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「マンション管理員業務講習会」(大京アステージ研修所)

 公共職業安定所(ハローワーク)の就職フォローアップ事業の一つ「マンション管理員業務講習会」を取材した。「掃除は科(化)学」「床は朝日新聞、窓ガラスは読売新聞」「ホコリは取るもの、誇りは持つもの」などという講師の話と手際よいスゴ技に目からうろこが落ちた。

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 講習会が行われたのは大京グループの管理会社・大京アステージの研修所。年間16回くらい行われておりほとんどが満席だという。マンションの構造から共用部分、専有部分、給排水・防火設備、免震装置などあらゆるものが備えられているのが選ばれている理由のようだ。

 この日、講習開始の9時30分に集まったのは20数名。55歳代半ばから記者と同年代と思われる60歳代で、女性も数人。

 事前にスケジュールは知らされていたが、昼食、休憩を含み16:30まで7時間。配布された資料はA4約70枚。素人でも理解できる内容ではあるが、何しろ掃除が大嫌い。始まる前に腰が引けた。

 主催者の挨拶のあと、講師は朝の準備体操から制服を着て、手書きの日報(記者は漢字が書けない)で終わる1日の業務を説明。「管理員の仕事の7~8割は清掃」「誇りとサービス精神」「礼節を重んじる」などと話した。

 ここまで約1時間。講義を聞きながら、配布された〝求人リスト〟を見た。給与は時給にして1,000円前後、月曜から土曜日まで1日8時間働いて月給は12万円台から17万円台。〝これでは生活できないではないか〟と管理員になったつもりで考え絶望的な気持ちになった。〝もう帰ろうか〟とも思った。

 そんな記者を救ったのは、大京アステージ人財マネジメント部研修センター講師・春田道雄氏(67)だった。

 春田氏はどこか坂上二郎さんに似ていた。登壇すると講釈師のように「多く給与もらっていないのだから、体調が悪い時は休みなさい」「掃除のメリハリを付けなさい」「光るものは光らせなさい」「雑巾は手首で絞ると腱鞘炎になる」「掃除は科(化)学」「ウォッシャーは左を下げて」「自在ほうきはヘッドエンドを持つ」「モップは後退しながら拭く」「入居者が拭いた後を汚しても注意しない」などとわかりやすく説明した。舌を巻くほかなかった。話し上手は綾小路きみまろさんクラスだ。

 目からうろこが落ちたのは、朝日新聞と読売新聞に言及したときだ。和室は茶渋を用いて掃除することを引き合いに出しながら、「ここでクェッション、エントランスの床の微細なホコリやチリを効果的に取り除く方法は? 」と受講者に問いかけ、「答えは新聞紙。小さくちぎって水を含ませて掬い取るのです。どの新聞がいいか、朝日新聞です。読売新聞はふさわしくありません。なぜか。科学的には証明できませんが、経験値からわかったことです。朝日はインクが薄い、読売は濃い。インクが濃いと床が汚れることがある。こんなことを喋ると読売派の方に怒られますが、読売のほうがいいところもあります。窓ガラスです。インクの作用でコーティングして、汚れにくくする効用が読売にはあります」

 なるほど。朝日と読売を比べた場合、見出しは朝日のほうは明朝体が多く、読売はゴシックが多い印象を受ける。それがインクの濃淡につながるのかと思い、そのまま朝日と読売に問い合わせた。残念ながら双方ともわからないということだった(漢字はどちらが多いか、見出しは明朝かゴシックか、ホワイトスペースの多いのはどちらか-これを調べれば科学的に証明できそうだ)

 そんなわけで、終了の16:30までつつがなく取材を終えることができた。記者のようなタバコ好きの掃除嫌いや余計なお世話好きには向かないが、普通の人ならできるのではないかと思った。受講者はみんな楽しそうだった。

 春田氏も「管理員になるまではお客さまから直接〝ありがとう〟という言葉をかけられる仕事でなかったが、管理員になって〝ありがとう〟という声を掛けられたときは本当にうれしかった」と話した。

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「みなさん、掃除は科学ですからね」春田氏

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「自在ほうきはヘッドエンドを持つんですよ」

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 マンション管理の仕事がどのようなものか全く知らないのに〝マンションは管理を買え〟などと話したり記事を書いたりするのが管理員や購入検討者に失礼だと思い、少しでも実際の仕事内容を理解するために取材を大京広報担当者にお願いし、快く引き受けてもらった。同社と大京アステージの方々に改めてお礼申し上げる。

 今回の経験を今後のマンション管理の取材に生かしたい。マンション管理業界では管理員の確保が深刻化しているとも聞くが、管理員はモチベーションを高く持ってマンションの価値維持・向上に務めていることを実感した1日だった。デベロッパーや管理会社は管理員の待遇改善に一層力を注いでほしい。

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「ちりとりだって音が立たないよう工夫しているんですから」

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「給水システムは本物を縮小していますが原理は同じです」


 

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「ザ・パークハウス 白金二丁目タワー」完成予想図

 三菱地所レジデンス(事業比率70%)と野村不動産(同30%)は2月23日、「ザ・パークハウス 白金二丁目タワー」の報道陣向けモデルルーム内覧会を行った。立地が最高なうえ設備仕様レベルが高く、人気は必至。坪単価は最低で650万円と見た。

 物件は、東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線白金台駅から徒歩5分、同白金高輪駅から徒歩6分、港区白金2丁目に位置する27階建て全172戸。専有面積は56.23~185.28㎡、価格は未定だが、坪単価は記者予想で650万円~680万円と読んだ。竣工予定は2018年5月下旬。施工は竹中工務店。販売は3月下旬。

 現地は、シェラトン都ホテルの対面で、元竹中工務店の福利厚生施設跡地。敷地北側にある三菱商事の迎賓館の建て替えと一体として開発したため本来の建物の絶対高さ40mを100mにまでしたのが特徴。その後背地には旧服部金太郎邸があり、その奥には聖心女子学園の緑が広がる。敷地南側の都ホテルの奥は八芳園、明治学院大キャンパスがあり、緑が面として広がる白金の一等地にある。

 建物は免震工法を採用。敷地内にあった高さ約27mの既存樹を残し、約900㎡の庭園も整備。国内初のドイツ製の型枠(ゴム製)を使って本物の岩肌のような表情があるコンクリート躯体を外装として演出。

 また、羽田市場「超速鮮魚」による鮮魚宅配サービスも行う。

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エントランスホール

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眺望イメージ図

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 相当力が入っている物件だ。モデルルームを見る前は、今の市況を考え、坪単価を630万円と予想した。しかし、モデルルームを見て、販売担当者の説明を聞いて最低で坪650万円に上方修正した。

 南側の都ホテル側の眺望はもちろんだが、敷地北側に面した住戸の眺望も引けを取らないうえ、設備仕様レベルは極めて高いからだ。取材のメモをなくしてしまったので具体的には書けないが、例えば床暖房。リビングは当たり前だが、居室とキッチンにも採用している。ドレッシングルームは男女セパレート型だ。天井高はキッチンも含め約2.7m確保している。

 いま都心の高額物件では、三井不動産レジデンシャル「パークコート一番町」「パークコート浜離宮ザ タワー」、東京建物「Brillia Tower代々木公園CLASSY」が人気・話題になっているが、まず負けない(「一番町」とは需要層が異なる)。最上階の185㎡の住戸が5億5,000万円台(坪981万円)になる模様だが、これは安すぎる。。最上階は4戸構成だが、1戸にして40億円でも売れるのではないかと本当に思った。

 ただ、平均で坪単価700万円となるとどうか。700万円にはならないと読んだ。

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 建物の高さが100m確保できたのは以下の通り。

北側の三菱商事のゲストハウス敷地単体の許容容積率:300%・・・(1)
ザ・パークハウス白金二丁目タワー敷地単体の許容容積率:400.29%・・・(2)
加重平均すると両敷地を合わせた敷地全体の許容容積率:338.81%・・・(3)

一団地認定を取得することで、
(1)(2)それぞれ1.5倍まで容積率をUPさせることが出来るが、敷地全体の許容容積率は(3)以下のままにしなければならない。

今回の場合、北側のゲストハウスがほとんど容積を消化していないため、(2)を1.5倍した600.43%まで許容容積率を増やすことが出来、この規模の建物を建てることが出来るようになった。

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ラウンジ

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庭園

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「ノブレス湘南藤沢センター スクエア」

 ナイス他が分譲中の「ノブレス湘南藤沢センター スクエア」を見学した。敷地南側が小学校、その先は約16.2haの藤沢市最大の公園が広がる免震マンションだ。

 物件は、JR東海道本線・小田急線藤沢駅から徒歩12分、藤沢市川名字新林に位置する14階建て全188戸。現在分譲中の住戸(76戸)の専有面積は64.78~75.15㎡、価格は3,390万~5,480万円(最多価格帯4,200万円台)、坪単価207万円。建物は平成29年1月に完成済み。売主は同社のほか大栄不動産、京急不動産、三信住建。販売代理はナイス。設計・監理は東鉄工業。施工は東鉄・第一建設特定企業体。一昨年春から分譲開始されており、現在、約7割が契約済み。

 現地は、新林小学校に隣接。その南には東京ドーム12.4個分の新林公園広がる。建物はナイスの免震構造。駐車場は100%(平置き割合は70%)。

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新林公園から

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 昨日は、三井不動産レジデンシャルが分譲開始から2年間で全690戸の「豊洲」をほぼ完売した記事を書いた。その伝からすればこの「藤沢」は〝不振〟物件のレッテルが貼れそうだが、ナイスは普通のモノサシでは測れないところがある。地域を熟知し、しっかり根を下ろしているからだろうし、今では希少の家族経営的なところを残している社風にもよるのだろう。売れ行きが悪かろうと全然動じない。悠然としている。

 この物件でも、免震で100%駐車場付き、大規模公園に隣接などを売りにじっくり販売する構えなのだろう。確かに子育てにこんな恵まれたマンションはそうない。

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13階バルコニーから

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 見学したのは、ナイスのマンション事業部部長で流通部門の東京川崎ブロック統括部長も兼ねる久保正人氏(46)のお誘いがあったからだ。

 久保氏とはRBA野球を通じてもう20年くらいのお付き合いか。エースでも主砲でもないが〝いぶし銀〟的な存在として〝不惑〟をとっくに越しても活躍中だ。投手がいなくて投げ、勝利投手になったこともある。

 久保氏は土曜、日曜はマンションの現場で指揮を揮い、平日は仲介店舗を回っているそうだ。竣工して3割も残しているのに焦りの表情などみじんも感じられなかった。〝slow and steady wins the race(急がば回れ)〟の言葉を思い出した。

 添付した記事もぜひ読んでいただきたい。先に書いたように久保氏も会社も普通でないことがよくわかるはずだ。

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かもめの水兵さん  並んだ水兵さん   白い帽子 白いシャツ 白い服 波にチャップチャップ 浮かんでる(近くの境川の欄干で)

ナイス 常識破りの「住まいるCafe」来館者は前年度比8倍増9.6万人(2014/4/3)

「ナイスシティアリーナ武蔵小杉」担当の久保選手 職住近接が大きな武器に(2010/7/2)

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「パークホームズ豊洲 ザ レジデンス」

 三井不動産レジデンシャルは2月20日、江東区豊洲の大規模マンション「パークホームズ豊洲 ザ レジデンス」の竣工プレス見学会をおこなった。残りはわずか2戸。690戸を2年間で売る力はすごい。同社は第3四半期決算で完成在庫は185戸と発表したが、今期計上戸数5,450戸のうちわずか3.4%だ。同業他社と比べ群を抜いて少ない。

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 今日(2月21日)は、同社のとても美しい「パークコート一番町」の記事を書くのに全精力を注ぎ込み、精も根も尽き果てた。これ以上書くのはしんどいが、一昨年7月、「人気も納得のレベルの高さ」という見出しの記事が間違いでなかったことを確認した。共用施設が素晴らしい。われわれはもっと共用部分の価値を評価しなければならないと改めて思った。

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オーナーズラウンジ

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 もう2戸しかないので、あれこれ書かない。一昨年の記事を参照していただきたい。そのときの記事で「これから分譲されるある大手デベロッパーの物件は坪300万円をはるかに突破するはずだ」とある「坪300万円」は「坪400万円」の誤り。(文意からすれば坪400万円であることは理解されると思うが)。また、「坪単価320万円」と書いたのは「坪単価324万円」に訂正します。

 その時の記事で書かなかった共用部分について。感心したのは2階部分に喫煙室と+αルーム(リラックスとタタミの2つ)を設けていることだ。嫌煙運動の高まりの中で、マンションの共用部分(バルコニーも含めるケースもあり)での喫煙を禁止するデベロッパーがほとんどだが、同社は喫煙者も少なからずいることから大規模マンションにはきちんと設置する。これは同社くらいではないか。+αルームもなかなかいい提案だ。

 このほかゲストダイニングは広く、オーナーズラウンジには本物ではないが、暖炉のゆらぎを体験できる設備が設えてあった。

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ゲストダイニング

人気も納得のレベルの高さ 「パークホームズ豊洲ザ レジデンス」(2015/7/31)

 

 

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「パークコート一番町」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルが分譲中の免震「パークコート一番町」を見学した。モデルルームを見た瞬間、その美しさに声を失った。かつて10年くらい前、鹿島建設の「加賀ガーデンハイツ」を見たとき〝こんな美しいマンション見たことない〟と直截的な表現で記事を書き、それなりの反響があったのだが、二番煎じでは面白くないので今回は美人に例える。

 美人といえば三大美女としてクレオパトラ、楊貴妃、小野小町があげられるが、クレオパトラも楊貴妃もどこか男を狂わすイメージが強いし、小野小町を記者は知らない。

 なので、心が美しいという絶対条件付きで女優に例えるなら吉永小百合さんか八千草薫さんクラスだ。亡くなった原節子さんを加えてもいいかもしれない。デザインを担当したハシハラヒロコデザイン事務所の芦原弘子氏はもちろんだが、加えないと何かとさし障りがあるかみさんは除く。(吉永さんは美人じゃないという人もいるが)

 ここまで書けばもう説明などいらないのだが、とにかく美しい。一部の隙もない。全体を淡いベージュで統一し、余分な縦や横のラインをそぎ落とし、すっきりしたデザインに仕上げているのが特徴だ。絵画でいえば小磯良平の淡彩の美人画だ。

 床とキッチン・洗面カウンタートツプは同じ御影石を使用し、フルフラットの奥行き2mのバルコニーにまで同じ天然石を敷き詰めている。

 バスルームの演出がまたすごい(のかどうかわからないが)。外から見ると、奥の浴室のシャワーヘッドを中心に左右に向かい合うように洗面化粧台を配置。三面化粧台のガラスはスライド式として、クリニーク、ジョンマスター、シャネルなどの化粧品を見せるようにしている。クローゼットはガラス張りとして、こちらもまた見せるようにしている。

 このほか、収納やシステムキッチンの面材などは突板の鋸目仕上げにし、壁は漆喰調のクロス。天井は間接照明の折上げ仕上げ。ドアノブは握り球を使用。

 これまで芦原弘子氏のモデルルームをいくつか見ているが、今回の作品は完全に新境地を開いたといってよい。もう一つ、美人が登場する小説をあげるなら、映画は見ていないが中里恒子「時雨の記」の堀川多江だ。

 美しいのはモデルルームだけではない。外観・共用部デザインを担当したのは、あの「木材会館」や「パークコート千代田富士見ザタワー」などを担当された日建設計の山梨知彦氏で、これまた美しい。外観フォルムは黄金比を採用しており、シンメトリックで縦と横の線からなるグリットラインが印象的で端正な表情に仕上げている。外壁の一部にロートアイアン調のアルミ格子を張るなどお洒落心も盛り込んでいる。照明計画は数々の賞を受賞している富田泰行氏。

 もう一つ、パンフレットを見るまで気が付かなかったのだが、このマンションは調理器具を3つ口ガス、ガス2・ガス1、ガス1・IH2、IH2・IH2の4つの中からセレクトできるようにしている。これが素晴らしい。記者は10年くらい前からこの〝ハイブリッド〟システムをどこが採用するかずっと注目していたのだが、多分今回が初めてだ。さすが三井だ。

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 肝心の物件紹介が後になったが、物件は東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩3分・麹町駅から徒歩5分、都営地下鉄新宿線市ヶ谷駅から徒歩8分、千代田区一番町に位置する15階建て全79戸(販売は60戸、事業協力者販売住戸19戸)。今週末に分譲される第2期(10戸)の専有面積は75.67~113.84㎡、予定価格は1億3,400万円~2億2,300万円(最多価格帯1億7,000万円台)。坪単価は630万円。施工は三井住友建設。入居予定は平成31年1月月下旬。

 昨年12月から事前案内会を実施しており、これまで第1期・第1期2次まで39戸が分譲済み。

 現地は、番町エリアでももっとも地位が高いとされる一番町中央通り〝表〟道路に面した一等地。ホーマットの跡地だ。

 販売を担当する同社都市開発一部営業室のパークコート一番町番町サロン所長・大栗裕樹氏は「番町エリアでの分譲は今回で5棟目。南向きは底堅い需要がある100㎡前後のプラントとし、北側住戸はこのエリアでは少なく、しかも潜在的な需要が多い75㎡としました。価格(単価)は安いと思われるかもしれませんが、我々は適正な価格だと考えています。虚飾を排したデザインが共感を呼んでいます」と語った。

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 もう何も言うまい。やはり高額マンションの商品企画№1は三井不動産レジデンシャルだ。ハイブリッド調理器具と芦原弘子氏、山梨知彦氏に拍手喝さい。

 ついでだ。もう時効だから書くが、記者は吉永小百合さんが昔買ったマンションを2つ知っている。そのうちの一つが三井不動産レジデンシャル(当時は三井不動産)のマンションだった。

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エントランス

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「Brillia Tower代々木公園CLASSY」完成予想図

 東京建物は2月17日、代々木公園駅と代々木八幡駅からそれぞれ徒歩2分の免震タワーマンション「Brillia Tower代々木公園CLASSY」のモデルルームを2月18日にオープンすると発表。報道陣に事前に公開した。これまでの資料請求件数は約4,500件にのぼっており、来場予定組数も900件を突破するなど高い反響を呼んでいる。この日、気象庁は関東地方で春一番が吹いたと発表しが、ここにきて〝弱気〟一色のマンション業界に〝代々木旋風〟を巻き起こすことができるか。この春一番の注目物件だ。

 物件は、東京メトロ千代田線代々木公園駅から徒歩2分、小田急小田原線代々木八幡駅から徒歩2分、渋谷区富ヶ谷1丁目に位置する19階建て全195戸。専有面積は50.36~142.79㎡、予定価格は6,000万円台~3億円台、坪単価は500万円台の予定。竣工予定は平成31年1月下旬。施工は清水建設。売主は同社のほか住友商事。分譲開始は5月の予定。

 現地は、山手通りと井の頭通りの交差点に立地。代々木公園には徒歩5分、渋谷、原宿も歩こうと思えば20分圏。

 建物は免震構造を採用。東京都の総合設計制度の適用により、エリアの高さ制限は40mから60mへ、容積率は400%から620%へそれぞれ緩和されている。空地率は約50%。東側が代々木公園方面で、西側は遠く富士山が眺望できる。基準階は1フロア11~12戸。最上階の7戸はプレミアム仕様。建物中央部に設備を集約し、屋上に蓋をすることで内廊下方式に近い仕様となる。

 発表会に臨んだ同社執行役員住宅事業部長・菊池隆氏は、「渋谷、原宿も徒歩圏、代々木公園へ徒歩5分の都市と緑が融合した免震タワーマンション。3年前に用地を取得してから企画を練り、都の総合設計制度の適用も受けた。デザインには各専門家を起用した。当社のフラッグシップにする」と話した。

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屋上テラス

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 いま業界は〝弱音〟一色。そんな中、都心の高額物件でよく売れているのは三井不動産レジデンシャルの「パークコート浜離宮 ザ タワー」と「パークコート一番町」だ。「浜離宮」は浜離宮恩賜庭園がすぐそばで、「一番町」は皇居に近接。単価は前者が約600万円、後者も意外と安そうで600万円台か(来週見学予定)。

 この2物件に対抗できるかどうかがこの物件の見どころだ。皇居に近い「一番町」を超えるのは失礼だが、徳川将軍家の狩場だった「浜離宮」が相手なら、こちらは明治天皇を祀る明治神宮が徒歩圏だ。引けは取らない。

 そればかりか、同社はここ数年「多摩ニュータウン」「池袋」「目黒」「東京八重洲」「上野池之端」などで業界をリードしてきた。とくに「目黒」では一挙にマンション相場を引き上げた。その貢献度は大きい。今回の「代々木公園」は低迷市場に活を入れられるかどうかが注目されている。

 記者はとことん高値追及してほしいと思う。それだけの条件は揃っている。

 ただ、「浜離宮」に勝てるか(単価が600万円という意味だが)となると、自信がない。相手は再開発計画が目白押しの浜松町が徒歩圏で、汐留に隣接している強みがある。

 こちらも渋谷、原宿が徒歩圏で、表参道まで電車で数分という立地は負けないような気がするが、同社はそんな強気ではないような口ぶりだった。報道陣から当然のように単価がいくらかの質問が飛んだが、菊池氏は「何しろモデルルームオープンは明日から。お客さまの声を聞いてみないと…500万円台としかお答えできない」と言葉を濁した。

 500万円台ということは510万円もそうだし590万円もそうだ。これでは記事の書きようがない。なので、以下は記者の独断と偏見であることを承知で読んでいただきたい。

 ズバリ坪単価は550~580万円と読んだ。港区や中央区などでは軒並み坪400万円を突破しており、立地が恵まれているわけでないのに500万円を超えている物件も少なくない。並みの物件とは比べものにならないほどこちらのほうが価値は高い-これがその根拠だ。(「目黒」は大外れだった)

 しかし、「浜離宮」の600万円に届くかどうかは自信が持てない。限りなく600万円に近付けるためには、物件の総合的な価値をきちんと伝えることが求められる。

 その最大の価値、総合設計制度について少し触れたい。総合設計制度は、公開空地を確保し、住宅性能や環境性能が優れた建築物については高さ規制や容積率を緩和する制度だが、平成22年に大幅に改正されて以降の東京都の許可件数は激減している。

 改正前の平成20年は改正を前にした駆け込みもあり30件に上ったが、平成22年には10件に減り、その後は23年8件、24年5件、25年4件、26年10件、27年7件、28年3件で推移。この5年間で許可された29件のうち用途が住宅なのは13件しかない。この13件のうち2件が同社の「上野池之端」と「代々木公園」だ。希少価値は高い。

 もう一つデザイン・設備仕様レベルについて。ランドスケープデザインに塙ランドスケープデザイン、ファサードデザインに日建ハウジングシステム、アクアリウムアートに深田崇敬氏、共用部空間プロデュースに室賢治氏をそれぞれ起用しているように相当力が入っているのはよく理解できる。

 しかし、モデルルームの設備仕様は-これは最近のマンションすべてにいえることではあるが-それほど高いとは言えない。最上階の100㎡超はフルオーダータイプで、天井高が約2.9m、水回り部分が約2.7mあり、ふんだんに自然石、天然木が使用されている億ション仕様はともかく、他の住戸は天井高が約2.5mで柱や梁型が住戸内に出ているものも少なくない。これをユーザーがどう評価するか…。緩和を受けているとはいえ、建築物の絶対高さを抑える地区計画の弊害がここにもある。

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ランドスケープ

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ラウンジ

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「ジオ四谷荒木町」(左)と「ジオ四谷三栄町」完成予想図

 電鉄(系)会社の首都圏でのマンション事業拡大が目立っているが、関西の電鉄(系)会社では阪急不動産の攻勢が際立っている。

 同社は首都圏第一号「パークハウス ジオ六番町」(14戸)を2001年に竣工して以来、ここ数年は年間300~400戸を供給してきたが、今後は年間800戸程度まで増やす計画がある。最近の物件では、デザイン監修に隈研吾氏を起用した「ジオグランデ元麻布」をはじめ、設計が日建ハウジングシステムの「港区南青山計画」(25戸)、集合住宅としては初の新宿区総合設計制度を採用した「ジオ四谷荒木町」など意欲的な物件が目立つ。

 「ジオグランデ元麻布」は改めて取材することにして、四谷のツインプロジェクト「ジオ四谷荒木町」と「ジオ四谷三栄町」を紹介する。

 「ジオ四谷荒木町」は、丸ノ内線四谷三丁目駅から徒歩5分、新宿区荒木町に位置する13階建て全131戸(非分譲住戸32戸含む)。現在分譲中の9戸の専有面積は55.68~58.71㎡、価格は7,370万~8,100万円。平均坪単価は443万円。竣工予定は平成30年2月下旬。施工は淺沼組。設計・監理は日建ハウジングシステム。販売代理は野村不動産アーバンネット。昨年8月から販売を開始しており、現在、8割強が分譲済み。

 「ジオ四谷三栄町」は、丸ノ内線四谷三丁目駅から徒歩6分、新宿区三栄町に位置する13階建て全61戸。2月20日に分譲される第1期(11戸)の専有面積は48.91~78.74㎡、価格は6,690万~13,280万円、坪単価は460万円くらいになる模様。竣工予定は平成29年9月中旬。施工は共立建設。設計・監理は協立建築設計事務所(意匠・設備)、共立建設(構造)。販売代理は野村不動産アーバンネット。

 双方ともコンパクト・ファミリー混在型でプランがよく、設備仕様レベルが高い。

 いつも感心するのだが、キッチンと洗面のカウンターは三方立ち上がりにしている。これは同社だけだ。もう一つ、今回は化粧がしやすいスイングミラー三面鏡を採用しているのがいい。

 モデルルームは2タイプ。このうち95㎡のプレミアムタイプは、ナラ材の突板フローリング、大理石廊下、ウォールナット突板建具、シーザーストーンキッチンカウンター、陶器洗面ボウル、ハンズグローエ水栓などが標準。

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 四谷三丁目はよく知っている。住宅評論家の故・佐藤美紀雄先生とよく飲んだのだが、どこで飲んでも二次会、三次会は決まって四谷三丁目の店だった。すべて佐藤先生のおごりで、記者は一度もお金を出したことがない。いまでも申し訳ないと思っている。

 同社の2物件は、その行きつけの店に近かったので、そのルートから現場に向かった。柳新町通りの路地を入ったときは〝こんなところでよく分譲する。坪単価400万円でも厳しい〟と思ったのだが、津の守坂に面していることが分かり、上方修正した。〝これなら坪500万円は無理だが、400万円台の後半でも売れる〟と。

 価格は読み通りだった。「ジオ四谷荒木町」の現地は淺沼組の東京本店があったところで、新宿区の保存樹に指定されている高さ30m近い見事な大銀杏が植わっている。

 「ジオ四谷三栄町」の隣は住友不動産のマンションが建設中で、津の守坂では三井不動産レジデンシャルの物件もある。阪急の物件はいずれにも負けないと見た。

 

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「プラウド芝公園」完成予想図

 さすが〝プラウド〟というべきか。それほど立地に恵まれているわけでもなく、坪単価は500万円を突破し、ほとんどが億ションであるにも関わらず野村不動産「プラウド芝公園」が4,000件近い反響を集め、第1期23戸が先にほぼ完売した。近く第2期も分譲される。

 物件は、都営三田線芝公園駅から徒歩5分(他に三田、浜松町、田町、大門、赤羽橋が利用可能)、港区芝二丁目に位置する14階建て全51戸。専有面積は69.30~105.16㎡、平均坪単価は500万円を突破する。施工は木内建設。竣工予定は平成29年10月上旬。

 現地は、マンションやビル、商店、住宅などが混在する近隣商業地域。建物は1フロア4戸、2戸1エレベータ。全戸南向き。

 設備仕様は、他のプラウドと同様、天然木の突板仕様のドア、大理石の床、御影石のキッチン・洗面カウンター、コロンボ製のドアノブなど。

 これまでの反響は4,000件近く、来場者は300件を突破している。週刊ダイヤモンド別冊(2017年1月15日号)によると、戸数1戸に対する反響数は過去最高だそうだ。

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 反響数の多さに驚いた。なぜそんなに多いのか考えた。第一に再開発計画が目白押しの浜松町駅圏であること、供給が少ない芝公園が最寄り駅であること、三井不動産レジデンシャルの「浜離宮」も分譲中であること、「プラウド」であることなどが考えられる。

 これだけ反響があれば戸数は51戸だから売れるのだろうとは思うが、20坪で1億円だ。この売れ行きにもまた驚いた。余計なお世話だが、これは同社だからできる芸当だ。中堅だったらまず成功しない。

 しかし、2戸1エレベータのプランと設備仕様レベルは高い。ついに港区の住宅地は坪500万円以上に突入したか。そういえば、三田綱町のアパのマンションは坪800万円を間違いなく突破するはずだ。

 

 

カテゴリ: 2016年度

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「ピアース中野坂上」完成予想図

 モリモトが3月に分譲する「ピアース中野坂上」を見学した。中野坂上駅から徒歩3分のコンパクトマンションで、都市的デザインがいい。価格もリーズナブルで早期完売するはずだ。

 物件は、東京メトロ丸ノ内線・都営大江戸線中野坂上駅から徒歩3分、中野区中央1丁目に位置する5階建て全47戸。専有面積は25.82~55.21㎡、価格は未定だが、坪単価は385万円くらいになる模様。竣工予定は平成30年2月上旬。設計・監理は庵都市建築設計事務所。デザイン監修はプランテック総合計画事務所(萩原浩氏)、インテリアデザイン担当はカン・デザイニングオフィス(鈴木ふじゑ氏)。施工は風越建設。

 現地は、駅からフラット、2方道路。周辺はレベルの高いマンションも多い。建物は内廊下方式で、住戸は東向き中心に南向き、西向き。住戸プランは20㎡台が6戸、30㎡台が10戸、40㎡台が16戸、50㎡が15戸。

 デザインは、基壇部に木目調のコンクリート打放しを用い、バルコニーにはハコ状のガラス・ルーバーを採用。各住戸のカラーリングは、白を基調にグレーの窓枠・巾木を採用して美しいコントラストを演出しているのが特徴。キッチン天板はシーザーストーン、食洗機、ミストサウナ、グローエ水栓、コロンボ製のドアノブが標準。

 これまで4週間の来場者は約150件。男性単身者の来場が多いという。担当者は早期完売を確信していた。

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エントランスホール

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 萩原氏の外観・共用部デザインもそうだが、鈴木氏のインテリアデザインが上品だ。床は白のタイル、建具・面材も白のピアノ塗装で、巾木・ドア枠に細いグレーを採用することできりりと締めている。

 分譲単価も坪400万円を切る模様で、価格的な競争力がある。

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 記事とは関係ないが、付き合っていただきたい。わが故郷・三重県の宣伝だ。

 取材を終え、販売事務所の隣にある新宿パークビルでコーヒーでも飲もうと立ち寄った。三重県と奈良県と滋賀県が共演するイベント「T・E・I・B・A・Nジャパンクラシコ」モノづくり展が1階アトリウムで行われていたので覗いてみた。

 皆さんは〝越中富山の反魂丹(はんごんたん)鼻くそ丸めて萬金丹(まんきんたん)それをのむ奴ぁあんぽんたん〟という俗謡をご存じか。記者が小さいころよく聞いた唄だ。

 「萬金丹」は伊勢の薬屋が開発した万能薬で創業は1570年。「ん」を省くと「牧田」になるのは全然関係ない。形状が〝鼻くそ〟に似ているのでそのように呼ばれた。「熊の胆」や富山の薬とともに常備薬としてどこの家庭でも重宝されていた。よく飲まされた記憶もある。少し仁丹の味がするがとても苦い。その萬金丹が出店していたのだ。5粒もらって飲んだら昔がよみがえった。

 萬金丹の建物は今も伊勢神宮外宮の近くに昔のままに残っている。伊勢に行ったら寄っていただきたい。

 もう一つ、伊賀市の馬場建具店が出店していた。馬場幸次代表が、組み立てると絶対に外れないヒノキでできた格子状のコースターをまるで忍者のように目の前で組み立ててみせた。すごい技だ。感心する記者にくれたからまた驚いた。

 ついでに隣の滋賀県のブースも覗き、甲賀市の「すごいえぇのう鮎河」という酒を飲ませてもらった。ご飯の香りがしたので聞いたら、酒米ではなく普通のコシヒカリで造ったのだそうだ。

 残念だったのは、出店スペースは奈良5、滋賀3、三重2とのことで、三重県が圧倒的に負けていたことだ。〝近江泥棒、伊勢乞食〟をここでも見せつけられた。忍者でもモノづくりでも滋賀や奈良に負けるはずがないのにどうしたことか。高校野球もサッカーも最近は分が悪い。

 三交不動産のようなデベロッパーは滋賀にも奈良にもないので、自ら慰めるほかなかった。

 「T・E・I・B・A・Nジャパンクラシコ」は12日まで。入場無料。

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馬場建具店の出店

カテゴリ: 2016年度

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「THE 千代田麹町TOWER」完成予想図

 サンヨーホームズ(事業比率50%)・NTT都市開発(同30%)・大林新星和不動産(同20)が分譲中の「THE 千代田麹町TOWER」を見学した。麹町駅直結の周辺のマンションとしては最高峰となる23階建てだ。

 物件は、東京メトロ有楽町線麹町駅から徒歩1分(直結)、千代田区麹町3丁目に位置する23階建て全83戸。第2期(7戸)の価格は9,570万~1億6,390万円、専有面積は50.90~75.31㎡登録受け付けは2月10日~12日(日)。竣工予定は2018年12月中旬。施工は安藤・間。販売代理は三菱地所レジデンス、東急リバブル。

 昨年9月から分譲が始まっており、これまで約半分が分譲済み。このうちコンパクトの41㎡台(8戸)は全て契約済み。50㎡台も22戸のうち14戸が契約済み。

 販売担当者は「千代田区で駅直結は15年ぶり。総合設計制度の適用を受けており、絶対高さは通常なら19階までだが、23階建てとなった。東京のど真ん中という立地が評価され、地方からの購入も1割強ある」と話している。

 現地は麹町駅に直結。建物は16階までは1フロア4~5戸で、17階以上はプレミアム仕様の1フロア2~3戸。

 モデルルームは112㎡の価格が3億円台の億ション。さすが億だけあって、設備仕様レベルは高い。玄関ドアはナグリ調仕上げで、建具・面材は突板が採用されている。

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エントランス(外観デザイン監修は田原桂一氏)

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リビング

カテゴリ: 2016年度
 

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