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清家氏(左)と磯部氏

住友不動産は616日、東京大学、武蔵野大学と共に共同で進めてきた建物改修による脱炭素効果の定量化を目指す研究の「第一フェーズ」結果をまとめ発表。建物性能を向上させたうえで、同様の建物を建て替えた場合と比較してCO2排出量を47%削減できるとした。

研究は202112月にスタート。わが国は2050年カーボンニュートラル、家庭部門における2030年までのCO2排出量66%削減(2013年度比)が要請されているが、圧倒的に多い既存住宅(5,000万戸)の省エネ、脱炭素化の取り組みの遅れが指摘されている。

このため、既存住宅の脱炭素を推進する研究・制度の構築を主導している東京大学大学院新領域創成科学研究科・清家剛教授とその弟子の武蔵野大学工学部環境システム学科・磯部孝行講師から、「新築そっくりさん」として丸ごとリフォームの実績が約15万戸ある同社に研究依頼があったのがきっかけ。

研究では、BIMBuilding Information Modelingの略称。資材データなどを入力し、3次元の建物デジタルモデルを構築する技術)などデジタル技術を活用して既存部材の再利用量、改修時資材投入量をそれぞれ把握し、建物LCA評価(Life Cycle Assessment の略称。製品等のライフサイクル全体における環境負荷を定量的に評価する手法)を実施。住友不動産の改修現場(築46年、延べ床面積149㎡)で調査を行った。

その結果、平成28年省エネ基準をクリアしたリフォーム住宅では、同基準の建物に建て替えた場合と比較し、解体などで生じる廃材の利活用により資材投入量が大幅に削減されるため、CO2排出量は47%削減できるという結果が得られた。

今回の調査結果を受け、第2フェーズでは既存戸建住宅の改修による長寿命化効果の検証を行い、2年後に発表する予定の第3フェーズでは既存戸建住宅の改修による省エネ・創エネ設備の導入効果を検証し、CO2排出量削減を可視化(定量化)できる評価システムの構築を目指す。

発表会に臨んだ清家教授は、「今回は資材、リフォーム現場にフォーカスして調査した。改修における環境評価手法は確立されていないが、47%のプラスマイナス10%のCO2排出量削減効果があることを示せた。今後は長寿命化やZEHレベルなど運用効果を検証していく」と語った。

住友不動産取締役 新築そつくりさん事業本部長・加藤宏史氏は、「わが国の戸建て住宅の寿命は約30年と考えられているが、当社はそのスクラップ&ビルドの常識を覆し、既存の残せるものは残しながら新築と同様の安心・安全の『新築そっくりさん』事業を25年超展開し、約15万棟の実績を積み上げてきた。今回の調査結果は、当社の事業は持続可能な社会的を目指す事業であることが証明できた。今後も引き続いて環境評価手法の見える化、定量化に貢献していく」とあいさつした。

        ◆     ◇

 清家氏と磯部氏の説明を聞きながら、昨年、三井不動産と東大、青木茂建築工房が共同研究した結果、「リファイニング建築」のCO2排出量は建て替えるより約72%削減できると発表したのを思い出した。

コンクリと木造の違いだろうとは思ったが、「わたしは木造ファン。リファイニングは72%なのに、木造はどうして47%なのか。わが国の森林・林業は危機に瀕している。建築資材を外材ではなく国産材を使用することで、森林・林業の再生・活性化を図れば、その社会的経済的効果を金銭に置き換えることはできるのではないか。それをCO2排出量に反映できないのか」などとストレートに質問した。

記者の質問に対し、清家氏は、「リファイニング建築」のCO2排出量研究を行ったのは自分たちであることを話し、RC造はCO2排出量が大きい鉄やセメント、ガラスなどを大量に使用するのでリファイニング建築では削減効果が大きく出るが、木造はもともと排出するCO2が小さいので、削減数値も小さくなると語った。

また、わが国には外材と国産材を分けて環境評価を行う手法はなく、国産材を活用した場合も、天日で乾燥する場合はともかく、重油を使って乾燥させる場合はCO2排出量は大きくなり、その課題もあると指摘した。

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 清家先生の仰ったことはよく分かった。おそらく国産材より外材のほうが植林、伐採、運搬、製材、加工コストは低く、結果としてCO2排出量も少なくなるのだろう。しかし、わが国の森林・林業は危機的状況にあり、地域の文化すら崩壊しつつある。コストは多少かかってもCO2排出量が多くなっても、国土を強靭化するのに投資する価値のほうを重視すべきだと記者は考える。わたしたちは経済合理性だけで生きていない。「安心・安全」をお金に換算し、多少値段が高くとも国産の食材を購入する消費者が多いのはその端的な例ではないか。

 いま取材している千代田区の神田警察通りのイチョウの伐採の是非も同様だ。区はイチョウを伐採してヨウコウザクラに植え替える場合のコストはイチョウを残して道路整備するより初期コストはかかるが、その後の維持管理費を考慮すると、数年後には元が取れると主張している。この論法には樹木がもたらす緑陰効果、地表温度の抑制効果、癒し効果、街並みの景観美などは全く考慮されていない。

 建築資材も同じではないか。磯部先生は日本建築学会の地球環境委員会 LCA小委員会主査を務めている。先生、外材と国産材の利用に関する経済波及効果の差異を研究する学者先生はいらっしゃらないのでしょうか。

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 野村不動産は6月9日、全国の分譲マンション・戸建て「プラウド」シリーズに、スタイルポートが開発した3Dコミュニケーションプラットフォーム「ROOV(ルーブ)」を導入し、DX化を強化していくと発表した。

 同社は2020年春から物件ごとのオンライン接客をスタートし、2021年9月には首都圏の「プラウド」全物件の情報をまとめて紹介する「プラウドオンラインサロン」を開始。これまで月間約1,000件の利用があるという。

 「ROOV」は2019年4月、スタイルポートが開発・サービスを開始したもので、スマートフォンやパソコンのインターネットブラウザで「いつでも」「どこでも」「かんたんに」3DCGの空間を自由に動き回り、様々なシミュレーションで住み方のイメージを確認できるクラウドサービス。これまで約3年で80社、350プロジェクトを超える販売現場で利用されている。

 スタイルポートによると、同種のサービスを提供している企業の採用件数は年間数件で、ウォークスルーの3DCG VR内覧を擁する住宅販売のオンライン型接客/商談システムを提供している企業は現状では同社のみという。

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 「ROOV」の採用実績が3年間で80社、350プロジェクトというのに驚いた。80社というのは、主だった分譲マンション・戸建てデベロッパーをほぼカバーしているということだ。

 記者はモデルルーム見学を基本としているので「ROOV」なるものをよく知らないのだが、自らの記事で検索したら2件ヒットした。検討する住戸からの眺望が確認できるのは素晴らしいと思うが、リアルにはかなわない。これが最大の課題だと思うし、各デベロッパーは基本性能・設備仕様レベルが高いのか低いのかも分かるような物件ホームページにするべきだ。(みんなが「ROOV」を採用したら、差別化はできないではないか)

 DX化の取り組みには大賛成だ。2021年6月、JR西日本プロパティーズ(Jプロ)「プレディアあざみ野」を取材したとき、販売代理の野村不動産​ソリューションズ プロジェクト営業本部住宅販売一部専任課長・石川広勝氏は「モデルルームでの顧客対応は一般的に3~4時間かかるが、コロナ禍でオンライン商談を導入した結果、1回目のプロジェクト説明会と、それ以降の個別相談会を実施し、価格情報も当初の段階で伝えていることなどから商談時間を大幅に短縮できている。それが歩留まり率(約3割)のアップにつながっている」と語っている。顧客もそうだが、販売スタッフの労働時間短縮、その他販売経費の削減にもつながる。

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 野村不動産は、営業担当者の業務効率化に関して、記者の質問に次のように答えている。

 ①営業ツールの修正・削除・入替作業が軽減される⇒従前の紙資料やデスクトップ保存ツールの場合は接客卓1卓1卓での紙差替え、データ差替えが必要だったが、ROOVでは管理IDで一括修正・削除・入替が可能となり、これにより業務効率化のみではなく、古い情報をお届けするリスクも軽減される。

 ②営業時のツール取り出しが容易となる⇒同一プラットフォーム上での管理の為、ツールの取り出しが容易となる。

 ③新たな現場を担当する際の営業習熟を早期に図ることができる⇒こちらも同一の仕様とすることで現場ごとで異なる格納形式ではなくなり、どこにどのようなツールがあるのかが判別しやすく、操作性も同一の為早期キャッチアップが可能となる。 

 ④完売後、キャンセル住戸発生時の再販売時の再稼働が効率化される⇒完売後、新たにツールを揃える必要がありましたが、プラットフォームを再立上げするのみとなり業務効率となる。

 ⑤お客様への資料送付(共有)が効率化される⇒シェア機能で共有したいファイルに☑をいれてURLを発行するのみとなるので、重いデータを分けて送ることなどの手間が省け、お客様もみやすい形での共有が可能となる。

 

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  アキュラホームグループとスマートアライアンスビルダー(SABM)は5月28 日(土)、新商品「超発電の家」の販売を開始した。東京都が年間2万㎡以上を都内で供給するハウスメーカーに太陽光パネル設置を義務付ける方針を打ち出したのに対応するもので、太陽光発電7.5kWを環境貢献価格1,810万円(税抜)~に設定。光熱費の大幅削減を可能にする。

 「超発電の家」は、太陽光発電の発電能力を最大限に発揮できる屋根勾配の設計を実施し、太陽光発電7.5kW を環境貢献価格で設定。35年で828万円(延床面積30坪、4人家族、オール電化仕様を想定)の光熱費を抑えることで、初期投資を約7年で回収することができるのが特徴。

 直近では、同社の半数の販売拠点が搭載率100%を達成している(全体の太陽光発電採用率は89.8%)。

 

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 野村不動産は518日、東京電力エナジーパートナー(東電EP)が提供する太陽光PPAサービス「エネカリプラス」を活用し、同社の分譲戸建て「プラウドシーズン」年間供給戸数約300戸にメガソーラー発電と同規模の太陽光発電(総発電出力1,000kW)を導入する「バーチャルメガソーラー」を始動すると発表した。この種の取り組みは業界初という。

同社は、メガソーラー発電は発電規模が1,000kW以上の大規模な太陽光発電システムを指し、効率良く電力を生み出す仕組みとして全国的に発電設備が増加しているが、休閑地が少ない首都圏での導入はハードルが高い状況で、年間約300戸のプラウドシーズン」に「エネカリプラス」を導入することで、メガソーラー発電と同規模の追加性のある再生可能エネルギーの創出を毎年実現していくとしている。

プラウドシーズン購入者は、エネカリプラス契約期間中(10年間)、初期費用無料で太陽光発電設備で発電した電気を利用することができ、月額サービス料も無料。契約期間満了後は太陽光発電設備が無償で譲渡される。また、電気式給湯機「おひさまエコキュート4」を併用することで、太陽光発電の自家消費を促進し、光熱費を削減できる。

「バーチャルメガソーラー」のスキームは次の通り。
 ① 野村不動産の分譲戸建「プラウドシーズン」年間約300戸に太陽光発電設備を設置
 ② プラウドシーズンオーナーは、東電 EP とエネカリプラスを契約
 ③ プラウドシーズンオーナーは、太陽光発電設備で発電した電気を使用(自家消費)
 ④ 東電EPは、余剰電力を固定価格買取制度(FIT)を通じて電力会社へ売電
 ⑤ 東電EPは、プラウドシーズンオーナーが自家消費した太陽光発電の環境価値を J-クレジット制度を活用し J-クレジット付電力として野村不動産へ供給。また、余剰電力の環境価値は、トラッキング付FIT非化石証書として調達し FIT非化石証書付電力として野村不動産へ供給
 ⑥ 追加性のある再生可能エネルギーが創出され、野村不動産は環境価値を事業に活用する。(野村不動産ホールディングス)

野村不動産ホールディングスは、グループ全体の温室効果ガス(CO)排出総量を2030年度までに2019年度比35%削減、2050年までに100%再エネ導入を目指している。

東京電力グループは、販売電力由来のCO2排出量を2013年度比で2030年度に50%削減、2050年におけるエネルギー供給由来のCO2 排出実質ゼロを目指している。

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 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は513日、首都圏の20224月の不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は3,094件(前年同月比9.7%減)で4か月連続して前年同月を下回った。成約坪単価は226.8万円(同16.3%上昇)で205月から24か月連続、成約価格は4,363万円(同14.0%上昇)で206月から23か月連続してそれぞれ前年同月を上回った。専有面積は63.5㎡(同1.9%縮小)となった。在庫件数は37,360件(同9.3%増)、在庫坪単価は240.1万円(前年同月比13.3%上昇)となった。坪単価は182月の190.1万円から51か月連続、26.3%上昇している。

地域別では、成約件数はすべての地域が前年比で減少が続き、埼玉県は前年比2割台、横浜・川崎市と多摩、千葉県は1割台の減少となった。成約単価はすべての地域が前年比で上昇が続き、東京都区部は24か月連続、横浜・川崎市と埼玉県は23か月連続、千葉県は21か月連続で前年同月を上回った。

中古戸建ての成約件数は1,190件(同11.7%減)となり、4か月連続で前年同月を下回った。成約価格は3,664万円(同7.6%上昇)となり、2011月から18か月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年比3.5%縮小し、建物面積は同3.1%縮小した。

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 中古市場のことはいま一つよく分からない。毎月の成約件数はこの1年間3,000件前後で推移している一方で、成約単価・価格、在庫坪単価がどんどん上昇し、在庫も積みあがっているのをどうとらえればいいのか。

 成約坪単価は24か月前の205月は171.7万円から32.1%、成約価格は23か月前の206月の3,541万円から23.2%それぞれ上昇したことになる。単価の上昇幅のほうが大きいのは、その分専有面積が縮小しているためで、215月の65.08㎡から11か月連続して縮小している。

 問題はこの先どうなるかだが、さっぱり分からない。可処分所得はこのところ伸びているようだが、円安による物価高は家計を直撃し、新型コロナも第7波が懸念され、ロシアのウクライナ侵攻も収束する気配がない。

 中古市場と連動する新築住宅市場は、マンションの着工戸数が減少していることから供給は減ることになるだろうが、分譲価格を左右する建築資材・労務費が上昇するのは間違いない。価格はすでに一般的な世帯の取得限界を超えている。大幅なローン金利の引き上げはないと読んでいるが、マインド一つで新築も中古も市場は崩れる可能性があるとみている。

 この1か月の新築マンション市場は来場者が減り、成約も伸び悩んでいるという声を聞いた。これまで市場のターニングポイントはなぜか正月休み明け、ゴールデンウイーク明け、夏休み明けが多い。踊り場に差し掛かっているのかもしれない。現場取材が激減しているのも不安を増大させている。

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 三菱地所ホームは4月26日、全館空調システム「エアロテック」に日機装の深紫外線LED水除菌モジュール「PearlAqua」を搭載した加湿システムを開発し、「エアロテック」と連動させた新商品を同日から受注開始したと発表した。同社は2020年10月、日機装の深紫外線LEDによる除菌技術を活用した全館空調システム「新・エアロテック-UV」を販売開始しており、今回の新商品はその進化型。

 全館空調システムは、冬期の暖房時に過乾燥になる傾向が強く、加湿のし過ぎや冷たいサッシに結露が発生するなどの課題があり、今回の新商品はそれを解決するもの。

 室内の乾燥状況によって加湿量を自動コントロールし、湿度を理想的とされる40~50%に維持する。エアロテックと連動させることで、暖房運転時以外は加湿運転しないシステムとなっている。

 加湿に使用する水は、深紫外線LEDを搭載した「水除菌モジュール」を通過して循環させることで、ぬめりの原因となる菌やウイルス等を除去する。また、タンク内の水を自動で給水・排水を行うため、メンテナンスは年に1回程度で済む。

 加湿システムを搭載したエアロテックの年間ランニングコストは56,200円。エアロテック1システム(約45坪)は3,445,000円(税込み)。

 「PearlAqua」は、深紫外線LEDが搭載された水除菌モジュール。EUの生物汚染制御システム開発や、NASAの宇宙環境で活用可能な水除菌装置開発に採用されており、ライフライン整備が未整備な地域の飲料水生成装置に採用されている。国内ではドリンクバーや飲料水生成装置、給湯器の水の除菌に採用されている。

 同社の名物広報担当者・横須賀直人氏の「心を込めて分かりやすく説明しますので、より大きく取り上げていただきたい」の枕詞に乗って登壇した同社・加藤博文社長はこの1年間を振り返り、「注文住宅の売上棟数は323棟で、前期比96%だが、売上高は205億円で109%、リフォーム売上高は4,375百万円で103%とそれぞれ目標を達成した」と述べ、加湿システムの開発については「エアロテックを開発して27年になるが、冬場の乾燥のし過ぎにはナーバスになっていた。日機装さんの水除菌システムを搭載することで念願の課題を解決することができた」と語った。

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加藤氏

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深紫外線LED水除菌モジュール

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 同社はまた、最新の設備とインテリアデザイン提案をセットにしたマンション向け定額制リフォーム「Re Dia(リディア)」の新仕様を発表した。

 「Re Diaフルリフォーム」は、専有面積70㎡の場合、「基本工事」(解体、内装、水回り工事など)+「EYE'PLUS商品」(システムキッチン、洗面化粧台、トイレ、ユニットバス、クロスなど)+「カラースキーム提案」合計で748万円。

 新仕様では、リビングの拡張、対面キッチンへの変更などプラスマイナスのオプションを加えている。

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4月1日付で新規事業創造部を兼務することになった同社経営企画部広報戦略グループ広報担当者で、またの名を〝港の♪ヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ♪〟と記者が名付けた横須賀氏(春物のスーツのステッチが素晴らしい。袖の4つボタンもお洒落。いくらなのか。安かったら真似ようか。ネクタイは小生も似たのを付けていたことがある)

afterwithコロナに即応 三菱地所ホーム ウイルス除去に効果的な新商品など発売(2020/10/21

 


 

 

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「浦和美園E-フォレスト」街びらき

 中央住宅、高砂建設、アキュラホームの3社は4月16日、次世代自動車・スマートエネルギー特区スマートホーム・コミュニティ先導的モデル街区の戸建分譲プロジェクト「浦和美園E-フォレスト」の1~3街区すべてが完成したのに伴う街開きイベント・見学会を開催した。3社の代表者をはじめ清水勇人さいたま市長、自治会代表、埼玉高速鉄道・荻野洋社長なども参加し、7年間にわたる事業の完成を祝った。参加者は300人くらいに上った模様だ。

 「浦和美園E-フォレスト」は、2012年に地域活性化特区として総理大臣認定を受けスタート。2016年、市のコンペで3社の共同提案が採択された。第1期「つなぐ庭の街区」33区画は同年10月、第2期「コネクテッド サイト」45区画は2019年4月、第3期「GARDEN-site」51区画は2021年5月にそれぞれ販売開始された。合計129区画の事業者別内訳は中央住宅が91区画、高砂建設が24区画、アキュラホームが14区画。土地面積は150㎡以上で、建物面積は100㎡前後、価格は5,000万円台半ばが中心だった。分散型エネルギーシステムの構築にはLooopが事業参画している。

 環境負荷の軽減・エネルギーセキュリティの確保の取り組みでは、民地を活用した電線・通信線の地下化、HEAT20グレードを満たす高断熱・高気密の仕様、再生可能エネルギー(太陽光発電設備)を採用し、地域コミュニティの醸成では、相互に地役権を設定した敷地拠出型コモンスペースの創出、コミュニティ支援活動、雨水の再利用、果樹・家庭菜園による「フード&グリーン」の構築などを行っている。

 今回の第3期では、敷地のシェア・エネルギーシェア・チャージエリアを整備し、街区内の電力を実質再生可能エネルギー100%、街区内再エネ自家消費率60%超達成などが評価され、環境省の2021年「脱炭素イノベーションによる地域循環共生圏構築事業」に採択されている。

 イベントは午前10時、11歳のストリートピアノ奏者・そうちゃんの演奏を合図にスタート。主催者の中央住宅・品川典久社長は「2016年の分譲開始から7年。先導的プロジェクトが完成した。地球温暖化防止は待ったなし。これからの街づくりのスタンダードになる」と挨拶。高砂建設・風間健社長は「官民が一体となった最先端の街が完成した。今の時代にピッタリ。今後も同様の取り組みを行っていきたい」と述べた。アキュラホーム・宮沢俊哉社長は「販売当初は認知度がいま一つだったが、3期目は大人気で、ほとんど即日完売」と語った。

 来賓として出席した清水市長は「さいたま市は人口転入が日本一で、浦和美園はその中でももっとも人口が増えている。今後も豊かに暮らせるスマートな街づくりを全力で取り組んでいく」と挨拶。Looop・中村創一郎社長は「画期的なシステムが完成した。このような取り組みを日本全国に広げたい」と語った。

 浦和美園E-フォレスト・上島啓司自治会副会長は「3年前に引っ越してきた。子どもも含め大変快適に過ごしている」と話した。地元選出の内閣総理大臣補佐官・村井英樹議員は「この地区では10年間に小学校が2つ、中学校が1つ誕生した。全国一元気な街」と称えた。埼玉高速鉄道・荻野洋社長は「鉄道の岩槻までの延伸も決まった。東京メトロ南北線の品川駅までの乗り入れ計画もあり、埼玉高速のイメージは変わる」と語った。

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左から品川氏、風間氏、宮沢氏

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清水氏

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左から中村氏、城島氏、荻野氏

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100人以上の子どもが参加した紙飛行機投げイベント

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会場となった開発地内に整備された公園(花はシバザクラか)

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第3期の街並み

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エネルギーシェアリング「エネプラザ」(各戸の太陽光発電を集約し、電力を再分配する。余剰分は畜電し、電力需要時に放電する)

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 万年筆のインクが切れたため、前段の登壇した8氏のコメントはよくメモできなかった。申し訳ないというほかないが、端折るわけにもいかず登壇順に全て紹介した。趣旨は間違っていないはずだ。

 そんな各氏のコメントを100人超の子どもを含めた約300名の参加者がどう受け止めたかはわからないが、セレモニー後に行われた見学会での、入居してから1か月くらいの2人の居住者の声が街づくりの全てを物語っている。

 都内から引っ越してきたという30代の小嶋さんは「コロナ禍で自宅で仕事ができるようになり、住環境のいいところを探していた。街は開放感があって子どもを伸び伸び育てることができる。引っ越ししてきてよかった」と語った。

 埼玉県人の20代の篠﨑さんは「この街のことはよく知らなかった。電柱もないので夜帰ったとき大丈夫かと不安も感じたが、そんなことはなかった(「灯りのいえなみ協定」により夜間はLED照明でライトアップされる)。街は明るくてきれい。周囲の方から挨拶もされるので、これからのコミュニティづくりが楽しみ」と話した。

 記者は二人にエアコンについて質問した。小嶋さんは「エアコンは1台。21~22度に設定しているが、浴室も14度以下に下がることはない」と話し、篠﨑さんも「エアコンは1階と2階にあるが、1階しか使っていない」と語った。

 街づくりについては、これまで3~4度取材しているので、その記事を参照していただきたい。これほど素晴らしい戸建て開発地は他にないと断言できる。結果として「日本一の街」が実現したと評価したい。

 ひとつだけ付け加えるとすれば、宮沢社長が「分譲当初は認知度が低く、販売にも苦労した」と話したことについて。これは、浦和美園駅は「イオンモール浦和美園」へ徒歩6分、「埼玉スタジアム」まで徒歩15分と中途半端な位置にあり、駅前の商業施設などの整備が進んでいないことに起因すると思う。そして「次世代自動車・スマートエネルギー特区スマートホーム・コミュニティ先導的モデル街区」などといかにもお役所的な長ったらしいプロジェクト名称にも問題がある。プロジェクト発表会の記事も添付した。

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街並み(相互に地役権を設定した敷地拠出型コモンスペース)

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メディアの質問に答える関係者(左は市が管理する雑木林)

ポラス 「浦和美園E-フォレスト」第2弾好発進 わが国初のDGRによる電力融通実験も(2019/2/9)

どこにも負けない先進の街づくり「浦和美園E-フォレスト」竣工 街びらき(2017/3/27)

この冬一番の寒さの中 世界水準のUA値0.46を体感 「浦和美園E-フォレスト」(2016/12/17)

「日本一の街」になるかは保留 「美園スマートホーム・コミュニティモデル街区」(2016/3/19)

 


 

 

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右から木下氏、村井氏、野原氏

 スウェーデンハウスは4月15日、「コロナ禍で普及した住宅業界のオンライン関連サービスの今後」と題するブレスセミナーを開催。昨年4月に実施した「コロナ禍における住まいの意識調査」からさらに1年が経過して意識はどのように変化したかを再調査し、その結果を報告するとともに、昨年4月に野原ホールディングスと共同開発・導入した世界初の3Dキャラクターによる接客機能を搭載したバーチャル内覧サービス「VRモデルハウスウォークスルー」の進化形を公開した。

 セミナーでは、まず2022年4月に実施した「コロナ禍2年目における住まいの意識調査」結果を紹介。調査は1年前の「コロナ禍における住まいの意識調査」から1年が経過し、その意識がどのように変化したかを調べたもの。対象は20代から60代の男女500名。

 その結果、“家族の団らん”は直近1年間でも約3人に1人が増えたと回答。「住まいに求める具体的な要素」は「インターネット環境」が1位で、居住エリアでは「日常生活・買い物に便利なところに住みたい」が前回調査と同様、全体で43.5%と高い割合となった。求める居住空間では「空間の切り分け(仕事ができる空間・ワークスペースと居住スペースの切り分け)」や「プライバシー(1人でいられる/家族・パートナーのプライバシーが保たれる空間を充実させたい)」などの回答が目立った。

 全体として、コロナ禍における社会環境の変化が、都市部に住むことに固執しないライフスタイルを定着させたと報告している。

 「あなたは『メタバース』について知っていますか」との問いには、「知っていて使ったことがある」3.4%と「知っているが使ったことはない」30.8%を合わせ34.2%で、「住宅やマンションの検討」で使った人はゼロだった。「メタバースを使ってみたい」人は15.8%で、うち「住宅やマンションの検討」は15.8%だった。

 進化形の「VRモデルハウスウォークスルー」は、システムの事前利用で得たデータを盛り込み、顧客の質問にキャラクター(アバター)が音声と説明文で対応するもの。サービスは、同社の全国61か所のオンライン住宅展示場で5月13日から開始する。

 同社・村井秀壽社長は、「今期(2022年3月期)契約数は前期より25%、売上高は11%伸びたが、これは昨年導入したWEB対応の効果があったと理解している。今後、注文住宅市場はどんどんシュリンクしていくが、分母が小さい当社の伸びしろは大きい。商品力が高いので世の中の動きに影響されない。現在の主な購入層であるZ世代や次のアルファ―世代にはメタバースは訴求力があるので、これをさらに進化させ、宿泊も可能なサテライトモデルハウスを増やすなどリアルとオンラインのハイブリッド型事業を展開していく」と語った。

 また、同社執行役員 営業推進部部長・大川保彦氏は、「1年間のVRサービスについて、営業からはVRからモデルハウス来場への動線が今一つ分からないという声はあるが、これらを解決し、モデルハウス来場につながる取り組みを強化していく」と話した。

 ゲストとして参加した野原ホールディングス・野原弘輔社長は「昨年4月に開始したサービスに新しい機能を盛り込んだ。住まい手の未来をアップデートしていく」と、不動産営業とAIを結び付ける事業を行っているhomie執行役員・木下悠氏は「当社は2019年4月設立の若いテック企業だが、当社のAI・ホットリードを活用していただいている会社はスウェーデンハウスさんをはじめ50社450店舗に上っている」とそれぞれ挨拶した。

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村井氏

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左から野原氏、木下氏、大川氏

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 デモンストレーション動画も紹介された。野原ホールディングス建設DX推進統括部VDC事業開発部 ビジネスデベロップメントグループ ビジネスデベロップメントエグゼクティブ・井上淳氏が顧客役を演じ、3Dキャラクターにトナカイ「ムース先生」が井上氏の質問に答えるというものだ。

 「ムース先生」が人の話し声を理解し、答えられるというのは凄いことではあるが、課題も大きいことが分かった。

 先の意識調査結果からも、同社が示した「デモ映像」でよかった点は「住宅のイメージが具体的に伝わった」38.6%、「質問に答えてくれるのが良かった」32.1%、「時間を気にせず見られるので良かった」37.8%、「人と会わないので気楽に見られて良かった」35.0%などと高い数値を示したのに対し、「細かい部分まで見られて良かった」は18.0%、「実際のモデルハウスに行ってみたいと思った」は13.2%にとどまっている。

 また、キャラクターの音声はぎこちなく、合成音であることはすぐわかる。改善の余地は大きい。

 記者は、AIロボットの理想形は顧客の好きなタレント・有名人(小生でいえば吉永小百合さん)に似た人と会話を交わせることだと思っている。例えばこんな会話だ。

 「お宅は築30年の戸建てですか。浴室もトイレも寒い? そうでしょうね。ここは暖かいですよ。いま外気温は10度ですが、エアコンは一つ、21度に設定したままで浴室もトイレもほぼ同じ温度。ほら、わたしなんか下に何も着ていませんよ。透けて見えるでしょ。成約記念に私のサイン付き銅板手形をプレゼントしましょう」などと語りかけられたら顧客は舞い上がる。成約率は飛躍的に高まる。

 もっとも基本的なことにも「ムース先生」は答えられなかった。井上氏の「㎡単価(坪単価)はどれくらいか」という質問に対して、「その質問の答えは用意していません。コンシェルジュに相談してください」と答えた場面だ。

 住宅の㎡単価(坪単価)は必須要件だ。顧客がどの程度の予算を考えているかなど前提条件は必要だろうが、㎡単価(坪単価)を瞬時にはじき出せなければ先に進めない。同社のコンシェルジュ(スタッフ)は90秒以内に電話で答えることになっているそうだが、夜中でも対応できるのだろうか。

 これらの課題に対応できるまでどれくらいかかるか分からないが、実現したら初期対応の営業職はいらなくなる。あるハウスメーカーのトップセールスマンは「私は空気だって売ることができる」と豪語したように、AIロボットが市場を占領する時代がやってくるのか。それともAIロボット同士の戦いが激化し、お互いの破壊工作によって自滅し、結局は人と人の対応でしか最適解を見つけ出せない世の中になるのか。それを見極められるまで小生は生きていられるのか。

約300の質問に瞬時に回答AIアバター(♀)開発 東急リバブル+ウェルヴィル(2022/4/4)

スウェーデンハウス 世界初3DキャラクターによるVR内覧サービス モデル来場2.2倍(2021/4/21)

 


 

 

カテゴリ: 2022年度

「唯・巧・居(いこい)の家)」外観写真.jpg
「唯・巧・居(いこい)の家(全4棟)」

 ポラスグループのポラスガーデンヒルズは3月17日、2020年に松戸市で開発・販売した、戸建分譲住宅「唯・巧・居(いこい)の家(全4棟)」が第28回千葉県建築文化賞(住宅の部)で「入賞」を受賞したと発表した。

 同賞は、建築文化や居住環境に対する県民の意識の高揚と、うるおいとやすらぎに満ちた快適なまちづくりを推進することを目的に実施されているもので、一般建築物の部と住宅の部に分かれている。ポラスグループが同賞を受賞するのは今回が初。

 「唯・巧・居(いこい)の家)」は、JR新松戸駅から徒歩10分の全4棟。高層マンションや商業施設、低層住宅が密集・混在しているエリアで、同社は隣家や街との距離感をデザインし直し、繋がりや関わり方を選択・調整する上で影響を与える「程」加減を、「縁庭(へりにわ)」「斜庭(はすにわ)」「路庭(みちにわ)」の3つの庭で生み出した斬新な提案が評価された。

 

カテゴリ: 2021年度

 大和ハウス工業は38日、オンライン形式で第17回業界動向勉強会を開催。戸建て事業をテーマに、昨秋からサービスを開始したデジタル展示場「LiveStyle PARTNER」について東京本社住宅事業本部事業統括部改革推進室上席主任・山口知洋氏が約30分説明し、約30分にわたりメディアの質問に答えた。

山口氏は、コロナ禍で家づくりの導入部分が激変、数年前の展示場来場者とオンラインによる接客が逆転したことを報告。

同社も環境の変化を受け、バーチャル展示場やオンラインによる接客に力を入れており、デジタル経由顧客をWEB上でファン化していく新たなWEBサイトとして「LiveStyle PARTNER」を立ち上げ、メタバースVRモデルハウスとして「駒沢展示場(Wood Residence MARE-希-)」と「xevoΣ 家事シェアハウス」の展開も開始したことなどを話した。

     ◇      ◆     ◇

話はとてもよく分かった。コロナ禍でなくても、従来型の住宅展示場は、同じ敷地内に多くのハスウメーカーがモデルハウスを建てるのだから、他社に負けまいと外観デザインは華美になり、内装などにもお金を注ぎ込むのは分からないわけではないが、そうすればするほどお客さんのニーズとかけ離れていく構図が成立している。人件費や維持管理費もかさむ。記者などはそんな満艦飾・多国籍住宅ばかりなのに辟易している。山口氏は展示場経由の成約率は6%と話したが、どこも同じなのではないか。皆さんは信じられないだろうが、かつて日本ランディックはモデルルーム見学者の約半数を契約にこぎつけたことがある。それほどプランが斬新だったからだ。

一方で、オンラインによる接客は大幅に経費が削減でき、営業担当の負担も軽くなる。従来型の展示場顧客対応にどれくらい時間がかかるか分からないが、分譲マンションでは半減どころか、3分の1くらいまで削減できたという話を聞いている。

しかし、いかにDXが進歩しても、バーチャル展示場やVRモデルハウスのみで成約までこぎつけることはできない。勉強会でも紹介された「駒沢展示場(Wood Residence MARE-希-)」を例にとる。この「希」のモデルハウスは最高に素晴らしい。だがしかし、そのよさは実際に体験しないと分からない。山口氏も「仰る通り」と答えた。実際の「希」を見学してみようと決断させるのでのオンライン接遇力が試される。五感で体感できるようなDX技術は開発されるのか、それとも無理なのか、とても興味はある。 

「希」に見る設計依頼 1か月で来場100組超 大和ハウス 富裕層向け「MARE」(2021/6/2

 

カテゴリ: 2021年度
 

 

 

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