2年間の成約戸数814戸 近畿圏№1の野村不ほか「プラウドシティ塚口」最終分譲
「プラウドシティ塚口」
野村不動産・JR西日本不動産開発・長谷工コーポレーションは4月19日、兵庫県尼崎市のJR宝塚線塚口駅前複合再開発の「ZUTTOCITY(ズットシティ)」内にある「プラウドシティ塚口」(1,200戸)の最終街区となる「マークスカイ」のモデルルームを4月29日(土)よりオープンすると発表した。
「プラウドシティ塚口」は2015年3月から分譲開始し、これまでに814戸を成約しており、成約戸数の多さでは近畿圏№1だという。
最寄り塚口駅からJR大阪駅まで約10分、総開発面積約8.4haの関西最大級となる駅前複合再開発プロジェクトで、尼崎市認定のスマートコミュニティへの取り組み、2017年4月にオープンした民間保育施設などが子育て世帯を中心に評価されているという。
「プラウドシティ塚口マークスカイ」は15階建て全366戸。専有面積は69.00~94.80㎡、入居時期2018年3月下旬。施工は長谷工コーポレーション。
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近畿圏のマンション市場は全くわからない。2年間の成約戸数814戸は№1と言われても、そんなものかというほかない。坪単価は170万円くらいか。埼玉県の大宮駅以遠、千葉県の千葉駅以遠でやっと供給されるような単価だ。その単価で大阪駅へ10分とは…。
博多駅前のランドマークに 「博多都ホテル」の建て替え概要公表 近鉄不動産
「(仮称)近鉄博多ビル」
近鉄不動産と近鉄・都ホテルズは4月19日、福岡市博多区の「博多都ホテル」建て替えの計画案「(仮称)近鉄博多ビル」の概要を公表した。
福岡市の掲げる「アジアの交流拠点都市」形成に貢献するため博多駅筑紫口駅前の新たなランドマークとなるビルを建設するとしており、外観コンセプトは「緑と水と光のビル」とし、壁面や最上階に水が流れ落ちる滝や緑を設置し、「見える滝」「見える緑」を演出する。
ホテルは、客室数約200室、客室面積30㎡超とし、最上階にはレストランや日帰り入浴も可能な温泉を利用した屋外温泉スパ・屋内浴場などを設ける。
また、地下階では地下鉄コンコースと接続し、 立体的な歩行者ネットワークを形成するとともに、地下駐輪場を整備する。2019年のラグビーワールドカップ開催前の開業を目指す。地下3階地上13階建て。
屋上温泉スパ
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プレス・リリースだけではわからない部分も多いが、間違いなくトップレベルのホテルになる。客室が全て30㎡以上で、屋上に温泉スパ・浴場を設置し、壁面や最上階に水が流れ落ちる滝や緑を演出するのもいい。外資系はともかく、わが国のホテルは宿泊特化型ばかりが花盛りで正直うんざりしていたので、とてもうれしい。
外観デザインはどこかで見たような気がするが思い出せない。滝や緑の演出は隈研吾氏がデザイン監修した豊島区庁舎との一体開発「Brilliaタワー池袋」とよく似ている。
低層部
屋上に里山とせせらぎ、格子デザインも美しい 豊島区新庁舎が完成(2013/12/26)
美しい! 2×6より厚い法の壁も崩して 三井ホーム 枠組壁工法の大規模倉庫が上棟
「(仮称)tvk ecom park」 壁と屋根部分の「コネックトラス」
三井ホームは4月19日、グループ会社の三井ホームコンポーネントが実質的に施工したテレビ神奈川の多目的倉庫「(仮称)tvk ecom park」が上棟したのに伴いメディア向け見学会を行った。
施設は、横浜市西区西平沼町6(tvkハウジングプラザ横浜に隣接)に位置する木造枠組壁工法2階建て延床面積約713㎡の準防火建築物。着工は2017年1月、完成予定は2017年6月。建築主はテレビ神奈川。設計はtvk コミュニケーションズ 一級建築士事務所、施工はtvk コミュニケーションズ。部材供給と建て方施工は三井ホームコンポーネント。
建築主が地球環境にやさしく周辺環境にも調和する建築を希望し、木材を使用した建築工法を望んだために実現した。単なる倉庫でなく事務所も併設した建物で、太陽光発電設備の搭載も視野に入れた緩やかな片流れ屋根が特徴。
建物全体の高さを抑え、かつ内部の有効率を高めるために耐震性に優れたステンレス製接合金物「コネック」を採用した「コネックトラス構造」とし、吹き抜け部分の最大天井高5.8m、スパン16.2m、長さ18.9mの大空間を実現した。
同社はまた、2×4材を用いた軸組工法の簡易型倉庫を計画しており、液体ガラスを採用することで現しに見せる工夫も行うことも明らかにした。
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美しい。冒頭の2×6の壁と屋根部分の「コネックトラス」の写真を見ていただきたい。下手な記事などいらない。
美しさを堪能して帰ろうとしたら、別の記者の方が「コストはどうか」という質問をした。大事なことだ。記者の仕事も含めあらゆる取材対象の〝コスパ〟(コストパフォーマンス)を意識しないといけない。
しかし、質問した方の「コスト」とは、鉄やコンクリとの比較においてどうかという、つまり鉄やコンクリのモノサシで「木」の値段を計ろうとしている魂胆が透けて見える。
鉄やコンクリが美しくない、劣っているというのではない。それぞれ美しい。鉄は森羅万象を撥ね返す凛とした美しさがあるし、コンクリは何ごとも吸収してしまいそうな堅牢な美しさがある。
しかし、木が持つ美しさは単に美しいというだけでなく、人や地球環境にやさしい特長を持つ。そのトータルな美の価値、効用の価値を金額に換算したらはるかに鉄やコンクリに勝る。この価値を念頭に置かないで、鉄やコンクリと比較し〝安いほうがいい〟という結論を出すとすれば、結局は〝賃金だって安いほうがいい〟という極論を導きかねない。極めて危険な思考方法だと思う。
そこで、法の壁は2×6より厚くて(同社は反論するかもしれないが)無慈悲なのは百も承知で、返ってくる答えも分かっていたが、質問された記者の方にもわかってもらいたくて皮肉を込めて質問した。「着衣のマハもいいが、裸のマハがいいに決まっている。どうして外観はトタン(ガルバニウム鋼板など)にして美しさを覆い隠さないといけないのか」と。担当者は予想した通り「現しにするのはこれから」と答えた。
さらに言えば、全ての木造を手掛けるメーカーにお願いだ。もうメディアの質問意図を忖度して鉄やコンクリの土俵に素っ裸で上がるような真似は止めていただきたい。(理論武装してという意味ですから誤解しないでください)
参考までに。先の「コストはどうか」という問いに担当者は「鉄と比較して坪あたり2万円安い」と答えた。もちろん、これには木の美しさや人と地球にやさしい価値は含まれていない。もう一つ言っておきますが、わが第三企画の印刷工場の屋内の壁は本物の杉の無垢材ですからね。
施工過程
三井不 オープンイノベーション施設「31VENTURES Clip ニホンバシ」を拡張・移転
「31VENTURES Clip ニホンバシ」
三井不動産は4月17日、ビジネスの創造・拡大を目指す人同士を結び、オープンイノベーションを実現する「31VENTURES Clip ニホンバシ」を拡張し、日本橋本町3丁目に移転、新装オープンした。
2014年4月に開設した「31VENTURES Clip ニホンバシ」の取り組みを強化するため、新たにClip ニホンバシビルを建設し、その1階に面積を拡張して移転した。同ビルの2 階・3 階には超小型人工衛星を開発するベン チャー企業、アクセルスペースが入居した。
新しい施設は、東京メトロ銀座線三越前駅から徒歩3 分、中央区日本橋本町3丁目に位置する敷地面積約281㎡、軽量鉄骨造3階建て。
会員制で、月5プランが6,000円/月、毎日9 時〜23時、使い放題プラン15,000 円/月 毎日9時〜23時。使い放題プランは法人登記も可能で12,000 円/月。
ワークスペース
三井不レジも〝再配達ゼロ〟の取り組み 小型BOXを開発 従来比1.5倍増
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従来型BOX8個(左)と新構成BOX12個
三井不動産レジデンシャルとフルタイムシステムは4月17日、マンションの宅配ロッカーの利用効率を向上させることで“再配達ゼロ”を目指す取り組みを開始したと発表した。
宅配ロッカーの利用効率の向上を図るため、①利用状況に適した宅配ロッカーの新構成によるBOX数の増加②宅配ロッカーの入出庫回転率の向上を図る③宅配ロッカーへの入庫数の減少を図る④「宅配ロッカーの利用情報閲覧サービス」-この4つの対策を取る。
今年6月下旬に販売開始する大規模分譲マンション「パークタワー晴海」より順次導入する。
取り組みに当たって同社は、「宅配ロッカーの設置スペースは、容積率算入の対象となるため必要最低限の数のBOXを設置することしかできないのが現状」とし、数量が増加している一方で、サイズは小型化していることから、小型荷物に最適な新サイズ「SS」(内寸法:W411×D546×H108mm)BOXを開発する。例えば総戸数50戸のマンションの場合、従来のロッカー構成では、BOX数は8個で、総戸数に対する割合は16%なのが、新構成ロッカーではBOX数が12個に増え、総戸数に対する割合は24%になり、従来比で1.5倍増加させることができるとしている。
また、三井不動産レジデンシャルが300 戸以上のマンションのうち27 棟に設置された宅配ロッカーを調査したところ、ロッカーに空きがないことを示す「満杯警報」の受信数は1年で合計11,490件、1棟のマンションで1日平均約1.2回発生している計算になることから、フルタイムシステムが運用する「FTS コントロールセンター」によってメール・FAX・自動電話による滞留通知を改良しより早い荷物の取り出しを促す。
さらに、キーメーカー各社に開発を依頼し、メインエントランスだけでなく、キーシステムが設置されている全てのセキュリティーゲートでも着荷を通知するシステムを順次導入する。「メール便対応ポスト」も投入口を流通数の多いメール便サイズ(W340×D260×H35mm)が投函できる大型のサイズとする。
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〝再配達ゼロ〟を目指す取り組みは先に大京とフルタイムシステムが記者発表会を行った。その記事も参照していただきたい。
間違いなく付置を義務付ける方向で動くはずだ。ただ、その際、容積率算入の緩和を行うとか、設置率の高いものについては容積の割り増しを行ってもいいのではないか。大京・落合専務が話したように利用率が下がっている駐車場の付置義務の緩和も図るべきだ。それより緑化率を引き上げるべきだ。
〝再配達ゼロ〟宅配ボックス発表会に記者殺到 大京・フルタイムシステムが新商品(2017/4/10)
野村不動産 東池袋の木密地域不燃化10年プロジェクト着工
「東池袋五丁目地区第一種市街地再開発事業」
野村不動産は4月17日、同社が参加組合員として参画する「東池袋五丁目地区第一種市街地再開発事業」を着工したと発表した。
都市計画道路補助第81号線の整備に合わせ老朽化建築物の建替えや、防災機能を備えたまちづくりの気運が高まったことを受け、2010年9月準備組合の設立、2014年8月の都市計画決定、2015年6月に再開発組合の設立認可を受けた。
物件は東京メトロ有楽町線東池袋駅から徒歩5分の20階建て延べ床面積約14,700㎡。住宅は132戸(地下1階~20階)。施工は前田建設工業。竣工は2019年3月予定。
東京都の「木密地域不燃化10年プロジェクト」不燃化特区制度先行実施地区のコア事業と位置付けられている。
事業地
立地・プランがいい 価格も妥当で人気必死 東京建物「Brillia Tower 横浜東神奈川」
「Brillia Tower 横浜東神奈川」完成予想図
東京建物は4月18日、京浜東北・根岸線東神奈川駅、京急線仲木戸駅前の再開発マンション「Brillia Tower 横浜東神奈川」の記者発表・見学会を行った。すでに資料請求が2,200件を突破し、見学希望が500件に達しているように人気は必至。プランがよく価格もリーズナブルだ。4月22日にモデルルームをオープンする。分譲開始は6月下旬。
物件は、京浜東北・根岸線東神奈川駅から徒歩2分、京浜急行電鉄本線仲木戸駅から徒歩1分、横浜市神奈川区東神奈川1丁目に位置する20階建て全110戸(事業協力者住戸32戸含む)。専有面積は65.71~98.11㎡、価格は未定だが、65㎡台で6,000万円台の半ばから、70㎡台で6,000万円台の後半から、80㎡台で8,000万円台の前半から。坪単価は350万円くらいになる模様。竣工予定は平成31年3月下旬。設計・監理は梓設計。施工は戸田建設。
現地は、東神奈川駅前地区の再開発エリアに位置し、今回の案件が最終となる。平成15年に再開発の研究会が発足し、同25年に都市計画決定された10年かかりのプロジェクト。2駅とペディストリアンデッキで結ばれ、4方接道。
建物は制振構造を採用。「Brillia」初の「低炭素建築物」に認定。 1~2階が店舗。住戸は3階以上で、標準階6戸のうち5戸は南東向き、1住戸は南西向き、8m以上のワイドスパンが特徴。設備仕様は二重床・二重天井、二重サッシ、天井高2500ミリ、フィオレストーン天板、食洗機など。
同社執行役員・田代雅実氏は、同社のこれまでの「池袋」「目黒」「磯子」「多摩ニュータウン」などの代表物件を紹介した後、「この物件は20年以上かけて整備されてきた総仕上げとなる再開発案件。外観は白が基調で格子状のグリッドデザインとし、屋上スカイガーデン、ワイドスパン、全戸南東向き」と特徴を語った。
1月から資料請求は2,200件を突破し、来場予約は500件超。資料請求者の現居住地は神奈川区25%を筆頭に周辺区など横浜市が7割。川崎市が1割。
スカイガーデン
モデルルーム
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いい物件だ。道路を挟んですぐに京急線の線路が走っているので難点といえば難点だが、その先は30mの高さ規制があり、横浜都心部が一望できる立地条件だ。65㎡の住戸も含めて8m以上のワイドスパンのプランがいい。
価格について。予想通りだった。東京志向の人にとっては多摩川を渡っても安くはならないので資料請求が10%強しかないのは当然だ。しかし、横浜、みなとみらいは坪400万円を突破するし、桜木町でも立地によるが300万円をはるかに突破する。環境が担保され、駅周辺に生活利便施設が整っているこのエリアだったら坪350万円は極めて妥当だと思う。横浜志向の人の問い合わせが圧倒的に多いのもよくわかる。
第1期は何戸供給するかわからないが、瞬く間に売れるのではないか。
眺望
3.2haの10年プロジェクト 「常盤橋街区再開発」の第一弾着工 三菱地所
全体完成イメージ図(左)とD棟完成予想図
三菱地所は4月17日、東京駅日本橋口前の10年プロジェクト「常盤橋街区再開発プロジェクト」の第一弾の新築工事となるD棟を着工した。
同プロジェクトは東京駅周辺では最大となる3.1haの敷地に10年超の事業期間をかけて段階的に4棟のビル開発を進める計画で、D棟はその第一弾。地下と低層棟に下水ポンプ所を新設する。都心の重要なインフラとして1964年に日本ビル地下に合築して設けられた東京都下水道局銭瓶町ポンプ場に替わるもの。竣工後は東京都水道局の所有となる。
D棟の着工を皮切りに今後2018年には高さ200m超のA棟、2023ルンには高さ約390mのB棟を着工する予定で、全体完成は2027年度。
同社常盤橋開発部長・平井幹人氏は「1964年東京オリンピックのとき竣工した日本ビルは東洋一と言われた。あれから50年。ビルの老朽化が進み、地下の下水ポンプの更新が難しいと言われながら機能を止めることなくかつ将来の更新を見据えて段階的に整備していく。全体が完成する2027年には世界一の街区となるよう開発を進めていく。『常盤橋』の常盤は常に変わらぬ永久不変、不滅を意味する。東京の世界のシンボルとなるよう時代の変化に対応し進化させていく。テクノロジー、AIを駆使して最大限の価値を引き出す」と語った。
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私事だが、弊社は本日4月17日、管理部門の一部を東京駅すぐの三菱地所の「丸の内北口ビル」に引越しした。皇居のたもとであり「常盤橋再開発」エリアとは目と鼻の先。日本一どころか世界一の街区になる一角に移ってそれにふさわしい恥じない記事が書けるのかいささか不安になってくるが、事務所はわたしが選んだわけでもない。
あちらこちらから記事を打擲されて身もだえることになるかもしれないが、とにかく老骨に鞭打って体力が続く限り書こうと決意を新たにした。
まさにこの日、第一弾の記事が「常盤橋」というのも何という僥倖か。しかも、〝世界一の街を目指す〟と宣言した平井氏は、同社野球部が黄金時代だった時の正捕手だ。話を聞きながらどこかで聞いた名前だし、見たこともあるような気がしていたが、まさかあの平井捕手が常盤橋担当部長だとは…。平井氏はまだまだ成長し続けているようで、一回り大きくなっていた。
野球はもうとても無理だろう。これだけが残念。「写真を」とお願いしたら「ビジュアルは勘弁を」と断られた。こっそり撮るべきだったか。まあしかし、また撮る機会はあるはずだ。
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ビフォー&アフター 縁切り工事を施し一方は解体し、他方はビルの機能を維持するという難工事の末、縦に真っ二つに切断された日本ビル(大成建設の技術)
業界初「棟下式」「お宝発見ツアー」大賑わい700名超 ポラス 開発予定地でイベント
「棟下式(むねおろしき)」撒き餅
ポラスグループの中央グリーン開発は4月15日、64棟の戸建て分譲を予定している埼玉県越谷市の「越谷市南荻島プロジェクト(仮称)」の開発に先立つ街づくりイベントの第一弾として「棟下式(むねおろしき)」を行った。この種のイベントはデベロッパーでは初めてと思われる。700名を超える人が参加し賑わった。
開発地は、東武スカイツリーライン北越谷駅から徒歩13分、越谷市南荻島に位置する約12.000㎡の信用金庫研修所跡地。近くには宮内庁埼玉鴨場がある。
施設は50年くらい前に建設されたもので、グラウンドは地元居住者に開放されコミュニティの核として機能していた経緯があり、その土地と建物に感謝を伝え、地域の居住者とともに見送ることにしたもの。
施設を解体した後、2017年冬から分譲する予定。1区画135㎡以上で、価格は3,000万円以上。
儀式の「清祓式」のほか、約600個の撒き餅、施設内の食器・家具など使えるモノを参加者が持ち帰れる「お宝発見ツアー」、ねぶくろシネマと連携した地域振興の野外映画会、地域の出店、ワークショップなどが行われた。「棟下式」は、建物を壊す際に「清祓い」という神事が旧家などでは古くから行われている。
イベントを企画した同社開発取締役事業部長・戒能隆洋氏は「17:00の時点で参加者は575名。予想をはるかに超える多くの方に来ていただいた。越谷が本拠の会社として地域に貢献していきたい」と語った。
分譲マンションでは、モデルルーム来場者や成約者を対しようとした様々なコミュニティイベントは行われているが、着工前に建物・施設内で地域に開かれたこの種の催しを行うのは初めてと見られる。
「お宝発見ツアー」に並ぶ参加者
「清祓式」
撒き餅(左端は戒能氏)
「お宝発見ツアー」
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この日の埼玉県の天気予報は「晴れのち曇り。雷雨に注意」。西武の5連勝がかかっているテレビ観戦で忙しいこの日に、どうしてサッカーのみに夢中のポラスの取材に行かなきゃいけないのかと八つ当たりしながら渋々出かけた。
取材時間まで少し時間があったので、タバコを吸うためにカフェに入った。自宅の鎌倉から徒歩時間を含めて片道2時間半かけてやってきた顔なじみの記者とばったり出会った。
二人は一緒に出かけた。案の定、空は暗くなり、ゴロッッと来てポツリと来た。これでは現地は関係者と数少ないメディアだけではないかといやな予感もした。
ところがだ。途中の旧荒川沿いの見事なサクラ並木に圧倒され、着いたとたん、すでに建物からあふれ列をなしている参加者にびっくり。
軽挙妄動、軽佻浮薄の記者は早速、突撃取材を敢行した。( )内は記者。
まず、ずっと以前から住んでいそうな集団。(皆さん、ご近所? )「そう、すぐそこ」「俺は昭和42年に来たが、この辺はみんな田んぼ。何もなかった」「赤白青黄色…5班に分かれた町内会の運動会をここでやった。数百人は集まった。しかし、みんな歳取って走れなくなり、後片付けも大変でいつの間にかなくなった」(お母さんとはちょっと呼べませんが、おばあちゃん、きれいですね、美しいですね。お歳は? )「昭和2年生まれの90歳」(えっ、とってもそんなに見えません。肌がとても綺麗)「お宅、いくつだよ」と別の人。(68歳です)「俺らは平均75歳。おたく(私のこと)が一番年寄りくさい」(え、そんなことはないでしょ。おばあちゃん、空襲は? )「ありましたよ。生まれは名古屋で、郊外だったので被害はなかったけど。戦後すぐ25歳で結婚して、北千住の、今は電機大学のあるところから移り住みました」
「ここでみんな町内会の運動会をやったんだ」近所の方々
次に、30歳代の前半の子ども2人づれの夫婦。「近くの賃貸アパートに住んでいます。僕が三郷で彼女は春日部出身。わたしの勤務先は越谷。彼女は専業主婦」(ここに住宅が建って分譲されます)「値段次第で買ってもいいかもと考えています(奥さん)」(私の予想では、安いところで3,500万円、4,000万円を超えるものもありますがだいたい3,800万円くらいじゃないですかね。間違ったらごめんなさいですけど。レベルは間違いなく高いですよ)
「リユース券」(「リユース権」でもよかったような気がするが)を手に入れた人にも聞いた。(信金にしては高価なものはないですね。みんな持ち去ったのでしょう。しかし、ほら、裏印に「照風」と読めるじゃないですか。ひょっとしたら掘り出しものかもしれませんよ)「(茶碗には目もくれず)…いいものはみんな先にシールを張られちゃった」
主催者も予想外の人気に声が上ずっていた。「3階の研修室の机・椅子の46セットが瞬く間になくなっちゃった。売れ残り? 野球部の大太鼓が返品として戻ってきちゃった。牧田さん、RBA野球用としてプレゼントしますよ」(冗談じゃない。新品だったら数万円はするはずだが、持ち帰れない大きさだし、これを自宅で叩いたら袋叩きにあう)。
掘り出し物はないかと鵜の目鷹の目の主婦にはこんな質問もした。(わたしをリユースする価値はありませんか)値踏みする一瞥の視線をくれただけで「ハハハハ」とガラクタ(失礼)を抱えて立ち去った。(「お互いさま、もうどっちも使いものにならない」とぼそっと背中に放った声は届かなかったはず)
西武は惜敗したが、いい取材ができた。ポラスはいい仕事をしている。
敷地内のヤマザクラ
「お宝発見ツアー」(左)と落書きコーナー
旧荒川の桜並木
100mしか飛べないシジュウカラのために 生物多様性の取組に感動 三菱地所レジ
マンションギャラリー 模型
三菱地所レジデンスは4月13日、「ザ・パークハウス 国分寺四季の森」に民間の学童保育施設開設が決定したことを受けて、モデルルーム内覧会と生物多様性保全の取り組みについての概要説明会を開いた。
学童保育施設については、物件が所在する国分寺市の要請を受けて併設するもの。ウィズダムアカデミーと提携し、公設公営では預かり時間は午後7時が多いのに対し、午後9時まで可能で、オプションとして「食事の提供」「英語や音楽教育」「近隣スポーツクラブとの連携」などのサービスも受けられる。
生物多様性の取り組みについては、2015年2月から物件の大小にかかわらず全てを対象にした同社独自の取り組み「BIO NET INITIATIVE(ビオネットイニシアチブ)」が累計100物件に達し、2016年度「いきもの共生事業所認定(ABINC認証)」のマンション版で「四季の森」の物件を含め5物件が取得し、2015年から累計で13物件の認定取得となったことを発表した。
物件の販売状況については、これまで約2,500件の資料請求があり、来場者数は約600件。第1期供給戸数は130戸と発表した。来場者アンケートによる好印象のベスト3は、シャトルバスの運行、住戸の75%が南向き、学童保育施設の設置の順。
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この物件については2月に取材しているので、そちらの記事を参照していただきたい。一度取材しているのでよそうとも思ったが、自分の見た目が正しいのか誤っているのかを確認するために急きょ取材を申し込んだ。大正解だった。同社の生物多様性の取り組みに感動すら覚えた。学童保育に関しては自分の無知を恥じた。
商品企画担当の松本氏が「すごい物件を担当することになった」と経緯について語り出し「ただの植栽計画ではダメ。人といきものが共生できる計画にした」などと、生物多様性についてあまりにも広範な分野にわたりかつ詳細に説明したので、あっけに取られて聞いていた。
最初は建築が専門だろうと思っていたが、途中から農学か植物学が専攻ではないかと考えた。名刺交換をしたら肩書は「商品企画部海外業務グループ兼海外業務企画部主任」になっていた。異動になったのだろう。専門はやはり建築で、生物多様性については3年間くらい勉強されたそうだ。
驚いたのはそればかりではない。広報担当の臼井亮介氏が同社の生物多様性の取り組みに関するニュース・リリースについて補足説明したのだが、「当社のガイドラインはものすごく分厚く読みこなすのが大変。在来種のシジュウカラは100mしか飛べないことを知った。そのシジュウカラのために植栽計画を決めることに私も驚いた」と話した。
生物多様性の取り組みについては、業界では積水ハウスの「5本の樹計画」がよく知られているが、同社も負けないのではないか。「5本の樹計画」の上を目指す「6本の樹計画」はあまりにも単純だが、何かいいネーミングを付けてアピールしてはどうか。
「いきもの共生事業所認定(ABINC認証)」のマンション版を同社は2016年度までに13物件取得しており、機会を見つけて一度完成したマンションを見学しよう。
模型
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学童施設についてはほとんど知識がない。公設公営がほとんどで、最近は公設民営(や指定管理者制度)を活用しているところが増えていそうだという認識しかない。
その学童保育施設が来場者アンケートで好印象の第3位に入っているのには正直驚いた。2月に取材したときも学童施設を入れることを聞いており、「保育所も必要だが学童保育所も子育て世帯にとっては欠かせない施設だ」と書いただけだった。「小一の壁」は想像以上に深刻な問題のようだ。
第1期供給量では、先に野村不動産「プラウドシティ三鷹」が100戸で東京西部エリアでは№1と書いたが、これで今回の物件がそれを上回ることが確定した(全体の戸数比率は「三鷹」が上位)。
1階住戸モデルルーム
坪単価は「王子」より安い240万円台前半 三菱地所レジ他「国分寺」 反響がすごい(2017/2/3)