住友不動産 中野駅南口の再開発「中野二丁目」着工 マンションは約400戸
「中野二丁目地区第一種市街地再開発事業」
住友不動産は3月30日、参加組合員として事業参画している「中野二丁目地区第一種市街地再開発事業」を2020年3月10日に権利変換計画認可を受け、起工式を行なったと発表した。
同事業は、市街地再開発事業と土地区画整理事業の一体的施行で施行するもので、駅前広場の拡張整備、駅周辺の回遊性を高める交通動線の整備、人々の憩いや交流の場となる広場空間を確保し、中野駅南口の賑わいの核となる整備を目指す。
現地は、中野駅南口の駅前に位置し、敷地北側に高さ約120m・20階建のオフィス棟(延床面積約15,000坪、総貸室面積約8,000坪)、南側に約150m・37階建の住宅棟(延床面積約14,900坪、約400戸)を建設し、両棟とも低層部に店舗等を配置する。
施行面積は約2.4ha、施設の敷地面積は約10,081㎡、建築面積は約7,850㎡、延床面積約99,000㎡(容積対象約71,060㎡)。容積率は約705%。業務代行者は西松建設。コンサルタント/基本・実施設計はアール・アイ・エー。竣工予定は2024年2月。
「9割がワイドスパン、最強の間取り」 全1,539戸の住友不「東京ベイ」入居開始
「シティタワーズ東京ベイ」
先月末から入居が始まった都内最大級トリプル免震タワーマンション住友不動産「シティタワーズ東京ベイ」を見学した。全1,539戸のうちこれまで1,230戸が分譲され、契約済みは837戸。販売担当の吉野秀邦氏は「これほどの大規模で9割がワイドスパンのマンションなど他にない。最強の間取り」と自信たっぷりだった。
物件は、東京臨海高速鉄道りんかい線国際展示場駅から徒歩4分、ゆりかもめ有明駅から徒歩3分、江東区有明二丁目に位置する敷地面積約32,628㎡の32階建てウエストタワー、33階建てセントラルタワー、33階建てイーストタワー3棟からなる全1,539戸。現在販売中の住戸(402戸)の専有面積は38.02~100.62㎡、価格は5,000万~16,000万円(最多価格帯6,100万円台)、坪単価は380万円。建物は完成済みで、入居開始は2020年2月27日。設計・施工は前田建設工業。
敷地は、2010年12月、都市再生機構と東京都港湾局及び都市整備局から取得した全110,188㎡のうちのマンション部分。敷地北側には、200店超の店舗が揃う商業施設、大規模ホール、劇場(劇団四季)、ハイグレードホテル、温浴施設などで構成する「有明ガーデン」が整備される。豊洲駅までのシャトルバスも運行する。
建物の特徴は、免震構造、白と黒のコントラストが印象的な3棟シンメトリー、内廊下方式、東西400m以上にわたる緑の回廊、マンションと商業棟をつなぐペデストリアンデッキ、ダイナミックパノラマウインドウ、ワイドスパンなど。プランは3LDKが約50%、1~2LDKが50%。
その他基本性能・設備仕様は、リビング天井高2600mm、ワイドスパン、二重サッシ、Low-Eガラス、御影石キッチンカウンター、ディスポーザー、食洗機、ミュージックリモコントイレ(LIXIL)など。
契約者の属性は、①30~40代の働き盛りの会社員世帯(ファミリー、プレファミリー)が約7割②江東区、中央区居住者が46%と多く、湾岸エリアからの買い替え層も多い③都心3区を中心とした都心勤務者が多数、全体の半分超-など。
吉野氏は、「社内での評価も高い。オリンピックの延期の影響はむしろプラスに働く。売り急ぐことなく、丁寧に販売していく」と語った。
パノラマウインドウからの眺望
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同社が2010年12月に用地を取得したときは、容積率1種当たり42万円だったのでずいぶん〝安値〟で取得したと思った。しかし、その直後、3.11に見舞われ、湾岸マンションも大きな液状化風評被害で打撃を受けた。
記者は震災直後、液状化の被害状況を見るため、豊洲-有明―東雲-辰巳を数時間かけて歩いた。都営辰巳団地は大きな被害を受けたが、その他は地盤改良がしっかり施されているためか〝軽微〟だったことを確認している。ただ、「有明」は何もなく、分譲は苦労するだろうと思った。
同社が2017年に販売開始したときの坪単価は320~330万円だったはずで、〝リーズナブル〟な価格だとおもった。ところが、「晴海市場」の開業間近になって移転問題が持ち上がった。同社のマンション販売も少なからず影響を受けたはずだ。
こうした紆余曲折を経て入居が始まった。販売開始から2年余りで800戸超の成約は、順調に販売が進んでいるとみていいのではないか。
取材して何よりも嬉しかったのは吉野氏の〝元気〟だった。ワイドスパンを端的に表現した「最強の間取り」をはじめ「千代田区のスーパーサラリーマンが買っている」「都心と比べたら価格は半値」「駅近で商業との複合は他の湾岸にはない」「北側は都心方面、南向きは海が一望できるリゾート」「社内でも記念碑的物件として評価されている」-など景気のいい言葉がポンポンと飛び出した。
現場取材が激減し、新型コロナの感染拡大に打ちのめされている記者を元気づけてくれた。
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同社のマンション販売状況、商業施設の開業、駅前の大和ハウス工業のホテルの開業などによって恩恵を受けそうなのが、東京建物「Brillia Tower 有明 MID CROSS」300戸だ。こちらも取材して紹介したい。
彼らに濃厚接触は関係ないのか(有明駅前で)
好スタート 第1期は330戸 住友不「シティタワーズ東京ベイ」 プラン秀(2017/8/1)
都営辰巳団地は軒並み20~30㎝地盤沈下 液状化被害 ~現地ルポ~(2011/4/7)
マンション・戸建て トイレはTOTO、LIXIL、パナソニックがデッドヒート
別表は、昨年から現在まで見学したマンション・戸建てのうち、トイレのメーカーが確認できた25物件をまとめた表だ。
物件の数では13物件のTOTOがトップで、9物件のLIXIL、2物件のパナソニックの順。戸数ではTOTO1,117戸、LIXIL1,000戸、パナソニック993戸となっており、各社がほとんど横並びだ。
仕様レベルは、どこも似たり寄ったりと映ったが、伊藤忠都市開発「クレヴィア日本橋浜町」のLIXIL「キレイ便座」はリモコン式で便座をリフトアップできるものだった。野村不動産「亀戸」は、同社とパナソニックは「綱島」などで共同事業マンションを行っている縁で採用されたのだと思う。野村不動産は水回り部分をすべてパナソニック製にした実績もある。
「晴海フラッグ」新型コロナ対策 3月下旬予定の新規販売を6~7月上旬に延期
三井不動産レジデンシャルなど10社は3月23日、「晴海フラッグ(HARUMI FLAG)」の新規発売を当初予定していた3月下旬から6~7月上旬に延期することを物件ホームページで公開した。
政府が新型コロナウイルス対策として呼び掛けている大規模イベントにモデルルーム来場や申し込み、契約行為が該当すると判断したため。
販売を延期するのは「SUN VILLAGE」(1089戸)第一工区第1期(戸数未定)、「SEA VILLAGE」(686戸)第2期(戸数未定)、「PARK VILLAGE」(915戸)第一工区第2期(戸数未定)で、「SUN」と「SEA」は6月上旬に、「PARK」は7月上旬にそれぞれ延期する。
現段階で建物竣工予定の2022年秋、入居予定の2023年3月下旬に変更はない。
物件概要には、「※SEA VILLAGE、SUN VILLAGE、PARK VILLAGEは『晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業』(事業完成予定:2024年度)の完成は工事の状況により遅れが生じる可能性があります」と付記されている。
高層ZEH-Mの野村不「プラウド高田馬場」第1期60戸 早期完売か
「プラウド高田馬場」
野村不動産は3月21日まで「プラウド高田馬場」第1期60戸の申し込みを受け付けている。高田馬場駅から徒歩4分、新宿区下落合一丁目の準工業地域に位置する9階建て全135戸。第1期の専有面積は25.42~81.44㎡、価格は3,599万~1億3.789万円(最多価格帯7,200万円台)。
環境省が推進する「高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)支援事業」に採択されている物件で、全館空調(床快full)と樹脂サッシを採用している。
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取材を申し込んでいるのだが、「3月いっぱい待っていただきたい」と言われている。場所は準工だが、繁華街を抜けたところで、嫌悪施設はほとんどないと記憶している。隣りは東京富士大学と日本外国語専門学校。目の前は神田川(サクラはなかったような気がするが)。
坪単価は500万円台の前半のようだ。価格は抑制気味と見た。間違いなく早期完売する。
6年前取材した近接するモリモト「ピアース高田馬場」は坪単価340万円くらいだった。立地条件が全然異なる。
旭化成不レジ「アトラス築地」 第1期50戸販売完了
旭化成不動産レジデンスは3月20日、先週14日まで受け付けていた「アトラス築地」の第1期50戸販売が完了し、3月末に分譲する第1期2次(戸数未定)の要望書受付を開始したと物件ホームページで公表した。
第1期2次の戸数は最多で20戸くらいになるのではないかと記者は見ている。
大手と互角に戦える商品企画 進化したピアキッチン ポラス「大宮」
「ルピアコート大宮フィオーレ」
ポラスグループ中央住宅が4月下旬に分譲する「ルピアコート大宮フィオーレ」を見学した。大宮駅から徒歩12分の全75戸で、同社の〝十八番〟ピアキッチンを進化させ、扉と棚を組み合わせた「AKUNDANA(アクンダナ)」を標準装備したプランが秀逸。間違いなく大手と互角に勝負できるマンションだ。
物件は、JR大宮駅から徒歩12分、さいたま市大宮区大成町二丁目の第1種住居地域に位置する7階建て75戸。専有面積は67.20~86.69㎡、価格は未定。竣工予定は2021年2月下旬。売主は同社のほかファーストコーポレーション。施工はファーストコーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
特徴の一つは、実用新案取得済みの「AKUNDANA(アクンダナ)」を標準装備していること。ドアの扉に多目的に利用できる棚を設置し、ほぼ同じ大きさの棚とセットで壁面を演出している。人気の「ピアキッチン」を採用しないタイプに採用することで、売れ行きに差を出さないのが狙いだ。
「ピアキッチン」そのものも進化させている。従来は冷蔵庫を食器棚と一緒に壁面に設置していたが、今回は冷蔵庫置き場をキッチンの隣に移すことで食器棚とキッチン幅を約115cmから約80cmに縮め、その分だけダイニング・リビングスペースを広くした。間口が狭くても対応できるのがみそだ。
もう一つ、ベランダの物干し金具を1つ追加することで、物干し量を2倍にした。
同社マンションディビジョン部の西牟田奈津子氏は、「モデルルームオープンは3月20日から。すでに2週間60席が予約で満席」と話した。
「AKUNDANA(アクンダナ)」
ピアキッチン
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同社のマンションはこれまでたくさん紹介してきた。その極めつけはこの前書いた「ルピアグランデ浦和美園」だ。
今回の「大宮」も基本的には同じ商品企画だが、「AKUNDANA(アクンダナ)」や物干し金具の増設は記者も完全に意表を衝かれた。
居室ドアに棚を設けることなど誰も考えない。しかも、同じものを隣り合わせで設置することでデザイン性を高めている。見た目は飾り棚だ。難点は、棚に絵本などを置くことでドアは重くなり、閉めたときに音がすることだ。
ピアキッチンは申し分ない。外廊下側の浴室には窓がついており洗面室-パントリー-キッチン-リビング-ベランダへ風が流れるようにしている。
物干し金具を2本から3本に増やせば干せる量は2倍に増えるのは当たり前だが、これまで本数を数えたことなど全くない。
これらは家事労働を経験していないとまず浮かばないアイデアだ。
肝心の坪単価はいくらになるか。「書かないで」と言われたので書かない。商品企画そのものは間違いなく大手物件と互角に戦える。問題は駅からのアクセスだ。これは「シントシティ」には負ける。勘を働かせていただきたい。記者の予想は的中するはずだ。
モデルルーム
ポラス「浦和美園」 全340戸を1年9カ月で竣工完売 マンション売上40億円積み増し(2020/3/7)
目黒区内最大の一低層マンション 住友不「シティハウス下目黒」第1期31戸分譲
「シティハウス下目黒」
住友不動産は目黒区の第一種低層住居専用地域に位置するマンションとしては目黒区最大の「シティハウス下目黒」(195戸)の第1期31戸を3月23日から分譲開始すると発表した。
第1期の価格は7,700~10,200万円(最多価格帯8,600万円台)、専有面積は62.35~79.25㎡。反響数は950件。
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この物件については昨年12月に取材している。そちらの記事を参照していただきたい。第1期の坪単価は410万円くらい。〝駅近〟を探している人は見向きもしないだろうが、このようなゆったりした住環境のマンションが選ばれるのが本来の姿だと記者は思う。
専用テラス付き
三菱地所レジデンス「ザ・レジデンス四谷」ホームページ開設
JR・東京メトロ各線四ツ谷駅前の複合再開発街区「コモレ四谷」に併設される三菱地所レジデンスのマンション「ザ・レジデンス四谷」のホームページが開設された。
物件は、JR中央線四ツ谷駅から徒歩3分、新宿区四谷1丁目に位置する31階建て複合開発に併設されるマンション棟。「アベニュー」と「ガーデン」を合わせ戸数は60戸(地権者住戸34戸、事業協力者住戸2戸含む)。専有面積は34.19~136.93㎡、価格は未定。建物は完成済み。施工は大成建設。販売開始は2020年6月中旬。
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このマンションについては「コモレ四谷」の見学会が行なわれたときに記事にしているので参照していただきたい。現段階でどのタイプが分譲されるのかも分からない。ホームページからすると、設備仕様レベルはまずまず高い。
記者は坪750万円でどうかと書いた。そんなに的を外していないと思うが、外濠公園に面した「ガーデン」は、他の物件と比較して坪1,000万円でも安いと思う。
お金持ちの方はこのところの株価の暴落で数えきれないほどの〝損出〟が発生しているはずだが、マンションは金融商品ではない。このマンションの価値は減ずることはない。〝買い〟だ。外れても責任は取りかねるが…。
成城学園駅から徒歩1分 三井不レジ「パークホームズ成城」31戸 早期完売へ
三井不動産レジデンシャルの「パークホームズ成城」が早期完売しそうだ。
物件は、小田急線成城学園前駅から徒歩1分、世田谷区成城2丁目の近隣商業地域に位置する10階建て全39戸(事業協力者戸数8戸含む)。専有面積は57.04~116.86㎡、最終期(2戸)の価格は6,898万円・9,198万円、専有面積は57.03㎡・66.37㎡。竣工予定は2021年3月下旬。施工は村本建設。
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成城学園はマンションや戸建ての取材のため何度も訪ねているが、商業系のマンションは多分初めてではないか。
現地は、ビルなどが建ち並んでおり、いわゆる成城学園らしい住宅街ではないが、成城学園&駅1分という立地がユーザーにどのように評価されるか注目していた。
それにしても分譲開始から1カ月くらいで残り2戸には驚いた。「成城学園」の力をまざまざと見せつけられた思いがする。
坪単価は条件のいい100㎡超のプレミアム住戸9戸は500万円を突破しているはずで、他は400万円台の半ばか。