客室数 全国最大の2,311室「アパホテル&リゾート」開業 元谷代表 高稼働に自信
「アパホテル&リゾート<横浜ベイタワー>」
全国最大の542ホテル約9万室を展開するアパホテルは9月30日、ホテル単体の客室数としては日本最大の2,311室を誇る「アパホテル&リゾート<横浜ベイタワー>」を開業した。開業式典と開業フェスティバルを合わせて2,016名が参加した。
同日、記者発表会に臨んだアパグループ代表・元谷外志雄氏は、「今日は読売新聞全ページ、昨日は産経新聞見開きの広告を出した。今日は天気も非常によく日本晴れ。『JAPAN』の中心は『アパ(APA)』です。前から読んでも後ろから読んでも『アパ(APA)』。2002年に本社機能を東京に移し、2010年から『頂上作戦』を展開し、(このホテル用地を)高値買いしたが、最高級の4,600人が泊まれるホテルが完成した。常識的には〝儲からない〟かもしれないが、2007室ある『幕張』は90%の稼働率。横浜エリアで駅から3分の立地ならビジネスにも内外の観光客とさらにプール、大浴場などを備えたリゾート感覚を味わえるホテルにした。早期の高稼働が期待できる。1日売りではなくタイムセールを導入しており、2回転、3回転できるようにした結果、東京の稼働率は100%を超えている。リーズナブルな価格設定と、環境にやさしい設備仕様にし、無駄を省けばまだまだ伸ばせる。2020年には10万室を目指すが、その3倍でも選んでいただけるホテルにできる。わが国のホテルは当社のような新都市型ホテルに収斂していく」と、約30分にわたって熱弁をふるった。
アパホテル社長・元谷芙美子氏は「言葉は慎まなければなりませんが、〝アパじゃない〟と思えるほど立派なホテルが完成して感動しました。ホスピタリティ溢れる運営を行い、高稼働できるよう頑張ります。日本一のホテル社長を目指します」と話した。
主な参加者は三井住友銀行副会長・成田学氏、コートジボワール共和国大使館特命全権大使 ジェローム・クロー・ウェヤ閣下、ジャマイカ大使館特命全権大使クレメント・フィリップ・リカード・アリコック閣下、東京国際大学理事長 総長・倉田信靖氏、外交評論家・加瀬英明氏のほか、国会議員の原田義昭氏(前環境大臣)、馳浩氏(元文部科学大臣)、櫻田義孝氏(前国務大臣)、鷲尾英一郎氏、片山さつき氏(前内閣府特命担当大臣)、和田政宗氏(国土交通大臣政務官 兼 内閣府大臣政務官)など。
元谷アパグループ代表(左)と元谷アパホテル社長
同ホテルは、みなとみらい線馬車道駅から徒歩3分、横浜市中区海岸通五丁目に位置する35階建て全2,311室(シングル736室、ダブル630室、スタンダードツイン458室など)。ルームチャージは11㎡シングル・ダブルが1.8万円、14㎡のツインが2.6万円、15㎡のトリプルが4.35万円、120㎡のスイートが30万円など。デザイン監修は新居千秋都市建築設計。設計は久米設計。施工は大林組。
共用施設は、最大約600名収容できる宴会場、約200名が利用できるレストラン、112のロッカーを備えた大浴殿(男性向け)、屋外温水プール、フィットネス、カフェなど。約50㎡の滝を配した1,957㎡のイベント広場も備えている。
客室は、50型以上の液晶テレビを設置。テレビ画面から大浴殿の混雑状況を把握でき、チェックアウト時間の延長手続きもテレビリモコンで操作できるセルフ機能を搭載している。
また、自動チェックイン機にQRコード決済が可能な新機能を搭載、ルームキーを投函するとリアルタイムでチェックアウト処理が行えるようにしている。
壁面緑化を施して低層部
メインエントランス
3層吹き抜けロビー
温水プール
自動チェックイン機
宴会場
宴会場
インペリアルスイート
スーペリアツイン
◇ ◆ ◇
元谷節がさく裂した。いきなり、最近の用地の上昇などに触れ、「先ほど(用地の)入札を行ったが、1.5倍高値で学校法人に負けた。2010年に東京で『頂上作戦』を開始した時の一種単価はせいぜい100万円だったが、いまは400万円以上。建築費も倍に上昇しているが、アパの収益力をもってすれば、競争に勝てる。現在、53のホテル、19,000室を計画・建築中だが、全ての費用を賄って利益は362億円確保できている。韓国の訪日客が48%減少したが、当社は中国も含めて韓国のお客さんの比率は高くない。欧米が増えている。ドミナント戦略に沿って福岡ではFCも含めて8つのホテルを建設するし、六本木では6つで1,000室を超えるホテルをつくる」などと話した。
客室を見て回ったが、驚いたのは「バリアフリーツイン」と謳ったトイレ・浴室の段差がない19㎡の客室のほかはほとんどすべてのいわゆる洗面・トイレ・浴槽の3点セットの出入り口は約20cmの段差があったことだ。欧米ではこれがスタンダードなのか。
テープカット
テープカット(もっとも国民によく知られている国会議員の片山さつき氏や櫻田義孝氏の姿も)
祝賀会
全国的に地価回復傾向強まる 令和元年 都道府県地価調査コメント(順不同)
令和元年 都道府県地価調査コメント(順不同)
さまざまな社会課題を解決し、経済の成長に貢献する
不動産協会理事長・菰田正信氏
今回発表された都道府県地価調査では、全国平均、三大都市圏ともに上昇が継続し、地方圏では下落幅の縮小傾向が続くとともに商業地では28年ぶりに上昇に転じた。我が国経済が緩やかな回復を続け、地方においても経済の好循環の前向きな動きが生まれ始めていることが地価に反映されたものと評価している。
一方、世界情勢の不確実性が増し、先行きは不透明な状態にある中で、こうした経済の好循環を更に持続、拡大させ、力強い経済成長を実現するには、東京オリンピック・パラリンピック後の対応も見据え、都市・地方ともに更なる活性化を図ることが重要である。
とりわけ、土地・不動産ストックの有効活用を図り、企業立地・産業立地の転換を円滑にし、成長産業によるイノベーションや企業の生産性の飛躍的向上を実現するためには、国内設備投資を安定的に促進し成長力を強化する施策が不可欠だ。
当協会としても、引き続き、時代を先取りした魅力的なまちづくりの推進と豊かな住生活の実現を通じて、さまざまな社会課題を解決し、経済の成長に貢献して参りたい。
地方中核都市でも再開発・コンパクトタウン推進
野村不動産 代表取締役社長・宮嶋誠一氏
今回の地価調査では、全国的に地価回復の広がりが見られ、全用途平均は2年連続で上昇、全体として上昇基調を強めている。地方圏では商業地が28年ぶりに上昇に転じており、とくに地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)における住宅地および商業地の上昇幅は、三大都市圏平均を大きく上回っている。雇用・所得環境の改善や低金利環境の継続を背景に、交通利便性等に優れた地域を中心に住宅需要が堅調であることや、安定した企業業績、インバウンド需要の増加、再開発事業の進展により不動産投資ニーズが高く、オフィスやホテル、商業施設等への投資意欲が旺盛であることが要因と考えられる。
住宅市場に関しては、職住近接や生活利便性を求める共働き世帯やアクティブシニア層を中心に、需要は堅調であり、東京圏を中心に新築分譲マンションの販売価格は引き続き高い水準にある。とくに都心立地や駅前再開発等の新築分譲マンションの評価は高く、この傾向は大阪圏や名古屋圏をはじめ、地方圏への波及も見られる。当社は、三大都市圏に加え、高崎市や岡山市などの地方中核都市においても、再開発事業や多様な機能を集積させた都市型コンパクトタウンの開発に積極的に取り組んでおり、街づくりを通じて豊かなライフスタイルを提供し社会に貢献していく。
オフィスビル市場に関しては、働き方改革や採用強化に対応したオフィス環境の改善ニーズに支えられ、主要都市での需要は引き続き堅調、空室率は過去最低水準であり、賃料の上昇が進んでいる。商業施設・ホテル市場に関しては、外国人観光客をはじめとする国内外からの来訪者増が続いており、主要都市を中心に進出意欲は旺盛である。物流施設市場に関しても、eコマース事業者を中心に先進的な大型物流施設への需要は引き続き堅調に推移するものと想定される。当社は、オフィスビル、商業施設、物流施設、ホテル等においても、マーケットインの発想に基づく開発力を活かし、社会や顧客ニーズの変化を的確に捉えた独創性の高い商品・サービスを生み出しながら、積極的な展開を続ける。
地価調査のトレンドは、不動産取引動向を反映したものとなっており、今後も不動産市場の中長期の指標として注視していく。
ホームグラウンド渋谷で「100年に一度」の開発に注力
東急不動産代表取締役社長 大隈郁仁氏
今回の基準地価では、全国の全用途平均は2年連続で上昇が続くなど地価の回復傾向が全国的に広がっていることが 明らかになった。東京など三大都市圏で住宅地・商業地ともに上昇が継続していることに加え、地方圏でも商業地が上昇に 転じるなど地価上昇の流れが広がっている。これは景気の回復や外国人観光客の増加、雇用・所得環境の改善、低金利 の継続などを背景に地価の上昇基調が全国に波及しているものと捉えている。
住宅地については住宅ローン減税等の政策的支援などもあり、都心立地の物件や駅に近いなど交通利便性の高い地域、住環境の良い地域を中心に地価が上昇している。当社では首都圏の湾岸部で高層分譲マンション「ブランズタワー豊洲」の開発を進めているほか、住まいを起点としたライフスタイル提案型のまちづくり「ライフストーリータウン」として神奈川県内の十日市場や大船でプロジェクトなどを進めている。また、子育て世代への支援サービスを付けた「ブランズシティ調布」、クリニックや当社グループのスポーツプログラムをセットにした「ブランズシティあざみ野」など付加価値を付けた物件開発をしている。関西でも利便性の高い大阪メトロ御堂筋線『中津』駅直結の高層タワーマンション「ブランズタワー梅田 North」を開発し、高級住宅地の兵庫県・芦屋では「ブランズ芦屋 ザ・レジデンス」を展開している。地方圏でも札幌中心部で「ブランズ円山外苑前」の販売を進めている。
商業地では雇用・所得情勢の改善が続く中で、「働き方改革」に合わせたオフィス環境の改善、採用増によるオフィスの拡張を目的とした移転増加などにより都心部を中心にオフィス需要は好調で、新規オフィスビルの竣工が相次ぐなかでも依 然空室率は低い状況が続いている。特に渋谷ではオフィス需要が供給量を大きく上回る状況が続いており、移転などでオフィスに空室が出てもすぐ引き合いがある状況が続いている。また、外国人観光客の増加などで三大都市圏のほか、地方部でも中心都市、観光都市を中心に商業施設、ホテルの需要も高止まりしている。当社グループでは渋谷駅を中心とする「広域渋谷圏」の開発に注力しており、8月には「渋谷ソラスタ」に東急不動産ホールディングスの本社を移転した。ホームグラウンドの渋谷で「100年に一度」となる大型開発を進めており、今後も物件開発を加速する方針だ。2023年度の竣工を目指した「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」も順調に進行している。スタートップとの共創を加速するための施設「GUILD(ギルド)」の開設も進めている。商業施設では12月に渋谷駅前に成熟した大人をターゲットにした商業施設「東急プラザ渋谷」が開業予定だ。広域渋谷圏以外では浜松町・竹芝エリアでも約20万㎡の大型開発を進めており、そのオフィス部分にはソフトバンクグループ本社の入居も決まり、IoTを活用した最新オフィスとなる予定だ。
地方圏は地方4市(札幌、仙台、広島、福岡)での地価上昇が加速するなど地価の上昇基調が広がっている。なかでも国 内外の観光客が増加したり、交通利便性が向上したり、再開発が進んだりしているエリアでは上昇傾向が目立つ。当社グループもインバウンドの動向をにらみ、グループ会社の東急ステイが中長期滞在型ホテル「東急ステイ」の展開エリアをこれまでの東京都心から札幌、京都、博多など首都圏以外にも広げている。また、リゾート地では北海道・ニセコエリアでスキー場やホテル、別荘の売買事業などをグループ企業とともに展開している。
今後の不動産市場については、国際情勢の変化や10月の消費税増税などの不確定要因はあるものの、企業収益や雇用情勢の改善、設備投資への資金流入、資金調達の良好な環境などが続くことが想定され、2020年の東京オリンピック・ パラリンピック以降も継続して堅調な状態が続くとみている。少子高齢化による単身世帯の増加や空き家問題、「働き方改革」によるオフィス環境の変化等で市場環境の変化が続くなか、ハードだけでなく当社グループの持つ幅広い事業領域という利点を生かしたソフトサービスという付加価値付けをして事業展開を進めていく必要があると考えている。
ビル、マンション事業好調 新規ホテルも続々開業予定
三菱地所執行役社長・吉田淳一氏
令和元年(2019年)の都道府県地価調査は、全国全用途平均が2年連続で上昇したほか、地方圏の商業地が28年ぶりの上昇に転じた。良好な資金調達環境のもと、景気回復や雇用・所得環境の改善が続いており、堅調な住宅需要やオフィス市場の活況はもとより、外国人観光客の増加などを背景に需要が拡大、全国的な地価回復および上昇を実感している。
当社ビル事業においては、魅力ある職場環境の提供による優秀な人材の確保や働き方改革への対応、立地改善といったオフィス環境の改善を目的とした需要が継続している。JR 新宿駅とデッキで直結し、この8月に竣工した「リンクスクエア新宿」は早期に満室となったほか、8000坪超の大型退去があった「日比谷国際ビル」は、専有部の天井高アップ等のリニューアルに加え、ワークスタイルの変化に対応してテナント専用のビジネスサポートラウンジを新設、リラックスしながら働くサードプレイスを提案し、早期埋め戻しと賃料の上昇に成功した。
住宅事業においても共働き世帯やシニア世帯を中心にマンション取得ニーズは底堅く、特に駅近物件や、住環境や交通・生活利便性が優れたエリアに立地する物件の人気が強い。JR恵比寿駅徒歩4分の「ザ・パークハウス恵比寿」(総戸数102戸)や、東京メトロ市ヶ谷駅徒歩4分の「ザ・パークハウス市ヶ谷」(101戸)などは特に好調に推移している。
外国人観光客をはじめ来街者の増加は、商業施設やホテルといった事業展開を加速させている。全国各地で展開する「プレミアム・アウトレット」の「御殿場」は、第4期増床に着手しており、2020年春に増床オープンする。それに先駆け、増床エリア内では小田急グループがホテルや日帰り温泉施設を年内にも開業、滞在型施設としての新たな魅力を付加する。また、当社グループのホテルも20年春~22年秋にかけて、「大阪御堂筋」(352室)、「京都梅小路」(約250室)、「京都二条」(約180室)、「神戸三宮」(約170室)、「京都烏丸御池」(約200室)、「銀座6丁目」(約160室)を続々と開業していく予定。
そのほか、EC市場の拡大やロボティクスの進展といった物流業界の構造的変化により、物流施設需要が引き続き伸長していることから、当社でも首都圏で新たに「海老名」、「蓮田」、「春日部」、「船橋」、「座間」の5物件を開発していく。
韓国からの訪日客が激減 8月は前年同月比48%減の31万人 全体も11カ月振り減少
韓国からの訪日客激減-国際観光振興機構が9月18日まとめた2019年8月の訪日外客数は前年同月比2.2%減の252万人となり、台風第21号や北海道胆振東部地震の影響を受けた昨年9月以来、11か月ぶりに前年同月を下回った。
前月に続き訪日外客数が単月で100万人を超えた中国市場や、全市場で訪日外客数が前年同月を上回った欧米豪市場では、前年同月比で2けたの伸びを記録したが、韓国からの訪日外客数は日韓関係の悪化の反映か、前年同月比7.6%減の約56万人だった7月よりさらに少ない前年同月比48.0%減の308,700人と激減した。
8月の日本から韓国への入国者数はまだ発表されていない。
◇ ◆ ◇
心配はしていたがまさか半減するとは。どうしてこんな現象が起きるのかまったく理解できない。国民性の違いか国家のプロパガンダが奏功しているのか、近親憎悪極まれりの観を呈している。
テレビは連日連夜、反日、反韓を煽るどうでもいいような番組を垂れ流している。安倍さん嫌いの焼き肉好きの、テロップ付きの韓流ドラマを毎日観ているわがかみさんも、いざ日韓関係になると目を三角にして怒る。あ然とするほかない。
岡倉天心は「亜細亜は一つ」(海外侵略に利用されたが)と言ったではないか。日本、中国、韓国が手を結び、他のアジア諸国と連合すれば世界を制覇できるのに…。(力で牛耳るという意味ではなく、世界を平和にするという意味)
韓国からの訪日客7.6%減少 日本から韓国への出国者は前年同月比19%増 今年7月(2019/8/23)
三井不 銀座エリア4施設目のホテル「銀座五丁目」開業 近接に約2000室ホテル林立
「三井 ガーデンホテル銀座五丁目」( 右側の既存ビルは鹿島がホテルを建設する)
三井不動産と三井不動産ホテルマネジメントは9月26日、銀座エリアで4施設目となる「三井 ガーデンホテル銀座五丁目」を開業する。開業に先立つ17日、プレス内覧会を行った。
同ホテルは、東京メトロ銀座駅から徒歩4分(東銀座駅から徒歩1分)に位置する15階建て338室。客室面積は約17~34㎡(103室あるメインのツインは24㎡)。ルームチャージは約3.2万~6.5万円。
歌舞伎座や新橋演舞場に近接していることから、館内一部のアートは松竹の監修の下、日本の伝統芸能である「歌舞伎」をモチーフに、最先端の「粋な空間」を表現している。同社グループが運営する銀座エリアの施設では初めて大浴場を設置したのも特徴の一つ。
今回のホテル開業により、同社グループのホテルは全国で29施設目で、銀座エリアでは4施設目となり、4施設で客室数は1,000室を超える。
フロント
ラウンジ(檜舞台)
◇ ◆ ◇
同社のホテルは先月に「三井ガーデンホテル京都駅前」を取材し、体験宿泊もしたばかりだ。
その記事も参照していただきたいのだが、もっとも目を引いたのは1階のフロント・ラウンジ空間だ。「京都駅前」では組子デザインが最高に素晴らしかったが、今回は「朱」をテーマにしたフロント正面のきものデザイナー・斉藤上太郎氏が制作したアートが存在感を示している。
業務用「花王レアーナ」シャンプーも浴室にあった。これも褒めたいのだが、使用した者でないと分からないだろう。
2階エレベーターホール
レストラン
メディア向けに試食会が行われたSHARI和食膳(イメージ)
◇ ◆ ◇
今回のホテルの斜向かいには、サンケイビルが開発を担当する日本初進出のマリオット・インターナショナルの〝ALOFT(アロフト)〟ブランドのセレクトサービスホテル「ALOFT TOKYO GINZA(アロフト東京銀座)」(客室数206室)が2020年春に開業する。
その近接地では、東武鉄道が所有する土地に、これまたマリオット・インターナショナルが運営するアジア初のライフスタイルホテル「ACホテル・バイ・マリオット東京銀座」(客室数296室)が2020年夏に開業する。「ACホテル」の隣接は既存の「コートヤード・マリオット銀座東武ホテル」(客室数206室)がある。
さらにその先の銀座8丁目には「三井ガーデンホテル銀座プレミア」(客室数361室)があり、また、手前には東銀座駅すぐの「ミレニアム 三井ガーデンホテル東京」(客室数329室)もある。
今回のホテルと合わせ1,736室にも上る。これだけかと思ったら、今回のホテルの隣接地では鹿島建設が15階建て延べ床面積約8,170㎡のホテルを計画している。同社は「どこが運営するかも含め現段階では公表できないが、客室数は100室を超える。近接ホテルに負けないものを目指す」としている。
それぞれのホテルは徒歩5分圏内だ。単体ではわが国最大の2.311室の「アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉」があるが、それに匹敵する規模となる。コンセプトは異なるのだろうが、他人事ながら心配になってくる。大丈夫か。
いっそのこと、ホテルが面する「日比谷通り」を「ホテル銀座通り」に変更したらどうか。
朱色の歌舞伎「連獅子」デザインの客室(トリプル)
大浴場(パジャマで出入り可能)
オリンピック選手村裁判 安値売却は都と事業者の筋書き通り 原告側が意見陳述
オリンピック選手村裁判 原告側桝本鑑定士の意見書は証拠価値なし 被告側が意見陳述(2019/9/16)
和解、ノーサイドの道はないのか オリンピック選手村裁判 第7回口頭弁論(2019/9/13)
「官民癒着」と原告 「誹謗中傷」と被告応酬 第6回 選手村住民訴訟 口頭弁論(2019/5/18)
9月13日行われた、いわゆるオリンピック選手村裁判で、東京都を訴えている原告側代理人弁護士・千葉恵子氏は次のような意見陳述を行った。
◇ ◆ ◇
1 原告らは、本日、準備書面6、準備書面7、準備書面8、調査委託申立に関する被告意見書に対する反論書を提出しました。
2 準備書面6では本件土地価格に関する主張を行いました。
土地価格については、既に桝本鑑定士による鑑定評価(甲68)、意見書(甲77)を提出していますが、今回、修正意見書(甲92)を提出しました。これは、被告から日本不動産研究所作成の調査報告書が改めて提出され、以前黒塗りだった部分が一部明らかになったり、その後公表された資料などで明らかになった事実を踏まえて作成されたものです。この修正意見書に基づいき、いわゆる「選手村要因」を考慮した本件土地の評価に関する主張を行いました。
修正意見書は、オリンピック要因を考慮し、調査報告書が用いた数値のうち、明らかになっていない数値や明らかになっていても適正とはいえない数値については桝本鑑定士による分析に基づく数値が用いられています。修正意見書は、調査報告書の内容の不備として土地譲渡価格の90%が後払いであることが考慮されていないこと、建築工事費が不相当に高く計算されていること等を指摘しています。修正意見書によれば、「選手村要因」を考慮しても、本件土地価格は1653億2100万円に上ります。
被告が決定した本件土地処分価格は129億6000万円であり、上記金額の8%にも満たず、坪単価で比較すれば東京都西多摩郡檜原村の住宅地や商業地域と同程度の価格です。この事だけでも異常な安値であることは明らかです。さらに、修正意見書では、桝本鑑定士により、その知識と良心に従ってオリンピック要因をも考慮した適正価格が導かれているのであり、適正価格に比して処分価格は異常な安値であることは明らかです。
被告は、これほどの財産価値を有する不動産を、わずか129億6000万円と鑑定による価格の92%も減額して処分する、すなわち東京都民の財産を約1480億円も失わせるのですから、かかる減額の根拠を明確に示すべきです。
にもかかわらず、被告東京都は、価格算定の唯一の根拠である調査報告書に基づく具体的な主張はほとんどせず、調査会社の権威を根拠に適正な調査である旨の主張を行うのみです。このような態度は到底許されるものではありません。
3 準備書面7では原告らは、どのようにして処分価格がそのような異常な安値になったのか、その処分価格とする方策の検討がどのように行われたかについて、2013年9月にパシフィックコンサルタンツ株式会社が作成した「選手村開発方針検討支援業務報告書」(甲93)(以下「支援業務報告書」と言います)がその筋書きを作り、それに基づいて進められたと評価できると主張しました。
(中略)
本件土地価格の不当な低廉さは、このように被告東京都と事業協力者の(支援業務報告書に記載されている)上記シナリオに基づく綿密な事前協議のもとに実現しており、行為の違法性は明白です。
支援業務報告書も多くの部分が黒塗りのため明らかでない部分があります。原告らは黒塗りにした部分が時の経過とともに明らかにならないか、と期待し、東京都に対して開示を求めました。開示決定の時期が延期されて、その結果を待っているところです。(開示された模様)
4 原告らは、被告と事業協力者との協議記録に関して、被告に対して情報開示請求の方法をとりましたが、「既に全て廃棄して開示できない」という理由で開示されていませんでした。地方自治体は、本件のような公共的な事業に関しては、事業協力者との協議記録は公文書として保管して、住民に全て開示すべきです。それが開示されなかったために、やむなく調査嘱託の申立を行いました。調査嘱託の採用を求めます。
そして、被告には再度、電子データで保管されていないか、など探索をし、保管されている場合には明らかにするように求めます。
オリンピック選手村裁判 原告側桝本鑑定士の意見書は証拠価値なし 被告側が意見陳述
和解、ノーサイドの道はないのか オリンピック選手村裁判 第7回口頭弁論(2019/9/13)
オリンピック選手村裁判 安値売却は都と事業者の筋書き通り 原告側が意見陳述(2019/9/16)
「官民癒着」と原告 「誹謗中傷」と被告応酬 第6回 選手村住民訴訟 口頭弁論(2019/5/18)
9月13日行われた、いわゆるオリンピック選手村裁判で、被告(小池百合子都知事)側代理人弁護士・薮田広平氏は次のように述べた。
◇ ◆ ◇
原告らの主張及び提出した書証に多くの問題があることは、既にこれまでにも述べたところですが、今回甲92号として提出された桝本鑑定士の修正意見書にも、明確な問題・矛盾が含まれています。
第一に、甲92号証の修正意見は、価格時点を「平成28年5月25日」とした上で、本件土地の価格の算出を行っていますが、不動産鑑定士が遵守すべき国土交通省の定める不動産鑑定評価基準運営上の留意事項(乙28号証)によれば、算出に当たって参照すべき基礎資料も価格時点である「平成28年5月25日」に近い時点において入手可能であったものでなければなりません。しかしながら、桝本鑑定士は、甲92号証の修正意見書において「令和1年7月22日時点の晴海フラッグの販売価格表」に記載された販売価格に言及する等、価格時点近辺においておよそ入手し得なかった資料を価格算定の基礎資料として使用しているため、まさに論理が破綻している上に不動産鑑定評価基準違反による算定を行ったものと言わざるを得ません。これは、桝本鑑定士の意見、そしてひいてはこれに依拠する原告らの主張かぜ根拠のないものであることを如実に顕すものです。
第二に、原告らが甲68号証として提出した桝本鑑定士の作成にかかる不動産鑑定評価書においては、最有効使用を前提とした正常価格として、本件土地の価格を1611億1800万円と算出している一方で、甲92号証の修正意見書では、本件土地の価格を1653億2100万円と算出しています。すなわち、桝本鑑定士の価格算出結果によれば、最有効使用を前提とした正常価格よりも選手村要因に基づく様々な負担を考慮した価格の方が高く算出されているという結果となっており、これも論理的な整合性を欠いたものであり、算定のいい加減さを顕すものと言わざるを得ません。
第三に、甲92号証の修正意見書においては、実際には本件土地上に建築が予定されている建物には大規模(合計100台以上分)もの地下駐車場が設けられることになっているにもかかわらず、この点が価格算出の基礎とされていません。地下駐車場の設置は、土地の掘削等のために多くの工事費の発生を伴うものであり、共用部分とは言え、居住部分を繋ぐ共用廊下の施工に要する工事費と同列に扱うことは出来ません。(後略)
第四に、仮に、原告らが適正価格であると主張する価格で東京都が特定建築者に本件土地を売却することを想定した場合には、特定建築者がその取得に要する費用がおよそ1500億円増額となるため、現在「晴海フラッグ」として販売が開始されている分譲マンションの土地代込みの開発費用は、その分増加することになります。現在の「晴海フラッグ」の分譲価格でさえ「高い」という専門家の意見があるのは周知の事実ですが、これが更に大幅に高額化し、本件開発事業が事業として非現実的なものになってしまうことからも、原告らの主張のいい加減さを顕すものと言わざるを得ません。
「晴海フラッグ」は、いわゆるオリンピックレガシーの一部として後世に残すべきものであり、これは東京都が立候補ファイルにおいて公約している事項です。そして、このような趣旨に鑑みれば、適正な価格の範囲でできる限り多くの人に購入の機会が確保されるのが望ましいものです。仮に、原告らが適正価格であると主張する価格で特定建築者に売却した場合には、この趣旨の反するものと言わざるを得ない点も、被告弁護団として付け加えさせていただきます。
第五に、原告らは、「土地譲渡価格の90%が後払いであることが考慮されていないこと」に言及した上で、日本不動産研究所の調査報告書の内容を批判してもいますが、そもそも、不動産鑑定士が遵守すべき国土交通省が定めた「不動産鑑定評価基準運用上の留意事項(乙28号証)に拠れば、「マンション等の販売総額」と「建物の建築費及び発注者が直接負担すべき通常の付帯費用」は割り戻し計算の対象となりますが、土地価格はその計算の結果として算出される額であるため、土地の譲渡価格の支払条件を考慮して土地価格自体の割り戻し計算を行うことは許されません(略)。この点についても被告は追って詳細に主張いたしますが、桝本鑑定士の意見及びこれに依拠する原告らの主張はこの点を看過した不当なものと言わざるを得ません。
(中略)
そもそも、公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会鑑定評価基準委員会が定めた「『価格等調査ガイドライン』の取扱いに関する実務指針」によれば、原告らが主張の根拠としている修正意見書は(中略)、「価格等調査ガイドライン」の適用を受けるものとなります。ところが、当該修正意見書には、価格等調査ガイドラインの定めた必須記載事項を未記載としている問題点があります。(中略)桝本鑑定士の意見書は不動産鑑定士が作成した書面としての証拠価値を認めるには足りないものに過ぎません。
加えて、先ほど原告ら代理人はこのような、不動産鑑定士が遵守すべき義務に従うことなく作成された文書のみをもって、本件土地の譲渡価格を「不当に低廉」と強弁し、これを実行するため東京都と事業協力者が綿密な官製談合協議を行ったなどと、再び関係者に対する重大な名誉棄損行為を行いました。しかしこれまで再三に亘り、被告からその官製談合協議が行われたことを示す証拠を提出するよう原告らに対して求めていたにもかかわらず、結局今回、原告らが提出した証拠は、第三者が作成した文書一つのみであり、相当な証拠に基づかずに原告らがこれまで名誉棄損行為に及んできたことが明白になったといえます。このような極めて恣意的かつ悪意を持った原告らの官製談合などという言いがかりは、第1回期日で被告代理人が原告らに申し上げたところですが、重大な人権侵害であり、根拠づける証拠の提出を原告らが出来ないことも明らかになった以上、即刻取り下げて然るべきものです。
冒頭に述べましたとおり、被告は、次回、ここで意見として述べた点を含め、今回原告らから提出された主張に対して網羅的かつ具体的に反論を行うとともに、その反論の基礎付けとなる書証を提出する予定です。
なお、原告らは、原告らとして出すべき主張及び証拠はすべて今回までに提出するとの前提の下、およそ6か月もの準備期間を経て、今回準備書面及び書証を提出するに至っているものであり、既にすべての主張及び立証を尽くしているものと理解しております。このような状況を踏まえ、裁判所におかれましては、今後提出を予定している被告の反論及び書証の提出が済みましたら、速やかに弁論を終結の上、ご判断を賜り、早期解決にご尽力いただけますよう、切にお願い申し上げます。
ラグビー世界最強NZ オールブラックス応援イベントに7000人超 柏市×三井不
「KASHIWA RUGBY DAY 2019 in KASHIWA-NO-HA」オールブラックス選手入場
ラグビーワールドカップ2019日本大会開幕まであと6日に迫った9月14日、世界最強のニュージーランド代表オールブラックスのオフィシャルスポンサーである三井不動産は千葉県柏市と共催し、オールブラックス応援イベントを柏市内で行った。
会場となった千葉県立柏の葉公園総合競技場には7,000人を超える観客が集まり、子どもたちを中心とする市民がマオリ語のニュージーランド国歌を合唱してオールブラックス選手を迎え、選手と一緒にハカを披露し、ゲーム、サイン会、撮影会などを楽しんだ。
市民の歓迎に対し、オールブラックスを代表してブラッド・ウェバー選手は、「こんにちは、よろしくお願いします。素晴らしかった。こんなに熱い応援は一生忘れられません」と日本語交じりで応えた。
会場ではこのほか、全国クラスの流通経済大学ラグビー部によるラグビー体験コーナー、出店・屋台なども出店され賑わった。
イベントは、オールブラックスチームを誘致し、事前キャンプ(9月10日~14日)を行うことを記念して「KASHIWA RUGBY DAY 2019 in KASHIWA-NO-HA」と銘打って行われたもので、子どもたちの夢を育み、スポーツ振興や国際交流など、地域の活性化などを目的とした活動の一環。
イベントに参加した、駅前のマンションに5年前に入居した40代の子ども連れは「小学1年の娘が通う学校に選手が来てくれた。もちろんニュージーランドを応援する」と語り、40代の男女二人のこどもを持つ市内の40代の夫婦は「5年生の息子がハカを披露し、小学3年の娘が国歌を歌う。わたし(ご主人)のおじいちゃんはラグビーの選手だった」と、子どもがイベントに参加できたことを喜んでいた。
高校ラグビー全国大会でも活躍している流経大柏高校ラグビー部に所属する生徒の母親4人のグループは、「川越から車で1時間半」「わたしはもっと遠く寄居町(埼玉県)」「わたしは新座」「わたしが一番近いかしら。つくば市」などとそれぞれ話した。「よく食べるんでしょう」と聞いたら、「普通の人の5倍かしら。3合は食べる」そうだ。
左からAnton Lienert-Brown、Richie Mo’unga、Patrick Tuipulotu、Ofa Tuungafasi、
Brad Weber各選手
◇ ◆ ◇
取材を終え、オールブラックスの宿舎であり、選手が飲んだであろう美味しい酒を飲もうと三井ガーデンホテル柏の葉のレストランに入ろうとしたら、明日(15日)までチーム関係者の貸し切りだった。
駅前のオーガニックレストランもすでにランチの時間は終わっており、仕方なく、ららぽーとの回転寿司屋に入った。注文は全てタブレット。スマホすら満足に扱えない記者は面食らった。ロボット相手に酒を飲み、寿司を食べる時代になったか。
それにしても三井不動産はさすが。世界最強のニュージーランドを応援するとは。「柏の葉」は「多摩センター」に追いつき、瞬く間に抜き去った。回転寿司屋のトロはものすごいスピードで目の前を通り過ぎた。
流通経済大学ラグビー部によるラグビー体験コーナー
ニュージーランド国歌合唱
ニュージーランド国歌合唱
ハカの披露
選手と生徒の記念撮影
サイン会(左)と撮影会
和解、ノーサイドの道はないのか オリンピック選手村裁判 第7回口頭弁論
東京都が晴海オリンピック選手村用地を民間事業者に約130億円で売却したのは「適正価格」約1,653億円(従来主張は約1,611億円)からして異常であり、妥当額との差額1,480億円(同約1,200億円)を支払うよう不動産会社11社に請求せよと原告の住民らが被告・小池百合子都知事を訴えた住民訴訟の第7回口頭弁論が9月13日、東京地裁で行われた。
原告側は、新たに判明した事実・数値などを論拠に、提出済みの桝本鑑定士による適正売却評価額を従来主張の約1,611億円から1,653億円と〝上方修正〟し、都が民間業者に売却した約130億円との差額も従来価格から約280億円上乗せした約1,480億円を民間業者に請求することを求めた。〝異常〟な安値で売却したのは、官民が「シナリオに基づく、綿密な事前協議のもとに実現しており、行為の違法性は明らか」と主張した。
これに対し、被告側弁護人は、桝本鑑定士による鑑定評価は鑑定士が遵守すべき鑑定手法に基づいて行ったものではなく不当であるとし、不当な鑑定手法に基づき、具体的証拠を示さず「官製談合」などと主張するのは「重大な名誉棄損」であり、「極めて恣意的かつ悪意を持った」言いがかりと反論。次回は、「網羅的かつ具体的に反論を行う」とし、次回をもって「速やかに弁論を終結のうえ、早期解決にご尽力いただきたい」と裁判長に訴えた。
次回は来年1月17日(金)15:00から、419号法廷で。
◇ ◆ ◇
この裁判を傍聴するのは3回目だ。前2回と異なり、今回は最前列のやや被告側席に座り、裁判長、原告側弁護士、被告側弁護士のそれぞれの一挙手一投足を野球のスコアを付けるのと同じように克明にメモした。
女性裁判長は年代にして40代か。肩までありそうな黒髪を後ろで束ね、イヤリングは点けず、化粧などもほとんどしていないように見えた(記者は近眼&老眼)。女性らしいと言えば、黒の法衣と白いうなじから覗く小さなやや赤みがかったスカーフ(あるいはボウタイと呼ぶのか)だけだった。
原告、被告の口頭弁論が行われた約20分間、ほとんど身じろぎせず、デスクトップ(何が置かれているのか不明)を凝視し続けた。発した言葉は、双方の手続き上に関することのみで、場を和ませるジョークや私語は一つもなし。
被告側弁護士は総勢8名。うち7名は職業病と思われる老眼ではない近眼メガネ。最後尾に座った30代と思われる3名はややくたびれた、しわだらけのボタンダウンのシャツ姿だったほかは、責任者と思われる弁護士をはじめダークスーツにネクタイ。
責任者と思われる弁護士は、原告側の主張を聞きながら、余裕なのか苛立ちなのか腕を組んだり、額に手を当てたり、祈りのポーズを取ったり、指をかんだりしていた。
原告側席は前回と同じように20名以上はいた。その多くは記者と同年配か。普段着の人も多かった。責任者と思われる淵脇弁護士は黄色のシャツに黒のスーツ。もう一人の弁護士はシマウマ模様のスーツ姿。
◇ ◆ ◇
どうでもいいことを書いたが、少しはこの種の民事訴訟の法廷の雰囲気を伝えられたはずだ。記者が好きなジョン・グリシャムの法廷小説のような激しいやり取りは皆無で、観客(傍聴人)を沸かすシーンもなし。時間も30分足らず。拍子抜けをするのは間違いない。
双方の意見陳述書が配布されたので、機会を改め、できれば全文を紹介しようと思うが、以下は大まじめの記者の感想。
双方の主張はよく分かる。このままどこまで行っても平行線だろう。決着、黒白をつける意味はあるのか。もうノーサイド、引き分けにしてはどうか-これが率直な意見だ。
白黒をつけた場合、記者がもっとも危惧するのは不動産鑑定士の立場だ。これまでも機会あるごとに書いてきたが、不動産鑑定士の試験はものすごく難しいのに、難関を突破してもそれなりの地位・所得が保証されない。法律に違反すれば罰せられる。仕事上で得た情報は守秘義務の壁が立ちはだかる。意味不明のクライアント・プレッシャーも感じているようだ。
今回の裁判でどちらかが勝訴(敗訴)しても、不動産鑑定は何なのかが問われる。何しろ鑑定評価額は1:10だ。決着をつけるより、不動産鑑定はそんなものとグレー、アンタッチャブルゾーンにしたままでいいのではないか。(被告側は桝本鑑定士を徹底して批判したが、これは公平ではない。汚点となるか名誉となるか知らないが、ならは被告側の鑑定士も名を名乗れ)
もう一つ。もう論議は尽くされた。これ以上やっても時間とカネと労力を浪費するだけだ。「官製談合」だの「名誉棄損」だの「人権侵害」だのと、たいした根拠もありそうもないのに、大口を叩く弁護士にはうんざり。
裁判長、ここは是非とも和解勧告をしていただきたい。〝わたしがルールブック〟-従わなければ法廷侮辱罪で退場させればいい。(わが国にはそんな罪はないのか)
「HARUMI FLAG」 土地と建物の価格比率は調整区域並みの7:93 算定は妥当(2019/8/30)
「官民癒着」と原告 「誹謗中傷」と被告応酬 第6回 選手村住民訴訟 口頭弁論(2019/5/28)
オリンピック選手村住民訴訟も佳境に 原告、被告双方 相手を「著しく」非難(2019/2/20)
旭化成ホームズ わが国で23社目「RE100」加盟2038年度100%再エネ調達目指す
川畑社長
旭化成ホームズは9月10日、The Climate Groupが運営する国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟し、「へーベル電気」による買取電力で2038年度までに事業活動電力の100%再エネ調達を目指すと発表した。
同社は、これまで戸建住宅「ヘーベルハウス」や賃貸住宅「ヘーベルメゾン」への太陽光発電や蓄電池の設置を積極的に推進しており、これまでに搭載した太陽光発電設備の総量は約360MW以上、年間発電量は約360GWhに達している。一方、同社が2018年度に事業活動で消費した電力は約33GWh。
今後は、昨年サービスを開始した電力供給サービス「ヘーベル電気」によって、今年11月から発生が予想される固定価格買取期間を終えた「卒FIT」の余剰電力を買取り、同社の事務所や工場、展示場の電力として活用する予定。
会見に臨んだ同社・川畑文俊社長は、「卒FITのお客さまの2割と契約できれば、2038年度の100%最エネ調達は可能。SDGsにもつなげたい」と語った。
買取価格は全国一律10円/kwh。12円/kwhの蓄電池を設置するオーナー向けの応援プレミア価格も用意する。現在、「へーベル電気」の加入は約1万件で、今年度は新たに400件の加入が目標。
「RE100」は「Renewable Energy 100%」の頭文字。The Climate Groupが運営する国際的イニシアチブで、事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げている。
現在、加盟企業はウォルマート(米国)、ゴールドマン・サックス(米国)、BMWグループ(ドイツ)、GM(米国)、スターバックス(米国)、マクロソフト(米国)、アップル(米国)、グーグル(米国)、フェイスブック(米国)など世界で190社を超え、日本ではソニー、リコー、富士通、イオンなど22社が加盟しており、同社が23社目。ハウスメーカー・デベロッパーでは大和ハウス工業、積水ハウスに次いで3社目。
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会見に臨んだ川畑社長はじめ同社関係者の多くがSDGsバッジを胸に付けていた。まだつけ始めたばかりで100個くらいとか。社章がほとんど目立たなくなっていいのかという疑問は残るが、他社に負けないよう頑張ってほしい。
「環境はCSRでなくビジネスだ」 積水ハウスの〝環境大臣〟 石田建一常務 熱く語る
石田氏
積水ハウスの〝環境大臣〟常務執行役員 環境推進担当・石田建一氏が9月6日行われた同社の経営計画説明会で「環境セミナー」と題して同社の環境戦略について熱っぽく語った。
冒頭、「当社は何を売っているか」「家を売っているのではない。夢を売っている」「人の心を豊かにするというミッションを掲げるスタバと一緒、幸せ人生を提供し、住宅を健康・快適・安全・安心の世界で一番幸せな場所にするのが我々のミッション」-などと「夢」「豊かな心」「幸せ」などのフレーズを惜しげもなく口にした。
次いで、自らの名前「建一」は大工だった父親が「日本一の大工」になることを願い名付けたこと、「勉強などするな」と言われながら大学院にまで進むと、父親から「家を出ていけ」と言われたことなどと生い立ちに触れ、日本一の大工にはなれなかったが、自社の環境の取り組みは「誰一人取り残さない」SDGsの理念に合致するもので、同社のZEH住宅の実績棟数は世界一であることを誇らしげに語った。
そのあとは石田氏の独演会。圧倒的な実績を誇るZEH住宅は、CO2削減のために頑張らなくとも自由に暮らせる心地よい住宅であることを強調。脱炭素は世界の潮流であり、マーケットはいやおうなくZEHに向かうとし、同社の産業界に先駆けたRE100宣言、TCFD賛同や生物多様性保全の「5本の樹」計画などの取り組みは戸建て1棟単価3,875万円(2007年は3,105万円)、ZHH比率は85%(2019年4月~7月実績)、売上高営業利益率8.8%(2007年は6.9%)、顧客満足度42.3%(2007年は32.6~28.6)など業績向上につながっており、確実に成果を上げていると話した。
カーボンプライジング(CP)導入については、CP1万円/t-CO2の場合、同社のCP価格は172億円で、売上比率で約1%と大きな影響を受けないと語った。
また、エネルギー政策については私論としながら、「再生可能エネルギー100%が理想。これから原発の新規稼働は難しいのでは。政府が明確な目標を定めるべき」と踏み込んだ発言をし、「当社の環境の取り組みはCSRではない。ビジネスだ」と締めくくった。
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石田氏を〝環境大臣〟と呼んだのは仲井嘉浩社長だ。ぴったりだと思う。その石田氏をはじめ経営計画説明会、セミナーに参加していた同社関係者の多くがSDGsバッジを胸に着けていた。
広報によると、バッジは3時間の研修などを受けた社員に配布しており、職責以上の約2,600人が付けているという。
石田氏は「バッジそのものに意味はない。付けている本人がSDGsの何に貢献するかだ」と話した。(記者はレベルの高い住宅を供給し、SDGsの取り組みに熱心な企業を応援する記事を書いているので多少は貢献していると思うが、バッジをすすんで付けようとは思わない。これ見よがしの意思表示はしたくないし、バッジは大きすぎる。積水も住林も社章の2倍くらいあるのではないか。タイピン、カフスボタン、イヤリングはどうか)
驚いたことに、同社は環境省「プラスチック・スマート」にも参加しており、事業者などへ強いメッセージを示すため、社内の自動販売機からペットボトル容器入りの飲料をなくし、会議でのペットボトル配布も禁止したという。