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アットホームは31日、過去2年以内に一戸建て・マンションを購入した人を対象に、途中でこだわるのを諦めた条件・設備に関する調査結果をまとめ発表。住まいの基本的条件では、価格は1.3倍妥協、広さは14.0㎡削減、最寄り駅からの徒歩時間は8.6分妥協。設備仕様では5人に1人が「収納スペース」「リビングの広さ」「外観のデザイン」を妥協していることが明らかになった。

調査対象は、過去2年以内(202010月以降)に住まいを探し、一戸建て・マンションを購入した1850歳の男女400名。内訳は新築マンション、中古マンション、新築一戸建て(注文住宅含む)、中古一戸建て各100名。

住まいの条件の住宅価格の妥協ラインは、「実際の住宅価格÷当初の住宅価格」で算出。予算の1.3倍まで妥協していたことが分かった。

築年数を妥協したと答えた人の中で、築年数の妥協ラインを「契約時の築年数-当初希望していた築年数の上限」で算出したところ、当初より11.1年古くても妥協していたことが分かり、その理由として「建物自体は免震構造で、共用部分の清掃・管理もきちんとなされていたため(中古マンション)」といった声があった。広さも同様、当初より14.0㎡狭い物件で妥協したと回答。

最寄り駅までの徒歩時間は当初より8.6分、通勤・通学時間は当初より17.6分遠くても妥協。その理由として、「自転車を使えばすぐだったから(新築一戸建て)」、「以前と同じくらいの時間帯の出勤で済んでいるから(中古一戸建て)」といった声があり、「在宅勤務が増えたので妥協しても問題なかった(新築マンション、中古マンション、中古一戸建て)」という回答も見られた。

このほか、妥協したものは27.0%の「収納スペースの広さ」がトップで、以下、「リビングの広さ」23.5%、「外観のデザイン」22.8%の順。その理由は、収納は「断捨離する良い機会になるから(中古マンション)」、「物を出しっぱなしにしないことで広々使えるから(新築一戸建て)」「住んでしまうと狭さを感じなかったから(中古一戸建て)」、外観のデザインは、「住んでみたら気にならなかったから(中古マンション)」「自分では妥協したと思っていても意外と来客に褒められたから(新築マンション)」など。

住まいの条件で「妥協はしていない」と答えた人は19%。

住まいの設備でもっとも妥協したものは「宅配ボックス」16.8%で、以下、「ウォークインクローゼット」15.5%、「床暖房」15.3%の順。その理由として宅配ボックスは「置き配を利用できるから(新築マンション)」「お互いの休日に上手く受け取ることができているから(新築一戸建て)」などの声があり、ウォークインクローゼットは、「普通のクローゼットで十分、使い勝手に問題はないから(新築マンション)」「和室の収納を工夫して、バッグやベルトなどの保管場所を増やしたから(中古一戸建て)」、床暖房は、「気密性の高い家にしたのでそんなに寒くないから(新築一戸建て)」「他の暖房機器があれば十分だから(中古マンション)」といったコメントがあった。

一方、「妥協はしていない」と回答した人は44.3%だった。

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 とても興味深い結果だ(同社は先に賃貸篇も発表しているが、賃貸はよく分からないので割愛した)。

 結果についてコメントする前に、課題を一つ指摘したい。今回の同社のアンケートに限ったことではないが、結果を全部足して、それを割って平均値や傾向を出しても、絵具と一緒、攪拌されて限りなくグレーに近くなる。実態はよく分からない。今回の調査でいえば、マンションと戸建て、新築と中古、そしてもっとも肝心なことだが、購入者の所得(購入価格)、年代によって回答はかなり異なっているはずで、その詳細な分析が必要だということだ。(同社リリースでは回答者の属性を一部紹介はしているが…)

 設問項目に注文もある。どうして基本的な条件に住環境、ランドスケープデザイン、断熱・遮音、天井高、サッシ高、廊下・階段幅、その他トイレなどのユニバーサルデザインに関するものはないのか。設備仕様では、同社は宅配ボックス、ウォークインクローゼット、床暖房、オール電化、シーズインクローゼット、食洗機、トイレ内手洗い、ディスポーザー、人感センサー付き照明、TV付き浴室、押入れ、複層ガラス、省エネ給湯器の12項目についても聞いているが、これでも少ないと思う。基本性能とも関連するのだが、間取り(可変性)、収納・引き戸のソフトクローズ機能、ミストサウナ、スロップシンク、キッチン天板仕様、食器棚、浴室タオル掛け、ドアノブ、トイレドア幅、床・壁仕上げ…などだ。

 これらをさておき、調査結果について。住まいの条件に対する妥協ラインが予算の1.3倍というのは正直驚いた。これは前述したように、億ションを買える人は1億円が1.3億円になっても買いあがることはできるかもしれないが、当初予算が3,000万円の人は4,000万円近くになっても購入することができるのか。

 築年数の妥協ラインは納得だ。基本性能・設備仕様レベルは最近のマンションより10年くらい前の物件のほうが高いものは少なくない。これは消費者が賢明な選択をしているということか。

 広さを14㎡(約4.2畳大)妥協したというのは、是非はともかく最近の住宅市場をストレートに反映している。

 最寄り駅までの徒歩時間は、デベロッパーが「駅近」(マンションだが)を最大の売りにしていることと全く異なる結果が出た(戸建ての回答が半数であることと無関係ではないが)。記者は、徒歩時間より大事なものがあると消費者は考えていると理解したい。

 その他の条件については、人それぞれだからコメントしないが、収納スペースについて一言。仮に住宅の収納率を10%としたら、価格が5,000万円だったら、収納スペースは500万円だ。それほど高価なスペースに後生大事にしまっておく価値のあるものはどれほどあるのか。小生などは本のみ。本は捨てられない。

 全体として住まいの条件を妥協しない人が19%というのには、やや驚いた。十全の物件など一つもない。全ての条件を満たした物件を買えるのはほんの一握りのお金持ちしかいないはずだ。

 設備仕様に関してはなにも言うことはない。「妥協しない」が44.3%というのは、このようなものか。逆に驚いたのは「複層ガラス」は7.5%、「省エネ給湯器」は6.5%の人が妥協しており、「妥協しても問題なかった」人は前者が56.7%、後者が53.8%にも達していることだ。マンションのサッシは一度付けたらほとんど変更できない。これからは樹脂サッシが当たり前の時代になる。消費者も住宅を見る目を肥やさないといけない。複層ガラスと省エネ給湯器を妥協した人の30%超の人が後悔していると回答しているのに注目すべきだ。

 全体として、調査は現在のデベロッパー、ハスウメーカーの供給するマンションや戸建てのレベルを反映していると思う。そして何よりもうれしいのは、5年前に「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本について3回にわたって批判した記事は間違いではなかったことを、消費者の方が証明してくれたことだ。この記事には3回で2万件を超えるアクセスがあった。

また怒り沸騰 「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本は買うな!()2018/2/1

カテゴリ: 2022年度

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「ヴェレーナグラン北赤羽マスタープレイス&マナープレイス」 

 大和地所レジデンスは3月3日、同社の30周年記念プロジェクト「ヴェレーナグラン北赤羽マスタープレイス&マナープレイス」の第1期1次125戸の登録受付を開始したと発表した。登録締め切りは3月12日。

 2022年9月のホームページ公開から、物件エントリー総数は2,500件超、2022年12月から開催している事前案内会は連日満席で、約500組の来場があるという。

 全253戸の「マスタープレイス」と全65戸の「マナープレイス」からなる総敷地面積約11,500㎡超の全318戸の大規模物件。敷地の周囲と住棟周りにメタセコイヤ、ロドレイア、サクラなどの植栽計画、デザイン意匠、メゾネットやコーナーサッシ付住戸、スキップフロア、ロフトなどの74種類の間取りプラン、天然御影石のキッチン天板、充実した共用施設などが特徴。

 物件は、JR埼京線北赤羽駅から徒歩5分、北区浮間一丁目の工業地域に位置する敷地面積約9,315㎡の「マスタープレイス」は19階建て全253戸。第1期1次の販売戸数は100戸、専有面積は57.89~106.53㎡、価格は5,098万~13,798万円。敷地約2,186㎡の「マナープレイス」は15階建て65戸。第1期1次の販売戸数は25戸、専有面積は44.39~90.00㎡、価格は4,398万~10,498万円。登録期間は双方とも2月23日~3月12日。竣工予定は「マスタープレイス」が2025年1月下旬、「マナープレイス」が2024年8月上旬。設計・監理はスタイレックス。施工は長谷工コーポレーション。

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「マスタープレイス」 

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エントランス

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ルーフバルコニー

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 同社がこの物件を分譲するとリリースしたとき、用途地域が工業地域なので果たして大丈夫かと思った。「北区浮間」は昔は工場の街だったからだ。反響の多さから問題はなさそうだ。豊かな植栽計画で難点を解消しているのだろう。

 2020年10月に販売開始し、約650組の来場者を集め、わずか6か月間に完売した「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」89戸と、隣接する全96戸の「ヴェレーナグラン赤羽北ザ・マークス」を2021年9月の販売開始から2022年2月までに完売した実績が今回も生かされているのだろう。

 市況がいいときも悪いときも手抜きなどせず、どちらかといえばそれほど恵まれた立地ばかりでもないのに、顧客の潜在的ニーズを取り込む商品企画力はデベロッパーのなかで突出している。

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ラウンジ

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メゾネット

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モデルルーム

天晴れ! 日本庭園とつなぐ共用部の演出見事 大和地所レジ「茅ヶ崎東海岸」(2023/2/22)

天井高3m超、20畳大の床下収納など 大和地所レジ「赤羽北フロント」竣工見学会(2022/3/24)

大和地所レジ 早期完売「フロント」 隣接の「赤羽北ザ・マークス」坪300万円超えるか(2021/8/4)

 

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「レ・ジェイドシティ橋本」模型(手前から「Ⅰ」「Ⅱ」)

 日本エスコンが3月末に分譲する「レ・ジェイドシティ橋本 Ⅰ・Ⅱ」を見学した。リニア新幹線神奈川駅を中心とする約14haにも及ぶ再開発エリアに徒歩2分の立地であることから、実需、投資両面で検討する人が多いとかで、どのような販売結果になるか注目したい。坪330~350万円になりそうな価格設定も絶妙だと思う。

 物件は、京王電鉄相模原線橋本駅から徒歩4分、JR横浜線・相模線橋本駅から徒歩5分、相模原市緑区橋本2丁目の第二種住居地域に位置する「Ⅰ」は8階建て全69戸。専有面積は31.81〜70.55㎡のコンパクトタイプが中心。価格は未定だが坪350万円くらいになる模様。「Ⅱ」は8階建て全87戸。専有面積は53.39〜81.51㎡のファミリータイプが中心。価格は未定だが坪単価は330万円くらいになる模様。設計・監理は現代綜合設計。施工はファーストコーポレーション。竣工予定は2023年11月上旬。販売代理はリストインターナショナルリアルティ。

 現地は、リニア新幹線神奈川駅へ徒歩10分(再開発予定区域へは2分)。周辺は戸建てや中層マンションが建ち並ぶ一角。敷地は社宅跡地で、計画では「Ⅰ」と「Ⅱ」の隣接地で計画戸数74戸の「Ⅲ」(建築確認未取得)が予定されており、全体では約230戸となる予定。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、カーテンレール天井直付、食洗機など。敷地全体で高さ5m以上の大径木を約50本、高さ3~5mの高木を約180本植栽する予定で、良好なランドスケープを目指しているのも特徴。

 これまで資料請求は約1,500件、モデルルーム来場予約は350件。来場者の特性は地元が約4割のほか、地縁のない都内居住者なども多く、実需が中心だが、投資目線で検討する人も多いという。第1期分譲は70戸くらいになりそうだ。

 販売代理のリストインターナショナルリアルティ販売営業部主任・山中勇樹氏は「事前案内会は1日10時、13時、16時、18時の4セット。スタッフは8名。平日は6件、土日は8件くらいのフル回転。これほど来場者の多いのはこれまで経験したことがありません。1件あたり約2時間、とても密度の濃い説明ができています。都心部での価格上昇が激しく、手が届かなくなっている現状から、郊外に目を移しているお客さんが増えていることを反映しています。横浜線の八王子、町田などと比較しても、橋本は負けていないと思います」と話している。

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81㎡のモデルルーム(壁を取り払った提案は面白い)

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モデルルーム

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 価格はわが多摩センターをはるかに凌ぐことになりそうなのでショックではあるが、やむを得ない。リニア開業は当初予定の2027年は無理のようだが、街は劇的に変わるのは間違いない。リニアが完成したら、品川のマンションは坪1,500万円を突破するはずで、品川から10分で坪330~350万円というのは納得の価格だ。小生の単価予想もズバリ的中しそうだ。

 建築確認未取得の「Ⅲ」は、近接する東急不動産などの29階建て458戸の様子を見ながらプラン決定する模様で、価格はさらに高くなる可能性大とみた。しかし、坪400万円に迫りつつある「調布」を抜くことはないのではないか。

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建設現場

調布には迫らないはずだが…リストが販売代理の日本エスコン「橋本」全230戸(2023/2/16)

リニア開業後の資産性を訴求 駅圏 初のコンパクト マリモ「橋本」販売好調(2022/6/28)

ワイドスパン、多面採光がいい リストが販売復代理の山田建設「橋本」(2020/2/20)

 

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 野村不動産ソリューションズは2月27日、3万棟超のマンションを紹介する不動産情報サイト「ノムコム」(https://www.nomu.com/)のコンテンツ「マンションデータPlus」(https://www.nomu.com/mansion/library/)内に、マンション管理業協会が運営する「マンション管理適正評価制度」の管理評価の掲載を開始したと発表した。

 同制度の掲載は、東急リバブル、三井不動産リアルティ、アットホームに次いで4社目。マンション管理業協会は2024年度末にはマンション管理適正評価サイトに1万件の登録を目指している。

 

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「ヴェレーナグラン茅ヶ崎東海岸」

 大和地所レジデンスは2月21日、坪単価が約280万円と決して安くないにも関わらず、全111戸をわずか9か月で完売した「ヴェレーナグラン茅ヶ崎東海岸」が竣工したのに伴うメディア向け竣工見学会を行った。文句なし!最高に素晴らしいマンションだ。

物件は、JR東海道本線・湘南新宿ライン・相模線茅ケ崎駅から徒歩15分、茅ヶ崎市東海岸南四丁目の第一種低層住居専用地域に位置する敷地面積約8,236㎡、地上4階・地下1階建で111戸。専有面積は53.89~100.38㎡、価格は4,298万~12,088万円。坪単価は約280万円。販売期間は2021年10月~2022年7月。竣工は2023年2月1日。設計・監理は有限会社恒企画。施工は馬淵建設。

 昨年10月7日に発表したリリースによると、評価ポイントは①茅ヶ崎海岸まで徒歩8分、第一種低層住居専用地域内の歴史ある約8,000㎡の敷地に建設される4棟構成の低層マンション。2層吹抜のエントランスやラウンジ、富士山を望める屋上庭園などの共用部が好評を得た②50㎡台~100㎡台の広さ、そしてスカイビューバルコニーやコンサバトリースペース、オープンエアリビングなど111戸に対して63タイプの多彩なプランは、テレワークの普及や様々なライフスタイルのニーズを捉えた③天然御影石を使用したキッチン天板やコンロ前のディバイダ―、全タイプのバルコニーに設置したスロップシンクなどハイグレードな設備仕様とある。

 購入者の居住地は、茅ヶ崎市14%、品川区7%、藤沢市7%(東京都48%)、年齢は30代24%、40代22%、50代23%、60代~21%、入居人数は1人9%、2人56%、3人18%、4人8%。

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中庭(3階から写す)

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中庭のアクアパティオ(右は池にかかる枝垂桜)

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パーティルーム

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天井高約2900ミリのコンサバトリースペース(額縁付きの風景を演出するデザインが特徴)

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 この物件については、一昨年4月に見学取材し、記事にもしている。かなりの方に読んでいただいたようだ。こちらも参照していただきたい。

 今回、商品企画など付け加えることはほとんどない。改めて感心したのは驚異的な売れ行きだ。どこを起点にするかだが、都内居住者が48%を占める。わが街・多摩センター駅から最速で茅ヶ崎駅まで1時間14分。新宿駅や東京駅からだと約1時間、横浜駅からでも約40分だ。駅から徒歩15分だから、歩くのは容易ではない。記者などは30分近くかかる。

 海に近い1低層の良好な住宅地とはいえ、ターミナル駅からこれほどかかる立地条件のマンションで、坪単価約280万円などありえない。新宿から30分のわが多摩センターでも坪270万円もしない。常識的に考えたらせいぜい坪220万円だろう。それでも竣工まで完売できる物件はあるかないか。自信のあるデベロッパーなどいないのではないか。

 なぜ売れたか。くどくどと書かない。前回の記事を読んでいただきたい。この単価でこれほど優れた商品企画と設備仕様レベルの高いマンションなど絶対に造れない。購入者は海好きで、資金的に余裕のある方だろう。賢明な選択をされたというほかない。

 さて、竣工見学会で小生が惚れ込んだのは、アクアパティオ・ウッドデッキ付きの「シーズンガーデン」と名付けられた中庭と、この中庭の借景を取り込んだ約130㎡のパーティルーム・ラウンジだ。

 アクアパティオには水道水を循環させたせせらぎが設けられ、池には枝垂桜の枝が掛かるように植えられ、このほかイロハモミジ、サルスベリ、ハクショウ(白松=3本)、カツラ、ロドレイアなどの中高木が配され、低木もふんだんに植えられていた。常緑樹のハクショウは冬季でも緑が必要ということから選定されたという。四季の移ろいによって目を楽しませてくる演出が見事だと思った。

 パーティルーム・ラウンジは貸し切りで1時間300円とか。一人で長時間利用するのは高いかもしれないが、プロの料理人を招いて、グループで飲食パーティをするのに最適だ。せせらぎの音を聞き、サクラ、モミジ、サルスベリ、ロドレイアなどの花を眺めながら酒を飲めるなんて最高だ。(タバコは不可のようだが、管理組合が認めればOKになるのではないか)

 同社によると、中庭の設計は高崎設計室の高崎康隆氏が担当されている。ネットで調べたら、「中学生で庭の道を志す。東京農工大学林学科で植物生態学を専攻(奥富清先生)。京都大学林学科造園学教室研修員として2年間、伝統庭園の調査・研究をする。…10年間設計と職人仕事を実践。…西洋環境開発に5年勤務。1989年高崎設計室有限会社設立。教育歴:京都造形芸術大学大学院教授…代表作品:2013年二子玉川『帰真園』、受賞歴:2010年度日本造園学会賞・設計作品部門『田園都市の四季の庭』、2012年度日本造園学会賞・技術部門『名勝楽山園環境整備事業』(※学会初の2部門受賞)」とある。

 懐かしい。西洋環境開発に5年間勤務されたとか。同社は「七ヶ浜ニュータウン汐見台」や「桂坂ニュータウン」など素晴らしい住宅地を開発した。高崎氏は関わっていないのだろうか。

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提供公園

希少の海に近い1低層 水準以上の基本性能・設備仕様 大和地所レジ「茅ヶ崎東海岸」(2021/4/12)

 

 

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「ブランシエスタ浦安」

 長谷工コーポレーションは2月20日、同社が事業主で設計・施工した賃貸マンション「ブランシエスタ浦安」のメディア向け竣工現地見学会を行った。地上7階建ての最上階の7階部分を木造とする同社初のハイブリッド工法とし、かつ環境配慮型「H-BAコンクリート」を採用することで約120トンのCO2排出量を削減。CO2削減とデザイン性・快適性を高めた。

 物件は、東京メトロ東西線浦安駅から徒歩7分、千葉県浦安市当代島一丁目に位置するRC造・一部木造7階建て全208戸。間取り/専用面積(戸数)は1K/21.45~22.16㎡(184戸)、1DK/29.09㎡(10戸)、2LDK/47.51~59.83㎡(14戸)。2LDKの賃料は約21万~25万円。竣工は2023年2月15日。事業主は同社と長谷工アネシス、設計・施工は同社(7階部分はグループ会社の細田工務店)。貸主は長谷工ライブネット。

 現地は低層・中高層建築物が建ち並ぶ一角で、敷地は南・西・北側に接道。西側は道路を挟んで旧江戸川に面している。建物外観は江戸川の川波を表現した乳白色のガラス手摺りを採用。1階部分には共用施設としてコワーキングスペース、フィットネスルームを備えている。

 7階の木造住戸14戸は、共用廊下を挟んで東向きと西向きのシンメトリー形状とし、全住戸に天窓・勾配屋根、ロフトを採用。リビングの最大天井高を3.2m確保。主な設備仕様は、Low-Eガラス、御影石玄関、二重床、2.3mフラットサッシなど。床はシート張りだが、構造材は欧州アカマツ、天井・ロフト格子にはスギ材のほか、木材チップを練り込んだサイディングを採用。

 1月末から募集を開始しており、これまでに6戸が申し込み済み。他の1K~1DKは法人向けとして約9割が契約済み。

 見学会に出席した同社設計部門エンジニアリング部副事業部長・小島俊司氏は「これまで共同住宅の共用部などの木質化を進めてきたが、住戸部分を木造化したのは今回が初めて。グループ入りした細田工務店との連携の成果が生まれている。双方でタッグを組み、木質化を加速させていく」と語った。

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手前は旧江戸川

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エントランス

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コワーキングスペース

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フィットネスルーム

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 同社の説明によると、建築確認は当初RC造として申請、その後、一部木造とするため再確認申請を行ったため、工期は約1か月、内装仕上げに約1か月、合計2か月延びたというが、賃料は周辺相場の坪1.1~1.2万円なのに対し、リビングは二重床、最大天井高3.2m(6階以下は直床、天井高2.5m)、天窓付きロフト、フラットサッシなどを採用して快適性を高めたことで、坪1.4万円に設定することが可能となった。リーシングも順調であることから、木質化の成果ははっきり表れている。

 オフィス・住宅の木質化は時代の流れだ。住宅は賃貸だけでなく、分譲への展開も加速するはずだ。

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7階共用廊下(天窓付き)

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7階住戸内

木造賃貸&ZEH-M 三井ホーム「(仮称)MOCXIONモクシオン四谷信濃町」構造見学会(2022/12/3)

 

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「プラウドギャラリー新宿」エントランス

野村不動産は220日、新宿野村ビル35階に新たに設けたマンションの販売拠点「プラウドギャラリー新宿」のメディア向け見学会を行った。ギャラリーは218日(土)にオープンしたもので、随所に本物の木を使い、観葉植物を配置するなどまるで植物園にいるかのような錯覚を覚えた。同社のギャラリー「武蔵小杉」もよかったが、環境に配慮した施設としては他社を含めて今回のギャラリーが突出している。

ギャラリーは、JR・小田急線・京王線新宿駅西口から徒歩7分の新宿野村ビル35階。広さは約400坪。予約制で、[平日は11001800、土・日・祝日は 10001800(定休日は毎週火曜・水曜・木曜)。

今後、東京都内で分譲するマンションシリーズ「プラウド」を比較検討できる拠点とする。オープン時に「王子神谷」と「南阿佐ヶ谷」2物件を紹介し、将来的には10物件以上を取り扱う予定。

首都圏の既存のプラウドギャラリーにはない取組みとして、さまざまなデジタルデバイスを活用した「LABO ZONE」を設置。ヴァーチャル音声案内システムによる情報収集、VR模型、3面スクリーンへのプロジェクター投影を活用した、間取りの可変性体験コーナーなどを設けているのが特徴。

また、ギャラリーは国産木材・再生材の積極活用による環境対応を行うとともに、世界的な基準で健康・安全性を評価する国際認証「WELL Health-Safety Rating(以下、WHSR)」を国内のマンションギャラリーとしては初めて取得。

このほか、受付スタッフは、植物由来の素材「バイオ PET」でつくられた制服を着用。コクヨ監修のもと、お客様のウェイティングスペースからは、オフィス内執務スペースの様子が見えるガラス貼りのオープン空間を設置している。

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エレベータホール(左)とエントランス

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ギャラリー内

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接客ブース

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モデルルーム

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悲しい性か、それとも喜ばしい性向なのか、小生はマンションモデルルームだけでなくあらゆるものを見るとき、美しいかそうでないか、本物か偽物かをかぎ分ける習性が身についている。

今回もそうだ。35階のエレベータを降りたらすぐ、エレベーターホールの壁、ギャラリーエントランスのカウンターなどに格子デザインの〝木〟らしきものに目が留まった。〝まさか〟と思い叩いてみた。カンカンではなく、コツコツという音がした。

そして、全400坪の半分を占めるプレゼンテーションルームや接客ブース、オープンスペースに案内されて、目を見張った。植物園に入ったかのように感じた。また〝まさか〟と思い観葉植物に触れてみた。本物だった(一部フェイクもある)。どこかから甘いアロマの香りが鼻腔をくすぐり、小鳥のさえずりも聞こえてきた。

ギャラリーを案内した同社住宅事業部住宅営業二課営業二課長・頼富龍介氏は、「ギャラリーはわたしたち営業担当と商品企画担当が議論を戦わせて設けたもの。お客さまには五感を通じて体感していただけるようにしました。使用している木は全て国産材、床もクロスも環境に配慮した再生材。飲料容器も同様」と話した。

この時点で同社の力の入れよう、ギャラリーの質の高さ、取材の目的は達せられと思った。疑惑は確信に変わった。〝さすがプラウド〟だと。

小生がこれまで見学したマンション総合ギャラリーは20か所あるだろうか。広さでは710坪の住友不動産「総合マンションギャラリー新橋館」にかなわないが、これほど本物の自然素材をふんだんに用いたものは他にない。(マンションモデルルームでは、積水ハウス「グランドメゾン品川シーサイドの杜」と双璧。観葉植物の量と質では「ザ・パークレックス天王洲[the DOCK]」には負けるかもしれない)

もう一つ、強調したいのは「MiLiful(みらいふる)」だ。これは、2015年に同社と長谷工コーポレーション、ブリヂストンの3社が共同開発した「サイホン排水システム」の商品名で、その後、同社も長谷工コーポ施工物件に採用されてきた。

今回のギャラリーでも、かなりのスペースを割いて「MiLiful」を紹介しているのだが、同社が直床を除く物件に標準装備していることまでは知らなかった。

これは、大きな武器だ。ライフサイクルの変化によって間取りを変更することが容易だからだ。同業もやろうと思えばやれないことはないが、床下のふところ厚を確保しないといけないので容易ではない。

そしてまた、直床が多い長谷工コーポ施工物件ではほとんど採用されていないことにも気が付いた。これは長谷工コーポがそうしないのではなく、施主が望まないということだ。「床快full」も同じ。全館空調を開発したのは三菱地所ホーム「エアロテック」だが、マンションへの実装戸数では、後発の野村不動産「床快full」に瞬く間に追いつかれ抜き去られた。

野村不動産に独走を許していいのか、沓掛社長(次期会長)の高笑いを容認するのか、鼻柱をへし折ろうとするデベロッパーはいないのかと問いたい。

断っておくが、小生はLosing to Nomura、あるいはDefeated to Nomura(この英語表記は正しいのか分からないが)-野村不動産が勝つか負けるかではなく、隈研吾氏の名著「負ける建築」(岩波書店、英語表記「Architecture of Defeat」)と同じように、避けて通れない環境問題にどう対処するかを問いたいのだ。冒頭にも書いた美しいものは本物か、本物が美しいのはなぜか、偽物は美しくないのか、偽物は美しくなれないのかという問いだ。

 70㎡と100㎡のコンセプトルームは、リビング天井高を2450ミリにしているように極めてオーソドックスなものだった。これはお客さんに誤解を与えないとように最低限の基本性能・設備仕様を紹介しているからだと解釈した。

5社ブランドとの連携がいい 野村不の常設「プラウドギャラリー武蔵小杉」(2022/6/25

自然と共生するワークスペース「コモレビズ」実装した「ザ・パークレックス天王洲」(2022/7/27

目を見張る 710坪のマンションギャラリー 住友不「汐留」開設/第一弾は「虎ノ門」(2022/1/14

呉越同舟効果 「5本の樹計画」の本領発揮 積水「品川シーサイド」1207戸!(2017/3/24

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「カーメスト興野町(おきのちょう)」

 東京都住宅供給公社(JKK東京)の新築賃貸マンション「カーメスト興野町(おきのちょう)」を見学した。2月2日に抽選した結果。募集98戸に対し申し込みが844件に達し、最高35倍、平均8.6倍の応募倍率を集めた理由を解明するためだった。住環境、買い物などの利便性、設備仕様レベルの高さは確認できたが、新たな謎も浮上した。

 前回の記事でも書いたが、家賃は安いような気がするが、23区では相対的に安い足立区の賃料と比較してそれほど安いとも思えない。住宅供給公社の賃貸住宅の家賃は「地方住宅供給公社法施行規則」第16条によって「賃貸住宅に新たに入居する者の家賃は、近傍同種の住宅の家賃と均衡を失しないよう、地方公社が定める」と規定されているからだ。

 にもかかわらず、どうして冒頭のような信じられない人気を呼んだのか。その秘密を探ろうとJKK東京に取材を申し込み、現地取材は実現した。

 行きは、東武スカイライン西新井駅からタクシーを利用したので、アクセスはよく分からなかった。現地に着いたとたん、樹齢70~80年と思われるイチョウ並木の巨木が目に飛び込んできて、広々とした公園に隣接して「カーメスト興野町」はあった。昭和34年(1959年)に建設された全27棟760戸の「興野町住宅」のA号棟エリア7棟200戸を建て替えた住棟だ。公園はJKK東京が整備したもので、人気の要因の一つであることはすぐわかった。

 JKK東京公社住宅事業部公社募集課営業推進係係長・山崎一徳氏から詳細な説明を受けた。844件の申し込み者の約3分の1が足立区居住者で、葛飾区、北区、荒川区、墨田区の隣接4区居住者が約15%、そのほかは都内や埼玉県の八潮、草加、神奈川などからも申し込みがあったとか。

 主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング・居室天井高2400~2500ミリ、エアコン、床暖房、3口ガスコンロ、給湯(追焚き機能付)、浴室暖房乾燥機、温水洗浄機能付き暖房便座トイレ、洗面化粧台自動水栓、ダブルロック、ディンプルキー、カラーモニター付インターホン、インターネット一括加入(Wi-Fi)、オートロック、防犯カメラ、宅配ボックス、エレベーター(タッチレス対応)、屋上太陽光パネル、蓄電池など。施工は長谷工コーポレーション。

 このほか、ハザードマップでは荒川が氾濫した場合は3mの浸水の可能性があることから電気設備は2階に設置し、〝防災3点セット〟としてマンホールトイレ、防災井戸ポンプ、かまどベンチが整備されていた。外廊下のアルコーブは分譲でも見かけないような広々としたものだった。

 共用部の「マルチサロン和み」はコワーキングブース3席付きで、トイレは引き戸、多目的トイレ付。中庭は、外から絵画のように見えるよう、ガラスの窓は額縁付きという凝りようだった。

 住戸内の仕上げレベルは、食洗機などは付いておらず分譲より劣るとは思ったが、浴室にタオル掛けが付いており、壁、巾木、家具などの隅は面取りがされており、引き戸はソフトクローズ機能付きだった。

 そして、山﨑氏が「想定外の人気」と語ったのが眺望だった。敷地南側は公園を挟んで民間の戸建て住宅街で、東京スカイツリーや東京タワーが眺望できるという。北側も高い建物はなく、徒歩12分の110店舗超の「アリオ西新井」も身近に見えた。保育園、幼稚園、小・中学校も徒歩10分圏内に揃っている。

 そこで考えた。仮に分譲だったらいくらになるかだ。土地代がただでも坪150万円以下はありえない。20坪で3,000万円。これなら売れるかもしれないが、完売まで1年はかかるのではないか。用地を新たに取得し、南側に公園を整備したら坪230万円以上するはずだ。20坪で4,600万円。記者が販売担当だったら売る自信はない。

 取材の帰りは、舎人ライナー江北駅まで歩いた。朝からなにも食べていなかったので、食事ができる店を探したが駅周辺の飲食店は焼き鳥屋さん1軒のみだった。開店時間の4時まで待って入った。この前取材した東武東上線の鶴瀬駅前のラーメン屋さんと同じくらいのメニュー(酒も含めて)だったが、料金は鶴瀬の倍だった。

 結論は、入居者は通勤・通学に江北駅を利用せず、西新井駅まで20分歩くか、あるいは自転車か、それとも徒歩4分のバス停からバス約5分の東武大師線大師前駅を選ぶのではないかということだ。大手町まで1時間圏だ。誰かが〝マンションは徒歩7分以内を買え〟といい、その舌の根も乾かぬうちに〝マンションは足立区を買え〟と言った。小生にはそんな選好基準はないが、検討者はどちらを選べばいいのか。謎は残った。

 賃貸を選ぶ人と分譲を選択する人、そして戸建てとマンション、新築と中古を志向する人の考え方は明らかに異なる。これはこれで結構なことだとは思うが、どこかに自由な選択を阻むバイアスがかかっているような気がしてならない。

 JKK東京が管理する賃貸住宅は200か所約7万戸。23区内の空き住戸は極めて少ないようだが、分譲はどうなったのだろう。かつてJKK東京は分譲住宅も供給しており、バブル期に分譲された分譲戸建て「多摩ニュータウン南大沢四季の丘」(45戸)の平均競争倍率270倍はわが国の史上最高倍率だ。そしてまた、最後の分譲マンションとなった1993年竣工の「ノナ由木坂」(252戸)の売れ残り17戸が〝半値8掛け2割引き〟、つまり当初の価格から7割引きで分譲され話題となった。この値下げ幅も記録として残っている。

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「カーメスト興野町(おきのちょう)」(南側の公園から)

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額縁付き絵画のような中庭

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中庭

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「マルチサロン和み」

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防災井戸

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北側の眺望(8階から)

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南側の眺望(8階から)

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アルコーブ

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面取りされている巾木、キッチンコーナー、カウンター

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昭和30年代に建設された「興野町住宅」

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江北駅近くの公園(樹木は無残にぶった切られていた)

舎人ライナー江北駅13分の賃貸「カーメスト興野町」98戸 申込み倍率8.6倍JKK東京(2023/2/8)

 

 

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「パークシティ中野」

 三井不動産レジデンシャルと三井不動産は2月16日、参加組合員として事業参画している中野区の「囲町東地区第一種市街地再開発事業」の街区名称を「パークシティ中野」と決定したと発表した。住宅は807戸で、2025年12月に竣工する予定。建物ランドスケープは光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。

 施行面積は約2.0haで、中野駅から事業地までペデストリアンデッキで結び、住宅807戸のほかオフィス、商業施設などを整備。設計・総合監修は佐藤総合計画、建物ランドスケープデザインは「HARUMI FLAG」や「パークシティ大崎 ザ タワー」、「パークシティ武蔵小杉 ザガーデン」などを手掛ける光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。建築デザインは、中野駅前にふさわしいランドマーク性のある外観デザインとし、低層部には歩行者向けの空地やデッキを設けることで、賑わいと回遊性を創出する。

 このほか、路地空間や約1,000 ㎡のおみこし広場、2,000㎡超の緑地空間を整備する。

 事業は、JR・東京メトロ中野駅から徒歩4分、中野区中野四丁目地内の約10,059㎡のA敷地(住宅棟、オフィス・商業棟)と約3,170㎡のB敷地(住宅棟)。A敷地の住宅棟は25階建て545戸。オフィス・商業棟は12階建て。B敷地の住宅棟は20 階建て262戸。竣工予定は住宅棟が2025年12月。オフィス開業は2026年1月。商業施設開業は2026年春。設計・総合監修は佐藤総合計画。施工は東急建設。建物ランドスケープデザインは光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。

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◇        ◆     ◇

 建物ランドスケープデザインを光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所が担当することに注目したい。添付した記事と一緒に読んでいただきたい。

 今回のプロジェクトと中野駅を挟んだ反対側では、2024年2月竣工予定の住友不動産が参画する約2.4haの「中野二丁目地区第一種市街地再開発事業」が進行中で、オフィス棟のほか約400戸の住宅棟が予定されているが、賃貸住宅になる模様だ。

「HARUMI FLAG」で美しい花を咲かせたい 光井純氏 建築美を語る(2023/1/30)

 

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「レ・ジェイドシティ橋本」

 リストグループのリストインターナショナルリアルティは2月16日、日本エスコンとファーストコーポレーションが売主の「レ・ジェイドシティ橋本」の販売代理を受託し、3月中旬に分譲開始すると発表した。京王相模原線・JR橋本駅から徒歩4~5分の全3棟230戸。リニア中央新幹線・新駅へも徒歩10分であることから、売れ行きが注目される。

 今回分譲される物件は、京王電鉄相模原線橋本駅から徒歩4分、JR横浜線・相模線橋本駅から徒歩5分、相模原市緑区橋本2丁目に位置する8階建て「Ⅰ」69戸と「Ⅱ」87戸の計156戸(このほか計画戸数74戸の「Ⅲ」は建築確認未取得)。専有面積は31.81~81.51㎡。竣工予定は2023年11月上旬。施工はファーストコーポレーション。

 橋本駅南口より徒歩5分以内のマンション分譲は約26年ぶりで、WEBサイト公開後約3か月で資料請求件数は1,300件を超えている。

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 資料請求件数が多いのか少ないのか分からないが、リニア中央新幹線・新駅へも徒歩10分であることから注目を集めているようだ。

 取材を申し込みレポートする予定だが、皆さんは価格をいくらだと予想されるか。記者は今から10年前の2013年の段階で「マンションの単価は現在、駅近で180万円くらいだが、(リニア新幹線の新駅が誕生したら)調布と同じ300万円くらいになるかもしれない」と書いた。翌年の2014年に多摩センター駅圏で分譲された免震の三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス 多摩センター」は210万円くらいだった。

 いまはどうか。調布駅の立地条件のいいところは坪350~400万円、多摩センターや聖蹟桜ヶ丘駅圏は坪260~270万円だ。

 橋本駅圏では、リリースにもあるように徒歩5分圏内の分譲事例は最近ないが、昨年6月に見学取材した駅から徒歩6分のコンパクトマンション、マリモ「ソルティア橋本」(40戸)は坪320万円だった。

 さて、今回はどうなるか。リストも日本エスコンもいまもっとも勢いのある会社だ。わが多摩センターが抜かれるのは間違いない…街のポテンシャルを象徴する「京王プラザホテル多摩」も開業から33年の今年1月15日をもって閉店となった。地盤沈下が否めない。橋本の後塵を拝するとは…。まさか調布には迫らないだろう。

リニア開業後の資産性を訴求 駅圏 初のコンパクト マリモ「橋本」販売好調(2022/6/28)

駅近の免震 最初で最後 三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス 多摩センター」(2014/6/6)

 

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