東京建物 新グループステートメントは「次も選ばれる東京建物グループへ」
東京建物は2月12日、本年度をスタートとする5年間(2015~2019年度)のグループ中期経営計画を策定し発表した。
新しいグループステートメントは「次も選ばれる東京建物グループへ~革新的なグループシナジーで驚きの価値提供を~」。顧客から〝次も選ばれる〟ため、ハード面のクオリティだけではなく、上質なソフトやサービスを追求した事業展開を行うことで、〝お客様が驚きを感じられる魅力あふれる価値〟を提供しようという気持ちを込めた。
定量目標は営業利益500億円。「独自性や強み」を生かした分野への投資を進め、各事業のバリューチェーン強化と、多様な事業の有機的な協働による驚きの価値提供に努める。
このため、東京建物不動産販売の完全子会社化を行い、グループ総合力の強化を図る。具体的には東建不販の住宅販売機能を東建に統合し製販管一体化を図り、東京建物アメニティサポートの子会社化も実施する。東建不販に東建のCRE戦略支援機能を移管。シニア事業は東京建物シニアライフサポートに集約。余暇関連子会社の統合も行う。駐車場事業も拡大する。その他、事業領域を重点対象としたM&Aも推進する。
東京建物 7月から株式の売買単位を100株に
東京建物は2月12日、同社の単元株式数を現在の1,000株から100株に変更すると発表した。平成27年3月26日に予定されている株主総会で決議し、27年7月1日から発効する。
全国証券取引所は、売買単位の集約化に取り組んでおり、売買単位を100株に集約することを目指している。現在、上場会社の69.4%(2,407社)が100株単位になっている。
現在、主な不動産会社では三井不動産、三菱地所、住友不動産、大京が1000株単位となっている。
中央住宅 同社初の再開発「春日部」 「スタッフの目の色が変わってきた」金児氏
ポラスグループの中央住宅がグループ初の市街地再開発に事業協力者として参画することが決まった。埼玉県春日部市の「春日部中央一丁目再開発事業」で、昨年10月、再開発準備組合の臨時総会で同社とフジタが事業協力者として決議された。
事業地は東武伊勢崎線春日部駅西口から徒歩3分、開発総面積は約2.5ha、延べ床面積は約15.0ha。マンション約300戸のほか、地権者のイトーヨーカ堂などの店舗、事務所、公益施設などが予定されている。今年度中に都市計画決定され、着工は平成30年度、竣工は33年度の予定。
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このニュースはすでに建設関係の業界紙にも報じられているが、同社グループ中央住宅取締役事業部長・金児正治氏と一昨年の暮れに懇談した際に、金児氏は「これからは供給エリアを広げ、規模についても他社とのJVを視野に入れた大型案件、マンションと戸建ての複合開発、さらにはリノベーション、再開発案件にもトライしていく」と語っている。
マンションや戸建て事業の拡大はよく理解できたが、再開発とはずいぶん大きな夢というか大風呂敷を広げるものだと聞き流した。おそらく、そのころからこの春日部の再開発案件が水面下で進められていたのだろう。あのとき、突っ込んだ質問をしていればヒントくらいつかめたかもしれないと思うと残念だ。
同社が沿線地域の再生・活性化に取り組むのは大賛成だ。東武伊勢崎線は交通の利便性が極めて高いにも関わらず、埼玉県側には宴会・会合ができるホテルはひとつもなくデパートもない。文化の香りも欠けている。
そのために、首都圏でもっともマンションの単価相場の低いエリアとしてバブル以前から定着してしまっている。駅前の一等地でも坪単価は180万円がアッパーだ。
春日部は、宿場町として栄えた県東部の「核」都市だ。同沿線では北千住とともに特急停車駅で、東武野田線ともつながっていることから交通の要所でもある。建売住宅やマンションもよく売れた時代があった。
しかし、バブル崩壊後は衰退の一途をたどっている。三井不動産が「ララガーデン春日部」を2007年にオープンして街が一変するかと思われたが、人口減少傾向は今も続いている。
再開発プロジェクトといえば大手デベロッパーの独壇場だが、沿線の街を熟知しているポラスがどのような新機軸を打ち出すか。ここが成功すれば、他のエリアに一挙に広がるはずだ。
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「最近はスタッフの目の色が変わってきた」-金児氏は最近のマンションや戸建ての販売状況がいいことをこのように表現した。
その一つが、同社の新ブランド「ルピアコート」の第一弾ルピアコート光が丘公園」(50戸)だ。昨年9月、見学会が行われたとき、坪単価は250万円と聞いて〝果たして大丈夫か〟とも思ったが、すでに残りは15戸と好調だ。
1年前に分譲開始した坪単価190万円の「ライフピア新越谷プレジール」(41戸)も完売した。この物件は見ていないが、「南越谷」では三菱地所レジデンスが分譲中だ。戸数は三菱の156戸にかなわないが、単価(三菱は185万円)では互角以上だ。
都内に進出した戸建ても順調に推移している。昨年6月から分譲を開始した「マインドスクェア練馬春日町」(12区画)も残り1区画だという。記者は見学した時点で〝売れる〟と判断したが、隣接地のあるメーカーの戸建ては苦戦しているという。
住宅・不動産業界を取り巻く環境はリーマンショックを機に激変しており、大手の寡占化が進んでいる。マンションも戸建てはもちろん仲介、リフォーム・リノベーション、空き家対策などあらゆる関連分野でシェアを伸ばそうとしている。中堅は防戦一方だ。その点、ポラスには沿線で営々と築いてきた地盤がある。とくに戸建ては大手も侵攻できないのが現状だ。逆にポラスが大手の分野に攻め入るシーンが見られるかもしれない。
ポラス 大手を意識した分譲戸建て「練馬春日町」 十分戦える商品企画(2014/6/20)
野村不動産 京都初の「プラウド」40戸 坪単価370万円でも即日完売
野村不動産の京都初の“プラウド”プロジェクト「プラウド京都麩屋町御池」(43戸、非分譲3戸含む)が即日完売した。坪単価370万円の高額ながら、約550件の来場があり、第1期、第2期とも競争倍率がついた。購入者のうち23.3%が東京都居住者。
「プラウド京都麩屋町御池」は、京都市営地下鉄東西線京都市役所前駅から徒歩4分の10階建て。専有面積は67.40~104.10㎡、価格は6,880万~13,980万円(最多価格帯7,900万円台・8,300万円台・8,500万円台・8,900万円台)、坪単価370万円。第1期(35戸)は昨年12月13日に抽選分譲され、最高5倍、平均1.86倍。第2期(5戸)は今年1月24日に抽選分譲され、最高10倍、平均3.6倍となった。
申込者の平均年齢は57.3歳。家族数は平均2.4人。職業は会社役員27.9%、会社員23.3%、医師18.6%、オーナー経営者12.8%。居住地は京都府26.7%、東京都23.3%、大阪府14.0%。
同社は今後も京都市内中心部でのプロジェクトを計画している。同業他社も坪単価500万円を突破するマンションを供給する模様だ。
野村不動産 京都初のプラウド 坪単価は370万円高いのか安いのか(2014/10/10)
東京建物 東建不販を完全子会社化 東建不販は上場廃止へ
東京建物と東京建物不動産販売は2月12日、株式交換で東建不販を東京建物の完全子会社とすることを決議したと発表した。手続きを経て平成27年7月1日付で発効する。東建不販は6月26日付けで上場廃止となる。株式交換比率は東京建物が1に対して東建不販が0.610。
両社は今年を初年度とする中期経営計画をスタートさせた。それぞれが上場会社として事業展開していくことと比較して、グループ内で分散している機能の集約によるバリューチェーンの最適化、シナジー効果、経営資源の配分と戦略の策定を可能にすることが事業環境の変化に柔軟に対応できる最善の方策として決定したとしている。
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ゼロから最多は4社まで増えた上場不動産流通会社だが、三井不動産リアルティ(当時、三井不動産販売)が三井不動産の子会社化で、東急リバブルが東急不動産などとの経営統合でそれぞれ上場廃止となり、そして今回の東建不販の上場廃止により、住友不動産販売のみとなったのは寂しい。これも時代の流れか。
記者は三井、三菱、住友グループに対抗するためにも東建を含むみずほグループのデベロッパーの再編・統合も考えていいと思っている。商社を除けば、三井、三菱、住友グループには不動産事業を複数社が行なっているところはない。
企業の生い立ち、金融の再編成など事情が異なるといえばそれまでだが、それにしてもみずほグループにはそれぞれ立派な不動産会社が多い。以前も書いたが、直近の売上高は東建グループが2,300億円、安田不動産が350億円、ヒューリックが1,084億円、大成有楽不動産が1,037億円、日本土地建物が732億円。トータルで約5,500億円だ。野村不動産ホールディングスと同じくらいになる。
それぞれが個性的な特色ある事業を行なっているので、一緒になってよさがなくなったら元も子もなくなるが、総合力が問われる今は総力を集中することのほうがより大きな効果を発揮するのではないか。ユーザーの側からすれば「みずほ 不動産グループ」のほうがわかりやすい。
東尾修・理子氏の親子、魔裟斗・矢沢心氏の夫婦 二世帯住宅を語る 旭化成ホームズ
「ヘーベルハウス『二世帯住宅全員納得!相談会』」(渋谷ヒカリエホールで。中央が村尾氏)
旭化成ホームズは2月10日、同社の「二世帯住宅」販売40周年記念イベント「ヘーベルハウス『二世帯住宅全員納得!相談会』」を開いた。先に2月10日を「二(2)世帯住(10)宅の日」に制定したと発表しており、その日に合わせたもので、野球評論家の東尾修・理子氏の親子、魔裟斗・矢沢心氏の夫婦がトークセッションを行なった。予定されていた80席を大幅に上回る約100名の報道陣が集まった。
イベントは、同社の二世帯住宅研究所・松本吉彦氏が二世帯住宅40年の歴史と最近のトレンドについてプレゼンテーションを行なった後、東尾修氏、東尾理子氏の親子、魔裟斗・矢沢心氏の夫婦が登壇。同社の営業マン・村尾厚介氏も加わって親の思い、子の希望、理想の住まいなどについて語り合った。主なコメントを紹介する。敬称略。( )は記者のコメント。
(それぞれの親子、夫婦について)
東尾修 タバコが吸えない。いつも外。理子がものすごく怒る。今も(控え室か)取り上げられた(東尾さん、情けない。子どもの前はともかく堂々と吸えばいい。ガンとの因果関係はない)棟続きなら同居もいいが、一つ屋根は抵抗がある
魔裟斗 26歳で家を買った。理想は車が洗えるガレージとトレーニングスペースがあるといい
東尾修 (司会者に理子さんに面と向かって言えないことを問われて)石田さんとの住宅を建てるとき、設計図を事前に見せてもらえなかった。親のことは全然考えていないと思った(これは本心か)
東尾理子 聞いたじゃん。相続税のこととか…(司会者は親子喧嘩が始まったら大変と感じたのか、「まあまあ」と丸く収める)
魔裟斗 (司会者に心さんに面と向かって言えないことを問われて)よくやっていると思いますよ。4、5年、酒を飲んでいないのでは。両親との関係もうまくやってくれている
(以下、子が親にやってほしいことについて)
東尾理子 子どもが中心になると主人がかわいそう。主人とデートするときは、お父さんに子どもの面倒を見てほしい
東尾修 冗談じゃない。俺も一緒に行きたい
矢沢心 ちょっとしたとき、お父さんたちに子どもの世話をしてもらうとありがたい
(以下、理想の二世帯住宅について)
村尾厚介 土地が80坪、建物が80坪。それぞれに最適の二世帯住宅を提案できる。東尾さんにはタバコルームもトレーニングルームも提案したし、中庭でキャッチボールもできる
東尾修 どれぐらいでできるんだ。理子や魔娑斗さんたちはまだ活躍できるが、俺はこれから先そう長くない。まけてくれるのか(坪100万円から150万円くらいか。土地代除き1億円前後)
東尾理子 2年前に家を建てました。親の介護などバリアフリーは全然考えなかった。提案はすごい、楽しい
魔裟斗 プライベートが確保されている。考えてもいい
矢沢心 二世帯住宅は全部筒抜け、見られているイメージがあるけど、提案プランはすっごくいい。その気になっちゃう
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以下は「氏」ではなく「さん」付を許していただきたい。「長島氏」「王氏」「東尾氏」では具合が悪い。野球ファンにとって、やはり「長島さん」「王さん」「東尾さん」だ。親しみを込めた敬称だ。記者はアンチ巨人の西武ファン。東尾さんとは球場外で2度会っている(東尾さんも覚えていてくれるはず)。
司会の女性は、東尾さんを「タレント一家」として紹介した。娘さんのタレントかプロゴルファーか知らないが、理子さん(これも理子氏では具合が悪い、以下同じ)のご主人の石田純一さんをひっくるめてそう呼ばれるのだろうが、東尾さんはいつから「タレント」になったのか。タレントの意味は「知識、技量」もあるからそのように解釈したいのだが、世間はそのように取らない。
いま、長島さん、王さん、東尾さんと書いたが、東尾さんは長島さんや王さんや野村さんと同レベルの評価をされていい野球人だ。黒い霧事件の後、西鉄-太平洋クラブ-クラウン-西武のエースとして獅子奮迅の活躍を見せ、200勝投手だけでなく、四球王という名誉にも浴したではないか。
西武の監督時代は、日本シリーズでは敗れたが常勝軍団を築き上げた。間違いなく野球殿堂入りする人だし、まだまだ監督として現役復帰しなければならない球界の宝だ。
きっぱりと野球界から引退するのならともかく、「タレント一家」の一人として紹介されるのは残念だ。しゃべりも喧嘩投法そのもの、えげつないシュートを投げるべき。それが東尾さんの生命線だ。好々爺は似合わない。
左から東尾修氏、東尾理子氏、魔裟斗氏、矢沢心氏
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サプライズもあった。旭化成ホームズの営業マンとして村尾厚介氏が登壇したときだ。どこかで名前を聞いたような気がした。顔はもちろん、東尾さんよりも魔裟斗さんよりも背が高く、贅肉などまったく付いていないことがスーツ姿からも分かった。俳優・タレントとしても十分通用すると思った。
イベント中ずっと考えた。浮かんだのはRBA野球だった。イベントが終ってから、同社に問い合わせた。ドンピシャリ。やはり村尾氏は同社の野球部員としてRBA野球大会に出場していた。2006年の対三菱地所ホーム戦の記事で記者は「新人の1番・村尾と7番・久保田がそれぞれ3安打の猛打賞」と書いていた。
同社の野球部の選手は本業でも一流ということをこの日のイベントでも証明した。それが嬉しかった。同社の野球部員は文字通り「タレント」揃いだ。
村尾氏が提案した二世帯住宅(左が東尾邸、右が魔娑斗邸)
2月10日は「二世帯住宅の日」 旭化成ホームズが日本記念日協会の認定(2015/2/5)
旭化成ホームズ猛打爆発 5発含む14安打13点(2006/7/12)
平日利用は9時~16時、土・日曜日は閉園! 立川市の柴崎中央公園の利用制限
目の前が公園という東急リバブルの「ルジェンテ立川」の記事は先に書いた。これはこれでいいマンションなのだが、公園は平日利用が朝9時から夕方4時まで、土・日曜日は閉園されるというのも不思議な話だ。
マンションの取材を終え、タバコを吸うために公園に入った。ここは喫煙は禁止されていない。公園入り口には「柴崎中央公園の利用制限」について、立川市と自治会の連名で次のような看板がかかっていた。
「平成5年10月頃より泥酔者による喧嘩等の不法行為が多数発生するようになり、連日昼夜を問わず大騒ぎの状況になり…たかりや恐かつとも思われる犯罪行為も発生…平成6年4月より閉鎖…平成7年1月より『柴崎中央公園の利用に関する制限事項』を設けて開園…」
その制限とは、開園するのは平日の9時から午後4時まで、土・日曜日は閉園するというもので、そのほか酒気、寝泊り、迷惑行為、ペットの放し飼いなどを禁止している。周囲は鍵付きのフェンスで覆われていた。
利用料金を徴収する公園が閉園されるのはよくあるケースだし、利用をめぐるトラブルでは渋谷区の宮下公園がよく知られているが、普通の小さな公園が土・日曜日に閉園されるのを初めて知った。
行政が規制をしなければならないような行為をする人もする人だし、フェンスをめぐらし利用日時を定め、解釈によってはロダンの考える人のようにほとんどじっと座り込んで黙考する人しか利用できないような規制をかける行政も行政だ。
過度の利用制限は、「都市公園の健全な発達を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする」都市公園法第一条の目的にも反するのではないか。
記者が取材した日、公園内では保育園児がはいはいをして遊んでいた。柵の中でしか遊べないというのも悲しい光景だ。記者は檻の中に入るのにものすごい抵抗感を覚えたが、保育士は「違和感はない」と話した。
公園に隣接、単価も〝旧価格〟売れる要素揃う 東急リバブル「ルジェンテ立川」
「ルジェンテ立川」完成予想図
東急リバブルが2月14日に分譲開始するコンパクトマンション「ルジェンテ立川」を見学した。すぐ目の前に土・日曜日が閉園される公園があり、南向きの7階以上からは富士山も眺望できる。単価も〝旧価格の〟坪255万円。単身者・DINKSの圧倒的な人気を呼ぶか。
物件は、JR中央線・南武線・青梅線立川駅から徒歩4分、または多摩モノレール線立川南駅から徒歩3分、立川市柴崎町2丁目に位置する10階建て全27戸。第1期(18戸)の専有面積は32.52~38.34㎡、価格は2,590万円~3,050万円(最多価格帯2700万円台・2,900万円台)、坪単価255万円。建物は今年1月竣工済み。施工は合田工務店。
1月18日からモデルルームが公開されており、平日も含めすべて予約は満室。当初スタッフは4人だったが、急きょ1人増員して対応しているという。
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単身者・DINKS層向けの〝売れる〟要素がすべて揃っているマンションだ。
まず立地。立川駅南口から徒歩4分だが、アクセスがいい。道路はインターロッキング舗装、電線は地中化されている。商業地域だが、嫌悪施設はほとんどない(駅を降りて反対側は馬券売り場があり飲み屋街)。
建物は1フロア3住戸で、すべて角住戸。南東角住戸(38㎡)と東北角住戸(36㎡)は東側に「柴崎中央公園」に面している。公園は利用制限が設けられており、平日は9時から午後4時まで、土・日曜日は閉園される。
つまり、夕方から朝まではほとんど無人の公園になる。公園にはフェンスが設けられているので、人が浸入することも難しい。つまり、単身女性マンション向けに利用制限されているような公園が目の前にあるということだ。(なぜそうなったかの経緯は改めて書く)
南西角住戸(32㎡)は、敷地南側に民家が建っているが、敷地は細分化されており、将来高い建物が建つ可能性は低そうだ。7階以上からは丹沢や富士山が眺望できる。
プランもいい。床暖房、食洗機が標準装備。居室ドアは引き戸を多用。キッチンのガスコンロは3つ口。その他設備仕様は東急不動産の「ブランズ」とそん色ない。
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同社のコンパクトマンションやリノベーションを見学するのは今回で3物件目だが、目利き力の確かさを再確認した。坪単価255万円で供給できるのだから用地取得能力も高い。プランもいい。
おそらく、仲介ネットワークをフルに活用しているのだろうと思う。仲介営業マンは地域の土地情報を含め熟知しているはずだ。不動産流通会社の分譲事業はかつて三井不動産リアルティがバブル前に行っていたが、崩壊後に撤退した。
同社がマンション分譲事業を開始したのが1994年。2005年からは「L'GENTE(ルジェンテ)」ブランドとしてこれまで5~6物件を供給している。2013年4月には社長直轄組織「ルジェンテ事業統括部」を新設している。このほか、リノベーションマンション「'GENTE LIBER(ルジェンテ・リベル)」、収益用マンション「L'GENTE VALU(ルジェンテ・バリュ)」も展開しており、2018年までに700戸を目指すという。
現地
地域の魅力をどうアピールするか 野村不動産「プラウドシティ南山」
「プラウドシティ南山」完成予想図
野村不動産が2月末に分譲するマンション「プラウドシティ南山」を見学した。産官学が連携して開発を進めている総面積約87haの南山東部土地区画整理事業区域「スカイテラス南山」の一角にあり、戸建てを含めた分譲住宅の第一弾。昭和40年代から開発の是非をめぐって論議が展開されてきたいわくつきのプロジェクトだ。
物件は、京王相模原線稲城駅から徒歩6分、東京都稲城市大字東長沼に位置する16階・地下3階建てと14階建て2棟全412戸の規模。専有面積は71.94~103.25㎡、第1期(戸数未定)の予定価格は3,290万~6,220万円(最多価格帯4,200万円台)。竣工予定は平成28年1月中旬。施工は長谷工コーポレーション。
現地は北下がりの傾斜地にあり、マンションのエントランス部分は「スカイテラス南山」のほぼ入口に位置。建物はロの字型に配されている。住戸プランは、同社のラクモア、食洗機、ディスポーザが標準装備。
マンションギャラリー所長・山田博之氏は、「年明けにモデルルームをオーブンしてから週に60件の来場がある。第1期は100~150戸くらい供給したい。80㎡台で4,200万円台という広さをアピールしていく」と話した。
全体計画図
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早期完売できるかどうかは、価格(単価)の安さ・広さをどうアピールできるかにかかっている。
もう一つは、これまでも京王相模原線のマンションは他の沿線と比較して割負けしていると書いてきたように、市場での評価(ポテンシャルの低さ)を克服し、他の沿線居住者をどう呼び込むかだ。
その点、「稲城」は多摩センターや若葉台などと比較するとややハンディを負っている。「稲城」と聞いてどのような街か分かる人は少ないはずだ。梨の産地くらいしか思い浮かばないのではないか。
そんなハンディを覆すには、先に書いたように産官学が連携してプレゼンスを高めることだ。エリアマネジメント南山や首都大学東京の取り組みに期待したい。見学したその日も、エリアマネジメント南山の宇野健一氏とばったり会った。面白い企画を提案するはずだ。
同社としても先行するマンションで好成績を残し、2年後に供給が始まる戸建て500~600戸につなげたいはすだ。同社はこのほか、同じ稲城市内で「稲城上平尾土地区画整理事業」(施行面積25ha)と「稲城小田良土地区画整理事業」(施行面積29ha)にもかかわっている。マンションだけでなく、戸建て事業でも競り合う三井不動産を抜きたいところだろう。
援軍もある。「住みよさランキング2013」(東洋経済)都内1位、「主婦が幸せに暮らせる街」(学研)全国2位は解せないが(多摩センターのほうが上だろう)、人口増加率は東京都市部1位、年少人口率は都内1位だし(URが開発した新しい街)、刑法犯罪認知率の低さは都内1位(よくぞそんなテータを探したものだ)はセールスポイントになるはずだ。
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京王線に限ったことではないが、それにしても長谷工コーポレーション施工が多い。
仙川から京王相模原線の同社施工物件を調べたら、今回の物件のほか野村不動産「プラウド仙川」(275戸)、大成有楽不動産「オーベルグランディオ吉祥寺Ⅱ」(284戸)、積水ハウス「グランドメゾン仙川」(305戸)、三井不動産「パークホームズ調布桜堤通り」(325戸)、大成有楽不動産「オーベル若葉台ヒルズ」(131戸)、清水総合開発「ヴィークステージ多摩センター」(165戸)、東レ建設「シャリエ多摩境」(131戸)がある。
6駅圏8物件で何と2,028戸だ。これから同社施工で分譲されるものと、野村不動産「オハナ八王子」を含めると2,500戸を突破する。これらのエリアでの長谷工施工比率(占有率)は50%に達するはずだ。
市街化区域編入から44年稲城・南山の区画整理で分譲開始(2014/9/25)
インテリックス 経産省「先進的なリフォーム事業者表彰」に選定
インテリックスは2月6日、経済産業省が今年度新たに創設した「先進的なリフォーム事業者表彰」に選定されたと発表した。
「先進的なリフォーム事業者表彰」は、消費者の住まいに関する多様なニーズに対応し、独自のビジネスモデルで他の事業と差別化された強みを有するリフォーム事業者の取組を選定、表彰するもの。同社は中古マンションをリノベーションにより再生させ、アフターサービス保証をつけて販売する「リノヴェックスマンション事業」の取り組みが評価された。
同表彰では住友不動産、LIXIL、YKK AP・TOTO・大建工業、パナソニック、リノべる、リビタなど21社が選ばれている。
表彰式・シンポジウムが3月3日(火)、東京ビッグサイト会議棟で13:30から行われる。