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千代田区議会 企画総務委員会

 千代田区が計画している街路樹の伐採の中止・保存を求める5件の請願書の取り扱いを千代田区議会から付託された企画総務委員会は10月17日、請願書を採択することを決定、計画の変更、樹木医による街路樹の診断、位置づけを明確にすることなどを議会に報告する。区側もイチョウの伐採を議会や区民に説明してこなかったことに対して「説明不足」「認識不足」であることを認めており、計画が変更されるのが確実となった。

 請願書の取り扱いについての審査は10月3日に次ぐもので、この日は各委員から「基本的な大事なことを議案に盛り込まなかった」「自然が豊かでないと人間も豊かになれない。民主的な手続きがなされなかった。事前に住民に説明すべきだった」「街路樹に込められている地域の思いを軽視した」「区の上位計画で街路樹の保存をうたっている」などとし、保存を求める声が相次いだ。

 これに対して区側は、「安心・安全の道路管理を行わないと管理責任が問われる」(道路管理課長)としながらも、「街路樹が果たす役割、区民の思いに対する認識が不足していた。今後は様々な先進例に学びながらきちんと位置づけしていく」(まちづくり部長)などと答えた。

 最終取りまとめを行った林則行・企画総務委員会委員長は、①神田警察通りの1期工事についてはイチョウの並木を保存するために整備内容を見直しすること②区道の街路樹については安心・安全を基本に樹木医の診断を行い、維持管理に取り組むこと③区道の整備については、専門的見地をふまえ、5,023本ある街路樹のあり方を含め指針等を策定すること④東京都に対し区の方針を反映できるよう要請すること-などを骨子とする議会への報告書をまとめると語った。

 この問題については、今年3月議決された区の自転車通行環境整備第一期工事として業者が共立女子大学と一橋大学施設の間のイチヨウ32本とプラタナス5本を伐採するための枝落としを7月に始めたところ、「切らないで」「かわいそう」「何の説明もなく伐採するのは問題」という声が上がったため工事が中断したままになっている。

 その後、街路樹の伐採の中止・保存を求める5件1,375名の陳情書が区議会に提出されている。共立女子学園出身のブライダルファッションデザイナー・桂由美氏らは〝街路樹は人生の一部〟と陳情書で語っている。

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 審査は前回と今回を合わせ約9時間に及んだ。結局は住民の請願書がほぼ全面的に認められた格好になった。非常に結構なことだ。〝話せばわかる〟機能は生きていた。

 しかし、考えなければならないことも明らかになった。街路樹をそれぞれの立場の人の都合にあわせ考えることの愚を教えてくれた。

 審査の段階で行政は街路樹を道路施設の付属物という認識しかなく、伐採についてきちんと説明しなかったことが明確になった。議会(議員)の行政チェック機能も問われるべきだし、問題をこじらせたのは住民の関心の薄さにも原因がありそうだ。

 千代田区は2002年に策定した「第三次長期総合計画」で、「街路樹は、根や枝葉の成長に必要な日照などの生育条件が成約された環境にある」「街路樹や緑地の樹木が、生き生きと生育するため、適正に管理していく必要がある」とし、また「風格ある都心景観の形成を推進するためには、歴史的な景観を維持・継承し、あるいはこれを強化・発展させるなど、面的な景観誘導、歴史的資産の保全などを積極的に進めていく必要がある」としている。

 今回の問題を契機に、千代田区が先進的な街路樹の取り組みを行うことを期待したい。

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枝落としされた神田警察通りのイチョウ(右の建物が共立女子大の建物。9月撮影)

千代田区「説明不足だった」 「豊洲」と同じ様相 神田警察通りのイチョウ伐採問題(2016/10/8)

神田警察通りの街路樹は人生の一部」 桂由美氏らが伐採中止求める陳情書(2016/10/3)

またまた「街路樹が泣いている」 千代田区 街路樹伐採で賛否両論(2016/9/8)

 

 

 

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「パークコート青山 ザ タワー」外観イメージ

 三井不動産レジデンシャルは10月18日、〝AOYAMA FLARE〟をコンセプトにした曲線美を強調した世界基準のラグジュアリタワーマンション「パークコート青山 ザ タワー」の第1期分譲55戸の申し込み登録を10月15日から開始したと発表した。青山公園を眼下に見下ろす26階建て全163戸で、第1期分譲の坪単価は950万円。もっとも広い約300㎡の住戸(価格は未公表)も含め今回の最高価格15億円(234㎡)住戸にも申し込みが入っているという。登録締め切りは10月23日。来場者は約500組。

 物件は、東京メトロ銀座・半蔵門線・都営大江戸線青山一丁目駅から徒歩3分、港区青山2丁目に位置する26階建て全163戸。第1期55戸の専有面積は70.07~234.04㎡、価格は1億7,880万円~15億円。坪単価は950万円。竣工予定は2018年3月下旬。施工は大林組。売主は同社のほかシンガポールのデベロッパーCITY DEVELOPMENTS LIMITEDがこの事業のために設立した特定目的会社Iconique。

 現地は、道路を挟んだ東側に青山公園、南側に青山霊園が広がる繁華街から一歩入った比較的静かなエリアの一角。

 建物の設計に当たっては、世界的に活躍するインテリアデザイナーであるブルーノ・モワナー氏、ガラス師のエマニュエル・パロワ氏、彫刻家の安田侃氏を起用。〝AOYAMA FLARE〟をコンセプトにし、外観から外装のディテールに至るまで曲線の美しさをデザインに取り込んでいるのが特徴。

 1階部分は人工地盤とし、最高5メートルの高さの石垣で囲う。人工地盤上の2階レベルはプライベートガーデンとし、安田侃氏のアートが配置される。最上階には貸し切り(30分2,500円)も可能なインフィニティプールなど共用施設を設置するなどラグジュアリタワーマンションにふさわしい様々な共用施設・サービスを行う。

 住戸デザインでは、床から天井までのフルハイサッシとガラス手すりを採用。ガラス手すりは眺望の妨げにならないよう笠木を設けず、住宅床よりサービススペース(建物外周のバルコニー)の床レベルを下げ、さらにサービススペースは避難経路と設備配置スペースに用途を限定する。

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スカイラウンジ

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インフィニティプール

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サービススペース

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 曲線美を強調したマンションはそこそこあるが、これほど徹底したマンションを初めて見た。シアターからしてそうだ。マンションの概観や共用部分を背景に背丈の3倍くらいありそうなドレスをまとったバレリーナが優美に舞うシーンが音楽と共に映し出される。ナレーションは一切なし。観る者を異次元の世界に誘い込む。非日常の極みのマンションだ。

 モデルルームもしかり。115㎡と234㎡は角住戸タイプで、床、壁、天井、家具調度品に至るまでアール状のものばかり。ドアノブも握り玉にする凝りようだ。デザインを担当したブルーノ・モワナー氏が映像で紹介され、浮遊感を演出した旨のことを話したが、記者などはガラスの向こうから自分を見つめる醜悪な顔に愕然とし、眩暈を起こしそうになった。来場者の多くも「初めて見た」と驚くそうだ。

 素材はコルキア(大理石)、シカモア、黒檀、オーク、本皮などがふんだんに用いられ、設備機器はジェシー、ガゲナウ、ミーレ、ジャクソン、ドンブラハなど外国製ばかりで、日本製はTOTOの便器くらい。ガラス製のオブジェでもあり腰掛は数百万円するそうだ。同社の最高級シリーズ〝パーク・マンション〟とほぼ同等のグレードと見た。

 300㎡の最高価格住戸の価格は未公表だが、20億円を突破するのは間違いない。30億円と聞いても驚かない。

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234㎡のモデルルーム 

 野村不動産アーバンネット10月14日、不動産情報サイト「ノムコム」にホームステージング物件特集サイトを設置するとともに、対象物件を拡大し、サービスを恒久化したと発表した。

 ホームステージングとは、売却物件の室内にインテリアコーディネートを施してモデルルームのように演出することで、中古住宅を早期に売却できるようにする手法の一つ。アメリカではかなり普及しているといわれる。

 同社は2014年11月、20階以上のタワーマンションで専有面積60㎡以上を対象に導入、780を超える物件にホームステージングを行ってきた。ホームステージング実施物件は、未実施の物件に比べて、売買契約の成約率が約1.5倍、販売活動開始から売買契約までの期間が約2割短縮された。

 成果があったためにホームステージングサービスを恒久化し、対象物件を拡大することにしたもので、首都圏・関西圏の営業エリアの2000年(平成12年)1月以降竣工のマンション・戸建て(マンションは50㎡以上、戸建ては80㎡以上)を対象に、「野村の仲介+(PLUS)店舗」と専属専任・専任媒介契約を締結した個人・法人(宅建業者を除く)の顧客などを条件としてサービスを実施する。家具などの設置期間は最長3カ月。

日本ホームステージング協会、今秋に世界規模のイベント開催(2016/2/25)

 

 

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「グラディスさいたま新都心」

 マリモが10月から竣工販売を開始した「グラディスさいたま新都心」を見学した。JR埼京線北与野駅から徒歩3分、京浜東北線・高崎線・宇都宮線さいたま新都心駅から徒歩11分の全36戸で、この半月で18戸を成約(申し込み含む)するなど好調なスタートを切った。

 物件は、JR埼京線北与野駅から徒歩3分、JR京浜東北線・高崎線・宇都宮線さいたま新都心駅から徒歩11分、さいたま市中央区上落合2丁目の第二種住居地域に位置する7階建て全36戸。専有面積は65.51~70.00㎡、現在分譲中の住戸(9戸)の価格は4,740万~5,420万円(最多価格帯4,700万円台)、坪単価は250万円。建物は平成28年6月完成済み。設計・監理はイクス・アーク都市設計。施工は飛島建設。販売代理はアートランド。

 現地の用途地域は第二種住居地域だが、敷地南側は第一種低層住居専用地域で2~3階建ての戸建てが建ち並ぶ住宅街の一角。住戸は全戸南向きでのファミリータイプ。

 10月から販売を開始しており、低層階住戸や角住戸、高層階住戸中心に第1期18戸が完売・申し込み済み。販売担当者は「スタートとしては順調。立地・アクセスのよさが評価された」と話している。

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 初めてマリモのマンション「ポレスター飯能」を見学してから9年。その後、リーマン・ショックの打撃を受けながら経営の立て直しを図り、ここ数年はマンションデベロッパーから総合デベロッパーへの転換を図っている。

 市街地再開発事業、戸建事業、戸建賃貸事業、インバウンド、アウトバウンド事業、収益不動産事業(流動化事業)に参入、さらに中国、フィリピン、インドネシア、マレーシアなど南アジアへも進出した。

 新しい事業が開花するのはこれからだろうが、「利他と感謝の精神」を経営理念に掲げるこうした中堅デベロッパーを応援したい。

 「グラディスさいたま新都心」は、やはり建築費高騰の影響を受けているのだろう。植栽など外構には力を入れているが、設備仕様は普通で、専有面積も圧縮気味だ。坪単価も安くはないが、浦和・大宮駅圏は坪300万円を突破してきている現状を考えれば妥当な値段か。

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モデルルーム

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 見学する目的は他にもあった。「不動産ビッグデータでビジネス展開する」スタイルアクトが10月3日、「首都圏エリア別『沖式儲かる確率上位物件ランキング』2016年10月版」を発表したのだが、この「沖式儲かる確率上位物件」の首都圏エリア別トップマンションに埼玉県ではマリモのこの「新都心」が選ばれていたからだ。他のエリアは住友不動産、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、新日鉄興和不動産など大手が並んでいる。

 「沖式儲かる確率」とは、簡単に言えばマンション収益(家賃相当額+売却時損益)を新築時分譲価格で割って、「マンション利回り」を算出し、2%以上だと資産性が高く、1%台だと平均的、1%未満だと資産性が低いとするものだ。

 投資用マンションならともかく、ファミリーマンションを収益面だけで「儲かる」「儲からない」などとする乱暴な手法にあ然とするほかないのだが、スタイルアクトが宅建業者であることには注目したい。同社もいわゆる「不動産テック」の部類に入るのだろうが、レインズのビッグデータは不動産業者のみが利用可能なもので、その優位性を武器に消費行動を左右させる情報を提供する商行為はいかがなものか。

 「新都心」の販売担当者にこの件について聞いたが、「全然知らない。70㎡のモデルルームは家賃相当額18万円としているが、価格は5,300万円台。利回りは決して高くない」と戸惑っていた。他のデベロッパーも同じではないか。 

マリモ「弊社の健全な経営状況について」公開(2008/11/30)

造り手の心を伝えるマリモのマンション(2007/3/26)

 

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 野村不動産アーバンネットは10月13日、「野村の仲介+(PLUS)」の新テレビコマーシャルの放映を開始した。

 第4弾となる今回のCMでは、一億総活躍社会の実現に向けて注目されている「近居」がテーマ。キャッチフレーズは「言われていないご希望にさえ、こたえる仲介でありたい。」

 「子育て」と「高齢者」の視点から積極的に近居をお客さまに紹介していることをアピールする。

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 同社が2013年に新ブランド「野村の仲介+(PLUS)」を立ち上げてから4年目。過去のCMのキャッチフレーズを紹介すると、

・2013年10月 「家を買う。家を売る。その不安のひとつに、仲介業者はなっていないだろうか」

・2014年10月 「ただ住まいを探すだけなら、不動産仲介なんていらないと思う。」

・2015年10月 「不動産仲介だから提案できる、人生設計もある」

 そして今回は、「言われていないご希望にさえ、こたえる仲介でありたい。」

 「近居」をテーマにしたのは正解だ。先日もUR都市機構と千葉市が「近居」を推進する記者説明会を行った。親子がそして地域が支えあわないと生きられない社会になってきた。

千葉市に住もう〟UR都市機構と千葉市が連携「近居」を支援(2016/10/13)

野村アーバン またまた刺激的CM 富裕層取り込む狙いか(2014/10/7)

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「祝・飛龍不二法門」

 積水ハウスは10月13日、梅田スカイビル内に新しい芸術文化発信拠点となる「絹谷幸二 天空美術館」を2016年12月23日(金・祝)に開館すると発表した。

 梅田スカイビルは1993年3月に竣工した40階建て二棟連結の斬新なデザインのオフィスと商業施設からなる複合施設。2008年、英国TIMES社の「世界の建築物20選」に選ばれている。最上部の「空中庭園」には2015年度は過去最高の121万人(うち海外より72万人)が来場した。

 絹谷幸二氏はわが国のアフレスコ画の第一人者で、日本芸術院会員、東京芸術大学名誉教授、日本芸術家連盟理事。2001年、「蒼穹夢譚」で日本芸術院賞受賞。

 「絹谷幸二 天空美術館」は、大阪湾に臨む街を見渡せる眺望の開けた「梅田スカイビル タワーウエスト27階」に開館。象徴的なプロローグ展示と、3D映像による絵画の世界を空間として体験できる「シンボルゾーン」、絹谷幸二氏の絵画のイメージに合せた青や赤の「展示ゾーン」、制作過程の絵画も見ることができる「アトリエ」、子どもの絵画教室などを開催する「ワークショップスペース」などで構成される。

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エントランス イメージ図

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 絹谷氏は記者がもっとも好きな画家のひとり。絹谷氏が有名になる前に絵の購入を考えたことがある。結局買わなかった(買えない値段ではなかった)のだが、NHKの日曜美術館は必ず観ていた。有名になってから絹谷氏がデザインしたネクタイを買い、擦り切れるまで身に着けていた。

 渋谷・セルリアンタワー、松戸競輪場、みなとみらい線横浜駅、京都ブライトンホテルなどで作品を見ることができる。

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「えるぼし」最高評価マーク

 野村不動産は10月13日、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づく認定マーク「えるぼし」の最高評価の認定を厚生労働大臣から受けたと発表した。

 「えるぼし」は、本年4月に施行された「女性活躍推進法」に基づく女性の活躍度を測る認定制度で、「採用」・「継続就業」・「労働時間等の働き方」・「管理職比率」・「多様なキャリアコース」の5つの評価項目のうち基準を満たした項目数に応じて3段階に分類されており、同社は5つの項目すべてにおいて基準を満たしたことから、最高評価となる3段階目の認定を取得した。

 同社は、「ダイバーシティ経営」を経営戦略の一つに位置づけ、女性を含めた多様な人材が、各々の能力を十分に発揮できる企業風土の醸成に向けて、ダイバーシティ推進活動に取り組んでいる。その取り組みの一環として、女性が活躍できる環境整備(女性総合職採用のための「女性フォーラム」の開催、育児・介護を含む両立支援及びキャリアアップ支援の制度整備、社員への啓蒙活動など)を行ってきたことが、今回の認定取得につながったとしている。

 「えるぼし」の認定をこれまで受けたのは145社で、不動産業界では同社のほかヒューリックが3段階目の認定を受けた。

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 〝女性活躍〟なる言葉は、女性が活躍できていない社会であることを国も認めているという点で納得もし、またそのようにしなければならないと記者も考えるが、ことさら〝女性活躍〟の政策を掲げなければならないほど男女差が拡大しているということの証左だ。そしてまた、〝男性活躍〟はどうかと問われれば、活躍していると答えられる男性はどれだけいるのか。これもまた少ないからこそ〝一億総活躍〟というお題目に変わったのだろう。

 この難問はともかく、同社がヒューリックとともに「えるぼし」の認定を受けたのは率直にうれしい。昨年の8月、記者は同社広報部長(現コーポレートコミュニケーション部)・宇佐美直子氏にインタビューし、その記事を書いている。こちらも参照していただきたい。

「女性活躍」待ったなし 不動産業界の取り組み/野村不HD・宇佐美広報部長に聞く(2015/8/17)

 

 

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「千葉市における『近居』に関する記者説明会」(幕張テクノガーデンで)

 親子「近居」支援に都市再生機構(UR都市機構)と千葉市が連携-UR都市機構と千葉市は10月12日、千葉市における「近居」に関する記者説明会を開き、UR都市機構が賃貸住宅「近居割ワイド」拡充策を、千葉市が「三世代同居等支援事業」をそれぞれ説明、連携して推進していくと発表した。

 UR都市機構は平成25年、同一のUR賃貸住宅で近居、あるいは半径2㎞以内のUR賃貸住宅間で近居する場合、新しくUR賃貸住宅に入居する世帯の家賃を5年間5%ないし20%減額(20%減額は世帯所得合計が月25.9万円以下)し、2世帯が同時にUR賃貸住宅に入居した場合、両世帯を減額する「近居割」を開始。現在、全国約1,100団地で利用が可能になっている。

 また、平成27年9月からは、UR賃貸住宅以外の住宅と、UR賃貸住宅とで近居を始める場合、新しくUR賃貸住宅に入居する世帯の家賃を5年間5%ないし20%減額する「近居割ワイド」を導入。全国454団地を含む95エリアで可能にした。

 千葉市内では今年9月、千葉市との連携によって市内5区の大半の団地(24団地)に「近居割ワイド」を拡充した。

 この結果、「近居割」は開始初年度の平成25年度は平均月6件の利用だったのが26年度は平均月8件に増加。「近居割ワイド」は開始初年度の平成27年度は平均月3件だったのが、今年度は平均月11件に増加。4~7月の4カ月間の契約件数は64件で、前年同期比1.7倍に増加した。

 一方、「千葉市三世代同居等支援事業」は平成24年に開始した事業で、高齢者の孤立防止と家族の絆の再生を目的に、「親と子と孫」が市内に同居または近居(直線で1㎞)に居住する場合、税金を滞納していないことや公的住宅扶助を受けていないことなど一定の条件を満たせば、住宅の新築、改築、購入、賃借に要する費用を3年間にわたって助成するもの。

 最初の1年目は要した費用のうち最高50万円の助成をし、2年目、3年目は15万円を限度に持家の場合は固定資産税・都市計画税相当額を、借家の場合は年間家賃相当額を助成する。持家の場合、市内業者と契約して施工を行った場合は、助成限度額を100万円に増額する。

 平成24年度の実績は55件で、25年度が57件、26年度が69件、27年度が63件。27年度の内訳は新築が15件、購入が9件、改築が12件、増築が2件、賃貸が8件、転居が17件。

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 UR都市機構の取材は10数年ぶりだ。九段に本社機能があったころはしょっちゅう取材し、広報担当者などとの懇親会(飲み会)にも必ず顔を出した。当時、学生にもっとも人気がある就職先の一つだった。「民業圧迫」を理由に分譲事業から撤退することが決まった平成9年前後、記者は「撤退反対」の論陣を張った。その後の行政改革の中で市街地整備や賃貸の管理中心の独立行政法人となった。2兆円を超える事業規模と優秀な人材を抱えていたUR都市機構を乱暴な手法-ありていに言えば、もっとも大変な開墾・種まき・水やり・施肥をやらせ、もっともおいしい果実を引きはがす-しかも官僚体質だけは温存させながら〝解体〟するのでなく、民営化していたら日本一のデベロッパーになっていたはずだ。

 そんなことはともかく、「近居」を千葉市と連携して推進していくのは結構なことだ。〝千葉市に住もう〟というキャンペーンを張りたいくらいだ。

 しかし、いくらURと千葉市が頑張っても飛躍的に伸びる事業とは思えない。UR都市機構が示した「近居割ワイド」が対象となる約3万戸の団地は「幕張ベイタウン」など一部を除いて管理開始が昭和40年代や50年代の郊外賃貸団地ばかりだ。耐震診断は行っているようだが、間取りや設備機器の陳腐化が進み、それなりに家賃は安いが、民間との競争力に欠ける。

 一例をあげる。昭和41年に管理開始した西千葉駅からバス12分の全2,094戸の「千草台」の家賃は29,600円~51,600円で、専用面積は27~52㎡だ。1坪当たり賃料は約3,300円~3,600円だ。賃貸住宅の相場はよく知らないが、東京の民間賃貸の3分の1くらいではないか。

 これほど安ければ立地、間取り・設備機器が劣っていようと入居する人がいるのではないかと思い、募集状況を検索してみた。4.5畳二間と6畳一間の3K(45~48㎡)で46件がヒットした。家賃は3万円台だ。驚いたというより当然だと思うが、この46件の「空き家」のうち2階が1戸で、3階が14個、そのほかは全て4階、5階だ。UR都市機構が管理開始した昭和40年代、50年代の賃貸住宅の多くは5階建てまででエレベータは設置されていない。

 この「千草台」のようにエレベータなしの団地では4、5階の住宅に大量の「空き家」が発生しているのはよういに想像がつく。市内3万戸のうち2万戸くらいがエレベータのない3~5階に該当するのではないかと思う。

 それでは、エレベータを設置してバリアフリー化を図り、間取りも一新すればいいではないかという声もあるが、UR都市機構は慈善団体ではない。独立行政法人として「自立」が求められている。大幅な改修に伴うリスクは取れない。

 何の解決策も見いだせない現状を考えると暗澹たる気持ちになるのだが、UR賃貸には「U35割」制度もある。契約者が35歳以下の学生、または35歳以下の親族と同居する場合、3年間の定期借家契約により割引料金で入居できるというものだ。これらを利用すれば、住居費を安く抑えられるのではないか。

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 千葉市の「三世代同居」を支援する制度もいい。新築や分譲に対する支援策は多くの自治体が実施しているが、賃貸に対しても助成するのは大歓迎だ。

 しかし、これもまた問題がないわけではない。助成資格要件に、すでに同居または近隣(直線で1㎞)に居住している場合は対象外とある。これまで苦労して親、または子、孫の世話をしてきた人が対象外というのは明らかに不公平だ。

 また、市内業者による施工・分譲については100万円に増額するというのは分かりやすいようで分かりづらい。ユーザーの立場からすれば、施工・分譲業者がどこであろうと関係ない。地場の業者を支援するのはほかの方法だってあるはずだ。

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 UR都市機構と千葉市の担当者の話を聞きながら、〝千葉市に住もう〟という記事を書こうと考えたのだが、関係者は千葉市に移り住みたくなるような街づくり・政策を進めるのが先決ではないかとも思う。

 卑近な例だが、人口が100万人近い政令都市の千葉市は、他の市と比較してマンションの相場は圧倒的な差をつけられている。東京23区はともかく、横浜市では横浜駅の中心市街地なら坪400万円を超える。川崎市も川崎駅周辺の1等地なら坪400万円近くになるはずだし、埼玉県さいたま市の浦和駅、大宮駅は坪300万円をはるかに突破する。

 千葉駅はどうか。近々分譲されるマンションがあるが、坪250万円くらいではないか。なぜこんなに差があるのか。一言でいえばそれだけ民力が低いからだ。市の財政事情も悪く、市民一人当たりの所得も同じ千葉県の船橋市や柏市などより上回るが、浦安市、市川市、習志野市、流山市などに負ける。

 その理由として管理開始が昭和40年代、50年代のUR都市機構の賃貸が多いのもその一因だと記者は推測するのだが、どうだろう。

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 この日、UR都市機構が配布した報道用基礎資料「UR賃貸住宅が提唱する『近居』というライフスタイル~近居割を軸としたUR賃貸住宅の取り組み~」は非常によくできている。17ページにわたるもので、民間の大和ハウス工業、三井不動産レジデンシャル、野村不動産アーバンネット、住友商事・住商建物の取り組みも紹介されている。

 その割に出席した記者は10数人しかいなかった。会場が遠いからか、呼び掛けたURや千葉市に問題があるのか、「近居」に反応する記者がいないためなのか…。

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「プラウドシーズン鶴瀬セントラル」

 野村不動産は10月12日、7月に分譲した東京都町田市の「プラウドシーズン町田ガーデン」31区画、埼玉県新座市の「プラウドシーズンひばりヶ丘テラス」40区画、9月に分譲した埼玉県入間郡の「プラウドシーズン鶴瀬セントラル」(第1期25区画)が即日完売したと発表した。

 「プラウドシーズン町田ガーデン」は小田急線町田駅バス12分、徒歩3分の全31区画。最多価格帯は4,300万円台。申し込みは41件。

 「プラウドシーズンひばりヶ丘テラス」は西武池袋線ひばりヶ丘駅から徒歩12分の全40区画。最多価格帯は5,300万円台。申し込みは48件。

 「プラウドシーズン鶴瀬セントラル」は東武東上線鶴瀬駅から徒歩17分の全61区画。最多価格帯4,400万円台。第1期25区画の申し込みは33件。

 いずれも「+αプランニング」をコンセプトに新たな空間設計を提案し、暮らしやすさを拡げる「カスタム収納」を標準装備しているのが特徴。

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「ウエリス世田谷砧」中庭 完成予想図

 NTT都市開発(事業比率50%)、三菱地所レジデンス(同25%)、東急不動産(同20%)、長谷工コーポレーション(同5%)の4社共同マンション「ウエリス世田谷砧」を見学した。最寄り駅の小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩15分とややあるが、周囲は住居系エリアで、坪単価が軒並み300万円を突破している世田谷区にあって290万円と300万円を切る。準都心部のマンションの今後を占う意味で一つのバロメータになる物件だ。

 物件は、小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩15分、世田谷区砧1丁目に位置する10階建て全182戸。第1期(戸数未定)の専有面積は70.04~94.25㎡、予定価格は5,300万円台〜9,500万円台(最多価格帯6,500万円台)、坪単価は290万円。竣工予定は2017年12月中旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。共用部のインテリアデザイン監修は建築家の南部昌亮氏。販売予定は10月下旬。

 現地は研修所の跡地で、敷地の用途地域は第2種住居地域(容積率198%)だが、敷地の東側、北側、西側は第一種低層住居専用地域。砧公園までは徒歩9分。

 建物は南東・南西向きが中心で、別棟としてクラブハウスか建設され、ラウンジ、コミュニティルーム、ゲストルーム、ライブラリー、学童保育などが設置される。

 住戸プランは6200ミリスパンの76㎡が中心で、二重床・二重天井、ディスポーザ、食洗機、天然御影石キッチン天板などが標準装備。

 NTT都市開発住宅事業本部分譲事業部・中村舜氏は、「周辺物件は分譲単価が高くなっているので、グロスを抑えるために専有面積の圧縮を図っている物件が多いが、当社は76㎡が中心。広めの面積を求めているお客さんのニーズに応えたい。周辺が第一種低層住居の開放感もアピールできるはず」と話している。

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 住宅の質は基本的には広さだ。その点でこのマンションは3LDKで76㎡を確保している。別棟の共用施設も充実しておりいい物件だと思う。

 問題はやはり駅から徒歩15分というアクセスだ。これは如何ともしがたい。駅からは遠いが、76㎡の3LDKならどのような暮らし方ができるか、充実した共用施設の価値をしっかり伝える以外にない。

 それにしても、新宿や渋谷までドアツードアで30分圏の城西エリアのマンションは坪単価250~300万円が相場だ。普通の会社員の取得限界を超えてきている。何とかならないのか。

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