平均2.3億円の分譲戸建て5戸 最高5倍で即日完売 野村不動産「成城学園前」
「プラウドシーズン成城コート」
野村不動産は2月3日、平均2.3億円台、最高2.7億円の「プラウドシーズン成城コート」(全6戸)第1期5戸の登録申し込みを1月下旬に受け付けた結果、最高5倍で即日完売したと発表した。
物件は、小田急線成城学園前駅から徒歩8分、世田谷区成城七丁目に位置する全6戸。第1期の敷地面積は150.01~173.04㎡、建物面積は119.33~173.97㎡、構造規模は木造(2×4) 2階建て。入居予定は2022年4月末以降順次。設計・施工は三菱地所ホーム。
建物面積は約120~170㎡超と、平均的な建売戸建ての1.5倍程度の広さを確保、リビング天井高を3mとし、2.7m の大開口サッシ採用。また、仕様・設備としてキッチンにINTENZA・大型食器洗浄機(ミーレ・ジャパン)、浴室にSPAGEを初採用。三菱地所ホームの全館空調「エアロテック」も採用している。
同社はこの物件を皮切りに2億円超の「高額建売戸建」を都内23区中心に順次展開していくとしている。
リビング
浴室
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「成城」アドレスの分譲戸建ては2018年にコスモスイニシア「「グランフォーラム成城学園前」(全4棟)を取材している。今回の現地はおおよその察しがつく。間違いなく「成城学園」の一等地だ。2月7日にはメディア向け見学会もあるので、詳細は取材してから紹介する。
コスモスイニシア 分譲戸建て「成城学園前」2億円前後の4戸完売(2018/5/10)
〝家に帰りたくない〟宿泊体験した社員 ポラス「体感すまいパーク越谷」出足上々
左から「PO HAUS 和美庵」「北辰工務店」
左から「HaS casa」「PO HAUS ARZILL」
ポラスグループは1月7日、今年1月3日にオープンした宅建機能を持つ宿泊体験も可能な「体感すまいパーク越谷」のメディア向け見学会を行った。3~5日の3日間の来場者は144組で、想定の1.4倍とかで上々のスタートを切った模様。年間120棟の受注を目指す。
「体感すまいパーク」は、土地探しや様々な不動産に関する相談にもワンストップで応じる同社グループの単独展示場で、2018年に開設した「船橋」と「柏」、2021年オープンの「東浦和」に次いで4か所目。
開設したのは、東武スカイツリーライン蒲生駅から徒歩19分(車で8分)、越谷市南町2丁目に位置する総敷地面積約2,418㎡。モデルハウスは注文住宅ブランド「PO HAUS 和美庵」「PO HAUS ARZILL」「北辰工務店」「HaS casa」の4棟で、延べ床面積は102~126㎡。ZEH仕様(和美庵)のほかオリジナルの高性能耐力壁「Endure Wall」などの構造材や部材を多用、リアルサイズとしているのが特徴。
見学会に臨んだポラテック木造建築事業部事業部長・橋本裕一氏は、「来場者は昨年オープンした『東浦和』と比べ1.4倍。まだ一般の方の宿泊体験の予約は受け付けていないが、宿泊体験したグループ社員からは『自宅に帰りたくなくなるほど快適』という声が上がっている。4棟とも〝買える住宅〟をコンセプトに省エネ機能を充実させた。展示場機能と宅建機能の相乗効果を期待している」と語った。
別棟の宅建業課の「センターハウス」は営業スタッフ14名、その他6名含め総勢20名。年間受注目標は120棟。
「センターハウス」
橋本氏
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同社の「体感すまいパーク」を取材するのは3回目。以下の評点は記者の独断と偏見によるものであって、人によって好みは異なることを最初に断っておく。第一弾の「船橋」、第三弾の「東浦和」の記事も併せて読んでいただきたい。
13:30から始まった見学会会場のテントにはストーブが用意されていたが、とても寒く、説明が行われた30分間というもの震え上がった。外気温は5度もなかったはずだ。
ところが、モデルハウス内はどこも暖かく、宿泊体験をした同社グループ社員が「自宅に帰りたくなくなるほど快適」と感嘆の声を上げたのも納得できた。「家に帰れば」は積水ハウスの歌だが、「家に帰りたくない」という声はわが国の断熱性能の低さを的確に表している。
階段から暖かい空気が立ち上る工夫(北辰工務店)
掃除が楽なトイレ(北辰工務店)
記者がもっとも高く評価したのは「北辰工務店」と「和美庵」だ。「北辰工務店」は、共働きの夫婦と子供2人の家族を想定したもの。夫はテレワークが増え、趣味の時間も確保できるよう多目的スペースを1階に設け、パート勤務の妻は〝洗う・干す・たたむ〟をスムーズに行えるように2階に広いサニタリーを確保、浴室はスイッチ一つで洗浄と除菌ができる浴槽、トイレは掃除が楽なものにするなど細かい配慮を行っている。同社グループ独自の壁や床材をふんだんに採用しているのも特徴。
1階と2階にそれぞれ2基のエアコンが作動していたためでもあるが、室内はとても暖かく23度に保たれていた。エアコンを切っても18度以下には下がらないということにも蓄熱暖房の効果がよく表れている。坪単価は50万円(モデルハウス仕様はもっと高いはず)からなので、コストパフォーマンスも高い。評点は100点満点にしたいところだが、ほめ過ぎるのもどうかと思い95点にした。1階天井高2900ミリも評価した。
数十万円しそうなクスの無垢板キッチンテーブル(和美庵)
夫は趣味のゴルフや釣り、妻は料理が得意な共働き夫婦を想定したZEH仕様の「和美庵」は、クスの無垢材の玄関框ベンチ・ダイニングテーブル、ヒノキの無垢の床、網代天井などまるで料亭のような仕様に仕上げているのが特徴。1階の土間玄関、書斎、ホールなどもよくできていた。坪単価は80万円からで、TOTOの高級トイレと檜風呂を装備したモデルハウス仕様は坪100万円とか。
意匠・デザインも非の打ちどころがなく、これを一番とするのが妥当と思ったが、「北辰工務店」とのコストの差を考慮して同じ95点にした。
シンボルツリー(HaS casa)
2階からシンボルツリーを見下ろす(HaS casa)
3番目は「HaS casa」。他のモデルハウスの構造が在来木造なのに対し、構造材に2×6を採用し、屋根に南欧風のオレンジの瓦を配し、外観・内装デザインにアール形状を多用。大容量の太陽光発電と蓄電池を搭載したニアリーオフグリッド住宅だ。
リビング中央にシンボルツリー(シマトネリコ)を植え、仕事や趣味、家族との時間を両立できるようにしたという設計の意図がよく具現化されていた。坪単価は70万円から。
エアコンは切ったままだったが、室温はどこでも23度に保たれていたように、基本性能・設備仕様レベルは4棟の中で一番かとも思ったが、100円ショップで買ってきたような緑のフェイクがいたるところに配されていたのに興ざめ。その分減点し90点とした。
インナーガーデン(ARZILL)
土間の正面の手洗いボウルとキッチン(ARZILL)
評価が難しいのは「ARZILL」だ。他の記者の方も同様ではないか。共働き夫婦と小学生2人の4人家族を想定したモデルハウスで、玄関(門)を開けると15帖くらいのインナーガーデン「ウチノニワ」が広がっていた。京都・建仁寺の庭のようなどこか近寄りがたい雰囲気に記者はたじろいた。
その先に何があるのだろうと、胸をときめかせながら庭の四方に敷き詰められているタイルをそろりと渡り、土間を開けたとたん、今度は目の前に手洗いのボウルと隣り合わせのキッチンが目に飛び込んできた。豪華な日本庭園と手洗いボウル・キッチン――この度肝を抜く演出に思考が停止した。
坪単価は60~70万円だそうだが、庭は手抜きをしたら雑草に占領されるのは必至で、誰が維持管理するのだろうかと疑問がわき、広くもない土間(1帖くらいか)の目の前の手洗いボウル・キッチンは理解ができず85点とした。
建物をコの字型にして、手入れが簡単な中庭をどこからでも眺められるようにしていたら満点評価していたかもしれない…惜しい。敷地の制約もあったのだろう。
建ぺい40%・容積80%の風致地区 雙葉も近接 コスモスイニシア「尾山台」人気
「イニシアフォーラム尾山台」
コスモスイニシアが分譲を開始した邸宅街の分譲戸建て「イニシアフォーラム尾山台」(全18区画)を見学した。第1工区の第1期1次5区画は12月18日抽選の結果、最高価格の1億6,980万円の住戸に2倍の倍率が付くなど11組の登録、4戸に申し込みが入った。来場者からは「こんなに広い玄関・ホールのある分譲住宅は見たことがない」などと感嘆の声が上がったという。
物件は、東急大井町線尾山台駅から徒歩13分・九品仏駅から徒歩11分、世田谷区尾山台一丁目の第一種低層住居専用地域・風致地区(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する全18区画(総開発面積約2,900㎡)。第1期1次の敷地面積は119.04~202.4㎡、建物面積は94.63~119.52㎡、価格は1億2,480万~1億6,980万円。構造・工法は木造(枠組壁)・2階建て、木造(在来)・2階建て。施工は西武建設。建物は2021年10月中旬に竣工済。
12月17日~18日に登録申し込みを受け付け、4棟に対して5倍、2倍、2倍、2倍の申し込みがあった。問い合わせ件数は280件。
現地は、尾山台駅、九品仏駅からそれぞれ商店街を通り、環八道路から一歩入った敷地が100坪、200坪もありそうな邸宅が建ち並ぶ国分寺崖線の高台の一角。総開発面積約2,900㎡の従前は1軒の邸宅。同社は2019年に取得している。
建物外構は周囲の邸宅街に調和する外構に緑をふんだんに配し、外観は水平のラインを強調するよう石を積み重ね、要所に既存の石や門柱、アイアンオーナメントをあしらって重厚感を演出し、建物の窓が正面交錯しないよう建物を配置している。
住戸プランでは、階段室の天井に天窓を配するなど自然の光や風を住戸内に取り込むパッシブデザインを採用しているのが特徴。2階にリビングを配する「SOLAリビング」では、最高天井高約4.3mの勾配天井を実現している。
同社分譲事業部分譲一部プロジェクトマネージャー・藤田裕子氏は、「商品企画の段階で地元の不動産会社さんから聞き取り調査をしました。大井町線の価格のアッパーは1億3,000万円と言われましたので、チャレンジではあったのですが、来場者の方には納得していただいています。見学された方の中には『これほど広い玄関・ホール付きの分譲住宅は見たことない』と仰っていただいています」と話した。
工事中の第二工区
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第一種低層住居専用地域の開発面積としては、約3,619㎡の三菱地所レジデンス・モリモトのマンション「ザ・パークハウス 自由が丘ディアナガーデン」(44戸)には及ばないが、都心部・準都心部では屈指の規模だ。よくぞ土地を仕入れられたものだ。
建ぺい率40%、容積率80%の分譲戸建ても少ないはずで、同社の物件で調べたら2018年分譲の「グランフォーラム成城学園前」(4戸)がそうだった。
現地取材するまで知らなかったのだが、案内図を見たら何と田園調布雙葉学園の幼稚園・小学校・中学高等学校が近接しているではないか。お嬢さんを雙葉に入学させたいと考える人の関心を呼ぶのではないかと見当をつけた。
「広い玄関・ホール」は、2019年分譲の三井不動産レジデンシャル「ファインコート茗荷谷」を見学したとき、1億5,800万円の玄関の広さと親子ドアを開くと立派なリビングが広がる空間にお客さんが驚いたという話は聞いているが、今回は玄関・ホールのみで4畳大くらいあった。階段室の手摺部分をガラス張りにして一層広く見せる工夫を凝らしていた。同社はここ数年、マンションも含めて〝魅せる玄関〟に力を入れているが、今回もそれが成功した。
残りの第2工区13区画はまだ基礎の段階の住戸も多く分譲はずっと先になりそうだが、敷地南側は開けており、擁壁には緑化も施されていた。今回分譲より価格は高くなるかもしれない。施工は細田工務店と西武建設。
モデルハウス
玄関・ホール
天窓
価格に見合う価値あり コスモスイニシア「グランフォーラム石神井公園」(2018/12/3)
在宅ワークもいいが 籠りスペースに最適か ケイアイスター「HANARE 禅」付き戸建て
「HANARE 禅~zen~(ハナレ ゼン)」付き分譲住宅「鴻巣市栄町」
ケイアイスター不動産が試験販売を開始した「HANARE 禅~zen~(ハナレ ゼン)」付き分譲住宅「鴻巣市栄町」を見学した。
物件は、JR高崎線鴻巣駅から徒歩7分、鴻巣市栄町の第一種住居地域(建ぺい率70%、容積率200%)に位置する敷地面積約144㎡(43坪)、建物面積約110㎡(33坪)、間取り4LDK、価格3,490万円。建物は2021年10月に竣工済み。構造は軸組工法2階建て。「禅」は1帖タイプで、幅910 mm×奥行1820mm、ベタ基礎、工期は2日(晴天時のみ)、価格は55万9千円(税込)~。エアコン用のコンセント、2口のコンセント、照明、カウンター、書棚になる収納エリア付き。11月25日に完成済み。地元の不動産会社が仲介して販売中。
同社は、住宅のプラスワンスペースとして2020年11月、既居住者向けに「HANARE」第一弾を販売開始し、第二弾として2021年4月、規格型平屋注文住宅IKI(イキ)のオプショ商品として「HANARE書斎版」を販売開始した。今回の「HANARE禅」その第三弾。
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「禅」なるものがどのようなものか見たくて、同社広報にお願いして見学が実現した。現場は2階建ての戸建てや平屋の賃貸住宅が建ち並ぶ住宅街の一角で、道路、線路を挟んだ目の前が幼稚園。
驚いたのは分譲住宅の価格の安さだった。都心部だったら10坪のワンルームも買えない。通りがかりの女性に声を掛けたら、「この辺にはこれくらいの価格の住宅が結構分譲されているけど、いいわね」と話した。すかさず「お子さんは? 息子さん、娘さんにどうですか」と畳みかけたら、「二人とも買っちゃってるわよ」とのことだった。
地域にはそれぞれ相場があるから、敷地が43坪もあって建物が33坪の住宅でもそんなに安くないということか。
さて「禅」。記者などは小さいころ、親の言うことを聞かないとすぐ「蔵に入れるぞ」としかられたものだ。柿の木に縛り付けられた友だちもいた。今の子どもは〝お宝〟のようにちやほやされるので、このような「禅」は脅しにならないのだろう。
もちろん在宅ワークにも利用できそうだが、夫婦喧嘩でもしたら駆け込むのにいちばんいいのではないか。中で眠ることもできそうだが、エアコンを付けないと夏や冬は籠るのは大変か。
もう一つの課題は建築基準法だ。防火・耐火基準が厳しい都市部は1帖とはいえ建築確認は必要だし、建ぺい率を使い切っている住宅も少なくないので狭小敷地などでは難しいことだ。組み立て・移動式にしたらどうなのだろうか。この前見学した三菱地所、合同会社Endian、テレキューブサービスが考案した、「CHILL CUBE(チルキューブ)」も参考になるはずだ。
間取り図
丸の内で森林浴ができる「♯チル休み」 三菱地所など11/26まで新丸ビルで実施(2021/11/22)
賃貸住宅付き戸建分譲住宅「戸建て大家さん®」2棟完売 ケイアイスター不
外観
ケイアイスター不動産は12月17日、賃貸住宅付き戸建分譲住宅「戸建て大家さん®」の板橋区赤塚の2物件が完売したと発表した。
「戸建大家さん®」は、首都圏エリアに特化し、収益物件の保有を目的とする顧客向けにAI(人工知能)を活用した同社独自の用地仕入システム「ミツカルPro」により販売エリアを厳選したうえで、コンパクトなセミオーダー型分譲住宅として開発したもの。
今回の物件は、それぞれ駅から徒歩7分の土地面積80.38㎡(24.31坪)、建物面積132.38㎡(40.04坪)と、駅から徒歩10分の土地面積82.79㎡(25.04坪)、建物面積130.40㎡(39.44坪)の3階建て。1階部分は賃貸用と想定してワンルーム2戸として提案していが、このうち1棟の購入者は、二世帯住宅を検討中に「戸建て大家さん®」を知り、見学の結果、1階部分を居住スペースとすることで二世帯住宅として購入。もう1棟は、法人が1階部分を社員寮とし、先々は投資物件へ利用変更を検討できるとして購入に至ったという。
同社は、当初ターゲットとしていた収益物件の保有目的に限らない様々な潜在ニーズに対応できることがわかったとしている。
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もう20数年前か、横浜・関内のデベロッパー・リッチライフが、勝手口付き3LDK・Kの分譲マンションを2LDKと1Kに分けて、1Kを賃貸などに転用できる「リッチライフプラン」として提案したのを取材している。隣り合う居室ドアは鍵付きで、開閉することも完全に遮断することも可能になっていた。同社のホームページによると2017年8月現在、15棟370戸の供給実績がある。
マンションだって戸建てだって同じだ。この種のニーズは間違いなくあると思う。問題はどのようにしてそのような顧客を探し出すかだ。
間取り例
高耐震×制震「ハイブリッドキューブ」モデルハウス 細田工「ひばりヶ丘」に公開
「LEGATO(レガート)」モデルハウス
細田工務店は12月13日、新外観デザインの注文住宅「LEGATO(レガート)」モデルハウスをメディア向けに公開した。
現在分譲中の全20戸の分譲住宅「グローイングスクエアひばりヶ丘サウス」で成約済みの1戸を、契約者の了解を得て2022年3月中旬まで一般公開するもので、建物は従来の柱と梁を組み合わせた軸組工法にツーバイフォーの構造用合板を敷き込んだ6面体構造の高耐震×制震工法「ハイブリッドキューブ」を採用し、設計住宅性能評価7項目で最高等級を取得。
外観は、スクエアなフォルムが印象的な重厚感のある、箱を組み合わせたようなキュービックデザインが特徴で、モデルプランは「おうちじかん」が求められる時代にぴったりなキッチンラボ、階段ライブラリー、テラス、ベランピンクバルコニー、寝室ワークスペースなどを設置し、家族それぞれが多目的に利用できるスペースを提案している。
現地は、西武池袋線ひばりヶ丘駅から徒歩8分、西東京市住吉町3丁目の第一種低層住居専用地域に位置する敷地面積約118㎡、建物面積約94㎡。価格は81万円/坪から。
同社はまた、「LEGATO」のほか、シャープなフォルムが特徴の「ARDITO(アルディート)」、オーガニックな木の質感を表現した「MARCATO(マルカート)」を開発し、今後の注文・分譲住宅で採用していく。
現地
平屋注文住宅 ファミリー層がトップの29% シニアを逆転 ケイアイスター「IKI」
ケイアイスター不動産のグループ会社・カーザロボティクス(Casa robotics)は11月25日、2022年3月期上期(2021年4~9月)の規格型平屋注文住宅IKI(イキ)の契約状況をまとめ発表した。
同社は2020年8月にIKIの販売を開始し、同年11月に平屋を専門に販売するカーザロボティクスを設立。2021年3月までの集計では、契約のうち最多はシニアの37%だったが、2021年4~9月では、前回(2020年9~3月)16%だったファミリー世帯が29%と13ポイント増加し、24%のディンクスを抜いてトップとなった。シニア層は16%へポイントを下げたが、契約件数は同等水準で推移している。また、シングルマザー世帯からもコンスタントに契約があるという。
IKIは17坪タイプで本体価格649万円(税込)~。
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平屋建て分譲住宅をいくつか取材したことがある。シニア層向けが圧倒的に多かったが、記者はマンションがそうであるように、戸建てもフラット(平屋)がいいのは言うまでもないことだ。大都市圏では地価が高く、ファミリー層は平屋を建てられる敷地を確保することが難しかった。
同社のIKIの地域的分布などは開示されていないのでよく分からないのだが、本拠とする北関東が中心なら伸長するのはよく理解できる。十分とは言えないだろうが、シニアはもちろん1人、2人家族なら17坪はまずまずの広さではないか。建ぺい率を60%とすれば、敷地は30坪あれば建てられる。鴨長明の「方丈庵」よりずっと広い。
住宅着工でも平屋建てが伸びているのも時代の変化を反映したものだ。
1200㎡の調整池に蓋 上部を公園化 半年で全62戸をほぼ完売 ポラス「船橋 二和向台」
「グランマーレ船橋二和向台 カームライフ」
ポラスグループの中央グリーン開発は11月12日、千葉県船橋市で開発中の大規模分譲戸建て「グランマーレ船橋二和向台 カームライフ」(62区画)の販売が好調で、分譲開始から約半年で59戸残り3戸と発表した。同日、メディア向け見学会を行った。
物件は、新京成電鉄二和向台駅から徒歩8分、船橋市咲が丘3丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全62区画。土地面積は115.71~198.73㎡、建物面積は88.19~109.30㎡、価格は3,280万~4,880万円(平均は4,000万円前後)。建物は木造在来工法2階建て。施工はポラテック。
4月30日から販売を開始し、11月4日現在、751組の来場を集め、59戸を成約。残りは3戸となっている。立地と価格のバランスの良さが評価され、インスタグラムの反響が効果的だったという。
契約者は、船橋市居住者が29%、都内が14%、松戸市が12%。平均年齢は34.1歳の第一次取得層。53%が都内勤務。
場所・モノ・楽しみをシェアできるコミュニティタウンを目指し、約1,200㎡の調整池を地下化し、上部を公園として利用できるように整備したほか、幅9m×長さ約73m(657㎡)の施設緑地にはヤシの木などの緑を配し、石畳の散策路には3か所にベンチ(うち1か所は防災ベンチ)を設置。分譲戸建てでは珍しいカーシェア(1台)を導入しているのも特徴の一つ。調整池の地下化は2021年グッドデザイン賞を受賞した。
階段の上が調整池を地下化した公園&緑地
街並み
モデルハウス
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同業の記者の方が「これはため池か」と担当者に聞いた。記者は「ため息」をつくほかなかった。大規模開発が少なくなった今は「調整池」などは死語に近いのだろうが、「ため池」とは似て非なるものだ。戸建て住宅街を取材するとき、いつも考えたのは「調整池」の活用だった。柵・フェンスを取っ払って、子どもの遊び場などにできないかと。皆無ではないが、調整池に蓋をし、地域住民に開放した事例は全国的にも珍しいはずで、整備費には数千万円かかっているのではないか。
グッドデザイン賞審査員が「公園としての居心地や環境整備については今後少しずつ改善していくことが望まれます」と述べているように、管理する行政と利用する地域住民が話しあって、いろいろなイベントを行えるように公園利用のあり方を検討すべきだと思う。同社は管理組合を通じ、地域とのつながり・コミュニティ醸成に取り組んでいくとしている。
緑道(この手前に調整池を地下化した公園がある)
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記者が驚いたのは、1本数十万円はするはずのヤシの木やドラテナなどの樹木を緑地だけでなく敷地内5カ所に惜しげもなく配していることで、ベンチは草花の手入れ用具が入れられるようになっていた。環境にやさしいガビオンが全戸に採用されており、隣り合う数戸で構成されるコモンスペース(コースタルウォークパーク)もいい。
住戸プランでは、2戸だが平屋の提案がいい。個人情報もあるので詳細は書けないが、ニーズは間違いなくある。公開された1戸のリビング天井高は最大3.5mあった。1階住戸は防犯合わせガラスが採用されていた。
担当者によると、エリアの相場は2,000万円台の半ばから3,000万円台の半ばだそうだが、この価格帯では今回のようなランドスケープデザインや設備仕様レベルは絶対確保できない。都民にはなじみのない「二和向台」でも契約比率が14%(8戸か)というのもよく分かる。別掲の「怒り心頭 イチョウは殺していいのか 船橋・二和向台の無残な街路樹」の記事と合わせて読んでいただきたい。
販売センター所長の上津原祐樹氏(上津原氏はRBA野球大会で活躍しているポラスグループ野球部の主力の一人。お会いできてとても嬉しかった。商品企画がいいので販売には苦労しなかったと思うが、地元相場の3,500万円の壁を打ち破ったのはさすがだ)
千葉NTの分譲戸建て全274戸が完売 大和地所レジデンス
「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」
大和地所レジデンスは11月4日、千葉ニュータウンの戸建て住宅「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」全274戸が販売開始の2016年12月以来4年9カ月で完売したと発表した。
開発総面積6万㎡超、総区画数274区画の建ぺい率50%、容積率100%の分譲戸建てで、販売開始は2016年12月。ユーロデザインの街並みに、大型公園、共用棟(カーサユニオン)、歩行者専用道路(グリーンプロムナード)を設置。
購入者の居住地はⅠ街区が印西市34%、印西市以外の千葉県31%、東京都21%、Ⅱ街区が印西市28%、印西市以外の千葉県29%、東京都28%。敷地面積170.10~314.62㎡(51.5坪~95.3坪)、建物面積100.81~147.14㎡(30.5坪~44.5坪)、販売価格3,400万円台~5,300万円台。総来場数は1,645件(Ⅰ街区:844件、Ⅱ街区:801件)。
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この住宅地は2~3度、見学している。今回のプレス・リリースでは4年9か月で完売とあるが、実質的には3年で完売となっているはずだ。
大和地所レジデンス 千葉NT中央でユーロデザインの戸建て全275区画分譲へ(2016/11/2)
「素敵な外観見てすぐ決断」入居者 ケイアイスター「キッズデザイン賞」優秀作品
「おおきいおうちとちいさいおうちがあるおうち」 (写真は全て同社提供)
第15回「キッズデザイン賞」優秀作品に選ばれたケイアイスター不動産の分譲住宅「おおきいおうちとちいさいおうちがあるおうち」を見学し、入居者に購入動機、住み心地などを聞いた。
キッズデザイン賞は、子どもや子どもの産み育てに配慮したすべての製品・サービス・空間・活動・研究を対象とするキッズデザイン協議会の顕彰制度。今回の第15回では応募があった409点のうち234点が受賞し、さらに優秀作品として36点が選ばれた。
「おおきいおうちとちいさいおうちがあるおうち」は、「キッズデザイン協議会会長賞 子どもたちを産み育てやすいデザイン部門奨励賞」を受賞。受賞理由は「子どもと一緒に遊ぶ、時にはプライベート空間を楽しむなど、別棟としての離れの機能を再評価することに、多様化するライフスタイルに適応する空間提案としての新規性がある。離れと庭を囲む縁側は特徴的で、造形も美しい。家で過ごす時間が増え、働き方も変化する時代において、住宅供給の視点から暮し方を促進している点」となっている。
現地は、西武新宿線花小金井駅から徒歩10分ほどの閑静な住宅街で、二方道路の角地。建物はともにオープン外構の2棟構成。「おおきいおうち」(母屋)と「ちいさいおうち」(離れ)に分けられており、2台駐車場を敷地南側に配置することで開放的な空間を演出し、ゆるやかに地域とつながっているのが特徴。
母屋の外観デザインは、切妻とシャープな片流れの対比が目を引き、カラーリングは黒と淡いグレーが基調。1号棟の離れの木調縦ルーバーがアクセントとなり、全体をきりりと引き締めている。
1号棟縁側(サッシ高は2.2mくらいあった)
1号棟回廊と坪庭
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インタビューしたのは、クリエイターのご主人(35)と会社員の奥さん(36)と2歳の女の子の3人家族(ほかに6歳という猫ともう1匹猫がいたが、記者を一瞥しただけで全然関心を示さなかった)。
購入動機について奥さんは、「以前は二人とも新宿区に住んでいたのですが、うるさくてここに4年前引っ越し、60㎡くらいの賃貸マンションに住んでいました。結婚することになって子どもも生まれるのでずっとマンションや戸建てを探していました。当初は駅の反対側で予定されていた戸建てを購入しようと待っていたのですが、ここの現場を見たとき外観が素敵なので待つ必要もないと購入を決断しました。入居は今年の7月です。夫は2年前からテレワーク・在宅勤務なので、離れを仕事部屋にするのにぴったりです」と話した。
ご主人は「営業じゃないですから会社に出勤する必要もなく、会議もズームなどで行えます。もうずっと電車に乗っていません。妻が都心の会社まで1時間かかりますので、わたしが保育園の送迎や掃除、洗濯など家事をこなしています。コロナが収束してもテレワークを続けることが決まっています」と語った。
住み心地について奥さんは、「近所の人たちは『こんな家見たことない』とほめてくれます。隣の方も私たちと同年代で、とてもいい方です。ここは星も見えるし、学校も近い。私たち二人とも韓国出身で、日本に来てから11年になりますが、永住権を取得しました。ここにずっと住み続けたい」と話した。
難点はトイレの使い勝手がよくないとのことなので、案内してもらった。きちんと掃除されていたが、確かに廊下、ドアも含めて狭かった。(ケイアイスターさん、もう尺モジュールの時代ではない。ずっと住み続けられるよう廊下はメーターモジュールを目指してほしい)
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まず、作品を優秀作品に選んだ同協議会と、入居者インタビューまでセットしてくれた同社に感謝したい。同協議会がプレスリリースとして発表しなければ見学する機会はなかったはずだ。
同社に取材を申し込んだのは、離れの提案が面白く、その離れを中心に回廊-坪庭-縁側を互い違いに並べるテレコ型とし、駐車場を確保している商品企画が素晴らしいと思ったからだ。ただ、建物は引き渡しが終わっているので、外観や外構のデザイン、仕上がりを確認できれば十分と考えていた。入居者に話が聞けるとは夢にも思わなかった。
そして何よりも取材に応じていただいた入居者の方にお礼申し上げる。コロナ禍でテレワークを実践し、家事・育児をこなすご主人に話を聞けたのは望外の喜びだった。
この前書いた記事にも関連するので、愚問であることを承知の上でご主人に「幸福度」を聞いたら「幸せ」とすぐ返ってきた。奥さんも「わたしも満足」と答えた。
帰り道の公園には樹齢数十年のケヤキの巨木が美しい樹形を描き、菜園には茎が茶色と緑の2種の立派な里芋が大きな葉っぱを広げていた。
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