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「パークシティ中央湊」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルが分譲中の「パークシティ中央湊」を見学した。八丁堀駅から徒歩6分、東京駅からでも徒歩20分の36階建て住・商一体免震タワーマンションで、昨年12月から分譲が始まっており、分譲268戸に対してすでに160戸が契約・申し込み済みだ。

 物件は、東京メトロ日比谷線八丁堀駅から徒歩6分、中央区湊2丁目に位置する地下1階地上36階建て全416戸(権利者住戸148戸含む)。専有面積は41.13~116.512㎡、第1期3次(戸数未定)の予定価格は4,500万台~2億3,900万円台(最多価格帯8,900万円台)。坪単価は440万円。入居予定は平成30年2月下旬。施工は大成建設。

 現地は、隅田川がすぐそば、面積約1.8haの土地区画整理事業と再開発事業とが一体となって進められている区域内の一角。敷地の東側のC1街区には10階建てマンション(高さ31m)、西側のA街区には高さ71mの建築物(用途未定)が建設される予定で、南側のD1~D4街区も整備されるが、敷地は細分化されているので高層建築物が建つ可能性は低いとみられる。敷地南東側には隅田川につなぐ広場も整備される。

 建物の3階までは店舗(スーパー)と共用施設などで住戸部分は4階以上。住戸プランはすべてがワイドスパンで、40㎡のコンパクトタイプでも間口は約5.1mあり、ほとんどが7~10mかそれ以上。

 外観デザイン監修は光井純&アソシエーツ建築設計事務所、共用部分のデザインは鬼倉めぐみ氏とテキスタイル(布)デザイナーの須藤玲子氏。

 12月から分譲が開始されており、これまでに問い合わせは約4,000件、契約・申し込み済みは約160件。隅田川とその先のリバーシティが望める東向きが特に人気で、南向きは聖路加ガーデン(徒歩約7分)が正面に見える。

 東京建物「Brillia THE TOWER TOKYO YAESU AVENUE(ブリリアザ・タワー東京八重洲アベニュー)」とは販売時期が重ならなかったためか、それほど競合していないという。

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ラウンジ

◇       ◆     ◇

 昨年末に隈研吾氏がデザイン監修した同社の「パークコート赤坂檜町」を見学したばかりなので、どうしても比較してしまうのだが、今回の「中央湊」も素晴らしい。

 モデルルームの73㎡タイプでは、オプションだが江戸切子をモチーフにしたリビング壁が素晴らしく、リビングに隣接した寛げる空間提案(DEN)がいい。キッチンバックカウンター・吊戸棚も標準装備。ドア把手は鏡面材(磨き材)にスチール、ガラスビーズ、砂などを打ち付けて梨地肌にするブラスト仕上げ。92㎡のプレミアムタイプではキッチンカウンター横に割石が採用されていた。

 そして、間取りプランだ。タワーマンションではワイドスパンのマンションは少なくはないが、40㎡の住戸でも5m以上、ほとんどが7~10mという物件はそうないはずだ。少なくとも記者の記憶にはない。

 見学したこの日(2月12日)は株価下落がとまらず、日経平均株価は1年4カ月ぶりに1万5,000円(安値は14,865円)を割り込んだ。昨年6月24日に付けた年初来高値の20,952円から実に約3割も下げた。販売担当者に株価下落の影響はないかと聞いたが、「現段階では影響が出ているとは感じられない」ということだった。

 ちなみに1月下旬に抽選分譲された「パークコート赤坂檜町」最終期3戸(1億5,220万~5億8,000万円)には15件の申し込みが入り、完売となった。3戸の販売総額は約9億円だった。3戸それぞれに5件の申し込みがあったと仮定すると、9億円×5倍=45億円分の申し込みがあったことになる。これは、4,000万円クラスの郊外マンション113戸が即日完売するのと同じということもできる。いま、1戸4,000万円の113戸のマンションを販売するとなると、場所によっては完売まで1年、2年かかるのではないか。

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リバーガーデン

「Brillia THE TOWER TOKYO YAESU AVENUE」は坪450万円(2015/4/24)

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〝フレー!フレー! ハセジョ〟(同社ホームページから)

 長谷工コーポレーションと大成有楽不動産が2月下旬に共同で分譲する「ブランシエラ浦和駒場」を見学した。マンションの事業企画から開発推進、設計、施工、販売、インテリア内装、管理まですべての業務に長谷工グループの女性社員が携わっている〝ハセジョプロジェクト〟だ。女性目線を生かした子育て・ファミリー世帯向け提案が随所に盛り込まれているのが特徴だ。

 物件は、JR京浜東北線浦和駅から徒歩18分、または同線北浦和駅から徒歩18分、さいたま市浦和区駒場一丁目に位置する7階建て全146戸。専有面積は68.11~83.51㎡、予定価格は2,900万円台~5,200万円台(最多価格帯3,800万円台)、坪単価は170万円前後の予定。竣工予定は2017年2月末。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。

 現地は、駅からはやや距離があるが、浦和駒場スタジアム、駒場緑地、浦和総合運動場、市立浦和高校などが揃う文教エリアの一角。敷地は「浦和ルーテル学院」の跡地。建物はL字型で、住戸は南向きと西南西向き。プランは約75㎡のものが中心。

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「ブランシエラ浦和駒場」完成予想図

 ◇      ◆     ◇

 見学の主な目的は、モデルルームに女性目線の提案がどこまで盛り込まれているか、どこまで差別化が図られているかを見るためだった。

 モデルルームは約83㎡。なるほど女性の企画だとすぐわかったのは、白を基調にしたシンプルなデザインであることだった。女性だから派手に飾り立てるだろうと考えるのは偏見。

 さすがだと思ったのは、基本プランでは5畳大の洋室となっているものを、約4.9畳大の「ファミリーユーティリティ」と呼ばれる多目的スペースにして提案しているものだった。キッチンと一体して使えるようにしていた。これに近い提案は他社も行っているが、なかなかいい提案だ。

 この提案とセットになっているもので、優れているのは1.2m×1mの下部収納付きのカウンターだ。これは親子が一緒に調理したり、忙しい時に軽いものを食べたりするのに便利なものだ。

 女性社員による商品企画「U’s-style」では、「ドレッサーⅢ」がいい。化粧しやすくするよう鏡の奥行きを違え、取り出しやすい収納棚を設けているものだ。これもなるほどと思った。

 販売を担当する長谷工アーベスト受託販売第三部門プロジェクトマネージャー・西谷美由貴氏は、「ドレッサーは進化形の第三弾。カラーリングも普段より多い流行りの色をそろえました。子ども部屋にマグネットを取り入れたのも提案の一つ。企画の責任者もモデルルームの責任者も女性部長です。販売も女性ばかり5人で対応しています。女性ばかり? もともと女性が中心のチーム。慣れていますから、そんなに男性を意識することはありません」と話した。顔には「女性だからと特別な目で見てほしくない」書いてあった。記者も同感。そんなに特別視しているわけではない。ただ、細かいところに気を配るのは女性のほうが優れているとは思う。

 圧倒的な価格の安さは武器にはなるが、駅から遠いハンディをどう克服するか。〝フレー!フレー! ハセジョ〟。

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手前が「ファミリーユーティリティ」。中央にあるのがカウンター

 旭化成は2月9日、旭化成建材が施工した杭工事の施工データ流用問題に関する社内調査委員会の中間報告書をまとめ発表した。

 多数のデータ流用を発生させた原因・背景については、「既に発表された国土交通省の基礎ぐい工事問題に関する対策委員会(有識者会議)・弊社外部調査委員会の分析と同様でありました。即ち、①データが紛失し易い環境であった②データ紛失時の対応ルールが未整備であった③データ軽視の意識が蔓延していた④旭化成建材の管理が不十分であった」とし、再発防止策については、①管理の範囲に抜けがあった②例外的に見える事象の発生時の反応③固定化した組織の問題などに対する改善措置を水平展開し、体質強化を図り信頼の回復に努めていくとしている。

 横浜の傾斜マンション問題については、「社内調査委員会および外部調査委員会によるヒアリング調査の結果、該当する現場責任者およびオペレーターは、一様に杭は支持層に到達しており、施工は適切に行っていると述べており、杭工事の施工上の瑕疵を隠蔽する目的で施工データの流用を行ったことを示す証言または資料はこれまでの調査では発見されなかった」とし、「杭の施工不具合の有無を明らかにする再調査が2016 年2月8日現在実施中であり、結果が明らかになるには時間がかかる模様であり、上記の施工不具合に関する事実関係は、現時点では明確になっていない」としている。

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「宮益坂ビルディング」(左が現在、右が完成予想図)

  旭化成不動産レジデンスは2月9日、わが国初の分譲マンションと言われる「宮益坂ビルディング」(渋谷区)の建て替えの着工に向けた準備がほぼ終了したと発表した。

 宮益坂ビルディングは「渋谷ヒカリエ」に隣接する都心の一等地に位置し、区分所有法が制定(1962年・昭和37年)される以前の1953年(昭和28年)に東京都が分譲。わが国の分譲マンションの先駆けとも言える地上11階地下1階建ての建物。2基のエレベーター(当初はエレベーターガールが操作)、セントラル方式による暖房、ビル内の交換手による電話、ダストシュート、メールシュートなど当時の最先端設備を備えた超高級住宅として注目された。

 当初は1階が店舗、2~4階が事務所、5階以上が住宅として分譲されたが、住宅部分の事務所化・賃貸化が進み、近年は区分所有者がほとんど居住していない状況となっていた。

 建物の高経年化に伴い外壁や給排水管などの老朽化が深刻化する中、約25年前から「宮益坂ビルを考える会」などによる建て替えの検討が始まっていたが、合意形成活動の難しさ、借地権や共用部の名義残り問題など複雑な権利関係の整理などのため建替え決議成立までに長い年月を要した。

 2011年に同社が事業協力者に選定され、2012年に建替え決議が成立。今春には権利変換手続き後に解体着手する予定。2019年に竣工予定で、住宅は152戸が予定されている。

 

 

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「ザ・パークハウス 千代田麹町」完成予想図

 三菱地所レジデンスは2月8日、JR四ツ谷駅から徒歩2分、上智大学キャンパスを借景にしたマンション「ザ・パークハウス 千代田麹町」の記者見学会を行った。12月にモデルルームをオープンして以来、これまで約400件の来場がある。分譲開始は2月中旬で、人気は必至だ。

 物件は、JR中央線四ツ谷駅から徒歩2分、千代田区麹町6丁目に位置する17階建て全77戸(事業協力者住戸18戸含む)。専有面積は41.98~133.42㎡、価格は未定。竣工予定は2017年11月上旬。施工は東急建設。従前敷地は事務所・住宅の複合。

 現地は、四ツ谷駅を降りてすぐの麹町大通りと番町文人通りが交差する角地。麹町通りを挟んだ南側は上智大のキャンパス。徒歩2分には雙葉学園、5分には番町小学校、9分には学習院初等科がある。藤田嗣治、島崎藤村の居住跡もすぐ近くにある。

 建物は等価交換方式で建てられ、地下1階から地上5階までは事務所・店舗、住居は6階以上。メインの南西向きが71㎡以上のファミリー向きで、北東、北西向きは40~50㎡台のコンパクトタイプ。内廊下方式を採用している。

 モデルルームは南西向きの100㎡のタイプ。一部オプション仕様もあるが、建具・面材に大理石・御影石の天然石、突板をふんだんに用いた高級仕上げ。

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ラウンジ

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 さて、問題の坪単価。同社は「未定」としており、四ツ谷駅圏のマンション分譲事例はほとんど皆無で難しいのだが、ズバリ「630万円。アッパーで650万円」と予想した。外れたら謝るほかないのだが、そんなに外れていないという自信はある。もちろん南西向きの高層階のプランは700万円、800万円になっても不思議ではない。

 借景が素晴らしいマンションは、つい最近、約20haの日立製作所中央研究所の森に隣接した三菱地所レジデンスの「国分寺」を見たばかりだが、今回は約4.7haの上智大四谷キャンパスだ。「国分寺」と比べれば面積・緑量は少ないが、千代田区民は調査・研究目的なら図書館の利用も可能だ。名門校もそろっており、文京エリアともいえる立地条件だ。

 プランもいい。南西向きの住戸は間口が約8~10mのワイドスパンだ。コンパクトタイプも間口が広く、採光も取れている。モデルルームの3m×1mのオープンシステムキッチンと突板キャビネットが最高に素晴らしい。システムキッチンに飾られていたカサブランカは造花だったが、リビングテーブルに置かれていた「GLENMORANGIE」のスコッチは173年ものだった。と、書いたのだが、いくら何でも173年ものヴィンテージウイスキーがあるはずがないと思い調べたら、173年前、つまり1843年に生まれたのが「GLENMORANGIE」社ということだった。

 来場者の数からして一挙販売もあるかもしれないと思ったが、2期以上に期分けして分譲するそうだ。

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エントランス

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「リシャール横濱元町」完成予想図

 リノベーションマンション最大手のインテリックスの自社分譲マンション「リシャール横濱元町」を見学した。先に書いた「クレヴィア豊洲」同様、実際に見学しないといけないことをつくづく感じた。なかなかいいマンションだ。

 物件は、みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩5分、又はJR京浜東北線・根岸線石川町駅から徒歩7分、横浜市中区元町3丁目に位置する地下1階地上8階建て全23戸。専有面積は24.51~53.89㎡、価格は2,497万~5,428万円、坪単価は330万円。竣工予定は平成28年4月末。基本設計はインテリックス空間設計。全体設計・監理は朝倉崇夫都市建築設計事務所、ファサードデザインはレーモンド設計事務所。施工は風越建設。

 1月上旬から分譲を開始しており、これまで約100組の来場があり、12戸が契約・申し込み済み。

 現地は横濱元町商店街の元町通りと元町仲通りの2方に面しており、建物ファサードデザインがレーモンド設計事務所というのが特徴。地下1階から3階までが店舗・事務所で、住戸は4階からというコンパクトマンション。

 住戸プランは、引き戸を多用して居住スペースを有効に使っているほか、お洒落な洗面室を採用するなど、単身者・DINKSを意識したカラーデザインとなっている。

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モデルルーム

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 同社の自社分譲マンションは「奥沢」「田園調布」「碑文谷」に次ぐ4棟目だ。記者は第一弾の「奥沢」を見学しており、今回は商品企画などに進歩はあるのか、「横濱元町」「レーモンド設計事務所」の看板に偽りがないかどうか確認をするために見学した。

 驚いたのは立地だ。見学する前に現地の地図を見たのだが、地図が小さく、建物は高速道路沿いに見えた。内心、最悪の立地かもしれないと思ったのだが、そうではなかった。高速道路から一歩入った「元町仲通り」の中心地だった。販売担当者に聞いたら、「元町アドレス」のマンション分譲は20年以上も遡らないとないという。

 さらに驚いたのは、元町商店街は地区計画で建築物の外観デザイン、店舗の用途、営業時間などの制限を設け、良好な環境を保全していることだ。いかがわしい店舗などは一切建てられない。自らの街は自らでつくる地区計画の見本のようなエリアにこのマンションは建つ。

 商品企画もいい。コンパクトマンションであるために居住スペースは限られているが、トイレを含めたソフトクローズ機能付きの引き戸の多用やお洒落なデザインの洗面室が採用されていた。

 レーモンド設計といっても一般の方は知らない人も多いだろうが、あの帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライトとともに来日したアントニン・レーモンドのDNAを継承する設計事務所だ。端正なガラスデザインファサードが印象的だ。

 「単価が高い」という印象を受ける人もいるかもしれないが、それは「元町」を知らない人だ。販売担当者によると「価格が高いという方はほとんどいない。来場者の多くは元町エリアをよく知っている人」とのことだった。

 販売好調に味を占めて自社マンション事業を強化するのではないかと思ったが、同社はそれを否定した。これは正解。やみくもに拡大してもいいことはない。立地を厳選して、年間1棟くらいの供給がいいペースではないか。

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現地(合成写真)

インテリックス 同社初の分譲マンション「リシャール奥沢」出足好調(2011/12/6)

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「クレヴィア豊洲」完成予想図

 伊藤忠都市開発(事業比率65%)・セコムホームライフ(同30%)・三信住建(同5%)が2月下旬に分譲する「クレヴィア豊洲」を見学した。マンション業界初のオキュラスリフトを活用した体験型マンションギャラリーが話題となっているが、記者はコストパフォーマンスが高いマンションとして評価したい。

 物件は、東京メトロ有楽町線豊洲駅から徒歩11分、江東区東雲1丁目に位置する14階建て133戸。専有面積は56.37~83.44㎡、価格は未定だが坪単価は285万円前後の予定。竣工予定は2017年2月下旬。設計・施工は大末建設。

 現地は、豊洲駅と東雲駅のほぼ中間で、目の前に24時間営業のイオン東雲店があり、その背後に東雲のタワーマンション群がある。

 建物は全戸南向きで、ユーティリティシンク、食洗機、ディスポーザ、バックカウンター・吊戸棚、ミストサウナ、セコム・セキュリティ収納庫などが標準装備。メインの間取りは70㎡の3LDKだが、間口は6300ミリ以上。二重床・二重天井。

 マンションギャラリーでは、世界初の感情認識パーソナルロボット「Pepper(ペッパー)」が出迎えてくれるほか、オリジナルユニットセレクトシステム「TSUKURIE(作る+家)」によるプランセレクト、最新の3DヘッドマウントディスプレイOculus Rift(オキュラスリフト)を活用した体感型バーチャルモデルルームなどが用意されているのも特徴。

◇       ◆     ◇

 体感型マンションギャラリーについてはプレスリリースを参照していただきたい。記者はマンションのプレスリリースをそのまま記事にすることはほとんどない。記者の役割は、商品を提供する企業と消費者をつなぐことで、企業の意図とはまた違った視点、つまり消費者の視点が欠かせないと思っている。

 その観点からいえば、プレスリリースはあくまでプレス向きに発信するもので、直接消費者にアピールするものではない。どれだけ巧みな宣伝をしようが、それをコピー&ペーストして記事にしようが、肝心の商品企画が劣っていれば消費者の心をとらえることはできない。商品の良し悪しは現場に足を運ばないとわからない。

 今回の場合でいえば、285万円前後の坪単価と設備仕様レベルを秤にかけ、極めてコストパフォーマンスが高いことを発見した。商品価値が高いからこそ、世界初の体験型マンションギャラリーが生きてくる。

 記者は個人的には湾岸が好きになれないのだが、今回のマンションは若年層には受けるのではないか。通学区の有明小・中学連携も人気があるそうだ。豊洲駅のマンション相場は坪300万円をはるかに突破しており、これから分譲されるタワーマンションは400万円を超えるのは間違いない。

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世界初の感情認識パーソナルロボット「Pepper(ペッパー)」

「クレヴィア豊洲」のニュースリリース

 

 

 

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「ツーバイフォー6階建て実大実験棟HRT-Project」(つくば市で)

 日本ツーバイフォー建築協会は2月4日、国立研究開発法人・建築研究所と共同で研究・建設を進めている茨城県つくば市の「ツーバイフォー6階建て実大実験棟HRT-Project」を関係者に公開した。

 再生可能な循環資源である木材の利用促進に寄与するとともに、ツーバイフォー工法の新たな展開にチャレンジするリーディングプロジェクトとして位置付けられているもので、ツーバイフォー工法による木造の6階建てはわが国初。今春に国交大臣認定を受け、様々な実験・検証を経たのち実用化を目指す。

建物は延べ床面積206.09㎡、高さ17.309㎡。施工は西武建設。完成は平成28年3月。アメリカ針葉樹協議会、岡山高次木材加工協同組合、カナダ林産業審議会など多くの団体・企業が協力。国土交通省の補助も受けている。

 6階建て1、2階部分に使用する外壁・間仕切り壁には壁倍率14倍相当が必要なため、新たな間仕切り壁を開発、構造用合板の両面(12ミリ)張り(通常は片面9ミリ張り)、釘打ち本数、釘長の増加を図っている。

 また、6階建て建築物の実現に必要な2時間耐火壁・床(3~6階は1時間耐火壁・床)を適用し、様々な検証を行い、建築基準法に基づく大臣認定を取得、普及につなげていく。床はCLT、ストレストスキンパネル、LVL、I型ジョイント、平行弦トラスを採用。

 同協会会長・市川俊英氏(三井ホーム社長)は、「国交省や海外も含め多くの団体・企業の協力で実現したわが国初のリーディングプロジェクト。高い耐火性、強度を備えており、1~2年後には実用化したい。良質で環境に優しい木の住宅の普及に貢献していく」などと語った。

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1階天井に用いられている岡山県産のスギによるCLT

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1、2階部分の外壁見本

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 木造による中層建築物の実現に一歩近づいた。市川会長も「1~2年後には実用化したい」と意欲を見せ、建築研究所・坂本雄三理事長も「木造住宅は世界的にも注目されている」と、大きな流れであることを強調した。関係者はCLTが普及すればツーバイフォーによるオール国産も可能になると話した。

 現場の隣接地ではCLT協議会のCLT棟も建築中で、3月には完成する。CLTは接合に難点があるとされていたが、解消されたようだ。ツーバイフォー6階建てと同時に4月には公開される。

 一つ残念だったのは、ツーバイ6階建ての外壁はサイディング仕上げだったことだ。耐火・防火基準を満たすためにはやむを得ないことなのだろうが、木の良さ・美しさを覆い隠すことにはどうしても納得できない。

 2時間耐火も厳しすぎる。実験棟の1~2階の壁は表も裏もボードが3枚も張られ、全体で壁の厚さは約30センチもあった。大都市では火災が発生すれば数分で消防車が駆けつけるではないか。一律に規制するのではなく、地域、用途などによって柔軟に対応すべきだろうと思う。木造建築物はわが国の文化だ。厳しい規制は文化の衰退につながる。

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CLT棟

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手前の建物がCLT棟、右後方がツーバイ6階建て

三井ホーム わが国初のツーバイフォー5階建て(1階はRC)特養が上棟(2015/12/9)

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表彰式の様子(アメリカ合衆国ホノルル市、現地時間2015 年12 月15 日)

 柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)は2月4日、柏の葉アーバンデザインセンターを拠点に、公・民・学が連携して「環境共生都市」の実現を目指す柏の葉キャンパス地区が、アジア太平洋経済協力(APEC)「2015 ESCI ベスト・プラクティス・アワード」の「ローカーボンモデルタウン」部門にて銀賞を受賞したと発表した。

 「ESCI(エネルギー・スマートコミュニティ・イニシアティブ)」は、APECの加盟国や地域が連携し、効率的な交通、省エネビル、スマートグリッド、ローカーボンモデルタウンなどの分野で、事例やノウハウの共有を進めており、各分野で優れた取り組みを実践する組織について、毎年「ESCI ベスト・プラクティス・アワード」として表彰している。

 柏の葉キャンパス地区は、環境共生都市として進めている低炭素化への総合的な取り組みが評価され受賞となった。

 

 

 

 

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「ザ・パークハウス桜坂サンリヤン」完成予想図

 三菱地所レジデンスと西日本鉄道は2月2日、福岡市中央区桜坂において開発を進めている「ザ・パークハウス桜坂サンリヤン」のモデルルームを2月6日(土)にグランドオープンすると発表した。

 同物件は、両社による九州初の共同プロジェクトで、福岡市地下鉄七隈線桜坂駅から徒歩3分、約28万㎡の森が広がる南公園に隣接する全322戸の大規模マンション。福岡市「南公園」に隣接し、単一物件として中央区最大となる13,000㎡超の敷地にて、大規模物件ならではの建物空間・屋外空間を活用し、多彩な共用施設を配置する。

 また、「都心で森と暮らす」という価値創出のために、南公園の森から連続する自然林を1,600㎡以上保存するのに加え、新たに樹木を植え再生する緑地を含めて敷地の40%以上となる緑地率を確保。生物多様性に関する外部機関認証「いきもの共生事業所認証(ABINC認証)集合住宅版」を九州で初めて取得した。

◇       ◆     ◇

 三菱地所レジデンスの公園隣接マンションについては先日、約20haもの日立製作所中央研究所に隣接する「ザ・パークハウス国分寺緑邸」の記事を書いたが、今度は約28haの公園に隣接するという。

 西鉄の戸建てとマンションを10数年前に見学して、そのレベルの高いのに驚いたことがあるが、最近の九州圏のマンション市場は全く分からない。

 関係者によると福岡エリアはこの1年で都心供給が激増しており、今後予定の急激な供給増も見込まれているようだ。今回の322戸という戸数は、東京だと1,000戸くらいを供給する市場インパクトがあるようだ。販売単価は福岡の高額物件としての200~250万円くらいになるという。

 相当力が入っているマンションのようだ。売れ行きがどうなるか。長崎の市街地で坪単価180万円のマンションが売れているという話を同業の記者から最近聞いた。

 

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