5月23日付「住宅新報」 記事の半分が「このほど」と日にち記載なし
「このほど」の記事が多すぎるとこのほど(5月3日)、当欄で書いたばかりだが、5月23日付「住宅新報」は「このほど」と日にちの記載がない記事が46本のうち24本もあった。
日にちが明記されなくても不都合が生じない記事はもちろんある。しかし、「三菱地所ホームは4月29日、神奈川県横浜市のみなとみらい地区に初のリフォームショールームをオープンした」と、3週間も前の出来事に日にちを入れる一方で、「NTT都市開発はこのほど、牧貞夫社長が取締役相談役に退き、中川裕副社長が社長に昇格する人事を発表した」と平気で書く。人事発令の日付は極めて重要だと記者は考えるし、大手上場会社の社長人事に〝このほど〟とは失礼極まりない。
さらにまた、「『中高齢者の農業参加と住まい』について研究する会がこのほど発足した」とあるが、これは会の名称が「中高齢者の農業参加と住まい」なのか、ほかに正式な名称があるのか全く不明。もちろん「このほど」もいつのことかさっぱりわからない。
不思議なのは、先週の5月12日、日本郵政が野村不動産ホールディングスの買収を検討する旨のビッグニュースが飛び込んできたのに、同紙はこれにまったく言及がないことだ。取材する時間はたっぷりあったはずだ。無視する出来事では絶対にないはずだ。
1面の企画記事は、デベロッパーなど34社の平成29年3月期決算と次期業績予想の数値が記載されているのだが、売上高、経常利益、純利益の数値と前期比の増減だけ。専門紙のやることか。いっそやるなら全ページを割き、他のデータも盛り込んでそのページだけ切り取ればいつでも読めるようにすべきだ。
是非はともかく、週刊新潮と週刊文春が取次店を巻き込んで〝スクープ〟〝特ダネ潰し〟合戦を展開しているというのに、わが業界紙はなんとのんびりしていることか。「住宅新報」1紙になったら少しは改まるかと思ったが絶望的になってきた。(記者は1年前、同紙に「このほど」はやめたほうがいいと伝えている)
慣用句か枕詞か なぜか頻繁に登場する「このほど」 不動産業界紙の記事(2017/5/3)
いい加減にしてほしい モデルルームのケミカル製品・造花の氾濫
積水ハウス「グランドメゾン品川シーサイドの杜」モデルルーム(全てが本物の中低木)
ずっと以前から気になっている分譲マンション・一戸建てのモデルルームのインテリアについて書く。断っておくが、記者は素人だ。しかし、自分で油絵を描くし、少しは美醜を分ける素養があると思っている。
モデルルームではほとんどすべてをチェックするが、もっとも重視するのは設備仕様レベルとデザイン(単なる意匠ではなく、あえて言えば品格)だ。最近は、建築費の高騰でどんどん貧しくなってきている。大理石や御影石の天板などはともかく、突板仕様のドア・建具などすっかり影をひそめてしまった。ほとんどがケミカル製品だ。
これはやむをえないとしても、あまりにもひどいのが造花の氾濫だ。坪300万円だろうが400万円だろうが、グロスにして7,00万円も8,000万円もするモデルルームでも生花が飾ってあるものなどほとんど見たことがない。
なぜそうなるかは容易に想像できる。1年も2年も使用するモデルルームに高価な手入れも必要な生花など飾れないということだろう。それよりも手入れの必要がない本物そっくりの造花のほうが来場者に強いインパクトを与えるだろうとデベロッパーは考えているはずだ。
インテリアコーディネーターは、内心ではばかばかしいと感じながら、おそらくそのようなデベロッパーの意向を忖度して派手派手しく飾ることに専念するのだろう。
一カ所でも派手に飾ると、他もすべてそうせざるを得なくなる。収拾がつかなくなり、かの岡本太郎〝芸術は爆発だ〟状態になる(岡本太郎の作品がダメと言っているのではない。TPOを言っているのだ)。そうしないと釣り合いが取れなくなるからだ。
結果どうなるか。例えば食卓。たかだか20畳大のリビングダイニングに4人掛けのテーブルを置き、そこに皿などの食器類にワイングラスを並べ、さらにいかにも造花然とした訳の分からない造花が飾ってある-こんな光景を何度見たことか。
しかし、立派なホテルやレストランでテーブルに造花が飾られているのを見たことがあるだろうか(記者は外で摘んできた草花を店のグラスに活けて怒られたことがあるが、それでも懲りずに時々そうする)。和食でも洋食でもメインは料理であり食器類だ。食卓に造花を飾るのはご法度だ。おいしいものでもまずく感じる。ましてや大ぶりの花がそぐわないことなど素人でもわかる。
そのような愚を平気でおかす。〝うちは関係ない〟と言い切れるデベロッパーはどれだけいるだろうか。天然御影のカウンターと安っぽいカサブランカやアンスリウムの造花がどうして釣り合うのか。デベロッパーは〝来場が少ない〟〝歩留まりが低い〟などと嘆くが、ユーザーの心をつかむ努力を怠っていないか考える必要がある。一生に一度の大きな買い物になるかもしれない、人生を変えるかもしれないマンションや一戸建てのモデルルームを造花で飾り立てる神経が私は理解できない。〝simple is best〟-この言葉の意味をもう一度考えてほしい。
1階の提案(これもすべて本物の中低木)
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プロパストをご存じだろうか。リーマン・ショックのとき破たんしたが、それまではデザイナーズマンションの雄として一世を風靡したデベロッパーだ。もう20年くらい前だ。都心のあるマンションのモデルルームは玄関も廊下も壁もドアもすべて白。ところどころに黒がアクセントとして用いられていた。そして、リビングのテーブルに1本の赤いバラが活けてあった。
みなさん、その光景を思い浮かべていただきたい。すべて真っ白の空間に赤いバラ1本。当時の森俊一社長は何と言ったか。「都内の花屋を駆けずり回って探してきたバラです」と。
同社は徹底してデザインにこだわった。パンフレットを入れる紙袋もそうだ。つやつや光る黒の紙袋は手の汗などを付けると汚れたようになる。同社はそうならないように艶消し処理を施した紙袋にした。
そこまでするからユーザーは感動する。マンションは感動を売る商売でもある。記者が20年も昔のことでも思い出せるのも、それだけ強い印象を受けたからだ。
現在、そうしたこだわりのマンションを供給しているところはどれだけあるだろうか。生花に限ればフージャースコーポレーションがそうだ。同社には〝営業の神〟と呼ばれる人がいて、その人の指示でモデルルームは極力生花にしているそうだ。
積水ハウスもそうだ。いま売れ行きが極めていい「グランドメゾン品川シーサイドの杜」をぜひ見学していただきたい。戸数が多いからできる芸当だが、販売事務所そのものが「杜」になっている。
記者は取材先の道端などに咲いている草花を摘み取り、濡れたティシュでくるみ家や事務所に持ち帰って飾る。今はドクダミが美しい。
わが家の洗面(ドクダミは四谷で摘んできたもの)
住友不がマンション売上、戸数でトップ 完成在庫率の低いのは三井不 29年3月期決算
別表は主なデベロッパーの平成29年3月期決算のうちマンション事業について売上高・計上戸数・完成在庫をみたものだ。売上高では住友不動産、三井不動産、タカラレーベン、プレザンスコーポ、日神不動産、サンケイビルなどが増やし、野村不動産、大和ハウス工業、積水ハウス、東京建物などが減らした。計上戸数は住友、三井、タカラレーベン、プレザンスコーポなどが増やした。完成在庫は住友、大和ハウス、大京、日神不動産以外は増加した。
このほか、最近供給を伸ばす電鉄(系)会社、伊藤忠都市開発、新日鉄興和不動産、モリモト、大成有楽不動産、関西が地盤の日本エスリード、あなぶき興産などが供給上位。
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住友不動産が売上高、計上戸数ともトップ。マンションの契約戸数は6,467戸(前期比943戸増)と初めて6,000戸を超えた。マンション、戸建ての次期計上予定戸数5,700戸に対する期首の契約率は約50%。営業利益率は14.7%から14.9%へと0.2ポイント増を目指す。
完成在庫は前期比より減少したが、完成在庫率(計上戸数に対する完成在庫の割合)は20.8%と高い水準にある。
三井不動産は極めて好調に推移している。売上高、計上戸数は住友不動産に次ぐ。今期は3,900戸で前期比1,300戸減、売上高は2,710億円で前期比2.2%減を見込むが、営業利益は340億円(戸建て含む)で前期比より33億円増を予想している。都心の高額・利益率の高いマンションが竣工するためだ。
完成在庫は大幅に増えたが、このことについて富樫烈・経理部長は「1~3月の期末に竣工した郊外・地方のマンションが増えたためで、9月頃までには完売するはず」と話した。在庫率も大手の中ではもっとも低い。
野村不動産が巻き返す。前期は戸建てを含む住宅部門の売上高が3,297億円(前期比1.4%減)、営業利益が277億円(同12.9%減)と減収減益となり、完成在庫が分譲中239戸(前期88戸)、未販売369戸(同121戸)合わせ608戸(同209戸)と大幅に増えた。
次期の計上予定戸数は6,000戸(うち戸建て600戸)。売上高は3,650億円(同3,297億円)と増収を見込むが、営業利益は250億円(同277億円)と、利益率を落としつつも完全に売り切る方針だ。次期計上予定戸数に対する期首の契約率は43.0%。戸建て600戸を達成すれば、三井不動産の予定550戸を越すことになる。
三菱地所は売上高、計上戸数とも若干減らした。次期は売上高2,670億円(前期2,232億円)、計上戸数4,200戸(同3,713戸)へ増やすが、粗利益率は18.1%(同19.4%)と抑制的な見通し。在庫も増えているのが気になる材料。
コスモスイニシアを含む大和ハウス工業も売上高、戸数を減らした。次期も控えめだ。コスモスイニシア・高木嘉幸社長は決算説明会で「マンション事業は大手の寡占化が進み、プレーヤーが限定的。仕入を厳選し在庫も縮小する。建築費は高値安定が続く」と語った。同社の次期マンション売上高は254億円(前期332億円)、引渡戸数555戸(同744戸)に減らし、利益率も14.5%(同19.3%)と保守的に見ている。期末完成在庫は100戸。
完成在庫率の高いのは57.8%のNTT都市開発のほか、30.9%の日神不動産、29.3%の東急不動産、24.0%の飯田グループ、20.8%の住友不動産が20%を超えている。極めて少ないのが明和地所でわずか16戸(前期16戸)しかない。
1戸当たり分譲単価では、戸当たり平均単価は3,900万円ながら一部の物件で事業持分の売却を実施したNTT都市開発の6,713万円を筆頭に、三菱地所、大和ハウス、東急不動産、ゴールドクレスト、旭化成ホームズ、オープンハウスが6,000万円を突破した。中でも都心の人気の高いエリアで単価を抑制して供給を伸ばしているオープンハウスが6,217万円なのが注目される。
単価の低いのは3,264万円のプレザンスコーポ、3,519万円のタカラレーベン、3,660万円の大京、3,699万円のフージャースコーポが3,000万円台。大手との競合を避け、郊外や地方展開している戦略によるもの。
三井不動産・飯沼喜章副社長の「お別れの会」 約2,400人が参列
故・飯沼喜章氏の「お別れの会」(帝国ホテルで)
急性冠症候群のため平成29年3月3日に死亡した三井不動産代表取締役副社長執行役員・飯沼喜章氏(享年64歳)の「お別れの会」が5月22日、同社が主催して帝国ホテルで行われた。喪主はご令室の飯沼菜保美さん。同社・グループ会社社員を含めた参列者約2,400人が故人と最後の別れを惜しんだ。
以下は、当日参会者に配布された同社・菰田正信社長の「ご挨拶」の一部。
◇ ◆ ◇
(前略)
故人は、昭和50年に慶應義塾大学を卒業後、弊社に入社以来、オフィスビル事業、宅地造成事業、商業施設事業と弊社の基幹事業全般において第一線で活躍した後、平成25年に代表取締役副社長執行役員に就任し、社業と業界の発展に尽力いたしました。
特に、昭和55年から約20年間にわたり携わった宅地造成事業では、バブル期前後の市況の変動が非常に激しい時期にも拘らず、行政や地権者などの関係者と粘り強く地道な交渉を続けることによって相手の信頼を勝ち取った結果、いくつもの難局を乗り越え、事業を軌道に乗せることに成功いたしました。
また、平成12年から生涯にわたり担当することとなった商業施設本部では、卓越した感性とリーダーシップを発揮し、商業施設事業を当社の大きな柱に育て上げました。当本部の売上は故人が配属された当初の実に約9倍の規模まで成長しています。
とりわけ故人の功績は、「人と社会に新しいライフスタイルを提供する」という概念の商業施設に取り入れたことでした。「お客様のニーズの変化」「Eコマースの拡大」「という時代の流れを的確に捉え、商業施設を「買い物をする場」から「豊かで楽しい時間を過ごしていただける場」へと変革させたのです。まさにそれまでの常識を覆す新たな価値創造でした。
(中略)
こうして振り返りますと「考えるだけでは何も変わらない。サイコロをふってゲームを始めなければ、どんな地の利も活かすことはできず、運も人の縁も引き寄せることはできない。物事を動かすためには、とにかく思い切って行動を起こすことが重要だ。」という故人の一貫した哲学がこのような結果につながったのだと思っております。
胸に去来する思いは尽きませんが、私どもはこのような故人の遺志を引き継ぎ、更なる事業の発展、社会への貢献に邁進する所存です。
(後略)
東京建物他「Brillia Tower代々木公園」 第1期分譲は全195戸のうち116戸
今春の話題マンション東京建物他の「Brillia Tower代々木公園」の第1期販売概要・スケジュールが決まった。5月20日から登録申し込みを受け付けたのは全195戸の半分以上の116戸にも上る。分譲単価は問い合わせ中だが、最低で412万円、最高は809万円。
同社は2013年の「池袋」以来、「多摩ニュータウン」「目黒」「東京八重洲」「上野池之端」など毎年のように話題作を供給してきたが、今回の「代々木公園」もまた業界の話題をさらいそうだ。
第1期(116戸)は、価格6,290万~34,990万円(最多価格帯8,000万円台、9,100万円台)、専有面積50.36~142.79㎡。登録受付期間は平成29年5月20日~平成29年5月28日。29日が抽選日。
一時金方式より月額家賃制選ぶ人も多い 東建のサ高住「グレイプス用賀」開業
「グレイプス用賀」
東京建物と東京建物シニアライフサポートは5月19日、東京都公営企業用地を活用した福祉インフラ整備事業第1号案件のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「グレイプス用賀」をオープンした。公募により交通局所有の土地を借り受けて施設の整備を行った事業。地域包括ケアシステムの拠点としての役割も担い、保育所と看護小規模多機能型居宅介護事業所が併設されている。
特徴は、①多世代の福祉支援の拠点となる多様な施設を整備②自立から軽介護の人向けの「レジデンスフロア」と認知症など見守り支援が必要な人向けの「ケアフロア」が選択できる③「ケアフロア」は24時間体制でスタッフが見守るなど「コンシェルジュ」サービス-など。
物件は、東急田園都市線用賀駅から徒歩7分、世田谷区用賀三丁目に位置する6階建て120戸。専用面積は28.02~73.16(1R 54戸、1LDK 37戸、2LDK 29戸)。月額賃料は142,870~428,250円、月額管理費は39,850円(1人入居)・59,350円(2人入居)。レジデンスフロアの基本サービスは38,880円(1人入居)・66,960円(2人入居)、ケアフロアの基本・見守りサービス費は98,280円(1人入居)・164,160円(2人入居)。食材費は朝食:324円・昼食:540円・夕食:702円・3食30日分:46,980円。
共用部はフロント・ラウンジ・ダイニング・プライベートダイニング・テラス・厨房・シアタールーム・リラクゼーションルーム・娯楽室・多目的室・応接室・相談室・屋上テラス・コミュニティラウンジ・共同浴室・機械浴室など。
管理運営は東京建物シニアライフサポート。医療連携は医療法人社団はなまる会・やさしい手。施工はフジタ。
エントランス
◇ ◆ ◇
同社がサ高住の第一弾「グレイプス浅草」を竣工させたのが2009年12月。以来、16物件1,271戸(計画中含む)まで増やし、グループの有料老人ホームも4物件215戸(計画中含む)運営している。着々と地歩を固めている印象を受けた。同社は高齢者向け住宅事業の拡大・サービス強化のため、介護人材派遣会社のケアライクの全株を4月1日付で取得している。
今回の物件は、東急不動産が先に竣工させた「グランクレール世田谷中町」と競合しているのではないかと聞いたら、「ほとんど競合はない。数千万円の支払いが必要な一時金払い方式と異なり、月額方式のほうがハードルが低いと考えていらっしゃる方が多い」とのことで、オープン時までに30戸の契約を済ませているようだ。
グレイブスホール
モデルルーム
三菱地所コミュニティ 「防災」「収納」テーマのセミナー好評 追加講演も
「居住者セミナー」(南青山・新青山ビルで)
三菱地所コミュニティは5月21日、同社が管理するマンション居住者を対象とした「居住者セミナー」を開いた。
午前の部は危機管理アドバイザー・国崎信江氏の「熊本地震の教訓からマンションの防災対策を考える」講演が、午後の部は収納王子コジマジック(小島弘章氏)の「収納王子コジマジックの笑って学べる収納セミナー」が行われた。それぞれ約100名が参加した。午後の部は参加希望が多かったため追加講演を行い、約80名が参加。「防災」や「収納」に対する関心の高さをうかがわせた。
午前の部に参加した横須賀市の大規模マンション管理組合理事(60歳代)は、「大変参考になった。これまで備蓄品を蓄えることばかりに力を注いできたが、トイレ、風呂、洗濯などをどうするかの課題が見えた。高齢者も増えてきているので、準避難所として申請して自助で対応できるようにしていきたい」と話した。
国崎氏(左)と小島氏
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セミナーが行われた会場は、1カ月前まで弊社が事務所を置いていた港区南青山の新青山ビルだった。昼の休憩時間に地階に降りたら、よく利用していたカフェ「EL GRECO」が開いていた。
土曜・日曜日は休みではないかと思ったが、小森珠子社長が「あら、久しぶりね。今日は特別のコンサートの日で店は休みですけどコーヒーだけならどうぞ」と招き入れてくれた。コービーもごちそうになった。
「EL GRECO」は、16~17世紀に活躍したスペインの宗教画家・エルグレコにふさわしいクラシックで家庭的な雰囲気がする店だ。昼食では家庭料理が食べられる。
この日のコンサート「響の宴」では、チェコで学び、国内外で活躍するテノール・井出則太郎氏、バイオリン・遠藤万理氏、ピアノ・井出愛氏による「コモレスク(ドヴォルシャーク)」「サロン風ポルカによる第3番(スメタナ)」「モラヴィア民謡」「愛の挨拶(エルガー)」「アヴェ・マリア(シューベルト)」などが演奏された。
青山1丁目駅に降り立ったらぜひどうぞ。記者のお薦めだ。
「EL GRECO」
抑制気味の単価設定に納得 間違いなく売れる 大和地所レジデンス「東京イースト」
「ヴェレーナシティ 東京イーストガーデンズ」完成予想図
大和地所レジデンスが分譲中の「ヴェレーナシティ 東京イーストガーデンズ」を見学した。南砂町駅から徒歩12分だが、駅から南砂三丁目公園-イオンの商業施設-仙台堀川公園を通れるアクセスがよく、敷地南側は東高校のグラウンド、東北側は小学校という立地。価格も間違いなく割安感がある。
物件は、東京メトロ東西線南砂町駅から徒歩12分、江東区東砂7丁目に位置する13階建て全128戸。専有面積は66.00~83.42㎡。5月下旬に分譲する第1期1次(7戸)の予定価格は3,900万円台〜5,900万円台。坪単価は260万円前後。竣工予定は2018年7月中旬。設計・監理はスタイレックス。施工は風越建設。
現地は準工地域だが、敷地南側は東高校、東側は保育園、小学校がある。建物は南向きと東向きの配棟。壁面・屋上緑化などランドスケープに力を入れており、コーナーサッシ付き、奥行き4mのオープンエアリビング、専用庭付きが約30戸。
基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、メーターモジュールの廊下、御影石キッチンカウンター、食洗機、ミストサウナなど。
オープンエアリビング
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いつものように坪単価を考えた。かつては220~230万円が相場だが、今では最低で250万円、最高で300万円と読んだ。しかし、坪300万円では販売に苦労するだろうから280万円が妥当ではないかと考えた。
同社販売担当者から坪単価は260万円前後に落ち着きそうだと聞き、モデルルームの設備仕様レベルなどを見て、これは割安感があると判断した。南砂町駅圏は都心へ10数分の距離圏ではあるがマンションの供給は意外と少なく、この10年間で大規模なものは3棟くらいしかなく、公園や商業施設、教育施設が周辺に揃っていることなどもプラスに働くはずだ。間違いなく竣工までに完売するとみた。
エントランス
機械レンタルのアクティオが創業50周年 小沼会長80歳の誕生日に記者会見・懇親会
小沼会長(左)と小沼社長
機械レンタル・コンサルティングのアクティオが5月15日、創業50周年の記者発表会を行った。
冒頭、同社代表取締役会長兼CEO・小沼光雄氏は「今日5月15日はわたしの80歳の誕生日。1964年の東京オリンピックの年に独立して会社を立ち上げた。設立50周年を迎え、41社グループ約7,300名の社員にまで成長させることができた。これから5年10年先をどうするか、そのためにホールディングス化した」と語った。
続いて、同社代表取締役社長兼COO・小沼直人氏が、今後の重点課題として①事業エリア・シェアの拡大②専門性の高いレンタルビジネスの強化③ICT、AIの活用-の3つを上げた。
その後、関係者約1,300名を招いて懇親会を行い、約300名の同社社員は同社ロゴが入った赤のネクタイで参加者を迎えた。
駅近&海側 こんなマンション見たことない 伊藤忠都市開発「クレヴィア金沢八景」
「クレヴィア金沢八景THE BAY」完成予想図
40年近くマンションを見続けてきているが、こんなマンション見たことがない。駅近&海側の伊藤忠都市開発「クレヴィア金沢八景THE BAY」だ。京急・金沢八景駅から徒歩3分で、敷地南側はすぐ平潟湾。バルコニーから竿を投げれば魚が釣れるような近さだ。海好きにはたまらないマンションだ。この価値をどう伝えるか。
物件は、京急本線・京急逗子線金沢八景駅から徒歩3分、金沢シーサイドライン金沢八景駅から徒歩1分、横浜市金沢区瀬戸に位置する10階建て全72戸(販売対象住戸69戸、事業協力者住戸3戸、他に事業協力者店舗2区画)。専有面積は56.41~89.88㎡、価格は未定だが、坪単価は270~280万円になる模様。竣工予定は平成30年7月中旬。設計・監理はIAO竹田設計。施工は若築建設。販売代理は伊藤忠ハウジング。販売開始は7月下旬。
現地は、駅周辺で土地区画整理事業や金沢シーサイドラインの延伸工事が行われている金沢八景駅から徒歩3分。敷地南側がすぐ平潟湾、東側は横浜市の史跡・琵琶島神社参道に隣接。道路を挟んだ対面が瀬戸神社の森。物件のすぐ近くには立派な料亭・千代本があるが、ここ1年くらいは営業していないようだ。
建物は1フロア8戸で、1戸を除き平潟湾に面している。最上階の6戸は15.13~35.84㎡のオーシャンテラス付き。1階にベイフロントラウンジ、プライベートテラス、2階に「キッチンスタジオ(集会室)」が設置されている。
同社は、①街の情報発信②地域への貢献③マンション完成後の入居者同士のコミュニティ形成支援、地域とのつながりを育む取り組みとして、「金沢八景うみまちLABO」を発足し、活動を開始している。
◇ ◆ ◇
マンションの取材で金沢八景駅に着くと必ず立ち寄るのが琵琶島だ。北条政子が近江の竹生島から勧請した弁天が祀られており、300年前の延宝年間の高潮で立ち枯れた柏槇(びゃくしん)の枯木が時代を偲ばせてくれる。
この日も数十分間タバコを吸いながら海を眺めた。水面は穏やかで、護岸のそばでスズキらしき魚がたくさん泳いでおり、一羽のウミウが〝もぐり〟を繰り返していた。時間はゆったりと流れていた。
冒頭で「こんなマンション見たことない」と書いたが、駅近&海側マンションは今回の物件以外ないはずだ。
神奈川県の海に近いマンションでは、長谷工不動産が分譲した「モアクレストマリンシティ金沢文庫」を真っ先に思い出すが、海までは数分かかったはずだし、駅までは徒歩14分もあった。日神不動産の「日神パレステージ大津コスタミア」は海がすぐだったが、駅までは5分だった。
◇ ◆ ◇
現地を見て坪単価は250万円と読んだ。近接する東急不動産「ブランズ金沢八景」、三井不動産レジデンシャル「パークホームズ金沢八景」よりはるかに立地が優れているからだ。しかし、価格はもっと高くなりそうで坪270~280万円くらいになる可能性が高い。確かに唯一無二のこの価値が分かる人には理解されるかもしれない。
施工が埋立・浚渫、護岸・防波堤工事を得意とするいわゆるマリコンの若築建設であることも物件の特殊性を物語っている。工事費は安くないはずだ。