東急不「世田谷中町」シニア向け 契約は過去最高ペース 分譲の4割が60歳以上

「グランクレール世田谷中町」シニアレジデンス
東急不動産は7月1日、分譲マンションとシニア住宅の複合開発「世田谷中町プロジェクト」の「グランクレール世田谷中町」シニアレジデンスの入居を開始する。全176戸のうち半分以上が契約済みで、2003年にグランクレールシリーズを供給開始してから過去最高ペースの進捗を見せているほか、分譲マンションの契約者のうち4割強が60歳以上を占めるなど「世代循環型」の街づくりが評価されている。入居開始に先立つ29日、メディア向け内覧会を行った。
「世田谷中町プロジェクト」は、東急田園都市線用賀駅から徒歩15分、世田谷区中町5丁目に位置するNTTの社宅跡地約3.4haで開発が進められている期間70年の定期借地権付き複合開発。分譲マンション「ブランズシティ世田谷中町」252戸とシニア向け賃貸住宅「グランクレール世田谷中町」(シニアレジデンス176戸、ケアレジデンス75戸)からなる。東京都「一般住宅を併設したサービス付高齢者向け住宅整備事業」第1号選定プロジェクトでもある。
「グランクレール世田谷中町」は、これまで15施設約1,050戸を供給してきた同社の「グランクレール」シリーズで過去最大の規模。建築基準法第55条の適用を受け、建物の高さ10mから12mに緩和されているのも特徴の一つ。
専用面積は約38㎡のワンルームから約63㎡の2LDKまで。利用料は前払方式と月払方式の選択制で、月払方式は月額賃料約24万円のほかサービス費、管理費、朝・昼・夜の食費代込みで43万円台から。共用施設はラウンジ、ダイニング、多目的室、大浴場、シアタールーム、ティーラウンジなど。24時間見守りサービス、健康サポート、アクティビティなどのサービス、ケアレジデンスへの住み替え制度も利用できる。
併設施設は訪問介護事業所、看護小規模多機能型居宅介護事業所、カルチャールーム、コミュニティサロン、認可保育所など。
同社ウェルネス事業ユニット ヘルスケア事業本部 シニア住宅事業部 事業企画グループリーダー部長・林靖人氏は「過去14年間に蓄積されたノウハウを結集した。昨年7月から募集を開始したが、開業時の契約率は過去最高ペース。契約者は区内が20%強のほか都内が3分の2で、神奈川県も20%強あるなど広域から集客できている。2人入居の広めのタイプから入居が決まっている。親がシニア住宅、子が分譲を購入するケースも5~6件ある。マンション購入者約100件のうち4割弱が60歳以上というのも大きな特徴」などと話した。

中庭

ダイニング(左)とカフェラウンジ

エントランスラウンジ(ランの鉢が約30鉢)
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このプロジェクトについては、別掲の記事を参照していただきたい。シニアレジデンスの契約が入居開始時点で半数以上というのにはいささか驚いた。住環境の良さと至れり尽くせりのサービスが評価されたのだろう。高齢化不安・独居不安、地域コミュニティの希薄化などの社会的背景に加え、共働き世帯の増加、保育園不足などの世田谷区が抱える課題を解決する「世代循環型の街づくり」が評価されたと言ってよい。
もう一つ驚いたのは分譲マンションに占める高齢者の購入比率の高さだ。同じような例では大和ハウス「プレミスト高尾」や相鉄不動産「グレーシアタワー二俣川」でも見られたが、これらはいずれも駅に近い複合プロジェクトだった。駅からやや距離があっても条件が揃えば〝元気〟な高齢者が分譲を選択することが分かった。今後の商品企画の参考になる。

スカイテラス

報道陣にふるまわれた昼食(カロリーは550~700カロリー)
国交省 「道路デザイン」10年ぶり改正へ その高邁な思想・哲学を考える

「道路のデザインに関する検討委員会」

天野氏
国土交通省は6月28日、第3回「道路のデザインに関する検討委員会」(委員長:天野光一・日本大学教授)を開催し、道路デザインのあり方について最終検討を行った。
同委員会は、「道路デザイン指針(案)」(平成17年4月)と「景観に配慮した防護柵の整備ガイドライン」(平成16年3月)の作成から10年以上が経過し、景観やデザインに配慮した道路整備が一定程度進んできたことや、災害時など暫定的な整備を行う際や防護柵以外の道路附属物を含めた調和などに課題がみられる事例があることから、内容の更新や充実が必要な部分について改定することを目的として設置された。
今回の検討を踏まえて、「景観に配慮した防護柵の整備ガイドライン(案)」のパブリックコメントを実施し、「道路デザイン指針(案)」と「道路のデザイン-道路デザイン指針(案)とその解説-」の改定、「景観に配慮した防護柵の整備ガイドライン)」を策定する。
「道路デザイン指針(案)」では、最小限の加筆・訂正にとどめ、幅員構成の再構築、道路協力団体制度、歴史まちづくり法、木材利用促進、無電柱化の推進、自転車活用の推進、景観アセスメントなどを充実、補足することになる。
「道路附属物等ガイドライン」については、防護柵、照明柱、標識柱の基本色に従来のダークブラウン、グレーベージュ、ダークグレーの3色のほか「オフグレー(薄灰色)」を追加するほか、歩道橋の色彩を高明度低彩度から中明度低彩度にすることなどが盛り込まれる。
◇ ◆ ◇
記者席に配布された資料はA4判1~6全てを合わせると約460ページ、重さにして約850グラム。図版や空白部分もあるので小説などとは比較ができないが、優に1,000ページを超える超大作のようなものだった(各委員にはこのほか製本された「道路デザイン指針(案)」など高さにして20センチくらいの資料も配布されていた)。
素人の記者がこれを読みこなすには相当の時間がかかるので積読することにして、委員会で話されたことや道路に関する哲学・思想について紹介し、自分なりの考えを述べてみたい。
まず街路樹について。記者はこれまで街路樹について10数回にわたって記事を書いてきた。最近の例では、千代田区の「神田警察通り」の樹齢80年超のイチョウ伐採問題に象徴されるように街路樹は道路附属物としか考えられていないと思っていたが、少なくとも国交省道路局の全92ページの「景観に配慮した防護柵の整備ガイドライン」には街路樹は道路附属物として位置付けられていないことを確認した。街路樹が附属物であることなど一言も触れていない。
ではいったい各自治体が街路樹を道路課などが管轄しているのはどういうわけかという疑問が新たに涌いた。街路樹の管理維持は道路課と切り離すとともに、双方は不可分な景観を形成するのだからきちんと調整する部署も必要ではないか。
次に「道路のデザイン-道路デザイン指針(案)とその解説-」について。
これは、231ページにもわたるものだが、天野委員長が「高邁な(思想が盛り込まれている)道路デザイン」と語ったように、関係者だけでなくみんな読む価値がある。どうして「道路景観整備」や「便覧・マニュアル」ではなく「道路デザイン」なのかの説明や、「美しい道路づくり」に関する思想-知識-技術が最初の第1章で論じられている。
例えばこのような記述がある。「はじめに思想ありき。美しい道路づくりにおいても、まずはじめに そのよって立つ思想が必要である」「道路という文明の装置も、美しさという価値が備わっていなければ、社会資本としてストックされない」「快適な走行は環境負荷を低減する」「印象的な移動体験を演出する装置が道路であるという考えに立ったデザインが、時に道路そのものの存在を忘れさせるような、真に快適な移動と到達を可能にする」「道づくりはまちづくりでもある」「美しさとは単に姿形だけでなく、人々の意思の発露としても在るのである」「自然の力を借りて美しい道路は成熟し、完成する」
こうした記述に、車を持たないどちらかと言えば車が嫌いな記者でも感動すら覚える。と同時に大きな疑問も抱く。このような高邁な思想を持ちながら道路はどうして街を分断し川を暗渠と化したのか。「車が優先」と「人が優先」は対立する概念なのか、記者の好きな魯迅の言葉「地上にはもともと道はない。歩く人が多くなれば、それが道となるのだ」と「道路」は関係があるのかないのか、考えてみたい。
少なくとも道路は「邪道」「極道」などとは無縁で「人道」につながると信じたい。
街路樹の伐採中止・保存求める陳情書を採択 千代田区議会 企画総務委員会(2016/10/18)
働き方改革×健康経営を実現する わが国初「クルソグ」開始 三菱地所・野村総研

関係者のフォトセッション(左からリーボックワンエリート・土嶺雄一氏、山田氏、杉山氏、嶋本氏、チェンジウェーブ代表・佐々木裕子氏、ニューロスペース社長・小林孝徳氏)
三菱地所は6月27日、野村総合研究所、一般社団法人大丸有環境共生型まちづくり推進協会とともに、大手町・丸の内・有楽町(大・丸・有)に本社または事業所を有する企業とその従業員を対象とした働き方改革と健康経営のソリューションサービス「クルソグ」(QOOLSOG)を開始したと発表した。
クルソグとは、QOL(Quality Of Life)の間に「Office-Worker」をはさんだ造語「Quality of office-worker‘s life so good!」の略。オフィスワーカーのワーク&ライフの質の向上をWell-Beingの視点から「ICT×街×オフィス」からなる独自のソリューションで実現するサービス。
要望に応じて参加企業及びその健康保険組合から就業者の労務・健診データなどの提供を受け、野村総合研究所が開発したWebアプリ「Well plus+(ウェルプラス)」を活用し、従業員1人ひとりの健康状態や就労状況を見える化。「Well plus+」を通して蓄積されるデータを基に、三菱地所が主体となって提供する「運動」や「食」などを切り口とした丸の内エリアの多様なプログラムを参加企業の従業員に案内する。
アプリなどのICTとエリアコンテンツが連動するサービスはわが国初の試み。今年度はトライアル期間と位置付け、同日から4カ月間、14社・約2万人を対象にサービスを提供する。期間中「フィジカル」「メンタル」「ワーク」「ライフ」の4つのカテゴリからなる約200件のコンテンツを揃える。
本日から29日の3日間、丸ビル1階:マルキューブで「ロカボマルシェ」が行われるほか、ロカボメニューを用意する21店舗からなる「ロカボ丸の内プロジェクト」レストランが紹介された。当日から利用できる。

大勢のメディア・関係者が詰めかけた会場(丸ビル:マルキューブで)
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仲良くあるいは喧嘩しながら20年以上も糖尿病と付き合い、医者の「禁煙」の勧めを「喫煙は人権だ」などとやり返す記者にとって「食」も「健康」もあまり関心はないが、三菱地所がなにやら始めそうなので、丸ビルのプロジェクト発表会に出かけた。
最初は、掛け声だけに終わった「プレミアムフライデー」のような〝イベント〟ではないかと思ったが、関係者は大真面目そのもの。多くの報道陣も集まっていた。
最初に登壇した三菱地所会長・杉山博孝氏は「長時間労働の是正など働き方改革は進めなければならないが、一方で労働時間の短縮は生産性の低下につながるのではないかという懸念もある。1年前に丸の内健康経営倶楽部を立ち上げ、働き方改革と健康経営を両立させるためにはどうしたらいいか検討を重ね、実際の行動で企業と働く人の〝幸福を〟実現しようと『クルソグ』につなげた。野村総研さんのICTと当社の街づくりを掛け合わせイノベーションする。4カ月のトライアルで成果を出したい」とあいさつした。
続いで登壇した野村総合研究所会長・嶋本正氏は「リアルな世界とネットを連動させる健康街づくりのソリューションは例がない」などと話した。
発表会では、一般社団法人 食・楽・健康協会代表理事・山田悟氏(北里大学北里研究所病院 糖尿病センター長)が、カロリー制限ではなく「おいしく楽しく適正糖質」を目指す「ロカボ」をテーマにしたセミナーも行った。

ロゴマーク
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結構な取り組みだ。同社のリリースによると大・丸・有には約4,300カ所の事業所が集積し、約28万人が就労しているという。クルソグプロジェクト対象はこの10分の1以下だが、検証結果をぜひ公開していただきたい。
「圧倒的な企画提案力」 29年3月期 大幅増収増益 業績続伸のポラスを支えるもの

中内代表
ポラスグループは6月26日、平成29年3月期決算説明会を開催。売上高は1,932億円(前期比10.9%増)、経常利益は138億円(同29.4%増)、当期純利益は36億円(同23.7%)増となり、いずれも過去最高となった。分譲戸建てでは「越ケ谷」「浦和美園」「白岡」など特徴のある街づくり提案が支持されたほか、マンションでは初の200戸物件を発売したこと、独自の耐震技術やデザイン性を高めた注文住宅の契約棟数が伸びたこと、プレカット事業で外販受注、売上げ、構造材生産が過去最高を更新したことなどが業績を押し上げた。
グループ売上げ棟・戸数は、戸建分譲住宅が2,312棟(前期比5.0%増)、戸建注文住宅が775棟(同0.4%減)、賃貸・集合住宅が15棟112戸(同26.8%減)、分譲マンション219戸(同173.8%増)の合計3,418棟・戸(同6.4%増)。
売買仲介部門は、仲介手数料24億円(同0.7%増)、取扱件数2,885件(同2.6%増)。リフォームは71億円(同2.7%増)。
平成30年3月期は、売上高1,950億円(前期比0.9%増)、経常利益150億円(同8.5%増)、当期純利益38億円(同3.4%増)、グループ売上棟数・戸数は戸建て分譲が2,600棟(同12.5%増)、戸建注文住宅が997棟(同28.6%増)、賃貸・集合住宅が25棟177戸(同58.0%増)、分譲マンションが290戸(同32.4%増)の合計4,064棟・戸(同18.9%増)を見込む。
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業績が伸びていることは予想できたことだが、これほど伸びるとは思わなかった。続伸の要因は、分譲事業でいえば、「圧倒的な美しい街並み提案」だとグループ代表・中内晃次郎氏も中央住宅社長・品川典久氏も語ったその言葉に尽きると記者も思う。中内氏は体に似合わず普段大口など叩かない。語りも穏やかで控えめだ。その中内氏が「圧倒的な…」と話した。よほど自信があるのだろう。
ここでは一つひとつその商品企画を紹介しない。別掲の記事を参照していただきたい。〝蔵のある暮らし〟提案を行った「ことのは越ケ谷」はプロジェクト発表会を含めると5回くらい現地に足を運んだ。さいたま市のスマートエネルギー特区」事業コンペに採択された「浦和美園E-フォレスト」(高砂建設、アキュラホームとの共同事業)も埼玉県の「先導的ヒートアイランド対策住宅街モデル事業」に採択された「風と緑のまち白岡」も最高の出来栄えだった。マンションの「ルピアコート西大宮」も極めてコストパフォーマンスの高い物件だと思う。
品川社長は、これらの物件は「手間と時間がかかるが、利益率が落ちてもポラスらしい街づくりを行っていく」と強調したが、この方向性は間違っていない。個別物件で事業期間が延びても、他のプロジェクトへの相乗効果は大きく、同社の企業価値を高めることにつながるはずだ。
そのことを証明するかのように、ポラスコミュニケーション部部長・伊藤賀一氏はグループの契約動向と市況動向について説明した中で、「既契約のお客さま、社員、取引業者の紹介による契約棟数が291棟で増加傾向にある」と話した。
中長期的には分譲市場はシュリンクしていく。その中でどのように伸ばすかはすべて企画提案力にかかってくる。中内代表は5年後の目標数値として売上高2,400億円を掲げていることを明らかにしたが、「それほど数字にこだわっているわけではない」とも話した。その通りだと思う。売上高そのものにそれほど価値などない。地球環境と人にやさしい良好な住宅をつくり続けることが社会的に評価される時代だ。
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同社グループは今後、「三郷中央」(今期100棟)「TX柏たなか」(同86棟)「浦和美園」(同165棟、他にマンション320戸計画)「西大宮」(同80棟)「北習志野」(同91棟)「鶴瀬・みずほ台」(同100棟)などで販売を強化する。いずれも容易なエリアではない。どのような商品企画で需要を喚起するか興味深い。
ポラス 越谷市の中心市街地活性化に一役築120年の古民家でイベント(2017/2/26)
どこにも負けない先進の街づくり「浦和美園E-フォレスト」竣工街びらき(2017/3/27)
近鉄不動産 リノベーション賃貸レジデンス事業に参入 第1号は「成増」

「Refio成増」エントランス
近鉄不動産は6月23日、リノベーション賃貸レジデンス事業に参入すると発表した。第一号物件として、近鉄グループ企業が板橋区成増に所有していた築25年の社員寮を取得、一棟リノベーションを行い賃貸レジデンス「Refio成増」に転用する。
物件は、都営地下鉄副都心線・有楽町線成増駅から徒歩5分、東武東上線成増駅から徒歩7分、板橋区成増1丁目に位置する4階建て全28戸。専用面積21.76~25.93㎡、月額賃料は70,000~88,000円。2017年8月リノベーション工事完了。入居開始は2017年8月。
エントランス部には天然材を使用し、既存建物のタイルとうまく調和させ、専用部内は、無垢フローリングなどの素材を採用。全28戸11タイプの多彩なプランを用意。
キッチン付き「コモンスペース」の設置やセキュリティの向上など一棟リノベーションならではの共用施設のバリューアップも行う。デザインや素材、ライフスタイルなどにこだわりのある都心勤務の単身者をメインターゲットとする。

モデルルーム
東急不動産 「恵比寿ビジネスタワー」で安心安全の「生活マルシェ」16日開催

東急不動産は6月16日(月)、同社が管理運営する「恵比寿ビジネスタワー」でオフィスワーカーと地域住民を対象とした「生活マルシェ」を開催する。
有機栽培を行う農家がつくった安心安全な有機野菜を直接販売するマルシェをオフィスビル広場で開催することにより、オフィスワーカーと地域住民健康支援、およびオフィスワーカーと地域住民がつながるコミュニティーづくりを目指す。
今回は、相模原市藤野で有機野菜農家を営むゆい農園・コジマ農場旬有機野菜と、ジャパンハーブサイエンス代表・石井智子氏が栽培するハーブやシーズニング、その他ハーブを使用したケーキなどを販売する。有機野菜は問屋を通していないためリーズナブルな100~300円程度にする。今後定期開催も視野にいれたイベントとして開催する。
場所は恵比寿ビジネスタワー(渋谷区恵比寿1-19-19、JR恵比寿駅西口徒歩2分)広場、時間は15時~20時(売り切れ次第終了)。
一戸建て用宅配ボックス欲しい7 割 居留守経験18.9% アットホーム調査
不動産情報サービスのアットホームが6月22日、一戸建てに住む男女620名を対象に「一戸建ての“宅配ボックス”に対する意識調査」を実施し、結果をまとめ発表した。一戸建て用の宅配ボックスの認知度は45.8にとどまったが、「欲しいと思う」人が70.5%に上った。
調査によると、「宅配ボックス」の認知度は79.7%に上ったが、マンションの設備だと認識している人が多く、「一戸建て用の宅配ボックス」については45.8%と半数以下にとどまった。
自宅に「宅配ボックス」があったら便利だと思うかを聞いたところ、「便利だと思う」と回答した人は56.5%で、「どちらかというと便利だと思う」という人と合わせると9割にのぼった。実際に自宅に宅配ボックスが欲しいかについては、「欲しいと思う」「どちらかというと欲しいと思う」の合計は70.5%だった。
現在自宅に宅配ボックスが「ある」人はわずか4.4%で、宅配ボックスがない人の中で現在購入を検討している人は13.2%。
また、今後一戸建てを購入するなら宅配ボックス付き物件がいい人は68.3%にのぼった。設置にかけてもいいと思う費用は平均12,428円だった。
これまで配達を待つ時間が煩わしいと思ったことがある人は73.5%で、当日配送は「過剰サービスだと思う」人は62.7%だった。
◇ ◆ ◇
実にタイムリーな調査だ。ばかばかしい調査が多い中、いつも同社は面白いアンケートを行う。記者も一戸建て用の宅配ボックスがあることを知らなかった。いったいいくらするのか。ネットで調べたら1万数千円から数万円だった。
同社は「欲しいと思わない」人にいくらなら設置してもいいと聞いたところ、金額の平均は6,219円だった。この差は大きいか。
居留守についても同社は聞いており、居留守をしたことがある人は18.9%で、その理由は「寝ていた/眠たかったから」(男57.1%、女52.9%)「お風呂に入っていた/シャワーを浴びていたから」(男38.8%、女55.9%)、「寝間着姿を見られたくなかったから」(男18.4%、女41.2%)「ノーメークだったから」(男への質問はなし。女22.1%)、「宅配業者を装った偽者を疑っていたから」(男14.3%、女7.4%)「テレビに夢中になっていたから」(男14.3%、女5.9%)など。
これまた面白い。ただ、「寝ていて」気が付かないのは居留守にならないのではないか。同衾中ならわからないわけでもないが、そんな寝込みを襲う宅配業者はいないはずだ。これは質問に問題がある。
「風呂に入っていた」とか「寝間着姿…」も理解できるが、少し待ってもらえばいい。記者はよくあった。着替えに2分はかからない。「テレビに夢中」-これは言語道断。「偽者」を疑うのは女性より男性のほうが多いのは驚きだ。
他人のことは言えないが、これでは宅配業者も困るはずだ。「居留守」について、ヤマト運輸広報に「ちょっと待ってくださいの許容時間は何分ですか」と質問したところ、「当社にマニュアルはありません。ドライバーとお客さんとの日頃の関係、地域などによってマチマチだと思います」の返事が返ってきた。3分は長いか。
百花繚乱 花も衣装も言葉も音楽も美しい 「第3回日中韓 生け花藝術交流会」

「第3回日中韓 生け花藝術交流会」(虎ノ門・中国文化センターで)

左から久米信廣さん、戸思社さん、金英愛さん
NPO法人RBAインターナショナルが主催し、中国人民対外友好協会、韓中文化経済友好協会、中国文化センターが共催した「第3回日中韓 生け花藝術交流会」が6月15日(木)~16日(金)、東京・虎ノ門の中国文化センターで外務省 日中韓三国協力事務局の後援を得て開かれ、日中韓それぞれの華道家による創作生け花約35点が展示された。
「生け花藝術交流会」は2015年、日中韓3か国の伝統的文化である生け花を通じて、各国のとくに若者たちに民間レベルでの友好の心を育み、相互理解を深めてもらおうとRBAインターナショナルが企画し発足。同年7月に第1回が中国人民対外友好協会の主催により中国・北京で、第2回が昨年4月に韓中文化経済友好協会の主催により韓国・ソウルでそれぞれ開催された。
オープンセレモニーでは、主催者を代表してRBAインターナショナル理事長・久米信廣さんが「花という藝術を通じ、他の人たちとつながり、分かち合える場をつくるために活動しています。今回の東京開催が自分を知り、他者を知るきっかけになることを祈念します」と歓迎の挨拶をした。
これに応え、中国人民対外友好協会副会長・戸思社さんが「ここ数年、中日の関係は多少困難があったが、最近は相互交流を含めていい変化の兆しがみられる。相互協力を拡大させていくことで合意も見られた。生け花は三国の間で多くの愛好者を持っている。より一層良好な関係が築けるよう期待している」と話した。
同協会会長・李小林さんは「中日韓三か国の生け花交流は長い歴史があります。三か国の生け花藝術は共通の東洋文化の特徴を持ちながら、各国は独自の民族風格を備えています。伝統の民族文化芸術を継続して発展させるためには、絶えず他の民族文化の栄養を吸収し、時代と共に前進し、創意工夫しなければならないと思います」とメッセージを寄せた。
また、韓中文化経済友好協会会長・金英愛さんは「藝術交流はお互いの文化、人文交流の幅を広げるプラットフォームとなり、立派な民間公共外交の場です。私たちはすでに生け花藝術交流会を通じて東アジア3国の緊密なつながりの強化と友好増進に大きく貢献していることを確認しました」と祝辞を述べた。
引き続いて行われた生け花実演では、北京大学古琴教師・馬麗亜さんの古琴演奏の中、日本は月輪未生流参与・久米富美宗さんと未生流笹岡師範・陣原康甫さん、中国は中国生け花協会副秘書長・王绥枝さんと北京市花木有限公司市場部部長・劉健鋒さん、韓国は韓国生け花協会ソダム花芸術中央会会長・韓相淑さんとポタニクギャラリー代表・金玎姬さんがそれぞれ解説入りで作品を披露した。また、中国楹聯学会名誉理事・馬孟傑さんが日中国交正常化45 周年記念パフォーマンスとして書道を披露した。
生け花展示では、三井不動産の華道部の皆さんの作品も展示されたほか、埼玉県立浦和西高校華道部の生徒さんが参加。芸術家の指導を得ながら花を生けた。


中華人民共和国駐日本国大使館 広報部 参事官・張梅さん

左から・劉健鋒さん、久米富美宗さん、金玎姬さん

左から韓相淑さん、王绥枝さん、陣原康甫さん

◇ ◆ ◇
記者は、道端に咲く草花を摘んではコップに生け、油絵も描くので生き方も含めて美醜を見定める力が少しはあると思うが、会場に入った途端、甘い花の香りと各国の民族衣装にまとった華やかな姿に圧倒され、感嘆の声を上げるほかなかった。御託を並べるよりまずは皆さんの作品を一挙紹介する。とくとご覧あれ。百花繚乱の言葉がぴったりだ。順不同、敬称略

金玎姬

王 绥枝(左) 劉 健鋒(右)

月輪未生流 師範代 久米和甫(左)久米祥子 陣原康甫

韓国女性経済人協会名誉会長 余奉礼

ミジン韓国生け花藝術研究所代表 金美珍

韓中文化経済友好協会 生け花委員会委員長 朴今子 韓相淑

王 绥枝 劉 健鋒

三井不動産 華道部 草月流 堀口麻理子

同 御手洗博子

同 永島尚美

同 山田美和

月輪未生流 師範 松尾清宗

月輪未生流 師範 竹内 玲宗
◇ ◆ ◇
ここに紹介した生け花もさることながら、古琴教師・馬麗亜さんの演奏するわが国の琴とはまた異なる穏やかで流れるような音色と〝杉木〟と呼ばれる黒檀のように黒光りする龍(甲)の古材の見事さに記者は感動した。
辞書で調べたら中国の〝杉木〟は広葉樹で、わが国の杉ではない。馬さんによると300~500年昔の古材だという。古材はわが国でも出土することがあり、床柱などに用いられるが値はつけられないほど価値があるという。

古琴を演奏する馬麗亜さん

もう一つ気が付いたことがある。各国の母語の美しさだ。中国語はあの独特の四声は音楽のようで世界一美しいと記者は思うが、金英愛さんが語った韓国語は実に穏やかで美しかった。もちろん日本語も美しい。
参考までに当日生け花の材料になった主な花木を紹介する。
ドーダンツツジ/ブルーベリー/レンギョウ/バラ/カスミソウ/アジサイ/カラー/ジンジャー/ラベンダー/ダリア/カーネーション/ヒバ/ヒマワリ/ケイトウ/ストレリチア/リンドウ/クレマチス/フサスグリ/リョウブ/シャクヤク/クチナシ/ランルイ/デンファレ/ガーベラ/デルフィニウム/サンゴパイン/ベロニカ/ヒペリカム/アンスリウム/アマドコロ/クチナシ/カサブランカほか

・馬孟傑さん


「わたしの母です。89歳です」久米富美宗さん(左)と久米信廣さん
大和ハウス 八王子・高尾駅の大規模商業施設「イーアス高尾」開業

「iiasu(イーアス)高尾」
大和ハウス工業は6月22日、東京都八王子市の大規模複合商業施設「iiasu(イーアス)高尾」を開業する。
「イーアス高尾」は、「ちょうどいいが、心地いい」をコンセプトにした子育てファミリーからアクティブシニアまで利用できる地域密着型ショッピングセンターとして開発。約64,000㎡の敷地に核テナント5店舗、モール専門店115店舗の合計120店舗と、1,840台の駐車場と759台の駐輪場を備える八王子市最大級の施設。
施設は、高尾駅から徒歩6分、鉄骨造3階建て延べ床面積約49,000㎡。年間売り上げ目標は220億円、来場目標は年間1,000万人。
施設の開業を前に分譲した住・商一体のマンション「プレミスト高尾サクラシティ」416戸はわずか16カ月で完売している。
◇ ◆ ◇
年間売り上げ目標と年間来場目標の高さに驚いた。わが街・多摩センターには、接地型と高層の差はあるが、立地も規模もよく似ている7階建て延べ床面積約62,000㎡の大規模商業施設「ココリア多摩センター」がある。2011年にオープンした当初の売上高見込みは約130億円で、来客数見込みは約700万人だった。いまどれくらいの数字なのか、運営する新都市センター開発に問い合わせたが「公表していない」とのことだった。間違いなく当初の数字より下回っているはずだ。
仮にここでマンションを分譲すれば坪単価は250~260万円くらいになり、高尾の190万円(いずれも予想)に圧勝するのに、店舗売り上げも来場者数も完敗とは情けない。
いま、多摩センター駅圏では元「わんにゃんワールド多摩」の跡地で長谷工コーポレーションが創業80周年事業として4階建て延べ床面積約8,800㎡の「長谷工テクニカルセンター」を建設中だ。同社のものづくりが学べる「(仮称)長谷工ミュージアム」も新設されるが、いったいどれくらいの賑わいを創出してくれるのか。市は業務用用途を変更してマンションその他の施設も建てられるようにすべきだった。
大和ハウス・イニシア 「プレミスト高尾サクラシティ」全416戸を16カ月で完売(2016/11/1)
野村不他「プラウド綱島SST」 次世代スマートタウンにふさわしい高いレベル
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「Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン」
野村不動産(事業比率60%)・関電不動産開発(同30%)・パナホーム(同10%)の「プラウド綱島SST」を見学した。極めてレベルの高いマンションだ。坪単価270万円台後半も、街全体の価値を含めれば割安感がある。圧倒的な人気を呼びそうだ。
物件は、東横線綱島駅から徒歩11分、横浜市港北区綱島東四丁目の37,000㎡超の次世代都市型スマートタウン「Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン」(Tsunashima SST)内の一角に建つ10階建て全94戸の規模。専有面積は70.76~85.40㎡、価格は未定だが、坪単価は270万円台の後半になる模様。施工は三井住友建設。入居予定は平成30年3月中旬 。販売開始は7月上旬。
事業地は、野村不動産が主導する約56,000㎡の「日吉複合開発計画地」に近接するほか、綱島駅前では再開発計画もあるなど街が一変しそうなエリアに位置し、敷地面積37,000㎡超のパナソニックの事業所跡地。持続可能な街の実現に向けて10団体が街づくりに参画。CO2排出量の2005年度比40%削減、新エネルギー利用率30%以上などの先駆的な数値目標を掲げ、新たに設置するタウンマネジメント拠点にはタウンエネルギーセンター、水素活用拠点、国際学生寮を設置する。マンションの1階には小規模保育所も設置される。
参画する団体のうち東京ガスグループはタウンエネルギーセンターでガスコージェネレーションシステムを導入する。JXエネルギーは水素活用拠点の運営に携わり、燃料電池自動車への水素供給のほか、未来の水素社会に向けた各種取り組みを推進する。慶應義塾大学は国際学生寮を開設。Appleはスマート技術開発施設を、ユニーはスマート商業施設をそれぞれ設置・利用する。
マンションは、①IOTの活用②快適性と経済性の両立➂高い環境性能④「デリバリーステーション」の導入-など業界初・同社初の取り組みが行われる。地区計画により高さ規制20mから31mに緩和されるのが特徴の一つ。
敷地は準工だが、南側には倉庫がある以外、戸建てに細分化されており高い建物が建つ可能性は低い。
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いろいろな切り口からアプローチできる魅力的なマンションだ。次世代都市型スマートタウンについては省略する。別掲の記事を参照していただきたい。
強調したいのは、先日も書いたのだが「CASBEE 横浜」の最高等級Sクラスを取得していることだ。延床面積2,000㎡以上は届け出義務、2,000㎡以下は任意となっている条件はあるが、平成21年以降「S」ランクを取得した分譲マンションは、22年度の「プラウド綱島」「プラウド横濱中山」、23年度の「Brillia City横浜磯子」、28年度の「ドレッセWISEたまプラーザ」とこのマンションの5物件しかない。野村不はこのうちの3物件を占める。
制度については市のホームページで確認していただきたいが、極めて高い価値がある。仮に市で年間3,000戸のマンションが供給され、1棟当たりの規模が50戸とすると、この8年間で供給されたマンションのうちSクラスは1%くらいしかないことになる。野村不などの意欲的な取り組みを評価したい。東京都の「マンション環境性能表示」制度は★の数で評価するものだが、満点の15点(旧制度は12点)は多くはないが、横浜のSよりははるかに多い。
何度も書いてきたが、環境性能比用事制度はとてもいいと思うが、質の高いマンションが市場で適正に評価されるようインセンティブを与えるべきだ。そうしないと最高を目指すデベロッパーはいなくなる。行政の印籠だけでは購入者も魅力を感じない。
専有部の快適性の取り組みでは、積極的な大京と同レベルのパッシブデザインの導入のほか、防水仕様で持ち運びができる「プライベート・ビエラ」が面白い。電気機器のリモコン操作ができ、浴槽でプロ野球中継を見ることもできる。電気機器はパナソニック製でないとリモコンが作動しないのは難点。
便器もパナソニック製「アラウーノ」だったのには少し驚いた。販売担当の植田忠尚氏によると座り心地が良く、洗浄剤をセットするだけで自動的に便器を掃除してくれるものだった。8階以上のプレミアム住戸にはこれまたパナソニック製の「酸素美泡湯」が標準装備。
費用がかかり重くて大量のCO2を排出するパンフレットをなくした〝ペーパーレス〟の取り組みもいい。来場者に配布される専用のパスワードが記入された名刺大のカードだ。パソコンにパスワードを打ち込むだけでパンフレットに記載されているものと同様の情報を見ることができる。近い将来、これが当たり前になるかもしれない。
ペーパーレスは三井不動産レジデンシャルも取り組んでおり、「浜離宮」や「豊洲」ではタブレットがパンフレットの代わりに来場者に手渡される。
オプションだが、ホテルに見られる電動カーテンをマンションでは初めて見た。リビングに設置されるもので、ちょうど居合わせた同業の名物記者Sさんに「これどうですか」と聞いたら「わたし、お金安くてもいらない」と断った。同感だ。寝室の電動カーテンならわかるが、リビングのカーテンくらい手で開け閉めすべきだ(記者はよく開けっ放しにし「外から丸見えじゃないの」とよく怒られたが)。
告知開始から2カ月で資料請求は1,000件を突破しており、販売担当の植田忠尚氏は手応え十分のようだ。「第1期は60戸程度を予定している。ここが売れなければ東横線の物件はみんな厳しい」と話した。「Tsunashima SST」の道路を挟んだ対面にある2011年分譲の「プラウド綱島」(99戸)は坪単価は200万円で即日完売している。
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