住友林業 バンコクで初の高級マンション311戸 平均6,700万円台
住友林業は4月18日、タイ・バンコクの現地企業と共同開発したランドマークとなる高級分譲マンション「Hyde Heritage Thonglor」を4月から本格販売したと発表した。同国では初の開発プロジェクト。
同社の100%子会社Sumitomo Forestry Singapore Ltd.(SFS社)と現地のProperty Perfect PCL社(PF社)、PF社傘下のGrande Asset Hotels & Property PCL社(GA社)の3社合弁の特定目的会社Grand Star社(GS社)が分譲するもので44階建て311戸。販売価格 3,800万円から(平均分譲価格約6,700万円)。GS社の出資比率はSFS社49%、GA社40%、PF社11%。
PF社、GA社はタイで戸建とマンションの分譲事業、ホテル事業を展開する大手不動産開発会社で、この2社とは第2弾のリバーサイド高級分譲マンションの共同開発も決定しており、タイ・バンコクで長期的なパートナー関係を継続し、質の高い住宅を提供するとしている。
販売順調に納得 坪単価200万円は希少 大和ハウス「東京王子」
「プレミスト東京王子」完成予想図
大和ハウス工業・コスモスイニシアが分譲中の「プレミスト東京王子」を見学した。バス便ではあるが、南東のバルコニー側前面に幅約100mの隅田川・スーパー堤防などが広がり、坪単価も23区内では希少な200万円。この1カ月強で全222戸のうち70戸を成約するなど順調なスタートを切った。
物件は、JR京浜東北線・東京メトロ南北線王子駅からバス約8分、徒歩3分の北区豊島4丁目に位置する15階建て222戸。専有面積は68.58~88.42㎡、6月上旬分譲予定の第2期(戸数未定)の予定価格は3,400万円台~5,900万円台(最多価格帯4,100万円台)、坪単価200万円。竣工予定は2020年2月中旬。施工は長谷工コーポレーション。
現地の用途地域は工業地域だが、住宅化が進んでいるエリア。用地はUR都市機構から同社など4社が取得したもので、敷地北側に今春開業した大規模商業施設との住商一体複合開発。
南東に面したバルコニーの前面には幅約100mのスーパー堤防-隅田川があり、その先は高速道路が走っている。敷地東側と西側にはそれぞれ広場も整備される。
主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2450~2550ミリ、ディスポーザー、スロップシンクなど。スマートウェルネスサービスも提供する。
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約100m先の高速道路をどう評価するかだが、販売担当の大和ハウス工業マンション事業部第二事業部営業第一課販売事務所長・松本諭吉氏は、「距離は問題でなく、音を気にされるお客さまがいらっしゃるのでしっかり説明している。複合開発でこの価格の安さは他にないはず」と話した。
確かに坪単価はやすい。記者は近隣の物件が強気な価格設定をしていたので坪単価は220~230万円くらいとはじいていたが、坪200万円というのは23区では城東エリアに一部あるくらいだろう。
バス利用時間も含めてほとんど都心まで30~40分圏というのは魅力だ。第一期で70戸を成約できたのも納得だ。
建設現場
春風駘蕩 販売順調に進む 三井不レジ「幕張ベイパーク」街びらき
第1弾「幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス」(497戸)
三井不動産レジデンシャルは4月13日、千葉県・幕張新都心で開発中の首都圏最大級のプロジェクト「幕張ベイパーク」の街びらきイベントを行った。街びらきは第一弾マンションが完成し、商業施設がオープンしたのに伴うもの。というい、熊谷俊人・千葉市長ら多くの関係者や地域の人たちが順調なスタートを祝った。計画では開発面積約17.5haに約4,500戸の住宅のほか商・職・学・遊などの複合タウンを目指す。
冒頭のプレス説明会で、三井不動産レジデンシャル執行役員千葉支店長・各務徹氏は、「2017年に千葉県企業庁から当社など7社が用地を取得し、約4,500戸の住宅、居住人口1万人のミクストユースの街づくりを進めている。一棟目が完成し、2棟目の販売も順調なスタートを切った。向こう10年間、持続可能な魅力的な街づくりを進める」と挨拶。
同社千葉支店事業室長・井上茂氏は街づくりの概要について説明し、米国ポートランドの街づくり思想に学び、デザインガイドラインを定め、エリアマネジメントを導入し、街の活性化を論議する6回にわたるディスカッションを行ってきたことなどを報告した。
同社から寄贈された「ツリーデッキ寄贈セレモニー」に出席した千葉市長・熊谷俊人氏は、「今日はとても暖かくいい天気。未来を象徴するようで嬉しい。末永く次世代に残す街づくりを進めていく」と述べた。
「幕張ベイパーク」は、京葉線海浜幕張駅から徒歩13分、千葉市 美浜区若葉3丁目に位置する開発面積約17.5ha、予定総戸数約4,500戸の複合タウンの総称。平成27年、三井不動産レジデンシャルを幹事会社とする7社が千葉県企業局からに用地約17.5haを280億円(1坪52.6万円)で取得した。
マンションのほか、商業施設「イオンス タイル幕張ベイパーク」やエリアマネジメント拠点「幕張ベイパーク クロスポート」、コミュニティ創造型コワーキングス ペース「TENT 幕張」、スポーツ・アウトドア、医療・健康施設、保育・教育施設などを10年間かけて整備する。
現在分譲中の第2弾「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」は免震構造の48階建て全826戸。4月下旬販売予定の第1期3次(戸数未定)の価格は3,605万~9,590万円(最多価格帯4,600万円台)、専有面積は64.98~112.16㎡。売主は同社のほか野村不動産、三菱地所レジデンス、伊藤忠都市開発、東方地所、富士見地所、袖ヶ浦興業。入居予定は2021年3月下旬。施工は熊谷組。デザイン監修は光井純氏。
2017年11月、第1弾「幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス」(497戸)が分譲開始された。残りは未供給を含め50戸と好調。
各務氏(左)と吉田氏
左が第一弾、右が第二弾の「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」模型
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いまの千葉県のマンション市場環境は順風、追い風ではなく、逆風、向かい風だ。船を漕ぎ出せばたちまちダッチロール状態に陥る可能性が高い、視界不良の荒海という形容も成り立つかもしれない。
少なくとも数字は厳しい市況を映し出している。別表は、千葉県の分譲共同住宅の着工戸数の推移だ。平成18年は折からのブームで約21,100戸を記録したものの、その後は激減、平成30年は3,320戸まで落ち込み、18年比で84.3%減だ。
ここまで落ち込んだ最大の理由は、リーマン・ショックの影響で千葉県を地盤としてマンションデベロッパーが軒並み退場を余儀なくされたからだ。
そして、都心の一等地では坪単価1,000万円が相場になっている時代だ。代わって登場した大手デベロッパーも、高値追求ができる販売リスクが低い他エリアにシフトしているからだ。
千葉県でも市川駅や本八幡駅圏の〝駅近〟は坪300万円を超える物件が散見されるようになったが、300万円の壁は厚い。購買力の限界と建築費の上昇の板挟みに各デベロッパーは呻吟しているはずだ。火中の栗を拾いたくないというのが本音ではないか。
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プレス説明会に各務氏が出席されることは分かっていた。各務氏には15年前、全701戸の平均面積が120㎡というわが国のマンションの歴史に名を刻む「新浦安」の取材で話を聞いており、その後、「武蔵小杉」の取材などでもお会いしている。隣の井上氏はどこかで逢っているはずだと必死で記憶を手繰り寄せた。すぐにRBA野球の同社の選手だったことを思い出した。10年ぶりくらいか。
嬉しさがこみ上げてきたのだが、ここは心を鬼にして、前述した厳しい千葉の現状にどう立ち向かうのかストレートに聞いた。
「各務さんも井上さんもよく存じ上げている。応援したいし、ネガティブな記事など書きたくないが、海浜幕張駅から遠く、京葉線は乗り換えに不便。しかも予定戸数1,000戸の『検見川浜』もある。双方合わせると『HARUMI』と同じくらいの規模。並行して走る総武線とも競合する。他都県はどんどん価格が上昇し『翔んで埼玉』も千葉よりはるかに高い。イメージが劣る千葉で正気の沙汰ではない。どう売るのか」と。
これに対し、各務氏は「貴重な質問ありがとうございます」と断り、「これまで『日本橋』『柏の葉』『豊洲』『ミッドタウン』などと同様、継続して賑わいを創造していく。ここも順調なスタートを切れた」と同社の「経年優化」の理念を語った。
それでも、その言葉を真に受けられなかった。相当苦戦を強いられているのではないかと。
ところが、2017年11月に分譲開始した第一弾「幕張ベイパーク クロスタワー&レ ジデンス」497戸は未分譲を含め残りは50戸と聞き、信じられない思いがした。これほど短期間に売れるとは夢にも思わなかった。坪単価は分譲前に「常識的な坪200万円を少し超えるくらいの値段を設定すると思う」と書いたが、その通り210万円だった。
坪単価は第一弾とほぼ同じの第2弾「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」も今年2月から分譲を開始し、すでに226戸が販売済みだという。このペースで行けば10年間に約5,000販売することになる。
基本性能・設備仕様、住戸プランは間違いなく水準以上だ。モデルルームは非常によくできている。
売れ行きのいいのとモデルルームの出来をつぶさに見て、評価を改めた。「正気の沙汰ではない」などと、各務氏と井上氏に投げつけた〝罵声〟に近い批判的な質問はそっくり返上する。大変失礼しました。
さて、この日(4月13日)、千葉・幕張に吹いた風は何と形容すればいいか。パタパタ、ヒラヒラ、ゆらゆら、サラサラでもないし、順風満帆は平凡に過ぎる。微風でもない。飄々も適当でない。熱風は言い過ぎだろう。春風、そよ風、薫風はどうだろう。春風駘蕩がぴったりか。
巷では開発面積約13ha、総戸数5,632戸の「HARUMI FLAG」が喧しいが、この風は「HARUMI FLAG」を揺るがすかもしれない。記者の〝口撃〟を軽くいなした各務氏は馬耳東風か柳に風か。
「ツリーデッキ寄贈セレモニー」(演奏協力は全国大会で何度も優勝している幕張総合高校シンフォニックオーケストラ部、樹木はサルスベリ)
幕張海浜公園から望む
三井不レジ他 4,500戸「幕張ベイパーク」第一弾分譲へ 価格はさて? (2017/9/14)
三井不動産レジデンシャル 「パークシティ武蔵小杉」3棟目が完成(2014/3/9)
三井不動産RD 主力の井上選手が関西へ異動(2010/4/8)
RBAタイムズ アーカイブ 2004年 5月14日号 全701戸が平均120㎡ テーマは「家族の絆」(2010/12/24)
平成最後の寒波 もろともせず 坪750万円の住友不「恵比寿」竣工
「シティタワー恵比寿」
住友不動産は4月12日、渋谷区恵比寿のタワーマン「シティタワー恵比寿」(全310戸)が竣工したのに伴う報道陣向け内覧会を行った。坪単価は750万円で、契約進捗率は60%。関係者は「当社の開発力を注いだ自信作。歴史に名を刻む物件。残り約100戸。1年半くらいかけてじっくり販売していく」と話した。
物件は、JR山手線・埼京線恵比寿駅から徒歩7分、渋谷区恵比寿一丁目に位置する22階建て310戸(非分譲住戸3戸含む)。専有面積40.72~150.89㎡、坪単価750万円。竣工は2019年3月6日。設計・監理・施工は西松建設。
恵比寿駅圏のタワーマンションとしては最寄りでは実に15年ぶりの供給で、総合設計制度を適用し、四方道路の敷地(約3,360㎡)の約1/2(約1,680㎡)の公開空地に100本を超える樹木を植えることで、高さ規制(50→75m)、容積率(400%⇒600%)の緩和を受けている。
2017年6月の販売開始からこれまで問合せ件数は約9,500件、来場は2,700組。全体の6割強が契約済み。
プレミアムタイプモデルルームは天井高最大約2,550mm、室内廊下、トイレ、洗面所の床には天然石を採用している。
モデルルーム
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記者は分譲開始から3カ月後の2017年9月に取材している。そのとき聞いた坪単価は700万円だった。業界関係者はみんな「高い」と思っていたようだが、記者はそれほど高いとも感じなかった。
今回聞いた坪単価は750万円だ。これも納得。改めて記事をかくが、その後もマンション単価は立地にもよるがどんどん上昇し、駅の反対側で分譲中の野村不動産の物件は坪900万円近くでも好調に推移している。再開発が進む渋谷は坪1,000万円が相場となりつつある。代官山もいい場所なら坪1,000万円だろう。
竣工時点で4割100戸も残っていたら他社なら〝値を下げようか〟と大慌てするところだろうが、粗利益率30.0%(平成30年3月期)を誇る同社だ。歯牙にもかけない。
内覧会の冒頭で、同社名物広報担当者は「平成最後の寒波到来ですが、入居も始まりますので、お見せできるのは今日が最後のチャンス。マンション内覧会もおそらく平成最後」と余裕たっぷりに話した。
保育士によるマンションでの子ども預かりサービス 東急不動産「調布」
東急不動産は4月11日、NTT 都市開発、近鉄不動産と共同で開発中のマンション「ブランズシティ調布」(全305戸)に子育て世代をターゲットにした「子育て家族サポー トサービス」を導入すると発表した。子育ての困りごとを解消し、家族で豊かな時間を過ごせるようにするのが狙い。
特定非営利活動法人sopa.jpが運営主体となり、管理組合から共用施設を借り、保育園や幼稚園、小学校が終わった後(平日15時~21時予定)、専属の保育士が共用施設で子どもを預かるほか、晩ご飯の提供(予約制)、遊びを通じて多彩なプログラムを用意するなど、入居者に限定した会員制サービスを行う。
物件は、京王線調布駅から徒歩7分、調布市調布ヶ丘一丁目に位置する8 階建て全305戸。専有面積57.43~89.85㎡、竣工予定は2020年1月上旬。
主婦目線の商品企画が抜群 ポラス 全85戸の「新越谷」販売好調
「ルピアコート新越谷」完成予想図
ポラスグループの中央住宅が分譲中のマンション「ルピアコート新越谷」を見学した。駅から徒歩5分の全85戸で、エリア最高単価の坪210万円ながら残りは数えるほど。痒いところに手が届く主婦目線の企画が光っている。
物件は、東武スカイツリーライン新越谷駅から徒歩5分、JR武蔵野線南越谷駅から徒歩6分、越谷市南越谷一丁目の第1種住居地域に位置する8階建て85戸。専有面積は62.81~72.24㎡、現在分譲中の2期(4戸)の価格は3,498万~5,188万円。坪単価は210万円。竣工予定は2019年8月下旬。施工は川口土木建築工業。販売代理は東京中央建物。
今年2月から分譲を開始し、第1期52戸を即日完売するなど、残りは未分譲の6戸を含め12戸。極めて好調に推移している。
現地は、道路を隔てて東武スカイツリーラインの高架線があるが、2000年以降に市内で分譲された76物件のうち新越谷・南越谷駅圏は4物件しかなく、住居系エリアの50戸以上に限定するとこの1物件しかない希少性が評価されたという。
敷地は東西軸がやや長い長方形で、建物は南向き中心のL字型。専有面積圧縮型だが、63㎡の住戸でもスパンは6.5~8.1m、70㎡台は6.5~8.3m確保したワイドスパンが特徴。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400~2500ミリ、ピアキッチン(33戸)、幅2400ミリの大型食器棚、食洗機、出窓、片寄マイギャラリー、開閉式ルーバー付き窓付き浴室窓など。
ピアキッチン
標準装備の食器棚
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坪単価は210万円くらいだろうと予想したが、どんぴしゃりだった。同社としてはかなりのチャレンジ価格だという。
しかし、商品企画、設備仕様は同業他社の坪250~300万円くらいのマンションとそん色ないどころか、はるかに上回っていると言えるほどレベルが高い。
例えば、他社はほとんどオプションにしている幅2400ミリのバックカウンター付き収納。実用新案を取得済みのピアキッチンと合わせればこれだけで200万円くらいするはずだ。
このほか、出窓、吹き抜けを設けプライバシーに配慮した居室、引き戸は開閉とも全てソフトクローズ機能付き、ドアノブはプッシュプル、クレセントを1400ミリの高さに設置したサッシ、洗面・トイレのちょい置きスペース、開閉式ルーバー付き浴室窓、フチレス便器、バルコニー隔板下の立ち上がり、玄関脇の傘掛け、通風機能付き玄関ドア、タッチレス水栓…。一つひとつは他社も採用しているが、これほど至れり尽くせりの設備を装備しているマンションはまずないはずだ。
同社のマンション供給エリアは埼玉や城東などに限定されているので他社には脅威にならないかもしれないが、バッティングしたらまず勝てない。逆に言えば、ここまでやらないと厳しい市況を乗り切れないということだ。〝右に倣え〟の商品企画・設備仕様の退化・退行を改めないと、みんな大手デベロッパーに飲み込まれる。
通気機能付き玄関ドア(左)1400ミリの高さにしたクレセント
ピアキッチンのカウンター
顔認証、食洗機、ミストサウナ標準 販売好調 新日本建設「本八幡」「幕張本郷」
「エクセレントシティ本八幡駅前サザンライズ」
新日本建設の売れ行き好調マンション「エクセレントシティ本八幡駅前サザンライズ」と「エクセレントシティ幕張本郷1丁目」を見学した。坪単価は前者が300万円強、後者が200万円であることからターゲット・設備仕様は異なるが、オートロック顔認証システム、食洗機、ミストサウナ、オート開閉タンクレストイレは共に標準装備されている。
まず「本八幡」。物件は、JR総武線本八幡駅から徒歩2分、市川市南八幡4丁目に位置する19階建て全90戸。専有面積は38.21~71.11㎡、価格は3,458万円~7,498万円、坪単価は300万円強。竣工予定は 2020年1月下旬。設計・監理・施工は新日本建設。
現地は、駅すぐの商業地立地。住戸は1フロア5戸で、専有面積は約38㎡、45㎡、58㎡、65㎡、71㎡の5タイプ。
主な基本性能・設備仕様は、内廊下方式、オートロック顔認証システム、一括浄水システム「エクセレントウォーター」、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、オート開閉タンクレストイレなど。
2月から販売を開始しており、これまでに約半分が成約済み。
販売を担当するマンション販売部マンション販売第二部理事部長・田中正宣氏は、「認知度は低いですが、顔認証とエクセレントウォーターなどはどこにも負けない。千葉県で高値追求? 瞬間的に当社物件がそうなったこともあるが…坪300万円超えとなると、お客さんは多くない。当社はこの3年間くらい完成在庫はほとんどない」と話した。
「幕張本郷」は、総武線・京成線幕張本郷駅から徒歩6分、千葉市花見川区幕張本郷1丁目に位置する7階建て全67戸。最終期(8戸)の専有面積は54.06~70.00㎡、価格は2,998万~4,528万円(最多価格帯3,800万円台)、坪単価は200万円。竣工予定は2019年9月上旬。設計・監理・施工は新日本建設。
現地は、三方角地。敷地南側が京葉道路に面してはいるものの、防音壁の効果かそれほど音は感じない。東、西、北側は低層の住宅街。
主な基本性能・設備仕様は、オートロック顔認証システム、食洗機、ミストサウナ、オート開閉タンクレストイレ、引き戸の多用など。
昨年12月から販売を開始しており、残りは4戸。今週末に完売となる見込みとか。
販売担当のマンション販売部マンション販売第五部部長・平原真也氏は、「当地では10棟目。戸数にすると600戸近く。残りの4戸も今週末に成約する見込み」と語った。
「エクセレントシティ幕張本郷1丁目」
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同社の自社マンションを見学するのは久々だった。コンタクトが取れないので、昨年6月、取締役副社長執行役員に就任した宮島青史氏にお願いして見学が実現した。
宮島氏は昭和58年4月、野村不動産に入社。平成21年4月、取締役兼常務執行役員、同24年4月、代表取締役兼専務執行役員、同24年5月、野村不動産ホールディングス執行役員、同25年4月、野村不動産アーバンネット代表取締役社長、同28年4月、取締役会長を歴任。
宮島氏は今後どのような動きをされるのか。時々、マンションの見学をお願いしよう。
今回、2物件を見学して驚いたのは顔認証とミストサウナ、食洗機などを標準装備していることだった。顔認証は採用しているところもあるが、大手デベロッパーは現段階で採用していないはずだ。食洗機、ミストサウナもいい。
双方とも専有面積圧縮型・コンパクトが多いが、これも地域の需要層をしっかり把握しているからだろう。
もう一つ、なるほどと思ったことがある。首都圏ではもっともグロス志向が強い千葉県を地盤に、仕入れ-設計-施工-販売-管理の一貫体制を構築し、200棟9,100戸の数字からも分かるように1棟当たりにすると約46戸だ。販売リスクを抑えるためにはこれくらいの戸数が適しているのだろう。
「エクセレントシティ本八幡駅前サザンライズ」モデルルーム
「エクセレントウォーター」(左)と水道水の違い実験(左のコップの水は透明、右は塩素反応を示した水道水)。浄水器はメーターボックスに設置されるので住宅内でフィルター交換しなくてよい。「タカラの水」「良水工房」とおなじようなシステム
広尾駅前のマンション建て替え サンウッド「広尾」販売順調
「サンウッド広尾」完成予想図
サンウッドのマンション建て替え物件「サンウッド広尾」を見学した。駅から徒歩1分で、価格がリーズナブルであることから早期完売が見込まれる。
物件は、東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩1分、渋谷区広尾5丁目に位置する14階建て55戸(事業協力者住戸27戸含む)。現在分譲中の住戸(5戸)の専有面積は37.40~65.56㎡、価格は7,005万~13,853万円。坪単価は700万円強。竣工予定は2020年5月中旬。設計・監理はIAO竹田設計。施工は松井建設。
現地は、広尾駅から徒歩1分、敷地東側が外苑西通りに接道。東側と西側は開放感があり、眺望もいい。標準階は1フロア7戸、7階以上の上層階は1フロア3戸。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2600ミリ、ディスポーザー、食洗機、御影石のキッチン・洗面カウンタートップ、グローエ水栓など。
都心部の駅近マンションがことごとく高値更新しており、坪700万円強は割安感がある。80㎡台のモデルルームは、オプションだがキッチンカウンターの提案がいい。早期完売が期待できそうだ。
リビング
汚れにくく落としやすいトイレ採用 伊藤忠都市開発「日本橋浜町公園」好調
「クレヴィア日本橋浜町公園」完成予想図
伊藤忠都市開発が分譲中のマンション「クレヴィア日本橋浜町公園」を見学した。浜町駅から徒歩2分の全54戸で、坪単価は約400万円。3月上旬に分譲した第1期1次18戸は完売となっている。3LDKタイプを中心に人気だ。
物件は、都営新宿線浜町駅から徒歩2分、東京メトロ日比谷線・都営浅草線人形町駅から徒歩7分、中央区日本橋浜町一丁目に位置する12階建て全63戸(販売対象住戸54戸、事業協力者住戸9戸)。近く分譲する第1期2次(15戸)の専有面積は54.67~73.65㎡、価格は6,250万~8,340万円、坪単価は約400万円。竣工予定は2020年1月下旬。販売代理は伊藤忠ハウジング。設計・監理はエル設計事務所。デザイン監修はレーモンド設計事務所。施工は大末建設。
現地は、同社が3年前に分譲した目の前が浜町公園の「クレヴィア日本橋浜町」ほどではないが、浜町駅に近い第2弾の物件。敷地は南東側、南西側が道路の角地。
住戸は南東向き・南西向き。40・45㎡台が17戸、54・55㎡台が19戸、65㎡台が9戸、70・73㎡台が9戸という構成。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400~2500ミリ、食洗機(1LDKタイプ除く)、フィオレストーンキッチン天板、ミストサウナ、汚れを取りやすいリフトアップ機能付き便座など。
販売を担当する伊藤忠ハウジングの林大起氏は、「住所が人形町で駅近なら坪単価500万円以上が相場ですが、ここは『日本橋浜町』。価格を抑制気味にしています。南東角住戸の70㎡台の8戸は完売したように、広めを希望されるお客さんが多い」と話した。
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林氏の説明を聞くまで全く知らなかったことがある。リフトアップ機能付き便座だ。トイレ掃除をしたことのある人ならだれもが経験しているはずだが、便器本体と便座のつなぎ部分や便座裏の継ぎ目部分の汚れを落とせない悩みがある。
ところが、今回の物件には便座をリフトアップすることで便器との隙間の汚れを取りやすいINAX製が採用されていた。この製品はまた、従来はあった便座の上の部分と下の部分の継ぎ目がなく、汚れが付きにくく取りやすくなっていた。さらにまた、便器そのものも水返しがないので汚れにくいスグレモノだった。(他社も採用されていたらごめんなさい)
LIXIL広報によると「キレイ便座」という商品名で、便器は「フチレス形状」と呼ぶのだそうだ。
これだけで驚いてはいけない。同社にはもっとスグレモノがある。2016年に開発した「汚物」や「水アカ」による汚れというトイレ最大の悩みを解決し、キレイが100年つづく車で言えばFIクラスの独自技術を投入した「アクアセラミック」だ。戸建てには100%対応できるということだが、マンションはオプションのようだ。
林氏に確認したら今回の物件に採用しているのは「アクアセラミック」ではなく、汚れが付きにくい機能を持つ「ハイパーキラメック」だった。
これだけで400字以上費やしたが、ものすごく勉強になった。これからマンション・戸建てを見学したら「アクアセラミック」かどうかを聞くことにしよう。これを搭載したら間違いなく売れる。
もう一つ書き忘れた。食洗機だ。同社は基本的に食洗機を標準装備し、さらに節水効果を高めるためにボタン一つの操作で済む1~3人用、3~4人用に使い分けている。食洗機もしっかり確認しないといけないということだ。
「アクアセラミック」(同社ホームページから)
わが家のトイレ(どうだ!綺麗だろ。かみさんのお陰。製品はTOTOだった。継ぎ目はある)
浜町公園も浜町駅も15~23秒 立地抜群の伊藤忠都市開発「クレヴィア日本橋浜町」(2016/10/11)
野村不動産 「武蔵小金井」第1期100戸即日完売/「恵比寿」坪900万円でも好調
野村不動産は3月29日、「プラウドタワー武蔵小金井クロス」第一期(100戸)が最高2倍、平均1.05倍で即日完売したと発表した。
専有面積は46.82~112.41㎡、価格は5,307 万~19,432万円(最多価格帯5,900万円台、7,100万円)。坪単価は370万円。登録者属性は、年齢:平均52.1 歳、家族数:平均2.6人。
申込者の評価ポイントは、①都心への高いアクセス性と個性豊かな街が沿線にそろう人気のJR中央線②総開発面積52,000㎡超、中央線駅前最大規模となる壮大な再開発事業③12,000㎡超の商業フロア(食料品ゾーン等)へエレべーターで直結④ホテルライクな内廊下設計、各階ゴミ置場・食配ステーション・防災倉庫を完備-など。
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これくらいは売れるだろうと予測していた。それより、全くの予想外なのが「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」88戸(一般分譲対象外29戸含む)だ。すでに7割が販売済みのようだ。坪単価は恵比寿駅圏バブル崩壊後の最高値の900万円弱。