RBA OFFICIAL
 

image002.png
戸建て用「エネファーム」

 三井不動産レジデンシャルは1月28日、首都圏の東京ガス供給区域でこれまでに供給してきた分譲済戸建「ファインコート」(対象:15,110戸)の居住者に家庭用燃料電池「エネファーム」の導入を促進すると発表した。

 同社は昨年3月、首都圏の東京ガス供給区域で供給する「ファインコート」の全戸に東京ガスの「エネファーム」を標準採用することを決定している。

 4人家族を想定した試算によると、電気と都市ガス給湯器からの給湯を行なう方式と比べ、定格発電時にCO2排出量を約49%削減、一次エネルギー消費量を約37%削減でき、年間の光熱費を約5~6万円節約、年間のCO2排出量を約1.3トン削減できる。 

 希望小売価格(税別、設置工事費別)は190万円(燃料電池ユニット・貯湯ユニット・バックアップ熱源機・据置台・リモコンセット含む)。10年間の無償メンテナンスサポート付き。

IMG_6628.jpg
「暮らし継がれる住まいに関する調査報告会」

 三井ホームの企業内研究所「住まいと暮らし研究所」は1月28日、日本女子大家政学部居住学科定行研究室教授・定行まり子氏、三井不動産レジデンシャル、三井不動産リフォームと共同で研究を行ってきた「暮らし継がれる住まいに関する調査報告会」を開催した。

 三井不動産グループの住宅を購入した人を対象にしたアンケートでは、「住まい」への愛着について戸建て居住者は「住空間」に、集合住宅居住者は「生活の利便性」に愛着を感じ、今後の住まいの選択意識については、戸建て居住者は多様な選択肢を持ち、集合住宅居住者は住み替え後も集合住宅を希望する傾向が強く、終の棲家のイメージでは、注文住宅、建売住宅、集合住宅居住者とも約42~48%が「夫婦二人」と答えた。

 〝夢は庭付き一戸建て〟という住宅双六については、「いまだ残っているともいえるが、意識は薄れている」としている。

 報告書は、「戸建て住宅派」「集合住宅派」ともに多様なニーズに応え、時を経ても資産価値が維持される住まいづくりと、環境づくりに業界全体で取り組む必要があるとまとめている。

 報告会で挨拶した定行氏は、「わたしどもの大学もそうですが、三井さんグループの個々のデータをつなぎあわさればビッグデータになり、いい指導ができ、政策決定がスムーズに行える。これから人口減少、空き家の増加など多くの課題を抱えているが、生きるすべである生活の基盤の住まいづくりに研究成果を生かし、次につなげていきたい」と語った。

◇       ◆     ◇

 なかなか興味深い報告会だった。終の棲家のイメージが「夫婦二人」というのは納得もしたが、「考え中、思いつかない」「のんびり、ゆっくり」がそれぞれ15~26%あり、「子の世話になる」は回答があったのかなかったのか、少なくとも報告はされなかったのには考えさせられた。報告を行った同社商品開発部長・吉澤敏幸氏か「これは私の考えだが、商品企画でいつも思うことだが、みんな将来のことをあまり考えない。せいぜい5年先くらい」と語ったのが印象的だった。時代は変わったということか。

 報告に対する疑問もあった。今後の住まいの選択意識についてだ。報告では、戸建て居住者は「リフォーム」(23.5%)「住み替え」(21.0%)「予定なし」(22.9%)「今は思いつかない」(27.2%)「建て替え」(5.4%)など選択肢が広く、集合住宅居住者は「住み替え」が圧倒的に多く52.0%に達し、住み替える居住形態も「分譲マンション」が81.4%と突出して高いとしている。

 つまり、居住形態によって夢が異なってくるとしているのだが、記者は居住形態ではなく、将来の住まいに夢が描けるのか描けないのか、経済・資産状況によって選択肢はおのずと限られてくる現実の反映だろうと考える。

 住宅双六も同様だ。われわれ日本人には「庭付き戸建て」の夢は心の隅にあるはずだが、少なくとも首都圏の利便性の高い地域に戸建てを取得できる層は数%しなないのではないか。都内23区ではマンションすら買えない時代になってきた。

 もう一つ。面白いと思ったのは、アンケート回答者1,474の戸建てと集合住宅(マンションが圧倒的に多いはず)の比率だ。半々であることが報告された。

 対象者は三井ホームと三井不動産レジデンシャルの顧客だが、三井ホームの顧客は約20万件であるのに対し、三井不動産レジデンシャルサービスが管理するマンションは約23万戸だ。分譲戸建ては数万戸あるはずで、マンション・分譲戸建て合計で30万戸を突破するのは間違いない(アンケート対象は首都圏で、すべてに用紙を送付したわけではないだろうが)。

 注文と分譲の比率は2:3だから、アンケートの分母もその通りになるはずなのにそうなっていない。これは記者の推測だが、注文は、建てる側にしてみれば「希望通り」の家を建て、メーカーも「建ててからお付き合いが始まる」という意識が強く、これが顧客満足につながり、回答数に反映されたのではないかと。一方の分譲は、いまは各社とも顧客とのつながりを重視しているが、これまでは「事業離れ」(死語になっていないはず)という言葉に象徴されるように、購入者とのつながりを遮断するところも少なくない(三井がそうだと言っているわけではないが)。その結果が、アンケートの数字に表れたのではないか。

◇       ◆     ◇

IMG_6608.jpg IMG_6623.jpg
定行氏(左)と吉澤氏

 記者はこのような会見などはいつも後方の席に座る。ところが、今日の報告会は最前列しか空いておらずやむをえず定行氏と吉澤氏と向き合う形になった。吉澤氏とはこれまでもお会いしているのだが、定行氏とはどこかでお会いしたような声を聞いたような既視感にとらわれた。

 なぜだろうとずっと考え、社にもどって確認した。既視感ではなく、一度お会いしていた。つまり記者が耄碌したということだ。2011年10月に行われた「多摩ニュータウン大規模団地問題検討委員会」の会合で定行氏は感動的な講義・講演を行っている。その時の記事を紹介する。

 「『極めて意義深い』(上野委員長)『感銘を受けた。目がうろこ』(白岩委員)『他の地域との連携、広いエリアとしての多摩ニュータウンの価値を考えさせてくれた』(炭谷委員)『八王子にも500人の待機児童がいる。参考にさせていただきたい』(岡部委員)『地に足がついたプレゼン』(西浦委員)など、各委員から大喝采を浴びた」

 この大喝采を浴びた人こそ定行氏だったのだ。各委員はそんじょそこらの人ではない。一癖も二癖もありそうな経験豊富な大学の先生方ばかりだ。その時、記者はこう書いた。「もちろん記者も感動したのだが(というより記者席と各委員の席はかなり離れており、さらに記者の目が悪くなり、耳が遠くなったのか、マイクがよく聞こえず、プロジェクターもよく見えず、報告の半分は聞き取れなかったのだが)」と。

 そんなわけで、定行氏の講義は他の先生方の心を打ったのだろうが、記者はほとんど聞き取れなかったので記事には書けなかった。

やりがいのある宿題と感動的な報告 第3回多摩NT検討委(2011/10/24)

 野村不動産アーバンネットは1月26日、同社の不動産情報サイト「ノムコム」の会員を対象にした「住宅購入に関する意識調査(第8回)」の結果をまとめ発表。「不動産の買い時感」については「買い時だと思う」「どちらかと言えば買い時だと思う」を合わせ53.5%で、前回調査(2014年7月)とほぼ同結果となった。有効回答数は約1,800人。

 「買い時」と思う理由については、「住宅ローンの金利が低水準」が最も多く73.4%で前回調査から17ポイント増加、「今後、10%への消費税引き上げが予定されている」が41.5%(前回比0.6ポイント増)、「今後、不動産価格が上がると思われる」が34.2%(同12.5ポイント減)、「購入する上で税制などのメリットある」が21.5%(同3.2ポイント増)と続く。

 「買い時だと思わない」の回答は23.8%で前回調査から3.6ポイント増加。「不動産価格は下がると思う」の回答は16.8%と前回調査から5.2ポイント上昇。

 中古住宅購入検討者のうち、「購入時にリフォームすることを考えている」という回答は75.3%だった。

◇       ◆     ◇

 記者は、よほど余裕のある人を除き、買わざるを得ない切羽詰まった状況にあるので「不動産はいつも買い時」だと思っている。なのでコメントしないが、今後「不動産価格は下がると思う」と考えている人が16.8%(前回調査比5.2ポイント上昇)もいるのには驚いたし、一言言っておきたい。

これはまずあり得ない。確かに第一次取得層向けのマンション価格は取得限界にきていると思うが、かといって専有面積を圧縮して分譲価格を抑える手法はあると思うが、価格(単価)が下がることはほとんどないと断言できる。

 東京建物不動産販売は1月26日、住まいに関する様々な相談を受ける「住まいのコンシェルジュ」Webサービス(http://sumai.goodnews.jp/concierge/)を開始したと発表した。

 「住まいのコンシェルジュ」とは、同社および東京建物グループ各社で提供しているサービスを、同社お客様サービスセンターが窓口となりワンストップで案内するサービス。

 新築マンション・中古マンション・賃貸マンション、リフォーム、不動産の相続対策・有効活用に関する相談・要望に対応する。

 

 東京都は1月23日、2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村及びレガシー検討に係る事業協力者の募集要領を発表した。

 選手村予定地は約18haで戸数は約5,950戸。応募資格は宅建業者で、選手村でのマンション建築者として応募する意向があること、平成23年から25年まで年間少なくとも1度は1,500戸以上供給した実績があることなど。原則として1者1グループが選ばれる。プレゼンテーション・ヒアリングを経て26年度内に決定される。

 事業協力者は、特定建築者の選考の評価の対象になるが、優先的に戸数が割り当てられるかどうかは不明。選手村の建設は28年度から。

◇       ◆     ◇

 いよいよ選手村の建設に向かって本格的に動き出した。これほどのビッグプロジェクトに事業参画できるのはデベロッパーとしても光栄なこと。事業協力者に選ばれた場合の「名誉」を金額に換算したら代表企業は数億円をくだらない。その他のぶら下がり企業も数千万円の価値はある。手を挙げる資格のあるデベロッパーはまず全員が代表者として名乗り出たいはずだ。

 しかし、名乗り出る資格があるのは、もちろん資力なども求められるが、具体的には年間1,500戸の供給実績があることだ。とすると、応募資格者は三井不動産、三菱地所、住友不動産、野村不動産、東急不動産、東京建物、近鉄不動産、積水ハウス、大和ハウスあたりに絞られる。

 とはいえ、この各社が単独で応募する可能性は小さく、記者はコンソーシアムを組むとみている。選ばれるのは「複数ということも可能性としてはゼロではない」(都)が、原則1者だ。どこも受かりたいだろうから、応募グループはもっと絞られるはずだ。晴海を中心に湾岸で供給実績があるのは三井、三菱、住友が抜けている。まずこの3社は代表として名乗りを上げそうだが、再開発事業では住友の実績がやや劣る。

 野村はどうか。〝プラウド〟の沽券にかけて手を挙げたいだろうが、ここは勝ち組に乗る戦法だろう。記者はユニバーサルデザインの取り組みで突出している積水ハウスも有望とみているが、同社も単独では動かない。どこが積水を取り込むか。ここと組んだところが有力とみた。大和ハウスも住友とは共同事業の実績はある。

 東急、東建、近鉄も代表者として応募するより勝ち組に乗る戦法と見た。1,500戸の供給実績がある大京、NTT都市開発、新日鉄興和不動産、伊藤忠都市開発、住友商事なども同様。どこかのグループにぶら下がるとみた。

 ゼネコンもみんな参加する。ただ、単独でマンションの年間1,500戸の供給実績はないから、どこかにぶら下がる。デベロッパーとしてはいま長谷工コーポレーションに足を向けて眠れないだろうから、どこが取り込むかも興味深い。

 ここまで書いてきて、六本木防衛庁跡地再開発(東京ミッドタウン)をめぐる当時の状況を思い出した。もう正確には思い出せないが、記者は落札される半年前、「落札価格は1,750億円」と予測記事を書いた。応札企業は4社グループだったはずだ。1,800億円で落札したのは三井不動産など6社コンソーシアム(積水含む)だった。予想がズバリ的中して舞い上がったのを思い出す。三井の他では三菱、住友、それと当時名を馳せた桃源社が応札したのではなかったか。

 そこで不意に閃いた。三井も三菱も住友も一緒に組むことの可能性についてだ。これもあり得ない話ではない。かつて中曽根民活第1号マンションと言われた「西戸山タワーホウムズ」は、わざわざ開発会社まで設立して全員参加型の開発を行った。

 ここで3社が組めば万事ことは丸く収まる。「SKYZ」「BAYZ」の再現だ。事業協力者に決まったからといって利権が生じるわけではないから、談合などと批判されることもないと思うがどうだろう。この3社からはじかれたデベロッパーがコンソーシアムを組む可能性もある。

 よって事業協力者の記者予想は次の通り。相当の自信がある。

 ◎三井不動産(積水ハウス)○三菱地所▲三井・三菱・住友(2社も含む)△住友不動産△その他

IMG_2971.jpg
「デュオセーヌつくばみらい」(写真右。左はファミリーマンション。手前にもう1棟マンションが建設中)

フージャースコーポレーション

「デュオセーヌつくばみらい」竣工見学会

IMG_2974.jpg
挨拶する藤井社長

 フージャースコーポレーションは1月23日、開発を進めている高齢者向け分譲マンション「デュオセーヌつくばみらい」が竣工したのに伴い、関係者向けに見学会を行った。約130人が集まった。

 物件は、つくばエクスプレスみらい平駅から徒歩7分、茨城県つくばみらい市陽光台二丁目に位置する9階建て全150戸。現在分譲中の4期(18戸)の専有面積は51.19~70.95㎡、価格は2,698万~4,248万円(最多価格帯2,800万円台)、坪単価170万円。管理・修繕費は約5万円。食事代は1カ月利用した場合約5万円。建物は平成26年12月11日に竣工済。施工は長谷工コーポレーション。事業主は同社とダイヤモンド地所。 

 物件の特徴は、①入居条件として満50歳以上で、自分で身の回りの世話ができること②共用部に天然温泉浴場、娯楽室、カラオケパーティルーム、健康管理室、訪問看護・介護事業所が併設されているほか一般も利用できるダイニング・レストラン付き、専有部は引き戸を多用、人感センサー付き③地元の医療機関と提携して医療サービス、看護・介護サービスが受けられる-ことなど。

 一昨年から分譲開始されており、これまでにこれまで約7割が分譲済み。購入者の平均年齢は70最弱。夫婦は約5割、親子、姉妹入居が各1組。女性と男性の割合は6:4。要介護者は1割弱。前居住地は東京が35%、千葉県が20%、茨城県・埼玉県・神奈川県が各15%。居住形態は戸建てが8割、マンションが2割。全体の2割が自宅を売却して入居する意向。

IMG_2975.jpg
竣工パーティ

◇       ◆     ◇

 この物件については、昨年見学しており記事にしているので、そちらも参照していただきたい。

 まず、驚いたのは売れ行きだ。隣接地では同社が坪単価130万円のマンション130戸を分譲しており約100戸が売れているが、同じくらいの売れ行きということだ。坪にして40万円の差があるが、温泉付き、医療、看護・介護サービスが受けられる、居室面積が広い、転売ができることなどが高い評価を受けたということがうかがわれる。サ高住と決定的に異なる点だ。

 もう一つ驚いたのは関係者の関心の高さだ。三井不動産レジデンシャルが10人くらい参加していたほか、東京建物不動産販売、NTT都市開発、大成有楽不動産、モリモト、アズパートナーズ、銀行関係者などが参加。三井不レジ関係者は「賃貸として検討している」と話した。同様の物件はコスモスイニシアが「武蔵浦和」で開発を進めている。

 見学会に臨んだ同社・藤井幸雄社長は、「同様のマンションは『柏の葉』『「町田』でも計画を進めており、他のシニア事業を含め全体に占める事業比率を20%くらいに高めていく」と話した。

 パイオニア的な存在のダイヤモンド地所・外所行則社長は、「平成17年に『ダイヤモンドライフ湘南』198戸を分譲開始して以来、『森の里』128戸と今回の『つくばみらい』150戸を供給した。他社も参入するので年間500戸くらいの市場になる」と話した。

 問題は、有料老人ホーム、サ高住などと競合するのかしないのか。また、中古市場でどのような評価をされるのか、要介護度が高くなったらどうするかだが、外所氏は「生活に飽きて自宅に帰る人もいる。売却事例が少し出てきているが、それほど価格が下がっているわけではない。近く専門のサイトも立ち上げる。介護については、みなさんはすぐ車椅子生活を連想されるが、実際は8割くらいの方は普通の生活を続けられる」と語った。

◇      ◆     ◇

 記事とはあまり関係ないが、ダイヤモンド地所の外所氏とお会いして懐かしさがこみ上げた。同社はかつてマンションを分譲していた「丸善建設」のOB会社で、バブル崩壊後、丸善建設のブランド「ダイヤモンド」をそのまま引き継いで事業を展開してきた。

 もう時効だろう。記者はバブルがたけなわのころ、西新宿で地上げを派手に行っていた最上恒産の動向を探る目的もあってよく丸善建設に取材に行っていた。坪200~300万円から始まった買収価格は最終的には坪3,000万円まで跳ね上がったこと、接道するところは坪1億円で取引されたことなど、最上の動きが手に取るようにわかった。幹部からよくうな重をおごってもらった。その方は3年前亡くなられたことを外所氏から聞いた。

 ダイヤモンド地所がシニア向け分譲マンションのパイオニアとして再び脚光を浴びるのがとても嬉しい。

IMG_2978.jpg
外所氏 

シニア向け「デュオセーヌつくばみらい」 新しい選択肢として人気(2014/5/31)

ファミリーラボ.jpg
「オーベルグランディオ吉祥寺II」完成予想図

 大成有楽不動産が2月下旬に分譲開始する「オーベルグランディオ吉祥寺II」を見学した。JR中央線三鷹駅、あるいは吉祥寺駅からのバス便ではあるが、坪単価は〝旧価格〟の205~210万円。2年前に分譲された隣接の第一弾「オーベルグランディオ吉祥寺Ⅰ」(177戸のうち分譲は131戸)は4カ月で完売している。今回は面積が広くなるのでグロス価格は張るが、再び人気になるか。

 物件は、JR中央線・総武線、京王井の頭線吉祥寺駅からバス12分徒歩2分、またはJR 中央線・総武線三鷹駅からバス13分徒歩2分、三鷹市牟礼六丁目に位置する8階建て全284戸。専有面積は72.27~93.68㎡、予定価格は4,100万円台~6,200万円台(最多価格帯4,,900万円台)、坪単価は205~210万円。竣工予定は平成28年1月下旬。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は大成有楽不動産販売。

 現地は昭和30年代に入居が開始された旧日本住宅公団「牟礼団地」の建て替え事業地の一角。賃貸棟は全て建設済み。分譲棟は第一弾として同社が2013年初頭に109戸を分譲。間取りプランが1DK(35.87㎡)~4LDK(87.65㎡)と豊富で、価格帯も1,800万円台から5,100万円台(坪単価181万円)と、商品性と価格のバランスがよかったことからわずか4カ月で完売している。

 今回はその第2弾で、専有面積は最低でも72㎡台、平均で約78㎡と広くなっているのが第一弾と異なるのが特徴。坪単価も約10%高くなる。

 販売を担当する大成有楽不動産販売のプロジェクトリーダー・沢信吾氏は、「第一弾は価格を抑制気味にし、プランも多彩だったことからお客さんが殺到した。今回は価格が若干上昇するが、当初の予定から設備仕様レベルを上げた。間取りプランも50種揃えた。この価格が浸透すれば、地元はもちろん広域から集客できるのでは」と期待を寄せている。

img04.jpg  storage_shoes_photo.jpg
「ファミリーラボ」(左)と「マルチ シューズ シェルフ」

◇       ◆     ◇

 「牟礼団地」のことはよく知っている。吉祥寺、三鷹からのバス便だが、運行本数は多い。いつものように単価を予想した。同じような立地のマンションは坪単価260万円だが、同社はそんなに高くないと踏んだ。アッパーは250万円で、平均すると240万円くらいではないかと読んだが、結果は大外れ。それより30万円以上も安かった。

 205~210万円という単価は、23区内では皆無で郊外部でも駅近物件はこんな安値ではまず供給されない。埼玉、千葉方面でも都内寄りでは無理だ。

 価格が低いからレベルが低いわけでもない。モデルルームの提案はよくできている。同社の最近のマンションについてはかなり書いてきたので省略するが、「オーベルオリジナル収納」は〝ここまでやるか〟と思うほどきめが細かい。多目的に利用できる「ファミリーラボ」の提案もいい。

 単価は低くても面積が広いからグロス価格は張るが、この物件特性をアピールできれば、第一弾と同様圧倒的な人気を呼ぶ可能性を秘めている物件だ。

storage_closet_item_01.jpg
上下前後可能ハンガー

◇       ◆     ◇

 沢氏と歓談し、意見の一致をみたのはデベロッパーはなるべく予定価格を早く公開することだった。最近は各社とも価格にはナーバスになっており、記者の取材などでも坪単価を公開することを渋るところが激増している。

 どこも〝新価格〟であり、サラリーマンの取得限界にきていることが分かっており、予定価格が速く知れ渡ったら敬遠されるのではないかと恐れているのだ。その一方で、同業他社が高値をつけるのを待って、後だしジャンケンのようにおっとり刀で駆け付けようとしている。

 いま、記者の手元にある1月中旬号の住宅情報誌を調べてみたら、「予告広告」のマンションが約380件あるうち、「予定価格」を表示しているのは4割以下の150件弱だ。分譲開始が1月下旬でも価格は「未定」になっているのも少なくない。記事風広告も「分譲中」を除けば、予定物件の半分は「価格未定」だろう。ひどいのになると、もう半年以上前からずっと「資料請求受付中」のマンションもある。

 この情報誌は「価格ゼロ」だからみんな読むのだろうが、有料だったらまず読まない。

 判断が付きやすいよう予定価格(坪単価)は堂々と早めに公表すべきではないか。価格を公表しないのは顧客に対して失礼だし、売る側の営業マンもかわいそうだ。

 スーパーの店頭に「価格未定」の野菜を並べたら明日からお客さんはまず来なくなる。それとも高級すし店のように「時価」商売をやろうとしているのか。売れる値付けをできないのはデベロッパー失格といっては失礼か。

150116-0112.jpg
「J・URBAN久我山ヒルトップ」

 三井、野村の二強に待った! 住友が都市型戸建て年間数百戸供給-住友不動産は1月22日、同社初と思われる都市型戸建て見学会を杉並区久我山で行い、今後は積極的に供給すると発表した。

 冒頭、同社は今年1月1日付で分譲住宅事業本部から分離独立させた「戸建分譲事業部」を立ち上げたと報告した。

 同部部長・徳田修氏は「バブル期は八王子、埼玉、千葉方面で面開発を行っていたが、バブル崩壊後はほとんど供給しなくなった。近年では数十戸くらいしか供給してこなかった。今後は当社の強みである注文の〝J・URBAN〟ブランドそのもの、都会的な外観・外構デザインと自社施工、さらには高級設備を装備した長期優良住宅を基本としたものを供給していく」と話した。

 すでに数百戸分の用地を取得しており、今回、「久我山」(7戸)とともに「国立」(5戸)「深大寺東町」(8戸)「目黒平町」(11戸)「平井」(10戸)「新宿西落合1期」(12戸)の6物件53戸を昨年末から今年初めにかけ分譲開始した。

 「J・URBAN久我山ヒルトップ」は、京王井の頭線久我山駅から徒歩12~13分、同線三鷹台駅から徒歩7~8分、土地面積約100㎡、建物面積約100㎡、価格8,000~9,000万円弱。

 販売責任者の同本部第二営業所長・松丸望也氏は、「他の大手デベロッパーの都市型戸建てと異なるのは、敷地延長など条件の悪い住戸を屋上テラス付きとするなどの商品企画に力を入れており、条件の悪い価格の安いところから売れている」と強調した。

 これまで分譲開始した6物件53戸のうち約3割がすでに分譲済み。「久我山」も2戸が契約済みで、1戸に申し込みが入っている。従前はテラスハウス風の社宅。

150116-0108.jpg

◇       ◆     ◇

 青天の霹靂だった。同社がここ1~2年、戸建て用地を買っているという話は聞いていたが、その現場を全く見ていない。同社広報に聞いたこともあるが、広報は言葉を濁すのみだった。

 単なるうわさだけかと思っていたが、そうではなかった。これまでもずいぶん書いてきたが、大手デベロッパーの分譲戸建ては三井不動産レジデンシャルが独走しており、年間800~900戸をコンスタントに供給してきた。都内23区では1億円前後の物件が飛ぶように売れていた。供給エリアは都内が中心で、対象はアッパーミドル・富裕層。  

 2位の野村不動産は、三井とは対照的に郊外の区画整理事業地などでまとまった戸数の物件を主に手掛けてきており、年間の供給量は500~600戸くらいだった。

 ところが、ここ1~2年、三井を急追しており、今期は1,000戸くらいに伸ばす予定。従来手掛けてこなかった10戸未満の物件も供給するようになってきた。

 一方の三井も郊外で久々の区画整理事業物件を供給するなど、やはり1,000くらいに増やす見込みだ。

 この2社を追いかける大手デベロッパーはなく、3位グループには老舗の細田工務店、コスモスイニシア、ナイスなどが200~300戸で続き、住友も三菱地所レジデンス、東急不動産も年間せいぜい数十戸程度しか供給してこなかった。三菱地所レジデンスは2013年に分譲戸建て市場に参入すると発表はしたが、現段階では目立った供給はない。

 住友不動産の参戦に対して、東急不動産は「特段、申し上げる数字はない」(広報)、三菱地所レジデンスは「昨年の供給量は約40戸」(広報)と答えている。

 住友不動産は今のところ、都心志向の「J・URBAN」ブランドを供給していくとしているが、郊外部での供給にも含みを持たせている。記者は間違いなく郊外も供給するとみている。

 三井・野村に住友が参戦し、分譲戸建て戦線は過熱する一方だ。3強時代が到来するのか。三菱地所レジデンス、東急不動産はどう動くか。もちろんハウスメーカーもいる。低価格路線で中堅所得層向けに特化し、年間36,000戸も供給している飯田ホールディングスとの住み分けは続くのか。戸建て市場は全員参加型になる気配を見せてきた。

141114-0184.jpg
モデルハウス

三菱地所レジデンス、分譲戸建て市場に参入(2013/10/7)

伊藤忠都市開発、都市型戸建事業を強化・加速(2012/7/23)

寡占続くか建売住宅市場 用地費上昇し、新規参入も(2011/9/6)

 積水ハウスのゼロエネルギー住宅商品「グリーンファーストゼロ」が「平成26年度省エネ大賞 審査委員会特別賞」(主催:一般財団法人省エネルギーセンター)を受賞。審査員からは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の本格的な普及を目指した住宅である」などと評価された。

 「グリーンファーストゼロ」は2013年4月に発売。「ハイグレード断熱仕様」「高効率エアコン」「LED照明」などの省エネ設備を採用。また、日射・通風配慮設計などのパッシブ技術を取り入れることで、快適に暮らしながらエネルギー消費量を大幅に削減。さらに太陽電池や燃料電池による創エネで、「住まい心地向上」と「エネルギー収支ゼロ」を目指す2020年の暮らしを先取りするゼロエネルギー住宅。

image002.png
「竹下通り スクエア」完成予想図

 三井不動産は3月7日、原宿・竹下通りの新たな商業施設「竹下通り スクエア」をオープンする。

 地下1 階~地上3 階には三越伊勢丹グループが展開する「ALTA」が出店し、「原宿ALTA」になり、新業態や原宿初出店を含む全19 店舗がオープンする。

 JR原宿駅から徒歩2 分、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅から徒歩6 分。敷地面積約190坪、地下2 階、地上3 階建て延べ床面積約521坪。

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン