三井物産・三井不動産 大丸有最大規模の「(仮称)大手町一丁目地区計画」
「(仮称)大手町一丁目地区計画」完成予想図
三井物産と三井不動産は12月11日、三井物産本社の建て替えと三井物産・三井不動産が共同で建築する大規模複合開発「(仮称)大手町一丁目地区計画」の整備方針を発表した。
計画地は、三菱地所などが整備を進めている「(仮称)大手町1-1地区」(22階建て・29階建て、延べ床面積約25万5,000㎡)に隣接し、大手町・丸の内・有楽町(大丸有)エリアでは最大級の敷地面積2万平方メートルを超える開発事業。ビジネス機能のほか賑わいの創出と国際交流機能の強化を図り、皇居に面した立地ならではの緑豊かな環境を更に魅力づける空間の形成、エリアの業務継続(BCP)機能と防災対応力の向上を目指す。
大手町エリア最大規模となる緑地空間を含む約6,000㎡の広場を整備し、約1,500㎡の多目的ホール・ホワイエを設けることでビジネス交流・国際交流機能を強化し、ラグジュアリーホテルも誘致する。また、地下鉄コンコースから皇居・竹橋方面をつなぐバリアフリーの歩行者ネットワークや地域冷暖房供給施設の更新、防災対応力の向上を図る。
東京圏の国家戦略特別区域の特定事業の認定を受けるよう手続きを進める。
建物は41階建てと30階建て2棟で延べ床面積は約36万1,000㎡。竣工予定は2019年度。
安田不動産「レフィール参宮橋ヒルズ」 立地よく割安の単価415万円
「レフィール参宮橋ヒルズ」完成予想図
安田不動産が12月13日に抽選分譲する「レフィール参宮橋ヒルズ」を見学した。最近はほとんど供給事例がない参宮橋駅圏でヒルトップの一等地、坪単価も超割安の415万円。設備仕様レベルも高い。第1期26戸は即日完売必至と見た。
物件は、小田急線参宮橋駅から徒歩3分、渋谷区代々木4丁目の第2種低層住居専用地域に位置する5階建て(建基法では地上4階地下1階建て)全51戸。第1期の専有面積は43.65~111.65㎡、価格は5,080万~15,980万円(最多価格帯5,080万円・5,380万円・6,580万円・7,780万円)、坪単価は415万円。施工は飛島建設。販売代理は東急リバブル。12月6日から登録申し込みが始まっており、締め切りは12月13日17:00。
現地は旧興銀の社宅跡地。エントランス部分からもっとも高いところまで約6mの高さがある傾斜地に位置しており、建物は内廊下方式で住戸は南向きと北向き。
外構や外観デザイン、設備仕様レベルが極めて高いのが特徴。道路に面した敷地南側の擁壁は石貼り。建物外観の基壇部は御影石、柱のタイルは縦張りとし、バルコニーの室外機を隠すために横ルーバーを配し、バルコニー天井は木目調のシート仕上げ。
住戸内の設備仕様は極力オプション仕様を少なくしているのが特徴。玄関・廊下床、巾木は大理石、キッチン・洗面カウンタートップ・トイレ手洗いカウンターは御影石かフィオレストーンの選択制。キッチンはユーティリティシンクを採用。三面鏡下のモザイクタイルも標準。浴室のカウンターにも御影石を採用。ドア把手は本革巻き仕上げ。
エントランスホール
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マンション単価が信じられないくらいどんどん上昇している。このマンションも高値追求するのかと思ったが、そうではなかった。その逆だ。さすが旧安田財閥といいたい。浮利を追わないデベロッパーがあっていい。
実は、この物件の存在は先週、別の取材で参宮橋駅に降りて初めて知った。一等地であるのはすぐわかった。もともとこの街が好きで、ひょっとしたら単価は500万円くらいするのではないかと思った。
モデルルームで同社の開発事業本部開発第四部第一課課長代理・渡辺淳氏に単価を聞いてその安さにびっくりした。確かに北向きの住戸の3階部分あたりまでは日照や眺望が期待できず単価は400万円以下というのは納得できるが、南向き住戸は、立地の希少性、設備仕様レベルの高さからいって坪500万円の価値は十分ある。
第1期26戸にはほとんど登録が入っており、抽選になる住戸もあるという。即日完売すると見た。
車寄せ
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正直に言うと、記者はもともと芙蓉グループが好きだ。マンション、ビルも(RBA野球も)トップグループから離されているが、欲を出さずマイペース。たまにドジも踏むが時としてとんでもないヒットも飛ばす。そんなところが憎めず好きなのだ。
同社もマンションの供給は多くないが、「ワテラス」では老舗の存在感を示した。今回の「参宮橋」は、新しいマンションブランド「レフィール」にしてから11棟目の物件で、ロゴ・デザインも一新したそうだ。どこかの一流ホテルに似ており、しっかり造りこみを行っているのにもその意気込みが伝わってくる。「参宮橋」のランドマークになるのは間違いない。
参考までに。芙蓉を含むみずほグループのデベロッパーの直近の売上高は同社が350億円、東京建物が2,300億円、ヒューリックが1,084億円、大成有楽不動産が1,037億円、日本土地建物が732億円。トータルで約5,500億円。野村不動産ホールディングスと同じくらいだ。
モデルルーム リビング
マンション管理協 居住者と管理組合の活動支援サイト立ち上げ
山根理事長
マンション管理業協会(管理協)は12月10日、マンションライフを豊かにしていく居住者や管理組合の様々な工夫や活動を応援するマンションライフ総合支援キャンペーンを27年1月14日から開始すると発表した。
より良い管理やコミュニティ活動などを紹介するサイト「マンションのWa」を立ち上げる。
マンション生活で遭遇した感動的な体験や管理・コミュニティの重要性を考えさせる体験「マンションいい話」を管理組合や居住者から募集し、顕彰するコンテストを実施する予定。
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管理協は10日、恒例の年末記者懇親会を行ったが、「マンションのWa」を立ち上げた狙いは、冒頭に挨拶した山根弘美理事長の言葉にすべて込められていた。
山根理事長は「先日の大橋先生のお話にあったように〝管理業が分かりづらい〟実態が明らかになった。これは我々の責任。管理業をよく知っている居住者の方々は満足度が高く、より高次の管理を求めている。管理業を分かっていただける、プレゼンスを高める努力をしないといけないし、世間に対してもプレゼンスを高める活動を来年は行っていく」と挨拶した。
「大橋先生のお話」は別掲の記事を参照していただきたい。
大成有楽不動産販売 分譲戸建て「葛飾金町」第1~3期 全32戸が即日完売へ
「オーベルコート葛飾金町(右の背後が「オーベル金町レジデンス」)
大成有楽不動産販売が今週末、第3期8戸の最終分譲を行う分譲戸建て「オーベルコート葛飾金町」を見学した。第1期(13戸)、第2期(11戸)とも即日完売しており、今回も即完しそうで全32戸が早期完売となる。
物件は、JR常磐線金町駅から徒歩12分、葛飾区新宿六丁目地区大規模複合(大学・住宅・公園)開発エリア内に位置する全32区画。第3期の土地面積は100.05~131.65㎡、建物面積は94.76~98.95㎡、価格は4,240万~5,180万円。構造は2×4工法2階建て。施工は三菱地所ホーム。完成予定は2015年月4末(3期)。
11月2日に抽選分譲した第1期が即日完売し、引き続いて分譲した第2期も即完している。第3期の抽選は12月13日12:00。
総面積約33.3haの大規模開発「新宿六丁目地区地区計画」の一角にあり、大成有楽不動産が分譲して人気になったマンション「オーベル金町レジデンス」(117戸)に隣接。すぐ近くには東京理科大の葛飾キャンパスがあり、約7.1haの「葛飾にいじゅくみらい公園」もある。
電線類を地下化し電柱をなくした街並みと、建物の外観は赤レンガの陶器瓦や白壁に石のような重厚感がある大判タイルを張った「スパニッシュスタイル」が特徴。
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現地を見て人気になるのも当然だと思った。住環境が抜群だ。「葛飾にいじゅくみらい公園」はところどころにサクラなどが植えられているが、ほぼ全面が芝張り。市民も利用できる東京理科大の図書館も徒歩1~2分圏内だ。
価格も割安感がある。隣接の「オーベル金町レジデンス」とそれほど変わらないのではないか。「オーベル金町レジデンス」は6月に取材しているが、7月から分譲が開始され、現在、キャンセル住戸1戸を残すのみだ。こちらのマンションも割安感があった。
どうして今回の戸建ても大成有楽不が事業主にならなかったのか不思議だが、大成有楽不動産はここ数年戸建ての分譲は行っておらず、大成有楽不動産販売は20数年継続して戸建ての分譲を行っていることにも起因するようだ。
「葛飾にいじゅくみらい公園から「オーベル金町レジデンス」を望む(右側の建物が東京理科大の図書館)
植栽計画が見事 三菱地所レジデンス「追浜」全棟が完成
「ザ・パークハウス追浜」(右下は駐輪場の屋根緑化)
三菱地所レジデンスは12月9日、「ザ・パークハウス追浜」の全棟が完成したのに伴い完成披露内覧会を行なった。ランドスケープデザインが素晴らしいマンションで、現在分譲中の住戸の坪単価は120~130万円。土地代がただでも建たない安さだ。
物件は、京浜急行線追浜駅から徒歩10分、横須賀市追浜東町2丁目に位置する第一街区(A・B棟)・第二街区(C・D棟)・第三街区(E棟)の7階建て709戸の規模。専有面積は71.40~95.39㎡。企画・建築・設計・監理は安宅設計。開発設計・監理はクレアリア。施工は第一街区が三井住友建設、第二・三街区がフジタ、開発土木・エレベータタワーがフジタ・大豊建設。
2011年10月から第一街区のA棟(119戸)B棟(159戸)を分譲開始。2012年9月に建物は完成。引き続いて2013年3月から第二街区のC棟(128戸)D棟(207戸)を分譲開始。2014年1月にC棟が完成。同年6月にD棟が完成。同年7月から第三街区のE棟(96戸)を分譲開始。同年10月にE棟が完成。
これまでに709戸のうちA、B、C棟の全戸を含め664戸が完売・申し込み済み。E棟は12月18日から入居が始まる。
駐車場の上を緑化した中庭の庭園
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同社は分譲開始時にも見学会を行なっているので、そのときの記事を参照していただきたい。
完成した現地を見学してランドスケープデザインが優れているのに感心した。中庭に149台分の駐車場を設置しているのだが、その上約1,700㎡を緑化し庭園としていた。また、駐車場の壁面緑化をはじめ駐輪場や管理棟の屋根・屋上も緑化を図っている。 サクラ、メタセコイア、シラカシなどの樹木も成木を植えており、入居段階から街並みを整えている。
さて、売れ行き。追浜では同社のほか総合地所も総戸数420戸の「ルネ追浜」をほぼ同時期に分譲開始しており、双方で約1,130戸の戸数になる。常識的に考えてこのエリアの年間の需要量は200戸多くても250戸くらいが限度だろうと思っていたので、大健闘だろうと思う。
単価的にもここにきて相当の割安感がでてきた。完成したばかりのE棟は坪単価120万円だ。他の住棟が海や富士山、中庭など眺望がいいのに対して、E棟は南向きだが眺望が劣るので低い単価設定になっている。これから分譲されるマンションで、この単価より低い物件は首都圏では皆無だろう。D棟は残りわずかだが、単価は130万円。こちらは海の眺望が期待できるのでやや高い単価設定になっているようだ。
横須賀市の公認キャラクター「スカリン」も応援に駆け付けた
日本綜合地所 社名を「大和地所レジデンス」に変更
日本綜合地所株式会社は12月8日、社名を2015年4月1日から「大和地所レジデンス株式会社」へ変更すると発表した。
同社は1993年創業。2009年2月、リーマン・ショックの影響により会社更生手続開始の申立てを申請、2010年3月、更生計画認可決定。同年、大和地所グループ入り。2012年10月、会社更生手続を終結。 2014年10月、グループ再編によりダイア建設の社員の一部が再配置された。
同社のトレードマークであるユーロスタイルのデザインは社名変更後も継承する。
NTT都市開発他「ウェリス南流山」 半年で5割以上分譲済み 販売順調
「ウェリス南流山」完成予想図
NTT都市開発(事業比率55%)、大成有楽不動産(同40%)、長谷工コーポレーション(同5%)3社共同のマンション「ウェリス南流山(PROJECT D.N.A マンション街区)」(345戸)を見学した。7月の分譲開始からこれまで182戸を分譲済み。売れ行きは順調に推移している。
物件は、つくばエクスプレス線・JR武蔵野線南流山駅から徒歩8分、流山都市計画事業木地区一体型特定土地区画整理事業地内に位置する14階建て全345戸。専有面積は70.15²~91.97㎡、現在分譲中の住戸の最多価格帯は3,500万円台。坪単価は170万円。街並監修は南條設計室。竣工予定は平成27年8月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。販売代理は住友不動産販売。
現地は約68.3haの区画整理事業地内の一角で、NTT都市開発が分譲することになっている分譲戸建て102区画との複合開発。戸建て街区にはマンションとの交流ができるクラブハウスを建設し、保育園を誘致する予定。
敷地に隣接して大型スーパー、ホームセンター、家電量販店が出展予定。小・中学校は徒歩1~4分。流山市が行っている駅前送迎保育ステーションも利用できる。
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売れ行きが気になっていた物件だ。つくばエクスプレス線では、三郷中央駅や流山おおたかの森駅、柏の葉キャンパスでは多くのマンションがこれまでも分譲されてきたが、この南流山駅圏ではほとんど見るべきものが供給されてこなかった。
現地は、千葉県住宅供給公社がバブル崩壊の影響を受けて財政破たんしたのに伴って千葉県が肩代わりして区画整理事業を行ってきたもので、柏の葉や流山おおたかの森などと比べ駅からやや距離があったため開発が遅れていたが、ようやくマンションなどが建設されることになった。
坪単価170万円というのはどんぴしゃり。もう少し着工が遅れていたらこの単価ではできないはずだ。おおたかの森とは単価差にして20万円はあり、その分価格が安く、広い住戸が買えるのが評価されているという。月に30戸のペースだから販売は極めて順調のようだ。
積水ハウスなど 日常生活の支援を可能とするBMIの技術開発に成功
積水ハウスは12月4日、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、日本電信電話、島津製作所、慶應義塾とともに開発を進めてきた、日常生活の支援を可能とするネットワーク型ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)の技術開発に成功したと発表した。
ネットワーク型BMIは、自宅や診療所などで脳情報、環境情報などを携帯型の脳活動計測装置や各種センサで取得し、ネットワークを通じて大規模なデータとして伝送、解析することで、特別な訓練や負担なしに利用できるBMIの実現を可能とするもの。高齢者や体の不自由な人だけでなく、一般の人が日常的に生活する場で、その意図や情動を脳から読み取り活かすことができる。
今後、各種サービスの実用化に向けて取り組んでいく。
東急リバブル リテール部門でのインバウンド仲介事業を強化
東急リバブルは12月4日、リテール部門でのインバウンド仲介事業強化の一環として、海外投資家への対応窓口を新設するとともに、英語、中国語対応のホームページを拡充し、海外投資家への税務コンサルティングに対応するため霞ヶ関国際会計事務所(代表:鄭武壽氏)と業務提携したと発表した。
アジア各国の不動産価格の高騰や円安による割安感などから、海外投資家による日本への不動産投資が加速。同社のリテール部門でも都心部のマンションを中心に取引が増加しており、全社としてグローバル事業を拡大し、サービス向上に努めるのが狙い。
東京建物 目黒駅前の再開発タワーは坪単価600万円になるか
東京建物が来年のゴールデンウィークに分譲を開始するJR目黒駅前の再開発ツインタワーマンションはいったいいくらになるか-東京建物と東京建物不動産販売は12月3日、恒例の記者懇親会を開いた。記者の最大の関心事は「目黒」の坪単価がいくらになるかだったが、関係者は口をつぐみ言質を与えなかった。記者はアッパーで530万円くらいと見ているが、帰り際、何と業界紙の社長から「坪600万円で食事を賭けよう」と挑発された。賭けに勝ったためしはないが、ここで降りたら記者の沽券に係わる。賭けに乗った。坪600万円はありえないと思うが…。自信がなくなってきた。
このマンションの単価予想は別掲の記事を参照していただきたい。同社などが今年8月に起工式を行ったときに書いたもので、「記者がはじき出した坪単価は最低でも500万円だ。550万円と聞いても驚かない。さすがに600万円はないと判断した」とした。当時、坪単価について触れたジャーナリストや業界紙はないはずだ。
懇親会で記者は住宅担当の柴山久雄専務や花田務執行役員に正攻法では正解を引き出せないと判断し、からめ手から攻めた。しかし、両氏はにやにや笑うのみで一切ヒントになりそうな言葉は口にしなかった。
ところがだ。会が終わりになるころ、ある不動産ジャーナリストは「俺はもともと550万円と読んでいた」と確信的に話した。そして、冒頭の業界紙社長の挑発だった。柴山氏か花田氏かあるいは別の幹部がリークしたのか。謎だ。
資料請求受付から1週間で約7,000件に達しているというから、反響はものすごい。同社は八丁堀駅前の「Brilliaザタワー東京」も分譲する。「目黒」と「東京」で旋風を巻き起こすかもしれない。賭けに勝ったら最高級の酒を注文しよう。負けたら居酒屋で済まそう。
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懇親会で東京建物・佐久間一社長も種橋牧夫社長も業績や不動産市況などについては全然触れなかった。
佐久間氏は、ローレンス・クラウス著「宇宙が始まる前には何があったのか?」と、日本製紙の石巻工場が震災から操業再開までのドキュメンタリードラマ「紙つなげ!」しか話さなかったし、種橋氏は来年の干支「乙未(きのとひつじ)」について薀蓄を披露しただけだった。
東京建物 目黒駅前の再開発マンション坪単価は500万円超か(2014/8/22)