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「オーベル金町レジデンス」完成予想図

 大成有楽不動産の「オーベル金町レジデンス」と「オーベル金町エアーズ」を見学した。双方で224戸だ。同社のマンションについては、この1~2年間、かなり見学しているが、収納、キッチンなどの商品企画がどんどんよくなってきている。業界でもトップクラスだと思う。今回の2物件も設備仕様などはこれまで見学してきたものと変わらないが、坪単価が都内では希少といえる180万円以下というのが最大のポイントだ。ユーザーにどこまでアピールできるか。

 前者は、JR常磐線金町駅から徒歩11分、葛飾区新宿6丁目の大規模開発エリアに位置する5階建て全117戸。専有面積は76.80~96.23㎡、価格は未定だが、坪単価は180万円前後に落ち着く模様。竣工予定は平成27年1月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。分譲開始は7月。

 後者は、JR常磐線金町駅から徒歩10分・京成金町線京成金町駅、柴又駅から徒歩9分、葛飾区柴又三丁目に位置する11階建て全107戸。専有面積は65.74~86.30㎡、1期(35戸)の価格は3,290万〜4,980万円(最多価格帯3,500万円台・3,800万円台)、坪単価は177万円。竣工予定は平成27年1月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。すでに分譲が始まっている。

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 まず前者から。現地は、同社のマンションのほか住友不動産の中高層マンションなどの住宅ゾーン、生活利便施設、東京理科大と広大な葛飾にいじゅくみらい公園を中心とする文化・教育・公園ゾーン、都市型工場・研究所ゾーンで構成される約33.3haの大規模複合開発エリアに位置している。

 同社のマンションは、東京理科大に道路を隔てて隣接しており、広々とした空間と同大学のカフェや学生食堂など(一部制限等があり)も、図書館や学食なども利用できるのが魅力だ。全体として平置駐車場など敷地をゆったり活用している上、居住面積が広いのも特徴。

 後者は、金町駅10分圏であり、京成線の柴又駅も9分と利用可能。線路際ではあるが、それほど電車の運行本数が多くなく、また、準工地域ではあるが街路樹も美しい。嫌悪施設などはない。

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 問題の価格だが、記者は前者の坪単価は200万円近くしても不思議でないと思っていた。後者は「柴又」は全国区ではあるが、いま一つマイナーな駅なので坪単価は180万円くらいだろうと思っていた。

 この予想と比べると前者はかなり割安感がある。住友不動産がいくらで分譲するかだが、用地取得額からいって間違いなく同社のマンションよりは高くなる。後者はいい線だと思う。

 マンション建築費の上昇はまだ序の口だ。断定的には言えないが、これからどんどん上がると予測せざるを得ない。第一次取得層にとっては厳しい時代になりそうだ。立地条件などはより郊外に広げざるを得ないだろう。リーマンショックの前もそうだったが、やがて23区から坪単価180万円以下のエリアは消えるのではないか。

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「オーベル金町エアーズ」

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「アパホテル<半蔵門平河町>」

 アパグループは6月23日、2010年4月~2015年3月の中期5カ年計画「SUMMIT5・頂上戦略」に基づく20棟目のホテル「アパホテル<半蔵門平河町>」を開業した。

 同計画では、都心3区(千代田・港・中央)を中心に都心部でホテルの客室数10,000室を目指しており、現在まで33棟7,840室を開発(設計・建設中含む)。今回のホテルは20棟目で、東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩3分、客室数は231室。

 山形県が所有する土地をグループ会社のアパホームが賃借し、アパホテルが入居・運営を行なう。山形県民が宿泊する場合は、通常料金の2分の1から3分の1の料金で宿泊できる優待も行なう。

 開業記者発表会に臨んだ同グループ・元谷外志雄代表は、「当初の頂上戦略の目標は7,500室だったが、上方修正して10,000室にした。来年3月までに何とか達成したい。土地も建築費も上昇しており、当社の投資基準に沿わなくなってきたので、今後は脱土地戦略を推し進める。今回は山形県のコンペに当選したもので、脱土地戦略のモデルケースにしたい。巣鴨駅前の都有地や両国のホテルもコンペで当選したもの。幸い内外の需要が旺盛で、都心のホテルは100%稼動が続いている」と語った。

 また、アパホテル・元谷芙美子社長は、「都心の一等地で開業でき感無量。コンペの面接では泡沫候補にされるのではと思ったが、日本一の企画のアパのビジネスモデルが認められた。3件も続けてコンペに勝ち抜くことができた」と話した。

 毎日24室は山形県民優先宿泊が可能。県民からすでに300件の予約が入っているという。

 記者会見での質疑応答は指名制で産経新聞しか指名されなかった。

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元谷アパホテル社長(左)と元谷アパグループ代表

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 記者発表会のあとで行なわれたテープカット、披露宴には同社関係者ら多数が参加。来賓として挨拶した原田義昭衆院議員は元谷代表が主宰する「勝兵塾」の特待生としてアパグループを褒め、上野ひろし衆院議員は「一泊したが素晴らしい」と「素晴らしい」を数回繰り返し、浜田和幸衆院議員も「体験宿泊したが、ベッドもアメニティも素晴らしい。ビジネスホテルの枠を超え、シティホテル並みになった。議員のオアシスになる」と絶賛した。

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 上野議員や浜田議員が体験宿泊した部屋は分からないが、23㎡のデラックスツインは1泊50,000円から。11㎡のシングルは18,000円から。ホテル関係者によるとアパのシングルは9㎡からあるそうで、このホテルは広めということだ。記者は一度も宿泊したことがない。

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23㎡のデラックスツイン

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 元谷芙美子社長は今日も帽子姿で登場。馬鹿を承知で「社長、いったい帽子はいくつお持ちですか」と質問したら、間髪を入れず「230個」と返ってきた。(社長の帽子の数は女性なら誰もが知っている旧聞であることを記者は知らなかった。家に帰って「あなた馬鹿ね。みんな知ってるわよ」とまた馬鹿にされた)

アパ 頂上戦略を軌道修正 坪800万円超えで単価トップ目指す(2014/6/24)

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「アパホテル<半蔵門平河町>」の開業テープカットに臨む元谷外志雄代表(左)とアパホテル・元谷芙美子社長

 アパが2010年4月~2015年3月までの中期5カ年計画「SUMMIT5・頂上戦略」で掲げた「都心3区(千代田・中央・港)で供給ナンバー一」を軌道修正し、今後は同社のフラッグシップ「ザ・コノエ」の高級路線に特化し、坪800万円超の分譲単価で頂上を目指す。

 同社グループ・元谷外志雄代表は、6月24日行われた同社の「SUMMIT5」計画に基づく都内20棟目のホテル「アパホテル<半蔵門平河町>」の開業セレモニーの会場で、「都内の土地が上昇し建築費も高騰しており、マンションの事業環境は厳しくなってきた。地元金沢などの地方はファミリー型を供給していくが、都内では『ザ・コノエ』の高級路線に転換する」と語った。

 また、アパホーム・沖田良一社長は、「『代官山』(109戸)は坪600万円を超えるし、用地取得済みの『三田綱町』(45戸)も『西麻布』(16戸)は坪800万円を超える予定」と話した。このほか同社は「一番町」(32戸)「隼町」(24戸)も用地取得済み。

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 東急東横線代官山駅前の「代官山」プロジェクトは当初は坪600万円台の半ばと見られていたが、もっと高くなる可能性も出てきた。モデルルームは今秋オープンの予定。さらに「三田綱町」や「西麻布」で坪800万円を超えれば、リーマン・ショック後の首都圏最高値マンション、三菱地所レジデンス「ザ・パークハウスグラン千鳥ケ淵」の坪800万円を超えることになる。

 ただ、三井不動産レジデンシャルはミッドタウンに近接するエリアで隈研吾氏の設計によるマンションを予定しており、こちらは坪1,000万円超となる可能性がある。都心部のマンションの高値競争は益々激化する。

アパ ホテル計画を1万室に上方修正 20棟目「半蔵門 平河町」開業(2014/6/24)

アパの「代官山」 新居氏が設計監修 坪単価は650万円?(2013/9/20)

 「今度飲みに行きましょう」の実現率は6割-アットホームの情報サイト「at home VOX(アットホームボックス)」がサラリーマンならみんな身につまされるアンケート調査結果をまとめ発表した。

 全国の30~40 代ビジネスマン300 名を対象に行ったもので、仕事上の「今度飲みに行きましょう」の実現率を聞いたところ、「実現する人」は62.7%、「実現しない人」は37.3%だった。「実現する」割合を年収別にみると、年収300万円~600万円未満の人で50.0%、600万円~1,000万円未満が62.5%、1,000万円以上が75.6%だった。

 翌朝、お礼のメールを送る人は全体の34.0%で、これも年収の低い人ほどメールをしない人の割合が高く、1,000万円以上の人は45.6%がメールを送るという。

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 アットホームはいつも面白い意表をつくアンケート調査をするが、今回も度肝を抜くもので、記者もドキッとさせられた。

 記者も「今度飲みましょう」という空約束を連発するし、空手形を切られる。実現しないのは慣れっこになってしまった。失われた20年どころか24年のせいで年収が落ちてしまったことにも一因があるし、糖尿なので医者からはいつも深酒は注意されるからだが、それよりも、酔うとせっかく楽しい時間を過ごせたのに、翌日になるときれいさっぱり忘れてしまう自分が情けなく、嫌悪感にさいなまされるのが辛いので自制してしまうのが一番の理由だ。

 そればかりではない。まともに駅に降りられないのだ。京王相模原線を一往復したこともあるし、先日はカメラを電車の中で忘れた。40年近い記者生活の中でフィルムを入れずにそれとは知らず撮ったことはあるが、カメラ本体を忘れたのは初めてだった。

 フィルムの入れ忘れは歳を取ってからではなく、もっと若いときだった。ある会社の役員が取材対象だったときだ。その会社の女性広報担当者は吉永小百合さんと八千草薫さんを足して2で割ったような美人だった。〝これはしめた〟と同僚2人で取材に出かけ、役員を撮る振りをして彼女を撮った。外に出てフィルムを巻き戻そうとしたら、何と空回りするではないか。地団太を踏んで悔しがった経験がある。その彼女はいま、ある不動産会社の社長さんをされている。もう10年以上お会いしていない。だれかは言えない。

 記者もお礼のメールは送らないほうだ。若いときは毎晩のように飲んでいた。メールなどなかったし、いちいちお礼の手紙を書いていたら仕事などできなかったはずだ。いまでもメールは苦手だしできない。せわしなく指を小刻みに震わせる人を見るにつけ、狂っているのは自分なのか社会なのかを毎日考えている。

 ひとつだけ言えるとすれば、若い人には文字通りただ酒を飲むだけだったらやめたほうがいいといいうことだ。酒を通じで相手から何かを学び吸収しようという姿勢、覚悟がないなら飲まないほうがいい。言うまでもないことだが、酒は一生を台無しにしかねない危険性もはらんでいる。

 それにしても、飲む約束の実現率(実行率)と年収との関係を探ろうとする同社の担当者の頭の構造をのぞいてみたい。

 最初に戻って「今度飲みましょう」。この記事を読んでくれそうもないが、もし読んでくれたなら、先日お互いに「飲もう」と話したあの方は誘いの電話をかけてくれるだろうか。自分から電話をすべきなのか。双方ともメールは苦手だ。 

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実験棟

 積水ハウスと東芝、ホンダの3社は先日、モビリティを含めたCO2排出量をゼロにする2020年の暮らしを想定したスマートハウスの実験棟の見学会を行った。

 さいたま市に建設したもので、実際に居住できる二世帯住宅になっており、昼間外出している子世帯の太陽光発電の余剰電力を親世帯に供給し、各世帯で生み出した電気やお湯の世帯間での相互融通が可能となっている。また、ケーブルを接続せずに充電できる電気自動車への非接触充電、創エネと省エネ、歩行アシスト・UNI-CUB(ユニカブ)などの取り組みが公開された。

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壁面緑化

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 積水ハウスの取り組みはよく理解できた。もともと同社はユニバーサルデザインや省エネ・創エネに他社に先駆け取り組んでおり、ホンダの歩行アシスト・UNI-CUBが利用しやすいよう自動開閉ドアや完全バリアフリー、シャッター・窓の自動開閉、屋上緑化、壁面緑化、階段幅1.2m、16段ステップなどは一部の富裕層向けだろうが2020年までに間違いなく普及するものだと思う。

 ホンダのUNI-CUBも試乗したが、これがなかなかいい。バランスを取るのが最初は難しいが、慣れれば容易に移動できる。「開けゴマ」と呼ばなくてもセンサーが作動してドアを開閉してくれる。現段階では外で乗ることはできないそうだが、やがてUNI-CUBのような乗り物専用レーンが公道に設けられるかもしれない。機器の重さは約25キロ。物などを持って動くのは難しいとのことで、このあたりが改善点だろう。値段がいくらになるかは公表されなかった。

 マンションも鍵なしで帰宅しても玄関で「ただいま」と呼びかけるだけで開くようになる日が来るのは近い。酔っぱらって帰ろうものなら、水をぶっかけられることもありそうだ。

 非接触充電器は、記者はまったく自動車のことが分からないので便利だとは思ったが訳が分からなかった。運転手がいないのに車が勝手に動くのにも面食らった。

 ついでに最近車を乗らない若者が増えていることについてホンダ企画室第1ブロック主任研究員・瀧澤敏明氏に聞いた。瀧澤氏は「食も含めた車文化に食傷気味。今までのようなモビリティではこれからはどんどん乗る人は少なくなるだろう」と話した。

 東芝の取り組みもよく分かる。コミュニティ管理、家庭内機器制御は日進月歩。どんどん進化するだろう。機器を設置するスペースをどう省くかが課題のように思う。

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ガスエンジンコージェネレーションなどの機器ユニット

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歩行アシスト・UNI-CUB(ユニカブ)

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運転手がいないのに車庫に収まるEV車

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「マインドスクェア練馬春日町」

 ポラスグループの中央住宅マインドスクェア事業部が分譲開始した「マインドスクェア練馬春日町」のモデルハウスを見学した。同社の都内城西エリアでの分譲戸建てを見学するのは3件目だが、隣接する公務員宿舎の借景といい商品企画といい、大手デベロッパーの物件と十分戦える商品と見た。

 物件は、都営大江戸線練馬春日町駅から徒歩11分、練馬区田柄3丁目に位置する全12区画。土地面積は100.16~123.49㎡、建物面積は89.7~108.75㎡、価格は6,450万~7,880万円(最多価格帯6,700万円台・6,900万円台)。構造は木造2階建て(2×4工法)。

 現地は、練馬高校、小・中学校に近接し、閑静な住宅街の一角。防衛庁の公務員宿舎に隣接しており、ケヤキ、イチヨウなどの緑の借景に恵まれているのが大きな特徴。同社の物件に隣接して細田工務店も12区画の分譲戸建てを建築中だ。

 外観は、先に見学した「赤塚」と同じ尖塔付きもあるが、全体として同社のこれまでの分譲戸建てにはなかった洗練された都会的デザインになっている。 

 アプローチ・エントランス周りは天然石の石張りやテラス空間を設けゆとりを演出。設備仕様は同社オリジナルのものがふんだんに採用されている。1階の天井高は2.7m、サッシ高は2.2m、リビングドアは親子ドア、玄関ニッチ、突板フローリングなどが標準装備。モデルの1、2号棟には9.5kwhの大容量蓄電池が標準装備されており、他の住棟もオプション設定されている。

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手前は防衛庁の公務員宿舎

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外構

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 同社の分譲戸建ては数えきれないほど見学してきた。そのほとんどは同社が地盤とする埼玉県や千葉県だ。同社が都内に進出する方針を固めた2年前から、商品企画は十分大手と対抗できると思っていた。全ての分譲戸建てで1階の天井高を2.7m確保しているのは同社だけだ。

 これだけでも十分だが、階段のステップは15段というのも他社は少ないはずだし、最近は少なくなったようだが、メーターモジュールどころか1.2mの階段幅を確保した物件もあった。親子ドアも多く採用している。細かなことでは、タッチレススイッチ、洗面室暖房などもある。

 一つだけ懸念していたのは外観デザインだ。軸組工法でも2×4工法でも、最近の大手デベロッパーはシャープな都会的デザインのものがほとんどだ。同社はどちらかと言えばオレンジ、ベージュなど暖色系を多用した欧風デザインが主流だ。いったい、このようなデザインが都内の準都心部でもユーザーに受け入れられるのかとずっと思っていた。

 同社取締役事業部長・金児正治氏とはこの問題について何度も話し合ってきたが、金児氏は「練馬春日町は大手デベロッパーの分譲戸建てを意識した商品企画にする」と語っていた。記者は間違いなく勝負できると思う。価格もモデルハウスを見学して予想した値段とぴったり一致した。これからの展開に注目したい。

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吹き抜け

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モデルハウス リビング

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「GLOBAL FRONT TOWER」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルは6月17日、日本土地建物、伊藤忠商事、伊藤忠都市開発、清水建設と開発を進めている港区芝浦一丁目のタワーマンション「GLOBAL FRONT TOWER」(全883戸)の第一期380戸の登録受付を6月28日から開始すると発表した。来場者は2,000組に達しており、人気は必至だ。最高価格の1億8,200万円の住戸にも5組の購入希望が入っている。

 物件は、JR田町駅から徒歩10分、港区芝浦1丁目に位置する34階建て全883戸の規模。専有面積は42.01~120.11㎡、価格は3,700万円台~18,200万円台(最多価格帯5,500万円台・6,400万円台)、坪単価は330万円。設計・施工は清水建設。竣工予定は平成28年1月下旬。事業費率は三井不動産レジデンシャルが45%で、他社は未公表。6月28日から登録申し込みを受け付ける。

 現地は、田町駅前の再開発事業「田町駅東口北地区土地区画整理事業」から徒歩4分のヤナセ本社跡地。総合設計制度を利用し敷地面積約10,000㎡の半分以上を公開空地とし、建物は港区最大級の免震タワーマンション。1階部分に認可保育園が入居するほか、再開発エリアに移転する予定の「愛育病院」とも連携する。このほか、各フロアに全戸分のトランクルームを設け、住戸内のリビングダイニングエアコン、キッチンカップボード、天然御影石キッチン天板などが標準装備。天井高は約2600ミリ。

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運河に面した外観

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 まず単価。記者は鹿島建設他「勝どきザ・タワー」を取材したとき、記事にはしなかったが坪単価は350万円の価値があると判断した。ただ、戸数が1,420戸と多いのと競合物件もあることから320~330万円くらいになると予想した。しかし、1期500戸は307万円に落ちついたと聞いてびっくりした。人気になったことで、2期以降はどう価格設定するか分からないが、まさか値上げはしないはずだ。

 「勝どき」との比較で、今回のマンションも高値追及するなら坪350万円もあると予想したが、三井不動産レジデンシャルは抑え気味に値付けするだろうからアッパーで340万円くらいだろうと思っていた。330万円は極めてリーズナブルな値段だろう。確実に売ることを最優先した値付けとみた。

 1期は380戸になるが、来場者が2,000組に達していることから人気は必至だ。最高価格の住戸1億8,200万円(120㎡)もすでに5組の購入希望が入っているというから、これはもう完全にバブルだ。ただ、この最高価格住戸の坪単価は500万円だ。リーマンショック前はタワーマンションの最上階は軒並み600~700万円をつけたので、富裕層は「買い得」と思っているのかもしれない。来場者の居住地は港区が40%、年代は30歳代~40歳代が75%、持ち家比率は40%、年収1,000万円以上が50%。

 各住戸のプランはワイドスパンが中心で、居住性能は高い。天井高は2600ミリ。小家族の入居を想定した80㎡台のモデルルームもよくできている。

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エントランス

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 「勝どきザ・タワー」との単純な比較はできないが、今回の見学会では担当者は、「『勝どき』の所在地は中央区勝どきで、最寄り駅は大江戸線のみ。こちらの住所は港区芝浦で、最寄り駅は6駅。利便性が全く異なる」と優位性を強調した。

 どちらを選択するかはユーザー次第なのでこれ以上書かない。面白いのは1フロアの住戸の多さだ。図面集をみたら標準階はほぼ1フロア29~30戸あった。小規模マンションが34層にわたって建設されるわけだ。1フロアの過去最多住戸のタワーマンションはどこか分からないが、「勝どきザ・タワー」は53階建てなので単純に総戸数で割ると約27戸だ。今回のマンションか「勝どき」が1フロア最多戸数タワーマンションであるのはほぼ間違いない。

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非日常を演出した最高価格住戸のモデルルーム(左がリビング、右が主寝室)

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80㎡のモデルルーム

鹿島建設他「驚きの次元が異なる」 勝どきザ・タワー(2014/4/18)

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「ソライエ清水公園アーバンパークタウン」街びらきフォトセッション

 東武鉄道は6月13日、千葉県野田市で開発を進めている土地区画整理事業地内の大規模開発「ソライエ清水公園アーバンパークタウン」の街びらきを行った。野田市長・根本崇氏、同社専務取締役・竹田全吾氏ら関係者が参加して、ちびっこ鉄道制服着用体験、「烈車戦隊トッキュウジャー」ショー、地元中学校吹奏楽部による演奏会、工房スタッフが教える壁張り体験、地元店舗による飲食などの物販販売など盛り沢山のイベントが行われた。約1,100人が集まった。

 同開発は戸建て住宅を中心とした約500区画(約9.1ha)の規模で、「自然を感じる暮らし」「自分らしい暮らし」「コミュニティでつながる暮らし」がコンセプト。

 区画整理事業は、施行面積が約28.1ha、施行期間は平成4年から同19年。総事業費は127億円。同社は平成5年から業務代行を受けて造成工事を進めており、約500区画(約9.1ha)の土地を保有。沿線のイメージアップ、活性化の取り組みの一環として魅力ある街づくりを進める。

 「ソライエ清水公園アーバンパークタウン」は、大宮と船橋を結ぶ東武野田線(愛称:東武アーバンパークライン)清水公園駅前に位置し、駅前にはコミュニティを図る約4,500㎡の「そらいえひろば」を設置したほか、「みんなのカフェ」「えほんの図書館」「まちのコンシェルジュ」機能を備える。戸建て分譲の1期(28棟)の土地面積は150.43~178.37㎡、建物面積91.91~99.98㎡、最多価格帯は3,000万円台の前半を予定。販売開始は7月中旬。パッシブデザイン、ハンドメイドの手法を盛り込んでいるのが特徴。

 まちびらきで挨拶した同社・竹田専務は、「『都市とつながる、こころのふるさと』のキャッチコピーには、この街が末永く『こころのふるさと』でありたいという私たちの思いが込められています。この街づくりを通して、沿線地域の今後のますますの発展に少しでも寄与することが出来れば幸い」と語った。

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街びらき会場になった駅前の広場

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挨拶する竹田氏

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 同社の大規模開発は「つきのわ」以来10年ぶりだが、いかにも鉄道会社らしい街づくりだ。駅前に様々な施設を整備したのもそうだが、戸建ての商品企画は10年後、20年後を見据えた「ハンドメイドでつくりあげていく」街だ。環境共生がテーマになっており、デザイン監修には「チームネット」代表・甲斐徹郎氏を起用。パッシブデザイン手法を全面的に採用している。

 甲斐氏からプロデュースハウスを案内してもらったのは午後2時30分過ぎだった。甲斐氏は次のように話した。

 「室内の温度は周囲の表面温度に大きく影響されます。いま地表の温度は45度です。建物西側のアプローチデッキの表面は30度です。芝生や樹木、スダレなどのバッファがあるから温度が下がるのです。今朝の室内の壁の表面温度は21度でした。昨夜、部屋の窓を開け放して冷気を取り込んだ結果です。そして、今の室内の温度は26.2度。外気温は28.3度です。かなり人の出入りがあったことを考慮すると、かなり効果があることが分かります。樹木が生長すればもっと数値はよくなるはず」

 体感温度は湿度にもよるが、この26.3度というのはエアコンなしでも過ごせる温度だろう。植栽やウッドデッキ、スダレ、さらには2階の階段室の上部に設けられた熱を逃がす高窓が効果てきめんであることを証明した。

 この種のパッシブデザインの手法は以前から取り組まれてきたが、最近は高気密、高断熱のアクティブデザイン手法に押され気味だった。その流れを劇的に変えたのが東日本大震災だ。今後もパッシブデザインの取り組みが盛んになるのは間違いないし、同社の今回の提案もその流れに沿ったものだ。

 ここで強調したいのは、甲斐氏こそ環境共生が叫ばれだした20年くらい前からずっとその必要性を主張してきた人だということだ。記者は15年前、甲斐氏らが中心になって完成させた「経堂の杜」を見学して、その豊かな外構に驚愕した。たしか、外壁にせせらぎを設けたのではなかったか。この外壁にせせらぎを設置する建物としては、隈研吾氏が設計・デザインを監修した豊島区の「Brilliaタワー池袋」にも採用されている。

 もう一つ、購入者が好みでエコな壁紙を貼ることができるのも大きな特徴だ。ハンドメイドコーディネーター・坂田夏水氏が監修した簡単でエコな壁紙を玄関と主寝室の2カ所に自分で張ることができる。駅前の工房で張り方などが学べるようになっている。

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「ものづくり工房」(壁紙張り体験ができるコーナー)

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甲斐氏(左)と坂田氏

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 同社が今回分譲する清水公園駅の一駅大宮寄りの七光台駅圏ではポラスが圧倒的人気を呼んだ「パレットコート七光台」がある。七光台のようなスピードで売れるかどうかは分からないが、同社は「ハンドメイドで作り上げていく」とコンセプトに掲げているように、販売スピードをあげるよりじっくりと年間40~50戸を販売していく戦略だろうと思う。

 パッシブデザインの街は年を経るごとに価値が高まっていくし、スローライフな生き方を希望するユーザーに訴求する売り方をするのではないか。数えてはいないが、各住戸の敷地には10本くらいの中木の若木が植えられていた。成木になるには10年掛かるのではないか。

 ひとつ、地元の野田市にいいたい。第1期分譲の街区に面した道路の街路樹にはクスが植えられていた。その樹形の悪さにびっくりした。まだ成木ではないが、将来が思いやられる。クスはこんもりとした見事な樹形に生長するが、ここの街路樹はチュッパチャプスの飴玉そのものだった。まったく思想がない。

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コンセプトハウス

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モデルハウス

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全国大会にも出場するという地元の中学校吹奏楽部の演奏

 

三井不動産レジ・大和ハウス工業 「アユモシティ」街びらきに2000人(2013/7/19)

街路樹が泣いている(8) 奇形ばかり海浜幕張・電柱そのもの府中街道の街路樹(2012/6/12)

全191戸が5カ月で完売した「パレットコート七光台」(2005/2/4)

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「リアージュつくば春日」完成予想図

 リビタの一棟丸ごとリノベーションマンション「リアージュつくば春日」を見学した。平成3年に完成した大手企業の社宅を全面リノベしたもので、建物は敷地の20%しか使っておらず、まるで公園の中に建っているようなマンションで、専有面積は平均100㎡ほど。

 物件は、つくばエクスプレスつくば駅から徒歩16分、つくば市春日1丁目に位置する14階建て全54戸の規模。専有面積は第一期99.76㎡~120.87㎡、現在分譲中の1期2次(5戸)の価格は3,498万~4,298万円。坪単価は121万円。既存建物の完成は平成3年2月。施工は鹿島建設。改修竣工予定は平成26年9月末。改修工事施工は東京建物アメニティサポート(共用部分)、住環境ジャパン(専有部)。販売代理はトリニティ・イデア。

 建物は武田薬品工業の社宅として利用されていたもので、敷地面積約3,700㎡のうち建築面積は約670㎡。わずか20%しか建物は建っていない。敷地の北側は公園のような緑地が整備されている。

 コミュニティ形成がコンセプトの一つで、広い敷地を利用して会話が楽しめる「ぐるっと広場」、収穫もできるシェア菜園、木陰のデッキを屋外に配置。屋内にはギャラリー、ライブラリー、アトリエなどの共用施設を設置する。

 内装は自由に設計変更できるタイプもあり、モデルルームのひとつは玄関を入ってすぐに手洗いを設け、キッチン、リビングは筑波山が見える北側に配置、フローリングは無垢材、アクセントにコンクリートブロックを使用した個性的なものも用意している。

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303号室モデルルーム

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804号室 モデルルーム

◇      ◆     ◇

 極めてレベルの高いマンションだ。新築時の原設計は鹿島。見事なシンメトリーを描いた建物が、既存樹のケヤキの大木が10本はありそうなまるで公園のような敷地の中に建っていた。当時の施主である武田薬品と設計を担当した鹿島がどのような意図で社宅を建てたかが伝わってくるようだった。

 リノベーション後は、エントランスを入ると右と左に分かれてサブエントランスが設けられており、中央からは北側の緑地に抜けられるように設計されていた。

 前出のモデルルームは地元の建築家、とりやまあきこさんが担当。パンフレットで「フラットな100㎡の真っ白なキャンパスなら、戸建てに勝る豊かな暮らしを描けるかもしれない」と語っている。記者は、広い玄関を入ってすぐに手洗いコーナーがあるのに度肝を抜かれてしまった。注文住宅なら分からないではないが、このようなプランを受け入れたリビタの心の広さを見た。「スタイルオーダーコース」を担当する古谷デザイン建築設計事務所の提案もいい。固定観念にとらわれないプラン提案がユーザーに支持されているのだろう。

 駅からはややあるがすでに10戸近くに申し込みが入っており、完売までにはそれほど時間はかからないと見た。市内の公務員宿舎の売却方針が決定され、その受け皿として新築やこのようなリノベーションマンションが市場を賑わすことになりそうだ。

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304号室リビング

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「ワールドシティタワーズ」

 野村不動産アーバンネットは6月11日、不動産情報サイト「ノムコム」上に「2013年度中古マンションライブラリー人気ランキング」を発表した。

 ランキングは、中古マンション約2万棟の情報を紹介する「中古マンションライブラリー」に2013年4月~2014年3月までのアクセス数をマンション別に集計したもの。

 トップは「ワールドシティタワーズ」(全2,090戸)、2位は「広尾ガーデンヒルズ」(全1,181戸)、3位は「東京ツインパークス」(全1,000戸)となった。

◇       ◆     ◇

 住友不動産が分譲した「ワールドシティタワーズ」は、最上階がオークションになったのはマスコミも取り上げ話題になったがが、トップというのは意外な感じがした。さすが億ションの代名詞「広尾ガーデンヒルズ」だ。風格がある。こんなマンションはもう分譲されないだろう。昭和57年の第1期分譲は平均坪単価が300万円を切っていたのは信じられないだろう。「東京ツインパークス」も「ワールドシティ」同様、港区のマンションだ。これも分譲時は平均10倍を超える人気を呼んだのではなかったか。

 興味深いのは、神奈川県トップで首都圏全体でも7位にランクされた日本綜合地所の100㎡マンション「レイディアントシティ横濱カルティエ」だ。

 埼玉県トップの「プラウド武蔵浦和」、千葉県トップの「プラウドタワー稲毛」は納得。ほとんど即日完売したのには記者も驚いた。

 埼玉県の「サクラディア」はあれほど売れ行きが悪かったのに2位とはよく分からない。あとはみんな取材したときが思い出されて懐かしい。記者が推奨するのは億ションでは「麻布霞町パークマンション」だし、広さでは平均120㎡の「パークシティ東京ベイ新浦安」だ。

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「広尾ガーデンヒルズ」(左)と「東京ツインパークス」

 

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