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ン「RHYTHM Ekkamai(リズム エカマイ)」完成予想図

 三菱地所レジデンスは9月20日、タイ・バンコクのデベロッパーAP社と共同で分譲した第8号プロジェクトマンション「RHYTHM Ekkamai(リズム エカマイ)」(総戸数326戸)を9月3日から販売開始し、9月8日までわずか6日間で全戸完売したと発表した。タイの平均年収は140万円くらいだそうだ。

 都心からのアクセス・生活利便性に優れ、人気のあるスクンビットエリアに位置する地上32階建て。専有面積は30㎡~80㎡、価格は536万バーツから。日本人向けの現地販売ツアーを行い、総戸数の約1割である計30戸に申し込みが入った。

 バンコクは所得の上昇・人口の流入・核家族化の進行・公共交通機関の拡張等により、都心部での分譲マンションへのニーズが高まっており、同社グループは2014年からタイ・バンコクでの住宅事業に参画し、約2年間で計8物件、約6,500戸の販売を行ってきたが、約8割が分譲済み。同社は今後も事業を加速し、年間3~5物件、総売上200億バーツ規模での事業展開の継続を目指す。

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 海外のマンション市場は全く分からないが、〝すごい〟のひとことだ。1バーツ2.92円で換算すると、日本円にして価格は1,565万円から。坪単価で172万円だ。

 先週末、南武線尻手駅圏の京阪電鉄不動産「イマジンテラス(ファインシティ横浜江ヶ崎ルネ)」を見学したが、坪単価は173万円だった。タイ・バンコクとほぼ同じだ。

 「イマジンテラス」は第1期131戸に対して102戸に申し込みが入り大健闘しているのだが、バンコクのマンションはその3倍の戸数がわずか6日間で完売するとは。年収倍率でいえば、日本もタイも同じくらいか。

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「ザ・ガーデンズ東京王子」完成予想図

 三井不動産レジデンシャル・近鉄不動産・大和ハウス工業・三菱地所レジデンス・長谷工コーポレーションは9月16日、5社が共同で分譲している「ザ・ガーデンズ東京王子」の売れ行きが好調につき追加販売すると発表した。

 8月27日から9月3日まで第1期1次として今年の都内最多315戸を供給し、約300組の登録申し込みがあったため、第1期2次として9月下旬に追加供給する。

 物件は、JR東十条駅から徒歩5分、北区王子五丁目に位置する総開発面積約4.3haの全864戸。第1期1次(315戸)の価格は4,878万~7,588万円(最多価格帯5,900万円台)、専有面積は68.19~85.09㎡。5月からのモデルルーム来場者は約1,600組。

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 このマンションについては、別掲の記事を参照していただきたい。売れ行きがいいというのは業界内ではよく知られていたが、この種のプレスリリースが発表されるのは久々だ。300戸超の分譲で即日完売するのは当たり前だったからだ。

 ところが、ここにきて都心部も郊外部も市況が怪しくなってきており、リリースは売れ行きが好調であることをアピールし、秋の商戦につなげようとする狙いがありそうだ。

 今年の一挙供給の多さでは、相鉄不動産他「グレーシアタワー二俣川」が380戸を供給して好調なスタートを切った。

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 このリリースにタイミングよく、9月18日付の朝日新聞デジタルは、北区の魅力をPRするポスター「住めば、北区東京。」と、そのポスターを描いた漫画家・清野とおる氏を紹介している。漫画のタイトルは「東京都北区赤羽」で、「作者が主人公になり、赤羽を舞台に出会った人や発見したものなど多彩な魅力を独自の視点から取り上げた作品」(朝日新聞)だ。清野氏は13年前、板橋区から赤羽に引っ越したという。

 その「北区赤羽」のマンション坪単価は300万円をはるかに突破する。一般所得層が買えなくなってきている。東十条も取得限界にあるが、赤羽より坪数十万円は安い。「住めば、北区東京。」が効果を発揮することを期待したい。

 隣の区、板橋区(一部豊島区)では今から6年前、野村不動産が「プラウドシティ池袋本町」全785戸をわずか半年で完売して話題となった。来場者は12,000組に達した。最多価格帯は「東京王子」より約400万円安い5,500万円台だった。

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清野とおる氏が描いた北区の魅力をPRするポスター「住めば、北区東京。」の一つ

「ザ・ガーデンズ東京王子」(864戸)は坪260万円台(2016/7/8)

記録的な一挙供給量380戸 「グレーシアタワー二俣川」は坪280万円(2016/8/22)

 

 

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「クレヴィア千鳥町」完成予想図

 伊藤忠都市開発は9月16日、ライフスタイルに合わせて間取りの設計変更や収納仕様、浴槽形状などを選択できる「カスタムオーダーメイド」を導入した「クレヴィア千鳥町」(総戸数61戸)のマンションギャラリーをオープンしたと発表した。

 物件は、東急池上線千鳥町駅から徒歩5分、大田区千鳥三丁目に位置する9階建て。専有面積は55.45~94.82㎡、竣工予定は2017年8月下旬。設計・監理は古沢建築工房。施工は鍜治田工務店。

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VRゴーグルを用いた様子

 大京グループの大京穴吹不動産は9月15日、同社のスマートフォンサイトでの売買・賃貸物件紹介にVR(仮想現実)技術を用いた疑似体験システム「ぐるっとネットdeオープンルームVR」の提供を開始したと発表した。

 VRゴーグルと呼ばれる箱型の装置にスマートフォンをセットし、上下左右に動かすことで室内全体を見ることが可能となる。現在約880物件(売買物件約700件、賃貸物件約180件)がVRゴーグルを用いた見学に対応している。全国の営業拠点70店舗で利用できる。

 同社は今年5月からホームページ(http://www.daikyo-anabuki.co.jp/)で売買・賃貸物件を360度のパノラマ画像で閲覧できるサービス「ぐるっとネットde オープンルーム」を始めたが、より利便性を高めるためVR(仮想現実)技術を用いたバーチャル見学システムを今回導入したもの。

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「グレイプス辻堂西海岸」

 東京建物と東京建物シニアライフサポートは10月20日、神奈川県内最大規模となる総戸数158戸のサービス付き高齢者向け住宅「グレイプス辻堂西海岸」を開業する。1964年に完成した総戸数1,311戸の「辻堂団地」再生事業の一環として開発されたもので、地域包括ケアの拠点を目指す。同社グループが目指すCCRCのモデルケースとして位置付けられている物件でもある。開業に先立つ9月12日、メディアに公開された。

 物件は、JR東海道線辻堂駅から徒歩20分(バス7分「辻堂団地」徒歩2分)、藤沢市辻堂西海岸二丁目に位置する5階建て全158戸(ほかに(訪問介護事業所・通所介護事業所)。専用面積18.80~67.59㎡、月額賃料36,000円~325,000円、月額管理費15,000円(浴室あり)・20,000円(浴室なし)、基本サービス(税込)37,800円(1人入居)・64,800円(2人入居)、食材費(税込)は3食30日分で27,540円。共用施設はラウンジ、食堂、共同浴室、健康相談室、多目的ルーム、シアタールーム、屋上テラスなど。東京建物が事業主となり、東京建物シニアライフサポートが貸主となり、ツクイが運営を受託する。設計・施工は大末建設。

 現地はUR都市機構(当時日本住宅公団)が1964年に完成させた全1,311戸の「辻堂団地」の一角にあり、URと東京建物が期間50年の定期借地契約を締結し、高齢化率が約40%まで進んでいる団地の再生事業の一環として開発するもの。

 同社グループのサ高住のブランド〝グレイプス〟のコンセプトでもある「自分らしく生きる」生活をサポートすることに重点が置かれており、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所、医療機関と連携するほか、辻堂団地からの移り住み、隣接する保育園との多世代交流、近接する松下政経塾とのイベント開催、商店街「なぎさモール辻堂」との連携、東京建物が分譲を予定している隣接マンション(詳細未定)との連携も予定している。

 住戸プランは、一人入居から二人入居までが可能なワンルームから2LDKまでの全37タイプ。ワンルーム(19㎡)と1DK(36㎡)を続き部屋として利用できるも用意する。

 これまで70歳代後半の女性が中心に約150組の来場があり、第1期として76戸の募集を行い、30件の入居申し込みがあったという。

 見学会に出席した東京建物シニアライフサポート・加藤久利社長は、「当社グループのサ高住は本件で10棟目。これまで医療機関や地域連携など様々な取り組み・仕掛けをしてきたが、認知症の方が保育園児と会話され、笑顔を見せたりする姿を拝見すると多世代交流の効果があることを実感できる。今後もCCRCを加速させる」と話した。来年度は新宿区大京町で初の有料老人ホーム53戸と、全124戸の「用賀3丁目」などサ高住4棟374戸を供給することも明らかにした。

 同社グループが目指すCCRC(Continuing Care Retirement Community)とは、①健康でアクティブな高齢者が居住できる②介護が必要になっても生活を継続することができる③地域(多世代)との交流・地域機関(医療)との連携体制がある④新たな仕掛けを作るだけではなく、既存コミュニティを活用し無理なく継続するコミュニティを形成する-など。

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エントランス

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食堂・カフェ・バーラウンジ

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食堂テラス

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隣接する保育園(右側の建物)とは扉一つでつながっている

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 同社グループのサ高住を見学するのは6棟目か。これまでのものより今回は規模が倍くらいあるので共用施設の充実ぶりが目立った。アプローチ・エントランスも立派だし、3人が一緒に入れる共同浴室、シアタールームまであった。住戸プランも夫婦が住める50㎡以上が22戸も用意されている。屋上テラスからは江の島、富士山が展望できる。

 注目したいのがコネクティングルームプランだ。どのような使い方がされるかわからないが、介護度が異なる、あるいは仲が悪い夫婦、兄妹、姉弟などが想定されているようだ。

 もう一つ、取材で驚いたことがある。他の記者が運営受託するツクイに入居者の「徘徊」について質問したところ、同社サービス付き高齢者向け住宅事業第二本部本部長・中村こずえ氏は「私どもには『徘徊』という認識はありません」と答えた。「(特養などの)施設とは異なり、サ高住はあくまでも住宅。入居者の方と1対1で向き合うことが大事」と語った。

 なるほどと思った。記者は特養も有料老人ホーム(なんて差別的な法律用語か)も体験宿泊したことがあるが、夜中に「徘徊」する人や「奇声」(失礼)をあげる人がいて一睡もできず、家に帰って半日寝込んだ。「私どもには『徘徊』という認識はありません」-何と重い言葉か。

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共同浴室

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ヒノキ風呂の共同浴室(左)とフィットネスルーム

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モデルルーム

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新規に大臣認定を取得した「FRウッド」

 鹿島建設、住友林業、ティー・イー・コンサルティング、三井住商建材の4社は9月9日、鹿島の純木質耐火集成材「FRウッド」の部材仕様を合理化し、約4割のコストダウンを実現した純木質耐火集成材の新規大臣認定を取得、9月から販売を開始したと発表した。

 「FRウッド」は東京農工大学、国立研究開発法人 森林総合研究所、ティー・イー・コンサルティングと鹿島が共同で開発し、2012年3月に鹿島が大臣認定を取得。東京都内の飲食店舗「野菜倶楽部oto no ha Café」に実適用している。①国産スギ材を多用②木材を被覆せずに「あらわし」とし、かつ「構造部材」として利用可能③荷重支持部の周囲に難燃薬剤を注入し1時間の耐火性能を確保④鉄骨造より36%、鉄筋コンクリート造より47%の環境負荷低減が可能-などが特徴。

 今回新たに取得した大臣認定は、①薬剤注入方法の改良により燃え止まり層の厚さを60mmまたは75mmから「50mm」にスリム化②インサイジング処理を1600孔/㎡から「800孔/㎡」に半減③梁の荷重支持部(無処理層)をスギから構造性能が優れた「カラマツ」へ変更-など仕様合理化によって約4割のコストダウンを実現した。

 4社は今後、公共施設や教育施設、福祉施設など様々な建築用途を対象に、小規模から大規模な建物まで幅広く展開していくとし、混合構造の提案も行っていく。さらに、2時間耐火仕様についても、すでに加熱実験により耐火性能を確認しており、新たに大臣認定を取得し、実用化する。

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従前(左)と新認定

⑥FRウッド(梁)_.jpg ⑦新認定の純木質耐火集成材(梁).jpg
従前(左)と新認定

 

鹿島建設・住友林業 スギ耐火集成材を初採用「oto no ha Cafe」(2013/5/15)

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「ルピアージュ田無」

 ポラスグループの中央住宅は9月9日、同社2棟目の一棟リノベーションマンション「ルピアージュ田無」の記者見学会を行った。西武新宿線田無駅から徒歩10分の第一種低層住居専用地域に位置する全50戸で、5つのモデルルームから好みのプランを選べるのが特徴だ。

 物件は、西武新宿線田無駅から徒歩10分、西東京市田無町7丁目の第一種低層住居専用地域に位置する3階建て全50戸。専有面積は73.45㎡、第1期(3戸)の価格は4,198万円~4,548万円。坪単価は200万円強。建物は平成5年2月に竣工。施工は長谷工コーポレーション。改修は長谷工リフォーム。改修完了は平成29年2月中旬予定。販売代理は長谷工アーベスト。

 大手企業の社宅だったのをスケルトンでリノベーションし、共用部分・外構・植栽を一新。一部の住戸には最大52.85㎡の専用庭を設置。エントランスにはルーバーフェンスを設置。駐車場は38台分確保。

 住戸プランは、費用負担がかからないものから270万円の5つのモデルルームを用意し、好みのプランを選べるのが特徴。

 同社取締役マインドスクェア事業部長・金児正治氏は、「昨年分譲した『天王台』は残り3戸。いろいろなことを学んだ。今回はプランをパッケージ化して好みのものを選んでもらうようにし、施工したのが長谷工さんであり、今後の展開も考えて改修、販売代理も長谷工さんにお願いした。1棟リノベは『百合丘』21戸の仕込みも済んでおり、今後は年間2棟くらいを供給していきたい。事業部全体では来年度売り上げ100億円にチャレンジする」と語った。

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グランドエントランス

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 従前は大手企業の社宅で、建築確認が平成3年とあるからバブルがはじけた直後だ。分譲だったら坪単価は300万円近くしていたころだ。外観はタイル張りでバブル仕様であることをうかがわせた。

 ただ、同社が昨年分譲した「天王台」は90㎡が中心で今回は73㎡。ここに大きな差がある。企業の社宅に対する考え方や用途(幹部用か一般社員向けか)の差が出ているようだ。

 見学会で公開された5つのモデルルームは以下の通り。

①「Gathering House 笑顔のステーションを持つ家」(設計デザイン:中央住宅マインドスクェア事業部マンションDv、追加料金95万円)

②「SLOW HOUSE 包容力の豊かな家」(設計デザイン:中央住宅 マインドスクェア事業部女性チーム、追加料金115万円)

③「DECOR Houseデザインを魅せる家」(設計デザイン:中央住宅スタディ・スタイル一級建築士事務所、追加料金270万円)

④「DRESS HOUSE 優雅な時を奏でる家」(デザイン提案長谷工アーベスト、追加料金230万円)

⑤「Atelier HOUSE 『個』を大切にする家族の家」(デザイン提案:長谷工リフォーム、追加料金ゼロ)

 記者が一番いいと思ったのは①「Gathering House 」だった。モデルルームは8月27日からオープンされており、2週間で40組ある来場者の一番人気もこのタイプだそうだ。すでに〝十八番(おはこ)〟となっている〝ピアキッチン〟が標準装備されている。

 追加料金がもっとも高い270万円の③「DECOR House」は、建具や面材に「シナベニア」を多用し、コルク材の床、コンクリート打ちっぱなしの土間の提案など意欲的な作品ではある。世界的な流れを盛り込んだ企画意図もよくわかるのだが、「シナベニア」はいかにも「べニア板」仕様だ。同社が分譲する戸建てはいかにも「木」らしい素材感がある建具・家具を採用している。

 他のプランはオーソドックスなものだ。従前の間取りプランは、中央に玄関があり、北側に2住戸、南側にリビングと和室(洋室)に振り分ける平凡な田の字型プランだったと思われるが、今回も基本的にはそれを踏襲するものだ。世帯構成が激変し、ニーズも多様化している現在、もっと大胆な提案があってもよかった。5つのプランとも全て3LDKだった。

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①「Gathering House 笑顔のステーションを持つ家

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④「DRESS HOUSE 優雅な時を奏でる家」

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③「DECOR Houseデザインを魅せる家」

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②「SLOW HOUSE 包容力の豊かな家」

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⑤「Atelier HOUSE 『個』を大切にする家族の家」

ポラスグループ、“オールポラス”で初のリノベ 「天王台」はバブル仕様(2015/11/19)

 

 

 

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「Duo Veel銀座レジデンスギャラリー」

 フージャースコーポレーションがコンパクトマンションブランド「Duo Veel(デュオヴェール)」を立ち上げ、初弾の「Duo Veel飯田橋」「Duo Veel渋谷初台」の総合マンションギャラリー「Duo Veel銀座レジデンスギャラリー」を9月3日(土)にオープンした。

 マンション分譲事業で培ってきたものづくりのノウハウを生かし、女性ものづくりチームが中心となって商品を企画。メインターゲットとしている「都心でいきいきと、自分らしく働く女性」が快適に暮らせる住まいを提案する。

 今後、この2物件を含め秋葉原・学芸大学・上野松が谷・赤羽で計6物件約250戸(上記2物件含む)の供給を予定している。2021年3月期には年間供給約300戸のコンパクトマンションを手掛けていく計画。

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 このプロジェクトの説明会が9月28日(水)に行われるで、取材してレポートしたい。

 

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伐採されることになっている「白山通り」のイチョウ(ごみもなくなるのか)

 先日、記者が以前書いた記事「街路樹が泣いている」を読まれたという千代田区の方から次のようなメールが届いた。

 「今の千代田区では『自転車道整備・歩道整備』の名目で、『神田警察通り』の共立学園横の樹齢80年以上のイチョウの木を全て伐採する計画が持ち上がっております。『街路樹は道路の付属物』の実例です。
 街路樹が泣いている状態です。またこの様な貴重な樹木を伐採するという重要な行政行為が区民には伝えられないのです。
 区議会への説明でも『歩道を整理!』と課長が議員に説明して、予算は通りました。しかし実施の段階で区民・在勤者の知るところになり、今は休止の状態です。区民からの『樹木を保存して、活用する』陳情も出たばかりです。今都内ではオリンピック関連で同じような、街路樹の伐採が多く行われております。
 オリンピックを目途に緑を増やすことが重要なのに、逆行している状態です」

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伐採される「神田警察通り」のイチョウ(共立女子大前で)

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確かに異形であるイチョウ

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「神田警察通り」

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 早速、取材することにした。この方が指摘する「神田警察通り」の伐採計画は、神田錦町から神田駅までの4車線一方通行道を3車線にし、歩道空間を現行の2.7~3.5mを4mに拡幅し、自転車走行空間を整備するものだ。

 平成23年から計画が進められており、第1期工事については昨年から地元と協議を始めており、今年3月の議会で議決されている。計画では共立女子大学と一橋大学施設の間のイチヨウ32本とプラタナス5本を伐採することになっている。

 伐採のために今年7月、イチヨウの枝落としを行ったところ、「切らないで」「かわいそう」「何の説明もなく伐採するのは問題」という声が上がったため工事は中断したままになっている。区は引き続き住民にしっかり説明していくと言っている。

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 現地を歩いた。計画の主旨はよくわかる。近接する神田神保町界隈は再開発による大規模な店舗・事務所・マンションなどが整備され、また〝食の街〟として人気になるなど、大学の街・古本屋の街が一変したのに対し、神田警察通りは駅から少し離れており、沿道には共立大学、学術総合センター、神田警察署、神田税務署、正則学園、錦城学園、博報堂など外部の人にはなじみがない施設やビルが建ち並び、賑わいの点で大きく差をつけられている。その危機感が背景にあるのだろう。

 イチョウの大木は確かに見事だ。真冬ならともかく、緑の葉が真っ盛りの7月に枝落としすれば「かわいそう」という声が上がるのも当然だ。行政サイドに配慮が欠けていたというほかない。しかし、「全然知らなかった」という住民側にも問題がある。計画は5年も前から始まっている。〝街を自分たちでつくっていく〟主体者意識が欠如していると言わざるを得ない。

 区内にはこのほかにも2カ所で街路樹の伐採計画がある。一つは、御茶ノ水駅から駿河台下までの区道「明大通り」の歩道空間を整備する目的で実施されているものだ。その第1期工事分としてプラタナスなど34本が伐採されることになっている。もう一つは、水道橋駅から神保町交差点までの都の「無電柱化電線共同溝工事」により全体の約4割50本のイチョウが伐採される計画だ。

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「神田警察通り」に面した安田不動産「テラススクエア」の公開空地

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総合設計制度により確保された公開空地の池には鯉や金魚が泳いでいた

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 「明大通り」のプラタナスの伐採については、今年6月15日に行われた区の企画総務委員会の議事録には次のようなやり取りがある。一部を紹介する。区民の代表である区議の街路樹に対する認識がよくわかる。

 道路公園課長 現状のプラタナスが大変樹高が高くなりまして、落ち葉ですとか、あるいは毛虫といった、そういうものが沿道で、実際、非常に困るという問題がございまして、そういう意味では、高くならず、葉張りが余り広がらないということでございまして、そういう特徴があって、今回設定したマグノリアというところは、高さは8メートルほどで抑えられて、なおかつ、木の形、樹形が比較的横に広がらないという特徴、さらに花が咲くという特徴もございまして、選定にふさわしいというところで、地域にご提案したところでございます。

 A委員 …このプラタナスはもう寿命なんですか。年期が来ているの。それとも、生きている木を取っちゃうんですか。…こういう街路樹に関する思想的なというか、物の考え方とか、美観、ゆとり、潤い、品格、そして防火・防災、そういったことも含めた未来をどう描いていくかということについては、詰めが我々が甘かったと思う…何というか、詰めの甘いというか、熟度の甘いというか、そういうところで、やってしまえば簡単なんですけれども、木が高いんですよ、落ち葉が、毛虫がというふうに言われると、全くどうなのかなということは残るので。…このマグノリアで契約しているんでしょうから…まちの人たちは全く知らないわけですし、明治大学だって、あそこ、何ですか、カルチェラタンにしようと言っているわけですし。だったらば、その通りのイメージとして、定着したプラタナスを維持したほうがいいのか、切ったほうがいいのか、あるいは新しく植えたほうがいいのかということについては、やっぱり地元を挙げて協議して確認をすべき事項だと思うんですよね。…

 委員長 議案第31号、歩道拡幅工事「明大通りI期」請負契約について賛成の方の挙手を求めます。〔賛成者挙手〕

 委員長 賛成全員です。よって、議案第31号は可決すべきものと決定いたしました。

 都道「白山通り」の無電柱化については、平成26年6月4日の企画総務委員会でも論議されているが、担当課長は「『白山通り』につきましては、東京都が管理する都道でございます。現在、図の水道橋駅から神保町交差点までの間の約700メートル区間、オリンピックのマラソンコースに指定されておりまして、コースの中で唯一、無電柱化されていない状況にございます。そこで、オリンピック開催に向けまして、ここにつきましては都市計画道路の拡幅整備の予定が入っておりますが、それに先行して無電柱化を行うというものです。……地域もおおむねそれで了解を得ているということでございます」と答えており、イチョウの伐採についてはまったく論議されていない。

 これらのやり取りから判断して、明大通りや白山通りの街路樹の伐採については区議からはほとんど異論が出ていない。「このプラタナスはもう寿命なんですか」という質問が飛んでいるが、この委員の方は現地を見ていないのでは。樹幹を見れば寿命でないことは一目瞭然だ。せいぜい数十年だ。人間なら妙齢にも達していない。プラタナスについての知識がないからこのようなチンプンカンな質問しかできないのだ。

 われわれは都市計画は100年の計と学んだ。その物差しもかなぐり捨てて、100年、200年のスパンで成長する樹木のことも全然考えずに、目先の利便性だけを最優先してマグノリア(これはこれで美しいが)に変更するのは理解できないが、みんなが決めたことだろうからそれはそれでいいのだろう。明大カルチェラタンの歩道に敷かれていたレンガをはがしたのは誰だっけ。

 落ち葉や毛虫について。落ち葉は断じてゴミではない。肥料になるしやがて土にかえる。たき火の材料にして焼き芋を焼くのもよいではないか。毛虫が湧くのはまだ健全ということだ。むしろ毛虫を食べる小鳥が住めなくなってきたことを憂慮すべきだ。

 「白山通り」の街路樹について。水道橋駅から神保町交差点までは古本屋も多いが飲食店も多く、植栽枡・緑地帯にはバイクや自転車が置かれ、ゴミも散乱している。やはり醜い。町内会や商店主などで論議し、きれいにすべきだ。

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「明大通り」のプラタナス

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明大キャンパスから駿河台下に向かう通りのプラタナス

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 東京都は平成17年度「街路樹充実」事業で、当時の都内における街路樹本数48 万本(国道2万本、都道約16万本、区市町村道30万本の合計)を100万本に倍増していくことを打ち出した。計画は順調に進んでおり、平成23年度末には中木を含めて79万本に増加。都道の街路樹本数は39万本に達し、「魅せる街路樹」を目標に掲げる。

 「幹周90cm以上の大径木の街路樹は、都市に『うるおい』や『やすらぎ』を与えるだけでなく、ヒートアイランド現象の緩和や大気浄化機能にも大きな役割を果たしている」としながらも、「数々の役割を担っている街路樹は多くの課題も併せて抱えているのが現状」とし、「2020年の東京~大震災を乗り越え、日本の再生を牽引する~(平成23年12月)」で「大径木再生大作戦」事業を打ち出し、大径木を『元気で生き生きとした街路樹』に再生していくこととしている。

 さらに、「平成26年度 大径木再生指針」には次のような記述がある。

 「街路樹の中には、東京の顔、地域の顔として親しまれているものも多い。また、東京都が街路樹管理を担う前から存在する樹木については、地域住民の関心の深いことが多い。こうした街路樹については地元住民等の意見に十分留意する必要がある。街路樹についての住民の意見は一つとは限らず、例えば直近の住民は落葉などの問題とも関係して伐採や更新に理解を示す一方、やや離れた場所の住民や一般通行者は伐採や更新に反対するといった場合も少なくない。このような傾向は景観的、歴史的価値の高い街路樹を抱える地区や、近隣住民の街路樹への関心や思い入れの強い地区ではいっそう強くなることが多い。

 このような地区における街路樹の管理については、個別・地域的な事情に充分配慮しながら計画的に行うことが必要不可欠であり、『街路樹防災診断』の結果からそのまま措置方法を決めるのでは不十分である。個別・地域的な背景にも留意して措置方法を検討する必要がある」

 また伐採や剪定がスムーズに行われている例として、住民協議会、杉並区、東京都の三者による「中杉通りケヤキ並木連絡会」をあげ、「丁寧な事前説明、意見聴取や管理の試行を行って地元住民の理解を得ることにより、安全等の観点から必要な伐採や剪定がスムーズに行われている」としている。

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よく管理されている「白山通り」の街路樹と植栽枡

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水道橋駅に近い「白山通り」

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伐採されるイチョウ

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都のお知らせ看板

樹齢30年以上 戸建てより低く〝伐採〟された「白岡ニュータウン」のケヤキの街路樹(2016/4/27)

続々「街路樹が泣いている」 押上・異形のスカイツリーに怒れるスズカケ(2015/3/20)

街路樹が泣いている(8) 奇形ばかり海浜幕張・電柱そのもの府中街道の街路樹(2012/6/5)

 

 

 

 

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外観

 三井ホームは9月7日、同社のロングセラー商品である戸建て「オークリー」のファサード、インテリアのデザインを一新するとともに、新たなライフスタイル提案を組み込んだ新しい「Oakley(オークリー)」を発売する。

 外観を、従来のオークリーで評価の高かった3連の木製窓や木製付梁などはそのままに素材の質感を高め天然木の魅力を前面に押し出し、1階にはコリドー風「和テラス」を設けたウッディスタイルを採用したのが特徴。

 インテリアは、「木を愛し、自然を取り込む」をテーマにさまざまな表情をみせる自然素材である木と石を随所に用い新発表のNEW STYLE COLLECTION第5弾「Essential Nature Styleエッセンシャルネイチャースタイル」を初めて採用する。

 プランニングは、家族や友人をはじめとする人との繋がりや集いを大切にするライフスタイルを意識し、より自由度の高い住まい方が可能な大空間と高い居住性を提案。「心地よい繋がり」をテーマに空間の連続性を重視し、コリドー風「和テラス」を介して屋外ともゆるやかに繋がる快適な居場所を演出している。

 販売エリアは沖縄を除く全国で、参考価格は施工面積49.36坪で坪単価69万円から。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)にも対応し、坪単価差額は+6.8万円。販売目標は年間200棟(昨年度実績は130棟)。

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「和」テラス

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グランド ラウンジ

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 一昨年見学した「川越スタイル」と似てはいるが、外観はウッドプランターや軒の4本の柱が新たに加わったのが特徴。付梁・柱・破風には浮造り加工が施されている。

 このほか、スプーンカット加工されたスキップラウンジの框、ウォールナットの家具、柱ヤバネ、ロングチェア(ジョージナカシマ)、御影石の壁、滝をイメージしたガラスのアートなど木の心地よさ、自然との調和、匠の技を随所に盛り込んでいるのが目を引く。

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スキップラウンジ

三井ホーム、和モダンの「川越モデル」がヒット 2カ月弱で7件成約(2014/10/28)

 

 

 

 

 

 

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