三井不動産が独走・独占 横浜市現市庁舎活用事業に三井不など8社グループ 横浜市
左が新築棟、右が既存行政棟
横浜市は9月4日、現市庁舎街区活用事業について3件の応募があり、もっとも優れた提案を行った三井不動産を代表とする8社グループを事業予定者に決定したと発表した。
事業予定者は、三井不動産のほか鹿島建設、京浜急行電鉄、第一生命保険、竹中工務店、ディー・エヌ・エー、東急、関内ホテルマネジメント(星野リゾートの全額出資子会社)。
事業地の敷地面積は約16,522㎡、建物は地下1階、地上30階建て延べ床面積約117,017㎡。既存の8階建て行政棟を保存活用するのが特徴で、1~2階は商業施設、3~8回は星野リゾートのレガシーホテル(約17,000㎡)が入居する。
高層新築棟は、1~3階がライブビューイングアリーナ(3,000㎡)、新産業創造拠点、商業施設、4~5階がエデュテイメント施設(6,800㎡)、6~7階がウェルネスセンター(4,700㎡)、10階がオフィスロビーなど、11~14階が大学(12,800㎡)、15~30階がオフィス(51,900㎡)。定期借地権付き方式で開業前と事業終了工事期間を含め78年間を想定。令和3年に既存建物の改修・解体、新築工事に着手。令和6年度末に開業する。
行政棟を保存活用し、星野リゾートが入居・運営する「レガシーホテル」
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4日は仙台に取材に行っており、夜、三井不動産などがコンペに当選したことを知った。記者の知りたいのは周知の事実ではなく、三井不などに敗れた2者グループがどこかということだ。
コンペを審査した審査委員会は8月27付で林文子市長あてに答申を行っており、100点満点でトップの三井不などは80.47点、次位は71.88点、3位は50.32点と発表。三井不などの提案は「国際的な産学連携」提案が評価されたほか、「観光・集客」提案は「国内最大のビジョンを設置したライブビューイングアリーナや、行政棟を保存活用するまちに開かれたレガシーホテル、エデュテインメント施設、ライブ書店などを設置し、『若さ』をキーワードとして賑わいを創出し、周辺地域を活性化させる多様な機能が提案されていることが高く評価された」とし、「賃貸床の約75%で賃借予定者を確保する」マネジメントなども評価された。次位も3位も応募者の名前は非公表。
敗れたところに〝敗者の弁〟を聞こうと心当たりのあるデベロッパーに電話したが、〝うちは負け戦はしない〟〝さて、知らない〟という返事だった。
1社だけ〝ネットに出てるわよ〟と話したので、これをヒントに調べた。さすがN紙だ。ちゃんと残りの2者グループの名前を出して記事にしていた。なるほど。
それにしても、三井不動産は強い。最近では渋谷区庁舎、横浜北中再開発、春日・後楽園駅前地区再開発、オリンピック選手村(HARUMI FLAG)などピッグプロジェクトで連戦連勝ではないか。RBA野球でも日曜ブロックの本命は三井不動産レジデンシャルリースだし、三井不動産も穴候補に浮上した。三井の独走・独占を許す他社は情けない。
「都市滞在での日本体験」提案問うコンペ コスモスイニシア
コスモスイニシアとコスモスホテルマネジメントは9月4日、日本の新しい滞在体験を考えるコンペティション「MIMARUツーリズムコンペティション2019」を実施すると発表した。
増え続ける外国人旅行者にとって、現在の日本の都市は本当に価値ある滞在体験を提供できているのか、日本が真の観光立国として成長するために、都市でどのような滞在体験を提供できる可能性があるかなどを問うもの。
募集するのはビジュアル部門とアイデア部門。ビジュアル部門は、ホテル内に展示する絵画・イラスト・書道・生け花・テキスタイルなどのアート作品及びインスタレーション、客室や共用部の家具及び空間デザインについて、アイデア部門は、IoTや新たなテクノロジーを活用した観光・ホテルサービス、ビジネスモデルなどの提案をそれぞれ求める。
最優秀賞(各部門1点)に20万円、MIMARU賞(ビジュアル部門1点)に10万円、優秀賞(各部門5点)に5万円が贈られる。応募締め切りは2019年12月20日まで。審査発表は2020年1月中。コンペティションサイトはhttps://mtc.mimaruhotels.com/ 問い合わせはコスモスホテルマネジメントMIMARU TOURISM COMPETITION 2019事務局(mail : このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。)へ。
小田急不動産 共働き子育て向けの新発想空間「IDEA20」盛り込んだ住宅供給
小田急不動産は9月3日、分譲住宅「LEAFIA(リーフィア)」の新商品・サービス開発の取り組みとして、お客さまの住まいへの想い(期待)をカタチ(商品化)にするプロジェクト「想いカタチ.ファクトリー」を発足し、第一弾として東京ガス都市生活研究所と協働し、共働き子育てファミリーのための20項目の新発想空間「IDEA(アイデア)20」を盛り込んだ住宅を今冬に供給すると発表した。
食品ロス減・ユーグレナ・SDGs貢献 一石三鳥の「みどりの救缶鳥+(プラス)」販売
秋元氏(左)出雲氏
〝食品ロス減を実現する〟〝多様な栄養素を持つユーグレナ配合〟〝SDGsに貢献〟-この〝一石三鳥〟の特徴を持つ長期保存が可能な「みどりの救缶鳥+(プラス)」が本格販売される。
商品を開発したパン・アキモト代表取締役 秋元義彦氏とユーグレナ 代表取締役社長 出雲充氏が8月30日、東京建物が応援するサスティナビリティ特化型ベンチャーコミュニティ「City Lab Ventures(シティラボ ベンチャーズ)」主催のオープンイベントに出席し、世界規模での事業展開が可能であることをアピールした。
「みどりの救缶鳥+(プラス)」は24缶/ケース。1缶100グラム、295キロカロリー。賞味期限は5年。
オープンイベントではこのほか、ARUN,LLC.代表 功能聡子氏、自然電力海外事業部長 古賀大幹氏、アラムポート取締役 西森聡一郎氏、ボーダレス・ジャパン代表取締役副社長 鈴木雅剛氏がそれぞれ「ベンチャー×グローバルによるSDGsの世界展望」について報告・ディスカッションした。
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秋元氏は、栃木県那須塩原市に本拠を置くパン・アキモトの二代目社長。1995年1月の阪神・淡路大震災時に2千個のパンをトラックに積んで被災現場に運んだところ、時間がかかったため、約6割を廃棄せざるを得なかったことに心を痛め、被災から1年後、3年間保存できる世界初の「パンの缶詰」を開発した。
そして2004年、新潟中越地震のとき秋元氏が「パンの缶詰」を被災地に持ち込んだのが報道され、注文が殺到した。しかし、納入先の自治体から「賞味期限が切れた缶詰を処分してほしい」という新たな難問が発生した。
ピンチはチャンスだ。そこで思いついたのは、賞味期限が切れる半年前に回収し、飢えなどに苦しむ海外へ義援物資として送るアイデアだった。「救缶鳥プロジェクト」はそうして2009年9月スタートした。
その後、2016年9月、ニッポン新事業創出大賞グローバル賞、2017年12月、第5回グッドライフアワード環境大臣最優秀賞、2019年7月、社会貢献者表彰などを受賞している。
秋元氏は「阪神淡路大震災が起きた1月17日はわたしの誕生日でして、誕生日のお祝いを中止し、現地にパンを運んだが日持ちのしないパンを廃棄せざるを得なかったのが救缶鳥プロジェクトのきっかけ」と切り出し、「小さなパン職人と大きなユーグレナの研究者が一緒になってビジネスモデルとして世界に広げたい」と語った。
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ユーグレナは、2005年8月、東大発のベンチャー上場企業として出雲氏らが設立。「人と地球を健康にする」という想いが創業の原点にある。
創業の翌年、世界で初めて微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)の食用大量培養に成功。2012年12月、マサーズ上場、2014年12月、東証一部上場。2018年9月期の売上高は151億円。
太陽光と水と二酸化炭素だけで大量培養・供給できるユーグレナを核に食品利用のほか肥料・飼料への応用、バイオ燃料化、医薬品への応用など多角的な事業展開に取り組んでいる。
出雲氏は、「子どもたちはビタミンAと鉄分が致命的に不足していた。結果、失明や慢性的な貧血症に陥っていた。その時の体験が創業の原点」と、21年前にバングラディッシュを訪問した際の食糧事情の悪さについて触れ、現在では「一袋230キロカロリーのユーグレナクッキーを1日一万食届けることができるようになり、85万人といわれるロヒンギャ難民の子どもたち2万人に食と仕事と栄養を届ける事業をスタートさせた」と語った。
また、大学ベンチャーについても、「2005年以降、2778社の大学発ベンチャーが設立されたが、うまくいっていない。約2,000社ある上場企業のうち大学発ベンチャーは一社もない。2023年までに20社のユニコーンを創出するという政府目標に向かって、当社も2匹目、3匹目が生まれるよう協力していく」と述べた。
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「City Lab Ventures(シティラボ ベンチャーズ)」主催のオープンイベントは先月も取材し記事にもしているので合わせて読んで頂きたい。約2時間ぶっ通しで行われるので疲れるが、話はものすごく面白い。登壇者や参加者がみんな若いのもいい。
今回は、会場に入ったとたん「みどりの救缶鳥+(プラス)」(写真参照)が目に飛び込んできた。ネーミングがいい。いつもは、九官鳥そっくりの〝休肝日、休肝日〟の声にをだんまりを決め込むのだが、これには敏感に反応した。ネーミングを含めデザインを担当したのはクオーターバック代表取締役・中島セイジ氏だ。
もう一つ、記者の目をくぎ付けにしたのは、アマガエルや公衆電話機より鮮やかなやや黄みを帯びた緑のネクタイだった。すぐ誰かは分かった。記者も同系統のものを何本か持っているが、スーツにあうよう濃緑のものばかりだ。
その、目も彩というより目を疑う緑色のネクタイを締める勇気にあっけにとられたので聞いた。「社長、そのネクタイは社員もつけるんですか」「いえ、わたしだけ」「特注品ですか」「いえ、楽天で買える。980円」…社長、テレビCMに「ユーグレナ」の社名、商品はたくさん出てきますが、あの通販の名物会長の向こうを張って社長直々に出演されたほうが効果的ではないですか。堀江貴文氏よりはるかに話は面白い。「人と地球を健康にする」理念が最高に素晴らしい。
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参加者にプレゼントされた「みどりの救缶鳥+(プラス)」を持って帰った。「あら、これ栃木のアキモトさんという有名なパン屋さんの非常食。何度も買って、賞味期限切れのパンを食べさせたじゃない。〝美味しい〟って食べたじゃない」「? …」
缶詰に、日常的に出来立てが食べられることを強調したコピーを追加したら売れ方は全然違うのではないか。〝非常〟を連想させる〝常備〟は適当でない。
イベント後、参加者に振舞われた「みどりの救缶鳥+(プラス)」
〝世界に発信〟 企業×自治体 先進的SDGs取り組み事例紹介「City Lab Ventures」(2019/7/25)
ナイス 会員の工務店向けリフォーム提案に新メニュー「パッケージサービス」
ナイスは8月20日、工務店のエンドユーザーに対するリフォーム提案をサポートする「リフォームパッケージサービス」を、「ナイスサポートシステム」の新メニ ューとしてラインアップに加え、会員である木材・建材販売店や工務店へ9月1日から提供を開始すると発表した。
「リフォームパッケージサービス」は、住まいながら工事が可能な断熱リフォーム商材をパッケージした「断熱リフォームパッケージ」のほか、消費増税に伴う住宅需要喚起策として、2020年3月末まで一定の性能を持つ住宅の新築やリフォームを支援する「次世代住宅ポイント制度」に対応した「次世代住宅ポイント対象リフォームパッケー ジ」も提供する。
エンドユーザーに対するリフォーム提案は、リフォーム箇所を検討・提案し、それに応じた商材を各建材・設備メーカーのカタログを使用して提案するというのが一般的で、リフォームの全体像をイメージしづらいとの声が工務店から聞かれていたため、端的に分かりやすく、総合的なリフォーム提案ができるサービスとしているのが特徴。
「ナイスサポートシステム」は、1998年の開始以来、20年以上の歴史を持ち、加盟社数は約2,000社に上っている。
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同社の最近のニュース・リリースは有価証券報告書の虚偽記載に関するものばかりだったので、心配していた。この種の一般のお客さん向けのニュースをどんどん発信してほしい。取材もしたい。
ラグビーワールドカップ2019 公式スポンサー三菱地所のホテルに泊まるのはどこか
三菱地所は8月28日、恒例の三菱地所グループ「記者懇親会」を、今年竣工した東京會舘・三菱地所・東京商工会議所による3者共同プロジェクト「丸の内二重橋ビルディング」内の「東京會舘」で行った。
今期決算も増収増益が予定され、主要事業のほかCLTを採用したみやこ下地島空港ターミナルの竣工、ベンチャー出資、ロボット活用、ラグビー協賛などホットな話題も多く、笑いが止まらないのだろう。配布された資料には吉田淳一社長、杉山博孝会長をはじめ28名の各社社長・役員の顔写真はほとんど笑顔で、広報担当の9名の集合写真もみんな笑っている。
些細なことだが、これは大事なことだ。「記者懇親会」用の配布資料にも笑顔を届ける姿勢は見習いたい。
小生の出席・取材の目的は、ただでワインを戴くこともあるが、同社が住宅・不動産業界で唯一ラグビーワールドカップ2019の「オフィシャルスポンサー」になっているので、果たして強豪チームは同社のどこの「ロイヤルパークホテル」に泊まるのかを探るただ一点にあった。
それというのも、三井不動産が世界最強の二―ジーランド・オールブラックスの宿泊施設として「三井ガーデンホテル柏の葉」を提供するからだ。三菱地所だって威信にかけて強豪チームを誘致すると読んだ。
そこで、吉田社長、杉山会長、ラグビーに関する広報活動などを取り仕切っているY氏に質問をぶつけた。「三井さんの『柏の葉』にニュージーランドチームが泊まるなら、『ロイヤルパーク』だってどこかが泊まるのでしょう」と。以下、3氏の返答。
吉田社長 関心持っていない。(ホテルを誘致する)そこがメインじゃない
杉山会長 知らない。うちはオールブラックスを応援しているんじゃなかったか
Y氏 ヒント? 決まっていません、決まっていないというのがヒント(チケット代20万円を払って娘さんと決勝戦を観に行くのだそうだ)
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3氏ともに見事にはぐらかされた。しかし、全20カ国・チームの宿泊先を同社が把握していないはずはない。トップシークレットなのだろう。
仕方がないので、勝手に予想を立てた。しかし、マンションの坪単価予想というわけにはいかない。何を基準にホテルを選ぶかが全く分からないからだ。豪華さだけでなく、セキュリティや食事は大事だろうし、練習場に近いこと、競技場へのアクセス、一般客を遮断できること…を考えると、以下の予想は全て外れかもしれない。が、しかし、どこかの強豪チームが「ロイヤルパーク」か同社の関連ホテルに宿泊するような気がする。それは次の通りだ。東京會舘はないと見た。
◎ロイヤルパークホテル(水天宮)
〇横浜ロイヤルパークホテル
▲パレスホテル東京(パレスビル)
△仙台ロイヤルパークホテル
◎水天宮の「ロイヤルパーク」は記者がもっとも好きなホテルの一つで、5層吹き抜けの空間が素晴らしい。空港にも高速にも近い。確か四方道路なのでセキュリティ面でも問題ない。
〇「横浜」は決勝戦が横浜国際総合競技場で行われるので、アクセスがいい。これ以上のホテルはない。問題は複合ビルなのでセキュリティがどうかという点と、身をかがめるのが習性になっているはずの選手にとって高層ホテルは平衡感覚をなくさないかという点だ。
▲「パレスホテル」は、外国人に人気上位のホテルなのも納得できる。素晴らしいホテルに生まれ変わった。記者は建て替え前しか泊ったことがないが、ナシゴレンがとても美味しかったのを思い出す。
△「仙台」は泊ったことはないが、2度ほどワインを飲んだ。いいホテルなのは間違いない。ゆったりした敷地の環境は水天宮、横浜以上かもしれない。日本で開催されたサッカーワールドカップでイタリアチームが借り切って宿泊したという実績もある。セキュリティが極めてよかったらしい。難点は東京、横浜に遠いことだ。
全20チームの宿泊ホテルをどこか書かないか。
日本橋再生第3ステージは〝共感・共創・共発〟水辺の再生に意欲 三井不・菰田社長
将来の日本橋のイメージ図
日本橋再生の第3ステージは〝共感・共創・共発〟-三井不動産は8月29日、菰田正信社長が記者会見し、今春の「日本橋室町三井タワー」の竣工をもって日本橋再生計画は第3ステージに進んだとし、新たなステージでは〝共感・共創・共発〟をスローガンに掲げ、「豊かな水辺の再生」「新たな産業の創造」「世界とつながる国際イベントの開催」の3つの街づくりを、旧日本橋区に相当する「GREATER日本橋」を舞台に展開すると発表した。100名超の報道陣が集まった。
菰田社長は、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」を開発コンセプトに、バブル崩壊を受けて取り組んできた「日本橋再生計画」は大きな成果を上げたと総括し、その結果、老若男女を問わず集う賑わいを創出し、街のグローバル化が図れたと振り返った。
第3ステージは、「日本橋再生計画第2ステージ」で掲げた「産業創造」「界隈創生」「地域共生」「水都再生」の4つのキーワードを踏襲しながら、「未来に続く街道の起点、日本橋」にすると語り、「(水辺の再生などは)ハードルが高く、時間もかかるかもしれないが、世界から人・もの・ことが集まる街づくりを必ずやり遂げる決意」と力を込めた。
同社日本橋街づくり推進部長・ 七尾克久氏は「場所と機会の提供だけではなく、共に同じ輪に入っていくようにする」と、地域との〝共感・共創・共発〟の街づくりを進めると強調した。
会見後は、一般社団法人SPACETIDE共同設立者・理事・COOの佐藤将史氏をモデレータに、ANAホールディングスデジタル・デザイン・ラボ チーフ・ディレクター兼グループ経営戦略室アバター準備室室長・津田佳明氏、宇宙航空研究開発機構(JAXA) 新事業促進部事業開発グループJ-SPARCプロデューサー/Space Food X副代表・菊池優太氏、七尾氏による「宇宙ビジネスと日本橋の街づくり」をテーマとしたトークセッションを行った。
フォトセッション(左から佐藤氏、七尾氏、菰田氏、菊池氏、津田氏)
川沿いパース
川沿いパース
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第3ステージでもっとも注目したいのは「豊かな水辺の再生」だ。2008年だった。記者は三井不動産のイベントで初めて日本橋川下りを体験した。あまりにもひどい光景に怒りを込めて「これでいいのか 川に背を向ける日本橋の街」の見出しを付けて記事にした。
当時、岩沙弘道社長は「わたしが生きている間に高速道路を取っ払い、日本橋にきれいな水が流れるようにしたい」と語ったのも印象に残っている。
あれから10年が経過した。この日、菰田社長は「ハードルは高く、時間がかかりそうだが必ず(豊かな水辺の再生)を実現する」と力を込めた。
竹橋~江戸橋(日本橋区間)の2.9kmの高速道路については2028年までに1,412億円をかけて改修することになっているが、あと10年だ。高速の地下化は本当に実現するのか。記者は生きているだろうか。
「宇宙ビジネス」はちんぷんかんぷん。世界に負けないよう頑張ってほしいとしかいいようがない。
日本橋と東京駅をつなぐウォーカブルネットワーク(長さ約1.200m、川幅約100mの親水空間となる)
異なるのは「現場探訪!」と「ひと」の違いだけ 中身一緒 住宅新報と週刊住宅
他人のことは笑えないのだが、わが業界も8月は端境期なのか、最近の業界紙の記事はどうもさえない。普通なら埋め草(ベタ記事)にしかならないような記事が大見出しのトップ記事になったりしている。1面からそうだと、中身も読む気がしなくなってしまう。
今週の「住宅新報」と「週刊住宅」は〝手抜き〟といっては怒られるかもしれないが、いかにも独自取材したかのようで、実は一緒に同時取材したことが分かる、パブリシティではないかと疑いたくなる記事が掲載されていた。同じ人が住宅新報では「現場探訪!」と感嘆符付きで、一方の週刊住宅では「ひと」のコーナーで紹介されていた。内容も似たり寄ったりだから、それぞれの記者が同時に取材したのに違いない。(別の日でも同じことだ)
なのに、新報はさも現場に飛んで書いたように、週刊住宅は〝時の人〟ように取り上げる。これはいかがなものか。人から話を聞くのも「現場」のうちか。住設メーカーのことは分からないが、売上が2億円ともなると〝時の人〟になるのか。
自らが情報の発信者にならないと、そのうち見捨てられる。
ダウンサイジング流行りにぴったり 三菱地所〝部屋の中の小屋〟「箱の間」発売
「箱の間」
三菱地所、三菱地所レジデンス、三菱地所ホームは8月27日、居室内に設置することで〝部屋の中の小屋〟をつくることができる「箱の間」を9月1日から発売すると発表した。
「箱の間」は都市と農山村を繋げる三菱地所グループの取り組み「空と土プロジェクト」(https://soratsuchi.com/)から誕生したもので、三菱地所と三菱地所レジデンスが企画し、三菱地所ホームが販売する。
寸法はW1.777mm×D0.755mm×1.620mm。販売価格はPLAN‐αが670,000円(税抜)、PLAN‐βが620,000円(税抜)。申込み後、約2か月で納品する。販売エリアは三菱地所ホームの施工エリア(首都圏、関西圏)。
リノベーション
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この商品は2016年に発表したときから注目していた。その後3年が経過したが、この間、リノベーションマンションやオフィス、地域の交流拠点などに設置し、様々なニーズを確認。材の厚みなどを見直したという。
同じように、リビングに小屋のような空間を提案しているモデルルームをいくつか見ている。阿部公房の「箱男」のように、押し入れや段ボールに入りたがるのを利用したものだと思う。
マンションの専有面積がどんどん圧縮され、生活や思考もダウンサイジング流行りの今だからこそ受け入れられるのかもしれない。
本社オフィス
久米の仙人になれる阿波踊り最高 南越谷阿波踊り 通い続けて20年
南越谷阿波踊り ポラスの連で踊る神田さん
主要ハウスメーカー広報担当者の集まり「住宅広報連絡会」が主催する「8月度臨時会」が8月24日(土)行われ、メディア関係者を含めた約40名の参加者は南越谷阿波踊りを鑑賞・体験した。
臨時会は、地域に密着したポラスの社会貢献活動を直に学ぼうと住宅関連のメディアにも呼び掛けて20年くらい前にスタート。毎年、懇親会を開き、本場の有名連による阿波踊りの舞台踊りを鑑賞し、「にわか連」として踊りを体験している。
南越谷阿波踊りは昭和60年(1985年)、徳島県出身で越谷市に本社を構えるポラスグループの創業者・中内俊三氏の提唱によりスタート。当初の約3万人だった観客は年を追うごとに増え、今年は約78万人(前年は75万人)。本場徳島と東京高円寺とともに日本三大阿波踊りと言われるまでに発展している。
中内代表
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記者は、第1回目からほとんど欠かさず参加している。高円寺にも15年間くらいずっと参加しており、参加回数だけはだれにも負けない。
阿波踊りのどこがいいか。阿呆馬鹿を演じる男踊りも悪くはないが、とにかく妖艶な女踊りがいい。中でも、フラミンゴのように片足立ちする女性のピンクの浴衣裏地から覗く白い脛(はぎ)にたまらない魅力を感じる。あの久米の仙人が神通力をなくしたのと同じだ。
もう一つ、ほれ込んだのは「小股」だ。相撲の決まり手に「小股掬い」があるように、「小股の切れ上がった」いい女というと、脚の付け根を連想するスケベ男が多いかもしれないが、記者は「小股」とは、髪を結いあげたときの「うなじ」だという説に一票を投じる。うなじから立ち上る露草のようにきらきらと光るにこげを江戸時代の粋人はそう形容したのだろう。
さて、この日の南越谷阿波踊りでも、ポラスの華ともいうべき美しい女性をカメラに収めることができた。この4月まで同社の広報を務めていた神田妙子さんだ。神田さんは同社の戸建てリビング天井高2.7mにふさわしく、身長が1.7mくらいある長身で、あの深編笠をかぶるとひときわ目立つ。
もう一人、思いがけず演舞場の舗道でばったり出くわした人がいる。同社の中内晃次郎代表だ。満面に笑みをたたえていた。舞台踊りを観に行ってもどうせ眠るだけだと街に出たのが正解だった。
二次会では、業界紙の方から「百年の孤独」の差し入れがあった。感謝申し上げるのだが、どんな味だったかさっぱり思い出せない。帰るはずだった新宿ではなく、恵比寿でラーメンを食べたのを思い出した。
ポラスの連