伊藤忠都市 高さ規制を逆手 1階住戸の天井高3m確保「武蔵中原」
「クレヴィア武蔵中原レジデンスコート ヴィラコート」完成予想図
伊藤忠都市開発の「クレヴィア武蔵中原レジデンスコート ヴィラコート」を見学した。500件以上寄せられた地域の声を商品企画に生かした意欲的なマンションだ。
物件は2棟で、「レジデンスコート」はJR南武線武蔵中原駅から徒歩7分、川崎市中原区下小田中四丁目に位置する5階建て32戸。専有面積は70.88~101.02㎡、価格は未定だが坪単価は240万円の予定。「ヴィラコート」はJR南武線武蔵中原駅から徒歩8分、川崎市中原区下小田中四丁目に位置する4階建て22戸。専有面積は66.90~72.17㎡、価格は未定だが坪単価は230万円の予定。
竣工予定は平成27年7月末日。施工は谷津建設。販売代理は伊藤忠ハウジング。
現地は、高さ制限15mに指定されている第2種中高層住居専用地域。住宅地として市民に親しまれている「下小田中四丁目」でのマンション分譲は4年ぶりとのことだ。
最大の特徴は、近接する2物件を一体として企画し、地元を対象に行い、500件以上集まったアンケートの声をランドプラン、専有部、設備仕様に反映させていること。
声は、四季を通じてそれぞれ咲く草花を外構に植え、1階はリビング天井高約3m確保して戸建て感覚を演出、ミストサウナ・食洗機付き、引き戸の多用、豊富な収納などに生かしているという。
現地販売担当者は「来場は順調。第1期として30戸くらい供給できれば」と話していた。
エントランス
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同社はもともと「収納」や「キッチン」に関しては先導的な取り組みを行ってきた。今回も同社オリジナルの商品をほとんど盛り込んでいる。玄関・ホールの幅を1.25m確保したプランや、居室・収納などのドアを極力引き戸にしているのもいい。
記者が感心したのは「ヴィラコート」のモデルルームプランだ。1階住戸の4戸のみだが、リビングと居室の天井高を3m確保し、ロフトを設けている。
これは物件概要でも分かる通り、5階建てとせず4階建てにしたために実現したものだが、「レジデンスコート」は敷地の東側に道路があるために東向き住戸の日照や採光が十分確保できるのに対し、「ヴィラコート」は東側に戸建ての隣地と接しているために、敢えて階高を高くして需要を喚起する選択肢を選んだということだ。規制を逆手にとった好例だ。
価格設定も中層マンションの場合、1階住戸をもっとも低くするが、今回は2階<1階<3階<4階のとしている。狙いは的中し、すでに1階住戸は購入希望がすべて入っているという。
1階住戸の難点を解消した商品企画としては、日本綜合地所の「全開口サッシ」「アウトドアリビング」がよく知られているが、天井高を高くするのもいいアイデアだ。住友不動産がよくやった手法だ。最近はこういったプランが少なくなった。
武蔵新城ではコスモスイニシアがレベルの高い「イニシア武蔵新城ハウス」を分譲している。こうしたレベルの高い商品企画競争に勝ち抜くことこそ新価格時代の勝者になる王道だ。
「レジデンスコート」(左)と「ヴィラコート」
大和ハウス 戸建住宅「xevo Σ」が「日経優秀製品・サービス賞」受賞
「xevo Σ(ジーヴォシグマ)」
大和ハウス工業は2月16日、同社の戸建住宅最上位商品「xevo Σ(ジーヴォシグマ)」が日本経済新聞社「2014年日経優秀製品・サービス賞」で「最優秀賞 日経産業新聞賞」を受賞したと発表した。
「xevo Σ」は、繰り返しの巨大地震でも初期性能を維持できるエネルギー吸収型耐力壁「D-NΣQST(ディーネクスト)」を全ての耐力壁に標準搭載した戸建住宅最上位商品。従来と比較して最大で約2倍の強度となった耐力壁により、今まで以上の大空間・大開口を可能にするなど、ワンランク上の基本性能を実現させた。
同賞は今年で33回目となり、日本経済新聞、日経産業新聞、日経MJ、日経新聞電子版、日経ヴェリタス、Nikkei Asian Reviewの各メディアに掲載された約2万点の新製品・サービスの中から選定され、今回は34点の受賞製品・サービスが受賞している。
大京 全マンションに「ライオンズパッシブデザイン」採用
大京は2月16日、日本大学と共同で開発を行い、2009 年に「ザ・ライオンズたまプラーザ美しが丘」に採用し、その後も実証・検証を続けてきた、パッシブデザインに自社基準「ライオンズパッシブデザイン」を設け、2015 年4 月に新規着工するライオンズマンション全物件に標準採用すると発表した。
パッシブデザインとは、太陽光や風などの自然エネルギーを利用した建築方法で室内環境を快適にする手法で、同社が標準装備するのは①グリーンカーテン用フック②換気ストッパー付サッシ③大型給気口④エコガラス⑤通気ルーバー付き扉⑥換気機能付玄関ドアの6 設備と住宅性能評価省エネルギー対策等級4。
これらの設備などを6年間にわたって検証した結果、夏期のエアコン電気代が約3 割削減、7 月の室温約4.9 度低下、換気量約4 倍に増加などの効果を得ることができたとしている。
ランドスケープが最高!三井不レジ他「スカイズ」竣工見学会
「スカイズタワー&ガーデン」(中央の建物)
三井不動産レジデンシャル2月12日、同社をはじめ東京建物、三菱地所レジデンス、東急不動産、住友不動産、三菱地所レジデンスの大手6社初の共同事業マンション「スカイズタワー&ガーデン」が竣工したのに伴いプレス見学会を行った。
完成したマンションは、2006年に策定された「豊洲地区まちづくりガイドライン」に沿って開発された「豊洲3-2街区」約20haの敷地の一角に建設されたもので、44階建て全1,110戸の規模。専有面積は53.24~130.92㎡、価格は3,568万~1億3,998万円(最多価格帯5,500万円台)、坪単価は250万円強。平成25年7月から分譲開始され、26年3月末までに全戸が完売した。この間わずか10カ月。記録的な販売スピードとなった。来場者は5,000組を突破した。
購入者の年代は20歳代から60歳代以上までまんべんなく広がっており、居住地も地元江東区が約34%を占めたものの中央区7%、港区6%、その他が半数以上にのぼり、広域的な集客ができている。
隣接地で分譲されている同じ6社共同の「ベイズタワー&ガーデン」(全550戸)もこの2月13日から登録が始まった最終期35戸(最多価格帯6,800万円台、坪単価270万円)のみとなっている。2年もかからずに全1,660戸が完売することになる。
「万葉の杜」完成予想図
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このマンションについては、分譲開始時にも記事を書いているのでそちらも参照していただきたい。「デザイン・構造」「ランドスケープ」「先進モデル」ともうならされるものばかりだった。
まず「デザイン・構造」。初めて知ったのだが、従来型(首都圏では鹿島のみ)のトライスターは側面スパンが4.5~5.5mなのに対し、今回の清水施工は8mと広くなっているのが特徴。もう一つ、気が付いたのはトライスター型だと住戸間の〝お見合い〟が懸念されるが、これもマリオンを工夫することで避けるように工夫されている(勝どきザ・タワーもそうなっているようだ)。
「ランドスケープ」は最高だった。開発面積約3.2haのうち緑地空間は約46%。建物の周囲はタブノキ、ヤマモモ、マテバシイの高木や様々な中低木で埋め尽くされていた。高木は幼木ではなく、立派な成木ばかりなのに驚いた。「CASBEE まちづくり」でSを取得しているのも納得だ。
タブノキはあまり見かけないと思ったが、ウィキペディアには「日本では東北地方―九州・沖縄の森林に分布し、とくに海岸近くに多い。照葉樹林の代表的樹種のひとつ」と紹介されていた。樹高は20mくらいになるそうだ。
「先進モデル」では、地中熱を利用しているのはおそらくマンションで初めてだろうと思う。Wi-Fi環境&フリーインターホンシステムが採用されており、1戸に1台配布されるタブレットで様々な環境が検索できるという。「スカイズ」と「ベイズ」の共用施設は相互利用が可能。3室あるゲストルームのうち最大の75㎡くらいの使用料は7,000円。ホテルのスイートのようだった。一時流行したプール(25m)もある。44階建てであれほどの屋上緑化を施しているマンションはほかにないはずだし、天体望遠鏡は空しか見えないだろうが、オリンピック選手村も望遠鏡があれば見ることができそうだ。エレベータの床が本物の石張りだったのにも驚いた。
ここでは書けないが、今後新規に発売される豊洲エリアのマンションはとてつもない高値になるのは間違いない。「スカイズ」「ベイズ」を購入した人は安い買い物をしたのか。
スカイラウンジ
プール
ゲストルーム
東京建物 新グループステートメントは「次も選ばれる東京建物グループへ」
東京建物は2月12日、本年度をスタートとする5年間(2015~2019年度)のグループ中期経営計画を策定し発表した。
新しいグループステートメントは「次も選ばれる東京建物グループへ~革新的なグループシナジーで驚きの価値提供を~」。顧客から〝次も選ばれる〟ため、ハード面のクオリティだけではなく、上質なソフトやサービスを追求した事業展開を行うことで、〝お客様が驚きを感じられる魅力あふれる価値〟を提供しようという気持ちを込めた。
定量目標は営業利益500億円。「独自性や強み」を生かした分野への投資を進め、各事業のバリューチェーン強化と、多様な事業の有機的な協働による驚きの価値提供に努める。
このため、東京建物不動産販売の完全子会社化を行い、グループ総合力の強化を図る。具体的には東建不販の住宅販売機能を東建に統合し製販管一体化を図り、東京建物アメニティサポートの子会社化も実施する。東建不販に東建のCRE戦略支援機能を移管。シニア事業は東京建物シニアライフサポートに集約。余暇関連子会社の統合も行う。駐車場事業も拡大する。その他、事業領域を重点対象としたM&Aも推進する。
東京建物 7月から株式の売買単位を100株に
東京建物は2月12日、同社の単元株式数を現在の1,000株から100株に変更すると発表した。平成27年3月26日に予定されている株主総会で決議し、27年7月1日から発効する。
全国証券取引所は、売買単位の集約化に取り組んでおり、売買単位を100株に集約することを目指している。現在、上場会社の69.4%(2,407社)が100株単位になっている。
現在、主な不動産会社では三井不動産、三菱地所、住友不動産、大京が1000株単位となっている。
中央住宅 同社初の再開発「春日部」 「スタッフの目の色が変わってきた」金児氏
ポラスグループの中央住宅がグループ初の市街地再開発に事業協力者として参画することが決まった。埼玉県春日部市の「春日部中央一丁目再開発事業」で、昨年10月、再開発準備組合の臨時総会で同社とフジタが事業協力者として決議された。
事業地は東武伊勢崎線春日部駅西口から徒歩3分、開発総面積は約2.5ha、延べ床面積は約15.0ha。マンション約300戸のほか、地権者のイトーヨーカ堂などの店舗、事務所、公益施設などが予定されている。今年度中に都市計画決定され、着工は平成30年度、竣工は33年度の予定。
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このニュースはすでに建設関係の業界紙にも報じられているが、同社グループ中央住宅取締役事業部長・金児正治氏と一昨年の暮れに懇談した際に、金児氏は「これからは供給エリアを広げ、規模についても他社とのJVを視野に入れた大型案件、マンションと戸建ての複合開発、さらにはリノベーション、再開発案件にもトライしていく」と語っている。
マンションや戸建て事業の拡大はよく理解できたが、再開発とはずいぶん大きな夢というか大風呂敷を広げるものだと聞き流した。おそらく、そのころからこの春日部の再開発案件が水面下で進められていたのだろう。あのとき、突っ込んだ質問をしていればヒントくらいつかめたかもしれないと思うと残念だ。
同社が沿線地域の再生・活性化に取り組むのは大賛成だ。東武伊勢崎線は交通の利便性が極めて高いにも関わらず、埼玉県側には宴会・会合ができるホテルはひとつもなくデパートもない。文化の香りも欠けている。
そのために、首都圏でもっともマンションの単価相場の低いエリアとしてバブル以前から定着してしまっている。駅前の一等地でも坪単価は180万円がアッパーだ。
春日部は、宿場町として栄えた県東部の「核」都市だ。同沿線では北千住とともに特急停車駅で、東武野田線ともつながっていることから交通の要所でもある。建売住宅やマンションもよく売れた時代があった。
しかし、バブル崩壊後は衰退の一途をたどっている。三井不動産が「ララガーデン春日部」を2007年にオープンして街が一変するかと思われたが、人口減少傾向は今も続いている。
再開発プロジェクトといえば大手デベロッパーの独壇場だが、沿線の街を熟知しているポラスがどのような新機軸を打ち出すか。ここが成功すれば、他のエリアに一挙に広がるはずだ。
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「最近はスタッフの目の色が変わってきた」-金児氏は最近のマンションや戸建ての販売状況がいいことをこのように表現した。
その一つが、同社の新ブランド「ルピアコート」の第一弾ルピアコート光が丘公園」(50戸)だ。昨年9月、見学会が行われたとき、坪単価は250万円と聞いて〝果たして大丈夫か〟とも思ったが、すでに残りは15戸と好調だ。
1年前に分譲開始した坪単価190万円の「ライフピア新越谷プレジール」(41戸)も完売した。この物件は見ていないが、「南越谷」では三菱地所レジデンスが分譲中だ。戸数は三菱の156戸にかなわないが、単価(三菱は185万円)では互角以上だ。
都内に進出した戸建ても順調に推移している。昨年6月から分譲を開始した「マインドスクェア練馬春日町」(12区画)も残り1区画だという。記者は見学した時点で〝売れる〟と判断したが、隣接地のあるメーカーの戸建ては苦戦しているという。
住宅・不動産業界を取り巻く環境はリーマンショックを機に激変しており、大手の寡占化が進んでいる。マンションも戸建てはもちろん仲介、リフォーム・リノベーション、空き家対策などあらゆる関連分野でシェアを伸ばそうとしている。中堅は防戦一方だ。その点、ポラスには沿線で営々と築いてきた地盤がある。とくに戸建ては大手も侵攻できないのが現状だ。逆にポラスが大手の分野に攻め入るシーンが見られるかもしれない。
ポラス 大手を意識した分譲戸建て「練馬春日町」 十分戦える商品企画(2014/6/20)
野村不動産 京都初の「プラウド」40戸 坪単価370万円でも即日完売
野村不動産の京都初の“プラウド”プロジェクト「プラウド京都麩屋町御池」(43戸、非分譲3戸含む)が即日完売した。坪単価370万円の高額ながら、約550件の来場があり、第1期、第2期とも競争倍率がついた。購入者のうち23.3%が東京都居住者。
「プラウド京都麩屋町御池」は、京都市営地下鉄東西線京都市役所前駅から徒歩4分の10階建て。専有面積は67.40~104.10㎡、価格は6,880万~13,980万円(最多価格帯7,900万円台・8,300万円台・8,500万円台・8,900万円台)、坪単価370万円。第1期(35戸)は昨年12月13日に抽選分譲され、最高5倍、平均1.86倍。第2期(5戸)は今年1月24日に抽選分譲され、最高10倍、平均3.6倍となった。
申込者の平均年齢は57.3歳。家族数は平均2.4人。職業は会社役員27.9%、会社員23.3%、医師18.6%、オーナー経営者12.8%。居住地は京都府26.7%、東京都23.3%、大阪府14.0%。
同社は今後も京都市内中心部でのプロジェクトを計画している。同業他社も坪単価500万円を突破するマンションを供給する模様だ。
野村不動産 京都初のプラウド 坪単価は370万円高いのか安いのか(2014/10/10)
東京建物 東建不販を完全子会社化 東建不販は上場廃止へ
東京建物と東京建物不動産販売は2月12日、株式交換で東建不販を東京建物の完全子会社とすることを決議したと発表した。手続きを経て平成27年7月1日付で発効する。東建不販は6月26日付けで上場廃止となる。株式交換比率は東京建物が1に対して東建不販が0.610。
両社は今年を初年度とする中期経営計画をスタートさせた。それぞれが上場会社として事業展開していくことと比較して、グループ内で分散している機能の集約によるバリューチェーンの最適化、シナジー効果、経営資源の配分と戦略の策定を可能にすることが事業環境の変化に柔軟に対応できる最善の方策として決定したとしている。
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ゼロから最多は4社まで増えた上場不動産流通会社だが、三井不動産リアルティ(当時、三井不動産販売)が三井不動産の子会社化で、東急リバブルが東急不動産などとの経営統合でそれぞれ上場廃止となり、そして今回の東建不販の上場廃止により、住友不動産販売のみとなったのは寂しい。これも時代の流れか。
記者は三井、三菱、住友グループに対抗するためにも東建を含むみずほグループのデベロッパーの再編・統合も考えていいと思っている。商社を除けば、三井、三菱、住友グループには不動産事業を複数社が行なっているところはない。
企業の生い立ち、金融の再編成など事情が異なるといえばそれまでだが、それにしてもみずほグループにはそれぞれ立派な不動産会社が多い。以前も書いたが、直近の売上高は東建グループが2,300億円、安田不動産が350億円、ヒューリックが1,084億円、大成有楽不動産が1,037億円、日本土地建物が732億円。トータルで約5,500億円だ。野村不動産ホールディングスと同じくらいになる。
それぞれが個性的な特色ある事業を行なっているので、一緒になってよさがなくなったら元も子もなくなるが、総合力が問われる今は総力を集中することのほうがより大きな効果を発揮するのではないか。ユーザーの側からすれば「みずほ 不動産グループ」のほうがわかりやすい。
東尾修・理子氏の親子、魔裟斗・矢沢心氏の夫婦 二世帯住宅を語る 旭化成ホームズ
「ヘーベルハウス『二世帯住宅全員納得!相談会』」(渋谷ヒカリエホールで。中央が村尾氏)
旭化成ホームズは2月10日、同社の「二世帯住宅」販売40周年記念イベント「ヘーベルハウス『二世帯住宅全員納得!相談会』」を開いた。先に2月10日を「二(2)世帯住(10)宅の日」に制定したと発表しており、その日に合わせたもので、野球評論家の東尾修・理子氏の親子、魔裟斗・矢沢心氏の夫婦がトークセッションを行なった。予定されていた80席を大幅に上回る約100名の報道陣が集まった。
イベントは、同社の二世帯住宅研究所・松本吉彦氏が二世帯住宅40年の歴史と最近のトレンドについてプレゼンテーションを行なった後、東尾修氏、東尾理子氏の親子、魔裟斗・矢沢心氏の夫婦が登壇。同社の営業マン・村尾厚介氏も加わって親の思い、子の希望、理想の住まいなどについて語り合った。主なコメントを紹介する。敬称略。( )は記者のコメント。
(それぞれの親子、夫婦について)
東尾修 タバコが吸えない。いつも外。理子がものすごく怒る。今も(控え室か)取り上げられた(東尾さん、情けない。子どもの前はともかく堂々と吸えばいい。ガンとの因果関係はない)棟続きなら同居もいいが、一つ屋根は抵抗がある
魔裟斗 26歳で家を買った。理想は車が洗えるガレージとトレーニングスペースがあるといい
東尾修 (司会者に理子さんに面と向かって言えないことを問われて)石田さんとの住宅を建てるとき、設計図を事前に見せてもらえなかった。親のことは全然考えていないと思った(これは本心か)
東尾理子 聞いたじゃん。相続税のこととか…(司会者は親子喧嘩が始まったら大変と感じたのか、「まあまあ」と丸く収める)
魔裟斗 (司会者に心さんに面と向かって言えないことを問われて)よくやっていると思いますよ。4、5年、酒を飲んでいないのでは。両親との関係もうまくやってくれている
(以下、子が親にやってほしいことについて)
東尾理子 子どもが中心になると主人がかわいそう。主人とデートするときは、お父さんに子どもの面倒を見てほしい
東尾修 冗談じゃない。俺も一緒に行きたい
矢沢心 ちょっとしたとき、お父さんたちに子どもの世話をしてもらうとありがたい
(以下、理想の二世帯住宅について)
村尾厚介 土地が80坪、建物が80坪。それぞれに最適の二世帯住宅を提案できる。東尾さんにはタバコルームもトレーニングルームも提案したし、中庭でキャッチボールもできる
東尾修 どれぐらいでできるんだ。理子や魔娑斗さんたちはまだ活躍できるが、俺はこれから先そう長くない。まけてくれるのか(坪100万円から150万円くらいか。土地代除き1億円前後)
東尾理子 2年前に家を建てました。親の介護などバリアフリーは全然考えなかった。提案はすごい、楽しい
魔裟斗 プライベートが確保されている。考えてもいい
矢沢心 二世帯住宅は全部筒抜け、見られているイメージがあるけど、提案プランはすっごくいい。その気になっちゃう
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以下は「氏」ではなく「さん」付を許していただきたい。「長島氏」「王氏」「東尾氏」では具合が悪い。野球ファンにとって、やはり「長島さん」「王さん」「東尾さん」だ。親しみを込めた敬称だ。記者はアンチ巨人の西武ファン。東尾さんとは球場外で2度会っている(東尾さんも覚えていてくれるはず)。
司会の女性は、東尾さんを「タレント一家」として紹介した。娘さんのタレントかプロゴルファーか知らないが、理子さん(これも理子氏では具合が悪い、以下同じ)のご主人の石田純一さんをひっくるめてそう呼ばれるのだろうが、東尾さんはいつから「タレント」になったのか。タレントの意味は「知識、技量」もあるからそのように解釈したいのだが、世間はそのように取らない。
いま、長島さん、王さん、東尾さんと書いたが、東尾さんは長島さんや王さんや野村さんと同レベルの評価をされていい野球人だ。黒い霧事件の後、西鉄-太平洋クラブ-クラウン-西武のエースとして獅子奮迅の活躍を見せ、200勝投手だけでなく、四球王という名誉にも浴したではないか。
西武の監督時代は、日本シリーズでは敗れたが常勝軍団を築き上げた。間違いなく野球殿堂入りする人だし、まだまだ監督として現役復帰しなければならない球界の宝だ。
きっぱりと野球界から引退するのならともかく、「タレント一家」の一人として紹介されるのは残念だ。しゃべりも喧嘩投法そのもの、えげつないシュートを投げるべき。それが東尾さんの生命線だ。好々爺は似合わない。
左から東尾修氏、東尾理子氏、魔裟斗氏、矢沢心氏
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サプライズもあった。旭化成ホームズの営業マンとして村尾厚介氏が登壇したときだ。どこかで名前を聞いたような気がした。顔はもちろん、東尾さんよりも魔裟斗さんよりも背が高く、贅肉などまったく付いていないことがスーツ姿からも分かった。俳優・タレントとしても十分通用すると思った。
イベント中ずっと考えた。浮かんだのはRBA野球だった。イベントが終ってから、同社に問い合わせた。ドンピシャリ。やはり村尾氏は同社の野球部員としてRBA野球大会に出場していた。2006年の対三菱地所ホーム戦の記事で記者は「新人の1番・村尾と7番・久保田がそれぞれ3安打の猛打賞」と書いていた。
同社の野球部の選手は本業でも一流ということをこの日のイベントでも証明した。それが嬉しかった。同社の野球部員は文字通り「タレント」揃いだ。
村尾氏が提案した二世帯住宅(左が東尾邸、右が魔娑斗邸)
2月10日は「二世帯住宅の日」 旭化成ホームズが日本記念日協会の認定(2015/2/5)
旭化成ホームズ猛打爆発 5発含む14安打13点(2006/7/12)