モリモト「文京本郷台」 デザインは「本郷弓町」と同じ今井氏&鬼倉氏
「ディアナコート文京本郷台」完成予想図
モリモトが近く分譲開始する「ディアナコート文京本郷台」を見学した。デザイン監修がアーキサイトメビウス、インテリアデザインがリエゾン・鬼倉めぐみ氏でで、昨年分譲して人気になった「ディアナコート本郷弓町」と同じだ。文京区では久々の100戸超で、湯島天神がすぐ近くという立地も人気を呼びそうだ。
物件は、東京メトロ千代田線湯島駅から徒歩2分、都営大江戸線本郷三丁目駅から徒歩8分、文京区湯島3丁目に位置する16階建て全127戸。専有面積は33.91~105.46㎡、価格は未定だが、坪単価は430万円くらいになる模様。竣工予定は平成29年9月下旬。設計・監理はIAO竹田設計。デザイン監修はアーキサイトメビウス・今井敦氏。施工はフジタ。
現地は、湯島天満宮のすぐ裏手。なだらかな南下がりの高台立地。建物の外観は、基壇部に天然石を張り巡らし、それより上は白を基調にしたタイル張り、上層の2層はガラス素材を採用。全体的には白と黒のコントラストが美しいマンションだ。
住戸は南向きと北向きで、33~55㎡以下のコンパクトタイプが30%あるのが特徴。
モデルルームの仕様レベルが高く、55㎡以上の住戸は床・建具・面材は全て無垢・突板仕上げ。キッチン・洗面、浴室のカウンタートップは天然御影石。サッシは2.3mのハイサッシ、天井高は14階までは2450ミリだが、15階・16階は2650ミリ。
販売担当者は、「嬉しい悲鳴ですが、この前の土曜、日曜は10:00から、13:30分から、16:30から、19:00からモデルルーム来場者の対応に追われ、1組2時間として8時間くらい話しっぱなし。声が出ない」と話していた。
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販売事務所は「ディアナコート本郷弓町」と一緒だった。入った途端、あのふかふかのジュータンと天然大理石の壁、カウンターに迎え入れられて、お金持ちになったような気分が再びよみがえった。同社のこれまでの販売事務所設営では間違いなくトップだ。
モデルルームも抜群の出来だ。きりりとしたデザインが美しく、温かみのあるチェリーの面材が落ち着きを与えてくれる。照明などにたくさん用いられているバカラが全然嫌味ではない。品格がある…と言ってしまえばそれまでなのだが、いったい全体「品格」「品性」とは何かを具体的に表現するのは極めて難しい。実際を見ていただく以外ない。
坪単価はどうか。担当者にいきなり「坪430万円でどうか」と聞いたら、「まだ正式には決まっていませんが、そんなところに落ち着きそうです」とのことだった。また、別の担当者に聞いたら、「上層階の2層はかなり高くなるので全体では430万円くらいですが、コンパクトタイプは抑え目になるはず」と話した。
唯一の難点と言えば、道路を挟んだ目の前にラブホテルがあることだ。外観はよくある歓楽街のそれではなく、落ち着いた雰囲気があるのは救いか。
東建 プレスリリース 「目黒」の〝億住戸が過去最多〟に「定借除く」追加
東京建物は12月1日、先に発表した「Brillia Towers 目黒」の全戸完売プレスリリースの「1億円以上住戸は365戸となり、これまで販売されたマンションのうち最多戸数」の文言のデータを裏付ける注釈「1993年以降に販売された一都三県の物件として最多(2015年10月有限会社MRC調べ)」を、「1993年以降に販売された一都三県の物件(定期借地権付分譲マンションを除く)として最多(2015年10月有限会社MRC調べ)」に変更した。
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記者は11月26日付の記事「億住戸がもっとも多いのは『目黒』ではなく『広尾ガーデンフォレスト』ではないか」で、「事実は事実として正確を期したい。…『分譲マンション』から定期借地権付きを除くかどうかは見解が異なるかもしれないが、記者は定借も『分譲 マンション』だと解釈している」と書いた。
今回、同社が裏付け注釈に「(定期借地権付分譲マンションを除く)」を加えたのは正確を期すためのようだ。納得がいく変更だ。
スウェーデンハウス 豊洲モデルハウスで藝大染織専攻学生の作品展
聖ルルチア祭をモチーフにしたカーテン「ユールの夜に」(左)と東京藝大での制作風景
東京藝術大学美術学部工芸科染織研究室(菅野健一教授)は11月28日(土)~12月25日(金)、「スウェーデンハウス豊洲モデルハウス」(江東区豊洲6-1-9 スマートハウジング豊洲まちなみ公園)で「東京藝術大学染織専攻作品‐Jul(ユール)」展覧会を開催する。
展覧会は授業カリキュラムの一環として取り組むもので、スウェーデン大使館の後援とスウェーデンハウスの協力を得て、スウェーデンのクリスマス「Jul(ユール)」をテーマにした作品を発表する。
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同大学の開催案内状には「スウェーデンの長い冬は、住まいを美しく飾るスウェーデン文化を生み出したと言えます。美しいものに囲まれる、心地よい空間を作り上げる、そして季節や行事によって空間をしつらえるという考え方は、住空間とアートの関係を考える上で重要です。暮らしを豊にする藝術作品を制作し、実際にモデルルームで展示する事で、新しい藝術文化の可能性を探ります」とある。
スウェーデンの文化を理解するうえで参考になる小説として、イギリスの作家、トム・ロブ・スミスの近著「偽りの楽園」(新潮文庫、上下)をお勧めする。スミスのお母さんはスウェーデン出身で、そのお母さんがモデルになっているのではと思わせるシーンがたくさん出てくる。読み出したら止まらない。
数年前大ヒットしたスティーグ・ラーソンの小説「ミレニアム」(ハヤカワ ミステリ文庫)とともに最高に面白い。
野村不動産 「飯田橋駅中央地区」の再開発に事業参画
飯田橋駅中央地区再開発準備組合は11月30日、千代田区飯田橋四丁目及び富士見二丁目の一部の再開発計画「飯田橋駅中央地区」に事業協力者として野村不動産を選定し、具体的な計画策定に着手したと発表した。
「飯田橋駅中央地区」は、開発のすすむ飯田橋駅西口地区とアイガーデンエリアをつなぐ重要な地区で、また、JR 飯田橋駅東口と目白通りが交差する人通りの多い立地であるにも関わらず、広場空間がないことがまちの課題とされてきた。
再開発計画では、駅前広場など歩行空間の拡充によって地下と地上をつなぎ、みどりと賑わいのネットワークを強化するとともに、目白通りから奥まった住宅棟周辺はやすらぎを大切にした屋外空間を創出する。施行面積は約1.0ha。
野村不動産は隣接街区の「飯田橋プラーノ」(2009年3月完成)の再開発事業に特定業務代行者・参加組合員として住宅、事務所、店舗を中心とした複合再開発に取り組んだ実績がある。
情報の十字路に立つ トータルブレイン・久光龍彦社長のアドバイス
久光氏
1日2~3社、月にして約45社の不動産会社の社長・役員クラスと情報交換している、業界の名物男でマンションコンサルタント会社トータルブレイン・久光龍彦社長に話を聞いた。
まだ1年を振り返るには早いが、久光氏は「価格競争に走らないで、安価で良質な住宅供給に力を注いではどうか」とデベロッパーに注文し、その一方で、ユーザーには「3P(プレイス、プラン、プライス)のうち今日ほどプレイスが重視される時代はない。立地にこだわらなければもっと快適な暮らしができる」と選択の幅を広げてはとアドバイスした。
業界で久光氏を知らないというのは〝もぐり〟だろうが、その経歴を少し紹介する。久光氏は現在75歳。17年前に同社を立ち上げたのだが、それまで長谷工コーポレーション専務-長谷工不動産社長-長谷工アーベスト社長-長谷工コミュニティ社長を歴任している。
いかに業界広しといえども、マンションの川上から川下まで、しかも先頭に立って活躍してきた人というのは久光氏以外にいない。「業界の名物男」と書いたのはそのためだ。
75歳になって月に45社も回るというのもこれまたすごい。このうち定期的に回るのは15社くらいで、あとは2~3カ月に1回、半年に1回くらいのローテーションで回るのだという。「そりゃ情報の十字路に立っているわけですから神経は使いますし、いい加減な話はしません」という。
多忙を極める久光氏に業界とユーザーに一言アドバイスを求めた。
「デベロッパーには、価格競争に明け暮れているのはいい加減にしたらどうかといいたい。金利は安いが、景気はよくないし土地も建築費も高止まり。安価で良質住宅を供給するのが業界の使命のはず」と、もっと商品企画に力を入れるべきと話した。
ユーザーに対しては、「プレイス、プラン、プライスの3Pが重要なのはわかりますが、50年この仕事に携わってきて、いまほどみんな立地に走っている時代はない。立地にこだわるから価格も上昇する。視点を変えれば快適な住宅が手に入る」と語った。
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久光氏を知らない業界人は〝もぐり〟と書いたが、久光氏の趣味が〝もぐり〟というのを知っている人はそれほど多くないかもしれない。しかも、潜っていなければとっくに〝鬼籍〟に入っていたかもしれないという〝奇跡〟の人でもある(このような失礼な駄洒落が通用するのも、久光氏がいたって元気だからだ)。
正確に言えば、〝もぐり〟はスキューバダイビングのことだ。空気を詰めたタンクを使って海の中にもぐるスポーツだ。「とにかく珊瑚も魚が美しい」と魅入られたのだそうだ。
久光氏が九死に一生、奇跡の生還を遂げたのが2004年12月26日早朝、インドネシア・スマトラ島沖で起きたマグニチュード9.1の大地震だった。死者は約26万人に達した。
この日、久光氏はタイの観光地プーケット沖で潜っていた。地震が起きたときも全く気が付かず、ホテルに戻って初めて大惨事を目の当たりにした。3階建てのホテルは2階まで壊滅状態で、1階に預けていた財布などもさらわれていた。
奇跡は本人だけではない。「旅行は女房も一緒で、普段女房は部屋にいるかビーチに出て本でも読んでいるのですが、この日に限って大きなクルーザーだったので一緒に乗ることになった。女房が一緒でなかったらと思うとぞっとする」と当時を振り返る。
着の身着のまま、ビーチサンダル履きで29日に帰国した際、真っ先に久光氏のインタビュー姿がNHKのテレビに映し出された。
このニュースで久光氏が奇跡の生還を遂げたことを知った業界人は多いはずだ。「夜の7時のニュースで私のことが伝わると、『奥さんは大丈夫か』という連絡がたくさんありましたが、女房は(カメラクルーから)とっさに逃げましてね、映らなかったんです」
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この惨事で懲りたのかと思いいきや、そうではない。その後もずっと潜っている。
「わたしは暖かいところしか潜りません。夏の沖縄とか台湾、パラオ、サイパン、インドネシア、プーケットなどです。この20年間で980本潜りました。1本とはボンベのことですが、ダイバーは潜るごとに記録につけるんです。それが今年で1,000本になるんです。リゾートばかりで1,000本という人はそういないはずです。時間と体力とカネが必要なスポーツですから。この三拍子はなかなか揃わない。
1,000本記念のTシャツも用意してます。達成したら仲間にサインをもらうんです。寝室には300本達成以降の100本単位のTシャツを飾っているんです」
「ゴルフはダイビングを始めるのと前後して止めましたね。ダイビングには女房も連れて行くから文句を言われない」
-「住友不動産の安藤太郎さんは98歳までゴルフをやっていました。久光さんもそれくらい続けてほしい」と水を向けたら、安藤太郎さんの話になった。
「安藤さんとは(長谷川工務店時代の)水上社長と(専務の)私とよくやりましてね、泉カントリーです。さすが安藤さんですね、平気で自分の都合のいいようにOBラインを変えるんです。しかも、ラウンドの前後一組を開けるんですよ。せっつかれることはまったくない」-こんな話も久光氏はデベロッパーの幹部の人と話しているのだろうかと考えると、楽しくなってくるではないか。
家具材も地産地消へ 生産者と若手デザイナーをつなぐ「日本の木 ニッポンの家具」
「日本の木 ニッポンの家具」ブース(東京国際展示場で)
日本家具産業振興会は11月25日(水)~27日(金)、東京国際展示場で行われた「IFFTインテリア ライフスタイル リビング」で、国産材生産者、メーカー、若手デザイナーを繋ぐ「日本の木 ニッポンの家具」を出展。国産材活用の場を広げようというのが目的で、多くの家具メーカーのほか全国から公募で選ばれた27組41名のデザイナーがそれぞれの地域材を用いて展示した。
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国産材を家具にも採用しようという機運が高まっているのは結構なことだし、初めて生産者-メーカー-デザイナーが三位一体で国産材活用をアピールするというので取材することにした。
できれば小野由記子氏(小野意匠計画代表)かトークショーに出席された初日に取材したかったのだが、都合がつかず、最終日の27日に取材した。それでも多くの収穫があった。
配布された資料によると、わが国の家具メーカー(100社回答)は輸入材を使用する割合が7割以上という回答が67%に上っており、国産広葉樹は量が少ないうえ、家具に適したサイズ(36~50㎝)のものが少なく、安定的に確保することが困難だとしている。
その一方で、材料が入手しやすく、安定的で価格が安ければ国産材を使う「可能性がある」と答えたのは85%に上っていることも分かった。
さらに、国産材活用のために何らかの取り組みを行っているのは41社あり、国産材を家具に採用する機運が高まっているという。これまで強度不足から用いられてこなかったスギ材も加工技術を生かして活用しようという動きもあるという。
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若手デザイナーの作品をいくつか紹介する。まず、世界を舞台に活躍されているわが故郷・三重県鈴鹿市のHiroki Takada(高田浩樹)氏の作品。
写真は北海道産のシナノキの古木を用いた作品で、箱根・彫刻の森美術館が購入を検討しており、今井敏・林野庁長官も腰かけられたそうだ。
Takada氏の作品はニューヨークなどの美術館に多く展示されているそうだ。「ミラノサローネに出品したのがきっかけで、海外を中心に活動するようになった。わが国のようにコミュニティが濃密でないから、作品そのものが評価されるのがいい」とTakada氏が語っていたのはやや気になった。名刺も英語表記だった。
Takada氏の作品と作品に座るTakada氏
ヒノキ(左)と秋田杉を桶風にデザインした酒井篤志氏の作品
鳥取の智頭杉を用いた白岡崇氏の作品
「東京杉」を用いた伊藤洋平氏の作品
広島・松岡製作所のキッチンと吉野杉をコラボした特注のシステムキッチン(350万円とか)
静岡・焼津市の神野克昭氏の作品
東急グループ 記者懇談会「自立と共創」理念に納得
「東急グループ記者懇談会」(「ザ・キャピトルホテル東急」で)
「東急グループ記者懇談会」が11月20日、行われた。初めて出席・取材した。
参加企業は東急電鉄をはじめ東急不動産ホールディングス、東急不動産、東急コミュニティー、東急リバブル、東急レクリエーション、東急建設、世紀東急建設、東急バス、東急百貨店、東急ストア、東急モールズデベロップメント、東急カード、東急エージェンシー、イッツ・コミュニケーションズ、東急セキュリティ、東急ホテルズの17社。
当日配布された資料によると、17社の2014年度の売上高総額は2兆1,740億円(うち東急電鉄の連結は1兆670億円)、従業員数は31,500人だ。ほとんどの会社の社長か副社長が出席していた。
冒頭、挨拶した野本弘文・東急グループ代表(東急電鉄社長)は、二子玉川2期プロジェクトの完成で乗降客が2割増えたことを紹介したあと、渋谷ではヒカリエに次ぐ「渋谷駅街区・東棟」「渋谷駅南街区」などについて触れ、「五輪までに100m超の建物が新たに5本できる。スカイツリーに対抗するわけではないが、日本一訪れたい街にしたい。電力の小売りも開始する。仙台空港の監理運営も行う。来年3月には銀座5丁目プロジェクトも完成する。これからも一丸となって『一つの東急』としての連携を強化していく」などと語った。
野本・東急電鉄社長
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「東急グループ」が「東急電鉄グループ」でないのは不思議だが、三井も三菱も住友も具体的な企業名が付されていないのと同じだろう。売上高構成をみても東急電鉄の連結売上げより他社の売上高のほうが大きいので、「東急グループ」と呼ぶのがふさわしいのかもしれない。
東急グループの経営理念には「自立と共創により、総合力を高め、信頼され愛されるブランドを確立する」とある。東急電鉄が頂点に君臨し支配するのではなく、各企業が連携しながら自立する」ということだろう。
公共的役割が大きく、人口減少社会の到来で運輸業のみでは成長できないことを見越した戦略なのだろう。
記者の取材フィールドは住宅・不動産なので、いつも三井、三菱、住友の財閥系御三家と東急不動産グループの事業を比較してみてきた。「自立と共創」の理念からすれば、不動産グループもまた電鉄からの自立を求められていると理解した。他の電鉄系デベロッパーとはここが違うところだ。
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東急電鉄の1日当たりの乗降客数は約300万人、東急バスは約200万人。合計で約500万人の人が利用している。「乗降客数は一時期減ったことがあるが、沿線居住者が増えており、毎年1~2%増加し続けている」(今村俊夫東急電鉄副社長)。
これは電鉄会社の大きな強みだ。毎日、これだけの人の〝足〟になっているのだから、利用客をファンにするのは容易なことだ。福祉政策という意味ではなく生活サービスを提供できるという意味で〝ゆりかごから墓場まで〟事業展開できる。
実際に電鉄会社はそうしたサービスを行っているところがあるが、東急にはそれがないのが不思議なくらいだ。タクシー会社も現在はないようだ。
それでも〝東急〟の看板は他の私鉄会社を圧倒していると思う。渋谷と横浜を結ぶ東横線沿線は、私鉄沿線の中でもっとも住宅地として人気が高く、マンション単価も相対的に高い。
田園都市線も〝丘〟〝緑〟〝野〟〝藤〟などの駅名が多く、沿線には東京工大、学芸大、都立大などの大学(駅名)がある。東京都市大と亜細亜大学もグループで経営している。
これだけ他の私鉄会社より優位な位置を占めながら、不思議とナンバー1の業種がないとずっと思ってきた。
ところが、そうではない。東急コミュニティーだ。売上高は1,183億円で、日本総合住生活の1,150億円(12年3月期)を上回り、大京アステージの509億円(15年3月期)の倍以上だ。
同社はマンションとビルの管理が中心で、12月に開業する「JPタワー名古屋」の管理業務を受託する。同社の強みは技術力だと常々思っていた。従業員約13,000人のうち宅建士、管理業務主任者、建築士、マンション管理士などの資格保有者は約14,000人(重複含む)に達する。岡本潮社長は「本気で採用・教育している。そのうちに圧倒的なナンバー一になる」と話した。
「ザ・キャピトルホテル東急」(新しくなった「パレスホテル東京」も素晴らしいが、現時点で日本資本のホテルでは記者は「ザ・キャピトルホテル東急」がトップクラスだと思う。隈研吾氏らしいデザインがふんだんに施されており、隠れ家的な雰囲気もある)
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業界ナンバー1企業は少ないかもしれないが、記者は東急設計コンサルタント、石勝エクステリア、東急ハンズなどとともに東急エージェンシーはずっと気になっている会社だ。東急グループのブランディング戦略の中核企業だと思っている。
そこで、桑原常泰社長に聞いた。「当社はハウスエージェンシーではない。東急グループ関係の売り上げは全体の4分の1以下だ。東急グループに横串を差し、BtoBからその先のBtoCも当然視野に入れている」とのことだ。この会社の動きにも注目したい。
東急不動産グループについてはいつも取材しているのでおおよその動きは分かる。植村仁・東急不動産社長には分譲戸建てに力を入れてほしいとお願いし、榊真二・東急リバブル社長とは「女性活躍」について花を咲かせた。
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読者の皆さんは2014年度 第25回 ミズノスポーツライター賞を受賞した「洲崎球場のポール際」(講談社)という本をご存知か。
選評には「文句なく面白い。忘れられた洲崎球場についての著者の探索は、当時の新聞雑誌の渉猟はもとより、資料や古地図を当たり、川上はじめ生存者の証言を聞き(特に試合を見た当時の少年たちの話が貴重)、新聞の載った球場の航空写真をもとに復元模型まで作ってしまうのである。文章は読みやすく(少し凝り過ぎの表現もあるが)、試合の様子など、新聞記事をもとにしているだけに迫真の表現である」とある。
著者は東急電鉄社長室広報部広報課長・森田創氏だ。お父さんは三重県津市の出身だそうで、森田氏を紹介してもらった東急不動産の広報担当・Iさんも記者も三重県出身なので大いに盛り上がった。今度買って読もう。
森田氏
大和ハウスグループ 介護付き有料老人ホーム「もみの樹・渋谷本町」オープン
「もみの樹・渋谷本町」
大和ハウス工業グループの大和ハウスライフサポートは12月1日、渋谷区本町に介護付有料老人ホーム「もみの樹・渋谷本町」をオープンする。
「もみの樹・渋谷本町」は5階建て57室。専用面積は18.04~20.22㎡(全てワンルーム)。入居金は、一時金方式が1,015万~3,600万円(非課税)、月払い方式が590,600円(税込)。月額利用料は264,600円(税込)(管理費157,680円、特別サービス費58,320円、食費48,600円)。
新宿副都心の夜景が眺められる最上階の5階には全面ガラス張りのメインダイニングや機能訓練室、理美容室を設置。屋上庭園も設けている。
1階には、地域住民との交流ができるコミュニケーションスペースを設け、地域住民向けのセミナーやサークル活動なども開催する予定。また、初めての取り組みとして、大和ハウス工業が提案する5種類の介護支援用ロボットや機器を導入し、先進的なケアに取り組む。
同社は現在、介護付有料老人ホーム「もみの樹」シリーズを3施設、自立型有料老人ホームと介護付有料老人ホームが併設された「ネオ・サミット」シリーズを2施設、計5施設を運営している。
1階エントランスホール
億住戸がもっとも多いのは「目黒」ではなく「広尾ガーデンフォレスト」ではないか
東京建物が11月16日付で「Brillia Towers 目黒」全661戸が最高倍率43倍、平均4.1倍で完売したというニュースをリリースした。今年4月以降のモデルルーム来場者は約1万組に達し、平均1億1,434万円のマンションがわずか4カ月で完売したというのは前代未聞だ。
しかし、このリリースが出たとき、記者は「1億円以上住戸は365戸となり、これまで販売されたマンションのうち最多戸数」という文言が引っかかった。そうではないという直観だ。
その後、ずっとこのことが頭から離れなかった。同社がデータの根拠として挙げたのはMRCの1993年以降の調査だった。
記者はそれより多いのではと真っ先に考えたのは「広尾ガーデンヒルズ」だった。昭和57年から分譲開始された全1,181戸の規模で、平均単価は350万円くらいだった。30坪で億ションになるので、ひょっとすると億住戸は300戸を超えるのではないかと思った。
もう一つは、2007年から分譲された定期借地権付きの三井不動産レジデンシャル・三菱地所レジデンス「広尾ガーデンフォレスト」だ。全630戸で単価は坪533万円。こちらも過半は億ションだったはずだ。
そこで、MRCと他の民間調査会社、「広尾」の売主の1社である三井不動産に問い合わせた。その結果、三井不動産からは「詳しいデータはなく、担当者が一つ一つ調べた結果、『広尾ガーデンヒルズ』は億住戸が百数十戸しかないが、『広尾ガーデンフォレスト』は400戸以上あるようだ」との回答が得られた。
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記者は東建のリリースに異議を申し立てるつもりは全くない。「目黒」の驚異的な売れ行きは今後もずっとマンションの歴史のなかに刻み込まれることだろう。
しかし、事実は事実として正確を期したい。現時点で億住戸がもっとも多い分譲マンションは「Brillia Towers 目黒」ではなくて「広尾ガーデンフォレスト」ではないか。この点についてMRCにも問い合わせた。同社は「『広尾ガーデンフォレスト』は定期借地権付きなので、データから除外している」とのことだった。「分譲マンション」から定期借地権付きを除くかどうかは見解が異なるかもしれないが、記者は定借も「分譲マンション」だと解釈している。
「広尾ガーデンフォレスト」は分譲開始時に「究極の億ション」と記事にしたが、いまでもそれは変わらないと思う。設備仕様はこのマンションを上回る物件は後にも先にも供給されていない。記者がもっとも好きな億ションは三井不動産「麻布霞町パークマンション」だと思っているが…。
野村不動産 金町駅前の再開発に参画 マンション約180戸を整備
野村不動産は11月24日、「金町六丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」の市街地再開発組合の設立認可を受けて、参加組合員として事業参画すると発表した。
計画地は、JR常磐線金町駅・京成線京成金町駅前の敷地面積約2,650㎡。建物は21階建て延べ床面積約約25,085㎡。施工は戸田建設。
同事業は、2006年6月に「金町六丁目3・5番街区市街地再開発準備組合」が設立されてスタート。同社は2008年7月に事業協力者として選定されて以降、本再開発事業に関わってきた。組合設立認可を受け住宅保留床を取得。マンション約180戸を整備する。