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「ルピアコート光が丘公園」完成予想図

 ポラスグループの中央住宅マインドスクェア事業部は9月4日、同社の分譲マンションの新ブランド〝LEPIA COURT(ルピアコート)〟の第一号物件「ルピアコート光が丘公園」の見学会を行った。光が丘公園に徒歩3分の立地で、価格は未定だが〝新価格〟になるのは間違いない。

 物件は、東武東上線成増駅から徒歩10分、東京メトロ有楽町線成増駅から徒歩8分、板橋区赤塚新町に位置する5階建て全50戸。専有面積は59.81~84.60㎡、価格は未定だが70㎡台で5,000万円を超える予定。完成予定は平成27年3月上旬。設計・監理はジェイ・ディ-・エス。施工は川村工営。販売代理は東京中央建物。10月中旬から販売開始する。

 「LEPIA COURT」とは、フランス語の定冠詞「Le」と「Utopia」(理想郷)を繋いだ造語で、「宮廷」を意味する「COURT」を合わせ「理想の空間」をコンセプトにしたもので、木の温かみを盛り込んでいる。

 商品企画は、50戸のうち54%にあたる27戸が角住戸タイプで、実用新案取得のピアキッチン、ライトコート付き、奥行き3mのテラス付き、新しい提案を盛り込んだ中和室付きなどが特徴。食器棚は標準装備、引き戸は開閉ともソフトクローズ機能付き。

 また、スマートキーシステムを採用し、カギ穴がない玄関ドア、不在でも玄関まで食品を届けるサービスも盛り込む。

 発表会で同社マインドスクェア事業部長・金児正治氏は、「従来のブランド〝ライフピア〟を残しながら、あるべき姿を提案するために新ブランドを立ち上げた。戸建て採用している木の素材を取り入れた。まだまだ足りない部分があるか今後進化させたい。3年後には現在30億円のマンション事業を100億円に、主力の戸建て事業を150億円にして合計250億円にしたい」などと意気込みを語った。

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「ピアキッチン」

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 金児氏は冒頭、「挨拶は5分間の予定になっているが、それじゃ終わらない」と前置きし8分にわたってマンション、戸建て事業のほかジョイント・ベンチャー、リノベーション・リファイニング、再開発、建て替えなどについて語った。

 ここでは一つひとつについて触れないが、ポラスが本格的な戦いを挑むという意思表明と受け取ることができる。だからこそマンションブランドに定冠詞「Le」をつけたのだろう。ここ数年、同社がアピールしているピアキッチン。これに似たものは億ションのモデルルームで採用されていたようにスグレモノだ。モデルルームにはないが中和室の提案もなかなかいい。引き戸、鍵穴なしの玄関ドアもしかり。問題はこれらの商品企画をどうユーザーにアピールするかだ。

 「価格は未定」と担当者が強く言ったのでここでは書かない。2~3年前に成増駅前で分譲されたマンション坪単価より高いということにとどめておく。

 ポラスだから言うのだが、あえて注文もつけたい。気のぬくもりがコンセプトになっているはずだが、本物の木が採用されているのはピアキッチンのみだ。床のフローリングは無垢材と見まがうほどではあったが、シート張りだった。同社の戸建てでは無垢のフローリングは常識だ。それなのにマンションはどうしてそれをやらないのか。「傷がつかないから」というのは、本物が採用できないデベロッパーの言い訳だ。

 さらにもう一つ。これは他のデベロッパーも考えてほしい。モリモトのマンションについてだ。同社は8月8日付で「ディアナコート本郷弓町」(分譲40戸)が完売したとホームページで公開した。販売開始から2カ月くらいしかたっていないはずだ。

 詳細は別掲の記事を参照していただきたいが、徒歩4分で坪単価は410万円。4年前、野村不動産が東大赤門前で分譲したマンションの坪単価は360万円だった。

 分譲時期は異なるが、「プラウド」と互角以上の勝負をモリモトはやった。しかし、モリモトがここまで来るまでに20年かかっている。建築費を価格に転嫁しただけではユーザーを納得させることはできないということだ。

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「中和室」

あっぱれ!モリモト階数を2層分減らし天井高2.7m確保「本郷弓町」(2014/5/23)

 

 

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国産の銘木

 日本木造住宅産業協会(会長:矢野龍住友林業会長、略称:木住協)の平成25年度の440社の会員による住宅着工戸数は97,479戸(前年度比107.5%)と5年連続して増加し、このうち木造戸建住宅は94,757戸で初めて9万戸を超え、国交省の新設木造戸建住宅着工に占める会員シェアは18.8%となった。9月3日行われた記者報告会&懇親会で発表した。

 このほか、平成25年省エネルギー基準適合住宅の戸数は5,348戸となり、次世代省エネルギー基準適合住宅と合わせ、会員の両省エネルギー基準の適合比率は74.5%で、前年比1.7%増加した。

 長期優良住宅戸建て着工戸数は31,390戸で、木住協戸建住宅に占める割合は33.1%となった。

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 木住協を取材するのは初めてだった。これまで縁がなかっただけで、会員会社が供給する分譲戸建ては結構取材してきている。

 さて、この木住協だが、木造建築工事業者だけでも約5万社もいるこの業界で会員が440社で、その会員の木造戸建住宅の着工戸数シェアが18.8%というのは高いのか低いのか。記者は判断材料を持たないが、会員の1社当たり着工戸数が約215戸で、省エネ基準適合住宅や長期優良住宅の着工比率などからすれば、わが国の木造軸組工法の普及・技術革新に貢献し、水準以上の〝良質住宅〟を供給している住宅メーカーの業界団体ということができる。

 記者は木造住宅のファンでもあるが、初めての取材で面白いことをいくつも発見した。以下に紹介する。

 ひとつは懇親会の乾杯について。同業の記者は40人くらいいたか。乾杯が始まるとき、甘い香りが漂った。スタッフが紙コップを配った。自分でビールを注げというのでもなかった。中に少量の水ではない日本酒が入っていた。

 これには驚いた。30数年間、業界の記者をしていて日本酒で乾杯する会合は初めてだった。いま日本酒で乾杯する行事は神事か鏡割り、正月のお屠蘇くらいだろう。

 挨拶に立った熊建夫・同協会専務理事は「木の文化は日本酒に通じる」と話した。なるほどと思った。いっぺんに熊氏が好きになった。熊氏は山口県出身だそうで、早速、記者と山口県の名酒「獺祭」の話になった。いつもは熊氏が手に入れた獺祭で乾杯するのだそうだが、最近は手に入らないので、この日は獺祭によく似た兵庫県の「龍力」が出された。誰も手を付けないから、記者は720mlの龍力をほとんど一人で飲んだ。熊氏は洒落者だ。龍力が獺祭に似ているのではなく、きっと矢野会長の「龍」にあやかったものだと思う。

 熊氏は絨毯敷きのマンションの床をフローリングにするかどうか奥さんと検討しているそうで、記者は熊氏を挑発した。「木住協の専務理事が輸入材では情けない。ここは絶対国産材」と。熊氏は「コストと相談する」と話した。さてどうなるか。

 もう一人は能勢秀樹・同協会運営委員長(住友林業顧問)の話だ。能勢氏は約5分間、住宅業界の近況を話したのだが、この間、「想像を超える苦戦」「こんなに悪いとは」「心配」「危惧している」「苦しい」「落ち込んでいる」「30代は住宅取得をあきらめざるを得なくなる」などと業界の置かれている状況を正直に話した。

 能勢氏は、他の木造住宅に関する会合などで何度も話を聴いているが、能勢氏に「マイナスのことばかりではなく、一つ前向きの話を聞きたい」と水を向けた。能勢氏は国産材の輸出の可能性を熱っぽく話した。暗い話はすっ飛び、話に花が咲いた。

 最近農産物の輸出の話はよく聞くが、国産材の輸出が有望な市場になるという能勢氏の考えは検討に値すると思う。木の話をさせたら能勢氏の右に出る人はいないのではないか。

 熊氏と能勢氏には「木造住宅の普及のため、厳しすぎる防火・耐火基準を緩和すべきだと思うが、私は〝それじゃ燃えていいのか〟という反論には黙らざるを得ない」とはなしたら、能勢氏は「確かに。木は火に弱いという刷り込みをなんとかしないといけない」と話した。

 ついでにもう一つ。会場となった木住協の会議室には225種くらいの世界の銘木見本が3つの額に収められ飾られていた。

 木住協の銘木見本は貰ったもののようで、かつて喫煙室にあったそうだ。タバコに燻されていい表情を出すのかもしれないが、木を大切にする木住協としてはいかがなものか。今はちゃんときれいに掃除して飾っているとのことだった。

 記者は戸建てやマンションの取材のとき、必ず使用されている床材や建具・家具の樹種を聞く。すぐに答えられる営業マンは少数だ。知らない記者も問題だか、どのような木が使われているか説明できない営業マンは失格だ。しっかり調べお客さんに説明すべきだろう。街路樹もそうだが、われわれは木について知らなさすぎる-ここに森林・林業の荒廃があり、鉄やらコンクリに押され気味の木造住宅の現状が象徴的に表れているような気がする。

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外国産の銘木

 

 学校法人高宮学園が経営する三大予備校の一つ、代々木ゼミナールが全国28校舎のうち本部校(新宿)など7校拠点に集約し、その他の校舎については平成27年度から募集を停止することが話題になっている。

 現段階では廃校になる校舎がどのようになるか代ゼミは公表していないが、校舎がほとんどすべて地方都市の一等地に立地することから、不動産業界が跡地利用に大きな関心を寄せている。

 記者は、学校法人のことや廃校となる校舎の敷地規模、権利関係はいっさい分からない(抵当権などはついていないと思われるが)ので適当なことは言えないが、学校法人のまま不動産事業を展開するにはハードルが高すぎるような気がする。

 代ゼミが「受験人口の減少や現役志向の高まりに伴う浪人生の減少」を理由に校舎の集約を行い、27年度以降も継続して募集すると発表したのは、本部校(新宿)、札幌校、新潟校、名古屋校、大阪南校、福岡校、および造形学校(渋谷区原宿)の7拠点。

 廃止するのは仙台校(仙台駅東口前)、高崎校(高崎駅東口前)、大宮校(大宮駅西口2分)、柏校(柏駅西口4分)、津田沼校(津田沼駅南口1分)、池袋校(池袋駅東口5分)、立川校(立川駅南口5分)、町田校(町田駅東口5分)、横浜校(横浜駅東口5分)、湘南キャンパス(大船駅5分)、浜松校(浜松駅1分)、京都校(京都駅中央口8分)、大阪校(江坂駅2分)、神戸校(三宮駅2分)、岡山校(岡山駅8分)、広島校(広島駅5分)、小倉校(小倉駅10分)、熊本校(熊本駅1分)など21校。

 各校の交通便を見ると、すべてが最寄駅から10分圏内というより、かつて丸井がCMでヒットしたのと同じ〝駅のそば〟だ。もっとも駅から遠い小倉校も川を挟んだ対面は北九州市役所。ここも市内の一等地であるのは間違いない。首都圏の池袋校、柏校、大宮校、津田沼校、町田校、横浜校などは仮に分譲マンションだったら坪単価は最低でも二百数十万円はするし、池袋校なら400万円を突破する。敷地規模がまったく分からないが、すべての校舎の資産価値は千億円単位だろう。

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 デベロッパーならずとものどから手が出るほど欲しい物件だが、処分するなり代ゼミが不動産業を営むのはかなり難しいハードルがある。

 学校法人は、その公共性・公益性を考慮して様々な税制上の優遇措置が講じられている。法人税・事業税は収益事業から生じた所得に対してのみ課税され、税率も軽減措置が取られている。国税の所得税などは非課税だし、校舎などの不動産については不動産取得税・固定資産税、都市計画税などが非課税となっている。

 収益事業とは日本標準産業分類に定められている18業種で、ほとんどの事業ができることになっている。禁止されるのは投機的事業、風俗業、規模が学校の状態に照らして不適当なもの、その他学校法人としてふさわしくない方法によって経営されるものなどだ。

 代ゼミが廃校する施設を売却するなり自らが事業を興す場合は、法律に基づき管轄する東京都の許認可が必要になる。

 これが難問だ。東京都は「現在、代ゼミさんからは何の相談もないのでコメントできませんが、学校経営より収益事業が大きくなる場合は難しいですし、売却する場合でもきちんと審査します」と話している。

 小泉内閣による一連の規制改革で、設立認可の弾力化によって学校法人を作りやすくし、株式会社による学校法人の経営参画をやりやすくする方針が打ち出された。 

 代ゼミの問題はその逆だ。「受験人口の減少や現役志向の高まりに伴う浪人生の減少」を理由に、いとも簡単に廃校-収益事業に転換できるとしたら「教育」を隠れ蓑に課税を逃れ、営利事業ができることにならないか。とはいえ、廃校となった一等地の不動産をどう活用するのかはしっかり論議すべきだ。

 

 

 

  積水ハウスは9月2日、同社の大阪の情報受発信拠点「SUMUFUMULAB(住むフムラボ)」でダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの共創プログラム「対話のある家<秋~冬プログラム>」を9月28日から12月22日まで実施し、実施に先立ち9月5日からチケットを発売すると発表した。

 光が完全に遮断された「純度100%の暗闇」の中にグループ(6人まで)で入り、暗闇のエキスパートである視覚障がい者のアテンドのサポートのもと、住まいにおける様々な生活シーンを体験する。

 昨年の開催から約5,700人が来場しており、対話の大切さ、五感で感じる心地よさ、家族の絆など新たな発見や新鮮な気づきがあったという来場者の声がたくさん寄せられているという。

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 これは記者もお勧めだ。田舎育ちの記者は「真っ暗闇の世界」が日常だった。今と違って、昔は街灯などなかったから、夜、外に出ると真っ暗闇の世界が広がっていた。明かりは月と星、夏ならホタルくらいだ。聞こえるのは風の音と梢のささやき、せせらぎの音、虫の音、犬の遠吠え、フクロウのラブコールくらいだった。

 実は本日、里山を保全しつつ持続可能なライフスタイルを提案するNPO「よこはま里山研究所(NORA)」のメルマガに掲載されているNORAの理事でもある松村正治・恵泉女学園大学准教授のコラムを読んだのだが、それは激減する「草地」のことが書かれていた。(NORAのメルマガはhttp://nora-yokohama.org/

 記者は早速、「私などは少年のころ、草地に寝そべり、あれやこれや夢想しはらはらと涙を流したものです…野原一面に咲いた彼岸花を木切れでなぎ倒す快感を皆さんは理解できるでしょうか」と返事した。

 「真っ暗闇」も同じだ。流れ星を数えながら家族のこと、世のはかなさ・せつなさ、初恋の彼女などを思いめぐらし甘くてしょっぱい涙をハラハラと流した。涙には「痛い」涙があることは失恋して初めて知った。自然の暗闇と人工の暗闇とは全然異なるだろうが、疑似体験を経験してみる価値はありそうだ。

 ところで皆さん、先日、千歳烏山の「七つの子」の記事を書いたが、「七つの子」とは「7羽」なのか、やはり人間で言えば「7歳の子」なのか、どちらでしょうか。「カラスの勝手」などと言わないでください。昔、農家の母親はみんなカラスが家に帰るころになっても野良から帰ることはほとんどありませんでした。

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「オーベル志村城山」完成予想図

 大成有楽不動産は9月2日、都営三田線志村坂上駅から徒歩3分のマンション「オーベル志村城山」(全74戸のうち分譲67戸)が5月29日の販売開始から約2カ月で完売したと発表した。

 専有面積は62.29~101.68㎡、価格は3,690万~7,490万円(最多価格帯3,800万円台・5,000万円台・5,100万円台)。問い合わせ件数は約1,100件、総来場者は約500件。

 同社は人気の要因として、「『志村坂上』周辺エリアにおける一等地にふさわしいハイスペックな商品企画を採用した」ことを上げている。

 契約者の属性は、現居住地は板橋区が44.8%、年齢は30歳代が44.8%、40歳代が25.4%、家族構成は夫婦と子ども52.5%、夫婦27.1%、居住形態は賃貸マンションが49.2%、社宅・官舎が28.6%、自己資金は1,000万円以上が53%、年収900万円超が37%。

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 早期完売は当然だと思う。アッパーミドルをターゲットにしたのが大正解だろう。

 このマンションについては4月に取材しているので、その記事を参照していただきたい。記事では「モデルルームは100㎡のオーダータイプ。同社のオリジナル商品を開発していく取り組み『O-range LABO(オレンジラボ)』から生まれた『オレンジ収納』をフル装備しているほか、大理石、御影石をふんだんに用いている。キッチンシンクはユーティリティシンクを採用。ドア把手は壁面から出っ張らないようセットバック。物干しポールをリビングに取り付けている」と書いた。

大成有楽不動産「オーベル志村城山」 駅3分の一等地に立地(2014/4/1)

 三井不動産レジデンシャルが立ち上げた〝今どきモチイエ女子の赤裸々な暮らしぶりを明らかにする〟「モチイエ女子project」が、家で過ごす平均時間からひとりごとの実態、飲食事情、家事、風呂上りに着るものなど職場の同僚、友人・知人には見せない家の中での生活実態を調査した結果をWebで公開した。

 調査結果によると、「モチイエ女子」が「外出せずに、家にずっといても平気な日数」「毎日酒を飲む」「一人で外で食事をする」「家事頻度」などの項目で他を圧倒していることが報告されている。

 調査対象は、住宅を購入した「モチイエ女子」、「賃貸一人暮らし女子」、実家暮らしの「実家女子」の3タイプで、大都市圏に住む年収が250万円以上の25歳から45歳の単身女性。

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 「モチイエ女子project」のWebは、派手な色づかいといいたくさんマンガが出てくるのには面食らってしまうし、「30歳のとき、家でゴキブリを発見したことを機に引っ越しを決意し、賃貸ではなく家を購入」した主任研究員、「悩みを人に相談することはあまりしないタイプ。でも実は寂しがり屋。今住んでいる賃貸マンションのお風呂が狭いことがちょっと不満」の賃貸一人暮らし研究員、「マイペースな性格で、読モ経験があるほど可愛い」実家暮らし研究員の行動や考えが理解できない。

 ゴキブリを発見しただけでマンションを購入するということは資金がないとできないことだし、賃貸マンションの風呂が狭いのは当たり前だし、悩みを打ち明けられる人をつくるべきだし、「読モ」はもうさっぱり分からない。ウィキペディアで調べたが女性雑誌の表紙を飾ることか。

 それでも確かに独身女性の一人暮らしぶりが〝赤裸々〟に報告されていると思う。飲酒で言えば、「モチイエ女子」は酒を楽しみ、「実家女子」はストレス発散のために飲む機会が多いというのは面白い。湯上り後、「パンツだけ」とか多くはないが素っ裸でいる「モチイエ女子」がいることも驚いた。

 「うわ」「ふざけんな」「ムカツクー」「ただいま」「がんばるぞ!」などぶつぶつと独り言をしゃべっているのは、職場や地域で正当な扱いを受けていない独身女性の叫びであり自分を奮い立たせる努力であろうと思うと、男としての責任も感じるし、「より輝ける文化を醸成する」ことが目的の「モチイエ女子project」にエールを送りたい。

 調査結果から何を読み取るかは人それぞれだが、記者は「モチイエ女子」がより自立した女性が多いと理解した。我田引水だが、自立を促すマンションの記事を書いてきたことは間違っていないと確信する。

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「プラウドシティ蒲田」完成予想図

 野村不動産・住友商事の「プラウドシティ蒲田」を見学した。野村不動産のマンションでは先に驚異的な売れ行きを見せた「プラウドタワー立川」と同じ、駅とペディストリアンデッキで結ばれた「駅直結」の再開発マンションで、単価も人気も同じ展開になりそうだ。

 物件は、京浜急行線京急蒲田駅から徒歩1分、大田区蒲田4丁目に位置する20階建て全320戸(分譲は161戸)。専有面積は38.25~101.50㎡、1期(予定120戸)の予定価格は3,599万~11,999万円(中心は5,000万円台半ばから7,000万円台)。設計・監理はアール・アイ・エー。施工は東急建設。竣工予定は平成27年12月下旬。第1期分譲は9月13日(土)の予定。

 再開発計画が持ち上がったのは1996年。京急線の連続立体交差事業計画に伴って地元、行政が一体となって「けいかまみらい2025」を提案。2009年に再開発事業の都市計画決定がなされ、野村不動産が参加組合員に決定。その後、2013年に住友商事が参加組合員に加わった。

 4層からなる駅舎とは2階部分のペディストリアンデッキで結ばれ、建物の地下1階から3階までは生活利便施設が整備される。

 建物はコの字型で、南東向きと北西向きが中心。スケルトン・インフィル(SI)、制震構造が採用されている。

 商品企画では、キッチンカウンターは御影石、ディスポーザー、食洗機が標準装備。浴室の床は畳のように柔らかく、ヒヤッとしないTOTOのマンションでは初採用の「ほっカラリ床」が採用されている。

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 見学に出かけるとき、同行してもらう同社の広報マンと新宿駅でばったり出くわした。その道すがらマンション市況やら景気のことやらを話したのだが、「蒲田」の物件にふさわしく広報マンに「カマ」を掛けた。「蒲田と言っても京急ですからね。私はJRと必死で戦っている京急が好きですが、まさか坪300万円はしないでしょうね」と。広報マンは「そんなに安くない」と記者を一蹴した。

 現地の販売担当者からは「坪単価は書かないで」と言われたのでここでは書かないが、坪単価は300万円をはるかに突破し、「立川」の340万円よりは安いととどめておく。

 しかし、京急蒲田が国際空港・羽田と5分でつながり、品川へ6分、リニアが開業すれば名古屋へも1時間くらいになると考えれば、この単価はあり得ない単価ではない。

 今から4年前、JR大森駅から徒歩6分、京急大森海岸駅から徒歩3分の「免震」と「外断熱」の両方を兼ね備えたナイス「アルシア大森」(36戸)は坪単価279万円だったが瞬く間に売れた。それとの比較からしても第1期で120戸供給というのも納得できる。

 それにしても「立川」に続き「京急蒲田」でも野村不動産は「駅直結」の威力をまざまざと見せつけた。これはすごい。

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完成した制振装置TMD(中央が錘、緑の部分は変形を抑制するオイルダンパー、縦の鋼鉄は錘を吊るすケーブル)

 三井不動産は9月1日、「コレド室町2」「コレド室町3」などの店舗と連携した誘導訓練、帰宅困難者訓練と、竣工46年を迎える「霞が関ビル」、竣工40周年を迎える「新宿三井ビル」の防災設備補強工事見学会を行った。記者は、一番興味がある「新宿三井ビル」の安心・安全、BCP(事業継続計画)の取り組みを見学した。面さ約1,800t、容積にして20坪のマンション52戸分の制振装置TMDには驚愕した。

 同社は、既存ビル60棟を対象に約200億円を投じるBCP改良工事を5カ年計画で進めており、「新宿三井ビル」では非常時の電源を確保するため72時間稼働の非常用発電機を低層棟に3台設置した。費用は約15億円。

 制振装置はBCP工事とは別枠で、55階建てのビルの屋上に鹿島建設が開発した日本で初の超大型制振装置TMDを設置する工事。費用は約50億円。

 TMDとは、スカイツリーなど超高層ビル・建築物の風揺れ対策として採用されている振子式の錘(おもり)技術を発展させたもので、超高層ビルの地震の揺れ対策として実用化したもの。屋上に設置するため、眺望が阻害されたり有効床面積が減少することもなく、居室内工事がないためテナントへの影響を大幅に低減できるメリットがある。

 新宿三井ビルに設置されるTMDは6基で重さは約1,800t。東日本大震災時に観測された同ビルでの長周期地震動(振幅幅約2m)を半分以下に抑えることができるという。ビル全体の荷重は8万tだから、補強工事も軽微で済んだという。メンテフリーだともいう。完成後は覆い隠される。

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人と比較しても1基の大きさが分かるTMD

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 この制振装置は、昨年7月、同社と鹿島建設がリリースを発表したとき、必ず見学しようと決めていた。リリースを読んだだけではよく分からなかったからだ。原理としては理解できても、およそ1,800tなるものの振子の錘がどのようなものか想像すらできなかった。

 実際に見学して驚愕した。完成した1基の面積は11m×13m、高さは12m。その中に重さ300tの鉄の錘がケーブルで吊るされていた。いまは工事途中なので、錘は動かないよう固定されていた。

 巨大な建屋がどれくらいのものか分かりやすく紹介するために20坪(66㎡)のマンションと比較してみた。マンション1戸の高さは3mとして計算した。その結果、6基全体では52戸に相当することが計算上分かった。中規模マンション1棟だ。

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 もう一つ気になるのがこの工事によって賃料はいくらになるか、周辺ビルへの影響だ。新宿エリアでは東新宿や西新宿で最新の大型ビルが竣工し、既存の昭和40年代後半から50年代にかけて建設されたビルの空室率は年々大きくなってきている。耐震補強を行っていないビルもあり、大量の空きを抱えたビルもある。

 これについて同社は多くを語らなかったが、他のビルとの競争力が増したのは間違いなく、他のビルも対応策を取らざるを得なくなるのではないか。賃料を下げることだけで解決する問題でもなさそうだ。

 参考までに聞いたら、非常時に余剰電力を周辺のビルに供給することは法律で禁止されているとのことだった。地域防災の観点から法律の見直しが必要ではないか。

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非常用発電装置(これも巨大、横幅は8m、縦幅は2m、高さは5mくらいか。燃料はジェット燃料)

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「シティタワー金町」全景(合成写真)

 住友不動産は8月28日、葛飾区の三菱製紙跡地の再開発大規模マンション「シティタワー金町」のモデルルーム見学会を行った。公園・大学・住宅・商業からなる約33.3haの複合開発エリアのランドマークとなる全840戸の規模で、1期の坪単価は約220万円になる模様だ。施工は竹中工務店。

 物件は、千代田・JR常磐線金町駅から徒歩12分、葛飾区新宿六丁目に位置する37階建てタワー棟700戸と13階建てレジデンス棟2棟140戸の合計840戸の規模。専有面積は62.27~84.41㎡、予定価格は3,900万円台~6,000万円台。坪単価は未定だがタワー棟で220万円くらいになる模様だ。竣工予定はタワー棟が平成28年3月下旬、レジデンス棟が平成27年2月下旬。設計・施工は竹中工務店。

 現地は平成13年、三菱製紙からUR都市機構が用地を取得。その後、東京都、葛飾区などとともに街づくり計画が進められてきた。平成19年に都市計画決定された。開発面積は約33.3haにも及ぶもので、昨年開校した東京理科大学葛飾キャンパスを中心に今回の中高層住宅ゾーン、約71,000㎡の公園、都市型工場・研究ゾーン、低中層住宅ソーン、文化・教育ゾーン、生活利便ゾーンからなる大規模複合開発。同社が用地を取得したのは平成19年2月。

 建物は約71,000㎡の「葛飾にいじゅくみらい公園」に隣接し、設計・施工は竹中工務店。タワー棟は地盤液状化対策「TOFT」と免震工法を採用。敷地内に約3.800㎡の緑地も整備するほか、敷地外周部は散策路も整備する。敷地に隣接する商業棟の用地は同社が取得しており、スーパーが予定されている。また、敷地東側の約1.8haの「生活利便複合ゾーン」は同社が開発することになっており、約600戸のマンションを建設する。

 隣接する東京理科大は「地域に開かれたキャンパス」を標榜しており、葛飾区民は水辺のカフェ、学食、図書館が利用できる。

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「葛飾にいじゅくみらい公園」(左)と東京理科大キャンパス

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 分譲坪単価は予想した通りだった。坪200万以下はないが、かといってそれほど大幅に上回ることはないだろうと思っていた。6年前に分譲された、今回の物件に近接する駅寄りの野村不動産「プラウドシティ金町」(725戸)は約200万円だった。

 高いか安いかはユーザーが判断することだ。広大な公園と東京理科大のキャンパスに隣接しているのが最大の特徴だ。これをどう評価するかだ。

 もう一つ、スーパーゼネコンの竹中工務店の施工に注目したい。同社施工のマンションは首都圏では少なく、住友不動産の調べによると、金町-北千住間の分譲中・今後の予定物件合わせ27物件のうち竹中施工は住友の「お花茶屋」の物件と今回の物件のみだ。

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 隣接する東京理科大学の図書館やカフェは葛飾区民でも利用ができる。(利用については同大HPを参照) 

 ならば見学しようと同大学広報にお願いして見学させていただいた。

 建物の設計は日建設計で、地下1階地上2階建て。1フロアは約5m。これが素晴らしい。地下を含め5層になっていて、1階のフロアから上にのぼるごとに図書スペースがセットバックされており、まるで劇場のようだ。ソファ、椅子などの家具類は全て輸入品だそうだ。蔵書は約5万冊。ほとんどは専門書だが、一般の人も興味をそそられる哲学書や社会科学、芸術分野の書籍もある。葛飾区に在住していること、18歳以上であることその他の条件はあるが、無料で利用できるというのもいい。

 藤嶋昭学長の推薦本も並べられており、「ロウソクの化学」(角川文庫)「マイケル・ファラデー」(大月書店)が中でもお奨めとのことだった。

 たまたま、来年受験する江戸川区居住の高校生とそのお母さんが見学に来ていたので声を掛けたら、「すばらしい。江戸川区にはこんな図書館はない」と話した。

 図書館に併設されているカフェでは〝葛飾〟にあやかった鹿肉ハンバーガー「葛飾バーガー」が食べられるというので食べてみた。値段は400円。記者はあまりハンバーガーは食べないが、シカの刺身は大好きだ。国産の鹿肉ではなくて、ニュージーランド産だったのは残念だった。わが国の森林・林業の活性化のためにもやはり国産の鹿肉を使ってほしい。

 敷地内にいた近所の子ども連れのお母さんたちは「とても美味しい」といっていた。

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東京理科大の図書館

 

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「夕涼みジャズコンサート」

 東京建物不動産販売は8月30日、一般賃貸住宅・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)・多世代交流施設などからなる「コーシャハイム千歳烏山」で入居者や地域住民の交流を目指した「ななつのこ夏祭り」を行なった。

 同社は、コーシャハイム千歳烏山のサービス付き高齢者向け住宅の賃貸・管理運営のほか、有限会社エヌアンドエスコミュニティアソシエイツと協働して多世代交流施設の運営も行っており、今回のイベントもその一環。

 この日は多世代交流施設内のコミュニティカフェ「ななつのこ」が会場となり、世田谷野菜のマルシェ、ジャズ演奏会、併設介護事業所による相談コーナー、併設医療機関による暮らしの医療相談セミナー、介護なんでも相談セミナーなどが行われた。

 コーシャハイム千歳烏山は、多世代共生を目指し、同じ敷地内に一般賃貸住宅・サービス付き高齢者向け住宅・高齢者居宅生活支援施設・多世代交流施設などが配置されている。

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マルシェ、寄贈本受付コーナー、わたあめコーナー(左)と寄贈された図書(絵本などのほか堀辰雄「風立ちぬ・美しい村」、梅崎春生「桜島・日の果て」、渡辺淳一「エ・アロール」、百田尚樹「永遠のゼロ」、モーム「月と六ペンス」などもあった)

◇     ◆   ◇

 サ高住の入居者と一般賃貸住宅居住者、近隣住民がどのような交流を行なうのか興味があったので取材した。

 千歳烏山の農家が生産した4個100円のシシトウ・ピーマンを買い、カフェに持ち込み、ビール代わりに200円のコーヒーを頼み、シシトウをつまみながらサ高住の入居者に話しかけた。取材は断られたので書けないが、入居者同士で友だちができたのを歓んでいた。近所に住む30歳代の2人の子ども連れの女性は「子どもが小さいので、このような施設があるのは助かる」と話していた。「世田谷は子育てが厳しい」と語った共働き夫婦もいた。

 夏祭りの目玉となっていたプロのギター:斉藤拓人さん、ボーカル:RIO さんによる「夕涼みジャズコンサート」には会場いっぱいの数十人が集まった。サ高住の入居者だけでなく、小さな子ども連れの家族の姿も目立った。最後の演奏「七つの子」は烏山にぴったりだったようで、みんな手拍子を取り合唱となった。

 サ高住15戸、一般賃貸8戸からなるリファイニング賃貸11号棟の入居者同士の交流会も行なわれた。一般賃貸入居者2組3人を含む十数人が集まり自己紹介したあと、斉藤さんとRIOさんの音楽やゲームなどを楽しんだ。

 一般賃貸に住む40歳代の独身女性は「近くに10年くらい住んでいたが、入居者同士のつながりは全くなかった。ここならそれが可能かと申し込んだ」と話し、60歳代のサラリーマン夫婦の夫は「成城の賃貸に20年住んでいたが、駅から遠かった。女房が『駅近』『商店街』を希望したので入居を決意した。サ高住との同居は気にならなかった。むしろわれわれもどういう施設か経験しておいたほうがいいと思った。天井が低いのと収納が少ないのは難点」と語った。

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RIOさん(左)と斉藤さん

サ高住「コーシャハイム千歳烏山」 「囲い込み施設にしない」JKK狩野氏(2014/3/31)

 

 

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