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「ザ・パークハウス 戸越公園タワー」

 三菱地所レジデンス、大成建設、東急、首都圏不燃建築公社、大成有楽不動産の5社は9月9日、戸越公園駅から徒歩1分(50m)の再開発マンション「ザ・パークハウス 戸越公園タワー」を同日から販売開始したと発表した。

 物件は、東急大井町線戸越公園駅から徒歩1分、品川区戸越5丁目に位置する23階建て全241戸(募集対象外住戸70戸含む)。専有面積は30.60~120.45㎡。第一期(65戸)の価格は4,480万~24,800万円。竣工予定は2024年2月下旬。施工は大成建設。

 地域の賑わい・魅力あるまちづくりを目指す「戸越公園駅周辺まちづくりビジョン」内の市街地再開発事業「戸越五丁目19番地区第一種市街地再開発事業」で、駅前のランドマークとなる商・住複合マンション。大成建設による外観デザインと制振構法「TASS-Flex FRAME」、乃村工藝社デザインチームFOO監修による共用空間デザイン「EDIT STYLE PLAN」をそれぞれ採用する。

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「EDIT YOUR LIFE」

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 乃村工藝社デザインチームFOOに注目している。同チームは2019年にリニューアルオープンした東京會舘新本舘のレストランなどを手掛けているが、それより1年前の2018年、東京建物・三菱地所レジデンス「Brillia 一番町」を取材した際、販売事務所の企画を乃村工藝社が初めて手掛けたことを聞き、「(同社が)本格的にこの事業に乗り出したら販売事務所のあり方そのものを一変させるかもしれない」と書いた。

 今回の「EDIT YOUR LIFE」が同チームによるものかどうかは分からないが、有償のメニュープランを12タイプ用意する。コンパクト住戸は、「お気に入りに囲まれる至高のシングルライフ」をテーマにできるだけ仕切りをなくし、それぞれの空間を行き来することや、住まい全体をより有意義に使えるようにしているという。例えば、例えば55Nタイプではキッチンを90°回転させたり、居室と居室の間に「マルチファンクションエリア」を設けたりする。

 これは、実際に見てみないとどのようなものか分からない。取材を申し込むことにする。坪単価はいくらになるのか。野村不動産「目黒」や旭化成不動産レジデンス「五反田」よりはかなり安いはずで、東京建物「池袋」と同じ坪520~530万円くらいではないか。第一期分譲は分譲対象の半分だ。確かな手ごたえを感じているのか。

 「戸越公園」といえば「戸越銀座」も近い。同じ駅1分の「十条銀座」で知られる東急不動産「十条」との競合はあるのかないのか。「銀座戦争」であり、北区と南の大田区の「南北戦争」と見ることもできる。周辺は中低層の街並みが広がっているという意味でもよく似ているし、交通便だってどこを起点にするかだが、東京駅まで双方とも約30分だ。どちらが勝つのか負けるのか。相乗効果となればめでたしめでたしだが…。部外者としては興味津々だ。

坪750万円でも好調 「Brillia」最高峰 東建・地所レジ「一番町」サロンに乃村工藝(2018/4/18

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「プレミスト秋田中通ザ・レジデンス」

大和ハウス工業は99日、秋田市の旧ホテルハワイ・ラグーン跡地で開発中の分譲マンション「プレミスト秋田中通ザ・レジデンス」の概要が決定したと発表した。917日(土)にマンションギャラリーをオープンし、11月下旬から販売開始する。

物件は、JR秋田駅から徒歩15分、秋田市中通3丁目に位置する敷地面積約5,209㎡、14階建て全147戸。専有面積は64.6686.77㎡、予定価格帯は2,900万円台~5,500万円台。設計・監理は創建設計。施工は錢高組。竣工予定は20247月。

現地は、1965年創業の老舗ビジネスホテル・旧ホテルハワイ・ラグーン跡地で、同社初の秋田県での分譲マンションで、県初の「ZEH-M Oriented」仕様とし、「BELS」による第三者認証で最高等級を取得。住戸内の一次エネルギー消費量を住棟全体で 24%削減する。

また、東北初となる「TSUTAYA」プロデュースの「ブック&コワーキングラウンジ」を設置。「TSUTAYA」セレクトによる書籍約500冊を用意、テレワークやWeb会議も可能な空間とする。「パーティー&キッチンスタジオ」「ゲストルーム」も設ける。

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知名度は全国区の同社による秋田県初の開発マンション&県内初の「ZEH-M」&県内初「TSUTAYA」がどれほどの威力があるか分からないのだが、概要から坪単価は200万円を切り、坪180万円くらいではないか。

これは高いのか安いのかさっぱり分からないが、この夏見学した人口約42万人の富山市の中心市街地で分譲された穴吹工務店「サーパス富山三番町レジデンス」は坪180190万円だった。秋田市の人口は約30万人、中心市街地の老舗ホテルの跡地開発などをと比べるとよく似ている。地方都市の坪単価は坪200万円前後が相場か。

このところ、首都圏をはじめ三大都市圏でのマンション着工が減少し、地方圏で増えている。7月住宅着工でもマンションは前年同月比で首都圏は12.8%、中部圏は39.4%、近畿圏は22.0%それぞれ大幅に減少した一方で、その他の地域は25.2%増加した。令和417月でも、その他の地方の着工戸数は15,564戸で、首都圏の48,014戸には大きく引き離されているが、中部圏の5,269戸の3倍近く、近畿圏の13,596戸を上回っている。

 ハウスメーカーもデベロッパーも地価・建築費の上昇で、価格は中堅所得層の取得能力を超えてきており、そのリスクを回避し、まだまだ低価格で供給できる地方圏に触手を伸ばし、あるいは軸足を移しつつあるような気がする。ZEHは地方のほうが先行しているようだ。

弘前市で〝21〟エレベーター 一頭地を抜くプラン 第1期は一挙60戸 タカラL東北(2022/9/5

戸建てに押され縮小するマンション市場/九州勢の着工 軒並み上位 近畿圏抜く(2022/8/7

ZEH取得件数断トツ オリックスGr 穴吹工務店「富山」で同社初のZEHM2022/7/31

単価の安さに驚愕 立地よく設備仕様レベル高い 駅圏最大級の野村不他「金沢」287戸(2022/7/30

福岡の最高峰 第1100戸 圧倒的な人気 タカラレーベン50周年「福岡天神」(2022/3/15

北海道最高峰は坪415万円 大和ハウス他「ONE 札幌ステーションタワー」始動(2022/2/8

 

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 東急が昨年11月に販売開始した東急新横浜線・新綱島駅直結の商・住・公の複合マンション「ドレッセタワー新綱島」が95日までに完売した。

 物件は、2022年度下期開業予定の東急新横浜線新綱島駅に直結、東急東横線綱島駅から徒歩3分、新綱島駅前地区第一種市街地再開発事業地内に位置する地上29階地下1階建て全252戸(非分譲住戸73戸含む)。専有面積は44.88113.45㎡、第1期(66戸)の価格は5,360万~18,290万円(最多価格帯6,500万円台・7,800万円台各4戸)。第1期の坪単価は400万円。竣工予定は202310月下旬。設計・監理は東急設計コンサルタント。施工は東急建設。販売代理は東急リバブル、東急ライフィア。

坪単価400万円に納得 駅直結・再開発の力まざまざ 東急「新綱島」166戸即完へ(2021/11/17

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「レーベン弘前GRAND RESIDENCE」

 タカラレーベングループのタカラレーベン東北は9月5日、青森県弘前市のマンション「レーベン弘前GRAND RESIDENCE」を9月4日から販売開始したと発表した。

 青森県内では「レーベン弘前THE MID TOWER」「レーベン青森新町THE GRAND MID」に続く第3弾。弘前市内最大級のマンションで、デザイン性と居住性を追求することで、街の新たなシンボルになることを目指した物件。

 〝2戸1〟エレベーターのほか、二重サッシ・ペアガラス、内廊下方式(2戸1エレベーターで内廊下方式とはどのような構造なのかよく分からないのだが)、外壁断熱などが特徴。

 物件は、弘前市大字北瓦ヶ町に位置する15階建て全112戸(ほかにゲストルーム1戸)。専有面積は58.15~86.18㎡。第1期(60戸)の価格は3,258万~6,698万円。竣工予定は2024年8月下旬。施工は鉄建建設。

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〝2戸1〟エレベーター・両面バルコニープラン

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 記者は、この種のリリースはほとんど記事にしない。マンションデベロッパーがマンションを売るという当たり前のことをコピペして記事にする「か・ち・も・な・い」と考えているからだ。

 この日(9月5日)、同社からリリースを届いたときもスルーするつもりでざっと読んだ。「今世紀最大級、弘前を誇る全112邸のランドマークレジデンス」「第1期60戸供給御礼!」「すべての中心を、誇る」「想像は時を超越する」などと、おどろおどろしい、コピーを書いた本人も赤面するのではないかと同情したくなる宣伝文句が物件ホームページを飾っていた。

 〝よくぞここまで〟とあきれ返ったのだが、小さな文字の「両面バルコニー」に目がとまった。かつて首都圏でも流行した〝2戸1〟エレベーターを採用し、両面バルコニーを実現したプランだ。最近はほとんど見られなくなった。

 建物は15階建てだから、単純計算して1層は7~8戸。〝2戸1〟エレベーターにするには4基が必要になる。エレベーター設置率は1基/28戸だ。最近の首都圏マンションではまずないはずだ。青森県では供給されたことがあるのかどうか分からないが、ないとすれば、大げさな宣伝コピーも受け入れられるかもしれないし、インパクトもあると判断し、記事化することを決めた。

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 第1期戸数が60戸というのにも驚いた。全住戸の2分の1以上ではないか。不動産経済研究所の調査によると、首都圏の7月の新規マンションの1件当たり販売戸数は約14戸だ。この数字と比べても、この戸数の多さがよく分かる。

 弘前市の人口は約16.5万人で、青森市の約27.3万人、八戸市の約22.2万人に次ぐ3番目だ。そんな小都市(大変失礼)で一挙に60戸も供給して売れるのだろうか。売れたら凄い(価格は前段参照。高いのか安いのはさっぱり分からない)。原忠行氏が率いるタカラレーベン東北は、同社のリリースによると、2015年から2021年までで岩手県4棟/230戸、宮城県14棟/1,137戸、山形県3棟/295戸、秋田県3棟/193戸、福島県10棟/505戸、青森県2棟/169戸、合計36棟/2,529戸を供給し、東北エリアナンバーワンというではないか。年間にして約500戸だ。これまた凄い数字だ。

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 タカラレーベンはもうずっと以前から、競争の激しい首都圏から地方へ軸足を移している。首都圏物件も大手デベロッパーとの競合を徹底して避ける戦略を取っている。

 それが奏功しているのだろう。最近見学した「検見川浜」「戸田公園」「東川口」「小田原」などがことごとく人気になった。地方も好調なのだろう。「レーベン福岡天神ONE TOWER」の価格と売れ行きには唖然とした。「一頭地を抜く」という言葉がぴったりのデザイン・意匠、商品企画が秀逸だ。「弘前」もそうだ。

県初のPPP事業4か月で全143戸完売 タカラレーベン・埼玉建興「東川口」(2022/7/14)

タカラレーベン 小田原駅徒歩1分「レーベン小田原THE TOWER」完売(2022/8/18)

福岡の最高峰 第1期100戸 圧倒的な人気 タカラレーベン50周年「福岡天神」(2022/3/15)

タカラレーベン東北 医療従事者応援 私募債発行・贈呈式(2021/11/20)

 

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 あまり論じられない新築マンションの質、着工戸数と供給戸数の違い、新築と中古の坪単価などについて考えてみる。

 まず、新築マンションの質について。ここ3~4年間、地価や建築費の上昇に反比例するように基本性能・設備仕様の劣化・退化が進んでいるが、これについて言及した書籍や記事など寡聞にして知らない。

 かくいう記者も、新築マンションの記事を書くとき基本性能・設備仕様レベルについて極力触れるようにしてはいるが、そもそも劣悪な(と思える)物件は取材しないし、ここ10年くらいは年間100物件前後しか見ていないので、マンションの質を論じる資格はない。歯がゆい限りだ。

 しかし、過去に書いた記事から、いかに最近のマンションの質が劣るかは証明することができる。10年前の2012年に分譲されたマンションの記事を紹介する。

 この年を代表する首都圏マンションの一つ、三井不動産レジデンシャル「パークコート千代田富士見ザ タワー」では「標準階高は3,450ミリ。モデルルームはセンのフローリング、エントランスの天井布クロス、紫檀のドアハンドル、天然石巾木、オニキス洗面ボウル、アントニオ・チッテリオデザインの水栓、センで統一した和室(以上181㎡の「粋」)、チーク材の突き板フローリング、ホワイトオーク材の建具、アルミ真鍮ガラスの多用、天然石モザイク貼りだった」と書いた。坪単価は476万円だった。近く分譲される準都心部の〝駅近〟タワーマンションとほぼ同じだ。

 坪単価370万円の野村不動産「プラウド小石川」はどうか。「共用部分の床はカリン材。壁はブビンガ。専有部分にも自然石、自然木がふんだんに用いられており、シルバーハート、アフドルモシアなど聞いたことも見たこともない面材が採用されていた。ドア・把手はイタリア製、システムキッチン・御影石天板はジーマティック製。浴槽のエプロンなども天然御影石だ」と記事にした。

 坪単価270万円の三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス日吉」は「キッチンの天板が大きめの御影石で、バックカウンターの天板も同じ御影石を採用し、吊戸棚を含めて標準装備。ディスポーザー、食洗機、ミストサウナも標準装備」とある。

 坪単価310~320万円のモリモト「ディアナコート文京千石」は「マホガニーを家具・面材、床材に採用している。床は厚さ2ミリだ。このほか玄関、キッチン、洗面室にはふんだんに大理石、御影石を採用。設備仕様では、ディスポーザー、食洗機などを標準装備。サッシは高さ2300ミリ」と紹介した。

 このような質の高いマンションはこの年に限ったことではない。三菱地所レジデンス(当時、三菱地所)が2006年に足立区で初めて分譲した「北千住パークハウス」の記事をぜひ読んでいただきたい。記事には「天井高最大2.7メートル、二重床・二重天井、ワイドスパン、ディスポーザー、御影石の玄関床、複層ガラス採用など、間違いなく足立区や伊勢崎線の物件では水準以上だと判断した。坪単価は185万円で相場並みとみた」と書いている。同社の矜持が商品企画に表れている好例だ。

 では、いったい質の劣化はいつごろから始まったか。記者は2018~2019年ころの着工で、2019~2020年ころの分譲開始物件ではないかと考えている。2017年分譲開始の住友不動産「シティタワーズ東京ベイ」は「御影石キッチンカウンター、ディスポーザー、食洗機、リビング天井高2600mm、ワイドスパン、二重サッシ、Low-Eガラス」だった。

 同じ2017年分譲開始の長期優良住宅認定を受けた積水ハウス「グランドメゾン品川シーサイドの杜」は「設備仕様では、メーターモジュール、ドア把手の壁面までのセットバック、折上げ天井の廊下、天然石のキッチン天板、食洗機、ミストサウナなどが標準装備。リビング天井高は2500~2650ミリ」だ。坪単価は308万円だった。

 2020年に野村不動産「プラウド神田駿河台」を見学し、記事には「主な基本性能・設備仕様はリビング天井高2700(11階まで)~2800ミリ(12階から)、階高3200~3400ミリ、二重床・二重天井、食洗器、木製フローリング、木製壁パネルなど」と書いたのだが、この時、天井高がどんどん低くなっていることを関係者と話したのを記憶している。

 それにしても、マンションの基本性能・設備仕様、居住性能などについて論じられることがほとんどないのは、自戒も含めてジャーナリストを名乗る人やメディアの劣化もまた進んでいるからではないか。

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 冒頭の表を見ていただきたい。着工戸数と供給戸数はかなり差(捕捉率)がある。この11年間で見ると、もっとも捕捉率が高いのは2013年の83.0%で、もっとも低いのは2020年の50.5%だ。平均では63.7%となっている。

 国交省の着工戸数は、着工時点の分譲用として建築確認が行われた戸数で、その後、取り下げられたり、あるいは用途変更されたりした場合まで追跡していない。

 一方で、不動産経済研究所の数値には、30㎡未満や1棟売りなどは調査対象外で、再開発や建て替えなどによる地権者用住戸や事業協力者向け・優先分譲などは含まれていない。

 これが捕捉率に表れている。記者は、当初分譲予定だったのをリートなどに1棟で売却する戸数は年間3,000~5,000戸、地権者向け・事業協力者向け住戸は年間7,000~10,000戸、30㎡未満のコンパクト・投資用は7,000~9,000戸、合計年間17,000~24,000戸くらいあるとみており、この数字を加えるとほぼ住宅着工戸数と一致する。

 マンション市況を論じる場合、この捕捉率にも注目する必要がある。供給戸数が減っているから市況が低調とは限らない。むしろ逆のケースもありうるわけで、マクロデータを鵜呑みにしてはいけない。

 新築供給戸数と成約件数の推移を見てみよう。2016年に新築の供給戸数35,772戸を中古戸数37,189戸が上回って話題になったが、この年の住宅着工は64,769戸(捕捉率55.2%)だった。その後、6年連続して中古が新築を上回っているが、表面に出ない数値も考慮しないといけない。〝新築低調、中古好調〟という単純な図式にはならないということだ。ただ、中古の成約件数と坪単価は2021年に過去最多・最高となったのは注目に値する。

 新築と中古の坪単価について。新築はこの10年間で45.1%も上昇している。2020年には坪300万円を突破した。20坪(66㎡)で6,000万円だ。

 ただ、この数値も前段で書いた基本性能・設備仕様ベルや専有面積の推移と一緒に考えないと市場を捉えたことにはならない。専有面積でいえば、2021年の平均面積は66.86㎡で、坪単価が200万円以下だった2002年の73.73㎡から実に6.87㎡(約2.1坪)、畳数にしたら約4.2畳大も縮小している。価格が大幅に上昇し、質も面積も低下の一途なのが今の市場だ。

 中古はどうか。中古もすさまじい上昇を続けている。2021年は坪197.4万円で、2012年の126.0万円から56.7%の上昇だ。マンションの45.1%と比較すると11.6ポイントも高いのは、新築の価格上昇、供給減、基本性能・設備仕様の退行のほかリフォーム・リノベ物件による魅力付けなど様々な要因が考えられ、詳細な分析が必要だ。専有面積はこの10年間63~65㎡台で推移している。

 新築価格を100%とした場合の中古価格の割合は60前後で推移してきたが、2021年は63.9に上昇した。これも中古の市場・先高観を反映しているのかもしれない。 

三井不動産レジデンシャル「パークコート千代田富士見ザ タワー」(2012/11/5)

「まだ間に合う」 借景が見事な野村不動産「プラウド小石川」(2012/5/25)

三菱地所レジ「ザ・パークハウス日吉」全97戸が2カ月で完売(2012/5/22)

モリモト「ディアナコート文京千石」 床も面材・家具もマホガニー(2012/4/2)

「9割がワイドスパン、最強の間取り」全1,539戸の住友不「東京ベイ」(2020/3/28)

呉越同舟効果 「5本の樹計画」の本領発揮 積水「品川シーサイド」1期207戸!(2017/3/24)

隣接明大校舎の巨木の借景見事 日本初の木造ハイブリット 野村不「神田駿河台」(2020/11/24)

三菱地所の足立区初の「北千住パークハウス」が完売間近(2006/3/10)

 


 

 

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「多摩川住宅ホ号棟マンション建替事業」

住友不動産と長谷工コーポレーションは92日、参加組合員として事業参画している「多摩川住宅ホ号棟マンション建替事業」の工事を85日に着工したと発表した。事業は国土交通省「マンション長寿命化等モデル事業」(令和3年度)に採択されている。

「多摩川住宅」は、1968年竣工の東京都住宅供給公社初の大規模団地。東京都調布市と狛江市にまたがる約48.9ha(調布市約32.9ha・狛江市約16.0ha)のエリアに、賃貸住宅(約1,800戸)と分譲住宅(約2,100戸)の約3,900戸のほか商業施設、幼稚園、小・中学校などの生活利便施設が整備された。当時、モデル団地として話題になった。

建物の老朽化が進んだことから2007年に「多摩川住宅まちづくり協議会」が結成された。両社は事業協力者として201511月に選定され、20208月、団地一括建替え決議が成立。20214月に調布市の認可を受け、「多摩川住宅ホ号棟マンション建替組合」が設立された。

「ホ号棟」は5階建て380戸(11棟)からなり、地区計画により「住宅再生A地区」として建ぺい率は26%から40%へ、容積率は60%から160%にそれぞれ緩和されたことから905戸(7棟)の建設が可能になった。

特徴は、長期優良住宅認定、CASBEE建築(新築)、ZEHの認証申請予定など。既存のケヤキの巨木の保全など緑環境にも配慮する。

地区計画では、このほか住宅福祉複合地区、住宅再生促進地区、住宅公益複合地区として再生・整備される。

物件は、京王線調布駅からバス1213分、徒歩47分(小田急線狛江駅もほぼ同様)、調布市染地三丁目に位置する敷地面積約37,638㎡、12階建て全905戸(非分譲住戸245戸含む)。専有面積は30.6887.01㎡。完成予定は202411月下旬(I工区)。設計・施工は長谷工コーポレーション。

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空撮

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 現地は、商品企画が素晴らしかった都公社「ソシア多摩川」を見学して以来30年以上も訪れていないが、緑環境はその後も年々成長しているに違いない。他の地区計画エリアの再生がどうなるか未定の部分もあるが、新しい街に生まれ変わる。多摩川にも近く、住環境としては最高だ。調布駅、狛江駅へのバス便も豊富だ。長期優良、CASBEESになるのか)、ZEHも取得するようだからレベルの高いマンションが期待できる。

 着工したばかりなので価格はいくらになるか分からないが、同じ長谷工コーポレーション施工の東京建物他「ブリリアシティ石神井公園アトラス」(844戸)は坪270万円くらいで販売好調のようだ。「多摩川住宅」も負けない。このままの市況が継続すれば単価は最低坪260万円、アッパーで坪280万円くらいではないかと予想する。課題は、他の沿線と比べ割り負けしている京王線の魅力をアピールできるかだ(石神井公園は知っていても、多摩川住宅を知っている人は地元の人くらいだろう)。企画・訴求次第で爆発的な人気を呼ぶ可能性もあるとみた。

 「ホ」について。惚れたの「ホ」ではない。イロハニホヘト(色は匂えど)だ。昔の物件名は一郎、次郎、三郎…末男、トメ子と一緒。同じエリアで分譲すると第1、第2、第3…などと付けた。某デベロッパーなどは20以上もある。

カテゴリ: 2022年度

 国土交通省は8月31日、令和4年7月の新設住宅着工動向を発表。総戸数は前年同月比5.4%減の72,981戸で、3か月連続の減少。内訳は、持家が22,406戸(前年同月比14.1%減、8か月連続の減少)、貸家が29,668戸(同1.5%増、17か月連続の増加)、分譲住宅が20,612戸(同4.0%減、先月の増加から再びの減少)となった。

 分譲住宅の内訳は、マンションが8,053戸(同11.7%減、先月の増加から再びの減少)、一戸建住宅が12,461戸(同1.8%増、15か月連続の増加)。分譲マンションは首都圏、近畿圏、中部圏とも2ケタ減となったが、その他は25.2%増と大幅に増加した。

 首都圏マンションは3,532戸(同12.8%減)で3か月連続減。都県別では東京都が2,291戸(同-26.5%減)、神奈川県が824戸(同45.1%増)、埼玉県が32戸(同83.5%減)、千葉県が385戸(同127.8%増)。1~7月では、首都圏全体は29,149戸(同10.9%)で、東京都が24.7%減、神奈川県が5.4%減となり、埼玉県が17.6%増、千葉県が49.0%増となっている。

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 持家の着工減が止まらない。1~7月では145,571戸(前年同期比9.0%減)となっており、分譲住宅の148,857戸(同3.7%増)を下回っている。このまま推移すれば、2006年(平成18年)の持家358,519戸、分譲住宅379,181戸以来16年ぶりに分譲住宅が持家を上回る可能性が高まった。

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「アトラスタワー五反田」完成予想図

 旭化成不動産レジデンスは9月1日、近く分譲する30階建てタワーマンション「アトラスタワー五反田」(全213戸)が4月27日にサイト開設以来、これまで2,700組超の問い合わせがあると発表した。

 物件は、JR山手線五反田駅から徒歩5分(西口)、品川区西五反田二丁目の商業地域に位置する30階建て全213戸(非分譲住戸11戸、広告対象外住戸8戸含む)。専有面積は30.12~126.94㎡、価格は未定(記者は坪単価450万円前後と予想)。竣工予定は2024年3月中旬。意匠・監理はNEXT ARCHITECT&ASSOCIATES、構造・電気・設備・監理・施工は西松建設。

 現地は目黒川沿い。日本独自の空間文化を用いることで築地塀と門と庭に囲まれたタワーに緑、水、石の潤いと庭を用いて静寂の空間を創造。3階共用部には蔦屋書店の運営サービスを導入し、約3,000冊の書籍や雑誌を備えたライブラリーラウンジを設置、

 住戸プランは角住戸やワイドスパン中心の設計によって開口面を増やし、採光性を向上。専有部の天井高は2,550~2,700mm。28~30階の上層階はプレミアム住戸とし、30階は住戸付設駐車場付きとする。

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エントランス

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ライブラリーラウンジ

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 現地は確認済み。立地はいい。見学取材を申し込む予定で、実現したら改めて紹介したい。坪単価は650万円前後と予想したが、競合しそうな野村不動産「プラウドタワー目黒MARC」が坪650万円なので、それより高くなることはないと見たがどうだろう。「目黒」同様、標準階は1フロア6戸で、最低9365ミリのワイドスパンがいい。

天井高2700ミリ 全戸ワイドスパンに高い評価 野村不・JR東日本都市開発「目黒」(2022/7/24)

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 野村不動産は9月1日、マンションの商品企画提案として2007年から採用している「LUXMORE(ラクモア)」の新たな商品として「ガス衣類乾燥機」を設置した住空間デザイン「キャンドライフ(CAND‐LIFE)」を開発、「プラウド横浜岡野一丁目(神奈川県横浜市)」「(仮称)白金長者丸プロジェクト」の一部住戸に設置すると発表した。

 「キャンドライフ」は、これまでマンションへの設置が難しいとされてきた「ガス衣類乾燥機」を設置し、高温乾燥による洗濯家事の所要時間と手間を削減するとともに、家事動線をより効率化した新たな住空間を提案する。

 「ガス衣類乾燥機」はリンナイの「乾太くん」で、5㎏の洗濯物を約52分、8㎏の洗濯物を約80分で乾燥する(電気式の約1/3の時間)。

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 以前は洗濯乾燥機付きマンションは賃貸を中心によく供給されていたが、最近は見かけなくなった。記者は昨年、リンナイのヒット商品「乾太くん」を採用したポラスの戸建て「ブルックスクエア小竹向原」とマンション「ルピアコート越谷」、積水ハウス「グランドメゾン白金高輪パークフロント」で見学している。「白金高輪」は有償だった。

駅4分・魚籃坂・公園隣接 港区初のZEH 積水ハウス「白金高輪」人気必至(2021/9/13)

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ポラス ブルックリンスタイルの3階建て「小竹向原」 デザイン性、仕様レベル高い(2021/2/27)

 

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 マンション管理業協会(理事長:高松茂・三井不動産レジデンシャルサービス会長)は829日、「マンションの適正な管理を確保するための方策に関する要望」を国土交通省に提出したと発表した。高経年マンションの増加と居住者の高年齢化に伴う修繕費・維持管理負担増を軽減するのが目的。要望は次の通り。

I】マンションの適正な管理を実現するための方策

1.適正な管理に取り組むマンションに係る優遇措置

(1)税制優遇措置
【要望内容】
・管理計画認定マンションや当協会で行うマンション管理適正評価制度において一定以上の評価を得たマンションなどの、適正な管理に取り組むマンションに対するインセンティブとして、対象区分所有者の固定資産税の減税、及び対象中古物件購入時において、所得税の控除、固定資産税・贈与税の減税を適用する制度の創設を検討いただきたい。
(2)住宅金融支援機構によるマンション共用部分リォーム融資(高齢者向け返済特例)及び部分的バリアフリー工事やヒートショック対策工事を行う際のリフォーム融資(高齢者向け返済特例)における優遇措置
【要望内容】
・認定制度の認定、及び当協会で行う評価制度において管理状況について一定基準をクリアし、適正な管理を実施するマンションへの優遇措置として、住宅金融支援機構によるマンション共用部分リフォーム融資(高齢者向け返済特例)の金利について、マンションすまい・る債積立管理組合に適用される金利と同程度に優遇し、マンションすまい・る債積立管理組合は、更なる金利の優遇を検討いただきたい。
なお、同融資の保証料については、減免もしくは免除、または(公財)マンション管理センター指定の「特定管理組合」への適用による保証料の割引を検討いただきたい。
・また、住宅金融支援機構によるマンションの専有部分において部分的バリアフリー工事やヒートショック対策工事を行う際のリフォーム融資(高齢者向け返済特例)の金利優遇や保証料の減免もしくは免除を検討いただきたい。
・上記2つの融資について、併用して融資を利用できる仕組みをご検討いただきたい。
II】適正な管理組合運営を担保するための法関連の見直しに関する要望
 1.マンション標準管理委託契約書の改訂について
【要望内容】
・マンション標準管理委託契約書の改訂を検討いただきたい。

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