東京ミッドタウンの春爛漫
清水寺の「音羽の滝」をコンセプトにした〝ツリーシャワー〟のサクラ(小野寺衆氏の作品)
大和ハウスグループのデザインアークの新商品「Transight(トランサイト)モジュラーシステム」を取材するために出かけたのだが、取材会場の六本木のビルは鍵がかかっていた。案内状を見たら日にちは4月5日だ。あっ1日間違えた。
しかし、ただでは起きないのが記者だ。東京ミッドタウンの春爛漫をお届けする。
建築中の「パークコート赤坂檜町ザ タワー」
話題のマンションももうすぐ完成
「GALLERIA」
待望の大型(最重量)社長 旭化成ホームズ・川畑文俊氏が自信たっぷり就任会見
川畑氏(左)と池田氏
旭化成ホームズは4月3日、4月1日付で社長に就任した川畑文俊氏(前取締役兼専務執行役員)と会長に就任した池田英輔氏(前社長)の合同会見を行った。
池田氏は「タイミング的には業績が横ばい状態にあり、踊り場に差し掛かっており、若返りを図り新しい成長へ向かって脱皮するにはいい機会。その意味で川畑くんは待望の大型社長。身体もそうだが中身も備わっている。入社以来、トップの業績を常に続けてきた。明るさ、若さもある。わたしが3年前に社長に就任したときから次の社長候補として考えていた」と既定路線であることを明かした。
川畑新社長は「ここ3年間はスタッフとして商品企画などを見てきたが、それまでは入社以来一貫して現場ライン。強みである〝現場〟に密着して舵取りをしていく。市場は踊り場にあるが、当社は2025年までに売上げ1兆円を目指しており、その礎を築くのがわたしの役割。戸建ては当社が営業エリアとする都市部でまだまだ伸びしろがある。シェアアップを目指す。そのための営業力強化に努める。№1と自負している戸建ての建て替え、マンションの建て替え、賃貸住宅も伸ばせる余地がある。新規事業の3本柱のシニア・中層・海外やこれまでやったことのない分野にも積極的に投資し、人材育成にも力を注ぎたい」と述べた。
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川畑氏が話し終えると、池田氏がすかさず「緊張した川畑くんを初めて見た」とおどけたが、どうしてどうして記者には全然そうは見えなかった。それどころか、堂々たる体躯はまさに待望(大望)の大型重量級社長そのものだった。
一つ不思議に思ったのは、川畑氏は昭和33年生まれの大阪府出身で、昭和57年に関西学院大学を卒業しており、雰囲気は関西人なのにほとんど関西弁を発しないことだ。
同じハウスメーカーの積水ハウス・和田勇会長、大和ハウス工業・樋口武男会長、住友林業・市川晃社長も関学出身で、いつも関西弁でまくしたてるのと対照的だ。
川畑氏に「どうして関西弁を使わないのか」という質問をぶつけたら、「大学を卒業してすぐ旭化成工業(現旭化成)に入社し、仕事はずっと東京。妻も東京・杉並の生まれ。だから関西と東京のハーフのようなもの。夫婦喧嘩をして関西弁になると、妻は本気で怒っていることを理解してくれるので関西弁のメリットはある」と話した。
ついでに「川畑さんは8代目の社長だが、最重量社長の誕生でいいですか」と聞いたら、「もちろん。僕、身長は184㎝あるんですよ。体重? これは社外秘。池田会長から『お前の体重は経営リスク』と言われているので」と体重は明かさなかった。傍にいた池田会長に「会長の2倍はありそう」とけしかけたら、池田氏もうなずいた。
和田氏、樋口氏、市川氏と3人もの関学出身の先輩にいじめられないか心配だが、持ち前の体格と若さで撥ね返すか。それとも〝関学閥〟タッグを組んで業界を席巻するか。いや、待てよ。もう学閥が通用する時代じゃない。三つ巴どころか四つ巴になって死闘を演じるか。そうなったら体格と若さに勝る川畑氏が圧勝するか。
思い出を問われると、「入社1年生のとき、大阪に帰って母親に『契約したお客さんにごちそうになったんや』と話したら、『普通と逆やな、結構な仕事やなあ』と言われ妙に納得した」と初めて関西弁を使った。体重を気にしているようには全然見えなかったが、「体重を落とすため趣味のゴルフと日々の散歩は欠かさない」とのことだ。
川畑氏
「里山資本主義」の次は園田眞理子・明大教授「ご当地資本・主義」 3住研究会
「変わる暮らしと住まいのかたち」シンポジウム(すまい・るホール)
アキュラホーム、ジャーブネット、住宅金融支援機構、都市住宅学会が後援する「住みごこち・住みごたえ・住みこなし推進研究会(3住研究会)」(委員長:高田光雄・京都大学大学院教授、4月1日からは京都大学名誉教授・京都美術工芸大学教授)が3月29日、第3回シンポジウム「変わる暮らしと住まいのかたち」を開いた。
同研究会は平成26年6月に発足し、27年に「変わる家族と住まい」、28年は「変わる女性と住まい」をテーマにそれぞれシンポジウムを行っており、今回が最終回。
高田氏は基調講演の中で、戦後の3つの失敗として「伝統木造」を捨てたこと、寸法からメートル法に変えたこと、京間モジュールを江戸間に変えたことを上げた。また、これからの街づくり・家づくりは入れ子思想を取り込み、多様なシナリオを描き、漸次的な意思決定を行い、選択肢を多くするシナリオ・アプローチが重要と述べた。
その後、研究会メンバーの大久保恭子・風代表取締役、園田眞理子・明治大学教授、野間光輪子・日本ぐらし代表取締役、檜谷美恵子・京都府立大学大学院教授、山本理奈・東京大学大学院助教がそれぞれの研究成果をもとに変容する暮らしとこれからの住まいについて議論した。
高田氏
左から大久保、野間、檜谷、山本の各氏
◇ ◆ ◇
高田氏の「入れ子」「シナリオ・アプローチ」も興味深かったが、面白かったのは園田氏の話だった。いきなり「シンギュラリティ」(人工知能が人類の知能を超える転換点)などという難しい話を持ち出し、「わたしはペシミスト、悲観論者。いつも明るい伊藤さん(圭子氏、アキュラホーム住生活研究所所長)のように楽観的な未来を描けない。3.11がトラウマになっている」と本音とも冗談とも取れる言葉を発し、持論を展開した。
耳目を集めたのは、人口・世帯減少、産業構造の変化、エネルギー転換の3つの深層問題を串刺しできる解答として提示した「ご当地資本・主義」だ。その具体的事例として「Shre金沢」「高森のいえ」を紹介した。
「ご当地資本・主義」は園田氏の造語で、2013年に発売され大ヒットした「里山資本主義 日本経済は『安心の原理』で動く」(角川書店、藻谷浩介/NHK広島取材班)を連想させる瑞々しさがある。
これを「サブシステム」として機能させるというのは「里山資本主義」と同じだが、ご当地の様々な資本を駆使してという意味の「・」(ナカグロ)がミソだ。
「家守り×まち守り=〝むら〟の時代」という概念も説得力がある。高田氏から「コミュニティではだめなのか、まち(街)ではいけないのか」という問いに園田氏は「コミュニティという言葉は使いたくなかった。やはり〝むらむら〟という言葉もあるように『むら』にこだわった」と話した。
「コミュニティ」でなく「むら」にこだわるのは記者もよく理解できる。10年前だが、「『コミュニティ』なる文言には記者は違和感を覚える。どうして外来語を使わなければならないのか。わが国では古くから町内会、隣組(戦前には大政翼賛団体になったのでこれは不可)があり、寄り合いなどがあり、『講』もあった。緩やかだが解けないという意味を込めて『もやい講』などもいいのではないか」(危機に瀕するコミュニティ デベロッパーにも責任の一端)と書いた。
「むら」は行政単位「村」のイメージとの兼ね合いもあり、「コミュニティ」に変わる概念として使用されるには時間もかかりそうだが、普及してほしいと思う。
平成23年の紀伊半島大水害で大きな被害を受けた奈良県・十津川村の復興再生プロジェクト「高森のいえ」がまたいい。映し出された画像がとても美しかった。
「高森のいえ」は園田氏がプロジェクト推進委員長を務め、村の中心部にある特別養護老人ホーム「高森の郷」に隣接して建設されたもので、「高齢者向け住宅棟(単身及び二人世帯用)」、「一般向け住宅棟(子育て世帯用)」、「ふれあい交流センター棟」で構成されている。イベントなどが行われるセンター広場も整備されている。建築物は構造材、板材及び造作材(全て10齢級程度の杉・桧の間伐材)を使用し、約95%が「十津川産材」となっている。
プロジェクトには日本建築士会連合会会長を務める三井所清典氏(アルセッド建築研究所)も参画しており、三井所氏は「山古志村の復興住宅の経験が生きた。造成費がとても安く済んだ」と話した。これまでにない「むら」のモデルになる可能性を秘めている。
園田氏
「高森のいえ」(資料提供:園田眞理子氏)
以下は十津川村提供
全景
全景
全景
全景
高齢者向け住宅
高齢者向け住宅
一般向け住宅
ふれあい交流センター
住宅棟中庭
センター広場
なぜ京都の高齢者は美しいか 3住研究会で野間光輪子氏が語る(2015/4/1)
アキュラホーム 高田・京大教授以外の5人全て女性の研究所設立(2014/7/3)
「遅くまで働く会社に未来はない」 積水ハウス・阿部社長が入社式で訓示
阿部社長
積水ハウスは4月1日、グループ入社式を行い阿部俊則社長が訓示を行った。新入社員は積水ハウス507人、グループ会社154人で、入社式には積水ハウス507人、グループ会社110人が出席した。
阿部社長の訓示は、あらゆる業種・会社に当てはまり、全ての働く人が心すべきことなので要旨を紹介する。
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積水ハウスグループへの入社おめでとうございます。皆さんの入社を私も皆さんと共に心から喜んでおります。
企業理念の根本哲学の「人間愛」は、「FOR ME」ではなく「FOR YOU」の心で、「相手の幸せを願い、その喜びを我が喜びとする奉仕の心をもって何事も誠実に実践する」ことです。ぜひ謙虚な姿勢と感謝の気持ちを忘れないでください。
これからの大きなテーマは「働き方改革」です。「遅くまで働く会社に未来は無い」と言い続けてきました。今、「人材の定着と育成」をテーマに「わくわくドキドキできる職場環境づくり」を推進しています。ITなどを活用しながら、仕事の量と質の「見える化」を行い、やるべきこと、そうでないことをよく見極め「効率よく」仕事をする癖をつけてください。
そして一日を達成感で終え、メリハリをつけ、家族、友人などと過ごす時間や自己研鑽の時間などのアナザーワールドのための時間も充実させてください。
また、ダイバーシティにも積極的に取り組んでいます。女性管理職も増えるなど成果が表れており、先月、住宅・建設業界で唯一4度目の「なでしこ銘柄」に選定されました。「ワーク・ライフ・バランス」から「ライフ・ワーク・バランス」へ、今、会社は大きく変わろうとしています。
(中略)
積水ハウスはお客様を大切にする会社です。次に社員と協力工事店を大切にしています。そして社会に必要とされる会社であること、この3つを大切にしています。
それが社会に浸透し、ブランドができ、提案する内容も高度化、高額化しています。お客様や社会の期待も大きい分、仕事に慣れるまでは大変つらいこともあります。そんな時は、当社の企業理念に立ち返ることです。
また何でも相談できる仲間、先輩を見つけてください。報告・連絡・相談は最も大切なことです。チャレンジも失敗もどんどんしてください。
どうか健康に留意し、先輩の指導を素直に聞いて、必死に勉強し、目標を決めて自己研鑽しながら早く一人前になってください。皆さんの活躍を大いに期待しています。
4月1日付 特報!「アンタロ」に匹敵する業界名物男を業界団体が公募
丸谷才一のエッセー集「月とメロン」(文芸春秋)に「人名の姓と名の一字づつを取つて、略称それとも愛称ないし綽名のやうにして呼ぶのはよくあることで、これは特にンがはいつてゐるときに好んで口にされる。俳優ではバンツマ=坂東妻三郎 エノケン=榎本健一 清水金一が好例だが…」とある。
確かにわれわれは人を愛称で呼ぶのが好きだ。俳優・タレントではこのほかアラカン=嵐寛壽郎、マツケン=松平健、キムタク=木村拓哉など数え切れないほどあるはずで、プロ野球ではマエケン=前田健太が筆頭格で、競馬ではアンカツ=安藤勝己、指揮者ではコバケン=小林研一郎、小説家ではマルケン=丸山健二、政治家ではミヤケン=宮本顕治、シミタツ=清水達雄、実業界ではナベツネ=渡邉恒雄などが有名だ。
このほか、アベサダ=阿部定(これは本名)、ロン・ヤス=中曽根康弘首相とレーガン米大統領、オグシオ=バドミントンの小椋久美子と潮田玲子ペア、キンツマ=金曜日の妻も流行した。ジャイアンツファンはハラタツ=原辰徳の時期もあったのではないか。あっ、出戻りのムネリン=川崎宗則を忘れていた。
こうしてみるとやはり「ン」がつくものが多い。これは人名ではないが、わが業界にはシミケン=清水建設もあるし、エドケン=そのものずばりエドケン(かつての建売住宅業者)もあった。
ところが、これほどたくさんの愛称、あだ名がつけられている人や会社が多いのに、わが住宅・不動産業界は極めて少ないというか、記者の知る限りアンタロ=安藤太郎(江戸英雄とともにわが国のデベロッパーの顔として世間に知られた住友不動産の会長・社長。2010年、100歳で死去)しかいない。(以上、敬称略)
これでは情けない。それで暇に飽かしてアンタロをしのぐ業界人候補はいないかと考えた。
真っ先に浮かんだのは大京の創業者・横山修二氏だ。愛称は「オヤジ」。これは身内だけしか使われなかったが、マンション業界に君臨した人にふさわしい呼び名だ。1925年生まれだから今年92歳。馬主としても知られており、記者は横山氏所有の馬でウマタン=馬単などなかったころ5万円の万馬券(100円の掛け金で配当が5万円)を取ったこともある。
他はどうか。これがなかなか見つからない。そもそも現役の社長で姓や名に「ン」が付く人物が少ない。なんとか調べたり同業の記者に聞いたりしたら、オノケン=小野寺研一氏(住友不動産副会長)、カメサン=中井加明三氏(野村不動産ホールディングス会長)、ヤナケン=谷中健太郎氏(日本RSP協会理事)、カトケン=加藤憲一郎氏(住宅評論家)が見つかった。
ほかではゴロがよく、わが業界を代表する人物にふさわしい人としてヤノリュウ=矢野龍氏(住友林業会長)、アベテツ=安倍徹夫氏(アンビシャス社長)はどうか。
矢野氏は昨年、木住協の会長を退くスピーチで「time flies like an arrow 光陰矢野如し」とおやじギャグを放ち、「わたしは76歳。立派な後期高齢者になりました。安田善次郎は『50、60は洟垂れ小僧、70は働き盛り、80、90は男盛り』と言った。その伝で言えばわたしは青春を謳歌する年齢。80、90で男盛りになれるかどうかは嫁さんとよく話し合う」と爆笑を誘った。
安倍氏はアベシン=安倍晋三氏とは縁もゆかりもないが、「オヤジ」が采配を振るった大京時代の7人の侍の一人で、唯一今もなお現役社長として旗を振る。字は右でも左でも書け、首都圏全沿線の各駅をそらんじて見せる技の持ち主でもある。
まだある。クマケン=隈研吾氏(建築家)、タネマキ=種橋牧夫氏(東京建物会長)、ハタボウ=畑中誠氏(東京建物相談役)、キヨチャン=金指潔氏(東急不動産ホールディングス会長)、ヒラコウ=平田恒一郎氏(ナイス社長)はどうか。
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ゼンタク=全国宅地建物取引業協会連合会、フドウキョウ=不動産協会など数えれば20は下らない、まとまりがありそうで足並みがそろわないわが業界団体は4月1日、記者の記事に呼応したのか、混迷の度を深める時局の収拾を図ろうとする政府の考えを忖度したのか、はたまた不透明感が増す環境を一変させ、沈滞ムードを一掃する起死回生の策を打ち出した。
「アンタロ」に匹敵する業界人の愛称(愛妾ではない)を自薦他薦問わず広く公募し、その名を顕彰する制度を新設することを決めた模様だ。
(RBA 4月1日発)
シングルマザーの年収215万円 家賃7万円 ローン返済厳しい67% アットホーム調査
アットホームは3月31日、全国の20歳~59歳のシングルマザー618名を対象に「シングルマザーの住まいの実態調査」結果をまとめ発表した。
シングルマザーになった理由は離婚が85.1%、死別が5.3%、未婚が8.3%。職業は会社員が44.2%、パート・アルバイトが31.4%。年収は平均214.9万円で、内訳は公務員・経営者・会社員が315.5万円、パート・アルバイトが139.9万円、専業主婦が76.3万円、その他180.5万円。居住形態は持ち家が45.0%(うち一戸建てが35.9%)、貸家が55.0%(賃貸一戸建て8.9%、賃貸マンション13.6%、賃貸アパート19.1%、公営・公団住宅12.9%)。
実家暮らしは24.3%(賃貸12.7%、持ち家87.3%)、実家暮しではないが75.7%(賃貸68.6%、持ち家31.4%)。
月額家賃平均は5.2万円(首都圏エリア7.0万円)で、自分と子どもが住む人は83.2%。「家賃を払うのは厳しい」が78.3%。
持ち家のうち「自分で購入」が約半数で、住宅ローンの支払いは「自分」が約4割、ローン返済月額平均は6.9万円。「ローンを払うのは正直厳しい」が67.2%。
賃貸の広さは平均54.0㎡、持ち家は84.4㎡。最寄り駅までの距離は、賃貸が平均22.3分、持ち家が20.7分。
エリア選びで重視したことは、トップが「子供の通学のしやすさ」で、以下、「家賃や価格の相場の安さ」、「自分の通勤のしやすさ」、「実家からの近さ」など。
住まい探しに「苦労した」人は33.6%で、とくに賃貸では4割近くに上っている。その理由は「家賃・価格と広さがちょうどいい物件が見つからない」「年収が入居条件に満たない」「連帯保証人がいない」「公営住宅の抽選から漏れる」など。
シングルマザーであることを理由に入居を断られた人は10.1%。
経済的に余裕があればほしい施設は、「日当たり」「収納量」「お風呂の広さや設備」「広さ」「部屋数」「キッチンの広さや設備」「新しさ」「駅近」「セキュリティ」など。
親との同居は30.3%。同居の第一の理由は「家計が安定するから」で63.6%。別居をしたいと思っている人は35.3%。親と同居しない理由は「迷惑を掛けたくない」が41.9%。自宅の居心地の良さを100点満点とした場合、親と同居している人は平均70.0点、同居していない人は69.2点。
母子家庭向けの住宅手当があるかどうか「知らない」人が74.4%。
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同社は毎回面白いアンケートを行うが、今回はシングルマザーの厳しい生活実態と居住形態を浮き彫りにした。言われていることではあるが、少なからずショックを受けた。
一番驚いたのは収入の低さだ。214.9万円では少なくとも首都圏で住宅を取得するのは絶望的だろうし、賃貸でも収入に占める居住費の割合は光熱費などを含めると半分くらいに達するのではないか。収入は養育費や様々な公的扶助を含めてのものだろうから、実態は生活保護世帯と同じではないか。それでどうして子どもが育てられるのか。子どもの貧困率が高いのもよくわかる。
離婚により前夫から養育費を受け取っている人は33.7%しかないというのにもショックを受けた。子どもを育てる義務は前夫と同じはずだ。
それだけ生活が苦しいのに離婚を後悔している人はほとんど皆無で、再婚したいと思う人は25.2%にとどまっている。何をかいわんや。男は犬猫同等のレベルまで退化したということか。
それでもいまの住居の居心地について聞かれると100点満点のうち70点もあるとは-何と健気な女性なのか。ばかばかしい森友問題に大騒ぎしている国会と、それをドラマのように見ているわたしはいったい何者か。
大京 モデルルーム営業職に「3連休」導入 「プレミアムマンデー」も設定
大京は3月30日、新築分譲マンショ ンと新築戸建を販売するモデルルームの営業職を対象に毎月原則第2木曜日を法定外休日と設定し、3連休とすると発表した。4月1日から実施する。
これまでは法定休日を原則水曜日に、法定外休日を原則火曜日に設定し、月曜日から金曜日にかかる祝日の振替休日をフレックス休日として個人が任意に設定し取得してきたが、3連休の取得がしにくい状況があった。
今回3連休を導入することで休日を確実に取得できるほか、各自の予定が立てやすく、また、モデルルームを1日クローズすることで業務効率化も図ることができるとしている。
あわせて国の推進する「プレミアムフライデー」についても、同営業職で取得しやすい毎月原則第2月曜日に独自設定し、年休取得やノー残業デーを推奨していく。
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非常に結構なことだ。同社の英断に拍手喝采。
マンションのモデルルームを取材する側からいえば、現在、火曜・水曜をクローズにしているところ、水曜・木曜を定休日にしているところが混在しており、確実に取材できるのは月曜と金曜しかないので困るのだが、お客さんの立場からすればそれほど支障はないともいえる。
勝手なお願いだが、昔はそうだったように、マスコミの取材は土曜も日曜も可能にしていただきたい。お客様対応に忙しければ、見学だけでもいい。記者対応はしなくてもいい。
記者にとっても、土曜・日曜に現場取材ができれば、労せずして見学者に取材することができるメリットがある。とても寒い日、「広尾ガーデンヒルズ」の第1期分譲で幸運にも抽選に当たった銀座のクラブママにインタビューすることができ、「銀座のクラブママはトイレに駆け込んで喜びをかみしめた」という記事を書けたのも、販売事務所の外で朝から晩まで片っ端に声を掛けたからだ。そんな取材をしても売主は文句を言わなかった。
バブル崩壊後はほとんどのデベロッパーは土曜・日曜日の取材を不可とした。「お客さん対応が優先」というのがその理由だが、わたしに言わせれば、「お客さん」とはマンション購入検討者だけでなくあらゆる関係者(ステークホルダー)だ。マスコミの取材規制はむしろ逆効果だと思う。
取材とはそのようなものだ。デベロッパーがおぜん立てしてくれるのもうれしいが、土曜・日曜もマンション現場を取材できたらものすごく面白い記事が書けるはずだ。
公共団体の建築工事を円滑に進めるための懇談会 国交省
国土交通省は3月30日、地方公共団体の建築事業が円滑に進められるよう課題の検証や対応策の検討を行う「地方公共団体における建築事業の円滑な実施に向けた懇談会」(座長:大森文彦 弁護士・東洋大学法学部教授)を設置し、第1回目の会合を行った。
同省から最近の官庁営繕部の取り組みが紹介されたほか、ゲストプレゼンターとして全国中小建設業協会副会長・土志田領司氏、日本建築家協会会長補佐・森暢郎氏、日本建築士事務所協会連合会副会長・佐々木宏幸氏、日本建築士会連合会会長・三井所清典氏がそれぞれ資料を提出し意見を述べた。
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会議の冒頭、大森座長は「極めて重要なテーマ」と話したように、記者は専門外ではあるが、最近の国、地方を問わず建築をめぐる問題が社会問題化している背景には、様々な問題が横たわっているのではないかと思い傍聴した。
会場は同省11階の特別会議室。たくさんの関係者が詰めかけていたが、マスコミの傍聴者は記者を含めてわずか5人(一般紙は1名)だった。
記者の傍聴が少ないのは今回に限ったことではないが、これはどういうことか。最近の例でいえば横浜傾斜マンションの施工不良、新国立競技場、豊洲、森友問題など事件が起きるとわっと群がって取材するのに、すぐ他の取材に追われ、その根っこにあるものを探ろうとしない記者の姿勢にも問題がないとは言えない。
土地の鑑定や費用積算の根拠、建築士・不動産鑑定士の役割、国や自治体の情報公開などに普段から関心を持っていれば、核心をつく記事が書けるはずだ。利益団体が背景にいる業界紙・専門紙はともかく、どこの利益団体からも独立している一般紙の記者がチェック機能を果たせなくてどうする。歓心を引くために追われて書く記事と、自らがテーマを決めて追う記事とでは格段の差がある。記者は追われて書く記事はこれまでもほとんど書かなかった。すぐに追いつかれるからだし、記者間の競争などに巻き込まれたくないからだ。
話が横道にそれてしまった。元に戻す。今回の会合でもゲストプレゼンターはそれぞれ重要なことを話したはずだ。残念ながら、記者はほとんど聞き取れずメモもできなかった(隣の2~3人の方は会話をすべてノートパソコンに記録していた)。
なので、各団体の提出資料を紹介するほかない。
全国中小建設業協会は、実績のない業者は受注機会に恵まれない、単価・価格の設定は実勢を反映していない、価格設定をどのように行ったかの情報開示、仮設・現場管理・一般管理費は土木工事より低く見積もられる、自治体から〝やってくれ〟と言われればやらざるを得ない不平等の立場がある、市町村の末端まで国の方針が徹底されていないなどの問題を提起した。
日本建築家協会からは、設計施工分離発注の原則、複数事例の工事費の㎡単価平均値による予算化の回避、計画変更に対する追加予算化の対応、プロポーザル方式の採用促進、基本設計時に精度の高い概算工事費算出が求められるなどの意見が寄せられた。
日本建築士事務所連合会は、設計委託要件が軽視されており、設計与条件の不十分な検討が施工時点での問題につながる、価格によらない設計委託が行われており、行われた場合でもその選考方法が不透明、価格による選定方法では、極度に低い価格での入札が行われることになり、結果として受託する設計の密度が低くなる、発注者側の条件設定が未熟、設計事務所のコスト管理能力不足が問題などと指摘している。
日本建築士会連合会は、公共建築物としての品質を確保し将来にわたってその機能を発揮するためには、発注者、設計者、施工業者及び住民が良い関係(信頼関係)を構築することが不可欠とし、地方公共団体内に建築技術者がいない場合は、発注者支援の活用には適切な報酬が必要、基本設計、実施設計、工事監理が分離して発注される場合は、それぞれについて責任の範囲を明確化するとともに適正な業務報酬が措置されることが重要などとしている。審査過程をオープンにしたために新庁舎の設計に48者が応募し、公開によるプレゼンテーションとヒアリングを経て建設された町田市庁舎(資料では事例1)の事例を紹介した。
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記者が考えるに、民間工事も同じだがとくに公共工事は発注者-設計者-監理者-施工者がみんなバラバラに分断され、責任の所在が分からないようになっているような気がしてならない。それを防ぐためのコンストラクション・マネジメント(CM)、プロジェクト・マネジメント(PM)、ファシリティ・マネジメント(FM)、アセット・マネジメント(AM)やらがうまく機能していないのではないか。
東急不動産 業界初 無料で子どもの遠隔医療相談が受けられるサービス開始
東急不動産は3月29日、マンション業界で初めて遠隔医療相談サービス 「小児科オンライン」を 「ブランズシティ世田谷中町」で導入すると発表した。
同社のBRANZサポートメニュー居住者専用サイト「BRANZ SUPPORT WEB」を通じて小児科医ネットワークを持つKids Public(代表取締役社長:橋本 直也氏)が提供する「小児科 オンライン」に接続すれば、小児科医による具体的なアドバイスを無料(通常会員は月額3,980円)で受けることができる。子どもの状態を写真や動画で送ることができ、LINE、電話、Skypeのほかテレビ電話利用も可能。利用できるのは平日の18~22時。
第一弾として第一期入居が開始した「ブランズシティ世田谷中町(世田谷区中町、全252戸)に4月上旬から導入し、順次導入していく。
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病院からセカンドオピニオンなどの医療サービスを受けられるマンションは以前からあり、最近では、野村不動産が聖路加国際病院付属クリニック「聖路加メディローカス」と提携し、月額4万円の会費で人間ドック、運動サポート、医療サポートなどが受けられる「プラウド銀座東」もある。
しかし、無料で遠隔医療相談サービスが受けられるマンションというのは聞いたことがない。子育てファミリーにはものすごくインパクトのあるサービスだ。記者も子どもが熱を出しパニック状態に陥った経験がある。
大人向けのサービスは受けられないのか。
東急不動産の記念碑的マンション 定借「ブランズシティ世田谷中町」は坪308万円(2016/9/3)
「とても満足」「満足」が85% プレハブ建築協会 お客様アンケート
プレハブ建築協会は3月28日、恒例のお客様アンケート調査結果をまとめ発表した。総合評価では「とても満足」「満足」が85%に上った。
23回目となる今回は、アンケート内容を見直し、調査項目を充実、営業担当者の対応について細かく調査するとともに評価尺度も細かくし、設計・工事・アフターサービス担当者等への評価についても調査項目に加えた。調査対象は会員のメーカー10社が新築し2015年に入居した1,300名で、回答は669名(有効回収率51.5%)。
メーカー選定理由は、前回と同様「安心できる会社だった」「品質・性能が優れていた」「営業担当者の説明に納得できた」ことが多く、プレハブ住宅を選定する上で「安心」「品質」「納得」が重要であることがうかがえる。営業担当者に対しては、「人柄・営業態度」の評価がもっとも高く、「説明やアドバイス」「住まいづくりに関する知識」の評価がそれに続いている。
契約段階以後(設計~工事~入居後)の対応については、段階が進むにつれて評価が徐々に低下する傾向が見られることから、今後、契約以降の営業担当者の対応についても満足度を高めるような取り組みが必要としている。
また、アフターサービス分野も水準を高める余地があるとしている。
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毎回思うのだが、お客様の住宅に対する満足度は回答率の高さに表れている。50%を超えているのだから総じて評価が高いと言えそうだ。欲を言えば、回答しない人はなぜなのか、その理由が知りたい。追跡調査をしてはどうか。
アンケート項目については考慮してほしいことがある。メーカー選定理由の設問は「安心できる会社だった」「品質・性能が優れていた」「営業担当の説明に納得できた」「希望を反映した提案が良かった」「アフターサービスが良いから」「外観・デザインが気に入ったから」「知人に薦められたから」などとなっている。
この「安心」「品質・性能」などは漠としてよくわからない。何が「安心」なのか具体的に問うべきだろうし、「品質・性能」についても、耐震性、遮音・断熱性、耐久性、広さなどのほかに天井高、収納率、ユニバーサルデザイン、設備仕様など細かな点について聞いてほしい。ユニバーサルデザインは気がつきにくいかもしれないが、極めて重要だと思う。
そうすれば、選定理由では13%しかない「外観・デザインが気に入ったから」の評価は相対的に高まるのではないかと思う。品質の高さは間違いなく「外観・デザイン」に表れるはずだ。そのデザインについてもどのようなデザインが気に入ったのか聞けば面白い結果が出るのではないか。