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「HEBEL HAUS SOFIT(ヘーベルハウス ソフィット)」

 旭化成ホームズは11月18日、先に発売した寄棟屋根タイプの戸建て新商品「HEBEL HAUS SOFIT(ヘーベルハウス ソフィット)」の記者説明・見学会を行なった。これまで、同社は陸屋根タイプの「キュービック」を中心に都市部で展開してきたが、勾配屋根に対する潜在ニーズが高いことに対応するもの。商品バリエーションを拡充することでブランドイメージの強化と受注の拡大を図るのが狙い。

 外観は、敷地境界に近接した建物配置に対応するため軒が出ないシンプルな箱型デザインの「専用軒樋」を採用。2階バルコニーなどの日除け・雨除けとして軒樋下に収まる「専用システムキャノピー」を設置し、目隠しと外観アクセントとなる「専用ルーバースクリーン」を提案している。

 勾配屋根を採用したことで、小屋裏空間全体を居室空間にしているのも大きな特徴で、最高天井高4.3mの吹き抜け空間「ロフティルーフ」を実現。小屋裏アルコーブには調光・調色機能付きの間接照明を提案することで天蓋のある浮遊感を演出。勾配屋根には電動トップライトを設置することで、自然の光を取り込む工夫も盛り込んでいる。

 説明会に臨んだ同社常務執行役員マーケティング本部長・川畑文俊氏は、「この10月も上々のスタートが切れた。今回の新商品で勾配屋根を提案することで、顧客満足を高めていきたい」と挨拶。また、技術本部商品開発部長・加藤明氏は、「この1年間で躯体の強化と創空間力の強化をテーマに『ネクストヘーベルハウス』を展開してきたが、第1ステージが完了した。今回の新商品は第2ステージの第一弾。勾配屋根とフラット屋根の双方の〝いいとこどり〟の商品」と語った。

 プロトタイプは延べ床面積125.05㎡。発売日は平成26年11月8日。年間販売目標は250棟。

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「キュービック」(左)と「ソフィット」

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 同社は昨年10月、今回と同じ静岡県富士市の同社住宅総合技術研究所で構造躯体の強化と住空間の豊かさを同時に追求した新商品「NEXT HEBEL HAUS(ネクスト ヘーベルハウス)」の記者発表会を行い、陸屋根タイプの「NEXT HEBEL HAUS CUBIC(キュービック)」と寄棟屋根タイプの「NEXT HEBEL HAUS 新大地」を公開した。

 二つの新商品については、当時の記事を参照していただきたいが、「キュービック」については「一つだけ注文をつけるとすれば、外観だ。『キュービック』は…内部空間が素晴らしいだけに外観も魅せるものにしたほうがいいのでは」と書いた。「これが勾配屋根だったらどんなにいいだろう」とずっと考えた。

 記者だけではなく、われわれ日本人はみんな「住宅」の外観イメージは勾配屋根が小さい頃から刷り込まれている。子どもだろうが大人だろうが「家の絵を描いて」と言えば、間違いなく寄棟か切妻屋根の家を描くはずだ。勾配屋根は極めて親和性が高い。

 さて、今回の「ソフィット」はどうか。上段の写真を見比べていただきたい。左が陸屋根の「キュービック」、右が勾配屋根の「ソフィット」だ。内部空間を考慮しないで、外観だけで好き嫌いをユーザーに質問したら間違いなく「ソフィット」に軍配があがるのではないか。記者も「ソフィット」に一票を投じる。

 価格差があれば選択に迷うだろうが、価格はほとんど同じだ。プロトタイプの価格は「キュービック」が2,930万(税抜き価格、35.8坪=坪単価約82万円)、「ソフィット」が3,290万円(同、37.82坪、坪単価約87万円)。

 次に内部空間。これは甲乙つけがたい。ユーザーのライフスタイルによって評価は分かれるはずだ。「ソフィット」が提案している勾配屋根の特長を最大限生かした2階リビング・ロフティルーフがいい。密集市街地や狭小敷地の日照が十分確保できないエリアにぴったりだ。小屋裏アルコーブに設置した調光・調色機能付き間接照明や電動トップライトを採用すれば、天井高最高4.3mの浮遊感のある空間が演出できる。

 同社のデータによると、2階リビングの受注割合は2011年に2階リビングを提案した「そらのま+」を発売した当時の10%弱から現在は19.5%に高まっている。「ソフィット」の投入によって2階リビングの訴求力が一段と高まるのは間違いない。

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「ロフティルーフ」

旭化成ホームズ、坪単価で測れない価値あり「NEXT HEBEL HAUS」(2013/10/29)

 

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「ルピアコート新小岩」完成予想図

 ポラスグループの中央住宅が近く販売を開始するマンション「ルピアコート新小岩」を見学した。リビング・ダイニングと水回りの動線をつなぎ、さらに家族とのコミュニケーションを大切にした〝ピアキッチン〟が最大の売りで、従来タイプを進化させている。

 物件は、JR総武本線新小岩駅から徒歩14分、葛飾区東新小岩2丁目に位置する12階建て全50戸。専有面積は58.42~87.35㎡、第1期(18戸)の価格は2,980万~5,890万円。坪単価は200万円。竣工予定は平成27年8月下旬。設計・監理は複葉アーキテクツ。施工は川村工営。販売代理は東京中央建物。

 現地は、蔵前通りに面した商業化、マンション化が進んでいる準工地域。徒歩1分にバス停があり、バス停から新小岩までは約5分。

 住戸商品企画は、二重床・二重天井とし、全住戸の4割を実用新案取得済みのピアキッチン付きとし、出窓付き、ロフト付き、窓付きシューズインクロークタイプ、新和室の提案などを行っているのが特徴。食洗機、キッチンバックカウンター・収納も標準装備。

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リビングダイニング

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 駅から徒歩14分をどう評価するかはさておき、モデルルームの提案は差別化が徹底されており、ユーザーを惹きつける魅力が十分ある好物件だ。今回のピアキッチンの特徴は、キッチンの隣にあったトイレの位置を玄関の方に変更し、正面に子ども部屋を配することで、トイレの音のストレスを解消し、家事をしながら子どもの様子をうかがえるようにしていることだ。

 細かな点では、バックカウンター・収納を標準装備とし、キッチン周りの壁にホーロー壁を提案しているほか、出窓付き、窓付きシューズインクローク、ソフトクローズ付き引き戸の多用などだ。

 建築コストがどんどん上昇している中、デベロッパーは設備仕様レベルを落とす傾向にあるが、しっかり提案しているのは評価されるはずだ。坪単価は、周辺物件が軒並み坪200万円を突破してきている現状を考慮すれば、妥当な価格だろうと思う。

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キッチン(正面に子ども部屋)

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 同社が9月に記者見学会を行った「ルピアコート光が丘公園」の坪単価は245万円で、販売に苦労するのではないかと思っていたが、何と第1期25戸が完売したという。ピアキッチン付き、ライトコート付きが人気で、周辺に良好な物件がないのも評価されたという。

 同社はこれまで東武伊勢崎線を中心に年間数棟しかマンションを供給しておらず、都内ではほとんど無名に近い。ピアキッチンやきめ細かな商品企画は間違いなくユーザーに評価される。あとはどうやって認知度を高めていくかだ。大手と同じように現地近くに販売センターを設置して、チラシを配布して、ネットで告知をする従来方式では限界があるように思うが、どうだろう。

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ピアキッチン

ポラスの新ブランド「ルピアコート光が丘公園」 “新価格”でどう挑む(2014/9/4)

 

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「ザ・パークハウス二子玉川」完成予想図

  三菱地所レジデンスは11月13日、首都圏で初となる「ザ・パークハウス」と「THE SAZABY LEAGUE」がレジデンスギャラリーでコラボする「ザ・パークハウス二子玉川ガーデン」のモデルルームを11月15日にオープンすると発表した。

 「THE SAZABY LEAGUE」は二子玉川エリアで9ブランドを展開しており、地域との親和性も高いため、今回のコラボとなった。

 マンションのランドスケープデザインは、パレスホテル東京、赤坂サカスなどを手掛けた「ソラ・アソシエイツ」が監修。石勝エクステリアの大径木を重機で移植する「TPM工法」を用い、樹高約23mのケヤキをはじめ40本以上の既存樹を保存する。住戸プランは66タイプ。

 9月27日に事前案内会を開始して以来、これまで約450件の来場がある。

 物件は、東急田園都市線・大井町線二子玉川駅から徒歩10分、世田谷区瀬田4丁目に位置する8階建て130戸。専有面積は59.35~97.33㎡、予定価格は5,200万円台~13,900万円台(予定最多価格帯7,400万円台)。竣工予定は平成28年1月上旬。施工は東急建設株。

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 ニュースリリースからも外観やランドスケープデザインに力をいれていることがうかがわれる。

 「SAZABY」の喫茶とか「KIHACHI」くらいは知っているが、衣料ブランドは全く知らない。同社と「SAZABY」とのコラボマンションはこれまで結構あるのではないか。モデルルームを見学して詳報したい。

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サブエントランス

  積水ハウスは11月14日、「空き家」の利活用を促進するサービスを三井住友トラスト不動産、ALSOKと3社共同で開始すると発表した。中古住宅の流通促進やリフォーム受注、セキュリティ、見回りサービスなど総合的なコンサルティングを強化する狙い。

 三井住友トラスト不動産が「空き家」所有者の相談窓口となり、ニーズに応じて同社や綜合警備保障(ALSOK)を紹介する形で提供していく。ALSOKは空き家管理、セキュリティ業務を担当し、同社グループは建て替え、リフォーム、賃貸・管理、売買の際の買い取りなどの開発を行っていく。

 全国の空き家は住宅戸数の13%超の820万戸に達しており、2020年には20%にまで増加すると予測されている。高度成長期から80年代前後に建設されたニュータウンでは、世帯主の高齢化、世帯分離による子どもの独立や単世帯化が加速度的に進み、「空き家」の大量発生や地域コミュニティの崩壊なども懸念されている。

限りなく限界集落に近い首都圏の郊外団地 人口4割減(2012/7/27)

「鳩山ニュータウン」に吹いた風に想う(2006/7/2)

 積水ハウスは11月13日、高齢者向け賃貸住宅の運営・管理の専門会社「積和グランドマスト」を設立したと発表した。多様化するニーズにきめ細かな対応をすることで、サ高住の受注拡大と医療介護事業をの成長を加速化させるのが狙い。

 同社は、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」の専任部署をいち早く設置し、サ高住商品「セレブリオ」を投入してきた。サ高住はこれまで全国で16万戸超が建設されているが、同社は約5%、東京都内では約20%のシェアを占めている。

 今後は独自ブランド「グランドマスト」を年50棟ペースで開設し、5年後に管理戸数5千戸の規模を目指す。

 積和グランドマストの本社は渋谷区代々木2-1-1、社長は小山健氏(現・積和不動産常務取締役)。資本金は4億円(同社100%子会社)。

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「ライフコミュニティータウン」(賃貸住宅棟)

 積水ハウスなどが開発を進めている埼玉県上尾市の多世代コミュニティ街区「ライフコミュニティータウン」に上田清司・埼玉県知事が「とことん訪問」の一つとして11月13日、現地視察を行った。

 「ライフコミュニティータウン」は分譲宅地、子育て世帯向けの賃貸住宅、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)+デイケアセンター、保育所が共存する全国的にも珍しいプロジェクト。

 上田知事はじめ島村譲・上尾市長、県議会議員、市議会議員なども出席して、同社埼玉営業本部長・新井富士夫氏やサ高住を運営する医療法人社団昌美会西村ハートクリニック院長・西村昌雄氏などから概要の説明を受けた。

 上田県知事は、子育て賃貸のトレードマークに子どもの3人が描かれているのを見て「3人がいい。2人じゃ人口は増えない」と話した。

 物件は、JR高崎線北上尾駅から徒歩12分の第一種低層住居専用地域に位置する総面積約1.1haの規模。ブリヂストンサイクルの社宅跡地としてしばらく更地になっていたのを医療・介護、子育て賃貸、戸建て、保育施設など一体として開発する同社、レーベンハウス、医療法人昌美会の提案が受け入れられたもの。

 積水ハウスの分譲区画は32区画。1区画40坪以上で1年前から坪単価46~60万円で宅地分譲されており、これまでに15区画が分譲済み。建物を含めた価格は5,000~6,000万円台。スマートシティがテーマになっている。

 子育て支援賃貸は3階建て2棟24戸(うち1棟は一括借り上げ)で、地元のレーベンハウスが管理・仲介を行う。子ども一人に付き賃料を1,000円減額するのが特徴の一つで、募集開始後瞬く間に入居者が決まったという。12世帯のうち半数が子育て世帯。積水ハウスの「5本の樹計画」も盛り込んでいる。

 サ高住は、3階建て全56戸。専用面積は20~62㎡。地域の約800人の患者の医療を常時行っている昌美会が直接運営する。開業は来年の7月。昌美会は隣接する敷地に託児所も開設する予定。

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関係者の説明を聞く上田県知事

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埼玉県のユルキャラ「コバトン」の隣ののぼりには「現場主義!」と書かれていた

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 分譲戸建て、賃貸、サ高住、保育施設が一体となって開発されたプロジェクトは、近いものでは東京都住宅供給公社の「コーシャハイム千歳烏山」や東京都の「一般住宅を併設したサービス付き高齢者向け住宅整備事業」、NTT都市開発の「ウェリス津田沼」などがあるが、埼玉県では初めてで全国的にも珍しい取り組みであるのは間違いない。

 記者が注目したのは、西村院長の「サ高住は私の長年の夢の具現化の第一歩」という熱弁だった。

 西村院長は、「私どもは3名の常勤医師で年間169名の在宅看取りを行っている。この実績が評価され、平成24年、厚生労働省から単独機能強化型在宅療養支援診療所に認定されたが、在宅医療は様々な問題を抱えている。

 例えば、平成18年、中医協が本格的に始動するようになったが、同時に病院のベッド数削減が加速し、医療難民が急増した。これらの医療難民は医療の必要性が高いとの理由で介護施設では収容されず、介護難民化した。行き場のないこれらの方々は家庭に復帰せざるを得なかったが、家庭でも介護する家族が日中いない、あるいは老々介護、独居生活などの理由で家庭内でも受け入れられず、家庭難民化した。

 現行のサ高住は、他の介護施設と同様、介護業者が介護サービスを提供するが、医療サービスを医療法人が直接提供することはない。制度の形がい化も進んでおり、24時間対応と銘打っていても、電話対応のみの在宅療養支援診療所がほとんどというのが実情。

 私どもは医療難民、介護難民、家庭難民化した方々に救いの手を差し伸べるには、医療を主たるサービスとするサ高住を創り、医療法人が直接運営する以外に道はないとの結論に至った。したがって、私どもの施設は、看護士が24時間常駐し、医師は30分以内に駆け付けられるようにする。住宅としての機能を整備し、全職員がおもてなしの心で入居者に接したい」と、熱っぽく上田知事にアピールした。

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子育て賃貸の前で記念写真

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 西村院長によると、埼玉県は東京都のベッドタウン化していることが大きな要因だろうとは思われるが、人口10万人当たりの医師の数や病床、介護施設数は全国で最低レベルだという。それだけにサ高住も質の高いものにしたいという願いが込められていたのだろうと思った。上田県知事は西村院長の声をどう聞いたのだろう。

 この西村院長の話を聞きながら、貧弱な埼玉県各市の街路樹のことを考えた。埼玉だけではないのだろうが、いま一つ街のポテンシャルが上がらないのはみどり・街路樹がプアだからと記者は思っている。

 埼玉県は上田県知事が在任中の平成16年に知事の任期を3期までとする多選自粛条例を定めた。上田県知事は現在3期目。来年で任期が切れるが、いまのところなにもコメントしていないという。

 お辞めになるのか4選を目指すのか分からないが、知事には「医療・介護」が全国最低レベルと言われないよう、街路樹・みどりが貧弱と言われないよう、都民が埼玉県に住みたくなるよう総仕上げを行っていただきたい。

サ高住「コーシャハイム千歳烏山」 「囲い込み施設にしない」JKK狩野氏(2014/3/31)

サ高住は終の棲家になるか 「グレイプスガーデン西新井大師」(2014/9/10)

併設のサ高住のサービスも受けられるNTT都市開発「ウェリス津田沼」(2014/11/04)

続「街路樹が泣いている~街路樹と街を考える」流山と越谷、三郷の差(2014/10/17)

 

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「GEMS(ジェムズ)市ヶ谷」

 野村不動産は11月13日、市ヶ谷駅前の商業施設「GEMS(ジェムズ)市ヶ谷」をグランドオープンする。2012年10月にオープンした「GEMS渋谷」に続く第2弾で、カフェバール業態としては日本初出店の「Lucaffe(ルカフェ)」など飲食10店舗が入居する。開業に先立って11日、国生さゆりさんがゲストとして参加したプレス発表会&内覧会が行われた。

 市ヶ谷は駅を中心に半径500m圏に就労・居住人口が5.6万人もいるにもかかわらず、飲食店は新橋の10分の1くらいの160店舗しかないことに着目して開発したもので、日本初出店の「Lucaffe(ルカフェ)」三ノ輪の人気焼肉店「炭火焼七里」本店が名前を変えてオープンする焼肉「なかはら」など地下1階9階建てに10店が入居する。客単価は3,500円~6,000円くらいのリーズナブルなものが中心。

 「GEMS」シリーズは、同社グループが企画-開発-施設運営まですべて関与するもので、商業施設事業の中でも大きなウエイトを置いている。今後、芝大門、神田、西新宿、田町など年間4物件ずつのペースで開発を行っていく。

 発表会に臨んだ同社代表取締役専務執行役員・中嶋忠氏は、「GEMSは、大きな柱の一つにしていきたい商業施設事業の中でももっとも力を入れているもの。6棟目まで用地を取得済み。企画、開発からリーシング、販促まで一体として手掛けていくのが大きな特徴」などと話した。

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左から国生さん、中嶋氏、黒川氏

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国生さん

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 ゲストの国生さゆりさんが全店舗の特別メニューを「おいしい!」を連発しながら試食し、店舗の代表とトークショーを約40分にわたり行った。国生さんは来年女優30周年で、市ヶ谷にあるCBSソニーからデビューするとき市ヶ谷をよく利用し、「電車に初めて乗ったのも市ヶ谷」だそうだ。「3回目(の結婚)は考えていません」と話した。

 駆け付けた記者は、店舗の客数は最大でも67名というフロアにあふれんばかりの約90人。しきりにカメラのシャッターを切る人からメモを取る人、トークショーそっちのけでスマホをいじくり情報を収集する人、居眠りをする人など、あまり見られない光景に記者は唖然とするしかなかった。マンションの見学会にはこの3分の1もあればいいほうだ。

 記者は商業施設のことはよく分からないが、さすがだと思ったのは、同社執行役員・黒川洋氏や事業説明した商業施設事業部開発課部長代理兼課長・郡司誠氏、同課・中村泰士氏が「企画、店の選定にあたっては社員が全国を歩き回って選んできた」「直接会社を回って告知してきた」などと話したことだ。

 マンションの用地取得もそうだし取材も同じだ。やはり決め手となるのは「足」だ。ただ、郡司氏も中村氏も若くてかっこいいのはマンション開発担当者とすこし違うところか。それにしても仕事のためにおいしいものばかり食べていたら病気にならないか。

 記者のお勧めは生牡蠣(2個で760円)が食べられ、タバコも吸える6階の「伊達藩いろり屋二代目ごいち」。2階のフレンチ・イタリアンの「JAM ORCHESTRA」に会うという日本酒「山の井」(会津酒造)は飲んでみたかった。

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郡司氏(左)と中村氏

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「Lucaffe(ルカフェ)」(左)と「JAM ORCHESTRA」の料理

野村不動産、渋谷駅新南口駅前に商業施設「GEMS(ジェムズ)」(2012/10/18)

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「アトラスタワー町田」完成予想図

 旭化成不動産レジデンスが12月にも分譲を開始するJR横浜線町田駅直結の「アトラスタワー町田」を見学した。価格は未定で単価予想は極めて難しいが、坪300万円前後になるのではないか。

 物件は、JR横浜線町田駅から徒歩2分、小田急小田原線町田駅から徒歩8分、町田市原町田3丁目に位置する22階建て全155戸(事業協力関係者取得住戸17戸含む、別に店舗)。専有面積は58.52~88.67㎡、価格は未定。設計・施工・監理は戸田建設。竣工予定は平成28年2月末日。

 2階に設けたエントランスからJR横浜線町田駅までペディストリアンデッキで結ばれており、隣は市立図書館。

 建物は制震工法を採用。住戸は南東向きの間口7~12mのワイドスパンで、角住戸比率は50%超。セミSI工法によりメンテナンス性を高めており、リビング天井高は約2.6m、サッシ高は2.12m。住戸によってキッチンは同社オリジナルの対面型キッチンが選べる。

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 これほど単価予想が難しい物件もそうない。比較できそうな物件がなかなか見つからないからだ。JR町田駅周辺の物件では2年前に野村不動産が分譲した「プラウド町田」(161戸)が180万円だった。駅から5分で、所在地は相模原市だ。これとは比較にならない。

 同じ沿線の小田急・JRの駅直結の再開発タワーマンションでは野村不動産「プラウドタワー相模大野」(308戸)と、横浜市住宅供給公社「マークワンタワー長津田」(209戸)がある。双方とも3年前に分譲され、圧倒的な人気を呼んだ。単価は230万円くらいだった。

 この2物件が今回のマンションと比較になりそうだが、市況が激変しており、これより高くなるのは間違いない。駅力も町田は相模大野や長津田に負けない。よって、建築費の上昇も考慮に入れると下限は250~260万円と見た。

 アッパーはどうか。直近ではやはり野村不動産「プラウドタワー立川」(319戸)と「プラウドシティ蒲田」(320戸)がある。立川は342万円、「蒲田」はやや低く330万円くらいだ。

 「JR町田」が「立川」や「京急蒲田」と比較してどうかだが、これが微妙だ。記者の個人的な評価からすれば似たり寄ったり。街並みはあまり美しくない(美しいのは多摩センターだが、マンション単価では比較にならないほど負ける)。

 旭化成不動産レジデンスはまさか立川や京急蒲田ほどの高値追求はしないとみた。前例もある。

 同社は7年前、現在と同じように価格がどんどん高くなっているとき、小田急線の「アトラスタワー向ヶ丘遊園」(251戸)と日暮里駅前の「ステーションプラザタワー」(285戸)を分譲している。前者の坪単価は210万円、後者は260万円くらいだった。記者は双方とも極めて安いと評価した。「日暮里」は周囲の友人にみんな勧めた。中古でも当時より坪100万円くらい高いのではないか。

 よって、アッパーは310万円とみた。自信はない。外したらゴメンナサイというほかない。

「立川」に続き「京急蒲田」、駅直結の威力まざまざ 野村不動産(2014/9/2)

商・住・公の機能備えたハイレベルの野村不動産「プラウドタワー相模大野」(2011/8/2)

「横浜ポートサイド」の再現なるか 横浜公社「マークワンタワー長津田」(2011/7/22)

超割安の旭化成ホームズ「アトラスタワー向ヶ丘遊園」(2007/2/20)

総合的レベルが高い旭化成「ステーションプラザタワー」(2007/3/6)

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「第30回全国削ろう会小田原大会」

 厚さ数ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)の鉋(カンナ)削りの技を競う「第30回全国削ろう会小田原大会」が11月8、9日、小田原市で開かれ、全国29都府県と米国から約550名の「削リスト」が高い技とわが国独自の鉋砥ぎ、道具づくりを披露した。大会は小田原の伝統工芸や岩国・錦帯橋の模型展示やイベントも行われ、見学者は初日が約1万人、2日目が約1.5万人に上った。

 鉋屑は大工仕事の中で捨てられるものだが、鉋から吐き出される屑は薄さが数ミクロンで、薄絹のように美しく、また材料、砥ぎの技術なども重要な要素であることから、日本の伝統的な木造建築、木工技術の向上と伝承を目的に平成9年に林野庁などが後援して第1回大会が行われた。これまで大会は平成9年に林野庁などが後援して第1回大会が行われ、これまで年1、2回全国大会が開催されてきた。

 競技部門は一般、学生、女性に分かれ、一般の部では愛知県から出場した細田保貴さんが優勝した。

 大会には神奈川県知事の黒岩祐治氏から「木工技術の向上及び技術の伝承が図られるとともに、木工製品や木造建築の魅力をより多くの方々に感じていただく機会となることを願っています」などとの歓迎の言葉も寄せられた。

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一般の部で優勝した細田保貴さん

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 「鑓鉋(やりかんな)は奥が深い。鉋は誰が削っても平らになるが、名栗(ナグリ)によって陰影を付けるのが美しいわが国伝統の技」と、鉋削りには目もくれず鑓鉋の技を披露していたのが、茨城県桜川市真壁町から参加した大工歴40年の山崎伸一さん(55)。

 作業の傍らには座右の銘とも言うべき「究極の鑓鉋仕上げは鎌倉時代です。鉄は鉄で磨き、石は石で、木は木で、人は人によって磨かれます。 大工 山崎伸一」の言葉が板に書かれていた。

 山崎さんの技はこれだけではない。猿回しならぬ烏回しを披露した。「毎日連れている」という相棒の烏の名は「マック」。カラスはイルカなどとともに動物・鳥類の中でもっとも〝頭がいい〟といわれるだけに、山崎さんとの掛け合い漫才の息はピッタリ。

 山崎さんが「こらっ!マック!頭が高い!この印篭が目に入らぬか!」と印籠に似せた木でできた将棋の駒型を見せると、「カカカッ!」とマックは恥ずかしそうに頭を下げた。反射神経も抜群。山崎さんが傾けた板に丸いえさをワンバウンドで投げると、ことごとくキャッチ。その様はテニスの錦織圭さんや卓球の福原愛ちゃんそのものだった。

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山崎さんから片時も離れないカラスの「マック」

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餌を見事にキャッチするマック

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「マック!頭が高い!これが目に入らぬか!」「カカッ!」

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〝しっかり記事にしろ〟と言ったか言わないかマック 

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 群馬県前橋市から参加した柏原俊之さん(41)はこの道20年。成績優秀者としてボードに張り出される8ミクロン以下を達成した。「われわれは穴掘り3年、鋸(ノコ)5年、墨付け8年、砥ぎ一生と言われてきた。台(削る板材)、鉋、技、砥ぎに、その日の湿度など条件が揃わないといい成績は出ない。今日は湿度があるから3ミクロンくらい出るかもしれない」と話した。

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柏原さん

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途中まで4~6ミクロンでトップだった御殿場市の勝又義仁さん(39)

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 大会スタッフの一人として見学者を楽しませたのが静岡県御殿場市の武藤勇さん(72)。「15歳のときからだからもう58年。勉強が大嫌いで大工になったが、師匠からは一生勉強だといわれた。へぼ大工ですよ」

 武藤さんには「いい経験だ。これを削ってみなさい」と、モチノキだったかカシノキだったか分からなかったが年季が入っていそうな鉋を渡され、削るよう勧められた。

 記者は「めっそうもない」と断ったのだが、「大丈夫」と強く言われた。師匠の言葉を無視したら失礼と思って削ってみた。

 鉋を削るのは中学生以来だったが、何とすらすらと削れたではないか。幅は約6㎝、長さは5mくらいあったはずだが、途切れることなく均等に削れた。厚さを計測してもらったら15~17ミクロンだった。これには記者も驚いた。砥ぎと鉋の調整が抜群だったのだろ。

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武藤さん

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 アキュラホームは「カンナ社長」こと宮沢俊哉社長をはじめ13人が参加した。最高成績者は9ミクロンで表彰台に乗ることはできなかった。宮沢社長も10ミクロンで涙を飲んだ。

 宮沢社長は「駄目でしたね。米ヒバを使ったが、砥ぎがまずかったか、湿り気が足りなかったか。成績上位者は特別な水を使っているんじゃないか」と悔しさをにじませた。

 薄く削るには湿気も大事だということを事前に知らされていたので、昨年の第27回大会で薄さ2ミクロンという記録を打ち立てた栃木県宇都宮市の出井博幸さん(37)に聞いてみた。「台は米ヒバですが、普通の水ですよ」と語った。ただ「今日は全然ダメ。5ミクロンだった」と表彰を逃した。

 宮沢社長には「出井さんも普通の水だそうですよ。来年はボルヴィックかなんとかイオン水にしたらどうですか」とご注進申し上げた。

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アキュラホームの皆さん

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宮沢社長

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出井さん

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 厚労省のデータによると、大工の人口は2005年の約54万人から2010年の約40万人へと5年間で26.4%減少。2020年には約21万人へと2010年の53%とほぼ半減するという予測もある。

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上が4ミクロンくらいと思われる出井さんの「削り華」、下が記者が武藤さんの言われるままに削ったもの

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「一尺鉋」削りの実演

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鉋にはすべて名前が付けられていた。絵画のように物故者の作品は100万円の値が付くとか

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わが故郷、三重の〝山林王〟諸戸林業の出店ブース

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錦帯橋の模型(技術の伝承のため20年に1回100年にわたって架けかえるそうだ)

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「ザ・パークハウス西新宿タワー60」完成予想図

 三菱地所レジデンス、相鉄不動産、丸紅の3社は11月6日、新宿区西新宿5丁目の再開発タワーマンション「ザ・パークハウス西新宿タワー60」のモデルルーム記者内覧会を行った。関係者は「分譲単価は未定」としているが、今年5月の起工式の段階で予想した「坪単価310~320万円」は大幅に上方修正する。340万円でも安いかもしれない。

 物件は、東京地下鉄丸ノ内線西新宿駅から徒歩9分、都営大江戸線都庁前駅から徒歩8分、新宿区西新宿5丁目に位置する60階建て全954戸(事業協力者住戸177戸含む)。専有面積は33.90~156.99㎡、価格は未定。竣工予定は平成29年7月下旬。施工はフジタ。販売代理は三菱地所レジデンス。販売開始は平成27年1月下旬予定。

 物件の特徴については、別掲の起工式に書いた記事を参照していただきたい。「西新宿5丁目」は老朽化した木造住宅や店舗・ビルなどが密集しており、東京都は「木密地域不燃化10年プロジェクト」の一環として、今回の「西新宿5丁目中央北地区第一種市街地再開発事業」(施行面積約1.5ha)と隣接する「西新宿5丁目北地区」(同1.5ha)、「西新宿5丁目中央南地区」(同0.8ha)を「不燃化推進特定整備地区」に指定し、災害に強い街づくりを進めている。今回分譲されるマンションはコアとなるものだ。

 「ザ・パークハウス西新宿タワー60」の特徴は、現段階でわが国最高階数の60階建て(現在の最高階数マンションは三井不動産レジデンシャル「パークシティ武蔵小杉ミッドタウン」の59階)もさることながら、新宿中央公園と連続する約1.900㎡の公開空地「結いの森」を整備し、居住者間のコミュニティ形成の施設として国産材をふんだんに用いた交流スペース「ENGAWA(エンガワ)」を設置、さらに自然、防災・減災、多様性の3つのコンセプトを軸にコミュニティ支援プログラム「CLASS 60」を実施するなど、森とコミュニティも大きなテーマとなっている。

 住戸は幅広いニーズに対応し、70㎡台を中心に33㎡台のワンルームから、最高3億5,000万円台(156㎡)の億ションまで供給する。建物は制震構法を採用している。

 内覧会の冒頭挨拶した三菱地所レジデンス社長・小野真路氏は、アベノミクスや為替相場などについて触れた後、「新宿は、世界的には赤坂、六本木に劣らないほど有名。これがインバウンドにつながる。いい場所にいい物件を供給することがアベノミクスにもつながる」などと話した。

 また、共用部分の「ENGAWA」を監修した東京おもちゃ美術館館長・多田千尋氏は「スギの学名はクリプトメリア ジャポニカ(Cryptomeria japonica)で日本語に訳すと『隠された日本の宝』。材と匠の技で巨大な縁側を演出する」と熱弁。「ENGAWA」には三菱地所とも縁のある山梨の杉をふんだんに用いた「木育ひろば」などを設ける。

 さらに、コミュニティ形成支援の取り組みを担当するHITOTOWA Inc.代表・荒昌史氏は、「入居前の2015年から入居後の2020年まで6年間にわたり『CLASS 60』を60回開催し、魅力ある街づくりを支援していく」と語った。

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「結いの森」

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 小野社長のあいさつは相当力が入っていた。外国人の購入も意識してか、台湾ドルやシンガポールドルとわが国の円相場に触れ「我が国は他のアジアと比較して3~4割はディスカウントされている」と述べた。

 多田氏や荒氏も小野社長のお株を奪うほどの熱の込めようだった。話した時間は小野社長を上回ったかもしれない。スギが「隠された日本の宝」とは全然知らなかった(「ヒマラヤスギ」は和訳するとどうなるのか)。

 記者の最大の関心事はいったいいくらで売るかだった。話を聞きながらずっと考えていた。起工式の時には「310~320万円」と予想したが、小野社長や多田氏、荒氏の力の入れようから、これはもっと高くしないといけないと考えた。

 最終的に決断した単価予想は「330~340万円」だ。この単価をはじき出した第一の根拠は3氏が語ったように街の将来性だ。現況は雑多な街だが、このマンションが完成し、さらに「北地区」の約1,000戸マンション計画(住友不動産が参加組合員となる予定)、「中央南地区」の約440戸のマンション計画(三井不動産レジデンシャルが参加組合員となる予定)を考慮すれば、素晴らしい街になると思うからだ。近くには「西新宿3丁目西地区」(8.5ha)の再開発計画もある。

 さらに、これまた関係者が話したように、このあたりのエリアはまだ下町の風情、コミュニティも残っており、歓楽街・新宿のイメージを変える可能性を秘めていることだ。新宿中央公園へ徒歩数分の緑の環境も担保される。この価値は大きい。

 もう一つ、日本最高階数の60階建てというのはそれほど訴求力がないと思っているが、よく考えると「ザ・パークハウスグラン千鳥ヶ淵」と同様、〝唯一無二〟と考えられなくもない。最高価格が3億5,000万円台(坪740万円)というのにはびっくりしたが、これもまたリーマン・ショック前はみんなタワーマンションの最上階はこれくらいの値段がついていた。わが国最高峰だから、坪単価740万円でも顧客満足を満たすかもしれない。59階と60階は特別仕様で分譲戸数は14戸。

 そんなわけで単価予想を上方修正した。59階と60階の単価が全体の単価を押し上げるので、平均するともっと高くなる可能性もある。現段階でモデルルーム来場者は500件を超え、問い合わせは5,000件を突破しているという。

 それにしても、倉庫街や木密地域を再開発する先導役を三菱地所が務め、住友不動産、三井不動産がおいしいところを狙うカラス(これは失礼か)のように高みから見物する様は「中央区晴海」の構図と一緒だ。「地上にはもともと道はない。歩く人が多くなれば、それが道となるのだ」の魯迅の言葉をまた思い出した。地所は魯迅か。

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「木育空間」(モデルルーム)

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モデルルーム(100㎡)

西新宿の日本最高峰60階建て976戸三菱地所レジなど再開発起工式(2014/5/12)

三菱地所レジデンス「ザ・パークハウスグラン千鳥ケ淵」が即日完売(2013/9/17)

 

 

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