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「オープンレジデンシア南青山」完成予想図

 オープンハウス・ディベロップメントが分譲開始した「オープンレジデンシア南青山」を見学した。建築家・光井純氏がデザイン監修を行っており、新たに渋谷にオープンしたモデルルームも秀逸だ。

 物件は、東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線表参道駅から徒歩4分、港区南青山三丁目に位置する9階建て全33戸。第1期(13戸)の専有面積は40.59~82.55㎡、価格は6,783万~12,043万円(最多価格帯8,500万円台)、坪単価は475万円。10月19日に抽選分譲が行われ、11戸に申し込みが入った。販売代理はオープンハウス。設計・監理は長谷建築設計事務所。施工はファーストコーポレーション。竣工予定は平成27年9月下旬。

 現地は、青山通りから一歩入ったところで、北側には賃貸マンション予定地があり、その北側は現在工事が行われている東急不動産の「表参道計画」。

 モデルルームは渋谷・常設モデルルームを今回分譲のため新たに改装したもので、一部オプションも含まれるが、シーザーストーンを玄関・ホール、キッチン天板、バックカウンターに標準装備。洗面はDURAVIT、ガラスのリビングドアはオプションだが150万円もする高価なもので、居室のドア把手はイタリア・コロンボ製のような気がした。

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現地(看板がかかっているところがエントランス、建物はその右側に建つ。手前右側は高級賃貸)

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 同社のマンションは低層の「レジデンス」もマンションタイプの「レジデンシア」も結構取材してきた。都心・準都心に特化し、土地は不整形なものが多いが、その不利な立地条件を逆手にとって一定のユーザーに支持されているメゾネットタイプにするなど圧倒的な価格の安さ・割安感で好調を維持してきた。 

 メゾネットタイプについては、業界記者の中には「長屋」だとか「駐車場がない」とかかなり批判的に見ている人が多いが、記者は「あなたたち、ちゃんと見なさい」といいたい。中堅デベロッパーが大手と戦うには同じ手法では歯が立たない。工夫を凝らさないとまず売れない。同社が2008年に第一号を供給してからこれまで60棟を超える。しっかりビジネスモデルを構築した。

 とはいえ、今回の「南青山」はやはり気になった。一般的な物件だったら、間違いなく坪単価は600万円くらいになるはずだが、同社のこれまでの手法で果たして大丈夫かと正直思った。光井純氏をデザイン監修に起用したのは正解だが、光井氏のブランド力に応えられる商品企画であるかどうかを確認するのが今回の取材目的だった。

 先にも書いたが、立地はたしかにいま一つだが、デザイン・設備仕様は単価の安さからして素晴らしいものだと思う。駐車場がないのはネックにならないかと担当者に聞いたら、「青山通りにでればタクシーはすぐ拾える。ネックにはあまりなっていません」とのことだった。

 参考までに。光井氏がこれまで手掛けたマンションの設計・デザイン監修は三井不動産レジデンシャルが圧倒的に多く、20物件近くあるはずだ。他のデベロッパーでは東京建物が3物件くらいある。中堅デベロッパーではフージャースコーポレーションの「府中」がそうだった。失礼ながら「府中」の購入者が光井氏を知っているかどうかはやや疑問に思ったが、これもなかなかいいデザインだった。

 光井氏によるデザイン監修マンションは、オープンハウスとしては「目白」「青葉台」(渋谷)に次いで3件目のプロジェクトだそうだ。

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モデルルーム(LDK)

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モデルルーム(廊下) 

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「プラウドシーズン仙川」 

 野村不動産は10月17日、三鷹市エコタウン開発奨励制度で初の「ゴールド認定」を取得した戸建て分譲住宅「プラウドシーズン仙川」の記者発表会&感謝状贈呈式を行ない、住宅は11月上旬に販売開始すると発表した。

 物件は、京王線仙川駅・つつじヶ丘駅から徒歩13分、三鷹市中原一丁目の建ぺい率40%、容積率80%の地域に位置する全45区画。敷地面積は120.09~136.08㎡、建物面積は94.76~102.86㎡、価格は未定だが6,000万円台から7,000万円台が中心。構造は2×4工法2階建て。入居予定は平成27年2月下旬~11月上旬。設計・施工は東急建設・細田工務店。

 プラウドスマートデザイン「SMART&GROWING」のコンセプトに基づき、全戸に太陽光発電パネル、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)、蓄電池(5kwh)、電気自動車充電用コンセントの4つの設備を搭載。

 街の防災にも配慮し、住宅に搭載された蓄電池から屋外コンセントと庭園灯に電気を供給し、非常時の停電にも街に明かりが灯る設備を導入するほか、「かまどベンチ」を隣接の公園に設置し、蓄電池を地域の防災備品として公民館に寄付する。

 同社、市、町会関係者が出席した感謝状贈呈式には清原慶子・三鷹市長も出席。「市はこれまでも地域の再生・活性化に取り組んできたが、これからは創生が大事とエコタウン開発奨励金制度を昨年から始めた。国が掲げる地方創生を先取りしたのではないかと思う。野村さんの住宅地は、緑化率を高めるほか環境に優しい創・蓄・省エネルギーの取り組みで初のゴールド認定となった。〝プラウド〟の名の通り地域の価値を高めるとともに、誇り高い街づくりを進めていただきたい」と挨拶した。

 これに対して、同社執行役員・鈴木浩一郎氏は「住宅のみならず、地域のコミュニティ向上に積極的に関わっていきたい」と応えた。

 三鷹市エコタウン開発奨励制度は、3,000㎡以上の戸建住宅の開発行為に対してエコな取り組みをする事業者を奨励する制度。同社は太陽光発電、蓄電池、電気自動車用充電設備、エネルギー管理システムで1戸当たり合計19ポイント(1ポイント1万円)を獲得。ポイントは価格に反映される。

 記者発表会に臨んだ同社戸建事業部部長・大矢寛之氏は記者団の質問に答えて、今年度の戸建て供給は1,000戸の大台に乗せ、今後も1,000戸体制を継続していくと話した。数年前までは影すら踏めなかったのに、ついに三井不動産レジデンシャルを捕らえた。「引き離すのか」との質問には「1,000戸くらいが限界」と慎重な構えも見せた。

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 同社の戸建てシリーズ「プラウドシーズン」は結構取材しているので、外観デザイン・設備仕様などについて改めて書くことはない。デザインモール、アクセントウォール、コーナーグリーン、ゲートウォールなど細部にもよく配慮されている。門扉も設置される。

 問題は価格だろうと思っていたが、6,000万円台~7,000万円台というのはぴったりだろう。8,000万円を超えてくると厳しいのではないかと見ていた。

 ポイントはやはり三鷹市の奨励制度だ。金額的には1戸19万円だからそれほどでもないが、市からお墨付きをもらったという意味では効果が大きいのではないか。デベロッパーはもちろんだが、自治体も独自制度で住みたくなる街づくりを進めるべきだ。

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 お墨付きの威力を垣間見るような光景があった。感謝状贈呈式の後で、同社が贈呈したかまどベンチの見学会が隣接の「中原すくすく児童遊園」で行なわれたのだが、小学生数人が遊んでいた。清原市長はその子どもたちになにやら声をかけた。「一緒に見ましょう」とでも言ったのだろう。その結果、子どもたちも一緒になってかまどベンチを見学した。

 そのあとで記者は、〝知らない人に声をかけられても答えるな〟と教えられているはずの子どもたちに「あの人が誰か知ってる? 」と声をかけたら、「みんな知ってるよ。清原市長。運動会にいつも来てるもん」と返ってきた。3期目の清原市長は絶大な人気があるようだ。知らない記者の質問に答えるはずはないと思ったが、清原市長には「国立の求償権裁判はどう思いますか? 」と質問した。一瞥されただけで、「他の市のことにはノーコメント」と交された。

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左から「ひばりが丘町会」田中悟会長、鈴木氏、清原氏、同会・田邊健一前会長(「かまどベンチ」の前で)

三鷹市エコタウン開発奨励制度 野村不動産の都市型戸建てが初の「ゴールド」(2014/3/26)

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「パレットコート越谷レイクタウンリゾート」モデルハウス

 ポラスグループの中央グリーン開発は10月18日、全98棟の「パレットコート越谷レイクタウンリゾート」第1期30棟の販売を開始した。「リゾート感覚で暮らす家」が開発コンセプトで、「ハワイ」「地中海」「カリフォルニア」「アジア」の4つのリゾート地をテーマにした戸建て分譲住宅。第一弾の今回は「ハワイリゾート」。今後、他のテーマ住宅も順次販売していく。

 物件は、JR武蔵野線越谷レイクタウン駅から徒歩9分の全98棟。1期1次・1期2次(18棟)の敷地面積は155.46~192.80㎡、建物面積は95.22~111.41㎡、価格は3,780万~5,400万円。1期1次9棟は優先分譲として販売済み。

 現地は「水との共存文化を創造する都市」として開発が進められている計画人口約22,400人の「越谷レイクタウン」区画整理事業地内の一角。「地区計画」のほか「まちなみ景観協定」により、最低敷地面積150㎡、一部電線地中化・宅地内電柱、壁面後退、建物意匠制限などにより将来にわたって美しい街並みを保全していく。

 全98棟を「ハワイ」(30棟)「地中海」(23棟)「カリフォルニア」(23棟)「アジア」(22棟)の4つのゾーンを6ブロックに分け、リゾートテイストの暮らしを提案するのが特徴。幅27m以上のメインストリートに面した宅地を中心に13本の景観木「ココスヤシ」を植樹する。

 今回の「ハワイ」をテーマにした住宅地は、シンボルツリー「ドラセナ」を中心に個性的な街並みを提案。外観はオレンジと赤茶色の屋根、白壁、深い庇のあるポーチなどを採用。内装・プランニングは、ハワイの高級リゾートを連想させる交流重視型や子育て重視、趣味重視、居心地重視の4つのプランを用意している。

 販売に先立って17日行われた記者発表会で同社開発事業部長・戒能隆洋氏は「10年前に分譲開始した1,035戸の『七光台』は先に完売した。2年前に分譲開始した214戸の『六町』も残り一ケタ。今回の用地はUR都市機構かせ今春に購入した。リゾートを全面に打ち出したのは広域から集客できる力があるからで、万人向けの商品を供給しても競合が多いこのエリアでは販売が長期化するだけ。幸い、この3週間で71組の集客ができている。18カ月で完売を目指す。社員の思いが詰まった住宅地」などと語った。

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モデルハウス1-3号棟

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 これまで海外リゾート地をコンセプトにしたマンション、戸建てをたくさん見てきたが、中国、モンゴル以外の海外に行ったことは一度もないし、木造の和風住宅が好きだからなんともコメントしづらい。

 ただ、2つあるモデルハウスのうちの1-3号棟は素晴らしい。戒能氏が話した分譲住宅は万人向けするものではなく個性的な商品であるべきという考えは賛成だし、ユーザーがどう評価するか楽しみだ。

 景観樹・シンボルツリーについて。13本で数百万円という「ココスヤシ」には度肝を抜かされた。「地中海」のシンボルツリーはオリーブだそうだ。未定だが「カリフォルニア」はオレンジか。樹高100mにもなるというセコイアを植える勇気はないだろう。「アジア」なら日本のサクラだろうと思うが、そうではなく「バリ」のバンブー(竹)らしい。インドネシアには「ロンボク」という木はないのか。

 それともう一つ注目すべきなのは「パレットコート」の販売スピードだ。一般的な郊外戸建て分譲住宅地は年間30~40戸売れればいいほうだ。100戸というのは驚異的だ。

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モデルハウス1-4号棟

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【写真1】「パレットコート越谷レイクタウンリゾート」

 2年前、「街路樹が泣いている~街路樹と街を考える」記事を8回くらいにわたって書いた。もちろん、その後も外出するたびに街路樹を眺めている。街路樹を取り巻く環境は一向に改善される気配がないばかりか悪化の一途をたどっていると思わざるを得ない。そこで、昨日取材した「越谷レイクタウン」や三郷、新三郷、三郷中央、吉川美南、それとつくばEXの流山おおたかの森で見た街路樹と街の価値について書く。

 行政や関係者には耳の痛いことかもしれないが、皆さんが頑張らないと益々ひどくなるし、市民に対する「見える化」「見せる化」を図らないと街のポテンシャルは下がる一方で、激化する都市間競争に勝てないということを知っていただくことが目的であること断っておきたい。

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 【写真1】は、ポラスが昨日記者発表会を行った「パレットコート越谷レイクタウンリゾート」のモデルハウスだ。詳細は改めて書くが、全98区画の分譲地で、このうち今回分譲の30区画は「ハワイ」の街並みが開発のコンセプトになっている。

 皆さんは左側に写っている「ココスヤシ」の値段はいくらかお分かりか。記者はマンションも分譲戸建てもすぐ価格に換算する。価格がない商品なんてありえないからだ。樹木そのもの価値は分からなくとも樹木・緑が果たしている役割は大きいと思う。そこで参考までに聞いた。同社は1本の値段も教えてくれたのだが、「全体で13本植えるが、書くのなら総額は数百万円にしてほしい」といわれた。マンションの単価予想はあまり外さない記者もこれには驚いた。予想していた値段とケタが違った。

 同社はもともと分譲地の緑化・植栽には力を入れている。それだけがもちろん理由ではないが、よく売れているのも事実だ。東武野田線七光台駅前では10年前から1,035戸の分譲を始めたが最近完売したという。年間100戸というのは信じられない販売スピードだ。

 つくばEX「六町」駅圏では2年前から214区画を分譲しているが、残りは一ケタという。これまたすごい。この分譲地にはシンボルツリーとして「カツラ」が数えきれないほど植えられている。成木だと高さが20~30m、差しわたし数mになる高木だ。記者は〝こんなに植えて大丈夫か〟と思ったほどだ。六町も含め足立区内で立派な街路樹はほとんど見たことがない。

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 【写真2】「越谷レイクタウン」駅南口の街路樹

 【写真2】は、「越谷レイクタウン」駅南口の街路樹だ。この木は高さが20mくらいになる「オガタマノキ」だが、駅前は確か「ハナミズキ」だった。見て分かるようにオガタマノキは直径が数センチ、高さが数mくらいの幼木が植えられていた。ハナミズキも女性と腕相撲をしても負ける記者の腕ほどもない貧弱なものだった。ハナミズキは美しい花を咲かせるが、成木でも数mにしかならない落葉樹だ。メインストリートの街路樹として適当かどうか首をかしげざるを得ない。

 ついでながら言っておくが、駅北口のいわゆるパワービルダーが分譲した戸建てはコンクリートで覆われているからぺんぺん草も生えない。「地区計画」にはいろいろ細かい規制があるが、緑化については何もないからこのようになる。

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【写真3】 三郷駅北口のロータリーの「ケヤキ」

 【写真3】は、三郷駅北口のロータリーの「ケヤキ」だ。皆さんはこの剪定を美しいと思われるか。確かに形よく剪定されているが、どうしてこれほど剪定しないとダメなのか。ケヤキや「クスノキ」はほっといても美しい樹形を形成する。駅前ロータリーにあるケヤキの落ち葉が乱舞しようが枝が張ろうが文句をいう市民などいないはずだ。

 そこで、市のホームページでいろいろ調べてみた。市は2年前に「三郷市景観条例」を施行した。立派なものだ。街路樹の維持管理費は24年度が8,467万円だ。樹木管理維持に要した職員数は「人工」単位として「0.6」とあった。ところが市にはどのような街路樹があり、全体で何本あるのか一切記載がない。担当窓口「みどり公園課」の職員に聞いても「すぐには分からない」と返事が返ってきた。記者も知らなかったのだが、「人工」とは「ニンク」と読むことも知らなかった。本数は調べてもらって高木は約4,500本(越谷市は市域面積が大きいので約7,100本)ということが分かった。

 この職員は担当になってまだ2年しか経過していないそうで、同情の余地はあるが、これではやはり情けない。2年前に書いた戸田市の職員と一緒だ。人事をどんどん変えていく行政のシステムに問題があるし、条例そのものも「右に倣え」で魂が込められていないと思う。街路樹に対する思想・理念がなければ、「伐れ」だの「伐るな」などの素人の市民の苦情に右往左往するだけではないか。

 最初に戻る。あのケヤキの剪定にどれだけの費用がつぎ込まれているのか。市民はだれも知らないでいいのだろうか。議員も質問などしないのだろうか。市の維持管理事業に対する成果は「安全で快適な街路空間や都市環境が確保できるよう、街路樹や緑道の管理維持を行った」とわずか1行しか掲載されていない。これなら毎年、使いまわしで同じ文言で済む。

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 【写真4】「流山おおたかの森」の駅前

 【写真4】は、「流山おおたかの森」の駅前だ。先の越谷レイクタウンや三郷駅前とは異なることがよく分かる。越谷レイクタウンとは駅の開業年は3年しか違わない。おおたかの森の街路樹は立派な樹木が植えられている。

 いま駅前で三井不動産レジデンシャルの「パークホームズ流山おおたかの森ザレジデンス」(257戸)が分譲されている。坪単価は190万円だ。分譲開始から3~4か月で120戸が売れている。駅から10分の分譲戸建て「クイーンズフォレスト流山おおたかの森」(95区画)が昨年4月から建物付きで5,000~7,000万円くらいで分譲されているが、これまで58区画が契約済みだ。

 駅力が異なるので単純な比較はできないが、「越谷レイクタウン」も「吉川美南」「新三郷」「三郷中央」などの駅近マンションは坪130~150万円だ。戸建てで6,000万円を突破すれば苦戦はまぬかれないはずだ。

 記者はこの差は街並みにもあると思う。これは改めて記事にするのだが、「クイーンズフォレスト流山おおたかの森」は、2003年、それまでの「長老政治」を打ち破り市長に就任した井崎義治氏が掲げる「流山グリーンチェーン戦略」に基づいて建設されている分譲地だ。井崎市長とはもう10年くらい前になるか、街づくりについて意気投合したものだ。「柏の葉」という強豪に負けないで頑張っていらっしゃるのが嬉しい。

 とりとめのないことを書いてきたが、木だって生き物だ。醜い姿を見せられると自分を映す鏡に思えて気がめいる。国も学者先生も街路樹・緑の価値をもっと市民に分かりやすい指標を用いて定量化してほしい。

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 【写真4】「流山おおたかの森」の駅前

街路樹が泣いている(8) 奇形ばかり海浜幕張・電柱そのもの府中街道の街路樹(2012/6/5)

 

 

 ケアリングデザインの活動が2014年のグッドデザイン賞を受賞した一般社団法人ケアリングデザイン(代表:小野由記子氏)が2つのイベントを主催、特別協力して行う。

 ひとつは10月22日~11月3日、「Good Over 50’s くらしのケアリングデザイン展2014」(主催:くらしのケアリングデザイン展実行委員会)。西武池袋店本店7階で。

 もう一つは10月16日~11月11日、「都市型コンパクトライフのススメ展Good Over 50’s」(主催:インテリア産業協会他)。リビングデザインセンターOZONE3階で。

 また、「都市型コンパクトライフのススメ展Good Over 50’s」の連動シンポジウム「大人世代のコンパクトライフを考える」(主催:リビングデザインセンターOZONE・インテリア産業協会)を11月3日、15:30~18:40、新宿パークタワー3階パークタワーホールで行う。参加費は2,000円(交流パーティ代含む)。

 詳細はwww.caring-design.or.jp/ へ。

 

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「吉川に来てなまず食わずなかれ」 

  埼玉県内の住まいに関わる133の団体、企業などで構成する「埼玉県住まいづくり協議会」が「第10回埼玉住み心地の良いまち大賞」を発表した。

 県内の街をよりよくする活動の一環として小中学生を対象に毎年行っているもので、今回は過去最多となる応募総数2,118点の中から74作品を入選作として選んだ。

 埼玉県知事賞は山田温乃さんの「吉川に来てなまず食わずなかれ~緑と水に囲まれた吉川~」、埼玉県教育委員会委員長賞は米倉令真さんの「コインパーキング」、埼玉県住まいづくり協議会会長賞は大類澄音さんの「ILOVE パンin南区」、審査委員長賞は岡田萌さんの「農業のまち深谷」がそれぞれ受賞した。

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 リリースの4作品はみんな優秀だ。リリースは絵が小さすぎ、拡大すると読めなくなる欠点はあるが、丹念な調査能力と表現力には驚く。「農業のまち深谷」は市の行政資料よりよくできているのではないか。「コインパーキング」の使い勝手をレポートした米倉さんは何歳? 「ILOVE パンin南区」の大類さんの行動範囲もすごい。食べ過ぎないように。「吉川に来てなまず食わずなかれ」は文法的にちょっとおかしいが、まあいいか。

 中古マンションを個人から仕入れ、内装を施しアフターサービス保証付きで販売する「リノヴェックスマンション」事業を行っているインテリックスが、リノベーションマンションが中古流通市場を促進しているというアンケート調査結果をまとめ発表した。

 購入時の重視点とリノヴェックスマンションの満足度を調査したもので、「立地条件」「マンション構造条件」「マンションソフト条件」「専有部リノベーション条件」の38項目の中から、「購入検討時に重視した点」「購入時に妥協できた点」「入居後に気に入っている点」として当てはまるものをそれぞれ5点選んでもらった。

 これによると、検討時に重視していた「築年数」は、入居後の設備や内装の更新により気にならなくなり、高い満足度を得ている結果が出たとしている。

 集計対象は2006年8月~2014年3月末までの約2,300件。同社の2014年5月末までのリノヴェックスマンション販売累計戸数は14,500戸。

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「リビオ新宿ザ・レジデンス」完成予想図

 新日鉄興和不動産のマンション「リビオ新宿ザ・レジデンス」を見学した。狭い道路の解消と木造住宅が密集している防災上の問題を解決するために進められている約4.7haの再開発エリアの最終段階のマンションだ。

 物件は、東京メトロ丸ノ内線・都営大江戸線中野坂上駅から徒歩6分・東京メトロ丸ノ内線西新宿駅から徒歩8分、新宿区北新宿二丁目に位置する6階建て全103戸。専有面積は37.38~72.69㎡、第2章1期(20戸)の価格は4,800万円~7,800万円(最多価格帯6,300万円台)、分譲済み第1章23戸の坪単価は340万円。竣工予定は平成27年3月下旬。設計・施工・監修は淺沼組。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 現地は、青梅街道と神田川が交差するエリアで進められている約4.7haの東京都施行による「北新宿地区第二種市街地再開発事業」地内に位置。全体で9棟が予定されている商業・業務棟、住宅棟などのうち7棟が完成済み。今回のマンションとやはり新日鉄興和不動産が建設する賃貸住宅棟を残すのみとなっている。

 マンションは都の事業コンペに当選して建てられるもので、「地域防災拠点となり得る共同住宅」というのがコンセプト。法定建蔽率90%・容積率400%の商業地であるにもかかわらず後背地の日照などを配慮して建物は6階建てとし、建物の建蔽率は48%、容積率は182%に抑えているのが大きな特徴だ。

 帰宅困難者の受け入れなどを想定し、敷地の一部を「地域防災拠点」として開放する予定で、「かまどベンチ」「浄水ポンプ」「マンホールトイレ」なども整備する。

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 このエリアの再開発マンション第1弾として2011年に三菱地所レジデンス他「ザ・パークハウス新宿タワー」が分譲されたときは、質は高いがファミリー層をどう取り込むのだろうと考えたが、今回、現地を見学して住環境が整っていたのには正直驚いた。さすが都の施行による再開発事業だ。

 幹線道路から一歩入っており、近くに神田川も流れる。ファミリーでも十分住めると思った。青梅街道も税務署通りもきれいに整備された。単価もリーズナブルなものだと思う。

 今後、青梅街道を挟んだ西新宿五丁目では三菱地所レジデンスの60階建てタワーマンションなど再開発マンションなどが続々建設される。5年、10年後はどのような街になるのか。

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右側奥のシートが掛かっている部分が分譲マンション(左側は賃貸マンション)

西新宿の日本最高峰60階建て976戸 三菱地所レジなど再開発起工式(2014/5/12)

満点☆3つ 三菱地所レジデンス・平和不動産「ザ・パークハウス新宿タワー」(2011/1/12)

 

 

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「アルビオコート・一橋学園」

 ミサワホームの軸組工法による分譲戸建てブランド〝アルビオコート〟第一弾「アルビオコート・一橋学園」を見学した。注文住宅の伸びが期待できない今後の市場を見据え、分譲戸建てでカバーする狙いがありそうだが、全13棟とも造り手の思いが伝わってくる商品企画だ。同業他社や大手デベロッパーとも十分戦える商品と見た。

 物件は、西武多摩湖線一橋学園駅から徒歩13分、小平市小川町2丁目に位置する全13区画。建蔽率40%、容積率80%地域。敷地面積は122.20~124.34㎡、建物面積は96.67~99.36㎡。現在分譲中(5戸)の価格は4,390万円~4,890万円。構造・規模はミサワホームMJウッド(耐震木造住宅)2階建て。施工はミサワホーム多摩。建物は竣工済み。販売代理は三井不動産リアルティ。

 道路には保水性のインターブロックを敷き詰め、建物外観は南仏・プロバンスの街並みをモチーフにオレンジの瓦と塗り壁風の白の外壁が特徴で、凹凸をつけることで陰影を醸し出す工夫も凝らしている。全棟に印象的な意匠ウォールを施している。

 建物プランが面白い。全棟とも「階段書斎のある家」「思い出ギャラリーのある家」「小料理屋さん風キッチンのある家」「ホームパーティができる家」「土間部屋のある家」「週末はアウトダイニングの家」など個性的なものばかりだ。

 これまで青田の段階で4棟が売れており、ほぼ半数の契約が現段階で見込まれている。年末までは完売したい意向だ。

 同社は3年後までに軸組工法による分譲戸建てを400~500戸供給する目標を掲げている。

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 同社の分譲戸建てを見学するのは久々だし、もちろん軸組工法は初めてだ。最近見学した三井不動産レジデンシャルの「ファインコート国分寺日吉町」とはコンセプトもターゲットも全然異なるので比較はできないが、どちらかと言えば野村不動産の〝プラウドシーズン〟に似ているといえば似ている。いわゆるパワービルダーの戸建てとは全く異なる。

 街並み、建物の商品企画・設備仕様などを総合的に評価すれば、価格は間違いなく安い。

 思い切った商品企画を採用しているのは、他社と異なり一人の担当者が一気通貫で担当するからだろう。この現場も説明を受けた分譲開発部建売分譲課の多井中新介氏が用地の仕入れからプランニング-販売までを担当している。多井中氏が自ら作ったというコンセプトブックは3冊もあり、全部で56ページもあった。

 個性的なプランの提案は勇気のいることだが、平凡な万人向けのプランよりいい。そのプランを気に入った一人に買ってもらえばいいのだから。本来の分譲戸建てとはそのようなものだ。

 意匠・デザインはそれぞれ好みがあるので何とも言えないし、他社との差別化を図ろうという意図があったのだろうが、巾木が10㎝くらいあるのはいいのだが、回り縁が〝立派〟すぎ、ケーシングもやや派手だと思った。同社の注文住宅は〝シンプルイズベスト〟だそうだが、記者も賛成だ。シンプルなほうが美しい。

 もう一つ、これはいいと思ったのが子ども部屋だ。広さは4.5畳大になっていた。同社は「子ども部屋」の「個室」は「子失」という考えが浸透しており、広さを狭くし、その代わりに親子や家族が集えるスペースを確保することに力を入れているとのことだった。

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左から記者発表に臨んだファストリ グループ上席執行役員・岡崎健氏、柳井氏、大野氏、大和ハウス常務執行役員・浦川竜哉氏(帝国ホテルで)

 大和ハウス工業と「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは10月14日、江東区有明1丁目にファーストリテイリング専用物流倉庫を建設し、双方が究極の顧客ニーズに応える物流スキームを構築していくと発表した。

 両社は共同出資による物流事業会社を設立し、お客様の多様なニーズに対応できる多機能物流拠点を中心とした新たな物流スキームの構築を目指す。

 現在の物流スキームは消費地と倉庫が遠いところにあるのが問題で、バーチャルとリアルの双方で生み出される顧客との接点を束ね、新しい小売業の時代を構築していく狙いがある。有明の物流センターは首都圏の顧客が対象で、注文品を即日発送し、ところによっては当日配達できるところもあるという。

 大和ハウスは同社初の私募リートを組成し、ファーストリテイリング向けの多機能物流拠点用地の取得及び開発のための資金調達を行っていく。同社は1990年からファーストリテイリングの店舗開発に取り組んでおり、これまで約550店舗の開発をサポートしてきた。

 会見に臨んだ柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長は、「大和さんとは90年からのお付き合い。会社と会社の信頼関係があったからこそできたスキーム。有明は日本で最高の立地。奇跡に近い。ワクワクしている。単に物流センターを作るということにとどまらず、双方の成長の基をつくるもの。グローバルに展開していきたい。我々が目指している服を変え、常識を変え、世界を変える産業革命への第一歩であり、夢の実現に向かうもの」と話した。

 これに対して大野直竹・大和ハウス社長は、「お世話になっているのは私ども。新しい事業に参加できるのは限りない喜び。用地は昨年9月、UR都市機構から取得した。わが国最大規模の都市型の最先端の物流センターになる。様々な産業革命を具現化したい」と応えた。

 物流センターは、敷地約36,000㎡、RC+鉄骨造6階建て延べ床面積約112,000㎡。着工予定は2014年11月15日、竣工予定は2016年1月25日。同社オリジナルの免震システムや非常用電源などのBCP対策、壁面緑化や周辺緑地整備など環境配慮を施した最先端の物流センターとなる。

 私募ファンドは2016年に組成し、資産規模は当初650億円程度。大和ハウス不動産投資顧問が運用する。今後、国内で10カ所くらいの物流拠点の開発を行っていく。

【大和ハウス工業】「(仮称)Dプロジェクト有明Ⅰ」.jpg
有明の物流センター

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 「知らないことは聞くな。どのような答えが返ってくるか分からない質問はするな」というのが記者の鉄則だ。このニュースは前日、日経新聞が1面で詳細に報じているし、記者は物流のことは全然知らないので黙って聞いていた。

 柳井氏と大野氏がお互いこれ以上ない賛辞のやり取りをしたのはともかく、数えてはいなかったが、「産業革命」やら「物流革命」やら「革命」という言葉が10回くらい両氏の口から飛び出したのにはいささか驚いた。

 物流がひと・もの・かねの動きを一変させ、さらにそれぞれが作用しあいさらに高次の段階に進むということだろうが、そうなったら肝心の人の暮らしや住まいはどうなるのだろうかとずっと考えていた。

 ユニクロは2020年までに売上高5兆円を、大和ハウスは2055年までに売上高10兆円をそれぞれ目指す。両社が革命を先導すれば、世界中の人々がつま先から頭のてっぺんまで「ユニクロ」のブランドを身に着け、大和ハウスの「xevo(ジーヴォ)」に住むことになるのだろうか。

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会見場(記者約80人が詰めかけた)

 

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