全23棟の3階建て 販売順調 アグレ都市デザイン「アグレシオプラス西新井Ⅳ」

「アグレシオプラス西新井IV」(写真提供は同社、撮影はカメラマン・重松善樹氏)
アグレ都市デザインが分譲中の戸建て「アグレシオプラス西新井IV」を見学した。分譲開始5カ月で全23戸のうち約半数が契約済み。順調な売れ行きを見せている。
物件は、東武スカイツリーライン西新井駅から徒歩15分、足立区島根四丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)・近隣商業地域(同60%・同300%)に位置する全23戸。先着順で分譲中の住戸(8戸)の土地面積は70.05~82.24㎡、建物面積は98.12~125.85㎡、価格は4,180万~5,180万円。完成予定は2021年3月上旬~2021年6月中旬。構造は木造軸組工法3階建て。設計・施工はアグレ都市デザイン。今年1月から販売を開始しており、全棟完成前の建築中のプロジェクトであるが、これまでに約半数が契約済み。
現地は、旧日光街道から一歩入った戸建て住宅街。モデルハウスは建物面積119.83㎡3階建て。1階はフリーウォールで仕切られた5.3帖と6.1帖の居室とトイレなど。2階が19.6帖のLDKと洗面・浴室、トイレ、3階が7.1帖と5.1帖の居室2室。
主な基本性能・設備仕様は、防犯アルミ樹脂複合サッシ、Low-E複層ガラス、食洗機など。
同社東京支店次長・平川正寿氏は、「販売は順調。当社は棟数だけで勝負せず、ミドル、アッパーミドルをメインターゲットにデザイン性と質にこだわっている。最近は完成するまでに完売する物件も多い」と語った。




◇ ◆ ◇
同社の分譲戸建てを見学するのは2010年12月以来、実に10年振りだった。間隔が空いた理由はとくにないが、最近の業績がよく、供給戸数を伸ばしているので見学を申し込んだ。
今回の物件は足立区の第一次取得層向けだが、実績からするとアッパーミドル向けの23区の西側、多摩エリアが多いので、また見学をお願いしレポートしたい。

小家族向けに焦点 面積・価格抑え大胆提案 ポラス「Sumi-Ka+空の稔」に注目

「Sumi-Ka+ №.3 空の稔」
ポラスグループ中央住宅が分譲中の「Sumi-Ka+ №.3 空の稔」を見学した。共働き夫婦など小家族向けにターゲットに絞り込み、建物面積を80㎡に抑えることで価格もファミリー向けより500万円くらい低く設定し、プランも1LDKにするなど工夫を凝らしている。分譲戸建ての常識を覆す商品企画が注目される。
物件は、新京成電鉄みのり台駅から徒歩7分、松戸市稔台7丁目の第二種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する子育てファミリー向けの「HITO-TO-KI」(14棟)と共働き夫婦向けの「Sumi-Ka+」(4棟)からなる全18棟。従前は社宅。現在分譲中の「Sumi-Ka+」(2戸)の土地面積は120.10~120.11㎡、建物面積79.49~83.63㎡、価格は3,780万円。構造は木造在来工法2階建て。施工はポラテック。建物は完成済み。
現地は、分譲済みのファミリー向けの「HITO-TO-KI」との一体開発だが、「Sumi-Ka+」は東西軸が細長い敷地形状で、南西側の前面道路も4~5mしかなく、住宅も道路から約2.6mの擁壁の上に建っており、駅からほぼフラットで全面道路幅も10mの「HITO-TO-KI」と比べ立地条件はやや劣る。
コンセプトは、「共働き夫婦2人の住処」「2~3人家族の住処」「Farst Stage家族」。住戸プランは、2階にグランピングバルコニーを設けたものも2戸あるが、残りの2戸はバルコニーが付いておらず、どちらかといえば外に閉じられたプランだ。小家族の居住を想定しているため、1階は広々としたLDKのほかは2ボウルのパウダールーム、浴室、トイレなどで、2階は寝室にもなるセカンドリビング、主寝室、SOHOルーム、室内物干しスペースなどとしているのが特徴。間取りは1~2LDK。
設計を担当した同社不動産ソリューション事業部不動産開発部のプロジェクトリーダー・村田嵩胤氏は、「コロナ禍でチラシなど広告などを打っておらず、ホームページによる告知のみだが、コンセプトに共感を頂いている。この種のプランに対するニーズが存在することは同じプランの『浦和』でも経験済みで、他のエリアでの展開も考えている」と話した。

住棟配置(右側がファミリー向け「HITO-TO-KI」)

「HITO-TO-KI」
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「Sumi-Ka+」は、従来の分譲戸建てのイメージ・概念の盲点をついた商品だ。これまでの分譲戸建てはほとんど100%子育てファミリーの入居を想定している2~3階建てで、間取りも4~5LDKというのが一般的だ。共働き夫婦二人向けなどは、郊外部でたまに供給される高齢者向け平屋建てくらいしかない。
しかし、「Sumi-Ka+」はDINKS向けにターゲットを絞り込んだ商品のため、難点を逆手に取った大胆な提案を可能にしている。土地・建物面積を小さくする一方で、2人の豊かな居住空間を作り出し、価格は同じ道路付けの「HITO-TO-KI」と比べ500万円くらい低く抑えられている。
こうした大胆な提案ができるのは、不動産ソリューション事業部の仲介部門からもたらされるお客さんの個別情報に基づくニーズがあることを把握しているからだろう。
確かに、個人住宅ならともかく、ファミリー住宅で構成される中大規模住宅地では、コミュニティの輪に入っていけない世帯は少なくないのも事実だ。
例えば、子どもが欲しくてもつくれない、あるいは子どもを欲しくない共働き世帯。そうした世帯にとって、親子が楽しそうに遊ぶ場面など見たくないかもしれない。老夫婦だってそうだ。3~4部屋などいらない。2階を物置にしている世帯も多い。
意表を突いた商品企画ではあるが、潜在的なニーズは間違いなくある。記者は爆発的にヒットしても驚かない。わが国の世帯構成は、高齢化も背景にはあるが、「夫婦のみ」がどんどん増加し、ほぼ3分の1を占めている。

モデルハウス1

モデルハウス2

造作ダイニングキッチン
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価格が安いからといって、基本性能・設備仕様が低いわけではない。リビング天井高は2.7mだし、サッシ高も2.2mある。全棟造作ダイニングキッチン、防犯ガラス・電動シャッター付きだ。2ボウルの洗面室など普通の分譲戸建てにはないはずだ。見学した2戸にはトップライトもついていた。主寝室にはセカンドシンク&冷蔵庫を設けるなど細かな配慮も見られる。

2ボウルパウダールーム

下部は冷蔵庫置き場にもなるシンク
納得の即日完売 デザイン・設備仕様レベル高い ポラス「市川菅野」16棟

「佇美の家~たびのいえ~市川・菅野」
ポラスグループ・ポラスガーデンヒルズの分譲戸建て「佇美の家~たびのいえ~市川・菅野」を見学した。高級住宅街として知られる「市川菅野」に位置しており、2月13日の販売開始の時点で即日完売した。デザイン・設備仕様レベルが高く、納得の即日完売だ。
物件は、京成本線菅野駅から徒歩7分(JR市川駅から徒歩15分)、市川市菅野三丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する開発面積約2,500㎡の全16棟。土地面積は104.60~110.50㎡、建物面積は95.43~108.90㎡、価格は5,790万~6,690万円。構造は木造在来工法2階建て。施工はポラテック。建物は完成済み。
現地は、古くから別荘地として栄え、「東の鎌倉」として多くの文人などが住んだ「市川菅野」の高級住宅街に位置。良好な住宅地を形成するため、地区計画により最低敷地面積は110㎡以上と定められているエリアの一角。従前敷地はコインパークだが、以前は隣接する日出学園の敷地。
建物外周にイロハモミジ、アオダモ、シマトネリコなどの中高木をふんだんに植え、自然石を採用した門柱、ベンチ、花壇、花台を設置しているのが特徴。樹木は有限会社田主丸緑地建設の協力を得て、九州のGreen Tankから取り寄せた山採り樹形が美しい樹木を選び、門柱は割肌仕上げのブラックの凝灰岩、植え込みの立ち上がり部分は「ランダムサイズ」「凹凸のある表情」がある天然石で仕上げている。
各住棟は、和テイストの「趣」、非日常を提案した「彩」、食を楽しむ「心」を提案。天井化粧梁、突板フローリング、いぐさ畳、エコカラット壁、エンボス仕上げのキッチンカウンター、ミストサウナ、アルミ&樹脂複合サッシなどを装備。リビング天井高2.7m、サッシ高は2.2m。
10月23日から予告広告を出し、2月13日の販売開始まで約380件の反響を集め最高5倍の倍率を集め即日完売。キャンセル住戸が1戸出たため、その後30件の上積みがあった。
設計を担当した同社設計部企画設計課課長・工藤政希氏は、「営業と一体となった空間づくりを行ってきた成果。最近は外構、エクステリア、デザインに力を入れており、街づくりに磨きをかたい」などと語った。

インテリアカラー:ブラックチェリー

インテリアカラー:イタヤカエデ

モデルハウス

モデルハウス

工藤氏
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昨日記事にした「Sumi-Ka №.2 新故郷」(松戸市)にはインパクトの点で負けるが、即日完売は当然と思える出来栄えだ。添付した写真を見ていただきたい。敷地が100坪を優に超える周辺の邸宅にはかなわないが、きちんと街づくりを行っている。外構のカエデモミジなどの樹木は10m以上のものもあった。竣工の段階でここまでの高木を植えるデベロッパーは少ないはずだ。その緑を取り込む窓にも工夫を凝らしている。
天然木のナラ、イタヤカエデ、ブラックチェリーの突板フローリングや、花壇、ベンチ、門柱などに自然石をふんだんに用いているのも目を引く。

花壇
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門柱

コミュニティ育む仕掛けに驚嘆従来の常識覆すポラス「Sumi-Ka 新故郷」(2021/5/1)
コミュニティ育む仕掛けに驚嘆 従来の常識覆す ポラス「Sumi-Ka+ 新故郷」
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「Sumi-Ka+ №.2 新故郷」PLAN1
ゴールデンウィークに突入し、普段なら心が浮き立つのに、昨年に続き今年も新型コロナが猛威を振るっているせいで現場取材は激減し、心はどんよりと沈んだままのこの日(4月30日)、ポラスの分譲戸建て「佇美の家(たびのいえ)」(市川市)「Sumi-Ka+ №.3 空の稔」(松戸市)「Sumi-Ka+ №.2 新故郷」(松戸市)を見学した。午後の半日を飲まず食わずで丸々費やしたが、取材を終えた後は心が沸き立った。それぞれコンセプトが斬新で、素晴らしい物件だ。
さて、この3物件の中からどこから紹介するか。取材順なら冒頭に書いた通りだが、従来の分譲戸建ての概念を一変させた商品企画の「Sumi-Ka+ №.2 新故郷」を真っ先に取り上げる。
物件は、新京成電鉄みのり台駅より徒歩7分、千葉県松戸市稔台2丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全3棟。敷地面積・建物面積・価格はそれぞれPLAN1が132㎡・118㎡・5,480万円、PLAN2が117㎡・98㎡・4,380万円、PLAN3が104㎡・80㎡・3,880万円。企画・設計は中央住宅不動産ソリューション事業部不動産開発部。施工はポラテック。構造は木造在来工法2階建て。建物は完成済み。
最大の特徴は、3棟を異なる個性的なプランとすることで、3家族がお互いの価値観を尊重し、ともに助け合うコミュニティを創造する「『日本の古き良き文化』を現代に置き換えた街創りを提供」(同社)していることだ。
3家族のコミュニティを醸成するための空間デザインとして、近所の人たちと会話できるようにPLAN1の道路に面した庭にはベンチを設置。PLAN1の1階の駐車ガレージと住居部分の間に幅165センチの「Common Space」(エントランスゲート)を設け、PLAN2とPLAN3の居住者が自由に通れるようにし、さらに、それぞれの住棟間にはフェンスを設けず、デッドスペースを家庭菜園や専用庭として利用できるように「協定」を結ぶことにしている。
PLAN1は「Long Life」と名付け、子育てだけでなく将来親との同居を想定。子どもが独立したときは1階と専用庭を両親の空間とし、中2階のリビング繋いで2階は夫婦の寝室として利用できるように設計。PLAN2の子どもが病気になったときは預かり世話ができるスペースも確保している。
「Family」と名付けたPLAN2は、共働きの家族を想定。PLAN3の夫婦と子ども2人が中央広場で遊び、PLAN1の家族と一緒に家庭菜園を楽しめるようにしている。
PLAN3は、「Ko Kazoku」とあるように夫婦の「個」を尊重し、子供はいないが、PLAN2の子どもの面倒を見ることをいとわない夫婦の入居を想定している。
企画・設計を担当した同社不動産ソリューション事業部は、店舗数25店、営業スタッフ150人の仲介事業を中心とする総勢190人の部署で、不動産開発部は年間約150棟の分譲戸建てを販売している。
設計を担当したプロジェクトリーダー・村田嵩胤氏は、「『新故郷』の文字には、住人同士で支えあい信頼関係を気づける街づくりを目指す『信個共』、誰もが持つ心の弱さや孤独を補い合い境界のない関係を築く『心孤境』、震災などの記録・記憶を子どもたちに伝える『震子教』のメッセージを込めました。私は入社14年目で、最初からソリューション事業部所属。最初の3年間は仲介営業を担当し、設計希望だったので1級建築士の資格を取得しました。この種の商品企画は仲介営業を通じて得られるお客さまの様々なニーズから生まれたものです。今月5月12日が34回目の誕生日です」などと語った。


エントランスゲート

村田氏
◇ ◆ ◇
夫婦2人の居住を想定しているPLAN3のモデルハウスは実によくできている。建物面積は80㎡だが、1階はLDKとトイレ、2階はセカンドリビングにもなる主寝室、スキップフロア&ベッドスペース、浴室、2ボウルの洗面、トイレ、ウォークインクローゼットの1LDKなので広々としている。リビングドア、サッシは高さ2.4m、リビング天井高は2.7m。
床・壁・天井などに本物の木を多用し、トップライト、セカンドシンク、ミニ冷蔵庫置き場、造作ベンチなどを設置。価格には建具家具も含まれる。
◇ ◆ ◇
見学したのは午後5時を過ぎていた。「佇美の家(たびのいえ)」を見学するために昼過ぎに家を出てから何も食べておらず、移動の合間にタバコ一服とミニペットボトルのお茶を飲んだきりだった。早く帰らないと西武ライオンズの応援ができないではないかと焦っていた。同社の戸建ての特徴は見なくても分かる、たかが3棟の戸建てを見てどうするのだと正直思った。
ところが、どうだ。道路に面したPLAN1は立派な建物で、1階中央が通り抜けられるようになっており、しかも、その通路は「協定」、つまり民法で定めた地役権ではなく、紳士協定と村田氏がいうではないか。
これまで共有のコモンスペースを設けたものや、境界線を取り払った戸建て住宅地はたくさん見学してきたが、このような住棟にエントランスゲートを設けたものは初めて見た。それぞれの敷地を家庭菜園や専用庭として使えるというのもまずないはずだ。普通のデベロッパーだったら敷地を四角に切って4棟にするはずだ。
このような分譲戸建ての常識を根底から覆す商品企画を生み出したのは、村田氏も話したように、お客さんの生の声を日常的に聞いている営業と一緒に取り組んでいるからに違いない。記者は、今年のグッドデザイン賞大賞を受賞するのはこの物件ではないかと思う。
取材を終え、帰途についたのは午後6時過ぎだった。みのり台駅近くの酒屋で缶ビールを買って店先で飲んだ。五臓六腑に染みわたるとはこのことを言う。ポラス広報と村田さんに感謝!感謝!西武ライオンズも完勝した。


アキュラグループ 住宅建設時に1年間の光熱費を保証 返金・還元も
アキュラホームグループと地域ビルダー組織・スマートアライアンスビルダーは4月28日、住宅を建てる際に建築費にとどまらず、月額の光熱費(電気・ガス代)を表示する「日本初(※)住宅の燃費表示制度」を5月1 日(土)から開始すると発表した。月額の住宅の燃費(光熱費)を表示することで、住宅のエネルギーを見える化し、省エネや脱炭素社会への消費者意識を高めるのが狙い。
住宅建設時に1年間の光熱費をシミュレーションした数値を保証し、光熱費がオーバーした分をアキュラホームがキャッシュバックし、下回った場合は差額分を還元する。保証の1年間が終了した後も、省エネを意識した暮らしを促すことを目的としている。
※年間建築棟数2,000棟の全国規模での光熱費表示制度の開始、全棟1年間保証についての取り組みは日本初
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光熱費の見える化はいろいろなところが取り組んでおり、光熱費アプリも普及している。新築住宅には省エネ等級などを示すBELS表示制度があるが、★印なので消費者にとっては分かりづらいという指摘もあることから、国土交通省は「住宅の省エネ性能の光熱費表示検討委員会」を立ち上げ、検討を進めている。
業界最高級 駒沢モデルは87坪・3億円 大和ハウス 富裕層向け「MARE-希-」発売

「Wood Residence MARE-希-(マレ)」
大和ハウス工業は4月27日、同社の史上最高級の大都市圏の富裕層向け戸建て商品「Wood Residence MARE-希-(マレ)」を4月29日から発売すると発表した。木造とRC造の混構造とすることで設計の自由度を高め、自然素材をふんだんに採用し、自由自在に造ることができるのが特徴。駒沢住宅展示場に設けた2階建て延べ床面積約287㎡(87坪)のモデルハウスは建具・家具、外構などを含めて約3億円(坪単価345万円)と業界最高額となる模様。
「Wood Residence MARE-希-」は、地下-地上3階建てが可能で、最大10mの大空間や最高天井高4.1mを実現。外壁の仕上げ材に防耐火認定を取得したヒノキ集成材や大判タイル、陶板外壁などを採用。さらに、屋内外の一体感を生み出すため、同じ素材やデザインで仕上げる連続壁や、室内の化粧板素材を連続させた軒天を提案している。
天然素材には北欧の沼に3000年眠っていた「ボグオーク」をはじめ、天竜スギ、江戸唐紙の収納扉、ガラスコーティングを施したカシのキッチン天板、ナラ材などをふんだんに盛り込んでいる。
販売に際しては、4 月29日にグランドオープンする住宅展示場「DaiwaHouse 駒沢展示場2」に加え、「ZIZAI DesignOffice Tokyo/Osaka」が手掛けたハイクオリティCGで製作したデジタル邸宅デザインギャラリー「DIGITAL SHOWCACE(デジタル ショーケース)」などのデジタル展開を強化することで、リアルとデジタルで顧客との接点を増やすという。
販売対象エリアは首都圏、関西圏、名古屋の大都市圏で、本体価格は165万円~/坪(税込)。年間販売棟数は50棟。
オンラインによる発表会に臨んだ同社取締役常務執行役員・大友浩嗣氏は、「直近の住宅着工は新型コロナの影響を受けダウントレンドにあるが、株価の上昇などを背景に富裕層向けビジネスは伸長しており、当社の5,000万円超の高額商品も堅調に推移している。当社史上最高級の新商品は1棟7,000万円(坪単価165万円)、年間100棟の受注を目指す。駒沢モデルは約3億円」などと、新商品投入の背景や狙いを語った。

左から櫻井氏、大友氏、山﨑氏

大空間イメージ

青森ヒバを採用した天井

天竜スギを採用した軒天と外壁

主寝室
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発表会の冒頭、大友氏が「駒沢モデルは3億円」と話したとき、運動能力だけでなく加齢とともにどんどん退行していく記憶力をフルに回転させて、「3億円」の意味を考えた。
真っ先に「3億円事件」が浮かんだが、同社常務執行役員・山﨑考平氏と同社住宅事業本部事業統括部ZIZAIデザインオフィス室長・櫻井恵三氏の話を聞くうちに、今回の新商品は同社の史上最高級商品どころか、他のハウスメーカーのモデルハウスを含めた最高額商品であることを確信した。
記者が取材した範囲内だが、これまでの最高坪単価モデルハウスは、三菱地所ホーム「新宿ホームギャラリー」の坪254万円(約223㎡、1億7,200万円)で、建物の最高価格は積水ハウスの古河にある軽量鉄骨2階建て「イズ・ステージ」の約2億円(約297㎡)であるはずだ。
今回の「希」は、坪単価でもグロスでもこれらを上回る。駒沢のモデルハウスは、櫻井氏の説明と画像から判断して、業界トップクラスであることは間違いない。
例えば、2階の浴室&洗面。床に「ボグオーク」、天井に静岡県産の天竜スギを採用しており、櫻井氏は「洗面のスペースの外側に高いバルコニーの壁を作り、天井の部分から50センチほどはスリットで空けていますが、外からの目線を完全に遮るような形でインナーバルコニーを作りました。インナーバルコニーも緑いっぱいにしており、浴槽からも見ていただけます。外からの目線が切れているので、洗面台も通常だと壁につけるところを思い切って透明ガラスにして窓ガラスにはめ込む形で作りしました。ミラーも同じようにサッシに組み込むような形にして、外とつながりのある気持ちのいい洗面台が出来上がったと思います」と誇らしげに語った。
1階居間は、床と天井に青森ヒバを張り巡らせ、インナーガーデンには2階の吹き抜けまで届く本物の木が植えられている。階段室は畳コーナーを設け、階段はナラ材で覆っている。
この他、自然石の浴槽、尾形光琳の光琳柄模様を模した江戸唐紙を用いた主寝室の収納扉など富裕層の心をくすぐる提案が随所に施されている。
いい商品だから記者がそう思い込んだのか、櫻井氏のスピーチは何の衒いもなく、着ているスリーピースもまた「希」と同じような高額に映った。
そこで、広報を通じて聞いた。スーツはこの日のために借りた貸衣装ではなく自前で調達したもので、値段は約10万円であることも打ち明けた。高いか安いかはさておくが、映像だけでは伝えきれない「質」をスピーチで補ったから高価なものに見えたのだろう。記者などは何を着ても貧相に見える。うらやましい。
もう一つ。同社は今回も全体で約1時間の発表会のうち質疑応答に約30分の時間を割いた。的が外れていようがいまいが、質問にきちんと対応する姿勢は他社も見習うべきだ。
坪254万円 設備仕様は最高レベル 三菱地所ホーム 新宿(新大久保)にモデルハウス(2019/6/5)
三菱地所ホーム コロナ禍のニーズに応える「風通しの良い家」バーチャルモデル

「風通しの良い家」
三菱地所ホームは4月27日、オンライン記者発表会を開き、コロナ禍によって変化した暮らし方と住まいへの新しいニーズに応える、全館空調「新・エアロテック-UV」を搭載した「風通しの良い家」のバーチャルモデルハウスを同日から公開すると発表した。
「風通しの良い家」は、場所や用途を限定しないフリーアドレスの考え方を取り入れ、ゾーニング・動線・視線の工夫により、限られた空間を「さわやかな風のように」フレキシブルに活用する“目に見えない心地よさ”をテーマに、帰宅後すぐに手洗い・うがいができるよう「ウイルス・ケア・ゾーン」を設置し、京町屋などに見られる採光、通風、物の運搬など様々な用途に使われる「通り間」をヒントにした「TOHRI-NIWA」や、キッチン(K)を起点として、ダイニング(D)、リビング(L)へ、床レベル差をつけて段々とつながる「ステップKDL」を提案しているのが特徴。
「新・エアロテック-UV」は、日機装が開発した医療機器に搭載されているものと同じ深紫外線LEDを採用し、空気内のウイルス、臭気、アレル物質をまとめて除去・消臭し、クリーンな空気で各部屋を24時間365日換気するもの。
バーチャルモデルハウスはこちら。
https://www.mitsubishi-home.com/lp/newlife2021

イメージ
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記者は、他の取材と重なりオンライン発表会は視聴できなかったが、同社から送られてきたバーチャルモデルハウスを「見学」した。
バーチャルモデルハウスは、他社を含めこれまで数回見ている。いずれもきれいではあるが、やはり画像では住宅の質感は伝えられていない。今回のモデルハウスも、画像をクリックすれば、ところどころの特徴はコピーで説明されている。例えば、「Family salon」は「吹抜に面したホールは、住まう人により様々な使い方ができるニュートラルなスペースです」とあり、「TOHRI-NIWA」は「フレームレスの全開放サッシにより、庭のような開放感を感じられます。子供が遊んだり、軽い運動をしたり、近所の方との談笑の場にもなる、パブリックとプライベートの中間領域に」などとある。
しかし、これだけでは肝心の「新・エアロテック-UV」の快適性はもちろん、ホールの天井高はどれくらいあるのか、床や壁、建具家具などはシート張りなのか、本物の木や石が採用されているのかどうかは分からない。
やはり、画像では伝えきれない弱点をどう補い、分かりやすく伝えるかが大きな課題だ。スウェーデンハウスの村井秀壽社長も言った。「五感」にどう訴えるかだ。画像にナレーションや音楽を入れることなどは容易なはずだ。
同社でいえば、CMに起用されている村上龍氏に全館空調と仕事について語ってもらうというのはどうか。出演料が高いのであれば、同社の名物広報マンYさんや、野球部のプレイングマネージャーSさんもタレントとして使える。
after&withコロナに即応 三菱地所ホーム ウイルス除去に効果的な新商品など発売(2020/10/21)
積水ハウス、2020年度の新築戸建てZEH比率91%
積水ハウスは4月26日、2020年度の新築戸建住宅におけるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の比率が91%となり、第5次中期経営計画(2020 年度~2022年度)最終年度までの目標90%を前倒し達成したと発表した。累積では2021年3月末時点で60,843戸となった。
また、賃貸住宅でもZEHを推進し、家庭部門のCO2排出量を2013年度比55%削減した。
同社は、今年4月22~23日の「気候変動サミット」で発表された、日本の2030年の温室効果ガス排出削減目標46%達成に向け、業界をリードしていくとしている。
スウェーデンハウス 世界初3DキャラクターによるVR内覧サービス モデル来場2.2倍

サイトページ画面
スウェーデンハウスと野原ホールディングスは4月20日、世界初の3Dキャラクターによる接客機能を搭載した室内360度バーチャル内覧サービス「VRモデルハウスウォークスルー」を共同開発し、同日からスウェーデンハウスの公式サイトで提供すると発表した。
「VRモデルハウスウォークスルー」は、両社が共同開発したもので、住宅購入検討者はスウェーデンハウスのモデルハウスをバーチャルで内見でき、オリジナルの3Dキャラクターが内見サポートするウェブサービスだ。
利用者はWeb上でモデルハウスを内覧することができるだけではなく、好みの3Dキャラクターと営業スタッフに現地で説明を受けているような感覚で会話(ボット機能)をしながら、モデルハウスを内見することができるのが特徴。
モデルハウス内見用の3Dサービスは、米国マーターポート社(Matterport, Inc.、URL:https://matterport.com/ )が開発した「Matterport® True3DリアリティーキャプチャープラットフォームおよびMatterport Pro2 3D カメラ」を活用しており、このシステムに3Dキャラクター関連機能を搭載したのは世界初という。
発表会で同社・村井秀壽社長は、「わたしは3年前に終の棲家としてスウェーデンハウスの住宅を建てた。3重窓や高気密・高断熱住宅のよさを実感した。コロナの影響でモデルハウスの来場は減少しているが、Z世代を中心に住宅取得のニーズは高く、当社もまだまだ伸びしろがある。今回の世界初のトライによって業績は10%伸びた」と語った。
また、同社営業推進部部長・大川保彦氏は、「昨年5月から試行的に3Dウォークスルーを導入したところ、モデルハウス来場予約は2020年3月期の757件から、2021年3月期は1,665件へと2.2倍に増加した。モデルハウス来場者による成約率は2~3%だが、Webを通じた成約率は10%に達している」と具体的な数値を示した。
野原ホールディングス社長・野原弘輔氏は、「昨年の春以降、VRの撮影依頼が急増している。DXを加速させる」と話した。
両社は今後、検索項目を増やし、例えばモデルハウスに使用されている家具をクリックすると、製造はどこかいくらで販売しているかわかるようにするなど、ブラシュアップしていくという。

村井氏(左)と野原氏

熊谷モデルハウスにおける現地(左)と同サービス(右)の対比

3D キャラクター
◇ ◆ ◇
スマホすら満足に扱えない記者にとって、発表会の1時間というものはちんぷんかん、何のことなのかさっぱりわからなかった-というよりは、ずっと話を信じていなかった。
なぜか。昨日書いた積水ハウスのライフスタイル型モデルハウス「みんなの暮らし 4stories」の記者発表会・内覧会の記事を読んでいただきたい。積水のモデルハウス内覧会は同社の広報のスタッフが撮影した動画を配信したものではあったが、モデルハウスのよさを伝えきれておらず、プロが担当してもオンラインでは住宅の質感を表現できないと確信したからだ。
スウェーデンハウスの住宅だってそうだ。いくら村井社長が「三重窓はいい」といったところで、これは実際に体験してみないとそのよさはわからない。
同社の住宅は、C値(相当隙間面積)もQ値(熱損失係数)もU値(外皮平均熱還流率)も他社を圧しているが、これら優れた数値がもたらす快適な居住環境、空気感、居心地の良さなどのリアル感は、いかなる精巧な3Dキャラクターを駆使し、画像の解像度を上げたところで演出できないはずだ。
村井社長など3氏の話を聞きながら、3Dキャラクターにトナカイ「ムース先生」やスウェーデンのきれいな女性を起用しようが、劇的に住宅展示場のあり方を変えることなどできはしないと、ずっと考えていた。
ところが、記者発表会の後のシステム体験会で、その考えがぐらついた。
自分のライフスタイルにあわせたモデルハウスを選び、こだわりなども設定し、指向性は記憶させることもできるというのは想定内だ。
驚いたのは、モデルハウスの内観のところどころに◎印がついており、そこをクリックすると、その部位の素材や特徴などが表示されたことだ。読者のみなさんもぜひ体験していただきたい。(VR モデルハウスウォークスルー https://vr.swedenhouse.co.jp/)本音を言えば、記者は操作も満足に行えないので、VR画像などをWebでほとんど見たことがない。どこまでが従来もある技術で、どこからが〝世界初〟なのかよくわからない。
それにしても、凄い世の中になってきた。同じようにAI技術を活用したシステムでは、東急リバブルが投資用マンションと顧客をつなぐ「投資用区分マンションAIマッチングシステム」を開発した。これによると、営業経験5年以上の担当者が行う物件選定と遜色ないレベルを実現したというではないか。
だが、しかし、村井社長も話したように、いかにAI技術が発展しようとも人間の五感に迫るリアル感は開発できないのではないか。

同社の三重窓(Low-Eガラスは内と外に2枚、木製枠は熱が遮断されるので内側はアルミサッシ、樹脂サッシよりはるかに耐火性能は高い)
駅から7分で敷地60坪 素晴らしい フージャース「つくば吾妻」82区画 完売

「デュオアベニューつくば吾妻」
フージャースアベニューの分譲戸建て住宅地「デュオアベニューつくば吾妻」を見学した。つくばエクスプレスつくば駅から徒歩7分の公務員宿舎跡地に開発された全82区画で、1区画当たり敷地面積が約200㎡(60坪)以上の素晴らしい住宅地だ。
物件は、つくばエクスプレスつくば駅から徒歩7分、つくば市吾妻三丁目の第一種中高層住居専用地域、第二種住居地域(建ぺい率60/70%、容積率200%)に位置する全82区画。1区画当たりの敷地面積は約200㎡(60坪)以上で、価格は6,000万円台~8,000万円台。建物は2×4工法2階建て。施工・設計・監理はエステーホーム。販売代理はフージャースコーポレーション。
2018年から分譲開始され、すべて完売となった。
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街並み
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取材を申し込んだのは、3月22日付でフージャースホールディングスが筑波大学建築デザイン専攻の学生アイデアを採用した3戸の住宅が完成したと発表したからで、プレス・リリースをコピペして書く記事に価値はないと判断し、そもそもこの住宅地がどのようなものか全然知らず、自分の目で確認するためでもあった。
現地は、つくば駅出口(A2)すぐの中央公園・中央図書館・美術館・つくばエキスポセンターを抜けた住宅地としては一等地。記者はつくば駅圏のマンションを10件くらいは取材しているが、このような低層住宅街が駅近にあるのは全然知らなかった。他の出口はみんな商業エリアだ。
住宅地にたどり着いたとき、その素晴らしさに圧倒された。何が素晴らしいかといえば、いかにも戸建て住宅街らしいゆったりしたオープン外構&電線地中化の街づくりだったからだ。最近見学するのは敷地が30坪、広くてもせいぜい40坪くらいのものばかりで、敷地が60坪もある最近の大規模住宅地は、小田急不動産の「南大沢」しか知らない。
ランドスケープデザイン・住戸デザインもいい。同社の戸建てのデザインが10年前くらいに一変したのはよく知っている。設計・施工を今回のエステーホームなど(他では津田産業)に切り替えたからだ。
街並みをみて、見学の目的の一つは達成された。今回を見逃していたら、ずっと知らないままになっていただろう。やはり記者は現場見学が大事だ。

中央公園

近くで咲いていたオオイヌノフグリ
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もう一つの見学の目的である学生さんのアイデアについて。これは、2018年、同大学芸術専門学群・建築デザイン演習および同大学院芸術専攻デザイン領域群・建築デザイン特別演習の一環として「住み継ぐ家」をテーマに企画・設計コンペを行い、39名の学生・大学院生の提案のうち優秀作3案を選び、その設計意図とデザイン提案を活かした住宅3棟を設計・施工したものだ。
最優秀賞に選出された染谷美也子さん(芸術専門学群3年生、当時)設計の「ハウス・オブ・プランツ」は、居間や食堂と庭の空間を一体としてデザインしたのが評価された。染谷さんの案は、東京建築士会開催の「第18回 住宅課題賞2018」の審査員賞である「高橋賞」を獲得している。
優秀賞に選出された安喜祐真さん(芸術専攻博士前期課程1年生、当時)設計の「土間のある家」は、玄関から台所にかけて土間空間を広く取った大胆なプランが、リュウ・T・ペニーさん(豪・クイーンズランド大学4年生・短期留学生、当時)設計の「本棚のある家」は、知的な仕事に携わる住民が多いと考えられるつくば市に建つ住宅ならではのアイデアがそれぞれ評価された。
この3戸のうち、染谷さんとリュウさんの提案住宅を見学した。安喜さんの提案を具現化した住戸はすでに入居済みで見学できなかった。
正直に書く。同社は不特定多数に売る建売住宅だから勇気がなかったのだろう。学生さんのプランは一部しか採用していないのは残念だった。
しかし、3人の方は悲観することなどない。みんな素晴らしいし、入選しなかった方も多分独創的な提案を行ったはずだ。入選することだけが目的でない。その過程が大事だと思う。
さて、「ハウス・オブ・プランツ」は、離れの子ども部屋(仕事場などにもなるはず)を提案しているのがいい。デベロッパーは良さを理解していても売れ残りを心配し採用するところは少ないが、記者はかつて、西武不動産が「所沢」の1億円以上の住戸に素晴らしい離れを採用したのを見学し、そのほかでもいくつか見ている。30坪の敷地では無理だが、この種のプランはもっと増えていい。
もらった資料では、染谷さんは2階に子供部屋とほぼ同じ広さの浴室を提案している。これは資料には記載がないだけで、浴室だけではないはずだ。何に使うのだろうか。
リュウさんの提案は記者も大賛成。家全体が書庫のようだ。しかし、リュウさん、造りつけの書棚を建売住宅で提案するわが国のデベロッパーはほとんど皆無です。どのような本を読んでいるか、人に知られたくない人もたくさんいます。これが課題だと思います。絵画、その他置物などにも対応できるといいと思います。
安喜さんの「土間」の提案は、ハスウメーカーやデベロッパーもよく行うプランだ。実際に建てられた住宅はリビング・ダイニングに面したところに「テラス」として設置されているので、安喜さんの意図とは少し違うのではないか。安喜さん、これも許してやっていただきたい。記者も「土間」は内と街や隣近所の人たちとの外を緩やかにつなぐ空間だと思っています。

リュウさんのアイデアを盛り込んだ住宅

安喜さんのアイデアを採用した住宅
