立地・プランがいい 価格も妥当で人気必死 東京建物「Brillia Tower 横浜東神奈川」
「Brillia Tower 横浜東神奈川」完成予想図
東京建物は4月18日、京浜東北・根岸線東神奈川駅、京急線仲木戸駅前の再開発マンション「Brillia Tower 横浜東神奈川」の記者発表・見学会を行った。すでに資料請求が2,200件を突破し、見学希望が500件に達しているように人気は必至。プランがよく価格もリーズナブルだ。4月22日にモデルルームをオープンする。分譲開始は6月下旬。
物件は、京浜東北・根岸線東神奈川駅から徒歩2分、京浜急行電鉄本線仲木戸駅から徒歩1分、横浜市神奈川区東神奈川1丁目に位置する20階建て全110戸(事業協力者住戸32戸含む)。専有面積は65.71~98.11㎡、価格は未定だが、65㎡台で6,000万円台の半ばから、70㎡台で6,000万円台の後半から、80㎡台で8,000万円台の前半から。坪単価は350万円くらいになる模様。竣工予定は平成31年3月下旬。設計・監理は梓設計。施工は戸田建設。
現地は、東神奈川駅前地区の再開発エリアに位置し、今回の案件が最終となる。平成15年に再開発の研究会が発足し、同25年に都市計画決定された10年かかりのプロジェクト。2駅とペディストリアンデッキで結ばれ、4方接道。
建物は制振構造を採用。「Brillia」初の「低炭素建築物」に認定。 1~2階が店舗。住戸は3階以上で、標準階6戸のうち5戸は南東向き、1住戸は南西向き、8m以上のワイドスパンが特徴。設備仕様は二重床・二重天井、二重サッシ、天井高2500ミリ、フィオレストーン天板、食洗機など。
同社執行役員・田代雅実氏は、同社のこれまでの「池袋」「目黒」「磯子」「多摩ニュータウン」などの代表物件を紹介した後、「この物件は20年以上かけて整備されてきた総仕上げとなる再開発案件。外観は白が基調で格子状のグリッドデザインとし、屋上スカイガーデン、ワイドスパン、全戸南東向き」と特徴を語った。
1月から資料請求は2,200件を突破し、来場予約は500件超。資料請求者の現居住地は神奈川区25%を筆頭に周辺区など横浜市が7割。川崎市が1割。
スカイガーデン
モデルルーム
◇ ◆ ◇
いい物件だ。道路を挟んですぐに京急線の線路が走っているので難点といえば難点だが、その先は30mの高さ規制があり、横浜都心部が一望できる立地条件だ。65㎡の住戸も含めて8m以上のワイドスパンのプランがいい。
価格について。予想通りだった。東京志向の人にとっては多摩川を渡っても安くはならないので資料請求が10%強しかないのは当然だ。しかし、横浜、みなとみらいは坪400万円を突破するし、桜木町でも立地によるが300万円をはるかに突破する。環境が担保され、駅周辺に生活利便施設が整っているこのエリアだったら坪350万円は極めて妥当だと思う。横浜志向の人の問い合わせが圧倒的に多いのもよくわかる。
第1期は何戸供給するかわからないが、瞬く間に売れるのではないか。
眺望
100mしか飛べないシジュウカラのために 生物多様性の取組に感動 三菱地所レジ
マンションギャラリー 模型
三菱地所レジデンスは4月13日、「ザ・パークハウス 国分寺四季の森」に民間の学童保育施設開設が決定したことを受けて、モデルルーム内覧会と生物多様性保全の取り組みについての概要説明会を開いた。
学童保育施設については、物件が所在する国分寺市の要請を受けて併設するもの。ウィズダムアカデミーと提携し、公設公営では預かり時間は午後7時が多いのに対し、午後9時まで可能で、オプションとして「食事の提供」「英語や音楽教育」「近隣スポーツクラブとの連携」などのサービスも受けられる。
生物多様性の取り組みについては、2015年2月から物件の大小にかかわらず全てを対象にした同社独自の取り組み「BIO NET INITIATIVE(ビオネットイニシアチブ)」が累計100物件に達し、2016年度「いきもの共生事業所認定(ABINC認証)」のマンション版で「四季の森」の物件を含め5物件が取得し、2015年から累計で13物件の認定取得となったことを発表した。
物件の販売状況については、これまで約2,500件の資料請求があり、来場者数は約600件。第1期供給戸数は130戸と発表した。来場者アンケートによる好印象のベスト3は、シャトルバスの運行、住戸の75%が南向き、学童保育施設の設置の順。
◇ ◆ ◇
この物件については2月に取材しているので、そちらの記事を参照していただきたい。一度取材しているのでよそうとも思ったが、自分の見た目が正しいのか誤っているのかを確認するために急きょ取材を申し込んだ。大正解だった。同社の生物多様性の取り組みに感動すら覚えた。学童保育に関しては自分の無知を恥じた。
商品企画担当の松本氏が「すごい物件を担当することになった」と経緯について語り出し「ただの植栽計画ではダメ。人といきものが共生できる計画にした」などと、生物多様性についてあまりにも広範な分野にわたりかつ詳細に説明したので、あっけに取られて聞いていた。
最初は建築が専門だろうと思っていたが、途中から農学か植物学が専攻ではないかと考えた。名刺交換をしたら肩書は「商品企画部海外業務グループ兼海外業務企画部主任」になっていた。異動になったのだろう。専門はやはり建築で、生物多様性については3年間くらい勉強されたそうだ。
驚いたのはそればかりではない。広報担当の臼井亮介氏が同社の生物多様性の取り組みに関するニュース・リリースについて補足説明したのだが、「当社のガイドラインはものすごく分厚く読みこなすのが大変。在来種のシジュウカラは100mしか飛べないことを知った。そのシジュウカラのために植栽計画を決めることに私も驚いた」と話した。
生物多様性の取り組みについては、業界では積水ハウスの「5本の樹計画」がよく知られているが、同社も負けないのではないか。「5本の樹計画」の上を目指す「6本の樹計画」はあまりにも単純だが、何かいいネーミングを付けてアピールしてはどうか。
「いきもの共生事業所認定(ABINC認証)」のマンション版を同社は2016年度までに13物件取得しており、機会を見つけて一度完成したマンションを見学しよう。
模型
◇ ◆ ◇
学童施設についてはほとんど知識がない。公設公営がほとんどで、最近は公設民営(や指定管理者制度)を活用しているところが増えていそうだという認識しかない。
その学童保育施設が来場者アンケートで好印象の第3位に入っているのには正直驚いた。2月に取材したときも学童施設を入れることを聞いており、「保育所も必要だが学童保育所も子育て世帯にとっては欠かせない施設だ」と書いただけだった。「小一の壁」は想像以上に深刻な問題のようだ。
第1期供給量では、先に野村不動産「プラウドシティ三鷹」が100戸で東京西部エリアでは№1と書いたが、これで今回の物件がそれを上回ることが確定した(全体の戸数比率は「三鷹」が上位)。
1階住戸モデルルーム
坪単価は「王子」より安い240万円台前半 三菱地所レジ他「国分寺」 反響がすごい(2017/2/3)
これほど働く主婦の目線に立ったマンションはない ポラス「ルピアコート西大宮」
モデルルーム「ピアキッチン」
ポラスグループの中央住宅が近く分譲する「ルピアコート西大宮」モデルルームを見学した。平成21年に誕生したJR埼京線・川越線西大宮駅の同駅圏初の分譲マンションで、女性の目線から細かな部分にもこだわった商品企画が光る。圧倒的な人気を呼ぶ可能性を秘めた好物件だ。
物件は、JR埼京線・川越線西大宮駅から徒歩6分の土地区画整理事業地ないに位置する全124戸。専有面積は61.03~87.68㎡、予定価格は2,800万円台~4,300万円台(最多価格帯3,700万円台)。竣工予定は平成30年1月末。売主は同社のほか施工も担当するファーストコーポレーション。販売代理は東京中央建物。
現地は、土地区画整理事業地内の一角で、敷地西側は指扇小学校。周辺は戸建てや賃貸マンションが立ち並ぶ。マルエツ西大宮店には徒歩10分。
建物は小学校に面した西向きを中心に、南向きと東向きの配棟。子どもの怪我を防止し、大きな手荷物を置くことができる2m四方の「まもるんスペース」を駐車場に設置する。
住戸プランでは、トイレ・収納を含めすべてフローリングとすることで掃除機「ルンバ」が働きやすくし、実用新案を取得済みの「ピアキッチン」を3分の1の住戸に設置する。このほか、浴室や洗面室には子どもの浴槽での溺死や洗濯機への閉じ込め、洗剤の誤飲を防止する「とどかないJ(錠)」、電動自転車のバッテリーを充電できる下足入れのコンセント、廊下幅を1050ミリ取りダウンライトで照らす「マイギャラリー」、上階からの目線を遮る一辺が3.5mの正三角形の専用庭用タープ、洗濯機の天井の「ちょいおきレール」、などを設置する。二重床・二重天井、食洗機、バックカウンター・収納も標準装備。
同社マインドスクェア事業部マンションディビジョン・西牟田奈津子氏は「駅から信号がなく、交通量の激しい国道16号線の内側という立地と、ピアキッチン、まもるんスペース、電動自転車用の下足入れコンセント、出窓、ルンバが仕事しやすいフラットフロア、洗濯物のちょい置きレール、鍋蓋が入るキッチン収納、これらはみんな働く主婦の立場から採用しているアイテム。ここまでやっているところはないと思います」と話した。
「ルピアコート西大宮」完成予想図
◇ ◆ ◇
以前は記者も収納一つ、コンセント一つをチェックしたが、最近はどうもおざなりになっているようだ。他社もあるのか同社だけのアイデアなのか、その判断ができない。西牟田氏から一つひとつ詳細な説明を受け納得した。西牟田氏と初めてお会いしてから10年くらいか。あの頃は記者が教える立場だった。見事に逆転した。
さて、価格。いつものようにモデルルームを見学する前に坪単価を予想した。大宮駅の徒歩圏は坪300万円以上だ。大宮駅から2駅目の徒歩圏なら坪200万円もあるかもしれないが、これではちょっと高すぎる。坪180万円くらいが妥当とはじいたが、予定価格からするともっと低くなる。設備仕様レベルからすれば極めて割安感がある。物件の特徴を訴えきれれば間違いなく早期完売する。
一つ、注文もある。これほど魅力的なマンションであるにも関わらず、チラシは並以下だ。企画意図が全然表現できていない。記者なら「ルンバだけじゃない。働く主婦に嬉しいこれだけの魅力」とでも見出しにつけて、他社にない少なくとも50くらいのアイテムを盛り込んだチラシにする。
モデルルーム
トイレ収納
ピアキッチンのバックカウンター&収納(左)と「ちょいおきレール」
ふとん収納
都内西部エリア売れ行き№1 野村不動産「プラウドシティ武蔵野三鷹」
「プラウドシティ武蔵野三鷹」エントランス
野村不動産が分譲中の「プラウドシティ武蔵野三鷹」を見学した。横河電機の倉庫などが建っていた普通賃借権付き全334戸で、3月末に分譲した第1期分譲100戸の契約が90戸に迫るなど好調なスタートを切った。アクセスのよさ、坪単価320万円台の半ばという買いやすさ、充実した共用施設などが人気の要因。ブリヂストン、長谷工コーポレーションとともに開発した間取りの自由度を高めた排水システム「ミライフル」を装備した第1号マンションでもある。
物件は、中央線三鷹駅から徒歩10分、武蔵野市中町三丁目に位置する敷地約13,156㎡7階建て2棟(一団地認定)全334戸。吉祥寺にある月窓寺から85年間にわたり横河電機が借りていた土地で、入札により同社が新たに借り受けたもの。借地期間は30年で更新可。専有面積は71.17~91.47㎡、坪単価は320万円台の半ば。竣工予定は平成30年1月下旬。施工は長谷工コーポレーション。4月下旬に第2期(戸数未定)が分譲される予定。
現地は準工業地域だが、これはこの一角が横河電気の倉庫などが古くから建っていたためで隣接する東側エリアは住居系用途。嫌悪施設はほとんどない。
建物は2棟だが、西側に隣接する公園と一体的に公開空地などを整備するため一団地認定を取得している。住戸は東向き、南向き、西向きで専有面積は最低でも71㎡、76㎡が中心のファムリー向け。
サイホン排水システム「ミライフル」を装備した第1号マンションでもあり、設備仕様では二重床・二重天井、キッチン・トイレ天板御影石、ディスポーザー(自動給水式)、ミストサウナ、ソフトクローズ玄関下足入れなどが標準装備。
販売担当の狩野剛氏は「これほど売れ行きがいいのは当社の物件も含め東京西部ではナンバー1」と胸を張った。
モデルルーム
◇ ◆ ◇
現地は、4年前に書いた鹿島建設「テラス武蔵野中町」のマンションに近接しており、その時の記事と比較していただきたい。いまの市況からすれば所有権だと400万円をはるかに突破するはずで、坪単価320万円台の半ばというのは割安感がある。定期借地権付きでなく普通賃借権というのもユーザーから評価されたようだ。
徒歩10分をどう評価するかだが、駅から現地までのアプローチは申し分ない。歩道がゆったり取られており、道路も一方通行でもあり車も少ない。吉祥寺駅へも徒歩20分というのが評価ポイントのようだ。戸建てからの買い替え・買い増しも10%はあるという。
2つのモデルルームのうち91㎡のタイプは「ミライフル」の革新性を表現。アイランド型キッチンとし、間取りの可変性に対応できることを提案している。
排水システム イメージ図(左が従来型、右が新システム)
野村不・長谷工・ブリヂストン 画期的な排水システム開発、実用化(2015/5/22)
「鹿島の品格」を見た「テラス武蔵野中町」 売れ行きも好調(2013/6/12)
専有圧縮&低め単価設定で早期完売狙う モリモト「アールブラン馬込」
「アールブラン馬込」完成予想図
モリモトの「アールブラン馬込」を見学した。馬込駅から徒歩5分の全45戸。坪単価を割安感のある300万円台の前半に設定して早期完売を狙う。
物件は、都営浅草線「馬込」駅徒歩5分、大田区中馬込2丁目に位置する5階建て全45戸。専有面積は54.51~75.05㎡、価格は未定だが、2LDKが4,800万円台から、3LDKが5,400万円台から。坪単価は300万円台の前半になる模様。竣工予定は平成30年2月上旬。設計・監理は長谷建築設計事務所。デザイン監修は南條設計室。インテリアデザインは石倉雅俊氏(ウィ・アンド・エフヴィジョン)。施工は森本組。販売開始はゴールデンウィーク明けの予定。
現地は、環七通りから一歩入った中層マンションなどが立ち並ぶ住宅街の一角。敷地は3方道路に囲まれており、1フロア7~11戸。70㎡以上が9戸で50~60㎡台が36戸。全体としてグロスを圧縮しているのが特徴。逆梁ハイサッシ、ディスポーザ、玄関・廊下は大理石仕上げ。
専有圧縮して建築費の上昇を目立たなくする典型的な物件だが、近隣物件の坪単価は300万円をはるかに超えて来ており、価格的な競争力がある。設備仕様レベルも他のアールブランとほぼ同じ。
販売担当の同社・加藤滉大氏は「来場者は、2月にモデルルームをオープンしてこれまで約150件、毎週15件ペース。極めて順調に集客できている。お客様の評価も高い」と自信を見せていた。
モデルルーム
東急不動産 業界初 無料で子どもの遠隔医療相談が受けられるサービス開始
東急不動産は3月29日、マンション業界で初めて遠隔医療相談サービス 「小児科オンライン」を 「ブランズシティ世田谷中町」で導入すると発表した。
同社のBRANZサポートメニュー居住者専用サイト「BRANZ SUPPORT WEB」を通じて小児科医ネットワークを持つKids Public(代表取締役社長:橋本 直也氏)が提供する「小児科 オンライン」に接続すれば、小児科医による具体的なアドバイスを無料(通常会員は月額3,980円)で受けることができる。子どもの状態を写真や動画で送ることができ、LINE、電話、Skypeのほかテレビ電話利用も可能。利用できるのは平日の18~22時。
第一弾として第一期入居が開始した「ブランズシティ世田谷中町(世田谷区中町、全252戸)に4月上旬から導入し、順次導入していく。
◇ ◆ ◇
病院からセカンドオピニオンなどの医療サービスを受けられるマンションは以前からあり、最近では、野村不動産が聖路加国際病院付属クリニック「聖路加メディローカス」と提携し、月額4万円の会費で人間ドック、運動サポート、医療サポートなどが受けられる「プラウド銀座東」もある。
しかし、無料で遠隔医療相談サービスが受けられるマンションというのは聞いたことがない。子育てファミリーにはものすごくインパクトのあるサービスだ。記者も子どもが熱を出しパニック状態に陥った経験がある。
大人向けのサービスは受けられないのか。
東急不動産の記念碑的マンション 定借「ブランズシティ世田谷中町」は坪308万円(2016/9/3)
呉越同舟効果 「5本の樹計画」の本領発揮 積水「品川シーサイド」1期207戸!
「グランドメゾン品川シーサイドの杜」完成予想図
積水ハウスが4月1日に分譲する「グランドメゾン品川シーサイドの杜」を見学した。近接する京急電鉄他「プライムパークス品川シーサイド」(1,152戸)と激突するが、商品企画では負けない。こちらも第1期は207戸の大量供給。坪単価は308万円で、京急「ザ タワー」より若干安い。
物件は、東京臨海高速鉄道りんかい線品川シーサイド駅から徒歩3分、京急本線青物横丁駅から徒歩6分、品川区東品川4丁目に位置する19階建て全687戸(他にゲストルームなど)。専有面積は62.33~77.23㎡、第1期販売戸数は207戸で、価格は5,190万~8,390万円(最多価格帯6,600万円台)。平均坪単価308万円。竣工予定は平成31年11月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。長期優良住宅認定、耐震等級2を取得。
敷地面積約13,000㎡のうち約3,700㎡を緑化。〝3本は鳥のために、2本は蝶のために〟という同社の「5本の樹計画」にそって約15,000本の樹木を植栽。敷地全体を「杜」にするのが特徴。
建物は柱・梁型が居室内に出ないアウトフレーム設計を採用。住棟はコの字型で、中庭を囲むように南向き、東向き、西向きの構成。12基のエレベータを設置して4戸1エレベータを実現。4戸のうちの2戸に付いては共用廊下側にプライベートバルコニーを設置する。
設備仕様では、メーターモジュール、ドア把手の壁面までのセットバック、折上げ天井の廊下、天然石のキッチン天板、食洗機、ミストサウナなどが標準装備。リビング天井高は2500~2650ミリ。
販売事務所
◇ ◆ ◇
最大の関心事は、近接する京急電鉄他「プライムパークス品川シーサイド ザ タワー」(817戸)とのバッティングが吉と出るか凶となるのか、あるいは共倒れとなるのか相乗効果を発揮してWin-Winの関係となるのか。販売事務所は同じビルの上と下で呉越同舟。
京急の物件は先日紹介した。「品川」の未来を強烈にアピールしており、第1期供給量が395戸(「ザ タワー」が300戸、「レジデンス」が95戸)に達するように好調なスタートを切った。
同じような例としては、大成有楽不動産「オーベルグランディオ品川勝島」がある。ほとんど知られていない倉庫街の「勝島」の物件を「品川」エリアであることを徹底して訴えた。これが見事に成功した。
一方の積水ハウスは、京急と同じ長谷工施工だがコンセプトがまるで異なる。「SLOW&SMART」のブランドビジョンと「家に帰れば、積水ハウス」のコミュニケーションワードを前面に打ち出している。シアターでも物件の説明はほとんどなく、渡り鳥キビタキに託して同社が目指している住まいづくりを訴えている。バックには同社のCM音楽も流れていた。
販売事務所の設営も京急とは全く異なっている。京急の演出には記者も感動したのだが、積水はスペース全体(京急より広い)を「5本の樹計画」の草木で埋めている。造花の類ではく、ほとんどすべてが本物の草木だ。1階住戸のモデルルームは奥行き3mのバルコニー付で、ここにも本物の観葉樹を植え、付加価値を高めている。
共用部分に本物の草木を植え癒しの空間を演出した例としては、三井不動産レジデンシャル「パークコート麻布十番ザ タワー」があるが、マンションギャラリーでこれほど草木を配したのは初めて見た。さすが積水というべきか。マンションギャラリー所長・長嶺伸之氏は「通常の3倍くらいのボリューム」とこともなげに言った。
第1期供給量は京急が395戸、積水が207戸。合計で602戸だ。これはすごい数字だ。結構住み分けもできているような印象も受けた。Win-Winの関係になる可能性もある。双方で低迷市場を吹き飛ばすか。
モデルルーム
京急電鉄他「品川シーサイド」 資産性アピール 多様なニーズ取り込む戦略(2017/3/14)
沈滞ムードを吹き飛ばすか フージャースコーポ「柏たなか」
「トレジャーランドプロジェクト(デュオヒルズ・ザ・グラン)」完成予想図
フージャースコーポレーションが近く分譲する「トレジャーランドプロジェクト(デュオヒルズ・ザ・グラン)」を見学した。
物件は、つくばエクスプレス柏たなか駅から徒歩3分、柏市小青田に位置する12階建て全253戸。第1期(30戸)の専有面積は68.06~101.40㎡、価格は2,500万円台~5,100万円台(最多価格帯2900万円台)、坪単価は150万円。竣工予定は平成30年10月下旬。施工は長谷工コーポレーション。
「毎日が宝物になる暮らしを」をコンセプトに親子で楽しめる多機能型のキッズルーム兼スタジオや非日常体験のできる仕掛けを施したパーティールーム兼ゲストルームを設置。同社としては初の取り組みとなる間取りに可変性を持たせた「フリーデザインシステム」を採用する。
◇ ◆ ◇
見学する前は正気かとさえ思った。現在つくばエクスプレス沿線は大激戦、価格下げ競争が激化しており、土地代がただでも建たないような価格水準に来ているからだ。
そのことを正直に同社の広報担当者に伝えた。「〇〇さん、マイナーな『柏たなか』で253戸を売るのは容易ではないと思いますよ。ぼくの予想ではよくて年間50戸、完売まで5年かかるんじゃないですか」と。
坪単価は150万円と予想したが、その通りだった。これ以下ではまず建たない。
販売事務所には見学者は10人くらいいただろうか。同社のシニア向けマンション「デュオセーヌ柏の葉キャンパス」竣工見学会に招待された銀行関係者らしい方を相手に女性が元気な声で説明していた。
女性はどこかで見たことがあるような気がしたが、思い出せない(昔は女性の名前と顔は絶対忘れなかったが、今は聞いた傍から忘れる。昨日食べた夕飯が分からない。こんなことを言うと馬鹿にするだろうが、年を取ってごらんなさい)。
「失礼ですけど、どなたですか」と聞いたら、「いやだぁ、もう3回くらい会っていますよ」と言われた。同社の営業企画部部長・友野珠江氏だった。
最高価格は100㎡の5,500万円だという。「えっ、大丈夫? 売れますか」「大丈夫、絶対売れます」
半信半疑でシアターを見て、プロジェククションマッピングとVRを体験し、その100㎡のモデルルームを見学した。確かにコンセプトが明確で、若い夫婦と小さな子どもがターゲットであることが一瞬にして理解できた。
そして、友野氏から話を聞き終えたときは〝ひょっとしたら年間80戸、3年間くらいで売れるかも〟に変わった。それだけ友野氏の説明は説得力があった。
「ありきたりの商品企画では売れないと考え、このような仕掛けを施した。ここを目玉にし、とにかく沈滞ムードの業界を元気にしたい。現場は面白いですよ」と語った友野氏の顔は自信にあふれていた。
◇ ◆ ◇
面白い仕掛けについて。シアターが始まる直前、部屋が真っ暗になった。これだと思った。皆さんはダイアログ・イン・ザ・ダークをご存じか。暗闇の中で感覚を研ぎ澄ますと、見えないものが見えてくるということを。同社はそれをシアターでやって見せた。シアターがマンガだったのは全く理解できなかったが、これも当たり前だ。記者などのお年寄りに見せるものではない。
プロジェクションマッピングは半端なものではない。見学者にも映像が映りこんだときは驚いた。
卓上のクリスマスケーキに「息をかけて」と言われたとき、年甲斐もなく記者もフッと息をかけた。何とローソクが消えるではないか。
「柏たなか」の郊外に暮らすことがどのようなことであるかみんなよく理解できたはずだ。
プロジェクションマッピング
◇ ◆ ◇
帰りのEXの車内吊り広告で沿線の5~6つのマンションが〝価格の安さ〟を競っていた。〝3LDK2980万円〟〝3LDK2400万円~〟〝頭金0円 月々4万円~〟などだ。〝(都心へ)近・(駅へ)近・(公園学校に)近・(スーパーに)近〟と大書きした、何だか吉永小百合さんの「奈良の春日野」の〝フン フン フーン〟ように韻を踏んだものまであった。
これを見て逆効果だと思った。ユーザーは購買力がないわけではない。どこも似たり寄ったりで、価格の安さだけが取り柄のような物件に嫌気がさしているのだ。
グランピングゲストルーム
大京 「東綾瀬」で足立区初の全戸エネファーム搭載 全戸に宅配ボックスも
「ライオンズ東綾瀬公園グラ ンフォート」完成予想図
大京は3月16日、足立区では初の全戸にマンション向け「エネファーム」を搭載し、宅配便の「再配達ゼロ」を目指したマンション「ライオンズ東綾瀬公園グラ ンフォート」の記者見学会を行った。3月18日から分譲開始する。
物件は、東京メトロ千代田線北綾瀬駅から徒歩8分、足立区綾瀬7丁目に位置する9階建て50戸。第1期(27戸)の専有面積は56.05~84.42㎡、価格は3,540万~5,790万円(最多価格帯4,400万円台)、坪単価は215万円。竣工予定は2018年3月。設計はIAO 竹田設計。施工は松村組。
現地は、3方道路で、低中層の住宅が立ち並ぶ一角。敷地西側は「綾瀬七丁目公園」に隣接。北綾瀬駅は将来的に大手町方面に直通運転されることになっている。
建物はL字型で住戸は南向きと西向き。全戸に足立区初のマンション向け「エネファーム」が搭載されている。
また、いま社会問題になっている宅配便の「再配達」がなくなるよう同社が昨年グッドデザイン賞を受賞した宅配ボックス「ライオンズマイボックス」を全戸に設置する。また、同社が力を入れている快適な室内環境を生み出す「ライオンズパッシブデザイン」をフル装備している。
「綾瀬七丁目公園」から現地方向を写す
◇ ◆ ◇
全戸にマンション向け「エネファーム」がついているマンションは足立区で初めてとは知らなかった。東京ガスが販売を開始して3年が経過するが、これまで約2,000戸に搭載されているという。
この2,000戸が多いのか少ないのか、よくわからないが一次エネルギー利用効率が石油などの37%と比較して85.8%と効率がよく、年間のCO2排出量が少なく、光熱費も抑えられるいいことづくめであることはいうまでもない。業界をあげて設置するよう望みたい。
ややかさばるのが難点だが、今回はバルコニー側に設置するのでその難点が解消されている。
宅配ボックスがついているのは常識だと思うが、それを全戸に設置しているものはどれくらいあるのか記者は全然知らない。これが〝売り〟になったらすごい。
駅前の公園に咲いていたハナニラ 花がさく 花がさく どこにさく。山にさく 里にさく、野にもさく。
三井不動産レジなど7社 幕張新都心 最後の住宅地開発10年以上かけ約4,500戸計画
イメージパース
三井不動産レジデンシャル、野村不動産、三菱地所レジデンス、伊藤忠都市開発、東方地所、富士見地所、袖ヶ浦興業株式会社の7社は3月16日、千葉市幕張新都心最後の大規模住宅地区となる「幕張新都心若葉住宅地区」に住宅・オフィス・商業の複合機能を備えたミクストユースの街づくり「(仮称)幕張ベイタワーズプロジェクト」を始動したと発表した。
10年以上にわたって総面積約17万5,000㎡の8区画に約4,500戸の住宅機能を整備し、約1万人が暮らす街を開発するもの。く最終街区の竣工は2029年春。
分譲住宅事業の第1弾として「(仮称)幕張B-7街区タワー&レジデンス」の販売を2017年11月下旬に予定している。
物件は、JR京葉線海浜幕張駅から徒歩15分、千葉市美浜区若葉三丁目に位置する37階建て・8階建て503戸。竣工予定はタワー棟が2018年12月中旬、レジデンス棟が2018年12月中旬。専有面積は58.97~104.35㎡。
「(仮称)幕張B-7街区タワー&レジデンス」