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 先に紹介したように、千代田区の神田警察通りのイチョウ並木を伐採する問題で、千代田区議会は10月3日、企画総務委員会を開き、伐採中止を求める陳情書について審査した。

 委員会の各委員は「(自転車通行環境整備工事「神田警察通り」請負契約について)明確な説明がなかった」「執行機関として議会に説明しなかったことを反省すべき」「イチョウが伐採されるという認識がなかった。些末なことなのか」「誰が、いつ、どこで意思決定したのか、きちんと時系列的に説明すべき」「平成25年の(神田警察通り沿道賑わいガイドラインには(イチョウなど)街路樹の保全・育成が記載されているではないか」「(神田警察通り沿道整備推進)協議会も議会も区民も置き去りにされた」などと区側に迫った。

 これに対し、区側は「全般の説明はしたが、(イチョウ伐採などについての具体的な)説明不足だった」(まちづくり課長)と謝罪したが、事案を担当する道路公園課長の説明が分かりづらいことから「語尾をはっきり言え」「イエスかノーで応えてください」と言葉を荒げる場面もあった。

 区の都市計画マスタープランや緑の基本計画に逆行するのではないかという委員の質問に対しては、まちづくり担当部長・坂田融朗氏が「緑の基本計画の考え方は今後も変わらない。ただ、道幅が狭い地域では歩行空間を確保しながら更新せざるを得ない街路樹もある。緑を維持創出し、次の生命を育てていく」と答えた。樹木医の診断の結果、「枯損木」の恐れのあるイチョウは5本であることが区側から報告された。

 午後1時15分から始まった委員会は再三休憩を繰り返しながら、結局、結論が出ず4時過ぎに散会。17日に再び論議されることになった。この問題はテレビでも報じられるなど、「豊洲問題」の千代田区版の様相を呈してきた。

◇       ◆     ◇

 最初にも書いたが、区側の説明が不十分ではあるかもしれないが、区の決定に瑕疵はないように思う。議会は街路樹を伐採することを「知らなかった」というが、知らなかったでは済まされない。日常不断に行政をチェックするのが議員の務めではないのか。この問題について議会でもほとんど質問がされていない。

 昨年12月25日に開かれた企画総務委員会で道路公園課長が説明した「今回、整備を予定しております第I期、共立学園の前付近でございます。そちらの歩道の部分というところでは全体を合わせてあわせて3.5mになりますが、その中に植樹ですとか街路灯等が、道路附属物も混在し、また自転車と歩行者の区分も不明確になっておると。その中で歩道側が1.2mほどであるというような表記でございまして、こちら、きちっと整理をすることで、かつまた4.5mに拡幅することで、歩行者、自転車ともに走行しやすい安全な空間を創出したいと考えております」を了解したのではないか。

 道路公園課長が「植樹ですとか街路灯等が、道路附属物も混在」といみじくも言ったように〝街路樹は道路の付属物〟という認識しかないということだし、議員の皆さんも〝些末〟なこととしか考えてこなかったのではないか。

 これまで区の街路樹について議会はどのような論議をしてきたのか検索してみたら、次のような発言がヒットした。

 「国立市の学園通りの見事な緑の景観が一事業者によって壊されてしまったのは、まだ記憶に新しいところです。…道路の緑地帯には211本の桜と117本のイチョウが、どれも大木に生長し、沿道にはおしゃれなブティックや喫茶店が並ぶという、市民自慢の通りでした。そのような美しい緑の景観が、なぜそうなってしまったのか。また、今後このようなことが、多くの貴重な景観を持つ千代田区で起きることがないよう、水と緑の景観を守り、形成するための具体的な仕組みがぜひとも必要です」(2004年6月10日第2回定例会)

「神田警察通りの街路樹は人生の一部」 桂由美氏らが伐採中止求める陳情書(2016/10/3)

 

 

 

 

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2016年グッドデザイン賞を受賞した「ディアナコート祐天寺翠景」

 昨日と今日で6つのマンションを見学取材した。若いころは1日に3物件、4物件を見学していたが、さすがに最近は1、2件くらいだ。フットワークがなくなってきたのと、デベロッパーの対応も厳しくなってきたからだ(かつてはアポなしでも対応するところが多かった)。

 6物件はいずれも特徴があり、今すぐに記事にしたいのだが、その前にモリモトが今年のグッドデザイン賞で受賞した3案件のうちの一つ「モリモトのデザインコード」について触れたい。

 今年のグッドデザイン賞は応募4,085件の中から1,229件が受賞した。住宅・不動産業界からもその関連を含めると50社くらいが受賞した。記者にも各社からメールで受賞のリリースがたくさん送られてきた。

 しかし、各社の受賞作を一つひとつ紹介するには1日かかっても紹介しきれないのですべて書かないことに決めた。この場を借りて、紹介できなかったことをお詫びしたい。(「グッドデザイン大賞」候補に小田急電鉄とブルースタジオの「ホシノタニ団地」がノミネートされたのを喜びたい。団地だけでなく、地域の再生・活性化につながるはずだし、それが評価された)

 なのに、どうして「モリモトのデザインコード」だけを紹介するのか。答えはただ一つ、同社のマンションが好きなのだ。〝本物〟を追求する姿勢を応援したいからだ。大手と伍して戦えるマンションデベロッパーはここしかない。

 グッドデザイン賞のエントリー概要には次のようにある。 

 「住まう人の人生を豊かにし、街の価値となっていく。私たちモリモトが創造するのは個人、そして社会の財産となる住まい。土地を厳選し、その場所の魅力を十二分に引き出すマンションをつくることです。物件ごとに、手づくりするように、緻密につくりあげていく。唯一であることが基本であり、だからこそ住まう人それぞれにとってかけがえのないものとなる」

 具体的な仕様はこうだ。

 「フレームを一から検討し、最適な間取りをひとつずつ計画し『快適な住環境を提供する』。その特徴として『ワイドスパン』『逆梁』『ハイサッシ』『内廊下』『多種多様な住戸プラン』などを採用し、都心の限られた敷地においても周辺環境への配慮をしながら『快適な住環境』を獲得できるマンションブランドを目指している」

 この提案に対して、審査委員の評価は「快適な住環境を提供するために実践されてきた、応募企業のマンションのデザインコードをまとめたものである。デザインコードの一つ一つが理にかなったものであり、それがバリエーション豊かに実現されていることが伺える」とある。

◇       ◆     ◇

 概要や仕様の一つひとつはモリモトの専売特許ではない。〝うちも同じ提案を行っている〟という声が聞こえそうだ。審査員の評価もまた実にそっけないものだ。グッドデザイン賞の第2次審査では現物を審査することもあるが、基本的には行っていない。実際にものを見ないで評価するのもどうかと思うが、やむをえない。

 「モリモトのデザインコード」を理解するためには、完成したマンションやモデルルームでの提案を見るしかない。

 グッドデザイン賞の概要には、不動産企画部企画グループの7名のデザイナー「想い」が寄せられている。そこには「もはや固定化されてしまったマンションのつくり方に対して風穴を開け、住まい手に対しても選択肢が広がればと考えています」とある。

 昨日今日見た6物件の中の一つが、モリモトの「ディアナコート日本橋浜町」だ。記事は日を改めて書くが、極めてデザイン性が高く、モデルルームは間違いなく〝本物〟を志向するユーザーの望み・欲求を満たすはずだ。ここにも「マンションの常識を覆す、風穴を開けようとするデザイナーの「想い」が込められている。

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「ザ・パークハウス山吹神楽坂」完成予想図

 三菱地所レジデンスが10月8日(土)から分譲開始する「ザ・パークハウス山吹神楽坂」を見学した。神楽坂駅圏では希少の100戸超の大規模マンションで、「和」のテイストをふんだんに盛り込んだ物件だ。

 物件は、東京メトロ有楽町線江戸川橋駅から徒歩4分、東京メトロ東西線神楽坂駅から徒歩7分、新宿区山吹町に位置する13階建て全108戸(事業協力者22戸含む)の規模。専有面積は60.30~94.95㎡、第1期(38戸)の価格は6,540万~14,490万円(最多価格帯7,600万円台・7,900万円台)、坪単価は400万円。抽選日は10月16日(日)。竣工予定は2017年11月下旬。施工は熊谷組。

 現地は、江戸川橋通りに面しており、道路に面した西向き住戸は商業地域、やや奥まった南向き住戸は準工業立地。

 〝光の長屋門〟をイメージした建物エントランスは別棟になっており、竹林の中庭が垣間見えるように工夫しているのが特徴。前庭に竹をふんだんに配し、2層吹き抜け部分にはガラスウォールを、壁は杉板の質感を現したコンクリートや櫛引壁をそれぞれ採用している。

 住戸プランは60~75㎡が中心で、キッチン・洗面カウンタートップは御影石、バックカウンター・吊戸棚、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナが標準装備。

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エントランス

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 大手マンションデベロッパーで構成されるマンションポータルサイト MAJOR7(メジャーセブン)が先に発表した第23回「住んでみたい街ランキング」首都圏ベスト20から「神楽坂」が消えた。2004年の第1回では13位で、昨年もかろうじて20位に入っていたのに、これはどういうことか。

 ランキングはアンケートによるもので、その時々の大手デベロッパーの供給物件に左右される傾向があり、「神楽坂」では大規模物件はほとんど供給されなくなってきたことが影響しているのだろう。最近では丸紅とモリモトが昨年分譲した「グランスイート神楽坂ピアース」(118戸)以来だ。

 とはいえ、「神楽坂」の人気が落ちてきているわけではないと思う。分譲単価は他のエリアに引っ張られたこともあるが400万円を突破する。今回はそのストライクゾーンの低めだ。専有面積も圧縮気味だ。第1期の38戸というのも今の市況を考えれば納得だ。エントランスは神楽坂の路地を入った高級料亭のようだ。

 「住んでみたい街ランキング」といえば、今年、前年30位の「東京」が15位に、前年41位の「渋谷」が16位に浮上した。「東京」や「渋谷」がこれまでベスト20に入っていたかどうかは調べないとわからないが、おそらく初めてのランクインだろうと思う。三菱地所はその気がないようだが、記者は「東京」(丸の内)でマンションが分譲されれば坪3,000万円はすると読んでいる。

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ラウンジと中庭の竹林

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 技術集団のセブンドリーマーズは10月4日、毎日の衣類を「運ぶ」「畳む」「収納する」手間から人々を解放する、世界初全自動衣類折りたたみ機「/ laundroid 1(ランドロイドワン)」が製品化の最終ステージに入り、来年3月に予約販売を開始すると発表した。

 「ランドロイド」は、2005年からセブンドリーマーズが独自で開発してきた衣類折りたたみ技術に加えて、今年からセブンドリーマーズ(出資比率80%)、パナソニック(同10%)、大和ハウス工業(同10%)の三社で合弁会社セブン・ドリーマーズ・ランドロイドを設立し、開発を進めてきた。

 「画像解析」「人工知能AI」「ロボティクス」の3つの技術の融合で成り立っている。現段階で識別できるのはタオル、パンツ、Tシャツ、子供服だが、製品はどんどん進化させていくとしている。

 販売価格は未定だが、先着100名限定の様々な特典がついているプロジェクトメンバー(会員権)向けのプロトタイプは約250万円。

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大和ハウスなど3社 全自動洗濯物折り畳み機「ランドロイド」共同開発(2016/10/4)

 三菱地所レジデンスが今秋末にも千代田区丸の内にコンパクトマンションの常設モデルルームをオープンする。

 同社は今年の5月、コンパクト系の間取り(ワンルームや1LDK)を中心としたマンションの1戸単位からの分譲事業で、マンションへの投資・運用や、自己居住またはセカンドハウス向けとして年間200戸~300戸程度を供給していくと発表した。

 同時に会員募集を開始するとともにセミナーを実施してきた。ほとんどが満席状態で、でこれまで約300組の集客があるという。分譲するのは千代田区、港区、渋谷区、品川区などの都心部。

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 大手デベロッパーでコンパクトマンションを継続して分譲してきたのは三井不動産レジデンシャルくらいで、同社の参入が注目されている。

 同社が予定している供給エリアは坪単価が最低でも300万円、高いところは400万円をはるかに突破してくる。千代田区などは500万円でも難しいのではないか。実需のニーズは高いが、10坪(33㎡)で5,000万円にもなる。単身者の取得限界を超えつつある。投資の場合でも、表面利回りはせいぜい5%、実質利回りは2~3%くらいだろう。

 高単価のコンパクトマンションでは、先にモリモトが分譲した坪単価440~450万円の「下北沢」は全32戸が即日完売した。同社のコンパクトはどのような商品企画なのだろう。

 

 

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「シェアハウス」before(上)とafter

 三菱地所ホームが10月4日、リフォーム事業を強化するため最上級グレードのメニュー「Re Gran(リグラン)」とマンション向けの定額制メニュー「Re Dia(リディア)」、小岩井農場産の樹齢100年のヒノキ材を土台に採用した注文住宅を20棟限定で発売すると発表した。

 「Re Gran(リグラン)」は、注文住宅やオーダーメイドリフォームで培われた提案力や設計力、デザインなどを提案するもので、本物志向のエグゼクティブのニーズに応えるもので、最高級・最高品質の仕様と設備機器を用意した。

 「Re Dia(リディア)」は、水回り部分と表装部分が対象で、三菱地所レジデンスが開発した「EYE’S PLUS(アイズプラス)」をベースにインテリアコーディネーターと相談しながらプランを作り上げていく商品。専有面積70㎡で498万円(税別)という「専有面積に応じた定額制」を導入することで、価格・商品の優位性をアピールしていく。

 小岩井農場産「樹齢100年材」使用の注文住宅は限定20棟。2016年12月26日までに契約、2017年5月以降に着工、同年12月25日までに引き渡しが可能な住宅が対象。価格は45坪相当で約25万円の増額となる。

 小岩井農場は1891年(明治24年)に三菱地所2代目社長の岩崎彌之助らが出資して設立された岩手県雫石町にある農場(本社は東京)で、農場総面積3,000haの3分の2に当たる2,000haが山林。1899年(同32年)から植林を本格的に開始し、木を植えてから伐採するまでの期間を100年と定め、様々な木材需要に応えている。

 ヒノキの植林は北限とされており、大径木にはならず年輪の間隔が狭いのが特徴で、土台などには最適な希少材とされている。

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小岩井農場のヒノキ

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ヒノキの土台

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 記者発表会の会場となったのは大手町の大手門タワー・JX ビル1階にある「3×3 Lab Future サロン」だ。この施設も立派なのだが、会見の中身がまた盛りだくさんで、築60年の戸建て(下宿)をインテリアリフォームして「シェアハウス」に再生した事例や、2016年グッドデザイン賞を受賞した「ORDER GRAN(オーダーグラン)」も紹介された。一つひとつ紹介するとこの倍くらいのスペースが必要なくらいだ。

 これは前回、駒沢公園ハウジングギャラリー・ステージ2の記者見学会でも書いたのであまり触れないが、これほどの提案力、デザイン力がありながらどうして同社はハスウメーカー下位に低迷しているのか。売上高は三菱地所グループ全体の2.7%だし、三井ホームの10分の1くらいしかない。縁が浅からぬスウェーデンハウスにも、大手デベロッパー系の東急ホームズにも負ける(売上高がすべてでないのはよく承知しているが)。〝三菱地所〟のブランド力をもってすれば少なくともこの倍くらいあっていい。

 なぜこんなことを毎度書くのか。三菱地所の図体(売上高)が大きいから小回りが利かないということではない。むしろその逆だ。

 同社のブランドメッセージには「三菱地所ホームの家づくりのこだわり」には「すべてはお客さまの想いをカタチにするために。私たちに妥協はありません」とある。同社営業マンは「ミリ単位」でお客さんの要望を聞くという。そういう会社が伸びないのが不思議だからだ。

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小岩井農場産ヒノキ

三菱地所ホーム富裕層向け注文・3階建て・戸建てリフォーム同時発売(2016/4/14)

 

 

 

 議会で議決されたにも関わらず、住民や来街者の反対により工事が中断になったままの街路樹伐採問題について千代田区議会は10月3日、企画総務委員会を開き街路樹の伐採中止・保存を求める3つの陳情について一括で審査した。議会側は住民らが反対運動を起こすまで神田警察通りのイチョウの大木32本などが伐採されることを認識しておらず、行政側は「説明不足」を認めたものの「了解が得られた」を繰り返した。審査は3時間以上に及んだが、結局、「誰が、いつ、どこで」伐採を決めたかの事実関係は明らかにされなかった。17日に再び論議される。

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 「誰が、いつ、どこで」の文言をここでも聞くとは思いもよらなかったが、陳情書の一つに共立女子学園出身のブライダルファッションデザイナー・桂由美氏を代表とする共立女子中学高等学校 卒業生有志の「神田警察通りの街路樹の保存保護を求める陳情書」が含まれており、問題になっている共立女子学園キャンパスに隣接する「街路樹は…人生の一部です」と述べられているのには心底驚いた。桂氏らは次のように述べている。

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 「本陳情は、歴史ある街路樹をこれ以上一切伐採せず、街路樹を伝統的景観の一部として愛護し、未来まで健康に育成することを求めるものです」

 「千代田区一ツ橋は近代日本の高等教育の揺籃の地です…日本学校史上特筆すべき場所です」

 「わたしたち陳情者は、共立女子学園で中学高校大学時代を街路樹とともに過ごしました」

 「ここで学ぶ者は樹齢の長い大木を見るたび、この地が如何に長く歴史的教育の場であったかを感じ、誇りを覚えます」

 「街路樹は近代史の一部であり、学校の一部であり、学生生活の一部であり、人生の一部です。千代田区で得た学風と分かちがたく結びつき記憶しています。したがって街路樹は全体として学校史を具現化する風景を形成しており、これ以上1本たりとも傷つけるべきではありません」

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 行政担当者や区議が、桂氏ら陳情者が街路樹に対して抱いている感情を少しでも理解しようという創造力を持ち合わせていれば、このような事態には絶対にならないはずだ。

 いま「豊洲問題」が大きな関心事になっているが、誤解を恐れずに言えば、豊洲問題は単なる技術の問題だろうと思う。食の安心・安全の根本的な問題にまでは波及しないのではないかと考えている。そこまで関係者は堕落していないと信じたい。

 しかし、今回の街路樹の問題は単なる技術的な問題で済まされない。桂氏らが「人生の一部」といみじくも言ったように、人々の心のありようを問う問題だと思う。

 豊洲は問題があれば修復は可能だ。しかし、樹齢80年のイチョウを伐採してしまえば、桂氏らは心のよりどころを何に求めることができるのか。

 今回の問題は「イチョウは年を取りすぎてヒトとクルマに悪さをする恐れがあるので安楽死(担当者は「更新」「整理」という文言を使ったが)させます」ということではないのか。「角を矯めて牛を殺す」といえば言い過ぎか。

※この日の委員会の模様については後日改めて記事にします。

またまた「街路樹が泣いている」 千代田区、街路樹伐採で賛否両論(2016/9/8)

 

 

 

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画像提供:スタジオ・クハラ・ヤギ
 

 住友林業は10月3日、天然由来アロマ製品(精油)の輸入販売会社・フレーバーライフ社から本社ビルの施工を受注し、着工したと発表した。、2016年2月に国土交通省の「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されたプロジェクトでもある、

 鉄骨造を「木」で耐火被覆した7 階建の木質ビルで、街のシンボルとして都市部の駅前狭小地に美しい景観と地域交流を生み出す。総工事費は約4億円を見込んでおり、2017年7月末に竣工する。

 建設地は国分寺の駅前通りに面し、1 階は店舗として活用。敷地面積は180.80 ㎡で各階延床面積が90㎡前後のペンシル型ビル。1~3 階は2時間耐火構造、4 階~7階にかけては1時間耐火で大臣認定(日本集成材工業協同組合)を取得している鉄骨内蔵型耐火集成材を採用する。O法人team Timberize 監修の元、㈱スタジオ・クハラ・ヤギが担当。フレーバーライフ社のコーポレートイメージに沿った都会の森を実現する木質ビルを提案した。

 同社は木化営業部を中心に中大規模建築物の木造化・木質化を推進しており、現状、年間40億円の受注高を19年3月期には100億円に拡大することを目指している。

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「ルネテラス船橋」(クルドサック中央がシンボルツリーの常緑コブシ)

 総合地所が9月29日、戸建てプロジェクト「ルネテラス船橋」の記者見学会を行った。各分野の専門家を起用、ありきたりの区画割にするのではなく、メイン道路をR状にしたり公園・クルドサックを巧みに配したりすることで独創的なプランを提案しているのが特徴だ。難点は駅からやや距離があることだが、商品力でカバーするか。

 物件は、JR総武本線船橋駅から徒歩17分、船橋市海神町3丁目の第1種住居地域(建ペイ率60%、容積率200%)に位置する全34棟。先着順の住戸(3棟)の土地面積は110.00~110.32㎡、建物面積は97.76~99.36㎡、価格は4,460万~4,960万円。構造・工法は木造2階建(2×4工法)。設計・施工は西武建設。販売代理は東急リバブル。

 現地は、日本道路公団の社宅跡地。当初は全36棟のごく一般的なプランで計画されていたが、美しい街をつくるため多くの街づくりを手掛け、グッドデザイン賞も受賞しているHIRAMEKI・重松剛氏の提案も踏まえて検討を重ね、最終的に図2のように変更した。

 このほか建物デザインは高橋慶郎建築設計事務所、内外装のカラーコーディネートにはアレス建築設計の平田川奈氏、外構・景観設計には石勝エクステリアをそれぞれ起用。電柱の地中化、公園・クルドサック・R状の道路配置、49種200本超の植栽計画などで美しい景観をつくり出した。

 街区を4つに分け、趣味や子育てなどそれぞれの好みによって住戸の選択の幅を広げる工夫を施している。サイクルポート付きで、食洗機、ミストサウナが標準装備。

 販売上ネックになる敷地延長住戸は隣り合う住戸の向きを変え、十分な幅と奥行きを持たせ、敷地南側に公園を配することで難点を利点に転換する工夫も盛り込まれている。

 モデルハウスは約5.6畳大の土間付きで、外と内をつなぐように同じタイルが敷き詰められている。

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モデルハウス 土間

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重松氏

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 見学会場に掲げられていた街並み完成パースを見てびっくりした。大規模とはいえ34戸の、しかも不整形な敷地のほぼ中央に半円形の道路を通した戸建て団地などほとんど見たことがないからだ。利益・効率を優先するデベロッパーはまずこうした道路は設けない。

 同社も当初は並みのありきたりの区画割を検討したようだ。それが別掲の図1だ。全体で36棟になっていた。それをHIRAMEKI・重松剛氏の提案も踏まえて検討を重ね、最終的に図2のように変更した。

 その経緯を同社分譲第一事業部戸建営業部長・入倉康治氏は「当社は後発ではあるが、お客様の印象に残るものにしようと考えた。思い通りの街ができた」と語り、HIRAMEKI・重松剛氏も「過去の街づくりではなく、もっと美しく楽しく、かつシンプルな住み心地のいい街を具現化した」と話した。

 独創的なプランを象徴するのが敷地延長住戸だ。一般的には日照その他の条件が悪く、価格を下げないと売れないのだが、ここは逆だ。敷地延長部分は幅が約3m、奥行きは約15mあり、しかも隣り合う住戸の向きを変えることでプライバシーを確保し、広がりを持たせ、さらに建物の南側に公園を設置することで開放感のあるものにした。

 敷地の緑化や外構にも工夫を凝らしている。芝生より安価でメンテフリーの「ダイカンドラ」を建物の際まで敷き詰めた住戸もある。

 ロックガーデン付き住戸には「赤ボサ石」が採用されているが、ボサ石は火山岩の一種で軽石のように軽くて吸水性があることから、日陰だと苔が生え趣のある表情になるのだという。

 シンボルツリーには常緑のコブシを植え、街区の一部には西洋シラカバがリズミカルに配置されている。

 同社は商品化に当たって同業他社の物件をかなり研究したというが、高橋氏や平田氏が手掛けた戸建てを記者はほかで見学している。重松氏はたくさんグッドデザイン賞を受賞しているが、今回も間違いなく(エントリーすればだが)受賞するはずだ。

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従前計画1(左)と実施プラン2

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敷地延長部分(左)とその住戸(手前が公園)

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ダイカンドラ

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「ピアース下北沢」完成予想図

 モリモトの「ピアース下北沢」が好調な売れ行きを見せている。小田急線・京王線下北沢駅から徒歩5分の全37戸で、坪440~450万円の高単価ではあるが、若者を中心に人気が高い下北沢の駅近で、敷地南側が第一種低層住居専用地域の住環境の良さ、設備仕様の高さなどから先に供給したコンパクトの1Rと1LDKの第1期32戸が即日完売。残りの2LDKは10月中旬から11月上旬に分譲される。

 物件は、京王井の頭線・小田急線下北沢駅から徒歩5分(2019年度末に開設予定の駅出入り口から徒歩4分)、世田谷区代沢5丁目の第一種中高層住居専用地域に位置する5階建て全37戸。第1期2次の専有面積は50.28~75.04㎡、坪単価は440~450万円の予定。竣工予定は平成29年7月上旬。設計・監理 は庵都市建築設計事務所。デザイン監修はフレグライン建築設計。施工は冨士工。

 現地は、下北沢の商業エリアから外れた北下がりの第一種中高層住居専用地域に立地。敷地南側の道路を挟んだエリアは第一種低層住居専用地域。

 モデルルームは設置されておらず、同社の本社機能があった「代官山ギャラリー」に模型とサンプルコーナーがあるのみだが、人気の高い住宅地の駅近で、しかも1LDK中心のマンションの供給は過去20年にさかのぼっても供給がないこと、設備仕様レベルが高いことなどから25.20~39.95㎡のワンルーム・1LDKが即日完売した。

 残りの2LDK5戸のうち地階と1階のメゾネットタイプ4戸(67~75㎡)は価格を抑える模様で、億ションにはならないようだ。

 販売を担当する同社のプロジェクトマネージャー・小檜山晃氏は、「下北沢にはコンパクト系の供給がありそうでないことから、設計(ロット割)を変更して南側にも各39・38・39・39㎡のプランを盛り込んだのが評価された。南側に道路があるので1階でも日照が確保され、上層階は高台の住宅地が展望できる。設備仕様は『ディアナコート浜田山』がベースになっており、リビングドアは突板、床は挽き板。2LDKも売れそう」と話している。

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 この物件については、1カ月前に取材を申し込んだのだが、坪単価440~450万円でも売れると確信した。道路が狭く、蜘蛛の巣のような雑多な訳が分からない「下北沢」は好きではないが、若いころはよく酒を飲みにもいった。文化の香りのする街でもあり、若い人に人気なのはよく理解できる。

 マンションの供給も最近はほとんどないので、多少価格が高くても売れると読んだ。

 〝売れる〟と読んだもう一つの理由は設備仕様レベルの高さだ。「ディアナコート浜田山」の記事も読んでいただきたいが、同社の設備仕様の高さは追随を許さない。だからみんな人気になるのだ。

 コンパクトは、ファミリーと混在する場合、北向きとか下層階とか条件の悪いところに設けるが、今回は南側に4スパン設置したのも正解だ。

 他のコンパクトマンションの企画担当者に言いたい。〝本物〟を目指さないと、目の肥えたセレブにはまず通用しないということを。

これを見よ 比肩するマンションなし モリモト「浜田山」(2016/3/4)

 

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