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本社内に設けられた無柱空間の構造模型 

 ポラスグループのプレカット事業を展開するポラテックは5月27日、設計者や工務店を対象に「ポラテック中大規模の会セミナー」を開催。設計者、工務店など関係者ら約100名が参加者した。

 ポラテック中大規模の会は、会員間での情報交換を活発化し、中大規模建築の「非住宅」の木造化を推進することを目的に発足した。

 セミナーの1部では、プレカット非住宅推進課・下山順氏が同社オリジナル商品を用いた木造建築の設計手法について実例で紹介。下山氏は、条件にもよるか鉄やコンクリートの従来工法と比べ3割くらいコストを抑制でき、最大12mスパンを実現できるなどと話した。

 2部では、一般財団法人ベターリビング住宅性能評価部長・青木健氏が平成27年6月1日施行建築基準法改正に関するポイントを解説。

 同社の専務取締役・北大路康信氏は挨拶で「着工件数が減少していく中で、当社の今年5月の非住宅の木造は前年同月比66.8%増。大幅に増えているのは2010年公共建築物等木材利用促進法の施行など木材の需要を拡大することが国主導で推進しているという背景的事情がある。また木造建物は地震や火災に弱いというイメージが世間的に蔓延しているが、国の実験結果からも、木は燃えにくく地震にも強いことが証明されている。木造では中大規模の建物ができないと考えられているが、そうではないということを、協賛してくださる皆さんとともに、世の中の常識を変える動きを作って行きたい」と述べた。

 同社のプレカット事業部の総生産量における「非住宅」の割合は5.8%となっており、今期末にはこれを10%まで引き上げることを目標にしている。

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(岡田寛子)

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FRK総会後の懇親会(ホテルオークラで)

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田中新理事長

 不動産流通経営協会(FRK)は5月28日開いた定時総会と臨時理事会で、竹井英久理事長(三井不動産リアルティ会長)の任期満了に伴う役員選任を行い、新理事長に田中俊和氏(住友不動産販売社長)を選任した。竹井氏は副理事長に就任した。

 総会後に行われた懇親会で挨拶した田中新理事長は、昨年度は消費増税の影響で中古マンション成約件数が前年度比1割マイナスとなったものの、今年度に入り底入れ感が広がり、価格は品薄感から5%強上昇していることに触れ、「2020年に市場規模を倍増」させる政府目標を達成するために着実に取り組んでいくと語った。

また、「喫緊の課題」として最近話題になっている「囲い込み」についても言及。「囲い込みの解決のため『ステータス管理の導入』に全面的に協力する」と、消費者の視点から問題の解決を図っていく決意を述べた。

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左から来賓として太田国交相の祝辞を代読した国交省土地・建設産業局長  毛利信二氏、田中氏、竹井氏

 旭化成ホームズの二世帯住宅研究所は5月26日、同社が供給した築30年前後の二世帯住宅を対象にした「30年暮らした家族による二世帯住宅の評価と住まい継承の実態」調査をまとめ報告書として発表した。

 調査は、築30年前後を経た二世帯住宅の約半数で親世帯(建設当時)が逝去するなど世代交代期を迎えていることから、親世帯の介護を経験した子世帯や祖父母同居で育った孫から見た二世帯住宅の評価や、住まい継承の実態を明らかにするのが目的。1983~86年に建設された二世帯住宅1,642件を対象に行なわれ、有効回答は243件。建設当時66.5歳だった親世帯は88.3歳 、子世帯は37.2歳から66.3歳。報告書はA4判138ページ。

 調査の結果、子世帯による二世帯同居の総合満足度は90%以上と評価が高いこと、親世帯がともに死亡した子世帯の76%が親の介護を経験していること、親-子-孫へと次代へ確実に継承されていることが分かった。

 二世帯同居でよかった理由では、「親の老後の世話」「安心して旅行や外出ができる」などが上位に挙がった。また、耐震性・耐久性などについては極めて高い満足度を示した一方で、洗濯機は二つ設置することや世帯間のプライバシーに配慮すべきとの声も寄せられた。玄関は一つでいいという声も多く寄せられた。

 二世帯住宅の継承では、1983~86年に建設された住宅1,912棟の現存率は93.3%に当たる1,783棟、オーナー居住率は90.2%の1,725棟に達することが分かった。単身孫(平均31.8歳)の69%は「そのままリフォームして受け継ぎたい」と答えるなど、実家継承意向が強いことが報告された。

 発表会に臨んだ同社取締役常務執行役員マーケティング本部長・川畑文俊氏は「当社が最初に二世帯住宅を提案してから40年。子育て、介護など課題解決の一つとして提案してきたが、意図してきたことが間違いでなかったことが分かった。報告書は今後の研究の一助にしていただきたい」と話し、二世帯住宅研究所所長・松本吉彦氏も「われわれの取り組みは果たして大丈夫かと心配もしたが、検証の結果、正しいいことが分かった」と語った。

 また、報告書の執筆者でもある千葉大大学院教授・小林秀樹氏は「二世帯住宅の約5割が孫の世帯に受け告げられるという調査結果にびっくりした。普通の住宅は1割くらいではないか」と評価した一方で、二世帯住宅を有効に活用するためシェアハウスやグループホームへの一部転用を可能にする法整備が必要などと話した。

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「ルネ蘇我ディアパーク」完成予想図 

 総合地所が近く分譲開始するマンション「ルネ蘇我ディアパーク」を見学した。JR京葉線蘇我駅から徒歩5分の全163戸の規模で、浴場付き。

 物件は、JR京葉線蘇我駅から徒歩5分、千葉市中央区南町2丁目に位置する10階建て全163戸の規模。専有面積は70.48~88.84㎡、予定最多価格帯は3,500万円台、坪単価は160万円。竣工予定は2016年2月末。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 現地は、旧川崎製鉄(現JFEスチール)の社宅跡地。製鉄所の移転に伴う跡地を活用する計画「ハーバーシティ蘇我」の一角。

 建物はL字形で、住戸プランは南向き(60%)と西向き(40%)。同社としては23棟目の大浴場付き。東京おもちゃ博物館が監修したキッズスペース「木育の広場」も設置する。

 4月から事前案内会を開始しており、これまで資料請求は500件、モデルルーム来場者は200件。

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大浴場

◇       ◆     ◇

 まず、単価について。このところ郊外部のマンションもどんどん単価が上昇しているので、いったいいくらくらいになるのか興味があった。坪単価160万円というのは極めてリーズナブルな価格だろうと思う。

 市内では競合する物件はないはずだが、船橋の郊外で分譲されるマンションもこれくらいか、あるいはもっと高くなるか。一次取得層が無理なく購入できる価格の限界に近づいているので、ユーザーがどのような反応を見せるか。

 同社としては2011年に分譲した「ルネ花小金井」以来の大浴場付きというのが面白い。かつて浴場・温泉付きマンションは同社のほかにもアパやリベレステが分譲していたが、実績は同社が断トツだろう。同社によると、既存の浴場利用者は居住者の半分くらいだというが、なにより入居者同士のコミュニケーションが図れるのがいい。

 入浴料は月額1,000円。管理費を抑えるために浴槽は一つで、例えば男性は月水金、女性は火木土といったように隔日利用ということになるという。利用時間は15:00~22:00の予定。

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中庭

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「緑住農一体型住宅地 春風台」

 1区画が200坪(660㎡)という「平成の田園調布」とも言うべき街を見学した。茨城県つくば市の土地区画整理事業地の一角で3年前から分譲されている「緑住農一体型住宅地 春風台」(109区画)で、期間50~70年の長期定期借地権付き宅地分譲により初期投資を抑え、区画整理事業法、固定資産税法、都市緑地保全法など縦割り行政の隘路を巧みな手法で切り抜けたわが国に例のない街づくりだ。つくば駅から車で15分とややかかる難点を逆手に取った手法でもある。

 物件は、つくば駅の北東約2~4キロに位置する開発面積189.9ha、計画人口8,000人の「中根・金田台特定土地区画整理事業」(施行期間平成16年~31年)地内の一角。従前は自然林や畑だった台地状のところ。区画数は全109区画。地代は月額5~6万円。契約期間満了時に返却される保証金は250万円。

 全体計画は、住宅地の前に幅12mの景観緑地を配している「緑住街区」と、100坪の宅地と60坪の景観緑地、40坪の果樹・菜園からなる200坪の「緑住農街区」から構成されており、「村の記憶」「森の継承」「緑陰のまちづくり」がコンセプトとなっている。電線類の地中化を実現した。基本は定借だが、所有権分譲にも対応する。

 景観緑地には市の地上権を設定することで、その部分の地代を事実上非課税としているのが特徴で、緑地の整備・管理は地権者が行い、自治体は財政負担なしで市街地の緑地を確保できる〝三方良し〟の関係が保たれている。約60区画で住宅が建設されることが決まっている。

 地権者の一人でもある「桜中部地区まちづくり協議会」会長・酒井泉氏(66)は、「米国のオークパークやヴィレッジホームズ、わが国の伝統的な民家・集落のいいところ取りの街づくりを目指した。こんな街は他にないはず。里山の環境をつくり、緑陰で居住者が語り合えるような街にしたい」と話した。

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◇     ◆   ◇

 現地についてすぐ、近くでウグイスが澄んだ美しい声で「ホーホケキョ」と記者を歓迎してくれた。酒井氏によると、絶滅危惧種に指定されている、かつては人間と共存していたオオタカもすぐ近くに棲んでいるという。

 どのような街であるかは写真を見ていただきたい。道路は日照や通風に配慮した南北軸で、ボンエルフの手法を採用。車道と景観緑地を分ける縁石の高さは数センチくらいに抑え、景観緑地にはヤマボウシやコナラなど近くの自然林の樹木が植えられている。

 各住宅はハウスメーカーが建てたものでまちまちだが、地区計画によって建築物や壁面位置、色、形状などガイドラインが定められている。

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「家庭菜園」 このお宅では小松菜、カボチャ、玉ネギ、ナス、トマトなどたくさん野菜が植えられていた

◇     ◆   ◇

 酒井氏の専門は物理学。昨年3月、定年で退職するまでの7年間は福井大の教授を務めていた。車中で少し話を聞いたのだが、まるで宇宙語、さっぱり意味が分からなかった。

 ここで酒井氏の経歴について少し触れたい。酒井氏は地元つくば市出身。東北大学工学部卒で、卒業後は民間の研究所で大容量送電システム、国の研究所で大強度陽子加速器の研究に携わり、「原子力と核融合エネルギーが人類の未来への希望と思っていた」が、チェリノブイリ事故に衝撃を受け、2007年に福井大学教授に就任してからは、当時の中川英之副学長の「核変換による核廃棄物処理は物理屋の使命」との言葉に共感して、大強度加速器の核変換技術への応用などの研究に比重を移していく。

 1988年頃からボランティアとしてつくば市の街づくりに関わるようになり、1996年以降は、東大法学部名誉教授・稲本洋之助氏の指導を仰ぐようになる。区画整理事業地の近くに実家があり、地主の一人でもある。

 「緑・住・農」などという大胆かつ奇想天外とも思える発想ができるのも、ここが生まれ育った故郷であり、自らの研究テーマである原子力と同様、動き出したら止まらない制度的特徴を持つ区画整理事業を同じ問題として捉えているからではないだろうか。他人事で済まされない、持続可能な地域社会を造るのだという不退転の覚悟がないとできないことだ。

 区画整理事業についてはたくさんガイドブックのようなものが出版されている。ほとんどが推進派からだ。住民サイドからのものもなくはないが、「反対」ありきで、理論的に深く掘り下げたものは記者はよくしらないし、記者は研究者でもない。

 その点で、酒井氏が区画整理事業について書かれた論文は正鵠を射るものであるのは間違いない。酒井氏が平成4年に書かれた「区画整理事業の改革に向けて 『複合型』区画整理事業の提案」と題する論文には次のようにある。

 「地価の動向や、どのような街を造れば人が集まるのか、正確なことはわからない。重要なことは、坪いくらで売れるという『にわか不動産屋』的発想ではなく、『自分達が住み続けたいと思える街を造ることである』。極言すれば、『自分たちが住んでいる集落を捨ててでも住みたくなる』ような、質の高い街をつくれば、地価の動向による損得を超えて、子や孫たちに、よい環境の街を残したいということで納得できるはずである。…中途半端な街づくりをして、他の開発に負けて、せっかくの優れた環境を台無しにする危険は犯したくないと思うのが普通だ。

 これまでの他の日本の都市には見られなかった、優れた環境の街を造ることができれば、地理的に不利な条件や厳しい財政事情を克服し、活路を見いだすことができるかも知れない」

 記者はこの論文の副題に「複合的」という文言が入っているのに注目した。がんじがらめの法律の網をかいくぐって問題を解決するトンボのような複眼の視点でものごとを考えることが必要と小林秀樹・千葉大大学院教授に教わった。同じ発想だ。酒井氏の論文にも小林教授の名が登場する。

 酒井氏の了解も得たので、その論文をそのまま添付する。今後の区画整理のあり方を研究する方々にはぜひ読んでいただきたい。

  桜中部地区まちづくり協議会のホームページアドレスはhttp://harukazedai.com/ 、連絡先電話番号は 080-4471-8566。

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酒井氏

 「区画整理事業の改革に向けて 『複合型』区画整理事業の提案」H4-2.pdf

 「常磐新線沿線開発・土壇場での解決策」H10.pdf

震災から4年「希望」はあるのか陸前高田に見る復興事業(2015/3/4)

これでいいのか 被災地復興土地区画整理事業(2014/2/13)

「区画整理の限界を超える」か スマートシティ「ビスタシティ守谷」(2013/2/22)

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「ザ・パークハウス千歳烏山グローリオ」完成予想図

 三菱地所レジデンスとセコムホームライフが5月23日、モデルルームをオープンする「ザ・パークハウス千歳烏山グローリオ」を見学した。「公団烏山第一団地」跡地に建設されるもので、坪単価は300万円台前半。食のセレクトショップ「DEAN&DELUCA」と国内で初めてコラボし、新しいインテリアを提案しているマンション。

 物件は、京王線千歳烏山駅から徒歩4分、世田谷区南烏山5丁目に位置する敷地面積約9,900㎡、10階建て「エアリーコート」(147戸)と8階建て「サザンコート」(118戸)の2棟265戸の規模。専有面積は35.52~91.14㎡、第1期(戸数未定)の予定価格は3,400万円台~10,000万円台(最多価格帯7,200万円台)、坪単価は300万円台前半。竣工予定は2016年1月下旬。施工はフジタ。設計監理は三菱地所設計。販売開始は6月下旬。

 現地は、昭和30年代に建設された旧日本住宅公団の「烏山第一団地」の敷地跡地。セコムホームライフが10年かかりで取得し、三菱地所レジに共同で開発することが持ち込まれたという。新たに開発道路も整備した。

 住戸プランは、約59㎡のユニバーサルデザインを採用した「ユニバーサルプラン」(18戸)を設け、親子2世帯隣居・近居なども想定しているのが大きな特徴。「ユニバーサルプラン」住戸前の廊下には、メックecoライフが提案するベンチやウェルカムトレリスを設置する。

 また、一般法人いきもの共生事業所認証(ABINC認証)を集合住宅としては初めて取得。生物多様性に配慮したバードパス・巣箱の設置、実のなる植物の採用、既存樹のサクラの接ぎ木、化学薬品の使用を抑えた健康な土壌づくりなどの取り組みを行う。

 共用施設「パーティールーム」「ガーデンテラス」では、食のセレクトショップ「DEAN&DELUCA」とわが国では初めてコラボし、新しいインテリアデザイン、ライフスタイルを提案する。

 現在までに3,100件の問い合わせがあり、事前案内会には600件の来場がある。

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「ユニバーサルプラン」のモデルルーム

◇       ◆     ◇

 お年寄り夫婦の入居を想定した「ユニバーサルプラン」がいい。面積は約59㎡。両面バルコニーで、南西側の玄関を入るとすぐにバルコニーに面したリビング・ダイニングがあり、その隣が半独立型のキッチン。居室2室は北西側に設置。廊下幅はメーターモジュールとし、トイレを含むすべてのドアは引き戸を採用している。

 この種のプランは真新しいものではない。最近では三井不動産レジデンシャルが「新川崎」で分譲しているし、挑戦したデベロッパーはほかにもある。

 今回のプランは、玄関を入ってすぐにリビング・ダイニングを設けていることに大きな意味がある。友人・知人などを招き入れるには玄関からすぐのところにリビングを設けるのは理解されるはずだ。

 このプランにユーザーがどのような反応を示すか、楽しみだ。設備仕様は全体として高い。ファミリー向けのモデルルームのプランもいい。

 単価について。業界内では坪単価は320万円くらいと予想されていたが、記者はそこまで行かないと思っていた。京王線は他の沿線と比べ割り負しているが、「仙川」ならともかく、いまの「千歳烏山」にはそんな駅力はない。坪300万円台前半というのはいい値付けだ。欲をかかないほうがいい。腹八分目、残りの二分はユーザーのために残すのが大手デベロッパーの思いやり、良心だ。

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コミュニケーションコリドー(完成予想図)

三井不動産レジが二世帯マンション「ツグイエ」 新川崎で発売(2014/2/1)

 

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左からブリヂストン建設資材企画部部長・向井章氏、野村不動産住宅事業本部品質管理部部長・小松久悦氏、長谷工コーポ エンジニアリング事業部統括室長・若林徹氏
 

 野村不動産、長谷工コーポレーション、ブリヂストンの3社は5月22日、建物の水回り設備を自由に配置・設計することを可能にした排水システム「サイホン排水システム」を共同開発し、第一段階としてキッチンディスポーザーで実用化したと発表した。2014年から開発を進めてきたもの。

 「サイホン排水システム」は、従来の管径40~75ミリだったのを20~25ミリに小口径化することに成功、1つ下の階で排水縦管に合流させることでサイホン力を利用して排水するシステム。排水管を通すために必要であった床下空間270~300ミリを140~150ミリに抑えることができ、室内空間を拡大することができる。

 また、排水管の無勾配化とサイホン力による高い排水性により、従来は縦管からの距離が2~3m必要だったものが、最大14mまで可能にした。排水管は専用部分の外の縦管につなぐことも容易になった。自掃能力もあり、排水管のつまりも軽減される。

 今後はユニットバスや洗面化粧台へも採用し、プランバリエーションを拡充できるよう開発を進めていくとしている。

 技術を開発したブリヂストンの給湯給水設備事業の全国シェアは30%程度で、これまで排水設備事業はなかった。

 長谷工コーポレーションは今後自社施工マンションの10%くらいに採用していくという。

 野村不動産は今後の商品開発に生かしていく予定。

◇       ◆     ◇

 これはすごいヒット作になる可能性を秘めている。ディスポーザーは10数年前から一挙に広まり、今では数十戸以上のマンションでは当たり前の設備になりつつある。しかし、機器本体そのものや排水の音の問題と、床下のふところ厚を確保しなければならないネックもあった。

 今回の商品は一挙にそれらの問題をクリアした。キッチンをバルコニー側に設けようとどこに設けようと少なくとも排水管の音の問題は解消される。本体そのものの音も最近は随分改称されつつあると聞く。

 発表会では従来型と今回の商品の実物大でのデモンストレーションが行われたが、新商品の排水スピードは従来型より5倍くらい早くなったそうで、一挙に流れた。もちろん音など全然出なかった。

 コストは従来型と比べ若干高くなるようだが、間取りプランの設計自由度が高まることと比べると問題にならないと思う。「長谷工のSI」は他社との差別化が可能となり、高さ規制の厳しいエリアでも対応できるようになるはずだ。

 3社は特許を出願中だが、汎用性を持たせる意向だ。

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従来型(奥)と新商品(手前)の大きさ、勾配などを比べたデモンストレーション

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「パークシティ大崎」全景

 北品川五丁目第1地区市街地再開発組合(業務受託者:三井不動産)は5月20日、東五反田地区にできた「パークシティ大崎」の完成披露説明会を行った。

 「パークシティ大崎」は、2棟の業務・商業棟、2棟の住宅棟、1棟の商業棟、地域交流施設棟、大崎の歴史を未来に承継する作業所棟の7棟の建物で構成。三井不動産、日本土地建物、大成建設、大和ハウス、新日鉄興和不動産、三井不動産レジデンシャルが再開発事業の参加組合員として参画。各建物の大半が竣工済み。

 商業棟(大崎ブライトプラザ)の1階にはスーパー、2階には医療関係の施設が入る予定。本年9月11日にグランドオープンする。

 完成披露説明会には、品川区長・濱野健氏、品川区地域振興部長・堀越明氏、北品川五丁目第1地区市街地再開発組合理事長・井上裕之氏、北品川五丁目第1地区市街地再開発組合 事務局長・松永健司氏らが出席。

 井上理事長は「着想から30年、再開発事業が品川区の支援の下、完成することができたことを誇らしく思う。うるおい、賑わいに溢れた地域になってほしい」と語った。

 また、今回の再開発事業を支援した濱中品川区長は「今回の開発に携わってきた方々に感謝したい」と述べるとともに、「元々目黒川周辺域は、製品を運ぶには打ってつけの場所で、品川は京浜工業発祥の地でもある。これからは、物だけでなく品川区の中小企業の人々を『SHIP(船)』に乗せて発展の海に漕ぎ出したい。そういう思いから『SHIP』と品川産業支援施設を名づけた」とブライトコア3,4階に開設された品川産業支援施設を紹介した。「SHIP」は中小企業のインキュベーション施設であり、ここを会社の住所地として登記することも可能。その他、3Dプリンターを設置した工房もある。施設利用料は、有料。

 住居棟の「パークシティ ザ タワー」は、地上40階、地下2階建て。共同住宅のほか、店舗や、子育て支援施設や地域コミュニティ施設も併設される。

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街区幹線道路

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大崎ブライトプラザ屋上

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 今回見学したのはブライトコアの3、4階と住居棟。

 パークシティ大崎は、緑豊かで潤いのある風景を創造するため、マスターアーキテクトとして日本設計が携わり、デザイン監修に光井純氏を、プランツディレクターには西畠清純氏を迎えた。街区内を東西南北に走る道路の街路樹は二重列植にすることで、より建物を引き立たせる工夫がなされている。

 街区を彩るシンボルツリーには、街の繁栄を願うオリーブの大樹8本が街区の中心部のほかにも植樹されている。樹齢は250年から600年。樹齢1年に対し1万円だそうだ。はるばるスペインから船で運ばれてきたのでそれほどの高価なものになったようだ。

 街のシンボルツリーや街路樹の1本1本にそれだけの費用と時間をかけていることを知り、驚いた。 

                                (岡田寛子)

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オリーブの木

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マンション エントランスホール

 

 

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植樹式

 積水ハウスは5月19日、同社の環境技術実証実験住宅3棟を結集した「積水ハウス エコ・ファースト パーク」を同社の関東工場(茨城県古河市)に新設、広く一般に公開していく。同日、和田勇・同社会長兼CEO、阿部俊則・同社社長兼COO、北村茂男・環境副大臣、楠田幹人・茨城県副知事、菅谷憲一郎・古河市長らが出席して開所式や植樹式・メダカ放流式が行われた。

 「エコ・ファースト パーク」は総面積2万8,000㎡。地球温暖化や生態系問題、資源問題などの〝学びの場〟として提供するもので、2006年に国立市に建設した「風の家」、2008年に洞爺湖サミットの環境ショーケースとして建設された「あしたの家」、2010年に横浜市に建設された「木の家」をそれぞれ移築、「いきものの庭」「資源の泉」などを加えた施設で構成。

 開所式で挨拶した和田会長は「後世に伝えられる設備を備えた住居つくりを99年から取り組んできたが、その活動の歴史の中で象徴的なモデル施設を一か所に集約できた。たくさんの人に若いうちから環境を学ぶ場所にしていただきたい」と述べた。

 来賓として出席した北村環境副大臣は、「行政、企業、市民が一体となり地域を盛り上げ、そして環境について学ぶ場として発展していくことに期待したい」、楠田副知事は「茨城はエコに積極的に取り組んでいるので、県民に親しみのある施設になるよう施設にしていただきたい」、菅谷市長は「行政としても環境に配慮した取り組みを行う心は積水さんの理念と同じ」などと語った。

 同社は、2008年に①家庭部門と事業活動に伴う二酸化炭素排出量制限の積極的推進②生態系ネットワーク復活の積極的推進③資源循環の徹底推進の3つを環境大臣と約束し、業界初の「エコ・ファースト企業」として認定を受けている。

 場所はJR宇都宮線古河駅から車で20分。開業時間は10:00~17:00。入場無料。見学の際はホームページで予約が必要。(岡田寛子)

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左から和田氏、北村氏、楠田氏、菅谷氏

◇        ◆      ◇

 全体の見学時間は2時間もなかったので、回りきれなかったのが残念だった。じっくり見学するには少なくとも5時間は必要だとおもう。それくらい中身の濃い「パーク」だと思う。

 今回、報道陣に公開された「エコ・ファースト・パーク」の「風の家」も「あしたの家」も「木の家」も記者は見るのが初めてだった。なにより嬉しかったのは、同社の「5本の樹計画」や木造住宅「シャーウッド」ファンの記者としては、主力の「鉄」ではなく、環境と親和性の高い「木の家」が移築されたことだ。

 もう一つ、2003年に開設された建設現場の廃棄物を分別し、100%資源化する流れを学べる「資源の泉」がいい。以前はそのまま廃棄されていた廃材が最初27種に分別され、最後は80種まで細かく、しかもタグ付きだからどこで廃棄されたかもトレースすることができる。これも素晴らしい。

 同社が消費者から圧倒的な支持を得られるのも、こうした地道な活動があるからこそだと納得もした。和田会長は「1999年に『環境未来計画』を発表したとき、業界からもマスコミからもばかにされた。今は、環境を語れない企業は存続できない」と話したのが印象に残った。

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メダカの放流式

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メダカの放流式

◇            ◆      ◇

 ひとつだけ、今回の見学取材で我慢がならなかったことがある。古河駅から同社が用意したバスで「「エコ・ファースト・パーク」が開設された同社の工場に向かったのだが、おそらくプラタナスだと思うが、道路の街路樹として植えられていたその樹木は変な選定をやったために瘤だらけになり、支柱がないせいかひん曲がり、無駄なヤゴやら幹ぶき、徒長枝だらけ。木は悲鳴をあげていた。きれいに選定され、樹木1本一本に名札が付けられた同社工場敷地内の樹木とは対照的だった。

 この日、古河市長もセレモニーには出席されていたので、このことを話そうと思っていたが、その機会はなかった。残念無念。(牧田 司記者)

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古河市の街路樹(左)と駅前広場のケヤキと思われる木

 国立市議会は5月19日、先の市議選で上原公子元市長を支持する国立・生活者ネットワークの候補3名が全員落選したため議会勢力図が逆転したことを受けて、上原元市長に対する求償権の行使を求める決議を賛成13名、反対8名で可決した。

 議決では、これまでの経緯に続いて「さる4月26日に実施された統一地方選挙の結果、佐藤市長は、圧倒的多数に支持を受けて再選され、国立市議会の議員構成にも大きな変化が生じた。この選挙結果は、国立市における直近の民意を反映するものであることは言うまでもない。そこで、国立市議会は、改めて上記放棄決議に反対の意思を表明するとともに、佐藤市長に対して下記のような求償権の行使を求める」としている。

 「下記のような」とは、東京地裁平成21年(行ウ)第249号損害賠償請求事件(住民訴訟)のことで、上原元市長に3,123万円と金利分を支払うよう求めた判決。

国立「求償権裁判」被控訴人(上原元市長)側が弁論・意見陳述(2015/5/16)

 

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