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植樹式

 積水ハウスは5月19日、同社の環境技術実証実験住宅3棟を結集した「積水ハウス エコ・ファースト パーク」を同社の関東工場(茨城県古河市)に新設、広く一般に公開していく。同日、和田勇・同社会長兼CEO、阿部俊則・同社社長兼COO、北村茂男・環境副大臣、楠田幹人・茨城県副知事、菅谷憲一郎・古河市長らが出席して開所式や植樹式・メダカ放流式が行われた。

 「エコ・ファースト パーク」は総面積2万8,000㎡。地球温暖化や生態系問題、資源問題などの〝学びの場〟として提供するもので、2006年に国立市に建設した「風の家」、2008年に洞爺湖サミットの環境ショーケースとして建設された「あしたの家」、2010年に横浜市に建設された「木の家」をそれぞれ移築、「いきものの庭」「資源の泉」などを加えた施設で構成。

 開所式で挨拶した和田会長は「後世に伝えられる設備を備えた住居つくりを99年から取り組んできたが、その活動の歴史の中で象徴的なモデル施設を一か所に集約できた。たくさんの人に若いうちから環境を学ぶ場所にしていただきたい」と述べた。

 来賓として出席した北村環境副大臣は、「行政、企業、市民が一体となり地域を盛り上げ、そして環境について学ぶ場として発展していくことに期待したい」、楠田副知事は「茨城はエコに積極的に取り組んでいるので、県民に親しみのある施設になるよう施設にしていただきたい」、菅谷市長は「行政としても環境に配慮した取り組みを行う心は積水さんの理念と同じ」などと語った。

 同社は、2008年に①家庭部門と事業活動に伴う二酸化炭素排出量制限の積極的推進②生態系ネットワーク復活の積極的推進③資源循環の徹底推進の3つを環境大臣と約束し、業界初の「エコ・ファースト企業」として認定を受けている。

 場所はJR宇都宮線古河駅から車で20分。開業時間は10:00~17:00。入場無料。見学の際はホームページで予約が必要。(岡田寛子)

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左から和田氏、北村氏、楠田氏、菅谷氏

◇        ◆      ◇

 全体の見学時間は2時間もなかったので、回りきれなかったのが残念だった。じっくり見学するには少なくとも5時間は必要だとおもう。それくらい中身の濃い「パーク」だと思う。

 今回、報道陣に公開された「エコ・ファースト・パーク」の「風の家」も「あしたの家」も「木の家」も記者は見るのが初めてだった。なにより嬉しかったのは、同社の「5本の樹計画」や木造住宅「シャーウッド」ファンの記者としては、主力の「鉄」ではなく、環境と親和性の高い「木の家」が移築されたことだ。

 もう一つ、2003年に開設された建設現場の廃棄物を分別し、100%資源化する流れを学べる「資源の泉」がいい。以前はそのまま廃棄されていた廃材が最初27種に分別され、最後は80種まで細かく、しかもタグ付きだからどこで廃棄されたかもトレースすることができる。これも素晴らしい。

 同社が消費者から圧倒的な支持を得られるのも、こうした地道な活動があるからこそだと納得もした。和田会長は「1999年に『環境未来計画』を発表したとき、業界からもマスコミからもばかにされた。今は、環境を語れない企業は存続できない」と話したのが印象に残った。

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メダカの放流式

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メダカの放流式

◇            ◆      ◇

 ひとつだけ、今回の見学取材で我慢がならなかったことがある。古河駅から同社が用意したバスで「「エコ・ファースト・パーク」が開設された同社の工場に向かったのだが、おそらくプラタナスだと思うが、道路の街路樹として植えられていたその樹木は変な選定をやったために瘤だらけになり、支柱がないせいかひん曲がり、無駄なヤゴやら幹ぶき、徒長枝だらけ。木は悲鳴をあげていた。きれいに選定され、樹木1本一本に名札が付けられた同社工場敷地内の樹木とは対照的だった。

 この日、古河市長もセレモニーには出席されていたので、このことを話そうと思っていたが、その機会はなかった。残念無念。(牧田 司記者)

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古河市の街路樹(左)と駅前広場のケヤキと思われる木

 国立市議会は5月19日、先の市議選で上原公子元市長を支持する国立・生活者ネットワークの候補3名が全員落選したため議会勢力図が逆転したことを受けて、上原元市長に対する求償権の行使を求める決議を賛成13名、反対8名で可決した。

 議決では、これまでの経緯に続いて「さる4月26日に実施された統一地方選挙の結果、佐藤市長は、圧倒的多数に支持を受けて再選され、国立市議会の議員構成にも大きな変化が生じた。この選挙結果は、国立市における直近の民意を反映するものであることは言うまでもない。そこで、国立市議会は、改めて上記放棄決議に反対の意思を表明するとともに、佐藤市長に対して下記のような求償権の行使を求める」としている。

 「下記のような」とは、東京地裁平成21年(行ウ)第249号損害賠償請求事件(住民訴訟)のことで、上原元市長に3,123万円と金利分を支払うよう求めた判決。

国立「求償権裁判」被控訴人(上原元市長)側が弁論・意見陳述(2015/5/16)

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「アトラス調布」

 旭化成不動産レジデンスは5月18日、調布富士見町住宅の建て替えマンション「アトラス調布」のマスコミ向け竣工見学会を実施した。

 物件は、調布駅から徒歩14分。調布市富士見町に位置する地下1階、地上6階建(南棟=ひかりの棟)と8階建(北棟=杜の棟)2棟総戸数331戸(非分譲104戸含む)。専有面積は61.02~80.13㎡、価格は4,183万~5,541万円。駐車場は地下に136台収容。平成27年5月竣工。設計・監修はNEXT ARCHITECT&ASSOCIATES。施工は東急建設。約8割が販売済み。

 マンションの建替え等の円滑化に関する法律による建替えでは初めてと思われる「公道の付け替え」を実施。公道が2棟のマンションを分断しないよう、その両側に並木や植え込みを配し、アルゼンチン斑岩を使用することでマンション敷地内に公道が走る違和感を緩和。共用施設にはガーデンカフェ、キッズルームがある。

 建物は居住性を高めるため雁行配棟とし、基壇部の見切り水平ライン、住戸ブロック切り替えのコーニス、トップの庇形状、ロートアルミの手すりなどに工夫を凝らすことで全体として重厚感のある形状にまとめている。(岡田寛子)

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エントランスに隣接した庭

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セントラルガーデン(完成予想図)

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 上記の記事は岡田記者が書いたものに若干手を加えたものだ。このマンションについては別掲の記事も参照していただきたい。記者は私用で見学会は欠席したが、前日にじっくり時間をかけて見学・取材した。どうしても自分の目で完成後の物件を見ておきたかったからだ。

 その理由は、2年前のモデルルーム見学会の時に記事にした「模型を見たとき鳥肌が立つような感覚を覚えた。(ネクスト社の)山中氏は『道から始めた』『車には遠慮してもらう』と語ったように、道と建物との一体感・調和にこだわった企画意図」がその通り実現されているのかどうかを確認するためでもあった。

その企画意図はほとんど瞬時に理解した。雁行配棟のよさについてはいまさら言うまでもないことだが、ランドプランは想像以上の出来栄えだった。

 たまたま関係者らの見学会が行われており、物件担当の同社開発営業本部第一営業部長・阿佐部肇氏や、設計・監理を担当したネクスト社のスタッフから説明を受けたのだが、幅員5mの車道には、「アルゼンチン斑岩」が敷き詰められていた。これには驚いた。アルゼンチン斑岩は丸の内仲通りや横浜元町などの街にも用いられているそうで、この石張りの道路を見ただけで、街づくりに込められた強い意志を感じた。よくぞ行政の道路関係者などを説き伏せたものだと感嘆もした。

 車道にはピンコロ、イメージバンプを多用して車のスピードを抑制する効果を高める工夫をするとともに、その一方で、車道と舗道・敷地の境をなくしている。実際の市道は車道の両端それぞれ1.25m延長したまでで都合8m幅なのだが、ところどころに鋲を打ち込む以外に境界線はまったくない。総延長は200m近くあった。

 付け替えた公道を景観の一部に取り込み一体として開発した画期的なマンションになるはずだ。

 植栽計画もいい。敷地・舗道にはシンボルツリーの百日紅のほか、サクラ、ヤマボウシ、エゴノキ、シラカシなどの高木もたくさん植えられているのだが、これらは組合員を含む関係者が千葉や埼玉の植木屋さんめぐりをして選定したのだという。サルスベリの樹齢は数十年もするもので、「瘤(こぶ)」がないことでも自然のまま育てられてきたことがよく分かる。

 舗道空間と緑地帯のランドスケープデザインを際立たせているのが建物の基壇部の見切り水平ラインだ。この横筋を1本通すことによって散漫になりがちな風景をきりりと締めている。見事というほかなかった。

 抜け・奥行き感を意識したエントランス部分の空間演出もなかなかいい。

 見学会では、NEXT ARCHITECT&ASSOCIATESの山中猛社長が「景観や街並みを大切にしたかったから、デザインはマンションっぽくしたくなかった。雁行型にしたり、ラインを変えたり工夫をした。道路に関して言えば、道路屋になれるくらい研究した」と語ったそうだ。「道路屋」という職業があるのかどうかしらないが、街をつくるのに「道」から考えた、あの宮脇檀の哲学に通じるものがある。車優先から人優先の道づくりがこれからも増えることを期待したい。

 昨日見た古河市の道路の街路樹プラタナスは苦痛で身体が歪み悲鳴をあげていた。

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「アトラス調布」 道からつくり、道を中庭化したマンション(2013/7/25)

 

 

 

 

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公判後の集会で挨拶する上原氏

 国立市が上原公子元市長に損害賠償金の「求償」を求めた裁判(東京地裁平成26年9月25日判決言渡し)の控訴審第2回口頭弁論が5月14日、東京高裁で行われ、被控訴人(上原氏)と代理人が意見陳述・弁論した。市側は「求償権に関する決議の採択がなされる予定で、これを書証として提出するには1カ月はかかる」とのみ答弁し、閉廷。次回は7月16日の予定。以下、被控訴人側の意見を紹介する。

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 中村晋輔弁護人は事実論として、先の住民訴訟判決について触れ、「このような裁判所の認定こそ、強引かつ異例な認定であり、証拠に基づくことなく、被控訴人(上原氏)に対する悪意や偏見に基づいた不公平かつ不相当のもの」と指弾。明和マンション訴訟についても、運動は「被控訴人が扇動したものではなく、住民が自主的・自発的に結成して、進められたもの」で、地区計画も同様に住民が主導したもので、また、「被控訴人は、明和地所という特定の企業の営業活動を狙い撃ち的に妨害しようとしたのではなく、あくまで景観保持という政治理念に基づいた行為」であり、「原判決は正当なものであり、本件控訴は棄却されるべき」と主張した。

 田中隆弁護人は違法性論に言及。上原元市長が行った地区計画・条例改正、市議会での答弁、東京都への要請など一連の行為には違法性がないと主張。さらに、「にもかかわらず、明和訴訟控訴審判決などは、それぞれの行為がいかなる意味で違法性を帯びるか明らかにできないまま、恣意的な3つの基準を持ち込んで、『全体的に観察すれば違法』と決めつけただけのもので、法的評価に値しない」と論じた。求償権の行使は、私利私欲による場合などに限定すべきという考えを示した。

 上原氏は、自らが取った一連の行為について、「市民の血のにじむような努力に応えて、議会を含めて、行政も『オール国立』の問題として全身全霊をかけて取り組んできました。そして、その結果が、『保護すべき景観利益』という最高裁判断と、『景観法』制定という形で、国を動かした…地方自治の成果に対して、後に、退職した市長に求償という形で責任を負わせることが認められるならば、今後、民意を一身に受けた首長の決断に大きな制約を生じることはあきらか…この裁判の判決如何によって、今後の地方自治のあり方に、大きな影響があることは間違いない…より個性的で価値あるまちづくりの模範的ケースである国立市の景観問題が、政治的圧力の事例にならないよう、裁判所の公正なご判断がなされるよう、切に希望します」などと陳述した。

◇       ◆     ◇

 裁判後の住民側の集会で、窪田之喜弁護人は「秋に行われそうな第2回目の裁判で結審となりそうだが、(市側から)どのような内容が出てこようが切り返す」と決意を述べた。

 また、国立市議会は先の求償権放棄決議に反対する新たな議決を準備していることが報告された。5月19日に行われる議会で決議される模様だ。

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 法廷で3名の弁護人の陳述に続いて、淡いグリーンの和服姿の眼鏡をかけた女性が立ち上がり、用意した文章を読み上げた。40席ある傍聴席はすべて埋まり、最後列に座っていた記者は顔がよく見えず、弁護人が上原氏の陳述を代弁しているのかと思った。

 その女性が着席し眼鏡をはずしてやっと上原氏だということが分かった。10数年振りにお会いする上原氏はずいぶんほっそりと見えた。

 記者がこれまで書いてきた一連の国立マンション問題の記事に対して、〝上原バッシング〟だとか、〝明和からお金をもらっているんじゃないか〟などといった批判もあるようだが、これはまったく的外れであることを断言しておく。

 記者は上原氏に対して個人的にはなんの恨みつらみもないし、むしろかわいい人だと思っている。市長として行った行動が、明らかに法律を逸脱していたからこそ書いているにすぎない。

 〝お金…〟については〝おほめ言葉〟として受け取る。記者は当時、この問題は「国立市対明和」ではなく「全国の自治体対不動産業界」の問題であると考え、「こんな違法な行為を許せば、全国いたるところで建物の絶対高さを規制する動きが始まる」と主張し続けた。明和問題がきっかけに燎原の火のごとく、建築物の絶対高さを定める条例が広まったのは周知の事実だ。「上原さんの暴走がなければ…」と今も悔しい思いをしている。その意味では上原氏は憎い。

 しかし、記者はこれまで40年近く、いかなるデベロッパーからもお金をもらってその企業を利する記事を書いたことはない。仮に明和からお金をもらって記事を書けるのなら、ほかのデベロッパーからもお金をもらって記事を書く。

 そんな記事を書いてきたら、田園調布は無理としても家の一つや二つは建つはずだ。上原氏の一連の行為は〝私利私欲〟に基づくものでないと主張されることと同様、記者はお金では動かない。そんなことをしたら自殺行為だ。自死する勇気は記者にはない。

◇    ◆   ◇

 以下は取材に同行した岡田寛子記者が書いたもの。ほとんど手を加えず紹介する。

 記者は、今回の国立市対元市長上原氏に対する求償事件の発端ともなった国立マンション事件(民集60巻3号948頁)から、一連の経緯について関心を持ってきた。

 先日、国立市議会議員選挙のあと、国立市役所へ取材に行くため、初めて駅に降り立ち、一橋大学まで続くイチョウや桜並木は素人目で見ても緑の芽は鮮やかで美しく、非常に綺麗な街並みを「みんなで守っている」ということが伝わってきた。

 また取材を受けてくださった市議の方々も、今後の活動について市民のための街つくり・環境つくりに取り組み、住民のための政治をしたいと口にする議員もいた。この街における「景観」を守ろうという意識の高さを感じた。

 そして、市民の方々にも今後の市政に対する期待や意見等を伺ったのであるが、当時の上原氏の政治活動については「きっと上原さんは、市民を思って行動してくれていたと信じていますよ」と。そして求償権については「もう終わったことだから、水に流していいんじゃないのですか」と非常に寛容な意見を頂戴した。

 記者は、原審の判決言渡しにある通り、上原氏の行為に「違法性」はなかったと考えている。

 確かに、当時(詳細は本HPの関連記事を参考にされたい)市長のとった一連の行為は、「明和地所を狙い撃ちにする行為であり、明和地所を街から排除するためのものだ」との強い批判も多くあった。

 しかし、今一度ここで考えてほしい。

 果たして、市長が「そこに住まう人のよりよい生活を確保するために」した公務を裁判所が“違法”と判断したことが、ただちに市長個人に直接の賠償請求を安易に認めることが民主主義のあり方なのだろうか。

 これがまかり通る社会になっては、市長の公務に委縮効果をもたらし、憲法92条に定める「地方自治の本旨」を絵に描いた餅にしてしまうのではないか。

 民主主義社会の実現のために市民と行政がパートナーシップを築くことで、より市民に配慮の行き届いた行政活動をすることが、市長の役割であり、望ましい市民自治のあり方なのではないかと考える。(岡田寛子)

国立市議会勢力図が逆転 どうなる上原氏への損害賠償請求(求償権)(2015/5/1)

上原・元国立市長への求償は当然 議会「決議」の法的効力は? (2015/1/31)

「求償権の放棄」は問題 国立市は上原元市長に賠償請求すべき(2014/10/1)

 

 

 不動産協会は5月14日、第55回定時総会終了後に懇親会を行った。

 冒頭に挨拶した木村惠司理事長(三菱地所会長)は今年度の重点活動について4点を挙げ、「第一に、都市と住まいに関しては、2020年の先を俯瞰し、中長期的な視点から民間の役割、政策はどうあるべきかなどを提案し情報も発信していきたい。第二は大都市問題。国家戦略特区、規制緩和などについて行動していく。第三は豊かな住生活はいかにあるべきかについて。国交省も住生活基本計画の見直し作業に入った。スマートウェルネスシティなどについて考えていく。第四は税制問題。固定資産税や消費税の軽減税率などについて理論武装していく」と語った。

 また、海外からのインバウンドにどう対応していくか、エネルギー・資源問題も大きな課題であること、都市再生を地方創生につなげていくことも大事などと話した。

 乾杯の音頭を取った岩沙弘道会長(三井不動産会長)は、「今年はデフレからの脱却、強い経済を取り戻す正念場であり、成長戦略の道筋を構築しよう。明るさは見えてきている。2015年が日本再生元年になるようにしなければならない」などと語った。

 来賓として挨拶した鈴木馨祐・国土交通大臣政務官は、大都市圏での容積率の緩和にも言及した。

 

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、「新宿三井ビルディング」

 三井不動産は5月14日、「新宿三井ビルディング」で行っていた長周期地震動が発生した場合の揺れを大幅に低減させる、日本で初めての超大型制震装置TMD(約1,800t)の屋上設置工事が4 月30 日に完了したと発表した。

 工事は、東日本大震災時に長周期地震の揺れが大きかった新宿エリアに建つ「新宿三井ビルディング」において、今後の長周期地震動発生に対し揺れ幅を最新鋭の超高層ビル並みに抑えオフィス就労者の安心感を高めるため、2013 年8月中旬頃から鹿島建設の設計施工で着工していた。

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概念図

三井新宿ビル重さ1,800t、マンション52戸分の制振装置一部完成(2014/9/2)

 

 

 三井不動産は5月13日、中期経営計画「イノベーション2017 ステージⅡ」(2015~2017年度)を発表した。2012年に策定した中期計画「ステージⅠ」の実績と環境の変化を踏まえ、2017年度の定量目標として、営業利益2,450億円以上、海外事業利益300億円以上、当期純利益1,300億円以上、ROA1.3程度、ROE7%程度を掲げた。向こう3年間のNET投資額(投資額-回収額)は10,500億円とした。

 2012年に策定した2014年度を最終期とする中期計画「ステージⅠ」では、14年度定量目標を1年前倒しで達成。今回の計画は、2020年代を見据えた成長戦略を策定したもの。

 新たな中期経営計画では、「国内事業競争力の一層の強化」と「海外事業の飛躍的な成長」を重点課題に据え、成長戦略を決定。

 街づくりは、社会の成熟化・ライフスタイルの変化に対応するため、世界から人材、情報、投資が集まる魅力ある街づくりを行う。

 オフィスビル事業の進化は、オフィス空間の賃貸にとどまらず、テナント企業とのコラボレーションにより、同社グループならではの新たなサービスを提供していく。

 商業施設事業の更なる展開としては、今後開業予定の郊外型・アウトレット・都心型の施設を着実に推進するとともに、高難度の開発案件に取り組めるノウハウを活かし、さらなる事業機会を獲得していく。また、高難度な市街化地域や農業開発地域でのさらなる事業機会獲得に取り組む。

 物流施設事業の拡大については、物流施設の3%未満と伸びる余地があり、物流REITの設立により投資家共生モデルを進化させ、確保した物件の物流施設を展開していく。

 住宅事業の競争力強化としては、人気の高い都心大規模再開発を中心とした新築住宅を多様化、海外の富裕層などの顧客ニーズの変化へ対応した商品企画を拡充し、介護サービス付き高齢者向け住宅事業にも取り組む。

 住宅事業の競争力強化としては、質・量とも圧倒的な№1を保持しつつ、リフォームを中心とした住宅ストックビジネスをさらに成長させる。

 ホテル・リゾート事業の拡大については、社会の成熟化の進展に伴う余暇ニーズの拡大と増加するインバウンドツーリストを取り込むため、ホテル事業の客室数を2020年度に1万室体制へ拡大する。リゾート事業も、合歓の郷をはじめとしてアジアを代表する施設を展開する。

 投資家共生モデルの推進としては、物流REITなどアセットクラスを拡大しつつ、不動産投資市場とともに成長するビジネスモデルを進化させる。

 海外事業では、欧米は55ハドソンヤード/ニューヨーク、テレビジョンセンター再開計画/ロンドンなどの優良な事業機会を継続的に獲得し、安定的な収益基盤を築く。アジアでは、クアラルンプール、上海、マレーシア、ジャカルタ、台湾、バンコクでの住宅、商業施設での急増する需要と拡大する消費を取り込み、早期に利益を拡大させる。

                              (岡田寛子)

◇       ◆     ◇

 菰田社長は約50分間、「声変わりしたころからこんな声」と本人が言うややハスキーな声でよどみなく一気に話した。集まった記者は80人近く。先の東京オリンピックの「東京2020ゴールドパートナー」契約発表会と同様、わが国のナンバーワンデベロッパーであることを強烈にアピールした。

 まず、イノベーション2017のステージⅠを1年前倒しして達成したことから語りだし、事業環境、10年後の重点課題について語り、具体的な街づくり、ビル賃貸、商業施設、物流、住宅、ホテル・リゾート、海外事業などについて成長戦略を披露した。

 飛び出す文言は「成長」「拡大」「堅調」「飛躍」「増加」「着実」「革新」「進化」「強化」「豊富なパイプライン」「卓越」「ソリューション」「機敏な対応」「グローバル企業」など前向きなもので満ち溢れた。

 記者も少なくとも2020年までは不動産を取り巻く市場環境は、地価の上昇、建築費の上昇、職人不足の深刻化などの課題・懸念はあるものの極めて明るいと思う。

 しかし、その一方で安倍内閣が推進する国土強靭化政策、地方創生は果たして奏功するのか、あの列島改造とどこがどう違うのか、地方と都市の格差をさらに拡大することにならないか、所得格差が広がるのではないか、農林業などの美しい国づくりの基盤である第一次産業はどうなるのか、天災への備えは大丈夫か、文化の破壊は修復できないまで進行するのではないか…などと考えてしまう。

 海外投資についても、同社は3年間で5,500億円を投資するが、中国や北朝鮮、アジア・アフリカの民族問題などカントリーリスクはないのか、社会・経済の変化はどのような影響を及ぼすのか、エネルギー・資源問題、核の問題はどうなるのかなどを考えると、明るい未来など描けない。グローバルなリスクにどう対応するのかも不安だ。

 われわれは平成の時代に入ってわずか27年間の間にバブル崩壊-阪神淡路-リーマン・ショック-3.11(原発)を経験した。

 記者は、もう二度とこのようなつらい経験はしたくない。懸念は杞憂に終わってほしいと願うばかりだ。

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「ブランズタワー みなとみらい」完成予想図

 東急不動産が6月上旬に分譲する「ブランズタワー みなとみらい」を見学した。「みなとみらい」駅から徒歩2分、みなとみらいのシンボル的存在「クイーンズスクエア横浜」に隣接する免震の29階建てタワーマンション。坪単価は当初380万円くらいと見られていたが、資料請求が7,000件を突破し、人気が高いことから400万円に〝上方修正〟される模様だ。

 物件は、みなとみらい線「みなとみらい」駅から徒歩2分。横浜市西区みなとみらい3丁目に位置する地上29階、地下1階建て228戸(非分譲住戸30戸含む)。専有面積は43.09~120.31㎡、価格は未定だが、坪単価は400万円になる模様。竣工は平成28年12下旬予定。設計・監理・施工は清水建設。販売開始は6月上旬。資料請求は昨年11月からこれまでに7,000件を突破している。

 現地は、クイーンズスクエア横浜のほかに3つの一流ホテルが近接。建物の北側には「パシフィコ横浜」が北東側には横浜港が広がる。

 住戸プランは70~80㎡台のファミリー向けが中心。スクエアなプランが多く、廊下幅はメーターモジュールを採用。リビング天井高は標準階が2550ミリ、上層階は3000ミリ。

◇      ◆     ◇

 立地条件がいいのは言うまでもないことだが、記者がいいと思ったのは住戸プランとデザインだ。これまで分譲されたみなとみらい21エリアマンションの中では、三菱地所の第一弾マンションもよかったが、今回もいい。1フロア7~8戸構成で、スクエアプランが中心だ。カラーリングは白が基調で、建具・ドアはピアノ塗装。廊下幅はメーターモジュールを採用している。上層階の住戸のリビング天井高は3000ミリで、建具・ドアはほとんど天然木の突板仕上げ。

 販売センター・モデルルームを海が見えるクイーンズスクエア横浜の17階に設けたのも正解。

 同行した岡田寛子記者はモデルルームを見学して、「眼下には横浜港が広がり、海をまさに独り占めした気分になる眺望…晴れた日には雄大な海を見つめ、夜は横浜の夜景を、夏は花火大会を楽しめるという、これ以上の贅沢があるだろうか…空の青さと海の蒼さがここに住まう人の心を高揚させることは間違いないと確信した…天井から降り注ぐ間接照明は、高級ホテルにいるような落着きを感じる」などと、コピーライターも書けないような言葉で絶賛した。一般のお客さんもそう感じるはずだ。

 坪単価について。当初、業界内では「坪380万円くらいではないか」という声が広がった。記者はもっと高くなり、坪400万円を突破するかもしれない」と思っていた。その通りとなった。安くはないが、都内の都心物件と比べ、設備仕様・プランなど総合的に判断して極めてリーズナブルな単価ではないか。東建の「目黒」がどうやら坪600万円から坪580万円に〝下方修正〟されたらしいが、これはこれで納得。現段階で坪600万円というのはいかにも高い。

 みなとみらいでマンションが分譲されるのは7年振りで、新高島駅圏では近鉄不動産・三井不動産レジデンシャル「BLUE HARBOR TOWER みなとみらい」(355戸)もある。こちらも見学してレポートしたい。同エリアではこの2物件が最後のマンションになる可能性が大きい。

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大阪市三国小学校で行われた「ふれあい授業」の様子

 アキュラホームとグループ会社のオカザキホームは、間伐材を加工し製作した小学校学習用机の天板計2,210枚を2014年度に寄贈、全国13校でふれあい授業を実施した。

 木の家を提供する企業として行っている、子どもたちに木の素晴らしさを伝える「木望(きぼう)の未来プロジェクト」の一環で、2011年度から取り組んでいるもの。これまで累計で寄贈天板は8,230枚にのぼっている。

 このほか、未来プロジェクトでは、出張授業「ふれあい授業」を行い、講演やカンナがけ体験などを通じて森林の大切さなど自然環境を学び、木材に直接触れる活動を行っている。

 活動は2011年にはキッズデザイン賞、2012年にグッドデザイン賞「ベスト100」をそれぞれ受賞している。

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「カラマツ」の出荷

 創建は5月8日、含水率を8%程度に抑えた北海道産の無垢材を一戸建て「ルナ越谷レイクタウン」で採用すると発表した。

 北海道夕張郡栗山町の「栗山町ドライウッド共同組合」が導入する新しい乾燥技術「コアドライ」を用いた産地証明付き無垢材「カラマツ」を柱に採用。ルナ越谷レイクタウンで4棟を着工した。

 含水率を8%程度にすることで、ねじれ・曲がりを大幅に抑え、集成材と同様の優れた寸法安定性を実現した。

 ルナ越谷レイクタウンは、JR武蔵野線越谷レイクタウン駅から徒歩15分、越谷市越谷レイクタウン1丁目に位置。土地面積は150.00~196.87㎡。建物は平成27年5月中旬~6月中旬に完成する予定。

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上棟時(赤みがかったカラマツ材)

 

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