウス工業は3月16日、「記者レクチャー会<2023年公示地価>」を開催。マンション事業について同社マンション事業本部事業統括部部長・角田卓也氏が、分譲戸建ては同社住宅事業本部事業統括部分譲住宅グループ次長・中岡敬典氏が、物流事業は同社建築事業本部営業統括部Dプロジェクト推進室上席主任・藤田渉氏がそれぞれ説明し、質疑応答にも丁寧に答えるなど、とても分かりやすい勉強会だった。
マンション事業について角田氏は、首都圏はウィズコロナでの価値観や、変化した生活スタイルの定着が見受けられ、都心部及び郊外ともに実需層の安定した購入動向となっているとし、特に、都市部での将来資産性が期待できる物件に対し、DINKSやDEWKSなどのアッパーミドル・富裕層の安定的な購入動向が続いていると語った。
近畿圏でも首都圏と同様の市況が続いているが、郊外部では首都圏のような需要は生まれていないと説明。地方圏では、駅直結や商業、病院などを併設した再開発・複合開発による「コンパクトシティ」への期待や関心が高まっていると説明。
首都圏の仕入れについては、用地価格は上昇しており、適地は高値圏での争奪戦となっているとし、新価格の案件の販売が比較的好調であるため、新規買収案件の販売価格設定に強気であることも一因と指摘した。近畿圏でも用地価格は上昇しているが、建築費の上昇に伴い、入札案件では応札者が減少。施工を自社で行う会社が、競争力のある価格を提示しているという。地方圏においては、デベロッパーが計画通りに用地買収できていないことから、地方進出が進んでおり、中核都市の価格が継続上昇。特に、福岡、沖縄は新価格の新規案件も好調であり、各社の積極的な買収が散見されると説明した。(同社の坪単価520万円の「大濠」も好調)
このほか、投資家の取得意欲は依然高く、ホテル投資は回復しつつあり、海外のファンド・機関投資家の積極的な買収姿勢が継続していると話した。
中岡氏は、2022年10月から2023年2月までの契約ベースでの売上高は、前年同期比で建売住宅は+8%、土地は+20%になっており、前回発表時(2022年4月~2022年8月)は建売住宅が-3%、土地が+4%だったことと比較して回復しており、82名からなる用地マネージャーを組成したのが奏功し、土地は4,000区画、建売住宅は1,200棟とそれぞれ前年比2割増の手当てができており、年間で土地は4,000区画、建売住宅は2,000棟を販売できる準備が整ったと話した。
一方で、地価は引き続き上昇傾向にあり、資材・住宅設備も仕入れ価格は再度アップしているが、消費動向などを勘案して価格に転嫁しづらい状況にあることから、内部努力と効率のいい設備を投入して価格を維持する戦略をとると語った。
商品企画については、2016年から開始した「家事シェアハウス」は累計1,467棟、約412億円にのぼり、満足度調査でも高い数値が得られたことから、今後も積極的に採用し、「家事シェアタウン」を2023年度は36か所300棟計画。ZEHの取り組みは、2022年10月から2023年1月の着工ベースでは分譲住宅の95%がZEH対応であることを明らかにした。
また、同社とナスタが共同開発した業界初のスマホに宅配専用ボタンを搭載した24時間防犯カメラ機能付き宅配ボックス「Next-DBox+S」を2023年4月から販売開始するなど、①ZEH②家事シェア③オリジナル設備機器の3点セットで他社との差別化を図り、販売を拡大していくと話した。
藤田氏は、生産の国内回帰に連動する倉庫需要の拡大、建築費の上昇による賃料相場の上昇、過去最大の施設供給による空室率の上昇などの市場変化を紹介した一方で、デベロッパーとゼネコンの二つの顔を持ち多彩なスキームでの対応が可能な同社の強みを強調し、2022年2月竣工までの総開発延床面積約1,243万㎡は業界シェア23.0%、280棟は同33.8%とトップであることを報告した。
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角田氏が首都圏の代表的な物件として紹介した「プレミスト昭島森パークレジデンス」に注目している。JR青梅線昭島駅から徒歩5分の全481戸だが、第2工区、第3工区を含めると約1,000戸の大規模開発だ。
記者は、三井不動産レジデンシャルなどが2021年に販売開始した「パークホームズ昭島中神」313戸の隣接地だと勘違いしており、沿線需要を掘り尽くした後のぺんぺん草も生えそうもないところで1,000戸を売るのは容易ではなく、年間100戸として販売期間は10年かかるのではないかと思っていた。
同社のマンションの最寄り駅は「中神」ではなく「昭島」だと聞いて納得した。なるほど。ここなら売れるかもしれない。住環境がいい。東京まで約1時間。同じ距離圏の大規模開発では〝ちびまる子ちゃん〟のNTT都市開発他「ウエリス八千代村上」967戸が今春に分譲される。坪単価は220万円台に収まるのではないか。
「昭島」は〝ちびまる子ちゃん〟に絶対負けない。ただ、戸数が多い。100戸、200戸だったら坪270万円でも売れると思うが、1,000戸となると強気な価格設定はしないと読んだ。角田氏に「坪単価250万円は厳しい。アッパーで坪240万円はどうか」と聞いたら、「鋭いところ突かれている」と返ってきた。モデルルームがオープンしたら取材したい。坪240万円だったら、同社の「高尾」416戸、「塚田」571戸のように圧倒的な人気を呼ぶ可能性があるとみている。
〝安さ〟売り「ザ・ビッグ」に近接 三井不レジ他「昭島中神」 収穫大の今年初の見学(2021/1/13)
1低層の全125戸 1期1次47戸登録開始 大和地所レジ30周年記念「菊名の杜」
「ヴェレーナグラン菊名の杜」
大和地所レジデンスは3月17日、30周年記念プロジェクトの全125戸の「ヴェレーナグラン菊名の杜」 第1期1次47戸の登録申し込みの受け付けを開始した。2022年9月にホームページ公開し、物件エントリー数は1,800件を超えている。
物件は、東急東横線・JR横浜線菊名駅から徒歩13分、横浜市鶴見区上の宮一丁目の第一種低層住居専用地域に位置する敷地面積約9,643㎡、4階建て全125戸。第1期1次(47戸)の専有面積は56.00~95.37㎡、販売価格は5,298万~9,398万円(最多価格帯5,900万円台)。登録期間は3月17日(金)~19日(日)。竣工予定は2024年10月中旬。施工は大勝。
①メゾネットやスキップフロア、グルニエ(ロフト)、コンサバトリースペースなど86タイプのプランとオープンエアリビング、ルーフバルコニー、奥行3mバルコニーなど②二重床・二重天井、天然御影石キッチン天板、ミストサウナ③ライブラリーラウンジ、パーティールーム&キッズスペース、中庭や屋上庭園、約600㎡の提供公園-などが特徴。
スカイビューガーデン(屋上庭園)
上大岡の高台の中層全193戸 16カ月で完売 多彩なプランが人気 大和地所レジ
「ヴェレーナシティ パレ・ド・マジェステ」
大和地所レジデンスは3月15日、全193戸を16カ月で完売した「ヴェレーナシティ パレ・ド・マジェステ」が完成したのに伴う記者見学会を行った。現地は上大岡駅から比高差にして20mくらいありそうな高台の低中層住宅街の一角で、オープンエアバルコニーなど全80タイプの多彩なプランが人気の要因。
物件は、横浜市営地下鉄ブルーライン港南中央駅から徒歩10分、上大岡駅から徒歩16分、京急本線上大岡駅から徒歩18分、横浜市港南区港南二丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率150%)に位置する敷地面積約11,000㎡、5階建て全193戸。専有面積は46.64〜93.68㎡、坪単価は252万円。竣工は2023年2月下旬。施工は大勝。
販売開始は2021年8月で、2022年11月に完売。来場者数は約1,100組。購入者の約6割が市民。都内居住者は約2割。年代は30代が5割弱で、20代、40代が各2割。家族数の最多は3人。
従前敷地は果樹園。建物は東西南北棟と中央棟の5棟構成。建物の絶対高さ15mの規制を受けており、約20mの敷地内の高低差を利用した奥行き約4m・広さ約10畳のオープンエアリビングバルコニー、プライベートガーデン付き1階住戸プラン、ルーフバルコニー、メゾネットタイプ、コンサバトリースペース、ワイドビュープランなど80タイプの多彩なプランバリエーションを用意、南棟と中央棟の間には木造の平屋建て35㎡のセンターキャビンを設置している。
主な基本性能・設備仕様は、天然石の玄関床、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、御影石キッチン天板、食洗機、スロップシンクなど。
木造のセンターキャビン
センターキャビン(左)と中庭
ライブラリーラウンジ
成約件数は7か月ぶり増加 ㎡単価の上昇続く 首都圏中古マンション レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は3月10日、2月の首都圏不動産流通市場の動向についてまとめ発表。中古マンションの成約件数は3,240件(前年同月比3.0%増)となり、7か月ぶりに前年同月を上回り、成約㎡単価は68.71万円(同9.9%上昇)となり、30年5月から34か月連続で上昇し、成約価格は4,359万円(同8.3%上昇)となり、20年6月から33か月連続で前年同月を上回った。専有面積は63.43㎡(同1.4%縮小)となり、21年6月から21か月連続で前年同月を下回った。
地域別では、成約件数は東京都区部と横浜・川崎市、千葉県が前年比で増加し、横浜・川崎市は21年12月以来14か月ぶり、千葉県は7か月ぶりに前年同月を上回った。成約㎡単価はすべての地域が前年比で上昇し、東京都区部は34か月連続、横浜・川崎市と埼玉県は33か月連続、千葉県は31か月連続、神奈川県他は27か月連続で前年同月を上回った。
中古戸建ては、成約件数1,057件(同13.4%減)、成約価格3.863万円(同2.5%上昇)、土地面積150.14㎡(同4.8%増)、建物面積104.20㎡(同1.1%増)となった。
価格上昇、面積圧縮、駅距離…に妥協 現在の住宅市場を反映 アットホーム調査
アットホームは3月1日、過去2年以内に一戸建て・マンションを購入した人を対象に、途中でこだわるのを諦めた条件・設備に関する調査結果をまとめ発表。住まいの基本的条件では、価格は1.3倍妥協、広さは14.0㎡削減、最寄り駅からの徒歩時間は8.6分妥協。設備仕様では5人に1人が「収納スペース」「リビングの広さ」「外観のデザイン」を妥協していることが明らかになった。
調査対象は、過去2年以内(2020年10月以降)に住まいを探し、一戸建て・マンションを購入した18~50歳の男女400名。内訳は新築マンション、中古マンション、新築一戸建て(注文住宅含む)、中古一戸建て各100名。
住まいの条件の住宅価格の妥協ラインは、「実際の住宅価格÷当初の住宅価格」で算出。予算の1.3倍まで妥協していたことが分かった。
築年数を妥協したと答えた人の中で、築年数の妥協ラインを「契約時の築年数-当初希望していた築年数の上限」で算出したところ、当初より11.1年古くても妥協していたことが分かり、その理由として「建物自体は免震構造で、共用部分の清掃・管理もきちんとなされていたため(中古マンション)」といった声があった。広さも同様、当初より14.0㎡狭い物件で妥協したと回答。
最寄り駅までの徒歩時間は当初より8.6分、通勤・通学時間は当初より17.6分遠くても妥協。その理由として、「自転車を使えばすぐだったから(新築一戸建て)」、「以前と同じくらいの時間帯の出勤で済んでいるから(中古一戸建て)」といった声があり、「在宅勤務が増えたので妥協しても問題なかった(新築マンション、中古マンション、中古一戸建て)」という回答も見られた。
このほか、妥協したものは27.0%の「収納スペースの広さ」がトップで、以下、「リビングの広さ」23.5%、「外観のデザイン」22.8%の順。その理由は、収納は「断捨離する良い機会になるから(中古マンション)」、「物を出しっぱなしにしないことで広々使えるから(新築一戸建て)」「住んでしまうと狭さを感じなかったから(中古一戸建て)」、外観のデザインは、「住んでみたら気にならなかったから(中古マンション)」「自分では妥協したと思っていても意外と来客に褒められたから(新築マンション)」など。
住まいの条件で「妥協はしていない」と答えた人は19%。
住まいの設備でもっとも妥協したものは「宅配ボックス」16.8%で、以下、「ウォークインクローゼット」15.5%、「床暖房」15.3%の順。その理由として宅配ボックスは「置き配を利用できるから(新築マンション)」「お互いの休日に上手く受け取ることができているから(新築一戸建て)」などの声があり、ウォークインクローゼットは、「普通のクローゼットで十分、使い勝手に問題はないから(新築マンション)」「和室の収納を工夫して、バッグやベルトなどの保管場所を増やしたから(中古一戸建て)」、床暖房は、「気密性の高い家にしたのでそんなに寒くないから(新築一戸建て)」「他の暖房機器があれば十分だから(中古マンション)」といったコメントがあった。
一方、「妥協はしていない」と回答した人は44.3%だった。
◇ ◆ ◇
とても興味深い結果だ(同社は先に賃貸篇も発表しているが、賃貸はよく分からないので割愛した)。
結果についてコメントする前に、課題を一つ指摘したい。今回の同社のアンケートに限ったことではないが、結果を全部足して、それを割って平均値や傾向を出しても、絵具と一緒、攪拌されて限りなくグレーに近くなる。実態はよく分からない。今回の調査でいえば、マンションと戸建て、新築と中古、そしてもっとも肝心なことだが、購入者の所得(購入価格)、年代によって回答はかなり異なっているはずで、その詳細な分析が必要だということだ。(同社リリースでは回答者の属性を一部紹介はしているが…)
設問項目に注文もある。どうして基本的な条件に住環境、ランドスケープデザイン、断熱・遮音、天井高、サッシ高、廊下・階段幅、その他トイレなどのユニバーサルデザインに関するものはないのか。設備仕様では、同社は宅配ボックス、ウォークインクローゼット、床暖房、オール電化、シーズインクローゼット、食洗機、トイレ内手洗い、ディスポーザー、人感センサー付き照明、TV付き浴室、押入れ、複層ガラス、省エネ給湯器の12項目についても聞いているが、これでも少ないと思う。基本性能とも関連するのだが、間取り(可変性)、収納・引き戸のソフトクローズ機能、ミストサウナ、スロップシンク、キッチン天板仕様、食器棚、浴室タオル掛け、ドアノブ、トイレドア幅、床・壁仕上げ…などだ。
これらをさておき、調査結果について。住まいの条件に対する妥協ラインが予算の1.3倍というのは正直驚いた。これは前述したように、億ションを買える人は1億円が1.3億円になっても買いあがることはできるかもしれないが、当初予算が3,000万円の人は4,000万円近くになっても購入することができるのか。
築年数の妥協ラインは納得だ。基本性能・設備仕様レベルは最近のマンションより10年くらい前の物件のほうが高いものは少なくない。これは消費者が賢明な選択をしているということか。
広さを14㎡(約4.2畳大)妥協したというのは、是非はともかく最近の住宅市場をストレートに反映している。
最寄り駅までの徒歩時間は、デベロッパーが「駅近」(マンションだが)を最大の売りにしていることと全く異なる結果が出た(戸建ての回答が半数であることと無関係ではないが)。記者は、徒歩時間より大事なものがあると消費者は考えていると理解したい。
その他の条件については、人それぞれだからコメントしないが、収納スペースについて一言。仮に住宅の収納率を10%としたら、価格が5,000万円だったら、収納スペースは500万円だ。それほど高価なスペースに後生大事にしまっておく価値のあるものはどれほどあるのか。小生などは本のみ。本は捨てられない。
全体として住まいの条件を妥協しない人が19%というのには、やや驚いた。十全の物件など一つもない。全ての条件を満たした物件を買えるのはほんの一握りのお金持ちしかいないはずだ。
設備仕様に関してはなにも言うことはない。「妥協しない」が44.3%というのは、このようなものか。逆に驚いたのは「複層ガラス」は7.5%、「省エネ給湯器」は6.5%の人が妥協しており、「妥協しても問題なかった」人は前者が56.7%、後者が53.8%にも達していることだ。マンションのサッシは一度付けたらほとんど変更できない。これからは樹脂サッシが当たり前の時代になる。消費者も住宅を見る目を肥やさないといけない。複層ガラスと省エネ給湯器を妥協した人の30%超の人が後悔していると回答しているのに注目すべきだ。
全体として、調査は現在のデベロッパー、ハスウメーカーの供給するマンションや戸建てのレベルを反映していると思う。そして何よりもうれしいのは、5年前に「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本について3回にわたって批判した記事は間違いではなかったことを、消費者の方が証明してくれたことだ。この記事には3回で2万件を超えるアクセスがあった。
第1期1次125戸の登録開始 大和地所レジ 30周年記念PJ「北赤羽」人気
「ヴェレーナグラン北赤羽マスタープレイス&マナープレイス」
大和地所レジデンスは3月3日、同社の30周年記念プロジェクト「ヴェレーナグラン北赤羽マスタープレイス&マナープレイス」の第1期1次125戸の登録受付を開始したと発表した。登録締め切りは3月12日。
2022年9月のホームページ公開から、物件エントリー総数は2,500件超、2022年12月から開催している事前案内会は連日満席で、約500組の来場があるという。
全253戸の「マスタープレイス」と全65戸の「マナープレイス」からなる総敷地面積約11,500㎡超の全318戸の大規模物件。敷地の周囲と住棟周りにメタセコイヤ、ロドレイア、サクラなどの植栽計画、デザイン意匠、メゾネットやコーナーサッシ付住戸、スキップフロア、ロフトなどの74種類の間取りプラン、天然御影石のキッチン天板、充実した共用施設などが特徴。
物件は、JR埼京線北赤羽駅から徒歩5分、北区浮間一丁目の工業地域に位置する敷地面積約9,315㎡の「マスタープレイス」は19階建て全253戸。第1期1次の販売戸数は100戸、専有面積は57.89~106.53㎡、価格は5,098万~13,798万円。敷地約2,186㎡の「マナープレイス」は15階建て65戸。第1期1次の販売戸数は25戸、専有面積は44.39~90.00㎡、価格は4,398万~10,498万円。登録期間は双方とも2月23日~3月12日。竣工予定は「マスタープレイス」が2025年1月下旬、「マナープレイス」が2024年8月上旬。設計・監理はスタイレックス。施工は長谷工コーポレーション。
「マスタープレイス」
エントランス
ルーフバルコニー
◇ ◆ ◇
同社がこの物件を分譲するとリリースしたとき、用途地域が工業地域なので果たして大丈夫かと思った。「北区浮間」は昔は工場の街だったからだ。反響の多さから問題はなさそうだ。豊かな植栽計画で難点を解消しているのだろう。
2020年10月に販売開始し、約650組の来場者を集め、わずか6か月間に完売した「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」89戸と、隣接する全96戸の「ヴェレーナグラン赤羽北ザ・マークス」を2021年9月の販売開始から2022年2月までに完売した実績が今回も生かされているのだろう。
市況がいいときも悪いときも手抜きなどせず、どちらかといえばそれほど恵まれた立地ばかりでもないのに、顧客の潜在的ニーズを取り込む商品企画力はデベロッパーのなかで突出している。
ラウンジ
メゾネット
モデルルーム
天晴れ! 日本庭園とつなぐ共用部の演出見事 大和地所レジ「茅ヶ崎東海岸」(2023/2/22)
天井高3m超、20畳大の床下収納など 大和地所レジ「赤羽北フロント」竣工見学会(2022/3/24)
大和地所レジ 早期完売「フロント」 隣接の「赤羽北ザ・マークス」坪300万円超えるか(2021/8/4)