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「川越モデルハウス」

 川越エリアとの親和性を高めた三井ホームの商品企画モデルハウスがヒットした。日本古来の風情が色濃く残る小江戸文化をモチーフにし、現代風にアレンジした「川越モデルハウス」を8月末に開設してから来来場者は他社を大きく引き離し、2カ月弱で7件を成約するなど上々のスタートを切った。10月27日、報道陣向けに見学会を行った。

 初代「オークリー」の発売から15年が経過するが、川越エリアでも従来から和風を要望する顧客が多かったためにモデルチェンジしたもので、粋でお洒落な小江戸文化のモチーフを、現代風にアレンジして外観デザイン、設備仕様に取り込んでいるのが特徴で、人を招き入れる、人とつながる家という「ジャパニーズモダンインテリア」がコンセプト。

 コイズミ照明とコラボし、LEDの特徴や光と心理の関係性をとらえ、必要なところに必要な光を配することで心地よい暮らしを提案しているのも特徴。

 見学会で挨拶した同社埼玉支店支店長・幸田知久氏は「来場のすごさに驚いている。立地はくじ引きでそれほどいい立地ではなかったが、これまでの来場はトップ。他の大手の2倍、3倍くらいある。オークリー仕様での契約は従来も年間で10件くらいあったが、今回はすでに7件。成約単価も従来と比べ上昇傾向にある。アッパーミドル・富裕層も多い川越エリアで三井らしい和風の提案を行ったのが人気の要因」などと語った。

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スキップライブラリー

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 写真を見ればよく分かるが、外観が美しい。ほぼシンメトリーでレットシダーの天然木に塗り壁、石を想起させるタイルを多用し、縦と横のラインを強調することで品格を醸し出している。玄関には本物の大谷石とタイルを組み合わせ、壁などにはナグリ調の化粧板やウォールナットの床・建具・格子を多用。

 圧巻は光壁のあるリビングと4段の階段でつながるスキップライブラリー。高さ約5.4mの吹き抜けまで届く本棚の演出が見事だ。

 また、広い土間や和室の「おもてなしの間」など人を迎え入れる空間設定にも力を入れており、多目的に利用できる「三和土」がまたいい。関係者らは商品開発に当たって隈なく市内を練り歩いたというが、このあたりがその成果ではないか。三和土は「勝手口」に近いものだが、それよりやや広く腰掛けるベンチもあり、畑仕事やら近所づきあいのスペースとして適している。2階に設けたチーク材のヘリンボーンの寛ぐ空間「リトリート」もなかなかいい提案だ。

 記者は木造の時代が到来したと思っているが、同社も今回の和モダンがヒットしたことから木の良さを前面に打ち立てて攻勢に出るのではないか。

モデルハウスの建築費は8,000万円(70坪、坪単価114万円)。

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「おもてなしの間」

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リビングルーム
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ダイニングキッチン

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リトリート

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「新宿中村屋ビル」 

 昨日(10月27日)は、朝から記者が書いた街路樹の記事に対する賛意を示す嬉しい社員のコメントをもらい、昼は三井不動産がマネジメントした「新宿中村屋ビル」の記者見学会で中村彝(つね)などの名画を鑑賞させてもらい感動し、夕方は三井ホームの和モダンをテーマにした素晴らしい川越モデルハウスを見学できた。おまけに夜の懇親会では記者の出身高校の後輩女性記者に会うことができて舞い上がった。話すことに夢中になったおかげで深酔いもせず、興奮のあまりほとんど寝ていない割に頭は冴えている。楽しい記事が書けそうだ。 

 まず「新宿中村屋ビル」。完成した新しいビルは、三井不動産が事業主である中村屋から委託を受けて建物の開発計画の立案から設計・施工管理、テナント誘致などを行ったもので、東京メトロ丸ノ内線新宿駅と直結、地下2階地上8階建て延べ床面積約6,400㎡。中村屋がレストランなど4フロアを自社で利用し、他は「COACH」の日本初となる新コンセプト店など全12店舗が入居。10月29日にグランドオープンする。

 

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中村彝「小女」

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 「中村屋」と言えば印度カレーとパンやお菓子だろうが、是非お勧めしたいのが3階に設置された「中村屋サロン美術館」だ。「中村屋サロン」の言葉は知っており、中村彝の「小女」、鶴田吾郎の「盲目のエロシェンコ」、荻原守衛の「女」などは他の展覧会で見たことがあるが、ほかにも中村不折、高村光太郎、會津八一らの美術品約90点を所蔵していることを初めて知った。額にして数十億円に達するはずだ。

 10月29日から2015年2月15日までは、長野・碌山美術館の協力を得て特別展「中村屋サロン-ここで生まれた、ここから生まれた-」を開く。入場料は一般が300円。

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中村彝「小女」(部分)

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 中村屋のご厚意によりWebで一挙公開する。中村は印象派の影響を強く受けた画家で、ルノワールと同じ、普通の女性をモデルにした裸婦像も多く描いている。記者の好きな画家の一人。

 今回展示されてている「小女」(69.8㎝×65.3㎝)は、相馬家の長女俊子をモデルとして描いたものだ。作品に添えられている開設や館内に展示されている「中村屋サロン」の人物相関図を読むと明治末期から大正にかけての社会・政治状況などが絵を通じて伝わってくる。少し紹介する。

 中村は明治44年、中村屋の相馬愛蔵、黒光夫婦が愛蔵と同郷の荻原守衛ら芸術家・文化人を支援していたことから中村屋裏のアトリエに移り住む。そこで相馬一家と家族ぐるみの付き合いをしながら制作活動に励んだという。

 中村は俊子と結婚したかったそうで、俊子も裸体モデルになることをいとわなかったという。ところが大正3年、俊子の裸体像を展覧会に出品したところ、当時俊子が通っていた明治女学校の逆鱗に触れることとなり、相馬家と感情的な溝を作ってしまい、中村は肺を患っていたこともあり結婚はかなわず失意のうちに中村屋を去る。そして大正13年、肺結核により37歳の若さで生涯を閉じる。

 俊子は、思想家・頭山満や犬養毅からの勧めもありインド独立運動活動家・ラスビハリボースと結婚。イギリスから国外追放されていたボースをかくまうのは大変だったようで、俊子は過労のため夭折。ボースは恩返しのために印度カレーを振る舞ったことが縁となり、中村屋のインドカレーの開発につながったという。

 特別展には俊子の裸婦像習作も展示されている。浴衣から膨らみ始めた乳房が少し見え、俊子は温かいまなざしでまっすぐ中村を見つめている。小品だが静物画もいい。「小女」や「盲目のエロシェンコ」とともにこれらは必見。

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中村彝「牛乳瓶のある静物」

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中村彝「麦藁帽子の自画像」

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高村光太郎「自画像」

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中村不折「始制文字の下図」

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荻原守衛「女」

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荻原守衛「坑夫」

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會津八一「双幅:林下十年夢/湖辺一笑新」

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「MSストラクチャー」

 三交不動産が今年初めてエントリーした「グッドデザイン賞」で木造軸組構造「MSストラクチャー」、品質管理「C値測定による施工品質向上」、オリジナル杉合板「APボードが作りだすこれからの山のすがた」の3点が受賞した。このうち「MSストラクチャー」は「グッドデザイン・ベスト100」にも選出され、特別賞候補にノミネートされている。

 「MSストラクチャー」は三重県の宮川流域の木材を積極的に用いた構造体。宮川森林組合から良質な木を確保し、大台町との第三セクターでプレカット工場を設立することで地元に雇用を生み出し、加工まで品質を確保する取り組み。「地場の林産業、木材産業、木材加工業から伝統工法を用いる住宅提供までをひとつのサイクルにまとめた総合的な木造住宅供給モデルとして、高く評価できる」「派生する端材や下等級材の二次利用などを含めた大きな構想に期待感がある」というのが受賞コメント。

  「C値測定」は住宅の気密性能を測る尺度で、同社が請け負った全住宅に測定を実施。自社基準に達しない場合は再施工する。

 「APボード」は構造用合板で、宮川森林組合と京都府立大学大学院の研究データに基づき、立木や丸太の時点で角材に向くものと向かないものを予測し、角材に向かないものを利用したもの。

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 今年もたくさんのハウスメーカー、デベロッパーが「グッドデザイン賞」を受賞し、各社から受賞のニュースリリースが届いた。それらを記事にせず、三交不動産だけを取り上げる不公平をお詫びする。

 なぜ同社だけなのかだが、記者は三重県出身で同社のファンだからだ。受賞は知らなかったのだが、同社の戸建事業本部注文住宅事業部長・小井(いさらい)智之氏に東京で行なわれた日本木造住宅産業協会のイベント会場でお会いし、そのニュースをもたらされた幸運もあった。

 「MSストラクチャー」が「グッドデザイン・ベスト100」に選ばれたのは嬉しい。住宅・不動産業界から「ベスト100」に選ばれたのは「MSストラクチャー」を含め7件しかない。森林・林業の再生・活性化は喫緊の課題でもあり、特別賞を受賞するよう祈っている。特別賞は11月4日に発表される。

 三交不動産をご存じない方もいるだろうが、同社は三重交通グループの中核企業で、マンション分譲、注文住宅請負、戸建住宅分譲、不動産賃貸などの事業を展開。これまでに注文住宅は約20,000棟を完工、分譲戸建住宅では1,800戸の「杜の街」などを分譲中で、これまで約17,000戸・区画を供給している。いくつか見学したが、レベルも高かった。

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第17回「木の家・こんな家に住みたい」作文コンクール表彰式

 日本木造住宅産業協会(木住協)が主催する第17回「木の家・こんな家に住みたい」作文コンクール表彰式が10月25日行われ、応募があった約24,000作品の中から入選した8作品を本人が朗読し、保護者らも感想を語った。

 作文コンクールは、小学生の1年から3年の低学年の部と、4年から6年までの高学年の部に分けそれぞれ「木の家や建物」をテーマに最大1200字以内に綴ってもらうもの。全国47都道府県と海外4カ国の日本人学校5校の1,636校から過去最多の24,079点の作品が寄せられた。

 審査の結果、国土交通大臣賞、農林水産大臣賞、文部科学大臣賞、環境大臣賞の大臣賞のほか住宅金融支援機構理事長賞、木住協会長賞、朝日小学生新聞賞、審査員特別賞、木住協支部長賞の全28点が発表された。

 冒頭挨拶した木住協・矢野龍会長は「私も皆さんの作品を読ませていただきましたが、木の家を通して、木のぬくもり、優しさ、頑丈さ、さらには将来の夢や、おじいさんおばあさんを思う優しい心、自然災害や環境問題、バリアフリーなど、どの作品も小学生らしい純粋な視点で書かれており、とても心を打たれました」と語った。

 来賓として参加した国交省住宅局住宅生産課長・林田康孝氏は「衣食住の中で住まいはもっとも大事な基盤。日本の住宅は森と木をつなぎながら独自の様式を築いてきた。日本が誇れる文化。みなさんがみずみずしい言葉で木の優しさ、香りなどを言葉にして表現されていることに驚きました。みんな素晴らしい作品」と祝辞を述べた。

 審査員を代表してイラストレーターの平松尚樹氏は「心ときめかせて審査しました。視点が広くなり太くなったのを感じました。畑に野菜の種をまくように感動の種を心に育てましょう」と講評した。

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矢野会長

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 約24,000作品も寄せられたというからすごい数だ。低学年は原稿用紙100字から1,200字、高学年は400字から1,200字が応募条件。1作品を400字原稿用紙2枚(800字)として48,000枚。小説なら世界最長、ギネスブックものだ。わが国の最長小説は中里介山の「大菩薩峠」で17,000枚といわれるから、その3倍近くだ。審査する人も大変だったはずだ。入選しなかった作品の中にも素晴らしい作品があるはずで、子どもたちはめげずにどんどん応募して欲しい。

 応募作品の多さは都道府県別で茨城県、群馬県、福島県の順。茨城県は3,226作品。入選作28作品のうち茨城県が4作品、鹿児島県が5作品、福島県が4作品で、上位3県で13作品を占めた。

 作文のテーマとして「家」というのは子どもにとってもっとも取り組みやすいはずだ。各県の教育委員会、学校が競えあえば子どもの書く力を向上させることができるのではないか。森林・林業県のわが三重県は44作品しかなかった。これは情けない。記者は小さい頃、囲炉裏で漢字や算数、村の経済・文化を学んだ。

 文科省、学校に注文するとすれば、もっと森林や樹木について教えるべきではないか。河川や草花は教科書に結構出てくるが、樹木は50種もないのではないか。われわれは木の名前を知らなすぎる。

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 表彰式は約2時間半。そのうちの過半は各賞の発表と受賞者による朗読、インタビューだった。みんな素晴らしい作品であることは、矢野氏や林田氏の話や、審査に関わった木住協担当者の「福島の作品にはもらい泣きした」という言葉からも伝わってきた。

 作文はプロジェクターでも映し出されたが、前方の人しか読めなかったのではないか。後方に設けられた記者席からは読めなかったし、子どもの朗読もほとんど聞き取れなかった。保護者の人も「内容は全然分からなかった」と話していた。

 作品は冊子としてまとめられるというが、入選作品くらいは会場で配布すればもっと理解は深まるはずだ。それにしても子どもたちは立派。途中騒ぐことも退席する子どもはほとんどいなかった。記者はいつも廊下に立たされていた。

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 【写真1】JR武蔵野線新三郷駅西口の街路樹(左がクスノキ、右がケヤキ)

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 【写真1】JR武蔵野線新三郷駅西口の街路樹(左がケヤキ、右がクスノキ)

 【写真1】は、JR武蔵野線新三郷駅西口の街路樹だ。右側と左側でかなり差が違うことが分かる。右は「ケヤキ」、左は「クスノキ」だ。「ららぽーと新三郷」が2009年にオープンした時にも植えられていたから、それから5年が経過する。当時、ずいぶん貧弱な街路樹だと思ったが、それでも5年経過して右のケヤキの樹高は10m近くになり、逆箒型に育っている。

 左のクスノキはどうか。樹高はせいぜい4mくらい。幹周りは20㎝くらいしかなかった。どうしてこんなに差が出るのか。市のみどり公園課によると「風通しが悪く生育がよくない」ということだった。

 成木は高さ20~30mにもなるのは同じだが、ケヤキは落葉樹でクスノキは常緑樹だし、樹形がまったく異なる。メインストリートの両側でそんな高木を植えるのは理解できない。これでは永遠に新三郷駅前のメインストリートの街路樹は非対称、不ぞろい。支離滅裂といっては失礼か。市が掲げる「きらりとひかる田園都市みさと~人にも企業にも選ばれる魅力的なまち~」の看板に偽りはないのか。

 しかしその一方で、写真のメインストリートの奥に左右対称の立派な円錐形をした高木が植わっているのが分かる。昭和48年に開校した市立桜小学校の敷地内に植えられているヒマラヤスギだ。樹高30mはあるはずだ。あまりにも市の街路樹とは対照的だ。

 読者の皆さんはあと20年、30年待てばケヤキもクスノキもそれくらいになるというのかもしれないが、街づくりはスピードも大事だ。せめてメインストリートくらいは街びらきの段階で立派な高木を植えてほしい。

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「LaLa新三郷」の「センペルセコイア」

 【写真2】は、三井不動産レジデンシャルの「LaLa新三郷」の敷地内のエントランス正面に植えられている高木「センペルセコイア」だ。樹高は優に10mを超えていた。ネットで調べたら、常緑樹で「世界一背の高いことで知られる」とあった。雌雄異株と理解されていたが、同じ葉っぱに雄花と雌花が咲く雌雄異花だそうだ。

 【写真3】は、「LaLa新三郷」のエントランスアプローチ部分に植えられている「セコイア」などの高木だ。セコイアも成木は数十メートルにもなる。こちらは落葉樹だ。見事な「ヤマザクラ」も植わっていた。

 さすが三井だと思った。エントランスに落葉樹ではなく常緑樹を植える-これはかつてのデベロッパーの常識だったが、同社はいまもその姿勢を貫いているのが嬉しいではないか。

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「LaLa新三郷」のエントランスアプローチ

続「街路樹が泣いている~街路樹と街を考える」流山と越谷、三郷の差(2014/10/17)

 三井不動産リアルティは10月24日、「【住まい】クリーンアップサービス」を開始した。

 居住中の自宅、空き家になっている所有物件、相続物件の売却の際に印象をよくするため①お片付けサービス②家財道具保管サービス③不要品買取・改修サービスの3つのメニューを新たに追加する。

 同社が過去3年間に不動産の売却を行った人を対象に行った調査では、「売却過程で困ったこと」の第1位に「見学者が来る際の片づけ」、第4位に「粗大ごみの処分」があり、これらの悩みに対応するもの。

 対象エリアは首都圏で、同社仲介店舗で見積もりをしたうえでそれぞれの料金を決定する。「まるごとパック70(70㎡以下)マンション」は70,000円。

 野村不動産アーバンネットは11月1日、「野村の仲介+(プラス)」仲介店舗「豊洲センター」と「三軒茶屋センター」の2店舗を開設する。

 「豊洲センター」は、豊洲駅から徒歩1分、江東区豊洲4-1-23 ワタベビル。「三軒茶屋センター」は、三軒茶屋駅から徒歩3分、世田谷区太子堂2-19-5 ライファービル。

 2店舗の開設によって、同社の「野村の仲介+(プラス)」部店舗数は首都圏57部店舗、関西圏4部店舗の合計61部店舗となる。

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「ディアナコート用賀翠景」完成予想図

 モリモトの「ディアナコート用賀翠景」を見学した。同社としては10年ぶりの「用賀」駅圏での供給で、同業他社を含めても供給が少ないエリアということもあってか、ホームページを開設してから1カ月で1,000件以上の反響があるそうだ。人気になるか。

 物件は、東急田園都市線用賀駅から徒歩5分、世田谷区用賀4丁目に位置する5階建て全27戸。専有面積は38.76~74.02㎡、価格は未定だが、坪単価は360万円台の半ばになる模様。竣工予定は平成27年8月中旬。設計・監理はスペーステック、デザイン監修はアーキサイトメビウス、カン・デザイニングオフィス。施工は森本組。

 現地は、商店街を抜けた戸建てや中層マンションなどが建ち並ぶ住宅街の一角。

 デザイン監修はすっかりお馴染みのアーキサイトメビウス(今井敦代表)。前面道路は4mだが、舗道と緑地帯を設けることで建物を5.5mセットバックさせ、緑地帯には水平ラインが印象的なコリドーを設置。外観タイルはベージュ系の3種を組み合わせ、シンプルな仕上げにしている。

 住戸プランは角住戸比率を74%にし、ワイドスパンが中心。他の同社の物件と同様、床、壁、建具面材には天然素材を多用しグレード感を演出している。

 反響が多いことから、同社は早期完売に自信を見せている。

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 今回も道すがら坪単価を予想した。同沿線の近隣物件などと比較しながら「350万円くらいに抑えられればすぐ売れるだろうが、どこも単価がアップしているのでそれでは収まらないだろう」と結論づけた。

 単価は360万円台の半ばというから、やはりそうだった。しかし、モデルルームの出来栄えをみてさすがだと思った。設備仕様はまず近隣物件に負けない。

 玄関・ホールの床材は「シーキューストーン(Comfort Quick Stone)」と呼ばれる遮音等級取得済みの目地がない天然石複合材を採用。建具・面材はナラ、チーク、ウォールナットを標準装備。床も突板仕上げ。キッチン天板・出窓カウンターはシーザーストーン。ドア把手はイタリア・コロンボ製。主寝室の壁はオプションだが塗装壁。サッシ高さは2.3m。

 これだけ天然素材を用いると、お互いが干渉しあいごてごてした感じになるものだが、それがまったくない。カン・デザイニングオフィス(鈴木ふじゑ代表)がコーディネートしたテーブル、ソファ、調度品も含めて見事に調和している。

 同社のマンションはほとんど見学しているが、どれも期待を裏切らない。顧客満足度が高いからどんどん〝モリモトファン〟が積みあがっていく。現在、会員は約3万人いるそうだ。増えることがあっても減ることがない。マンションデベロッパーはかくあるべし。

 モデルルームは「桜新町」駅近くにあるが、清水総合開発「ヴィークステージ桜新町」(127戸)のモデルルームと呉越同舟。清水総合の物件も立地がよく、坪単価は400万円の大台に乗るのではないか。

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「広がる通りみち」(バルコニーに向かって狭まっているように見えるが、実際は逆)※写真提供は雑誌「新建築」

 三井不動産レジデンシャルは10月23日、第8回三井住空間デザインコンペ最優秀賞「三井住空間デザイン賞」を受賞した一級建築士・小野裕美氏(29)の作品「広がる通りみち」を、このほど完成したマンション「パークホームズLaLa新三郷」で報道陣向けに公開した。作品は4,280万円(83㎡)で一般に分譲される。

 「広がる通りみち」は、玄関を入ってバルコニー側に向かって扇状に広がる空間「通りみち」を中央に配し、その左右に「水回り」と「寝室」をレイアウト。自然の光と風を取り込むとともに、すべての空間が緩やかにつながり、家族同士の気配が感じ取れる間取りになっているのが特徴。開き戸はトイレ以外になく、すべて引き戸を採用。カラーリングは白が基調で、巾木、ドア枠も目立たないようすっきり仕上げている。

 小野氏は、「家族それぞれが空間をフレキシブルに使えるようシンプルにし、居室は窓を閉じたり開けたりしてゆるやかにつながるよう工夫した。自然の光と風を取り込む環境も確保した」と受賞の喜びを語った。

 三井住空間デザインコンペは、同社が分譲する物件を対象に、新たなニーズを生み出すテーマに添って実際に住むことを前提にして提案を求めるもので、審査員は渡辺真理・法大教授など4名。今回は第8回目。テーマは「現代の共働き夫婦の子育て住宅」で588作品(応募登録1,185件)の応募があった。

 審査員の渡辺氏は、「昨今、子ども部屋ひとつとっても、個人のプライバシーのための〝個室〟ではなく〝個室=孤室〟となってしまっているように感じます…かつてはプライバシー性の高まりを受けて個室へ向かって間取りが、時代背景とともに変化し再び『家族としての居場所』が見直されてきています。今後は建築デザインにおいても間取りにとらわれず、開かれた居住空間の提案が求められるのではないかと見ています」とコメントを寄せた。

 同社は近く9回目のテーマを発表し作品の公募を行う。近く分譲する「豊洲」のマンションにはこれまでの受賞作のエッセンスをプランに盛り込むという。

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小野氏

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 素晴らしい作品だと思う。白を基調にしたカラーリングが素敵だ。玄関を入ってすぐ不思議な空間に導き入れられたが、違和感はなかった。小野氏は「目の錯覚を利用した」と話したように、見事に小野氏の企てにはまってしまった。60㎝角のタイルを全面に敷いているのもいい。巾木、ドア枠、把手のデザインもすっきりしていていい。

 しかし、限られたマンションの居住面積の中でホールや廊下をどうするかは永遠のテーマだろう。その意味で、小野氏の作品は示唆するところが多い。

 バルコニー側に向かって扇状に広げる、つまり長方形の空間に斜めの線を入れ、3つの居室を台形状にするのは普通常識では考えられないはずだが、「通りみち」の強烈なコンセプトを前にして審査員の方もだまるしかなかったのだろう。

 記事を書きながら魯迅の好きな言葉「地上にはもともと道はない。歩く人が多くなれば、それが道となるのだ」を思い出した。このプランは次代につなぐ道になるかもしれない。小野氏は普通のマンションで育ったそうだ。

 価格4,280万円(坪単価168万円)は、小野氏が選んだ家具付きでもあり割安感がある。

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左は子ども部屋を想定した居室。右は「広がる通りみち」(これも形状が分からないのが残念)※写真提供は雑誌「新建築」

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主寝室(壁とベッドの狭まりようで変形居室であることが分かる)※写真提供は雑誌「新建築」

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完成した「パークホームズLaLa新三郷」

三井不レジ・大栄不 免震&長期優良「パークホームズLaLa新三郷」(2012/6/12)

不思議な空間を見た 三井不動産レジデンシャル「第6回三井住空間デザイン受賞住戸」(2011/2/9)

 いつも面白いアンケート調査を行うアットホームの情報サイト「at homeVOX(アットホームボックス)」がまたまた面白いアンケートを行った。

 今回は「〝モテ〟県はどこ?」という調査で、全国の20~60歳代の男女(未既婚かは不明)1,410名(各都道府県30人)を対象に「恋人として付き合ってみたい出身都道府県」などについて聞いた。

 「恋人として付き合ってみたい出身都道府県」は男性側からすれば、1位が京都、2位が秋田、3位が東京。その理由はそれぞれ「京都弁がかわいいから」「秋田美人と言われているので」「きれいな人が多そう」。

 一方、女性は1位が東京、2位が神奈川、3位が北海道。その理由は「都会の人は自分をしっかり持っているイメージがあり格好よく見える」「ちょっとハイカラなイメージ」「ゆったりしていそうだから」。

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 三重県出身の記者も勝手なことを言わせていただく。

 三重の男性は、民主主義を重んじた政治家はいたが、総理は一人も輩出していないし、大臣になった人も少ないので正直者が多いのは確かだが、恋人として適当かどうかは分からない。

 男性にとって「恋人として付き合ってみたい女性」はわが故郷三重県の女性しかいない。これは断定できる。なにがいいかと言えば、言葉が美しい。津や四日市は知らないが、伊勢には「伊勢の『な』言葉」とあるように、語尾に「…そうやなぁ」とつけるのである。「あんた、あほ(馬鹿)やなぁ」と言われても全然腹か立たない。愛情がこもっていると感じられる。「あんた」は尊敬語で、東京で使ったら「『あんた』なんて呼ばれる筋合いはない」と若い女性に怒鳴られたことがある。家計の実権は握りながら、男性を立てる働きものも多い。

 京都の女性は、言葉は伊勢の「な言葉」に近いが、何を考えているかさっぱり分からないところがある。極めて保守的だ。2番目に結婚しようと考えた女性は京都・伏見だった。お金がないのに何度も新幹線を往復した。手も握っていないのに見事に振られた。

 最初に結婚しようと思った女性は群馬県出身だった。「花を愛せる人になって」という今でも意味不明の言葉でもって捨てられた。利根川の夕日が真っ赤な涙を流していた。

 わが社の男女にも聞いたら、もう結婚はできないだろうと思うスタッフは「京都」と言ったが、ほかは未既婚問わず「どこでもいい」と言った。これは正確ではなく「出身県など問わない」ということのようだった。

 しかし、人それぞれ生まれ育った環境は絶対に人格形成に影響を及ぼすと思う。イメージだけで人を判断しては絶対にいけない。大事なのはやはり心だと思う。若い女性にアドバイス。生粋の東京人なんてそういない。記者の知っている生粋の江戸っ子は我が強くてへそ曲がりばかり。他はみんな雑種。

 ところで、アットホームのアンケートで三重県はどの位置にランクされるのか、下位であるはずはないが…少し気になる。

 

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