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高崎のIKIモデルハウス

 ケイアイスター不動産のグループ会社Casa robotics(カーザロボティクス)は2月25日、規格型平屋注文住宅IKI(イキ)の2022年1月のWeb反響数が前年同月比で約3.4倍に伸び、Web反響のうち来場予約の約7割が無人内覧を希望しており、過去最高の割合となったと発表した。

 IKIを専門に手掛けるカーザロボティクスは、現在、関東エリア10か所にあるIKI展示場すべてに独自のリモート接客システムを導入済み。2021年6月にはリモート接客を専門に行う部署・ロボット部を立ち上げている。部設立後の7月から11月までの5か月間でリモート接客回数は300回を超えたとしている。

 IKIは2020年8月に販売開始。シンプル+スマート+効率的+ローコストによる無駄を省いた商品で、建物本体価格は17坪(約57.9㎡)649万円(税込)~。

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同社のプレス・リリース

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 記者は、理想の一戸建ては「平屋」だと思っている。敷地は100坪くらいで、建物は30~40坪。敷地内には果実がなる好きな中低木を植え、池には魚を放ち、自家消費用の畑をつくり、パターの練習もできるようにする。水琴窟の仕掛けも施す。これが最高だ。

 仮に都心部でこれを造れば10億円でも足りないだろうが、地方なら数千万円以下で建てられるはずだ。

 同社のIKIのモデルハウスを見学したいのだが、本拠の高崎なので、コロナ禍でそのためだけに時間とお金をかけるのはためらわれるので実現しないのだが、とても興味はある。

 建築着工統計でも平屋住宅が伸びているのは確認できる。グラフにしたのがそれだ。2012年の居住専用住宅着工戸数は約44.8万戸で、そのうち1階建て(平屋)は約3.0万戸となっており、占める割合は6.8%だ。その後、着工戸数は多少の波はあるが漸減傾向を示しており、その一方で平屋は戸数、比率とも増加の一途。2021年は約5.6万戸となり、全体に占める割合は12.5%に達している。この10年間で戸数は1.8倍、比率は5.7ポイントも上昇している。

 同社が本拠とする群馬県はどうか。2012年は全着工戸数8,362戸のうち平屋は10.5%に当たる882戸だったのが、2021年は全体8,551戸に対し、平屋は25.8%の2,202戸へ比率は15.3ポイント、戸数は2.5倍へ激増している。

 同県での平屋の着工増とIKIとの関連は不明だが、同社が平屋の流れを捉え、加速させようと考えているのは確かだ。今後も人口減少・少子化は加速するし、働き方も変わる。平屋が注目されるのは間違いない。朝廷もお殿様も住んでいたのは平屋だ。2階建てが普及しだしたのは、絶対的戸数が少なかった戦後以降だ。

 参考まで。かつてバブルのころ、木下工務店は千葉県郊外でプロ仕様の芝を張ったバンカー付きのパッティンググリーンを設けた建売住宅を分譲したことがある。値段は忘れたが売れるまで時間はかからなかった。平屋の建売住宅も結構分譲された。

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国土交通省 建築着工統計から。比率は全体に占める平屋の割合(%)
 

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 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は210日、首都圏の20221月度の流通市場動向をまとめ発表した。

中古マンションの成約件数は2,760件(前年同月比20.7%減)、成約坪単価211.8万円(同11.5%上昇)、成約価格は4,149万円(同10.0%上昇)、専有面積は64.65㎡(同1.3%縮小)。

地域別では、成約件数はすべての地域で減少。東京都区部と横浜・川崎市、神奈川県他は前年比で2割を超える大幅減となった。成約単価はすべての地域が前年比で上昇が続き、東京都区部は21か月連続、横浜・川崎市と埼玉県は20 か月連続、千葉県は18か月連続で前年同月を上回った。

中古戸建住宅は、成約件数は前年比17.9%減の2ケタ減となり、成約価格は前年比で7.0%上昇し、2011月から15か月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年比で3.8%縮小、建物面積は同マイナス 0.2%となった。

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「プラウドシーズン成城コート」

 野村不動産は2月7日、平均価格が2.3億円の第1期5戸が即日完売した「プラウドシーズン成城コート」(全6区画)の現地をメディアに公開した。小田急線成城学園前駅北口のさくら並木通りをまっすぐ進み、四差路を左折した徒歩8分の建ぺい率40%、容積率80%の第一種低層住居専用地域に立地。「成城アドレス」の一等地で、垂涎の的であるのは間違いない。

 公開された最高価格2.7億円のモデルハウスは敷地面積約170㎡(51.69坪)、建物面積約173㎡(52.62坪)。1階は約34㎡のビルトインガレージ、ホール、8.0畳大の主寝室、洗面室、1822の浴室、ストレージなどで、2階は28.3畳大のLDK、5.8畳大の洋室2室、屋上スカイバルコニーなど。

 主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高3m、Low-Eガラスの2.7mハイサッシ、全館空調システム、床はオーク材の挽板フローリング、シーザーストーンキッチン・カウンター天板、漆喰壁、内法1.05m階段、カッシーナの調度品、格子デザイン引き戸、本革ドア把手など。

 商品企画について、同社住宅事業本部戸建事業部推進一課課長・吉井浩介氏は、「外構も建物形状も従来の分譲戸建てとは異なる都市型デザインとした。外構は御影石、鉄平石、タイルなどを多用した石垣、石張り、電柱の地下化など成城らしいシンボリックなものとし、建物は、水平・垂直ラインを強調したシャープなデザインとフレーム、ガラスを強調したデザインにした」と語った。

 販売状況については、同社住宅事業本部戸建営業部営業二課長・松本真木夫氏は「12月末にホームページを開設し、1月8日にモデルハウスを公開するまでの2週間でエントリー数は信じられないほどの1,200件に達し、第1期5戸には最高価格2.7億円の住戸は5件、全体で10件の申し込みが入った。見学に5組、10組の方が並ぶほどの人気になったが、ほとんどの方は当社の『プラウドシーズン』を知らない方だった」と話した。

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最高価格の住戸

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格子デザインの壁・引き戸

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サッシ

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外構

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 今回の見学会は、「成城」は分譲戸建て「プラウドシーズン」の歴史に名を刻む物件であり、今後この種の高額戸建てを積極的に展開するという意思をアピールするためだと理解した。

 現地は「成城アドレス」の一等地。従前は邸宅だったそうだが、よくぞこんな土地を仕入れられたものだ。最高価格2.7億円の住戸の競争倍率が5倍になったというのも納得の商品企画だ。価格については、敷地、建物も50坪以上でこの価格はむしろ安いのではないか。

 設備仕様レベルは、照明の当たり具合で微妙に表情を変える左官仕上げの漆喰壁や、三協アルミ製の重厚なハイサッシが目を引いた。

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 同社の分譲戸建てについて少し紹介する。野村不動産ホールディングスは先の2022年3月期第3四半期決算で、2022年3月期通期業績予想を売上高6,700億円(2021年10月発表時増減なし)、営業利益860億円(同4.9%増)、事業利益880億円(同4.8%増)、経常利益770億円(同4.1%増)、純利益510億円(同3.0%増)と上方修正、各利益はいずれも過去最高となる見通しとし、年間配当予想も5.0円増配し90.0円とすると発表した。

 増益をけん引しているのは住宅部門で、今回上方修正した事業利益の増額分40億円のうち20億円が同部門だ。粗利益率は前年同期の21.6%から23.5%に改善した。今期売上計上予定戸数4,300戸に対して第3四半期末の契約進捗率も100.9%に達している。

 記者が注目したのは完成在庫の減少だ。第3四半期末の販売中の完成在庫は前年同期の239戸(うち分譲戸建て18戸)から121戸(同0戸)へほぼ半減し、未販売の完成在庫も前年同期の190戸(同11戸)から66戸(同0戸)へと3分の1へ激減している。完成在庫率の低さは、大手デベロッパーの中では三井不動産と双璧をなす。

 同社の分譲戸建ての最近の計上戸数は400戸前後で推移しているが、第3四半期末で完成在庫がゼロというのに驚いたので、松本氏に聞いてみた。松本氏は「私は18年間、在籍していますが、完成在庫がゼロというのは皆無ではないような気がしますが、記憶にないくらい珍しいことです」と話した。

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現地近くの「さくら並木通り」

平均2.3億円の分譲戸建て5戸 最高5倍で即日完売 野村不動産「成城学園前」(2022/2/3)

建ぺい40%・容積80%の風致地区 雙葉も近接 コスモスイニシア「尾山台」人気(2021/12/22)

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「プラウドシーズン成城コート」

 野村不動産は2月3日、平均2.3億円台、最高2.7億円の「プラウドシーズン成城コート」(全6戸)第1期5戸の登録申し込みを1月下旬に受け付けた結果、最高5倍で即日完売したと発表した。

 物件は、小田急線成城学園前駅から徒歩8分、世田谷区成城七丁目に位置する全6戸。第1期の敷地面積は150.01~173.04㎡、建物面積は119.33~173.97㎡、構造規模は木造(2×4) 2階建て。入居予定は2022年4月末以降順次。設計・施工は三菱地所ホーム。

 建物面積は約120~170㎡超と、平均的な建売戸建ての1.5倍程度の広さを確保、リビング天井高を3mとし、2.7m の大開口サッシ採用。また、仕様・設備としてキッチンにINTENZA・大型食器洗浄機(ミーレ・ジャパン)、浴室にSPAGEを初採用。三菱地所ホームの全館空調「エアロテック」も採用している。

 同社はこの物件を皮切りに2億円超の「高額建売戸建」を都内23区中心に順次展開していくとしている。

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リビング

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浴室

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 「成城」アドレスの分譲戸建ては2018年にコスモスイニシア「「グランフォーラム成城学園前」(全4棟)を取材している。今回の現地はおおよその察しがつく。間違いなく「成城学園」の一等地だ。2月7日にはメディア向け見学会もあるので、詳細は取材してから紹介する。

コスモスイニシア 分譲戸建て「成城学園前」2億円前後の4戸完売(2018/5/10)

 


 

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左から「PO HAUS 和美庵」「北辰工務店」

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左から「HaS casa」「PO HAUS ARZILL」

 ポラスグループは1月7日、今年1月3日にオープンした宅建機能を持つ宿泊体験も可能な「体感すまいパーク越谷」のメディア向け見学会を行った。3~5日の3日間の来場者は144組で、想定の1.4倍とかで上々のスタートを切った模様。年間120棟の受注を目指す。

 「体感すまいパーク」は、土地探しや様々な不動産に関する相談にもワンストップで応じる同社グループの単独展示場で、2018年に開設した「船橋」と「柏」、2021年オープンの「東浦和」に次いで4か所目。

 開設したのは、東武スカイツリーライン蒲生駅から徒歩19分(車で8分)、越谷市南町2丁目に位置する総敷地面積約2,418㎡。モデルハウスは注文住宅ブランド「PO HAUS 和美庵」「PO HAUS ARZILL」「北辰工務店」「HaS casa」の4棟で、延べ床面積は102~126㎡。ZEH仕様(和美庵)のほかオリジナルの高性能耐力壁「Endure Wall」などの構造材や部材を多用、リアルサイズとしているのが特徴。

 見学会に臨んだポラテック木造建築事業部事業部長・橋本裕一氏は、「来場者は昨年オープンした『東浦和』と比べ1.4倍。まだ一般の方の宿泊体験の予約は受け付けていないが、宿泊体験したグループ社員からは『自宅に帰りたくなくなるほど快適』という声が上がっている。4棟とも〝買える住宅〟をコンセプトに省エネ機能を充実させた。展示場機能と宅建機能の相乗効果を期待している」と語った。

 別棟の宅建業課の「センターハウス」は営業スタッフ14名、その他6名含め総勢20名。年間受注目標は120棟。

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「センターハウス」

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橋本氏

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 同社の「体感すまいパーク」を取材するのは3回目。以下の評点は記者の独断と偏見によるものであって、人によって好みは異なることを最初に断っておく。第一弾の「船橋」、第三弾の「東浦和」の記事も併せて読んでいただきたい。

 13:30から始まった見学会会場のテントにはストーブが用意されていたが、とても寒く、説明が行われた30分間というもの震え上がった。外気温は5度もなかったはずだ。

 ところが、モデルハウス内はどこも暖かく、宿泊体験をした同社グループ社員が「自宅に帰りたくなくなるほど快適」と感嘆の声を上げたのも納得できた。「家に帰れば」は積水ハウスの歌だが、「家に帰りたくない」という声はわが国の断熱性能の低さを的確に表している。

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階段から暖かい空気が立ち上る工夫(北辰工務店)

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掃除が楽なトイレ(北辰工務店)

 記者がもっとも高く評価したのは「北辰工務店」と「和美庵」だ。「北辰工務店」は、共働きの夫婦と子供2人の家族を想定したもの。夫はテレワークが増え、趣味の時間も確保できるよう多目的スペースを1階に設け、パート勤務の妻は〝洗う・干す・たたむ〟をスムーズに行えるように2階に広いサニタリーを確保、浴室はスイッチ一つで洗浄と除菌ができる浴槽、トイレは掃除が楽なものにするなど細かい配慮を行っている。同社グループ独自の壁や床材をふんだんに採用しているのも特徴。

 1階と2階にそれぞれ2基のエアコンが作動していたためでもあるが、室内はとても暖かく23度に保たれていた。エアコンを切っても18度以下には下がらないということにも蓄熱暖房の効果がよく表れている。坪単価は50万円(モデルハウス仕様はもっと高いはず)からなので、コストパフォーマンスも高い。評点は100点満点にしたいところだが、ほめ過ぎるのもどうかと思い95点にした。1階天井高2900ミリも評価した。

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数十万円しそうなクスの無垢板キッチンテーブル(和美庵)

 夫は趣味のゴルフや釣り、妻は料理が得意な共働き夫婦を想定したZEH仕様の「和美庵」は、クスの無垢材の玄関框ベンチ・ダイニングテーブル、ヒノキの無垢の床、網代天井などまるで料亭のような仕様に仕上げているのが特徴。1階の土間玄関、書斎、ホールなどもよくできていた。坪単価は80万円からで、TOTOの高級トイレと檜風呂を装備したモデルハウス仕様は坪100万円とか。

 意匠・デザインも非の打ちどころがなく、これを一番とするのが妥当と思ったが、「北辰工務店」とのコストの差を考慮して同じ95点にした。

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シンボルツリー(HaS casa)

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2階からシンボルツリーを見下ろす(HaS casa)

 3番目は「HaS casa」。他のモデルハウスの構造が在来木造なのに対し、構造材に2×6を採用し、屋根に南欧風のオレンジの瓦を配し、外観・内装デザインにアール形状を多用。大容量の太陽光発電と蓄電池を搭載したニアリーオフグリッド住宅だ。

 リビング中央にシンボルツリー(シマトネリコ)を植え、仕事や趣味、家族との時間を両立できるようにしたという設計の意図がよく具現化されていた。坪単価は70万円から。

 エアコンは切ったままだったが、室温はどこでも23度に保たれていたように、基本性能・設備仕様レベルは4棟の中で一番かとも思ったが、100円ショップで買ってきたような緑のフェイクがいたるところに配されていたのに興ざめ。その分減点し90点とした。

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インナーガーデン(ARZILL)

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土間の正面の手洗いボウルとキッチン(ARZILL)

 評価が難しいのは「ARZILL」だ。他の記者の方も同様ではないか。共働き夫婦と小学生2人の4人家族を想定したモデルハウスで、玄関(門)を開けると15帖くらいのインナーガーデン「ウチノニワ」が広がっていた。京都・建仁寺の庭のようなどこか近寄りがたい雰囲気に記者はたじろいた。

 その先に何があるのだろうと、胸をときめかせながら庭の四方に敷き詰められているタイルをそろりと渡り、土間を開けたとたん、今度は目の前に手洗いのボウルと隣り合わせのキッチンが目に飛び込んできた。豪華な日本庭園と手洗いボウル・キッチン――この度肝を抜く演出に思考が停止した。

 坪単価は60~70万円だそうだが、庭は手抜きをしたら雑草に占領されるのは必至で、誰が維持管理するのだろうかと疑問がわき、広くもない土間(1帖くらいか)の目の前の手洗いボウル・キッチンは理解ができず85点とした。

 建物をコの字型にして、手入れが簡単な中庭をどこからでも眺められるようにしていたら満点評価していたかもしれない…惜しい。敷地の制約もあったのだろう。

ポラス 3か所目の単独住宅展示場「体感すまいパーク東浦和」 開設2か月で550組来場(2021/3/19)

〝総合展示場からの脱却〟に拍手喝さい ポラスが宿泊可能な単独展示場 開設(2018/10/5)

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「イニシアフォーラム尾山台」 

 コスモスイニシアが分譲を開始した邸宅街の分譲戸建て「イニシアフォーラム尾山台」(全18区画)を見学した。第1工区の第1期1次5区画は12月18日抽選の結果、最高価格の1億6,980万円の住戸に2倍の倍率が付くなど11組の登録、4戸に申し込みが入った。来場者からは「こんなに広い玄関・ホールのある分譲住宅は見たことがない」などと感嘆の声が上がったという。

 物件は、東急大井町線尾山台駅から徒歩13分・九品仏駅から徒歩11分、世田谷区尾山台一丁目の第一種低層住居専用地域・風致地区(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する全18区画(総開発面積約2,900㎡)。第1期1次の敷地面積は119.04~202.4㎡、建物面積は94.63~119.52㎡、価格は1億2,480万~1億6,980万円。構造・工法は木造(枠組壁)・2階建て、木造(在来)・2階建て。施工は西武建設。建物は2021年10月中旬に竣工済。

 12月17日~18日に登録申し込みを受け付け、4棟に対して5倍、2倍、2倍、2倍の申し込みがあった。問い合わせ件数は280件。

 現地は、尾山台駅、九品仏駅からそれぞれ商店街を通り、環八道路から一歩入った敷地が100坪、200坪もありそうな邸宅が建ち並ぶ国分寺崖線の高台の一角。総開発面積約2,900㎡の従前は1軒の邸宅。同社は2019年に取得している。

 建物外構は周囲の邸宅街に調和する外構に緑をふんだんに配し、外観は水平のラインを強調するよう石を積み重ね、要所に既存の石や門柱、アイアンオーナメントをあしらって重厚感を演出し、建物の窓が正面交錯しないよう建物を配置している。

 住戸プランでは、階段室の天井に天窓を配するなど自然の光や風を住戸内に取り込むパッシブデザインを採用しているのが特徴。2階にリビングを配する「SOLAリビング」では、最高天井高約4.3mの勾配天井を実現している。

 同社分譲事業部分譲一部プロジェクトマネージャー・藤田裕子氏は、「商品企画の段階で地元の不動産会社さんから聞き取り調査をしました。大井町線の価格のアッパーは1億3,000万円と言われましたので、チャレンジではあったのですが、来場者の方には納得していただいています。見学された方の中には『これほど広い玄関・ホール付きの分譲住宅は見たことない』と仰っていただいています」と話した。

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工事中の第二工区

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 第一種低層住居専用地域の開発面積としては、約3,619㎡の三菱地所レジデンス・モリモトのマンション「ザ・パークハウス 自由が丘ディアナガーデン」(44戸)には及ばないが、都心部・準都心部では屈指の規模だ。よくぞ土地を仕入れられたものだ。

 建ぺい率40%、容積率80%の分譲戸建ても少ないはずで、同社の物件で調べたら2018年分譲の「グランフォーラム成城学園前」(4戸)がそうだった。

 現地取材するまで知らなかったのだが、案内図を見たら何と田園調布雙葉学園の幼稚園・小学校・中学高等学校が近接しているではないか。お嬢さんを雙葉に入学させたいと考える人の関心を呼ぶのではないかと見当をつけた。

 「広い玄関・ホール」は、2019年分譲の三井不動産レジデンシャル「ファインコート茗荷谷」を見学したとき、1億5,800万円の玄関の広さと親子ドアを開くと立派なリビングが広がる空間にお客さんが驚いたという話は聞いているが、今回は玄関・ホールのみで4畳大くらいあった。階段室の手摺部分をガラス張りにして一層広く見せる工夫を凝らしていた。同社はここ数年、マンションも含めて〝魅せる玄関〟に力を入れているが、今回もそれが成功した。

 残りの第2工区13区画はまだ基礎の段階の住戸も多く分譲はずっと先になりそうだが、敷地南側は開けており、擁壁には緑化も施されていた。今回分譲より価格は高くなるかもしれない。施工は細田工務店と西武建設。

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モデルハウス

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玄関・ホール

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天窓

価格に見合う価値あり コスモスイニシア「グランフォーラム石神井公園」(2018/12/3)

一頭地を抜く コスモスイニシアの都市型戸建て「田園調布 桜坂」「成城」(2018/4/20)

三井不レジ 山手線の内側初の都市型戸建て「茗荷谷」「新大塚」早期完売へ(2019/2/5)

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HANARE ~zen~(ハナレ ゼン)」付き分譲住宅「鴻巣市栄町」

ケイアイスター不動産が試験販売を開始した「HANARE ~zen~(ハナレ ゼン)」付き分譲住宅「鴻巣市栄町」を見学した。

 物件は、JR高崎線鴻巣駅から徒歩7分、鴻巣市栄町の第一種住居地域(建ぺい率70%、容積率200%)に位置する敷地面積約144㎡(43坪)、建物面積約110㎡(33坪)、間取り4LDK、価格3,490万円。建物は202110月に竣工済み。構造は軸組工法2階建て。「禅」は1帖タイプで、幅910 mm×奥行1820mm、ベタ基礎、工期は2日(晴天時のみ)、価格は559千円(税込)~。エアコン用のコンセント、2口のコンセント、照明、カウンター、書棚になる収納エリア付き。1125日に完成済み。地元の不動産会社が仲介して販売中。

同社は、住宅のプラスワンスペースとして202011月、既居住者向けに「HANARE」第一弾を販売開始し、第二弾として20214月、規格型平屋注文住宅IKI(イキ)のオプショ商品として「HANARE書斎版」を販売開始した。今回の「HANARE禅」その第三弾。

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 「禅」なるものがどのようなものか見たくて、同社広報にお願いして見学が実現した。現場は2階建ての戸建てや平屋の賃貸住宅が建ち並ぶ住宅街の一角で、道路、線路を挟んだ目の前が幼稚園。

 驚いたのは分譲住宅の価格の安さだった。都心部だったら10坪のワンルームも買えない。通りがかりの女性に声を掛けたら、「この辺にはこれくらいの価格の住宅が結構分譲されているけど、いいわね」と話した。すかさず「お子さんは? 息子さん、娘さんにどうですか」と畳みかけたら、「二人とも買っちゃってるわよ」とのことだった。

 地域にはそれぞれ相場があるから、敷地が43坪もあって建物が33坪の住宅でもそんなに安くないということか。

 さて「禅」。記者などは小さいころ、親の言うことを聞かないとすぐ「蔵に入れるぞ」としかられたものだ。柿の木に縛り付けられた友だちもいた。今の子どもは〝お宝〟のようにちやほやされるので、このような「禅」は脅しにならないのだろう。

 もちろん在宅ワークにも利用できそうだが、夫婦喧嘩でもしたら駆け込むのにいちばんいいのではないか。中で眠ることもできそうだが、エアコンを付けないと夏や冬は籠るのは大変か。

 もう一つの課題は建築基準法だ。防火・耐火基準が厳しい都市部は1帖とはいえ建築確認は必要だし、建ぺい率を使い切っている住宅も少なくないので狭小敷地などでは難しいことだ。組み立て・移動式にしたらどうなのだろうか。この前見学した三菱地所、合同会社Endian、テレキューブサービスが考案した、「CHILL CUBE(チルキューブ)」も参考になるはずだ。

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間取り図

丸の内で森林浴ができる「♯チル休み」 三菱地所など11/26まで新丸ビルで実施(2021/11/22

 

 

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外観

 ケイアイスター不動産は12月17日、賃貸住宅付き戸建分譲住宅「戸建て大家さん®」の板橋区赤塚の2物件が完売したと発表した。

 「戸建大家さん®」は、首都圏エリアに特化し、収益物件の保有を目的とする顧客向けにAI(人工知能)を活用した同社独自の用地仕入システム「ミツカルPro」により販売エリアを厳選したうえで、コンパクトなセミオーダー型分譲住宅として開発したもの。

 今回の物件は、それぞれ駅から徒歩7分の土地面積80.38㎡(24.31坪)、建物面積132.38㎡(40.04坪)と、駅から徒歩10分の土地面積82.79㎡(25.04坪)、建物面積130.40㎡(39.44坪)の3階建て。1階部分は賃貸用と想定してワンルーム2戸として提案していが、このうち1棟の購入者は、二世帯住宅を検討中に「戸建て大家さん®」を知り、見学の結果、1階部分を居住スペースとすることで二世帯住宅として購入。もう1棟は、法人が1階部分を社員寮とし、先々は投資物件へ利用変更を検討できるとして購入に至ったという。

 同社は、当初ターゲットとしていた収益物件の保有目的に限らない様々な潜在ニーズに対応できることがわかったとしている。

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 もう20数年前か、横浜・関内のデベロッパー・リッチライフが、勝手口付き3LDK・Kの分譲マンションを2LDKと1Kに分けて、1Kを賃貸などに転用できる「リッチライフプラン」として提案したのを取材している。隣り合う居室ドアは鍵付きで、開閉することも完全に遮断することも可能になっていた。同社のホームページによると2017年8月現在、15棟370戸の供給実績がある。

 マンションだって戸建てだって同じだ。この種のニーズは間違いなくあると思う。問題はどのようにしてそのような顧客を探し出すかだ。

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間取り例
 

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「LEGATO(レガート)」モデルハウス

 細田工務店は12月13日、新外観デザインの注文住宅「LEGATO(レガート)」モデルハウスをメディア向けに公開した。

 現在分譲中の全20戸の分譲住宅「グローイングスクエアひばりヶ丘サウス」で成約済みの1戸を、契約者の了解を得て2022年3月中旬まで一般公開するもので、建物は従来の柱と梁を組み合わせた軸組工法にツーバイフォーの構造用合板を敷き込んだ6面体構造の高耐震×制震工法「ハイブリッドキューブ」を採用し、設計住宅性能評価7項目で最高等級を取得。

 外観は、スクエアなフォルムが印象的な重厚感のある、箱を組み合わせたようなキュービックデザインが特徴で、モデルプランは「おうちじかん」が求められる時代にぴったりなキッチンラボ、階段ライブラリー、テラス、ベランピンクバルコニー、寝室ワークスペースなどを設置し、家族それぞれが多目的に利用できるスペースを提案している。

 現地は、西武池袋線ひばりヶ丘駅から徒歩8分、西東京市住吉町3丁目の第一種低層住居専用地域に位置する敷地面積約118㎡、建物面積約94㎡。価格は81万円/坪から。

 同社はまた、「LEGATO」のほか、シャープなフォルムが特徴の「ARDITO(アルディート)」、オーガニックな木の質感を表現した「MARCATO(マルカート)」を開発し、今後の注文・分譲住宅で採用していく。

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現地


 

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 ケイアイスター不動産のグループ会社・カーザロボティクス(Casa robotics)は11月25日、2022年3月期上期(2021年4~9月)の規格型平屋注文住宅IKI(イキ)の契約状況をまとめ発表した。

 同社は2020年8月にIKIの販売を開始し、同年11月に平屋を専門に販売するカーザロボティクスを設立。2021年3月までの集計では、契約のうち最多はシニアの37%だったが、2021年4~9月では、前回(2020年9~3月)16%だったファミリー世帯が29%と13ポイント増加し、24%のディンクスを抜いてトップとなった。シニア層は16%へポイントを下げたが、契約件数は同等水準で推移している。また、シングルマザー世帯からもコンスタントに契約があるという。

 IKIは17坪タイプで本体価格649万円(税込)~。

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 平屋建て分譲住宅をいくつか取材したことがある。シニア層向けが圧倒的に多かったが、記者はマンションがそうであるように、戸建てもフラット(平屋)がいいのは言うまでもないことだ。大都市圏では地価が高く、ファミリー層は平屋を建てられる敷地を確保することが難しかった。

 同社のIKIの地域的分布などは開示されていないのでよく分からないのだが、本拠とする北関東が中心なら伸長するのはよく理解できる。十分とは言えないだろうが、シニアはもちろん1人、2人家族なら17坪はまずまずの広さではないか。建ぺい率を60%とすれば、敷地は30坪あれば建てられる。鴨長明の「方丈庵」よりずっと広い。

 住宅着工でも平屋建てが伸びているのも時代の変化を反映したものだ。


 

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