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「欣御園」完成予想図

 旭化成不動産レジデンスは11月7日、同社が事業参画している台湾新北市のマンション「欣御園」の販売を開始したと発表した。

 同マンションは、同社の現地法人「台湾旭化成都市開発株式会社」と台湾の建設会社「億欣営造」が共同出資(持分50%)して設立した「欣荘建設」によるマンション開発・分譲事業。同社としては海外におけるマンション事業の第一号案件。今年5月に着工し、2018年の竣工を目指している。

 建物は敷地面積約3,589㎡、14階建て全191戸。間取りは1LDK~3LDK。販売価格は60万台湾ドル/坪(日本円にして坪199万円)。

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 首都圏マンションの雲行きが怪しくなってきている一方で、デベロッパーやハウスメーカーのマンションやビル・商業施設など海外事業のニュースリリースが最近頻繁に出されている。

 記者は首都圏マンションですら把握できていないのに、ましてや海外のマンション市場などわかるはずがない。何ともコメントのしようがない。60万台湾ドル/坪(日本円にして坪199万円)が高いのか安いのか、売れるのか売れないのかさっぱりわからない。モンゴルの「ジャパンタウン」はどうなったのだろう。

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「シエリア湘南辻堂」完成予想図 

 販売好調の関電不動産開発(事業比率60%)、野村不動産(同20%)、パナホーム(同20%)の3社JVマンション「シエリア湘南辻堂」を見学した。辻堂駅から徒歩4分の商・住複合開発の全352戸の規模で、7月の第1期販売から11月の第3期1次まで199戸が登録完売。坪単価220万円強の割安単価も人気の要因だ。

 物件は、JR東海道本線辻堂駅西口から徒歩4 分、茅ヶ崎都市計画事業赤松町地区土地区画整理事業内1 街区に位置する10階建て全352戸。専有面積は68.34~91.68㎡、今週末に分譲される第3期2次(11戸)の最多価格帯は4,800万円台。坪単価は220万円強。設計・監理はIAO竹田設計。施工は三井住友建設。販売代理は住商建物、野村不動産アーバンネット、ライフステージ。竣工予定は平成29年12月下旬。

 現地は、元パナソニックの関連会社の工場跡地。用途地域は工業専用地域だったが、用地を取得した関電不動産開発(前MID都市開発)が個人施行による土地区画整理事業を行い、第一種住居地域に用途変更した結果、マンション、サ高住、商業施設などの建設が可能になった。全体の開発面積は約25,000㎡。マンションのほかサ高住(東京建物の予定)と商業施設が予定されている。

 マンションは全4棟構成で、保育施設、キッズルーム、ライブラリー、ゲストルーム、パーティールームなどからなる別棟(ゲートハウス)か併設される。

 住戸プランはオール電化、エコキュート、ディスポーザー、食洗機が標準装備。これまで主に分譲されてきた南西向きA、B棟と東向きC棟は74~75㎡が中心で、これから主に販売される東向き中庭に面したD棟は70㎡台の3LDKが中心。

 販売を担当する住商建物の不動産営業本部東京住宅販売部第二グループ長・中嶋直樹氏は、「パナソニック系のMID都市開発が相対取引で用地を取得し、区画整理事業として工業専用地域の規制を外してできた事業。お盆明けから地元居住者だけでなく中広域からも集客できるようになってきた。戸塚当たりでも坪単価は300万円を突破しており、価格の安さが評価されている。まだ153戸もあるが、D棟はより価格が安くなるので期待できる」と話した。

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「シエリア湘南辻堂」ラウンジ

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 関電不動産は名前だけは知っていたが、関電不動産開発を全く知らなかった。どのような会社だろうと思っていたが、今年4月、関電不動産とMID都市開発(前松下興産)が合併して関電不動産開発が誕生したことを知ってその謎が解けた。

 ご存じのように東京電力(東電不動産)は不動産の売却を進めており、不動産業から撤退しつつあるが、その代わりに関電不動産開発が首都圏での攻勢を強める戦略なのだろう。今回のマンションが首都圏での第1弾で、「シエリア」は同社の新ブランド(NTT都市開発の「ウエリス」、東レ建設の「シャリエ」と少し似ている)。今回の売主3社は現在開発中の複合タウン「日吉・綱島」でもタッグを組む。

 関西企業では近鉄不動産、阪急不動産、京阪電鉄不動産などが首都圏での攻勢を強めており、今回の関電不動産開発も加わった。首都圏の電鉄会社(系)もマンション事業に力を入れており、大手デベロッパーの寡占化に割って入ろうとしている。面白い展開になるはずだ。

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モデルルーム

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 モデルルームのある建物は、大京と一条工務店が共同で分譲して人気になった「ライオンズ一条レジデンス湘南C-X」と同じ建物だった。当時の記事を読み返したら、坪単価は225万円だった。単価は今回のほうがまだ安い。人気になるのも当然か。第一次取得層の子育て世代と後背地の戸建て居住者の需要も取り込んでいるようだ。

 シアターがまたよくできていた。かわいい中学生くらいの女の子が辻堂周辺を自転車で1日散歩するドラマ風仕立てで、地元のカフェ、パン屋、農園、プロのロング・ボーダーが登場した。ここに暮らせばどのような生活ができるかよく表現されていた。モデルルームのインテリアデザイン担当は、いま〝売れっ子〟の鈴木ふじゑ氏だった。

大京「ライオンズ一条レジデンス湘南C-X」 1期100戸が即日完売(2011/11/21)

 

 

 大京グループの大京穴吹不動産と大京リフォーム・デザインは11月8日、「ホームステージング」事業を開始すると発表した。

 同事業を開始するのは、政府の住宅政策が新築供給からストックへの有効活用へと転換しようと図っている背景があり、大京グループは10 月26 日に発表した中期経営計画「Make NEW VALUE 2021~不動産ソリューションによる新・価値創造~」でも、売買仲介及びリノベーション事業のシェアを拡大し、市場成長率を上回る水準で成長させることを打ち出している。

 大京穴吹不動産は年間約7,000 件の仲介実績と業界トップクラスのリノベーションマンション販売戸数の実績を持ち、大京リフォーム・デザインはマンションリフォーム売上で業界3 位(リフォーム産業新聞調べ)、年間約7,000 件以上のリフォーム実績があり、新築から中古までマンションに精通している強みを生かすとしている。

 ホームステージングは片付けや掃除、インテリアを含めたトータルコーディネートで、空き家を含む中古住宅を魅力的に演出し、不動産売買を円滑にするためのサービスで、米国では30 年以上前から一般的に行われている。わが国では2013年8月、日本ホームステージング協会が設立されたほか、野村不動産アーバンネットも独自のサービスを行っている。

 大京グループ2社は、日本ホームステージング協会の企業会員となり社員約40 名が同協会のホームステージャーの認定資格を取得した。

日本ホームステージング協会 今秋に世界規模のイベント開催(2016/2/25)

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「グランフォーラム光が丘公園」

 コスモスイニシアが分譲中の戸建て「グランフォーラム光が丘公園」を見学した。23区屈指の「光が丘公園」に近接し、電線の地中化、インターロッキング舗装のU字型開発道路などで〝街〟をつくり、パーク・コーポレーションの空間デザインブランド「パーカーズ」とコラボした花と緑の提案がいい。

 物件は、東京メトロ有楽町線成増駅から徒歩10分、都営大江戸線光が丘駅から徒歩18分、練馬区旭町二丁目に位置する全16区画。土地面積は100.00~110.06㎡、建物面積は87.77~105.83㎡、価格は7,000万円台の後半から9,000万円台。建物は竣工済み。施工は西武建設。構造・工法は木造(枠組壁)・2階建て。売主は同社のほか大栄不動産。

 現地は、第一種低層住居専用地域・第1種中高層住居専用地域に位置する建蔽率50~60%、容積率100~125.04%の駐車場跡地。大手デベロッパーとの競合した末、大栄不動産が取得。コスモスイニシアと共同で分譲することになったもの。

 敷地は整形の長方形で、中央にU字型の幅員5mの開発道路(私道)を設置して全16区画が8区画ずつシンメトリーになるように配置。道路は周辺道路と同じようなアスファルトにすれば公道になったが、美しい街並みを形成するよう私道とし、ヘリンボーンのインターロッキング舗装とした。電線も地中化した。

 住戸プランは、全て2階リビング型にして、近接する光が丘公園の緑が見えるようにしたほか、パーク・コーポレーションとコラボして花や緑をふんだんに屋外屋内に提案しているのが特徴。

 7月から分譲を開始してから7割が分譲済み。販売を担当するコスモスイニシア分譲事業部分譲一部1課課長・矢島広信氏は、「成増駅圏で供給されているマンションは駅から少しあっても坪250~260万円。豊島区内の第一種低層住居専用地域での戸建て分譲はほとんど皆無。しかも光が丘公園に近接。得難い立地なので、電線の地中化、インターロッキング舗装で街をつくり、パーク・コーポレーションとのコラボした商品をお客さんに見ていただくよう竣工売りにした。今週末にはドローンで撮影した動画もホームページで公開する」と話している。

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 〝グランフォームラム〟は、同社がここ数年力を入れている好立地の戸建てブランドで、今回初めて見学した。

 成増駅圏の戸建て分譲は、5年前に東京建物「Brillia Terrace 成増」(19区画)を見学して以来だが、東建の物件は容積率が200%のエリアで、今回のような第一種低層住居専用地域でしかも「光が丘公園」に近接するという物件はほとんど皆無だろうと思う。大手と競合したのも当然だろう。

 立地は申し分ない。記者は光が丘駅から歩いて見に行ったのだが、ほぼまっすぐ。イチヨウ並木が美しく、ケヤキ、ユリノキの大木などが植わっており、体操をする人、楽器を奏でる人、ジョギングをする人、ベンチに座っているお年寄り夫婦、森の中で遊ぶ子どもたち…こんなゆったりした生活がおくれるのが本来の姿ではないかと考えながら約20分、現地に着いた。

 その帰り道。同社にビニール袋と手袋をもらって銀杏をいっぱい拾って持ち帰った。イベント広場では大島のクサヤを焼いて売っていたが、さすがに仕事中だと酒とクサヤの香りの誘惑に負けずに帰ってきた。

 プランもいい。グリーンデコレーションサービスでは2階に100万円以上もするつくばいが提案されていたのにびっくりしたが、購入されたお客さんもいるそうだ。スロップシンクも設置されていた。天井高は約3.8m。

 デザインが秀逸なのはマンションだけでないことを今回の取材で確認できた。石神井公園では1億円以上の物件を供給するというから見学する。

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モデルハウス グリーンデコレーションサービス

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 物件と関係ないが、同社の戸建ての販売部署はモデルハウスの定休日をこれまでの火・水、あるいは水・木を火・水・木の3日間にするようにしていると聞いた。火曜日はモデルハウスに出社はするのだが、勉強会や土地の見学などに充てるのだという。

 これは大賛成。土曜日、日曜日は忙しくなるのだから、平日はリフレッシュしたほうがいい。矢島氏も「身体も心もリフレッシュできていい」と話していた。火・水・木が定休日になると記者などは見学する日がそれだけ限られるので大変だが、休めるときは休んだほうがいい。同社が平日3連休のトップランナーになるか。

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光が丘駅前のイチョウ並木(左)光が丘公園

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「Grand Le JADE若松町レジデンス」アプローチ(完成予想図)

 自分で自慢するのは憚れるのだが、記者にも少しはマンション用地の目利き力があることを証明するマンションを紹介する。日本エスコンが11月下旬に分譲する「Grand Le JADE(グラン レ・ジェイド)若松町レジデンス」だ。駅から徒歩3分と近いだけでなく、閑静な住宅街の一角で、3カ所に吹き抜け(ライトコート)を設けたプランがいい。そして何よりもいいのが、長さ約100mのアプローチ空間が付くことだ。

 物件は、都営大江戸線若松河田駅から徒歩3分、新宿区若松町に位置する6階建て全31戸。専有面積は57.33~84.13㎡、価格は未定。竣工予定は平成29年6月上旬。設計・監理はスタイレックス。施工はウラタ。売主は同社(事業比率95%)のほか三信住建(同5%)。販売代理は東急リバブル。

 現地は、敷地は小笠原礼法の宗家と親戚関係にあった西脇健治邸跡地で、幅約4.5m、奥行き約100mの私道(旗竿状敷地)付き。隣接地は東京タワーや早稲田大学大隈講堂の設計を手掛け、わが国初の壁式工法による戸建て住宅を自宅として建て、その後、早大に寄贈された内藤多仲の屋敷跡地。道路に面した敷地は大願寺のお寺。

 住戸プランは南向き中心に1フロア7戸が基本で、5階は4戸、6階は2戸の構成。吹き抜け(ライトコート)を3カ所に設置し、各住戸に光と風を取り込み、かつ廊下側に直接居室が面さないように工夫しているほか、多面採光、ワイドスパンを採用、角住戸比率(58%)を高めているのが特徴だ。

 設備仕様では、ロートアイアン調の門扉がポーチに付き、ディスポーザー、食洗器、天然石キッチン・バックカウンター、グローエ水栓、ミストサウナ、リビングエアコンなどが標準装備。

 11月からモデルルームをオープンし、これまで3週で予約を含め70件に達し、すべて満席。販売を担当する東急リバブルプロジェクトチーフ・葛籠山(クズカゴヤマではなくツヅラヤマ)直樹氏は「11月のこの短期間にこれほど集客できる物件はまずない。新宿区の万で駅近マンションは少なくないが、ほとんどが道路沿い。ここは車の音など聞こえないし、お客さんの評価も高い。間違いなく早期完売する」と話していた。

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 正直に話そう。記者はもちろん日本エスコンの名前は知っていたし、物件も2、3見たことがあるような気がするが、記憶に残っていないくらいだから、大阪が本社の〝並み〟の中堅デベロッパーだと思っていた。今年6月、東証一部に上場して〝大きくなったものだ〟というくらいの認識しかなかった。

 今回の物件も、マンションの用地担当者のように足を棒にして見つけたのではない。記者が糖尿病の治療のために定期的に通っている国立国際医療センター病院に行く途中に看板がかかっていたのを見たのに過ぎない。

 その敷地は、業界では旗竿状敷地と呼ぶのだが、小路は寺の壁と同様、大谷石が敷かれ、まっすぐに伸びていた。隣接地には巨木が茂っていた。これを見たとたん、商品企画次第では間違いなく売れるマンションになると判断した。

 その通りになるかどうか確認するために初めて同社に取材を申し込んだ。結果はその通り、商品企画に力が入っている。今どき、規模がそんなに大きくないのにライトコートを3カ所に設置するデベロッパーはまずいない。このライトコートの設置によって、寝室が直接廊下に面する住戸は一つもないようにしている。モデルルームタイプ(81.35㎡)にはインナーバルコニーもついていた。開口部は8カ所もあった。

 同社に聞いたら物件名に〝Grand(グラン)〟を付けたのは首都圏では今回が初めてだそうだ。価格(坪単価)は「未定」とのことだが、極めてリーズナブルな価格設定になるはずだ。馬喰町、横山町などの問屋街が軒並み坪400万円を突破してきているが、それらとは立地が全く異なるとだけしておこう。

 〝目利き力〟があると言ったのは、たまたま恵まれた土地を見つけただけであるということを白状する。それにしてもわずか31戸の物件に3つのライトコートを設け、ディスポーザーも設置するとは-日本エスコン(用地を取得したのは三信住建だが)のこれからのマンション事業に注目したい。

 ついでだが、カフェ付きマンションとして話題となった祖師ヶ谷大蔵のマンションは、記者が見に行ったときは昼頃だったせいもあるのだろうが、50人くらいの客で店はごった返していた。

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パティオ

 プレハブ建築協会(プレ協)が10月30日、「住生活向上推進プラン(2011~2015年度)の総括と、総括を踏まえた「住生活向上推進プラン2020」を発表した。また、「環境行動計画エコアクション2020」の2015年度実績報告と、2016年度改訂版を発表した。

 「住生活向上推進プラン」ではこれまでの成果を踏まえ、「住生活向上推進プラン2020」ではより各施策の進捗状況が把握できるように「成果把握指数」を設定。工業化住宅の先導性・優位性がアピールできるような水準を目指す。

 例えば、戸建て住宅の住宅性能表示取得率は65%(2015年)から80%(2020年)へ、入居アンケート総合満足度は70%から80%へ、ZEH供給率は15.7%から70%へ、居住段階CO2排出量削減率は30.9%から60%へそれぞれ引き上げる。

 「環境行動計画エコアクション」では、今年発表された「住生活基本計画」で「住宅ストックビジネスの活性化」「健康増進住宅の推進」が掲げられたことから行動計画を見直し、社会課題により積極的に取り組んでいくとしている。

 具体的には、家庭部門の長期的なCO2削減に向けZEH供給率を70%以上、ストック住宅におけるCO2削減貢献量を2015年比1.25倍以上、森林生態系の保全に配慮した木材利用を徹底するとしている。

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 プレ協の一連の取り組みは間違いなく「工業化住宅の先導性・優位性」を示していると思う。

 しかし、プレハブ住宅の全住宅に占める着工割合は平成27年で15.8%だ。ここ数年は15%前後で推移している。このシェアが高いのか低いのか、記者は判断材料を持たないが、圧倒的な多数派の軸組工法も含めてCO2削減など社会的課題により積極的に取り組まなければならないのはいうまでもない。

 ここでは記者の取材フィールドである分譲戸建てについて考えてみたい。

 まず、〝玉石混交〟といわれる分譲戸建て市場でプレハブ住宅はどのような位置を占めるのかについて。プレ協が配布した資料には「会員各社が(2015年度に)新規供給した建売分譲住宅4,758戸(前年比237戸)のうち、緑化に配慮した住宅は1,572戸(前年比541戸減)となり、供給率は33.0%(前年比13.7ポイント減)であった」とある。

 会員会社とは旭化成ホームズ、サンヨーホームズ、積水化学工業、積水ハウス、大和ハウス工業、トヨタホーム、パナホーム、ミサワホーム、ヤマダ・エス・バイ・エル、レスコホームの10社だ。建売分譲戸数には軸組工法や2×4工法は含まれないが、仮に含めても7,000戸くらいだと思われる。

 国交省のデータによると2015年度の分譲戸建ての着工戸数は126,235戸となっている。着工戸数=供給戸数ではないが、近似値としては3.8~5.5%くらいだ。わが国を代表する、あるいは世界的な戸建てメーカーの建売分譲住宅のシェアが極めて低いことがわかる。

 他の軸組工法や2×4工法を多く手掛けるポラス、三井不動産レジデンシャル、ナイス、野村不動産、住友不動産、ケイアイスター不動産などを含めてもせいぜい1万数千戸くらいだ。

 その一方で、グループ6社で年間約4万戸(1日に約100戸)の建売住宅を販売する軸組工法が中心の飯田グループホールディングスが存在する。シェアは約31.7%で、トヨタが国内の自動車業界の売上高シェアが約40%だから、飯田グループの強さがわかるはずだ。つまり、ひとことで言えば、〝1強多弱〟の様相を呈しているのが建売住宅市場だ。

 数を競う時代ではないから、この数値はさほど問題ではない。問題は質だが、これが杳としてわからない。

 建築基準法に違反していないはずだが、昔のいわゆる〝ミニ開発〟の十中八九は違法建築だったし、10数年前までは検査済証の交付を受けていない建築物(建売住宅とは限らない)は過半に達していた。

 最近は、建基法の適用厳格化、住宅性能表示制度などでずいぶん改善されてきているが、それでも質を測るモノサシはあるようでない。

 住宅性能表示制度もそうだ。この制度は設計段階と建設段階に分かれており、しかも任意なので普及率はここ数年20%に満たない数値で推移している。記者は平成12年に発足した当時からこの制度を、やや乱暴な言い方だが〝劣悪なものを含めてお墨付きを与えるもの〟として疑問視していたが、住宅の基本的な質である広さや間取り、使い勝手などは全く考慮されていない。「設計」と「建設」の2段階に分かれているのは、「設計」だけでは「安心」できないとも受け取れる。

 このほか、質を測るモノサシは長期優良住宅やCASBEE戸建、環境性能表示、環境共生住宅認定などもあり、それぞれ法律に齟齬はないと言われるが、消費者にとってとても分かりづらい。最近はインスペクションもある。

 全てではないが、これらの制度に係る費用は基本的には価格に反映される。各制度を見直し、あるいは統合してわかりやすい制度にしてほしい。先導的なものについては単なる〝お墨付き〟ではなく、より分かりやすいインセンティブを与えるべきだ。

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「セブンデイズヴィラ」

 ミサワホームとトヨタホームが11月中旬に分譲する千葉ニュータウン内の全77区画の戸建て「セブンデイズヴィラ」を見学した。数多くの女性誌を手掛けている小学館の「女性インサイト研究所」とコラボし、〝あったらいいな〟を叶える街づくりを目指すという。

 物件は、北総線印西牧の原駅から徒歩9分、千葉県印西市牧の原6丁目に位置する全77区画。土地面積は171.30~277.10㎡、建物面積107.64~129.59㎡、価格は未定だが、4,000万円台前後が中心になる模様。構造はミサワホーム(39区画)が木造2階建(木質系パネル構造)、トヨタホーム(38区画)が軽量鉄骨造2階建て。建物は平成28年9月に竣工済みほか。

 現地は、小公園に面しており、大きな牧の原公園や里山にも近接している住宅街。街区は公園に面した「パークコリドー」「サウスコリドー」「センター・エリア」「サニーサイド」の4街区に分かれている。

 〝あったらいいな〟を叶えるため、スカイバルコニーと一体利用できる2階ホワイエ、半屋外ガーデンテラス、幅広キッチンカウンター、回遊式リビングダイニングキッチン、ミセスコーナー、DENなど多彩なプランを提案しているのが特徴。

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エントランス

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 この物件については、先日書いた大和地所レジデンスの「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」の記事と一緒に読んでいただきたい。子育て環境からいったら、これほど恵まれた立地はない。しかも土地が50坪あり、建物も100㎡以上で4,000万円台の前半という価格帯は魅力があると思うが、問題はやはり都心へのアクセスか。

 UR都市機構には、今後、千葉ニュータウン中央や印西牧の原でどの程度の戸建て用地が供給されるのか問い合わせている。近くわかるはずだ。1,000区画はあると思うがどうだろう。この価格なら飛ぶように売れる時代に戻ることはないのだろうか。通勤・通学・保育園の送り迎えなどの利便性が最優先されて、都心部の寸詰まりのマンションやマッチ箱のような戸建てに住まざるを得ない世の中は狂っているといったら言い過ぎか。

 モデルハウスはミサワホームのしか見学しなかったが、なかなかよくできていた。LDKは22畳大で、それぞれが回遊できるようなプランニングになっていた。2階のホワイエはスカイバルコニーと一体利用できるようになっており、セカンドリビングの役割を果たすようになっていた。

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隣接公園

大和地所レジデンス 千葉NT中央でユーロデザインの戸建て全275区画分譲へ(2016/11/2)

 

 

 

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「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」

 大和地所レジデンスが11月5日、ユーロデザインを採用した大規模分譲戸建て「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」のモデルハウスをオープンする。UR都市機構から2年前に用地を取得、造成を行った全275区画の住宅地で、1社単独としては千葉ニュータウン最大級。1棟1棟すべてプランが異なるユーロデザインにユーザーがどのような反応を見せるか。

 物件は、北総線・成田スカイアクセス線千葉ニュータウン中央駅から徒歩10分、印西市武西学園台3丁目に位置する開発面積約62,000㎡、予定区画はⅠ街区137区画、Ⅱ街区138区画の合計275区画。施工は東急建設、細田工務店、エステーホーム。構造・工法は木造2階建・枠組壁工法。I街区の第1期1次の土地面積は170.10²〜172.38㎡、建物面積107.22~116.21㎡、価格は未定だが、4,000万円台が中心になる模様だ。先行着工20棟の竣工は2016年9月下旬~2016年12月中旬を予定。Ⅱ街区の着工は2018年の予定。

 特徴は、同社のマンションブランド〝ヴェレーナ〟同様、南仏のユーロデザインをモチーフにしたデザインを採用。敷地入り口にユーロゲートを設置、幅員6メートルのメインストリートの街路樹にパームツリーを採用するほか、インターロッキング舗装を施し、コミュニティをサポートする共用棟(カーサユニオン)も設置する。敷地に隣接して公園も整備される。

 先行して着工した20区画の住戸プランは、15区画に「勝手口」「サブエントランス」「ミセスコーナー・テラス」が設けられている。このほか、マルチカウンター付き、2層吹き抜け付き、サンルーム+ギャラリーサロン付き、シェアホール付き、インナーガレージ付きなど1棟1棟すべてに特徴を持たせている。

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ホワイエ

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ミセステラス

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 同社の分譲戸建てを見学するのは初めてだったが、この10年間で約300戸を供給しているという。今回の規模は過去10年間の規模に迫るだけに力が入っていることがストレートに伝わってきた。

 外観は予想通りユーロスタイル。ライムストーン調の外壁、ボーダー、レンガ調の門柱、アール状デザイン、スペイン風瓦、ロートアイアン調門扉などを多用している。カラーリングなどはポラス、野村不動産などの戸建てに近いものがある。

 見学する人はびっくりするかもしれないが、千葉ニュータウンにはこのような南仏、南欧をモチーフにした商業施設も多い。ニュータウン居住者は違和感を抱かないかもしれない。

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石積み(熊野の石だそうだ)

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 印西市とUR都市機構(土地所有者は民間かも知れないが)には注文もある。駅から現地までには中高層のマンションも多いのだが、空き地も相当ある。その空き地は子どもの背丈ほどもある雑草が生い茂り、街路樹の植え込みも雑草だらけだった。

 印西市は、東洋経済新報社の「住みよさランキング」で5年連続1位だそうだが、駅前の一等地に空き地が目立ち、雑草が生い茂る光景はとても住みよい街とは思えない。

 市もURも沿道の植え込みや空き地の管理くらいきちんとやってほしい。千葉ニュータウンのマンション分譲や戸建て分譲が始まったころは、空き地には印西市の市花であるコスモスが植えられ、楽しませてくれた。20年くらい前だろうか、滝野地区の戸建て分譲が開始されたころはお客さんが殺到し100戸、200戸規模で即日完売した。

 この20年間に、住みよさより生活利便性が最優先される時代に劇的に変わったこともあるが、「住みよさランキング」全国トップの一等地の戸建ての土地面積が50坪あり、建物も100㎡以上あって4,000万円台とは…市とURとデベロッパーが力を合わせて千葉ニュータウンの活性化に取り組んでほしい。

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立派なクスノキの街路樹

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駅から2~3分の空き地(所有者はURか。昔は空きにはコスモスの花が咲き乱れていた)

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子どもの背丈ほどもある雑草

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歩道の植え込み

分譲戸建てから「勝手口」が消える わが国の文化の崩壊ここにも(2016/10/31)

 

 

 

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 「プレミスト高尾サクラシティ」

 大和ハウス工業とコスモスイニシアは11月1日、東京都八王子市の大規模マンション「プレミスト高尾サクラシティ」(全416戸)の高層棟「カームコート&デライトコート」第5期分譲(9戸)が2016年10月23日に全戸即日申込登録となった結果、2015年6月28日に中層棟「エアリーコート&ブルームコート」第1期分譲(130戸)以降7期連続の全戸即日申込登録となり、2016年10月30日をもって全416戸が完売したと発表した。

 物件は、JR中央線・京王線高尾駅から徒歩6分、八王子市東浅川町に位置する14階建て。施工は長谷工コーポレーション。専有面積は63.57~92.55㎡。

 2015年1月9日の資料請求受付開始から3,000件以上の資料請求・問い合わせがあり、2015年4月4日のモデルルームオープン以降1,700組超の来場者があった。

 契約者の約半数が八王子市居住者で、23区などの都市部からの契約者は約35%、神奈川エリアが約10%、20代~40代のファミリー層が約6割、50代以上のシニア層が約4割、契約者の持家率は約5割、住み替えが多いのが特徴。

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 このマンションについては、分譲開始前の記事をぜひ読んでいただきたい。売れるかどうかは、周辺の戸建て居住者の買い替え・買い増し需要を吸収できるか、周辺エリア居住者を呼び寄せることができるかどうかと書いた。

 結果は、その通り、郊外居住者のニーズを取り込んだのが早期完売につながった。しかし、売れるのは年間にして百数十戸、完売まで3年くらいかかるのではないかと思っていたので、これは予想を大幅に上回った。

スマートシティ「プレミスト高尾サクラシティ」 高尾はこんな街(2015/6/8)

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「北仲通北再開発等促進地区地区計画」

 三井不動産レジデンシャルと丸紅は11月1日、横浜市中区の大規模開発事業「北仲通北再開発等促進地区地区計画」(約7.5ha)の中心に位置する超高層ミクストユースタワーの建設に着手したと発表した。

 同計画は、東急東横線直通横浜高速鉄道みなとみらい線馬車道駅に直結する新たなランドマークとなり、横浜市最高層・最大規模となる総戸数1,100戸超の分譲住宅と宿泊施設、商業施設、文化施設等を一体的に開発するもの。設計・施工は鹿島建設。竣工は2020年2月の予定。2020年6月末に移転する予定の新市庁舎に近接することになり、新たなランドマークが誕生する。

 建物は地上58階建て・約200m延べ床面積約168,000㎡の超高層ミクストユースタワー。5階から58階(46~51階を除く)は総戸数1,100戸超の分譲マンションとなる。ロサンゼルスに本社を置き、北米、アジア、ヨーロッパに約25,000室以上のサービス付き長期・短期滞在型宿泊施設を運営している「オークウッド」のロビーが46階に設けられ、51階までの各フロアに客室(計175室)が設けられる。低層階の1、2階には、延床面積約6,000㎡の商業・文化ゾーンとなる。

 また、横浜市認定の歴史的建造物を文化創造の核として保全・復元するため、建物基壇部には、日本の産業黎明期の生糸輸出拠点となった倉庫群の復元を行い、横浜市認定の歴史的建造物である「旧横浜生糸検査所付属生糸絹物専用B号倉庫およびC号倉庫(倉庫棟)」の保全を行う。

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完成予想図

 

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