国交省 「都市公園等のあり方検討会」が中間とりまとめ
国土交通省は8月24日、「第7回 新たな時代の都市マネジメントに対応した都市公園等のあり方検討会」を開き、人口減少・少子高齢化社会におけるオープンスペースの再編と利活用のあり方、まちの活力と個性を支える多様な都市公園の運営あり方などについて検討してきたこれまでの内容をもとに、新たな時代の都市をつくる緑とオープンスペースの基本的考え方を中間とりまとめとして整理・公表した。
中間とりまとめでは、少子高齢化と人口減少、環境問題、都市基盤ストックの形成、財政制約の深刻化、市民意識の変化・企業の社会貢献など都市を取り巻く社会状況を踏まえ、新たな時代の都市を支える緑とオープンスペースのポテンシャルを最大限に発揮することが重要とし、①ストックの効果をより高める②民間との連携を加速させる③都市公園を一層柔軟に使いこなす観点が必要としている。
これらの観点から、新たな時代の都市づくりにグリーンインフラとして緑とオープンスペースが寄与していくためには①新たな時代の都市を支える緑とオープンスペースの戦略的な確保・活用②まちの活力と個性を支える多様な都市公園の弾力的な運営③幅広い主体と協働により質を向上させていく仕組みの構築などの具体的な施策を推進することが必要としている。
今後、広場空間の実態調査、実例と分析と課題抽出、多様な都市公園の運営のあり方の整理などを行い、来年1月ころに最終とりまとめを検討することになっている。
◇ ◆ ◇
何度かこの「検討会」を傍聴した。進士五十八座長(東京農大名誉教授・元学長)を筆頭に各委員が遠慮せず自由に発言していたので、ものすごく面白かった。
もっとも注目したのは、「都市公園」のあり方だけでなく、「オープンスペース」「緑」「都市空間」などを含めた都市全体のあり方に各委員が言及し、都市公園法などを硬直的に解釈・管理するのではなく、柔軟な運用・運営によって多様な対応が可能だと各委員が指摘したことだ。
いま、都市公園の中に保育所などの子育て支援施設、老人デイサービスなどの高齢者福祉施設、観光関連施設、にぎわい・地域活性化施設の設置の是非が論議されているが、検討会はどのような方向性を打ち出すか。都市公園はもともとそのような機能を備えており、弾力的な公園運営を進めるべきとしている。
都市公園内の施設建設につい関連することだが、今から6年前、東京都の民設公園制度を活用して東京建物・西武鉄道のマンション「Brillia L-Sio 萩山」(全184戸)が建設された。
この制度によって、敷地の底地権はマンションの管理組合が所有し、マンションの維持管理費とは別に月額25万円(1戸当たり平均約1400円)を公園の維持管理費用に当てる。公園を一般に公開することを条件に、公園にかかる固定資産税、都市計画税は減免され、実質的に無料となる。
東京建物と西武鉄道は公園部分に地上権を設定。管理組合の委託を受けて向こう35年間、公園の維持管理を行う。長期の管理基金として1億500万円を拠出している。東大和市は、公園内に設置されたトイレのみを管理する。
マンション居住者は広い公園を所有し、維持管理にも貢献しているという満足感を味わえるし、行政は維持管理に関する費用負担を抑えられるという「Win Win」の関係が保たれていると思うのだが、その後、まったく供給されていない。なぜだろう。
なぜ農学、環境、家政学者の会合はおおらかなのか 国交省検討会(2015/3/17)
都の民設公園第1号「萩山 四季の森公園」開園祭り(2009/10/5)
野村不動産 武蔵小金井駅前の再開発に参画 マンション690戸建設へ

「武蔵小金井駅南口第2地区第一種市街地再開発事業」完成予想図
野村不動産は8月21日、「武蔵小金井駅南口第2地区第一種市街地再開発事業」の市街地再開発組合の設立認可を受け、参加組合員として事業参画すると発表した。
同事業は、小金井市の総合拠点である武蔵小金井駅前に相応しい土地利用のため1970年頃から第1地区も含めたまちづくり組織活動が行われており、2012年3月に事業が完了した第1地区と連続した一体的なまちづくりを目指すもの。2012年4月に市街地再開発準備組合を設立し、2014年8月の都市計画決定を経て、今回、再開発組合の設立が東京都より認可された。
同事業地はJR中央線武蔵小金井駅から徒歩3分、地域に開かれた公共空地・空間を整備し、地区全体の回遊性やにぎわいの創出、住環境や地域の防災性の向上を図る。
建物は地上22階・地上27階建て延床面積約110,000㎡の高層ツインタワーマンションで、戸数は約690戸。2018年春に分譲開始予定。2020年に全体完成予定。施工は清水建設。
今年も〝踊る阿呆に見る阿呆〟第31回南越谷阿波踊りに70万人の人出
ポラスグループの「泰斗連」
ドドンドドンカンカンカン踊る阿呆に見る阿呆同じ阿呆なら踊らにゃ損そん-本場徳島県出身のポラスグループ創業社長の故・中内俊三氏の呼びかけで昭和60年に始まった埼玉県越谷市の第31回「南越谷阿波踊り」が8月22日、開幕した。
今年の参加連は舞踊集団菊の会や徳島や高円寺の招待連も含め77連、踊り子は約6,000人。22日と23日の2日間で約70万人の人出が見込まれている。
第1回から会社をあげて活動を支援しているポラスグループは16万枚の団扇を配布し、2000名を越えるグループ社員の多くは15~16の連の踊り子・鳴り物や、施設の設営、運営などの裏方として参加した。同社グループの代表的な連「PO連」は、昨年新設された地元連の中から優れた連を表彰する「徳島市長賞」を受賞している。
昨年、「徳島市長賞」を受賞したポラスグループの「PO連」
◇ ◆ ◇
ハウスメーカーの広報担当者で組織する住宅広報連絡会も例年臨時会として南越谷阿波踊りの視察・参加を行なっており、22日は報道関係者を含め約40名が参加。駅近くの飲食店で腹ごしらえと景気づけの酒をひっかけ、舞台踊りの見学とにわか連の踊りに飛び入り参加した。
記者は10数年間、この恒例のイベントに皆勤賞で参加しているが、ほとんどはへべれけに酔っ払い、招待連の芸術的な舞台踊りが佳境に入る頃には熟睡している。
みんなからすっかり馬鹿にされているので、今年は一念発起。酒は控えめにして約3時間、じっくりと沿道から流し踊りを見学、堪能した。
住宅広報連絡会 臨時会
記者のためにわざわざ会場に駆けつけてくれたポラス広報の華 神田さん
阿波踊りの美しさは衣装や編み笠にもあるが、記者がたまらなく好きなのは、浴衣の赤やピンクの裏地からのぞく白いたびとすねのコントラストだ。「九米の仙人の、物洗ふ女の脛の白きを見て、通を失ひけんは、まことに、手足・はだへなどのきよらに、肥え、あぶらづきたらんは、外の色ならねば、さもあらんかし」(徒然草)もよく分かる
三井不動産リアルティ 新TVCF の放送を開始

新TVCFの一こま
三井不動産リアルティは8 月21 日(金)から不動産仲介サービスブランド「三井のリハウス」の新TVCF の放送を開始した。
新TVCF は、「もっと、人を幸せにできる。」をキャッチコピーに、不動産売買における仲介サービスの品質向上を通じてお客様に高い安心感と満足を提供し、幸せのお手伝いをしたいという企業姿勢を表現したという。楽曲はグラミー賞受賞の実力派ポップシンガー、ブルーノ・マーズの代表曲「ジャスト・ザ・ウェイ・ユー・アー」を採用している。
パッシブとスマートを融合した大京「港北ニュータウン」完成

「ライオンズ港北ニュータウン ローレルコート」
大京は8月20日、パッシブとスマートを融合した次世代環境共生住宅「ライオンズ港北ニュータウン ローレルコート」が完成したのに伴い竣工お披露目会を行った。同社はもともと環境共生に積極的に取り組んできたデベロッパーだが、〝ここまでやるか〟とうなってしまった。素晴らしいマンションだ。
このマンションについては、分譲前の記者発表会の記事を書いているのでそちらも参照していただきたい。横浜市営地下鉄グリーンライン北山田駅から徒歩12分の7階建て全221戸ですべて完売している。
港北ニュータウンのまちづくり方針に沿って総延長約15㎞の緑豊かな幹線〝グリーン・マトリックス〟の風景を敷地内に再現したのが特徴で、総延長100mのせせらぎの道・ビオトープを設置、緑地率は約30%確保し、約3,700本の在来種の植栽を施している。
屋上に設置した25kwのソーラーパネルで発電した電力は44kwの蓄電池に蓄え、その電力を利用して深さ約90mの井戸水のポンプを稼働させ、せせらぎ・ビオトープ、草花の自動灌水、エントランスや中庭のウォーターカーテンへの利用、防災井戸に利用している。
緑をたくさん確保することで、風の流れを促しクールスポットを醸成し、さらにまた専有部の高機能吸気口、通気ルーバー、換気機能付き玄関ドアを装備することで、一般的なマンションの約4倍の換気量を確保し、真夏の室温を4.9℃引き下げる効果をもたらした。
光りと水、緑、スマートを融合させたことで年間約180万円の管理費の節約となり、1㎡当たり約149円という管理費を設定することができた。
同社はまた、「としまエコミューゼタウン」を設計した「ランドスケープ・+」と協力して自然環境・生物多様性保全に対する取り組みも行い、向こう3年間の持続可能な生態系配慮型植栽管理のスケジューリングを済ませている。
こうした取り組みは、集合住宅では初の「いきもの共生事業所認証」を取得した。

ビオトープ

ビオトープ

せせらぎの道

〝ホワイトカーテン〟
◇ ◆ ◇
環境共生住宅(マンション)についてはかなり取材してきた。いま思い出すのは、その走りともいうべき埼玉県住宅供給公社の「グローブコート大宮南中野」や、同社の物件で言えば「グリーンティアラ星が丘」、「フォレストレイクひばりが丘」(381戸)などだが、今回の物件は10年前の「ひばりヶ丘」と比べ規模がそれほど大きくないにも関わらず、環境共生に取り組む姿勢、意気込みは勝るとも劣らない。
まず、目に飛び込んできたのが、エントランス部分の植栽と〝ホワイトカーテン〟と呼ぶ井戸水を利用した水のカーテンだった。高さは約3m、幅は20mはあっただろうか、それこそ滝のように勢いよく水が水盤に落ち、水音を立てていた。ホテルならいざ知らず、このような演出がされているマンションを初めてみた。水音はガラス越しにカフェテラス・ライブラリーコーナーまで聞こえた。同じような水のカーテンはエントランスホールの奥の中庭にも設置されていた。毎日、26トン(夏場、冬場は7トン)の井戸水をソーラーパネルの電力によって汲み上げているからこそできる演出だ。ある高額マンションでは、せっかくのカスケードは管理費がかさむことから止められていたのを見ている。
せせらぎの道とそれに続くビオトープも立派なものだ。水源となる場所にはオブジェが設けられており、冷たい水が湧き出ていた。井戸水は鉄分が多く飲用水としては利用できないとのことだったが、あの懐かしい井戸水の匂いがした。メダカやヤゴが棲めるのだから人体に害はないと思う。
在来種ばかりの植栽、高さ3m幅5mのエントランス周りの壁面緑化、駐車場の壁面緑化、駐輪場屋根の緑化、近隣にも開放する藤棚付きの広場の提案もいい。丸いコンクリ製のテーブルは防災かまどにも早変わりするとのことだった。
この日は、同社グループの社員約200人も見学に訪れたそうで、同社の環境共生の取り組みをしっかり共有できたのではないか。社員は胸を張っていい。

カフェテラス・ライブラリーコーナー

井戸水が湧き出るオブジェ

住民にも公開する公園
「日本らしく美しい景観」とは何か 国交省の懇談会が報告書
国土交通省は8月19日、昨年6月から行われていた「日本らしく美しい景観づくりに関する懇談会」(委員長:卯月盛夫早大教授)の報告書をまとめ発表した。同懇談会は平成16年の景観法制定から10年が経過したことを契機に、景観行政に関する幅広い点検・検証を行うため7回にわたり開催されていたもの。
報告書は、景観行政を取り巻く状況や景観法の活用実態といったわが国の実情を踏まえた上で、良好な景観が地域に暮らす人々の誇りとなり、地域全体の価値の向上につながることを示すとともに、国内外の人々が日本的で美しいと感じる景観の「創出」と「保全」のために必要な方策のあり方についてまとめたもの。
◇ ◆ ◇
記者もこの懇親会を2回くらい傍聴した。「日本らしく美しい景観」という文言に惹かれたからだ。「日本らしく」かつ「美しい」景観とはどのような景観なのだろうと考え、懇談会の委員の方々から「日本らしく美しい景観」の概念が示されるのではないかと思っていた。
ところが、報告書の中には「日本らしく美しい景観」の文言は何カ所か登場するが、その具体的な内容についてはまったく書かれてはいない。今回の懇談会の目的は、そのような概念について論じるのではなく、良好な景観形成を進めるうえでの基本的な考えや、景観マネジメントについて論じる場だったからだ。
それでも、専門家から「日本らしく美しい景観」について語ってほしかった。「日本らしく」というのは四季折々に変化する自然的景観、白砂青松のことだろうと思うし、また、歴史を感じさせる神社仏閣や古民家、あるいはまた水墨画のようないかにも日本人が好むモノトーンの世界なのか。さらにはまた、端正なシンメトリックな景観のことをいうのだろうか。それともまた、機能的なものが美しいのか、美しいものが機能的なのか…考えれば考えるほど「美」とは何かという疑問に行きつく。小林秀雄は言った。「美しい『花』がある、『花』の美しさといふ様なものはない」と。
◇ ◆ ◇
懇談会はわれわれが景観の価値を認識するうえで示唆的な提言も行っている。例えば、「良好な景観は、地域を再生・活性化させる可能性を有する貴重な資産として捉えるべきであり、その保全・創出は地域の経済的価値を向上させる大きな要因となり得ることから、計画政策は経済政策の面からも重要である」「住宅地の生け垣や樹木が管理されず荒廃することで、周囲の景観の悪化をもたらされるなど、地域資源の劣化(外部不経済)を抑制することも重要となる」「その際、例えば、一定の地域の住宅所有者が全員加入し、賦課金により共有地の維持管理や建築行政のコントロールなどを行うアメリカのHOA(Homeowners Association:住宅所有者協会)のように、罰則まで設けて劣化資産を排除し、地域の不動産価値を維持する手法も参考になる」としている。
懇親会はまた、景観協議の進め方にも言及しており、「景観計画区域における建築物の形態意匠、高さの制限等に関する基準である景観形成基準には大きさ、色彩など定量的なものと、『周辺と調和を図る』など定性的なものがある。建築物の建築等の行為は、定量的な景観形成基準だけに適合すればよいものではなく、周辺の既存の景観とのバランスも踏まえつつ、周辺も含めた景域全体の質的向上に資するよう、定性的な基準を個別の協議において的確に解釈し、良好な景観形成のための創造的な景観協議を積極的に進めるべきである」としている。
この伝でいえば、いま各自治体が進めている建築物の絶対的高さを例えば20mというような半端な数値で規制することが都市景観にどのような影響を及ぼし、また居住性向上という視点からして、定量的な規制はどのような地域資源の劣化をもたらしているのかいないのか論議してほしいものだ。
名古屋「グローバルゲート」にプリンスホテル出店

「グローバルゲート」完成予想図
豊田通商・大和ハウス工業・日本土地建物・オリックス・名鉄不動産の5社は8月20日、名古屋市中村区の「ささしまライブ24地区」で開発を進めている「グローバルゲート」のウエストタワー上層31階から36階にプリンスホテルがホテル・レストランを開業し、2階から4階にコンファレンスセンターを設置すると発表した。同ホテルとしては名古屋初進出。
「グローバルゲート」は、あおなみ線ささしまライブ駅に直結(名鉄・近鉄名古屋駅から徒歩10分)の36階建てウエストタワー、17階建てイーストタワーの2棟で構成され、延べ床面積は約15.7万㎡。竣工予定は2017年3月、ホテル部分は同年秋開業予定。事業は5社が組成する「ささしまライブ24特定目的会社」が担う。
「ささしまライブ24」地区は、名古屋駅の南に位置する旧国鉄笹島貨物駅跡地の約12.4ヘクタールと中川運河船だまり周辺を含む大規模再開発エリア。
創業30周年の明和地所 「クリオ青葉台」で廊下幅1.5m実現

「クリオ青葉台」完成予想図
明和地所が分譲中の「クリオ青葉台」を見学した。東急田園都市線青葉台駅から徒歩5分の住居系エリアに立地するレベルの高い全34戸のマンションで、4月末から分譲開始しているが、残り5戸と販売も好調だ。
物件は、東急田園都市線青葉台駅から徒歩5分、横浜市青葉区榎が丘の第1種住居地域に立地する6階建て全34戸。専有面積は60.22~84.61㎡、現在、先着順で分譲している住戸(5戸)の価格は5,476万~7,994万円(60.50~82.71㎡)、坪単価は286万円。入居予定は平成28年6月下旬。設計はいしばし設計。施工は大勝。
4月末のゴールデンウィークから販売が始まっており、現在、残りは5戸。戸建てからの買い替えや買い増しが多いのが特徴という。
建物は南向きが中心で、建物の外周を緑で覆い、エントランス部分には鉄平石を配しているのが特徴だ。キッチンや洗面化粧台はカラーセレクト・デザインセレクト・アイテムセレクトが無償で選べる〝conomi〟を採用している。
◇ ◆ ◇
リーズナブルな単価を聞いて、80㎡台のモデルルームを見学してすぐ、人気になるのが分かった。モデルルームはリビングももちろん大事だが、記者は玄関を入ったときの印象を重視する。
このマンションのいいところは玄関とそれに続くホール・廊下にある。廊下幅は何と約1.5mもあった。メーターモジュールの廊下幅を確保しているマンションが少なくなっているとき、この広さを確保しているのにびっくりした。トイレも含めドアノブは壁面まで後退させるか、引き戸を採用していた。
廊下幅が広いのはこのモデルルームだけでなく、60㎡台でも960ミリ(芯心)確保し、1130ミリというのが中心だ。
キッチンもいい。カウンターはステンレスで、食洗機もバックカウンターも吊戸棚も標準。間取りプランでは、主寝室にDEN(約1.4畳大)を設置するとともに、娘との同居を想定した親子で使えるクローゼット(約2畳大)を提案しているのがいい。
最近のモデルルームは子育てを意識したものが多いが、主人や主婦の居場所をもっとデベロッパーは考えるべきだ。その点で、このモデルルームは双方の心をくすぐる工夫を凝らしている。だからこそ、戸建てからの買い替え・買い増しの潜在的な需要を掘り起こしたのだろうと思う。

モデルルーム
◇ ◆ ◇
同社は今年で創業30周年を迎えた。記者は創業の経緯から今日までずっと同社を取材し続けてきた。創業してすぐにバブルが崩壊したが、同社はそれほど影響を受けなかった。それどころか、100㎡の〝ㇾミントンハウス〟に象徴されるように商品企画で業界をリードするまで成長した。しかし、あの〝国立問題〟をきっかけに同社は長い迷路にはまり込んでしまった。
今回の物件を見学して、その長いトンネルから同社が抜け出すのではないかという予感がした。1.5m幅の廊下だ。かつての同社にはそのようなチャレンジ精神が満ちていた。何かをつかむきっかけになってほしい。この物件のほか最近供給した「東小金井」「大島」「清瀬」なども売れ行きは極めて順調に推移しているという。今後の商品企画に期待したい。

エントランス
旭化成ホームズ 二世帯住宅調査報告会・入居宅見学会

久世さんご家族
旭化成ホームズは8月8日、二世帯住宅調査報告会・入居宅見学会を行った。同社は今年、二世帯住宅を販売してから40周年を迎えたが、調査は同居前不安による同居ブレーキの解消法と同居層・近居層の親子間に見る同居アクセルを探ったもの。同居ブレーキの解消法として、水廻りを2カ所設置しながらも互いの水廻りも使用する「Wシェアスタイル」などのプランニング例を提案している。入居宅見学会では、多様なライフスタイルに柔軟に応えていることがよくわかった。
調査報告書は、「息子夫婦同居・娘夫婦同居で異なる同居前不安と交流意識 ~同居前不安による同居ブレーキの解消法と同居層・近居層の親子観にみる同居アクセル~」と題するA4判76ページにのぼるもの。へーベルハウス入居者や将来同居・近居検討者、一般調査など2万件以上のWEBアンケートや訪問調査をまとめたもの。
調査結果からは、同居前に不安を感じている割合は92%に達していることが分かった。息子夫婦同居に対しては「嫁姑の関係」に不安を感じる子世帯妻が88%と最も多く、娘夫婦同居については、子世帯夫は「一人になれない」不安を感じている(64%)など、それぞれ異なった不安を抱えていることが浮き彫りになっている。
同居に踏み切るアクセルでは、息子夫婦同居では、30年前の家父長制などの社会的規範が薄れてきており、一方で「育児協力のため」「親が老齢」などの比率が高まっていると指摘。娘夫婦同居については、「何とか助けあえる」「親の老後を考えて」「育児協力のため」が増える傾向にあるとしている。
親世帯・子世帯の交流では、「すべて別だが交流盛ん」がもっとも多く、キッチンが2つあり他方も使う共用状態が娘夫婦同居では34%にのぼり、「Wシェア型」が増えていると報告。同居前不安の解消を促す二世帯住宅プランテクニックを提案している。
報告会に臨んだ同社取締役常務執行役員マーケティング本部長・川畑文俊氏は、「今年2月に二世帯住宅40周年を迎え、キャンペーンを実施したが受注は順調に伸びている。今年度は2割増を目指している」と、二世帯住宅の受注に注力すると話した。
◇ ◆ ◇
豊島区の久世邸は、建物の老朽化のため建て替えて5年。第一種低層住居専用地域に位置する2階建て延べ床面積約211㎡。1階が子世帯、2階が親世帯。それぞれ専用の玄関を持つが、内階段でつながっており、また、屋上へはそれぞれベランダに設置したサーキュラー階段でアクセスできるよう工夫しているのが特徴。
ご主人(45)は、「それまでマンションに住んでいましたが、同居は漠然と考えていた。マスオ? 気にならないですね。非常に大事にしてもらっている。義母は妻以上に私のことを心配してくれている。両親が地域とのコミュニケーションも取り、地域とつなぐ役割を果たしてくれている」と語り、奥さんは、「母の〝2階で暮らしたかった〟という希望を入れて親世帯を2階にしました。屋上へのアクセスは彼のため。主人は子育てには協力的ですが、家事労働はあまりしない」と話し、大学生の娘さんは、「両親が共働きだったので、おばあちゃんにしょっちゅう面倒を見てもらっていた。母が2人できたよう」と楽しそうに話した。
杉並区の徳田・早川邸は商業地域に位置する賃貸併用の3階建て延べ床面積約527㎡。建物の老朽化と消費増税が建て替え動機となり、1年前から入居開始。元々子世帯が建て替え前の住居併設のアパートの一室に居住していたことから、自然と同居するようになったという。1、2階は賃貸住宅。3階の1フロアをほぼ完全に分離して、お互いがなるべく干渉しないようにプランニングしているのが特徴。親世帯にはホームエレベータが設置されている。
音楽プロデューサーの徳田邸のご主人(62)は、「(義理の)息子も仕事が忙しそうで、1週間に1回くらいしか顔を合わさない。全く干渉もしない。プランはわたしがまずキッチンの位置を決めた」という。「これまで娘3人を含め、女系家族だったので、孫に男の子が生まれ、女房は久々に家に男が入ってきたと喜んでいる」と笑わせた。料理は玄人はだしのようで、調理師の免許を持っている。
奥さん(62)は、「娘と住めるのはとても気楽で楽しい。お婿さんには気を遣うが自然体で接してくれている」と話した。
早川邸の奥さん(32、徳田氏の次女)は、「お互いプライバシーを尊重しており、食事が一緒というのもほとんどないが、隣に親が住んでいる安心感がある」と語った。

徳田さんご夫婦と娘さんの早川さん&お子さん(久世さんのお宅と同様、キッチンが素晴らしい)
旭化成ホームズ 二世帯住宅「娘夫婦同居」30年前の23%から34%へ この数字の意味(2015/8/9)
三井デザインテック ミラノサローネに見る最新のトレンドをリポート

三井デザインテックは8月17日、今年のミラノサローネ国際見本市の分析と家具や空間デザインの最新トレンドをまとめた「Design Trend Report 2015」を発表した。
レポートは、今年のミラノサローネでは、彩度・明度とともに低く、全体的に落ち着いた深みのあるカラー表現が昨年同様よく見られたとし、全体的にくすんだグレイッシュなカラーが多い一方で、シーズンカラーとして赤の存在感が目立ってきているとしている。
また、形状の変化としては、生活スタイルに応じて自在に形をアレンジできるモジュール・システムが増加し、フレキシブルなフォルムの家具が多く展開されてきており、特に、今シーズンは曲線を活かした形状のデザインや軽量感のあるフレーム・デザインが特徴的としている。
さらに、ウッド素材と最新デザイン技術が融合した独特の素材感が加わっているパターンが多く、アフリカやインドなどの伝統的な柄をアレンジしたパターンなどもよく見られた。
スペースデザインとしては、ブラックを効かせた、クラシックとモダンが調和した空間スタイリングがトレンドとして数多く展示され、可愛らしさとクラシカルさがミックスした柔らかい色の組み合わせによるノスタルジックなスパイスを効かせたフェミニンな空間スタイルも注目されたとしている。
ミラノサローネ全体から見える様々なトレンドを分析した結果、新しいデザインの潮流は、「原点回帰」「本格派志向」「手作り」だという。
以上のような傾向から読み取れる2015年のインテリアトレンドにおけるキーワードは、「Exceed The Nostalgia~手仕事によるクラフト感と時代を超越した上質感~」であり、レトロとモダンがミックスされ、人の手を感じられるインテリアが多く登場してくるとしている。
三井デザインテックは10年にわたり、ミラノサローネを定点観測しており、デザイントレンドレポートとして毎年発表。2015年は7月24日を皮切りに、業界関係者向けに三井デザインテックデザインラボラトリー所長・見月伸一氏によるデザイントレンドレポートセミナーを開始している。

