野村不動産 京都初の「プラウド」40戸 坪単価370万円でも即日完売
野村不動産の京都初の“プラウド”プロジェクト「プラウド京都麩屋町御池」(43戸、非分譲3戸含む)が即日完売した。坪単価370万円の高額ながら、約550件の来場があり、第1期、第2期とも競争倍率がついた。購入者のうち23.3%が東京都居住者。
「プラウド京都麩屋町御池」は、京都市営地下鉄東西線京都市役所前駅から徒歩4分の10階建て。専有面積は67.40~104.10㎡、価格は6,880万~13,980万円(最多価格帯7,900万円台・8,300万円台・8,500万円台・8,900万円台)、坪単価370万円。第1期(35戸)は昨年12月13日に抽選分譲され、最高5倍、平均1.86倍。第2期(5戸)は今年1月24日に抽選分譲され、最高10倍、平均3.6倍となった。
申込者の平均年齢は57.3歳。家族数は平均2.4人。職業は会社役員27.9%、会社員23.3%、医師18.6%、オーナー経営者12.8%。居住地は京都府26.7%、東京都23.3%、大阪府14.0%。
同社は今後も京都市内中心部でのプロジェクトを計画している。同業他社も坪単価500万円を突破するマンションを供給する模様だ。
野村不動産 京都初のプラウド 坪単価は370万円高いのか安いのか(2014/10/10)
公園に隣接、単価も〝旧価格〟売れる要素揃う 東急リバブル「ルジェンテ立川」
「ルジェンテ立川」完成予想図
東急リバブルが2月14日に分譲開始するコンパクトマンション「ルジェンテ立川」を見学した。すぐ目の前に土・日曜日が閉園される公園があり、南向きの7階以上からは富士山も眺望できる。単価も〝旧価格の〟坪255万円。単身者・DINKSの圧倒的な人気を呼ぶか。
物件は、JR中央線・南武線・青梅線立川駅から徒歩4分、または多摩モノレール線立川南駅から徒歩3分、立川市柴崎町2丁目に位置する10階建て全27戸。第1期(18戸)の専有面積は32.52~38.34㎡、価格は2,590万円~3,050万円(最多価格帯2700万円台・2,900万円台)、坪単価255万円。建物は今年1月竣工済み。施工は合田工務店。
1月18日からモデルルームが公開されており、平日も含めすべて予約は満室。当初スタッフは4人だったが、急きょ1人増員して対応しているという。
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単身者・DINKS層向けの〝売れる〟要素がすべて揃っているマンションだ。
まず立地。立川駅南口から徒歩4分だが、アクセスがいい。道路はインターロッキング舗装、電線は地中化されている。商業地域だが、嫌悪施設はほとんどない(駅を降りて反対側は馬券売り場があり飲み屋街)。
建物は1フロア3住戸で、すべて角住戸。南東角住戸(38㎡)と東北角住戸(36㎡)は東側に「柴崎中央公園」に面している。公園は利用制限が設けられており、平日は9時から午後4時まで、土・日曜日は閉園される。
つまり、夕方から朝まではほとんど無人の公園になる。公園にはフェンスが設けられているので、人が浸入することも難しい。つまり、単身女性マンション向けに利用制限されているような公園が目の前にあるということだ。(なぜそうなったかの経緯は改めて書く)
南西角住戸(32㎡)は、敷地南側に民家が建っているが、敷地は細分化されており、将来高い建物が建つ可能性は低そうだ。7階以上からは丹沢や富士山が眺望できる。
プランもいい。床暖房、食洗機が標準装備。居室ドアは引き戸を多用。キッチンのガスコンロは3つ口。その他設備仕様は東急不動産の「ブランズ」とそん色ない。
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同社のコンパクトマンションやリノベーションを見学するのは今回で3物件目だが、目利き力の確かさを再確認した。坪単価255万円で供給できるのだから用地取得能力も高い。プランもいい。
おそらく、仲介ネットワークをフルに活用しているのだろうと思う。仲介営業マンは地域の土地情報を含め熟知しているはずだ。不動産流通会社の分譲事業はかつて三井不動産リアルティがバブル前に行っていたが、崩壊後に撤退した。
同社がマンション分譲事業を開始したのが1994年。2005年からは「L'GENTE(ルジェンテ)」ブランドとしてこれまで5~6物件を供給している。2013年4月には社長直轄組織「ルジェンテ事業統括部」を新設している。このほか、リノベーションマンション「'GENTE LIBER(ルジェンテ・リベル)」、収益用マンション「L'GENTE VALU(ルジェンテ・バリュ)」も展開しており、2018年までに700戸を目指すという。
現地
地域の魅力をどうアピールするか 野村不動産「プラウドシティ南山」
「プラウドシティ南山」完成予想図
野村不動産が2月末に分譲するマンション「プラウドシティ南山」を見学した。産官学が連携して開発を進めている総面積約87haの南山東部土地区画整理事業区域「スカイテラス南山」の一角にあり、戸建てを含めた分譲住宅の第一弾。昭和40年代から開発の是非をめぐって論議が展開されてきたいわくつきのプロジェクトだ。
物件は、京王相模原線稲城駅から徒歩6分、東京都稲城市大字東長沼に位置する16階・地下3階建てと14階建て2棟全412戸の規模。専有面積は71.94~103.25㎡、第1期(戸数未定)の予定価格は3,290万~6,220万円(最多価格帯4,200万円台)。竣工予定は平成28年1月中旬。施工は長谷工コーポレーション。
現地は北下がりの傾斜地にあり、マンションのエントランス部分は「スカイテラス南山」のほぼ入口に位置。建物はロの字型に配されている。住戸プランは、同社のラクモア、食洗機、ディスポーザが標準装備。
マンションギャラリー所長・山田博之氏は、「年明けにモデルルームをオーブンしてから週に60件の来場がある。第1期は100~150戸くらい供給したい。80㎡台で4,200万円台という広さをアピールしていく」と話した。
全体計画図
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早期完売できるかどうかは、価格(単価)の安さ・広さをどうアピールできるかにかかっている。
もう一つは、これまでも京王相模原線のマンションは他の沿線と比較して割負けしていると書いてきたように、市場での評価(ポテンシャルの低さ)を克服し、他の沿線居住者をどう呼び込むかだ。
その点、「稲城」は多摩センターや若葉台などと比較するとややハンディを負っている。「稲城」と聞いてどのような街か分かる人は少ないはずだ。梨の産地くらいしか思い浮かばないのではないか。
そんなハンディを覆すには、先に書いたように産官学が連携してプレゼンスを高めることだ。エリアマネジメント南山や首都大学東京の取り組みに期待したい。見学したその日も、エリアマネジメント南山の宇野健一氏とばったり会った。面白い企画を提案するはずだ。
同社としても先行するマンションで好成績を残し、2年後に供給が始まる戸建て500~600戸につなげたいはすだ。同社はこのほか、同じ稲城市内で「稲城上平尾土地区画整理事業」(施行面積25ha)と「稲城小田良土地区画整理事業」(施行面積29ha)にもかかわっている。マンションだけでなく、戸建て事業でも競り合う三井不動産を抜きたいところだろう。
援軍もある。「住みよさランキング2013」(東洋経済)都内1位、「主婦が幸せに暮らせる街」(学研)全国2位は解せないが(多摩センターのほうが上だろう)、人口増加率は東京都市部1位、年少人口率は都内1位だし(URが開発した新しい街)、刑法犯罪認知率の低さは都内1位(よくぞそんなテータを探したものだ)はセールスポイントになるはずだ。
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京王線に限ったことではないが、それにしても長谷工コーポレーション施工が多い。
仙川から京王相模原線の同社施工物件を調べたら、今回の物件のほか野村不動産「プラウド仙川」(275戸)、大成有楽不動産「オーベルグランディオ吉祥寺Ⅱ」(284戸)、積水ハウス「グランドメゾン仙川」(305戸)、三井不動産「パークホームズ調布桜堤通り」(325戸)、大成有楽不動産「オーベル若葉台ヒルズ」(131戸)、清水総合開発「ヴィークステージ多摩センター」(165戸)、東レ建設「シャリエ多摩境」(131戸)がある。
6駅圏8物件で何と2,028戸だ。これから同社施工で分譲されるものと、野村不動産「オハナ八王子」を含めると2,500戸を突破する。これらのエリアでの長谷工施工比率(占有率)は50%に達するはずだ。
市街化区域編入から44年稲城・南山の区画整理で分譲開始(2014/9/25)
全254戸がキャナルビュー 住友不動産「シティテラス品川イースト」
「シティテラス品川イースト」完成予想図
住友不動産が2月6日、東京モノレール天王洲アイル駅から徒歩3分の「シティテラス品川イースト」の記者発表・見学会を行った。坪単価は300万円超で決して安くはないが、全254戸がキャナルビュー。この価値を分かる人にどうアピールするか。
物件は、東京モノレール天王洲アイル駅から徒歩3分、または東京臨海高速鉄道りんかい線天王洲アイル駅から徒歩4分、品川区東品川五丁目に位置する14階建て2棟全254戸。専有面積は67.02~71.11㎡、価格は未定だが、坪単価は300万円超の予定。竣工予定は平成28年2月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。分譲開始は3月上旬。
現地は、クリスタルヨットクラブの跡地。後背地はほとんどがコンテナ・倉庫街だが、敷地の西側はすぐ目の前が運河。
建物の外観はブルーの水門をデザインに取り込んだ白が基調で、ガラスカーテンウォールを採用。共用廊下側には、同社独自の設備・配管集約システム「S-マルチコア」を導入。角住戸は東京ガスの「エネファーム」を採用。全住戸とも幅約150mの運河に面しており、バルコニーの奥行きは最大2.5m。プライベートデッキやフィットネス、テラスバルコニーなどリゾート感覚を演出しているのが特徴。
住戸プランは67㎡と71㎡の2タイプのみ。モジュール化を図ることで建築コストを抑えている一方で、天井高は居室・リビングが2590㎜、二重床・二重天井、御影石のキッチン天板、食洗機が標準装備。
プライベートデッキ
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40歳代以上の人は「クリスタルヨットクラブ跡地」と聞いて〝ああ、あそこか〟と思うはずだ。記者は利用したことはないが、東京競馬のトゥインクルレースを楽しんだあと、対岸の第一シーフォートに泊まり、不夜城のように輝くヨットクラブを眺めていたものだ。
問題は、所在地の「東品川5丁目」は人がほとんど住んでいないことだ。区の統計で調べたらわずか10人しか住んでいない。保育園や小中学校まで徒歩で10分以上かかるはずだ。よってファミリーには不向きだ。
ターゲットはアッパーミドルの単身者、DINKSだ。しかも相当の個性派だろう。病葉のように川に流される人生より、海の青にも空の青にも染まらぬ白鳥のような人生を好むタイプだ。日の当たる方向しか向かないひまわりではなく、日陰に可憐な花を咲かせるユキノシタか月見草のような人だ。あるいは、上に伸びることしか考えないセイタカアワダチソウではなく、成長するごとに首を垂れる稲穂か泥田に根を張るハスか。
とにかくそんな人向きだ。バルコニーにテーブルと椅子を持ち出し、日本酒や焼酎ではなく、白のワインかスコッチ、バーボンを飲む人だ。つまみはあぶったイカでは様にならない。ブルーチーズのひとかけらがあればいい人だ。そしてタバコをくゆらせ、1時間でも2時間でも明滅する夜景を眺めながら思索し、あるいはまたはらはらと落涙する人だ。
そんな人にはたまらないマンションではないか。そばに寡黙な美しい女性がいてくれたらそれだけで最高だ。見学会の最初に見たシアターで、中年の外国人が登場し「男は単純だ…アメイジング(グレイスといったかどうか)…」のナレーションが流れた。
テラスバルコニー
「めざましテレビ」そのまま 朝から元気 サンケイビル「ルフォン リブレ浜松町」 (2015/1/20)
伊藤忠都市開発「クレヴィア小竹向原」 全88戸を1カ月半で完売
「クレヴィア小竹向原」完成予想図
伊藤忠都市開発の「クレヴィア小竹向原」(全114戸、うち分譲88戸)が2014年12月5日から登録を開始し、2015年1月25日まで約1カ月半で完売した。
東京メトロ副都心線・有楽町線小竹向原駅から徒歩2分の11階建て。価格は5,148万~10,298万円(最多価格帯6,000万円台)、坪単価は287万円。専有面積は60.07~98.87㎡。総来場者は約700件。
同社は、「30歳代の会社員から60歳以上のシニア層まで幅広いお客様にご購入いただき、都心近接の恩恵を享受しつつ緑豊かな環境に住める好立地や、四季の変化を楽しめるランドスケープ、機能的な収納、快適で住み心地の良い間取りなどが高い評価をいただいた」としている。
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早期完売は〝すごい〟の一言だ。この物件については昨秋の段階で、関係者から「すごい人気、取材してほしい」と言われていたが、話半分に受け取ってしまい見る機会を失ってしまった。東京ガスの「エネファーム」も搭載されている。
同社は4年前の「クレヴィア練馬」(43戸)も早期完売している。こちらもプランがよかった。練馬区民の心をとらえたか。
ワイドスパンのプランがいい モリモト「アールブラン下丸子センティア」
「アールブラン下丸子センティア」完成予想図
モリモトが3月に分譲する「アールブラン下丸子センティア」を見学した。ほぼ正方形のワイドスパンのプランがいい。
物件は、東急多摩川線武蔵新田駅から徒歩4分・下丸子駅から徒歩8分、東急池上線千鳥町駅から徒歩10分、大田区下丸子1丁目に位置する6階建て全52戸。専有面積は55.07~88.63㎡、価格は未定だが、坪単価は280万円くらいになる模様。竣工予定は平成27年12月中旬。設計・施工・監理は風越建築。デザイン監修は〝パーク・コート〟〝ピアース〟の作品も多い石倉雅俊氏。
プランがいい。敷地は東西軸がやや長い四角形。ここにコの字形の建物がよく収まっている。住戸プランは南西向き・南東向き・東向きがほぼ4:3:3の割合で配されており、南西向きの68㎡のタイプでも間口は約6.5m。モデルルームタイプの約76㎡では約9.1m。角住戸比率を高め、吹き抜け(ライトコート)を配することで住戸の独立性を高める工夫も行っている。
ファミリーがターゲットの〝アールブラン〟であるため、設備仕様は同社の高級仕様の〝ディアナコート〟には劣るが、木目調のシート貼りでも質感がある。アウトフレームを採用することで、柱・梁型を少なくし、サッシは2.3m。
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同社の〝アールブラン〟を見学するのは久々のような気がするが、「下丸子」駅近くの販売事務所は同社の他の物件見学で数回訪ねている。
建築費がどんどん上昇し、ショートスパンの専有圧縮型が激増している。しかし、この物件はしっかり造り込みを行っている。66㎡の南西向きプランでも間口を約7.9mも確保している。71㎡の2LDKでは主寝室は6.5畳大、約8.5mスパンだ。
単価は未定だが、記者が予想した280万円を切る可能性もある。モデルルームの見せ方も巧みだ。3カ月くらいで完売するのではないか。
日本綜合地所 流山セントラルパーク駅圏初のマンション49戸
日本綜合地所が千葉県で「ヴェレーナシティ千葉ニュータウン中央Ⅱ」(206戸)、「ヴェレーナ松戸」(47戸)、「ヴェレーナ流山セントラルパーク」(49戸)の3物件を販売すると発表した。
リリースを引き写し紹介しても何の価値もない。記者が注目しているのは「流山セントラルパーク」の物件だ。駅から徒歩11分の区画整理事業地内のファミリーマンションだ。つくばEXが開業してからほとんどの駅に降りてマンション、戸建てを取材しているが、この駅だけはマンションは1物件も供給されていないからでもあるが、降りたことがない。
隣駅の「流山おおたかの森」では2,000戸くらいは供給されており、坪単価は駅近だと200万円前後もする。流山セントラルパーク第一号は果たしていくらになるのか。坪単価を150万円くらいに抑えてほしいと思うが、そこまで安くなるか。現地を見学してレポートしたい。
女性役員の〝こだわり〟盛り込む サンケイビル「ルフォン柏 ザ・レジデンス」
「ルフォン柏 ザ・レジデンス」完成予想図
サンケイビルが分譲中の「ルフォン柏ザ・レジデンス」を見学した。昨年10月から分譲開始し、これまでに供給した31戸のうち29戸が販売済みで、順調な売れ行きを見せている。
物件は、JR常磐線柏駅から徒歩5分、柏市柏五丁目に位置する13階建て全51戸。2月中旬に分譲する第二期(戸数未定)の専有面積は67.40~83.09㎡、予定価格は3,870万~5,270万円(最多価格帯4,300万円台)、坪単価はおよそ200万円。竣工予定は平成27年7月下旬。施工は不二建設。販売代理は住友不動産販売。
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同社のマンションは、先に「浜松町」を見学したが、今回は郊外型。取材の目的は、このところ急速に供給戸数を伸ばしている同社のマンションをしっかり見ておくことが必要と感じたからだ。もう一件「船橋日大前」を近く見学する予定だ。
建物は近隣商業立地だが、前面道路は12mあり、全戸南向きで、その割に交通量は多くない。前面も開けている。坪単価もリーズナブルなものだ。1フロア4住戸だが、まんべんなく売れており、極めて順調に売れているという印象を受けた。
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初めて知ったのだが、同社には2人の女性役員がいる。デベロッパーには女性の役員が極めて少ない。記者の知る限り上場会社で女性役員がいるのはコスモスイニシアが3人(一人は監査役)で、ヒューリック、フージャースホールディングスがそれぞれ1人(非常勤監査役)くらいだ。ゴールドクレストに1人いたが、一昨年退任している。
従って、女性役員2人というのは特筆すべきことだ。そのうちの一人が上席執行役員・佐々木ゆかり氏で、マンションの商品企画担当だというのがうれしいではないか。女性がマンションの商品企画にもっともふさわしいとは記者がずっと思ってきたことだ。きめの細やかさでは、男性は女性にかなわない。
佐々木氏がこだわっているのはキッチンだそうで、強いメッセージが込められていることは伝わってくる。キッチンの天板に御影石を採用していることだ。坪200万円くらいの郊外型に天然石を採用するデベロッパーは少なくなってきているはずだ。
もう一つは食洗機。これも働く主婦(主夫)には必需品だ。約2畳大のクローゼットの提案もいい。主寝室のドアは全て引き戸にしているのも佐々木氏の小さなこだわりだと理解した。
同社が「ルフォン」ブランドを立ち上げて10年。年間500戸ペースに到達したという。これほどの量をコンスタントに供給できるデベロッパーは20社くらいか。
これからが正念場だ。大手には普通の商品企画では勝てない。マンション業界に〝フジ・サンケイ旋風〟を巻き起こす覚悟で取り組んでほしい。さらに期待したいのは、やはり自前の販売部署を立ち上げることだ。顧客と相対するからこそ微妙な嗜好が読み取れる。同社は「行動指針」で謳っているではないか。「小さくまとまってはいないか? 大胆に、大きく描け」「夢中でやっているか? 乗り越えた先の景色を楽しみに走れ」と。
佐々木氏はもちろん「女性が活躍」できる会社を応援したいし、女性に負けない男性をアピールするためにもRBA野球にも復帰してほしい。
「めざましテレビ」そのまま朝から元気サンケイビル「ルフォンリブレ浜松町(2015/1/20)
国分寺崖線の借景、「5本の樹計画」もいい 積水ハウス「グランドメゾン仙川」
「グランドメゾン仙川」完成予想図
都内に初めて雪が積もった1月30日の夕刻。国分寺崖線の雑木林はすっかり雪景色に変わっていたが、春を告げるウグイスとホトトギスが「ほーほけきょ」「おとおと、きたかー」と鳴き交わしていた。記者は舞い上がり「ここはいいぞー、弟、来たぞー」とエールを送った。積水ハウス「グランドメゾン仙川」の販売事務所だった。
物件は、京王線仙川駅から徒歩19分、または仙川駅から徒歩5分、バス停からバス3分、バス停から徒歩4分(都合12分)、調布市入間町2丁目に位置する4~8階建て8棟全305戸の規模。近く分譲する第2期3次(戸数未定)の専有面積は66.97 ~90.64㎡、予定価格は3,700万円台~5,700万円台(最多価格帯4,400万円台。竣工予定は平成28年6月中旬。施工は長谷工コーポレーション。昨年11月から契約が始まっており、現在まで約3分の1が契約済みだ。
現地はNTTの社宅跡地。国分寺崖線のライン上にあり、敷地面積は約16,000㎡。敷地の南側には敷地の数倍はありそうなNTTが管理する森が広がっている。
住棟はA~E棟が南向きや東向きで林の借景が望める。
住戸プランは、横入り玄関タイプを多用し、メーターモジュールの廊下幅、花台付き、トイレドアを含めたドアノブの壁面までのセットバック、二重床・二重天井、天井までのカーテンボックスなど。都の「マンション環境性能表示」で5項目満点の星15個のうち「建物の長寿命化」のみ1つ欠ける14個を獲得している。
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京王線仙川は、わが街多摩センターと同じくらいよく知っている。永住も考えたくらいだ。いまも飲み屋によく通っている。
駅周辺の再開発が行われた結果、劇的に変わった。急行が停まる千歳烏山やつつじヶ丘よりいい街だ。安藤忠雄氏が設計したマンションは坪単価300万円もするし、野村不動産の「プラウド」も270万円だ。先日書いた大成有楽不動産「オーベルグランディオ吉祥寺Ⅱ」との競合は避けられないが、この単価は割安感がある。「5本の樹計画」も盛り込まれるので、素晴らしいマンションになるのは間違いない。
どちらがいいかはユーザーが判断することだから何もコメントしないが(双方ともいい)、双方合わせて589戸もある。この2物件よりは価格は安いが、近く見学することになっている京王相模原線の野村不動産「プラウドシティ南山」も412戸ある。3物件とも長谷工コーポの施工だ。単価・グロス価格ともサラリーマンの取得限界にきているだけに、売る側の営業マンも大変だろう。
3物件に共通するのは価格が安いということだ。多摩センターもそうだが、どうして京王線のマンションの単価は他の沿線と比べて割負けするのか。城東や城北エリアより圧倒的に安いし、緑も豊富だ。
◇ ◆ ◇
ホトトギスが「おとおときたかー」と鳴くと書いたのは、昔々、おばあちゃんの膝の上で教わったのを思い出したからだ。ホトトギスの昔話など若い人はだれも知らないだろうから紹介する。次の通りだ。
兄弟のホトトギスがいた。兄は目が見えなかった。心やさしい兄思いの弟は山でおいしい食べ物を採っては兄に与えた。自分はまずいものばかり食べていた。
兄は、「いつも俺はこんなにおいしいものを食べている。弟はどんなにおいしいものを食べているんだろう」と考え、弟を殺して腹の中を調べたところ雑穀ばかりが出てきたのだ。
悔やみきれない兄は「弟よ、ごめんね」「弟よ、来たか」とのどを絞り出すように泣いたという物語だ。(記者が優しい心根の人間に育ったのはおばあちゃんの教育による。記者は悪がきだった兄の弟だ)
「トッキョキョカキョク(特許許可局)」なんて東京に出てきて初めて知った。ついでに、「うさぎ追いし」は「うさぎ美味しい」ではありませんから。おいしいのですが。
根づくかシニア向け分譲マンション 年間500戸の市場へ
「デュオセーヌつくばみらい」(写真右。左はファミリーマンション。手前にもう1棟マンションが建設中)
フージャースコーポレーション
「デュオセーヌつくばみらい」竣工見学会
挨拶する藤井社長
フージャースコーポレーションは1月23日、開発を進めている高齢者向け分譲マンション「デュオセーヌつくばみらい」が竣工したのに伴い、関係者向けに見学会を行った。約130人が集まった。
物件は、つくばエクスプレスみらい平駅から徒歩7分、茨城県つくばみらい市陽光台二丁目に位置する9階建て全150戸。現在分譲中の4期(18戸)の専有面積は51.19~70.95㎡、価格は2,698万~4,248万円(最多価格帯2,800万円台)、坪単価170万円。管理・修繕費は約5万円。食事代は1カ月利用した場合約5万円。建物は平成26年12月11日に竣工済。施工は長谷工コーポレーション。事業主は同社とダイヤモンド地所。
物件の特徴は、①入居条件として満50歳以上で、自分で身の回りの世話ができること②共用部に天然温泉浴場、娯楽室、カラオケパーティルーム、健康管理室、訪問看護・介護事業所が併設されているほか一般も利用できるダイニング・レストラン付き、専有部は引き戸を多用、人感センサー付き③地元の医療機関と提携して医療サービス、看護・介護サービスが受けられる-ことなど。
一昨年から分譲開始されており、これまでにこれまで約7割が分譲済み。購入者の平均年齢は70最弱。夫婦は約5割、親子、姉妹入居が各1組。女性と男性の割合は6:4。要介護者は1割弱。前居住地は東京が35%、千葉県が20%、茨城県・埼玉県・神奈川県が各15%。居住形態は戸建てが8割、マンションが2割。全体の2割が自宅を売却して入居する意向。
竣工パーティ
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この物件については、昨年見学しており記事にしているので、そちらも参照していただきたい。
まず、驚いたのは売れ行きだ。隣接地では同社が坪単価130万円のマンション130戸を分譲しており約100戸が売れているが、同じくらいの売れ行きということだ。坪にして40万円の差があるが、温泉付き、医療、看護・介護サービスが受けられる、居室面積が広い、転売ができることなどが高い評価を受けたということがうかがわれる。サ高住と決定的に異なる点だ。
もう一つ驚いたのは関係者の関心の高さだ。三井不動産レジデンシャルが10人くらい参加していたほか、東京建物不動産販売、NTT都市開発、大成有楽不動産、モリモト、アズパートナーズ、銀行関係者などが参加。三井不レジ関係者は「賃貸として検討している」と話した。同様の物件はコスモスイニシアが「武蔵浦和」で開発を進めている。
見学会に臨んだ同社・藤井幸雄社長は、「同様のマンションは『柏の葉』『「町田』でも計画を進めており、他のシニア事業を含め全体に占める事業比率を20%くらいに高めていく」と話した。
パイオニア的な存在のダイヤモンド地所・外所行則社長は、「平成17年に『ダイヤモンドライフ湘南』198戸を分譲開始して以来、『森の里』128戸と今回の『つくばみらい』150戸を供給した。他社も参入するので年間500戸くらいの市場になる」と話した。
問題は、有料老人ホーム、サ高住などと競合するのかしないのか。また、中古市場でどのような評価をされるのか、要介護度が高くなったらどうするかだが、外所氏は「生活に飽きて自宅に帰る人もいる。売却事例が少し出てきているが、それほど価格が下がっているわけではない。近く専門のサイトも立ち上げる。介護については、みなさんはすぐ車椅子生活を連想されるが、実際は8割くらいの方は普通の生活を続けられる」と語った。
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記事とはあまり関係ないが、ダイヤモンド地所の外所氏とお会いして懐かしさがこみ上げた。同社はかつてマンションを分譲していた「丸善建設」のOB会社で、バブル崩壊後、丸善建設のブランド「ダイヤモンド」をそのまま引き継いで事業を展開してきた。
もう時効だろう。記者はバブルがたけなわのころ、西新宿で地上げを派手に行っていた最上恒産の動向を探る目的もあってよく丸善建設に取材に行っていた。坪200~300万円から始まった買収価格は最終的には坪3,000万円まで跳ね上がったこと、接道するところは坪1億円で取引されたことなど、最上の動きが手に取るようにわかった。幹部からよくうな重をおごってもらった。その方は3年前亡くなられたことを外所氏から聞いた。
ダイヤモンド地所がシニア向け分譲マンションのパイオニアとして再び脚光を浴びるのがとても嬉しい。
外所氏