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「オハナ八王子オークコート」完成予想図

 野村不動産の第一次取得層向けのマンションブランド〝オハナ〟の11番目の物件「オハナ八王子オークコート」を見学した。JR八王子駅から徒歩10分の全346戸で、坪単価は147万円。5月16日に第1期として130戸を分譲、上々のスタートを切った。

 物件は、中央線八王子駅から徒歩10分、八王子市子安町1丁目に位置する14階建て全346戸。専有面積は65.84~83.83㎡、第1期2次(戸数未定)の価格は2,600万円台~3,900万円台(最多価格帯3,200万円台)、坪単価は147万円。竣工予定は平成27年7月中旬。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は野村不動産アーバンネット、長谷工アーベスト。

 現地は、大手企業のオフィスビル跡地。既存樹のケヤキやサクラなども残している。隣接してフージャースアベニューが分譲戸建てを建設中。

 建物は東南向きと南西向きのT字型で、間口5800ミリ、6000ミリ、6150ミリ、6300ミリ、6450ミリのファミリー向けが中心。設備仕様などはこれまで分譲してきた〝オハナ〟とほとんど同じ。

 販売担当者は、「第1期終了後も1週間で来場者は約40組。コンスタントに集客できている。3,000万円前後の価格が評価されている」と話している。

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現地

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 この物件の情報は以前から聞いていたが、いったい価格がいくらになるのか注目していた。建築費の上昇で〝オハナ〟は供給できなくなるのではとも思っていた。その疑問を5月15日に行われた不動産協会の総会後に行われた懇親会で、同社中井加明三社長にぶつけてみた。中井社長は「そんなことはない。エリアにおける割安感は必ず出る。今後2年間は、いやずっと大丈夫」と話し、この「八王子」は「坪単価150万円を切る。これはいい」と自信満々だった。

 確かに坪150万円切るのは安いと思った。近隣物件と比べると設備仕様は異なるだろうが、単なる単価比較からすれば2割近く安い。これから新規に供給される物件はどんどん価格が上がってくるだろうから、間違いなく割安感がある。

 〝オハナ〟だからゲストルームなどはなく、設備仕様は〝プラウド〟より劣るが、かといって劣悪ではない。植栽計画もしっかり行っている。水準以上のマンションだと思う。このレベルのマンションが供給できるというのであれば、〝オハナ〟は健在だ。

 ただ、坪150万円という単価は住戸面積20坪として3,000万円だ。第1次取得層向けの取得限界に近い。この150万円を上回ってくるようだとどうかという懸念もある。

 〝オハナ〟はこれから分譲する「鶴間」(307戸)を含め12物件、戸数は2,726戸となる。これまで供給されたものは一部を除き竣工前に完売となっている。

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完成予想図


 

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「デュオセーヌつくばみらい」完成予想図

 フージャースコーポレーションのシニア向け分譲マンションの第一弾「デュオセーヌつくばみらい」を見学した。坪単価170万円で、同社が隣接地で分譲しているファミリー向けと比べ坪50万円高いが、天然温泉付き・ダイニング&レストラン付き、24時間の医療・看護・介護サービス付きというこれまでにない商品企画が人気で、全150戸のうち3分の1強が契約済みだ。

 物件は、つくばエクスプレスみらい平駅から徒歩7分、茨城県つくばみらい市陽光台二丁目に位置する9階建て全150戸。現在分譲中の第3期(30戸)の専有面積は51.19~75.40㎡、価格は2,398万~4,348万円(最多価格帯2,700万円台・2900万円台)、坪単価170万円。竣工予定は平成26年12月中旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。購入するには満50歳以上、自身で身の回りのことができることが条件となる。事業者は同社のほかダイヤモンド地所。

 現地は、全体で約6,000坪の開発地の一角にあり、すでに入居済みのファミリー向けマンション「デュオTXみらい」(106戸)と、現在分譲中の「デュオTXみらいヒルズ」(132戸)が隣接。坪単価約120万円の「デュオTXみらい」は約1年半で完売。「デュオTXみらいヒルズ」は坪単価120万円強で、半分弱が契約済みだ。

 シニア向けは昨年11月から分譲開始しており、角住戸の73㎡タイプ6戸は完売するなど全体で3分の1が契約済み。購入者の属性は、東京都、千葉県在住者がそれぞれ40%くらいで、茨城県居住者を上回っている。平均年齢は約70歳で、単身世帯と2人入居が半々という。

 所有権付きなので、相続も売却も賃貸も可能。マンション内に訪問介護事務所と訪問介護事務所・居宅介護支援事業所を併設。24時間体制で医療相談、緊急対応が受けられる。協力医療機関とも連携している。

 住戸プランは、携帯用のコールボタンが1~2個のほか、浴室とトイレに各1カ所付いていた。ドアは全て引き戸。玄関はフルフラット。レストランの料理はカロリー、塩分計算付きで、外部からの利用も可能。

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建築中の現地

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 現地で話を聞いたのは娘ほど若い同社の入社8年という女性社員Fさん。Fさんは、「大変好評。特養やグループホームは入りたくても競争が激しく入れない、有料老人ホームも必要ないサービスが付いたり利用料金が高かったりなどといった問題があり、所有権付きの当社のマンションは新しい選択肢として理解されています。ご両親などの介護を経験されている方はとくに決断が早い。立地がどうかなどロジカルではないんです。〝明日はどうなる〟という不安を取り除こうという情緒的判断をされる方が多い。私もホームヘルパー2級の勉強をして対応しています」と語った。

 記者も「高齢者」の仲間に入れられてしまったが、「高齢者専用」という触れ込みに付いていけない。天然温泉付き、レストラン付き、医療サービス付きというのは魅力だが、前居住地にいた友人、仲間との絆を断ち切ることなどができるのだろうかという疑問もわいてくる。おそらく、他人事として考えていては高齢者の考えや姿は見えてこないということだろう。

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天然温泉浴場

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 「みらい平」では開業まもなく、ある中堅デベロッパーが駅前で600戸を超えるマンションを坪160万円で売り出し、さっぱり売れなかった。大幅値下げしたが、それでも完売するまで5~6年かかったはずだ。

 そんなところでファミリーマンションもシニア向けも好調に売れているというのも信じられないが、このFさんやファミリーマンションの販売担当者Tさんの接客対応がいいのが印象に残った。Tさんは、イギリス人の心の故郷「コッツウォルズ」のような田園都市を目指すのだと熱っぽく語った。

 廣岡社長!どんどん女性を重用してデベロッパーの見本になるようにしてください。

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食事メニュー例(朝食380円、昼食580円、夕食680円)

フージャースHD マンション単品から戸建て・地方・シニアの4本柱へ大きく転換(2014/5/21)

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「飯田橋グラン・ブルーム」(左)と「パークコート千代田富士見ザタワー」

 三井不動産は5月29日、「飯田橋グラン・ブルーム」&「パークコート千代田富士見ザタワー」の竣工披露内覧会を行なった。内覧会は3時間近くにわたるもので、ひと・もの・かねの動きを一挙に変える同社のすごさを見た。

 飯田橋駅から徒歩1分、区域面積約2.5ヘクタールのオフィス・商業、住宅、教会の複合再開発で、街全体の名称は「飯田橋サクラパーク」。まちづくりの検討が始まってからわずか13年で竣工を迎えた。

 オフィスワーカー約7,000人、505世帯の安心・安全、新たな賑わいの創出、環境負荷低減、地域との共生がテーマ。千代田区で初めて防災用飲料水供給設備を導入したほか、帰宅困難者の受け入れ、10種類の桜約40本の植樹などを施している。街全体の緑化率は約40%確保している。

 「飯田橋グラン・ブルーム」は、30階建て延べ床面積約12万㎡のオフィス・商業ビル。熱源トータル最適制御システム「E-SCAT(イースキャット)」を導入して、年間約40%の二酸化炭素の削減を図る。オフィスはほぼ満室稼動するという。1~3階の商業施設「飯田橋サクラテラス」は10月10日グランドオープンする。

 40階建ての住宅棟「パークコート千代田富士見ザタワー」は全505戸のうち425戸が億ション。坪単価は476万円。わずか10カ月で完売した。

 教会は、120年余の歴史を持つ日本基督教団に属する「富士見町教会」。偶像崇拝を排除するため屋内には1つも十字架を掲げていないのが特徴。戦中でも欠かさず礼拝を行ったという。1955年にヘレンケラー女史が来日した際の講演会場となった。

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「富士見町教会」(左)と「飯田橋グラン・ブルーム」

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遊歩道(江戸城と同じ工法を用いた石垣)

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 見学の途中、マンションのエントランスホール付近の壁に掛かっていた絵画が目に留まった。8号くらいの日本画だった。近くに寄って銘板を見た。「加山又造」とあった。「まさか」と思った。同社の担当者は「本物ではありません。レプリカです。それでも相当な額です」と話した。それにしても名画とは不思議なものだ。絵のほうから呼びかけてくる、どこかで見たような既視感がある。

 レプリカではあるが加山又造の絵画がさりげなく掲げられていることが、このマンションのレベルの高さを象徴している。グランドホールに掲げられていた刺繍絵画は縦数メートル、横3メートルくらいあるもので、担当者によれば価格は「外車1台分かそれ以上」とのことだった。

 旧江戸城や熊本城などの城壁修復などを手がけたという日日石材の石匠が担当した住宅棟の石垣には見とれてしまったし、いたるところに専門家によるオブジェ、絵画が配置されていた。共用施設には紫檀、チークなどの高級材がふんだんに使用されていた。内廊下は高級ホテルでもないようなふかふかのジュータン張り。1泊7,000円のゲストルームは、ホテルならルームチャージで十万円はしそうな豪華なものだった。

 ただ、個人的な好みからすれば、ハーシュ・ベドナー・アソシエイツ(HBA)が手がけた〝和〟のデザインには違和感を覚えた。とくに床などに用いられていた七宝文様は大柄すぎないか。和と洋の融合はしっくり溶け合っていないように感じた。その一方で、いろいろな壁にアクセントとして用いられていた桜の文様は美しいと思った。

  

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マンション外観(左)とグランドエントランス

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グランドホール

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ライブラリー(左)とパーティルーム

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加山又造の絵画レプリカ

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 マンション505戸の購入者の属性は不明だが、間違いなく富裕層が多数を占める。千代田区の納税義務者は約2.8万人。課税標準額が2,000万円以上の階層は港区に次ぐ多さで、比率にすれば4%くらいに達するはずだ。東京都全体では1%くらいだから、いかに港区や千代田区が突出しているかが分かる。

 今回のマンション購入者のうち課税標準額が2,000万円を超える人は少なく見積もっても300人いるはずだ。つまり、同区の高額納税者比率を1%引き上げる力を持つということだ。

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 開発スピードも刮目に値する。再開発計画がスタートしたのは2001年。旧東京警察病院の移転が決定したことが契機だった。その後、再開発組合が設立されたのが2010年。その翌年に着工。そして今年6月に竣工。この間、わずか13年しか経過していない。

 再開発は20年、30年の歳月が掛かるのか普通だ。三井不動産がどの段階から再開発計画に携わったか分からないが、地権者は同社や前田建設工業、教会など12名と少数だったからでもあるだろうが、このスピードは驚異的だ。2001年といえば、同社などが東京ミッドタウンの用地を取得した年だ。そして、その6年後には竣工した。この2つのプロジェクトもそうだし、「柏の葉キャンパスシティ」もつくばEXの開業から10年もたたないうちに完成形に近づきつつある。このスピードには感嘆の声を上げるしかない。

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教会のパイプオルガン

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ヘレンケラーが講演したという講演台

江戸の「粋」と「エスプリ」を融合 「パークコート千代田富士見ザ タワー」(2012/11/8)

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「ライオンズタワー柏」完成予想図

 大京の柏駅前再開発マンション「ライオンズタワー柏」の坪単価は230万円-大京は5月30日、JR常磐線柏駅から徒歩3分の竹中工務店施工の商・公・住の複合再開発マンション「ライオンズタワー柏」(全265戸、分譲戸数249戸)の記者発表会を行なった。

 予定価格は2,700万円台~7,800万円台(40㎡台~90㎡台)で、坪単価は230万円になる模様。6月14日から第1期分譲を開始する。戸数は未定だが、価格の高い住戸を中心に購入希望が多く入っており、100戸近くが分譲されそうだ。人気になるのは必至だ。

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 このマンションの坪単価についてはずっと気になっていた。今後の郊外の駅近タワーマンションの値付けに大きな影響を与えると思っていたが、ドンピシャリ予想通りの価格になった。

 あるいは240万円もあるかもしれないと見ていたが、同社は極めてリーズナブルな価格設定を行ったと思う。売れるからといって高値を追求すべきではない。詳細は後日紹介する。

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中小ビルリノベーション事業第一号物件(神田岩本町)

三菱地所レジデンス 中小ビルリノベーション賃貸事業に進出

 三菱地所レジデンスは5月30日、中小ビルリノベーション事業に進出すると発表。同日、第一号物件の千代田区岩本町にある築40年の内覧会を行った。約15万円/坪(総額約1,500万円)の耐震補強・リノベーション費用で賃料は従前より50%アップでき、ほぼ満室稼働する。

 同事業は、築年数の経過などで競争力が低下し、継続的な運営が困難な中小事務所ビルを一括賃借、耐震補強工事を含むリノベーション工事を行い、バリューアップを通じて再生・転貸するもの。10年後にはオーナーに返還する。今後3年間で15棟、5年間で30棟の事業規模を目指している。千代田区神田小川町の第2号物件もリノベーションが完了し、順調にリーシングが進んでいるという。

 リノベーションにあたっては、同社の子会社メックecoライフとオープン・エー(東京R不動産)と企画・連携し、リノベーション物件のニーズを的確にとらえ、飲食・物販・住居・オフィスなどの多様な用途に改修する。

 環境負荷が大きいスクラップ&ビルドに頼らない既存ストックの有効活用につながり、資金面で改修できず競争力を失った中小ビルをバリューアップすることは、社会的意義も大きいとしている。

 内覧会で同社リノベーション事業部資産活用室資産活用グループ・明嵐(めあらし)二朗氏は、「当社の『大・丸・有』エリアとシナジー効果が期待できる神田エリアを中心に展開していく。神田は食・住・商が混在する一方で、後背地などは土地の細分化も進み、大型の再開発が困難な地域。これらを再生・支援する意義は大きい」と語った。

 第一号物件のビルは、築40年の敷地面積約73㎡、延床面積約387㎡の7階建ての物販・オフィスビル。1、2階に耐震補強を施したうえ、1戸については住居兼SOHOに改修した。改修費は約1,500万円(15万円/坪)。賃料は約1.2万円で、従前より50%増の設定。転貸するのは1~6階で、すでに1~5階は入居者が決まっているという。

 同社は、昨年10月、リノベーションマンション事業に進出。今年4月には体制を強化のため「リノベーション事業部」を新設。年間100戸、売上高30億円を目指している。

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住居兼SOHO

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 リノベーションについてはよく分からないが、古いビルやマンションの耐震改修は喫緊の課題だと思う。しかし、所有者の高齢化が進み、資金難から進まないのが現状だ。その費用を同社が負担するというのは、オーナーにとっても決断しやすいのではないか。

 今回のリノベーションビルは、耐震壁以外はそれほど設備仕様にはお金を掛けていないようだ。床はコンクリートのままで、天井高を2.5mから2.8mにして、配線などは天井にむき出しで設置するようだ。窓も単板ガラスのままだった。

 1戸だけ住居兼SOHOになっていたが、複数の住戸にコンバージョンするためには2方向に避難箇所を設置するよう求めている建築基準法がネックになったためだという。階段など1カ所しか避難箇所がない古いビルを住宅用にコンバージョンするのは難しいようだ。

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明嵐氏

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「東京ワンダフルプロジェクトBAYZ TOWER&GARDEN」完成予想図(写真左は「SKYZ」)

 東京建物など6社は5月28日、江東区豊洲6丁目で開発を進めているマンション「東京ワンダフルプロジェクトBAYZ TOWER&GARDEN」の「モデルルームお披露目会&新CM発表会」を行なった。この物件については、隣接する「SKYZ TOWER&GARDEN」(1,110戸)を見学した際の記事を参照していただくとして、特徴的なことを紹介する。

 物件は、東京メトロ有楽町線豊洲駅から徒歩14分、またはゆりかもめ新豊洲駅から徒歩6分、江東区豊洲6丁目の土地区画整理事業地内に立地する31階建て全550戸。専有面積は42.88~97.69㎡、予定価格は3,400万円台~1億1,500万円台(最多価格帯6,000万円台)、坪単価は250万円台の半ばになる模様。竣工予定は平成28年7月。設計・施工は清水建設。事業主は東京建物のほか三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、東急不動産、住友不動産、野村不動産。

 モデルルームオープンは5月31日、販売開始は7月の予定。これまで3,500件の反響があり、事前案内会への来場者は約800組。

 「東京ワンダフルプロジェクト」は東雲運河に面した敷地面積約3.2haに、約9カ月で完売した隣接の「SKYZ TOWER&GARDEN」(1,110戸)のほか、賃貸住宅、商業施設、公益施設、教育施設が建設される区画整理事業地内の一角。開発エリアの46%を緑地空間とし、約2,200本の中低木を配する計画。

 建物は、清水の免制震複合システム「スイングセーバー」を採用。外周や住戸内の梁の厚みを抑えることで自由度の高い住空間を実現。バルコニー側のサッシ高を2,450ミリ確保し、キッチンからの給排気ダクトによる下がり天井のないフラットな天井にし、SI(スケルトン・インフィル)も採用。わが国初の「CASBEEまちづくり」Sランクと「都市開発版SEGESつくる緑」を同時取得。長期優良住宅、東京都マンション環境性能表示でオール満点の三ツ星も取得。非常時発電は72時間確保。

 建物のデザイン監修は光井純氏、上層階共用部分デザインは世界的デザイナー、アラン・チャン氏、キッズガーデンデザインは手塚貴晴・手塚由比の両氏。

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完成予想図

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 まず、価格について。同社住宅事業部事業推進グループグループリーダー・水野功氏は、「SKYZと工法などが異なり単純比較はできないが、単価的にはそれほど変わらない」と坪単価は明らかにしなかったが、「SKYZ 」と同様の250万円くらいに落ち着く模様だ。

 バブルが崩壊する前は、マンションも一戸建ても期を重ねるごとに値段を上げるのが常識だったが、いくら景気がよくなり、今回の「BAYZ」も人気になりそうだからといって価格を上げるようなことはしないと思うし、そうすべきではない。この単価で十分利益は出るはずだ。高値競争は、各社単独の富裕層向けでどんどんやってほしい。

 「SKYZ」との設備仕様の違いについて。「SKYZ」は天井高2600ミリ、サッシ高2300ミリだったのに対し、「BAYZ」は天井高2500ミリ、サッシ高2450ミリ。キッチンは、「SKYZ」では付いていなかった食洗機が標準装備。コの字型が主流でバックカウンターもついている。ドアノブは「コロンボ」が標準。双方の共用部分は相互利用できる。

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ゲストルーム(左)と最上階のラウンジ&バー

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モデルルーム リビングダイニング

 

「わたし、買っちゃおうかしら」江角マキコさんが絶賛した「BAYZ」(2014/5/28)

ハイブリッド免制震など初ものづくし 満艦飾マンション「SKYZ」(2013/6/13)

 

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江角さん

 「わたし、買っちゃおうかしら」-5月28日行われた東京建物など大手デベロッパー6社JVの江東区豊洲6丁目に建設中りマンション「BAYZ TOWER&GARDEN」のモデルルームお披露目会&新CM発表会に臨んだ女優の江角マキコさんは「わたし、マンションは趣味で結構見学しています。このマンションは天井が高く窓も大きく、梁がなく、どこと比べても最高。買っちゃおうかしら」と、リップサービスとはとても思えぬ入れ込みようで絶賛した。

 そう語ったのは、事業者から挨拶や説明が行われた後のトークセッションの場だった。登場したのは髪と肌を除いて全部白。上着はところどころに花柄模様がある肌が透けて見えるノーブランドのチュニック、パンツはノーティファイ、パンプスはレペットだ。

 (記者は着ているものと履いている靴の色だけは「白」であることが分かったが、何と呼んだらいいか分からなかったので、女性記者に聞いて教えてもらった。このことを売主に名を連ねている別の会社の広報マンに伝えたら、「そこまでやるならブランドを聞かなきゃ」とけしかけられた。ここで助け舟だ。たまたまその場にいた広告担当の代理店の方が「スタイリストに聞いてみましょう」ということで、ブランド名が判明した。ノーティファイやらレペットは興味のある方は調べてください。記者はマンションブランドなら詳しいが、着るもののブランドには全く興味がないし、あっても買えないとあきらめている)

 なるほどと思った。マンションの外観も白だ。江角さんはきっとマンションにふさわしい白で統一したのだと瞬時に理解した。この場にふさわしいいでたちで登場した江角さんを鳥に例えるならば、掃き溜めと言っては言い過ぎの、まだまだ水質は十分でないかもしれない東雲運河に浮かぶ白鳥かシラサギだ。花になぞらえるなら、これ見よがしのシャクヤクではなく、可憐だが名前が悪い「ドクダミ」でもなく、触れなば落ちんタンポポの綿毛のように尻軽には見えないし、やはり凛と咲くカサブランカだ(カサブランカは他のマンションのCMに出た女優さんにも使ったような気がするが)。

 身に着けているものだけならどういうこともない。トークセッションでは誰もが当たり障りのない、どうでもいいようなことを話すのだが、江角さんは違った。冒頭に紹介したように、たくさんマンションを見ていないと話せないようなことを次から次へと催促もされないのに話した。これには仰天した。

 「モデルルーム見せてもらって本当にほしくなった。ゼロから造り上げる造り手の思いが伝わってくる。マンションの見学は趣味のようなもので、海外に行ってもよく見る。梁が出ていないのは不思議。全部、最高」と賛辞を贈った。

 江角さんに負けず劣らずの返答をしたのがトークセッションに参加していた同社住宅事業部課長・三谷和仁さんだ。すかざず「後で申込書をお渡ししますので」と返し、会場の笑いを誘った(江角さんを買う気にさせたのは、92㎡のフルオプションの9,000万円台の住戸であるのは間違いない)。

 これだけではない。江角さんは「ずっとデフレが続いてきたが、アベノミクス効果で明るさも見えてきた。私たちのような30歳代や40歳代の人が元気になるよう明るく楽しく生きたいし、このようなプロジェクトに関われてうれしい」と締めくくった。6社の社長が聞いたら泣いて喜びそうなコメントではないか。

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トークセッション(左から江角さん、三谷さん、同社住宅販売部課長・小保内剛さん)

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 〝刺身のつま〟程度でしかないトークセッションを記事の冒頭に書いたのは生まれて初めてだ。江角さんのコメントでこの物件の魅力を紹介できたと思う。これから書く記者の拙い記事こそ〝刺身のつま〟としてゴミ箱にでも捨ててほしい。

東建など6社共同「東京ワンダフルプロジェクト」第2弾「BAYZ」分譲へ(2014/5/28)

ハイブリッド免制震など初ものづくし 満艦飾マンション「SKYZ」(2013/6/13)

 三井不動産が1億株の新株発行と野村證券を割当先とする第三者割当による新株発行1,000万の合計1億1,000万株を発行し、概算3,245億円の資金を調達するというニュースが飛び込んできた。

 調達する資金は、同社が開発を進めている日本橋・八重洲エリア、日比谷エリアや「飯田橋グラン・ブルーム」、「(仮称)ららぽーと富士見」、「柏の葉キャンパスシティ148駅前街区」などのオフィス・商業施設のほか、物流、賃貸、ホテル・リゾートなどの平成27年3月期の設備資金計画3,760億円の一部に充当する。

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 現段階で同社の各事業の業績は絶好調。前期末のオフィス空室率は3.5%(連結)と低い水準で、分譲住宅の完成在庫は235戸と3.1%しかなく、今期計上予定戸数5,900戸のうち約5,200戸を契約済みだ。懸念される建築費の上昇も「すでに今期分についてはほとんど発注済み。発注の平準化も進み、一部は価格に転嫁できる」としている。

 同社は今期売上高1兆5,400億円(前期比1.6%増)、営業利益1,830億円(同6.0%増)、当期純利益900億円(同17.1%増)といずれも過去最高を予測している。

 今回の新株発行と第三者割当増資によって同社の発行済み株式数は約8.8億株から約9.9億株へ12.5%も増加する。増資による利益希薄化による株価の下落も懸念されるが、現在の株価は3,100円くらいで推移している。上場来最高値は2007年5月10日の4,000円。前期末の有利子負債は約2兆円で、前々期末より約800億円減らしている。

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「パークホームズ駒沢ザレジデンス」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルは5月27日、「可動間仕切り収納(Kanau Shelf/カナウシェルフ)」を採用することで、住戸内の空間を自由に変更することができる「KANAU PLAN」を開発、その第一弾として「パークホームズ駒沢ザレジデンス」に採用すると発表した。

 「KANAU PLAN」は、ライフスタイルが多様化する中で、供給サイドが決めた「LDK」の発想では住まい手のニーズに応えられないという発想から考え出したもの。

 水回り部分は固定したままだが、「カナウシェルフ」はキャスター付きなので軽く押すだけで移動が可能で、収納の下部に格納されている昇降ハンドルを回すだけで天井に突っ張ることができる。震度5弱以上で扉の開閉を自動ロックする「耐震ラッチ」機能もついている。クロークユニット、下足入れユニット、建具ユニットなど7種類のユニットを組み合わせ、自由に室内をレイアウトできる。各ユニットの寸法は50ミリ単位でオーダーすることもできる。

 物件は、東急田園都市線駒沢大学駅から徒歩2分、世田谷区駒沢二丁目に位置する5階建て全50戸。専有面積は40.63~101.66㎡、坪単価は360万円。設計は日建ハウジングシステム、施工は五洋建設。竣工予定は平成27年7月上旬。

 これまで来場者は約220件。立地、利便性に恵まれており、外観意匠に力を入れていることから遠方からの反響もあるという。6月7日からモデルルームを一般公開し、販売は6月下旬。

 

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「KANAU PLAN」概念図(左)とモデルルーム

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 記者は他の取材があり遅れて発表会に臨んだ。可動間仕切りの提案はもう20年も前から各社が提案しており、別に珍しいことではない。最近では三菱地所レジデンス、コスモスイニシア、伊藤忠都市開発、大成有楽不動産などの同じ発想の優れた提案を見学しているし、三井不動産レジデンシャルも「武蔵小杉」「八丁堀」「大崎」などで思い切ったプランを提案している。

 なので「KANAU PLAN」そのものは真新しいものではない。同社がこれまで提案してきたプランからすると当然の帰結だと思った。SI(スケルトン・インフィル)の提案ともいえるものだ。ただ、同社が特許を申請しているように、ユニットは女性一人で動かせ、ハンドルひとつで天井にぴったり張り付かせることができるのがいい。「駒沢」は15戸で対応するが、13ユニットまでは無料。設置するだけで少なくとも100万円以上の価値があるという。もちろん、好みの間取りに変えられる価値はお金では換算できない。

 それよりも、驚いたのは単価だった。坪単価360万円は極めて安いと思った。徒歩2分で設計は日建ハウジングシステムだ。物件は北口から徒歩2分なので、駅の南側よりは安いと思ったが、坪単価は380万円くらいだと弾いた。 

 早速、現地を見学した。まずまずの住宅地だが、難点もあった。玉川通りと高速道路からは離れてはいるが、うるさいほどではないにしろ、かといって静かではない。この騒音を考慮して下方修正した。それでも坪360万円はこれから供給される駅近マンションと比べたら割安感がある。申し込みが殺到しても驚かない。

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「可動間仕切り収納(Kanau Shelf/カナウシェルフ)」(ハンドルが見える)

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現地(奥のタワーマンションは玉川通りに面している)

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「プレミスト浦和常盤」完成予想図

 大和ハウス工業(事業比率60%)と伊藤忠都市開発(同40%)のJVマンション「プレミスト浦和常盤」を見学した。駅近の第1種住居地域に立地する子育てファミリーにお勧めの好物件だ。

 物件は、JR京浜東北線北浦和駅から徒歩5分、さいたま市浦和区常盤10丁目に位置する6階建て全86戸。専有面積は70.54~86.15㎡、価格は未定。竣工予定は平成27年5月下旬。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は伊藤忠ハウジング、日本住宅流通。分譲は7月末の予定。

 物件の最大の特徴は、北浦和駅から徒歩5分、賑やかな商業エリアから一歩入った住宅街であることだ。「北浦和」は文教エリアとして知られるところだが、常盤小学校へ徒歩7分、常盤中学校へ徒歩10分。このほか大型商業施設へ徒歩3分。

 敷地は伊藤忠商事の社宅跡地。東西軸に細長く4方を道路に囲まれており、建物は南向き住戸が90%以上。全戸70㎡のファミリーマンションだ。

 販売担当者は、「先週からモデルルームの事前案内会を開始し、これまで来場は130件。駅から5分の第一種住居地域で、常盤中学校や常盤小学校にも近く、モデルルームタイプのプランが人気」と話している。

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 いい物件だ。さいたま市の駅近マンションなら浦和や大宮もいいが、教育熱心のファミリーなら「北浦和」に住みたいと思うはずだ。モデルルームの玄関はクランク・インで、設備仕様レベルも高い。リビングドアはソフトクローズ機能付き、洗面は2ボウル、天井高は2400ミリしかないが、圧迫感を緩和するため小梁が出にくい工法を採用している。

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現地販売事務所(この部分がマンションのエントランス部分になる。その奥の建設中が同単価レベルのマンション)

 

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