タカラ フェンス排除した驚嘆の戸建て「大泉学園」
タカラレーベン 境界のフェンスを全て排除した
建売住宅「レーベンプラッツ大泉学園」
「プラッツ大泉学園」
タカラレーベンが6月から分譲を開始した建売住宅「レーベンプラッツ大泉学園」を見学した。隣り合う住戸間のゆるやかなコミュニティ を醸成するため全27棟の境界のフェンスなど工作物を一切設置せず、隣戸間の空間には低中木の緑をたくさん確保した。この種の建売住宅の例は首都圏ではほ とんどなく、必見の物件だ。
物件は、西武池袋線大泉学園駅からバス13分、徒歩3分、練馬区大泉学園町8丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率 100%)に位置する全27棟。敷地面積は100.21~128.95㎡、建物面積は82.39~101.17㎡、価格は4,798万~6,268万円 (最多価格帯5,700万円台)。建物は木造2階建(在来軸組工法)。全棟完成予定は平成25年9月中旬。
◇ ◆ ◇
最大の特徴は、4棟を1ユニットにした「アウトサイドラウンジ」と呼ばれる緑の空間を設置し、東西軸も南北軸も境界にはフェンスなどの工作物を一切設けていないことだ。
記者はこれまで30余年の記者生活の中で、4~5棟で共有するコモンスペースや南北軸の間に舗道(路地)を設けた建売住宅は見ているが、隣戸間の境界にフェンスを設けていない27棟もある団地を見学するのは初めてだった。これには驚愕すると同時に快哉を叫んだ。
記者が子どもの頃の田舎の住宅は垣根こそあったが、隣戸間の境界などあってないようなものだった。隣の敷地を通ろうが敷地に立ち入ろうがとがめるものなどなかった。子どもも親も自由に行き来した。玄関を通らずとも勝手口、台所、居室が出入り口になった。味噌、醤油などの貸し借りは日常茶飯だった。
今回の物件も、フェンスがないから、通ろうと思えばどこからでも出入りできる。おそらく子どもたちはそのような利用をするのではないかと思った。
それだけではない。建物の外壁には薄っぺらいサイディングではなく、厚さ約 1 センチのガラス素材を用いた塗り壁やタイルが採用されている。塗り壁は櫛引仕上げのものが多用去れている。ベランダは黒のルーバーが多用されていた。建物は周囲の建物と調和させるため寄棟のデザインとなっている。
南側道路の住宅の庭
◇ ◆ ◇
いったい、どうしてこのような驚嘆すべきランドスケープデザインのプランを考え出したのか、非常に興味があったので設計を担当した㈱ HIRAMEKI の重松剛氏に電話で聞いた。重松氏は次のように語った。(重松氏は同じようなプランの「はちおうじこまち」で2009年にグッドデザイン賞を受賞している)
「八王子でも同じようにフェンスを設けない戸建てを供給している。そのときは、高齢者には抵抗を示された方もいたが、ターゲット層の30歳代は全然問題がなかった。今回も分譲する以前にアンケートをとったが、八王子と同じような傾向となった。それで『これで行けそうだ』となった。同じようなプランは首都圏では他にないだろうが、全国で見るとゼロではない。
全体的なコンセプトとしては過剰な設備を排除し、できるだけ自然のエネルギーを取り込んだパッシブデザインを採用した。庭などに用いた石は軽石で、敷地北側に中木や軽石を多用したのは、緑や軽石の気化熱を利用して夏場の冷気を北側から取り込み南側に送ろうという狙い。4戸1ユニットにしたのは、これぐらいの規模のほうがコミュニケーションがとりやすいということだ」
左側が北側住戸、右が南側住戸
◇ ◆ ◇
タカラレーベンの建売住宅を見学するのは2度目だった。見学する前は「アウトサイドラウンジ」なるものがどのようなものかチラシには説明されていなかったので、全然知らなかった。〝価格ありき〟の物件で見るべきものがなかったらどうしょうとも思った。
それが冒頭の素晴らしいランドプランだ。よくぞ、このような建売住宅の分譲に踏み切ったとタカラレーベンの決断を賞賛したい。まず他のデベロッパーだったら「ノー」だろう。とはいえ、村山義男社長や島田和一副社長をよく知っているから、ゴーサインを出したのも納得できる。同社には社員のやりたいことをやらせるいい社風がある。ぜひともこのプロジェクトを成功させて欲しい。
モデルハウスのLDK
地所 顧客の声を生かす「EYE'S PLUS(アイズプラス」
三菱地所レジデンス 顧客の声を商品企画に生かす
「EYE'S PLUS (アイズ プラス)」始動
左からMR ・カスタムアイズ室の加藤智里、櫻井紅美、渡辺尚子、久保倉大、鈴木健治の各氏
食洗機はシンク下がいいか横がいいか 三井 VS 三菱の戦い見もの
三菱地所レジデンスは6月6日、分譲マンションの商品開発にお客さんの声を生かし、マンションのリーディングカンパニーとしてのプロ の視点を加えた取り組みを強化するため「EYE'S PLUS (アイズ プラス)」を始動し、各種分析・検証を行なう拠点となる「EYE'S PLUS LAB(アイズプラス ラボ)」を開設したと発表した。同日、記者内覧会を行い、第一号商品「EYE'S PLUS KITCHEN 」を公開した。
「EYE'S PLUS(アイズ プラス)」は、顧客と直接コミュニケーションを図って商品開発を行い、開発のプロセスを公開するのが特徴。開発の意図や顧客の声を開示していく。開発拠点 の「EYE'S PLUS LAB(アイズプラス ラボ)」では、キッチン、カラースキーム、洗面室、浴室、扉、収納などの試作品や完成品を設置するほか、顧客の声を聞く座談会なども行なっていく。
「EYE'S PLUS KITCHEN」は、昨年7月から開発に取りかかり、約5,000件のアンケートやグループインタビュー、WEBサイト「スマイラボ」を通じたコミュニ ケーション、ママ社員などの声をもとに開発したもの。幅2400ミリ、奥行き650ミリの限られたキッチンを有効に活用するため、シンク幅を800ミリか ら650ミリに縮めることで作業スペースをその分広くし、ホーローパネルを採用。また、立ち上がりを23センチ確保することで、開放感と収納の両方を満足 させたのが特徴。
浴室のシャワースライドバーには身長がことなる家族が利用しやすいようにシャワー掛け具を 2 カ所に設置したものを提案している。さらに、同社はディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、開閉両側ソフトクローズ機能付き引き戸などを基本的に標準装備 していくことを明らかにした。
内覧会に臨んだ同社商品企画部 MR ・カスタムアイズ室室長の鈴木健治氏は、「業界ナンバー一であり続けるためにもより一層お客さまとの接点を多くし、ものづくりにまい進して、市場にフィードバックしていく」と話した。
「EYE'S PLUS KITCHEN」
◇ ◆ ◇
同じような取り組みでは、先日、東京建物が「Bloomoi(ブルーモア)」の発表会を行なった。女性の視点もお客さんの視点も非常に大事なことだ。今回の三菱地所レジデンスの第一号商品「EYE'S PLUS KITCHEN 」は、主夫生活10年の記者も納得の商品だ。キッチンは広いほうがいいのに決まっているが、限られたスペースをいかに無駄なく効率よくできるかがポイントだ。シンクを小さくすることで作業スペースをより広くするのは大賛成。幅が92センチあればずっと調理は楽になるはずだ。立ち上がりを高くしたのも理解できる。リビング側から汚れたなべや食器類などは隠したいものだ。
細かいことを言えば、天板は水返しをもう少し高くしたほうがいいし、バックガード付はいいのだが、できればサイドも欲しい(阪急不動産は標準化している)。

インタビュー研究スペースとカラースキム展示
◇ ◆ ◇
面白い話も聞いた。同社の食洗機はシンクの横に設置されていた。記者は意地悪な質問だと思ったが、「三井不動産レジデンシャルさんは食洗機をシンク下に設けることを打ち出したが…」と聞いた。
返ってきた答えはこうだ。「どちらがいいかということをお客さまにも聞きました。シンク下にあるのは、腰をかがめないといけないという声もありました」
なるほど。記者は食洗機が販売開始されたころ卓上型を購入した。出し入れ口はシンクに向かって取り付けられず正面に向くようにセットせざるを得なかった。そのため、食器類を入れるとき床に汚れた水などが散らばるのに難儀もした。だから、三井がシンク下にしたのに「さすが三井」と思った。しかし、確かにかがまないと出し入れできない難点もある。家族数や食器の数にもよるが一度の出し入れに20回はしゃがまないといけない。
どちらがいいかは分からない。三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスの食洗機の設置位置を巡って激しい〝戦い〟が展開されるのもみたいものだ。三井はこういうかもしれない。「シンク下はあまり利用しないスペース。そのスペースに食洗機を設置したほうが有効利用できる」と。
![]() |
![]() |
| カラースキームの展示 | トイレの展示 |
細田工務店 意欲的な「「木ここち 杢」ショールーム
細田工務店 意欲的な「木ここち杢(きここちもく)」本社ショールーム
「木ここち杢(きここちもく)」のショールーム
細田工務店が先にオープンした注文住宅の新商品「木ここち杢(きここちもく)」のショールームを見学した。注文住宅としては2010年に発売した「L'fits <ラフィス>」に次く3年ぶりの新商品だ。
ショールームは本社内の商談コーナーに設置したもので、外観などは分からないが意欲的な商品であることは伝わってきた。
まず、目を引いたのがナグリ調仕上げコーナーだった。大工さんが現場で釿(ちょうな)で削って仕上げるものではなく、工場で生産されたものだったが、それでも 35,000 円/㎡ぐらいする高価な無垢のオーク材が用いられていた。
このほか建具面材などは全てウォルナット、ブラックチェリー、メープルなどの無垢材や珪藻土、麻などの自然素材が用いられていた。
◇ ◆ ◇
建売住宅が飛ぶように売れた昭和50年代、同社は木下工務店(現木下ホールディングス)、日本電建、殖産住宅、六建建設などとともにトップメーカーとしてそれぞれしのぎを削っていた。バブル崩壊後は、日本電建も殖産住宅も六建建設も破綻するなどで第一線から退き、木下もサーベラス傘下に入り業態はすっかり変ってしまった。
その意味では、現在まで建売住宅の供給・他社受注を継続しているのは同社ぐらいだ。まさに〝老舗〟だ。同社の創業は昭和22年(1947年)だから今年で64年目だ。建売住宅メーカーとしては〝老舗〟の域に達しつつある供給トップの一建設(旧社名、飯田建設工業)は昭和42年(1946年)だし、兼六ホームは昭和43年(1968年)、ポラスは同44年(1969年)だから20年以上も差がある。
それなのに細田だけがバブル崩壊後ずっと業績が低迷しているのがよく分からない。〝老舗〟に胡坐をかいているとは思えない。同社のホームページには 2004 年以降に竣工した法人受注物件のリストがあるが、記者も見学した素晴らしい団地がたくさん掲載されている。しかし、なぜか自社の優れた団地は全く掲載されていない。これは老舗としての謙譲か。記者などは真っ先に「グローイングスクエア杉並和泉」を代表作として掲げる。
とにかく注文も建売住宅も同社には頑張って欲しい。
記者がほれ込んだ阿佐ヶ谷駅前の首都圏不燃建築公社・三菱地所レジデンス「バークハウス阿佐ヶ谷レジデンス」
細田工務店 注文住宅の新商品「木ここち 杢」発売(5/30)
後姿が美しい「マンション環境性能表示」☆3つ 「パークハウス阿佐ヶ谷レジデンス」(2010/3/8)
日土地 次世代制震装置装備の「高井戸」1期即完
さすが日土地 土地の魅力を最大限引き出す
「ラヴィアンヴェール高井戸」 第1期が即日完売
「ラヴィアンヴェール高井戸」
日本土地建物販売が先に第1期8戸を即日完売した建売住宅「ラヴィアンヴェール高井戸」を見学した。高井戸駅から徒歩3分の高台立地で、由緒ある土地の魅力を最大限に引き出した好物件だ。並木道や神田川沿いの緑が美しい街だ。
物件は、京王井の頭線高井戸駅から徒歩3分、杉並区高井戸西1丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%・50%、容積率80%)に位置する全12戸。第1期(8戸)の敷地面積は125.19~140.25㎡、建物面積は98.12~104.12㎡、価格は7,480万~9,100万円。建物は2×4工法2階建て3月下旬に竣工済み。施工は細田工務店。5月25日に抽選した結果、最高5倍、平均2.3倍で即日完売した。来場者は135件、問い合わせは60件にのぼった。引き続き第2期(4戸)が6月8日に分譲される。
◇ ◆ ◇
高井戸駅を降りると直ぐに現地が分かる。見たとたん即日完売を納得した。駅から現地まで神田川沿いの緑道を通り、高さ約5mの階段を上ったところが現地だ。法面の高木がいかにも歴史のありそうな敷地であることをうかがわせる。
販売担当者によると、地元の社会福祉法人浴風会の社員寮跡地とのことだった。浴風会についてネットで調べたら、発祥は「関東大震災の被災老人の援護を目的として皇室の御下賜金を含む義捐金を基として内務省社会局の手により財団法人として設立…内務省社会局によって90,750平方メートル(約27,500坪)のこの地(当時は東京府豊多摩郡高井戸村)に、本館・入居棟・付属建物合わせて54棟の建物…の施設を設置したのが浴風会の始まり…浴風会本館は、大正15年に内田祥三(うちだよしかず)氏並びに土岐達人氏により設計されました。中央に塔を配置し、両翼を広げた姿は、内田氏が手掛けた『東京大学安田講堂』と共通する表情を見せています」とホームページに書かれていた。
ランドプラン、建物外観は由緒ある土地にふさわしい風格、気品のあるものだ。基礎には地震エネルギーを約46%吸収する次世代制震装置SSダンパーを採用したほか、外壁は写真のように日射を遮りながら通風・採光も確保する遮蔽壁を採用しているのが特徴だ。その他設備仕様レベルも高い。
坪庭
◇ ◆ ◇
他のデベロッパーも喉から手が出るほど欲しい土地だろう。同社の用地取得の経緯は聞いていないが、さすが日土地。数は多くはないが、バブル崩壊後も継続してレベルの高い建売住宅を供給してきたからこそ、この土地の魅力を最大限に発揮したといえる。
価格もリーズナブルだ。現地を見て、さすがに1億円は越えないだろうと読んだが、2期も最高価格は8,880万円だ。同社は隣接地でも用地を取得しており、戸数は今回の物件より少なくなりそうだが建売住宅になるのは間違いない。
細田の施工もいい。創業以来60余年、ずっと戸建ての分譲、施工を続けてきた技術力・デザイン力がうかがわれる。今回の建物は2×4だが、これもなかなかいい。記者がこれまでたくさん見てきた自社、法人受注物件のうち2×4はどれぐらいの比率なのだろうか。自社物件は軸組が圧倒的に多いはずだが、法人受注では2×4も意外と多いような気がする。
|
|
|
| 現地の法面 | 神田川沿いの緑道から現地を望む |
オープンハウス 今9月期計上マンション500戸全て契約
オープンハウス マンション好調 今期引渡し予定の500戸全て契約

「オープンレジデンス幡ヶ谷テラス」完成予想図
オープンハウスのマンション事業が好調だ。同社の分譲事業を担当するオープンハウス・ディベロップメントの平成25年9月期のマンション引渡し予定の18棟、約500戸が5月末までに全て契約済みとなった。戸数は前期よりほぼ倍増しており、昨年から新規に参入したマンションタイプの「オープンレジデンシア」がそのうちの約半数を占め業績に寄与した。メゾネットタイプの「オープンレジデンスシリーズ」も引き続き好調を維持している。5月だけで6プロジェクトが竣工前に完売した。
また、直近に分譲した来期計上分の「オープンレジデンシア高輪プレイス」(全70戸)はわずか1カ月半で完売。JR品川駅から徒歩11分の第一種低層住居専用地域に位置しており、坪単価が300万円弱と圧倒的に安く、3LDK・80㎡という周辺エリアにはない品薄感が人気の要因となった。1週間前から分譲を開始した「オープンレジデンシア広尾」(69戸)もすでに約4割の申し込みが入っている。
同社マンション開発事業部営業本部営業1部部長・川上智宏氏は、「従来のオープンレジデンスシリーズにオープンレジデンシア、オープンレジデンシャルと企画のラインナップが増え、また、エリアを23区内、とりわけ都心・城南エリアに集中して供給することにより、エリア内のボリューム、認知度も確実にアップしてきている」と話している。
同社調べによると、2012年の事業主新築マンション供給棟数は23区では三井不動産レジデンシャルの17棟に次ぐ16棟で5位につけている。同社マンション開発事業部営業1部3課課長・大河原健太氏は、「供給戸数では圧倒的な差があるが、棟数では大手と互角。ネットなどからのアクセス数が大幅に増えた」と語った。
オープンハウスの今期連結売上高は過去最高の800億円超を見込んでいる。

「オープンレジデンシア六本木美術館前」完成予想図
大京リアルド 1棟リノベーションに参入「稲毛」で分譲
大京リアルド リノベーション事業に参入 「稲毛」で分譲

「グランディーノ稲毛海岸」完成予想図
大京グループの不動産流通事業、賃貸管理事業などを手掛ける大京リアルドが1棟マンションのリノベーション事業「グランディーノ」を立ち上げ、第1号となる「グランディーノ稲毛海岸」の棟内モデルルームを6月8日(土)にオープンする。販売開始は6月下旬。
物件は、京葉線稲毛海岸駅から徒歩5分の4階建て全23戸の元社宅。専有床面積は79.37㎡。既存建物竣工は1986年2月。既存建物設計・監理は梓設計。既存建物施工は東亜建設工業。改修工事設計・監理はアルコデザインスタジオ、セキスイインテリア。改修工事施工は大末建設、セキスイインテリア。
約1,600㎡の敷地にわずか23戸、空地率約62%という恵まれた既存建物・既存樹を生かし、パッシブなエネルギー環境を実現したのが特徴。保水機能のあるインターロッキング、沿道緑化フェンス、グリーンカーテン、換気框付サッシなども採用した。
同社は、このほか多摩地区で1棟を取得済みで、年間4~5棟を目標に展開していく。

モデルルーム
4月の住宅着工 前年同月比5.8%増の78,000戸
4月の住宅着工 前年同月比5.8%増の約78,000戸
国土交通省は5月31日、平成25年4月の新設住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は77,894戸(前年同月比5.8%増、8か月連続の増加)となった。内訳は持家が28,357戸(同17.5%増、8か月連続の増加)、貸家が27,842戸(同7.8%増、2か月連続の増加)、分譲住宅が21,388戸(同6.9%減、2か月連続の減少)。
分譲住宅のうちマンションは10,718戸(同 22.0%減、2か月連続の減少)、一戸建住宅は10,559戸(同15.4%増、8か月連続の増加)。マンションが大幅に減少したのは、前年同月が前々同月比38.0%増の11,704戸と大幅に増加していたためで、特別な要因はない。比較的高水準で推移している。
首都圏マンションは5,860戸(同18.5%減)で、内訳は東京都が3,607戸(同9.2%減)、神奈川県が1,240戸(同32.2%増)、埼玉県が390戸(同28.4%減)、千葉県が623戸(同64.2%減)。
細田工務店 注文住宅の新商品「木ここち 杢」発売
細田工務店 「本物の気のよさ」を提案した
新商品「木ここち杢(きここちもく)」発売
「木ここち杢(きここちもく)」
細田工務店は6月1日、注文住宅の新商品「木ここち杢(きここちもく)」の販売を開始する。発表に先立ち5月18日、「木ここち杢」を体感できるショールームを杉並区の同社本社内にオープンした。
「木ここち杢」は、創業以来60余年、「木造軸組工法」「直営責任施工」を貫いてきた木造住宅のエキスパートとしてその伝統と技術を世に問うもの。「杢」は「木を扱う匠」と「木目の中でも特に美しい紋様」を表す言葉。「本物の木のよさ」に、最新の「安全・安心」の技術を加え、珪藻土クロスなど自然素材を用いた「ここちよい空間」を提供する。
130mm巾広の無垢材を床に使用したほか、「ウォールナット」「ブラックチェリー」「メープル」の3タイプを厳選。同社の耐震住宅(6面体構造)に制振装置「ガーディアン・フォース」を搭載した。また、書斎やキッチン、リビングなど、家族一人ひとりにあるお気に入りの場所、絆を深めながら個を尊重する心地いい場所を提案している。
参考価格(標準仕様)は61.5万円/坪(延床面積30坪、税別)。販売目標は20棟(平成25年度目標)。

地所レジ 全1744戸の「晴海」 2棟目の「ティアロ」分譲
三菱地所レジデンス 全1,744戸の「ザ・パークハウス 晴海タワー」
2棟目「ティアロレジデンス」も分譲へ

「ザ・パークハウス 晴海タワー」全景(左が「クロノ」、右が「ティアロ」)完成予想図
三菱地所と鹿島建設は5月29日、両社が共同で開発を進めている中央区晴海2丁目の大規模開発「ザ・パークハウス 晴海タワーズ ティアロレジデンス」プロジェクト発表会と「ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス」の施工現場見学会を報道陣向けに行なった。5つあるモデルルームのうち1つをリニューアルし、「ティアロレジデンス」のモデルルームとして6月1日からオープンする。分譲は7月上旬。双方で1,744戸の規模となる。
「ティアロレジデンス」は、東京メトロ有楽町線月島駅から徒歩13分、中央区晴海2丁目に位置する49階建て全861戸。専有面積は43.33~127.79㎡、価格は未定だが、単価は「クロノレジデンス」の既分譲単価273万7,000円より若干高くなる模様。施工は鹿島建設。竣工予定は2016年4月上旬。
小野社長
プロジェクト発表会で同社・小野真路社長は、「今期の分譲の売上げ予定戸数は6,100戸(前期比34.0%増、今期売上高は2,8880億円で前期比46.6%増を予想)で、三菱地所グループ全体の売上げへの貢献度は高くなると予想している。フラッグシップは千鳥が淵でも予定している。支店も仙台などの免震が好調。海外は私が率先して行なってきた事業。製・販・管のバリューチェーンも一層強化する。『晴海』の1期(クロノレジデンス)は60%の600戸が契約済み。年明けから従来の2倍のピッチの反響がある」などと意気込みを語った。
「クロノ」はエスペラント語の「王冠」、「ティアロ」は「ティアラ」の意で、都心の輝きという想いが込められている。

左が建設中の「クロノ」、その右が「ティアロ」、その右隣が三井不動産レジデンシャルのマンション予定地(三井も〝頑張って〟とエールを送っているのではないか)
◇ ◆ ◇
新たに2期として発表された「ティアロ」と、建設中の「クロノ」とはデザイン監修が同じ世界的な建築家、リチャード・マイヤー氏であるためよく似てはいるが、微妙に異なる。「クロノ」は「織り布」をイメージしており、「ティアロ」は「折り紙」がコンセプト。頭頂部のデザインもやや異なっており、外観も「クロノ」は透明なガラス素材を多用しているのに対して、「ティアロ」は反射ガラスを採用、バルコニーをやや外側に前傾させ、空や景色を映し込めるようにしているのが特徴。
プランも「クロノ」のお客さんの動向、ニーズを踏まえ4LDKタイプを採用し3LDKタイプも増やした。超高層ならではのワイドスパンも特徴で、60~70㎡タイプでも7~10mぐらいあるものが多い。ビューバスタイプもある。
◇ ◆ ◇
シアターで最初に登場したのは「クロノ」のナビゲーターを務めた石川遼選手ではなかった。どこにでもいるような青年だった。記者は俳優やタレントはほとんど知らないが「まさか普通の青年であるはずがない」と思い、同業の記者に聞いたら瑛太氏だった。女性記者などは「石川くんよりずっといい」と話していた。記者が宣伝担当だったら、「ティアロ」にぴったりのオードリー・ヘップバーンの版権を採用する。費用もずっと安く済むはずだ。
価格・単価については、小野社長は「未定」としか話さなかったが、瀬川修・副社長は「高額住戸を増やしたので、全体としては若干高くなるのどはないか」と語った。
記者もそうなると予想する。お客さんの評価も「中央区アドレス」というのがもっとも高いということのようだが、記者は中央区アドレスよりも「現時点でもっともレベルの高い」マンションというのが最大の特徴だと思う。駅からやや距離があることを除いて、①南側が運河②ランドスケープデザインが優れている③鹿島の施工で免震④長期優良住宅認定、都の「マンション環境性能評価」制度で満点に星1つ欠ける14個獲得⑤周辺の月島や新豊洲などとの比較からして割安感がある--などだ。利用料金50円を想定しているシャトルバスも武器になるのではないか。
免震装置
こうした利点が多いことを考慮すると販売スピードはやや鈍いとも考えるが、「クロノ」は竣工する今年の11月までに売れるのではないかと見ている。販売スピードが鈍いのは、2016年の東京オリンピック招致に失敗し、物件ナビゲーターに決まってから石川選手は全然勝てなくなり、東日本大震災による風評被害が直撃したことなど〝三重苦〟を背負わされたからだ。東京オリンピック招致が決まったらそれこそお客さんが殺到する人気になるはずだ。
施工現場見学会では、ビルも含むわが国の建築物では最大となる1.6m四方の免新装置などが公開された。免震装置は丸型もあるが、四角のほうが面積も大きくなり、効果も大きくなるという。従来の免震装置の大きさは1.2~1.4mぐらいだという。免震装置は 56 基、ダンパーは12基設置される。

晴海ストリートライフ号。7月末までの毎週土日、有楽町~晴海間を運行する
東京建物「Bloomoi/ブルーモア」第一弾「大山」公開
東京建物「Bloomoi (ブルーモア)」 第一弾プロジェクト発表

「ウォールキッチン」×「コダワリスタイル」
66㎡のモデルルームに5.5畳大の「ウォールキッチン」提案
東京建物は5月29日、働く女性のニーズを商品企画に反映した「Bloomoi(ブルーモア)」プロジェクト第一弾マンション 「Brillia 大山 The Residence」「Brillia 下丸子」のモデルルーム事前案内会を6月8日から開始すると発表した。発表に先立つ28日、報道陣向けに「大山」のモデルルームを公開した。
「Bloomoi (ブルーモア)」は、多様化する女性の、特に働く女性のニーズに現在の分譲住宅は必ずしも応え切れていないことに着目し、「働く女性のニーズをそのまま商 品・サービスとして形にし、働く女性の幸せを実現するプロジェクト」として昨年10月、同社女性社員6人を中心に立ち上げたもの。「Bloomoi」は、 「Bloom(咲く)」と「moi(私)」からなる造語で、働く女性のたくさんの笑顔や才能がしなやかに咲き誇るという意味が込められている。
記者内覧会に臨んだ「ブルーモア」のプジェクトリーダーを務める同社住宅商品企画部課長代理・野口真利子氏は、「働く女性の幸せな提 案を行なうことで、当社のマンションブランド『Brillia』の企業価値を高めたいし、働く女性の社会環境を変えられるようにもしたい。取り組みについ ては役員も見守ってくれている。『これがいい』という答えは出ない。Facebookを通じてお客さんとも対話をしながら、働く女性の声をそのまま形にす ることを最優先した」と語った。 66 ㎡タイプのモデルルームには5.5畳大の「ウォールキッチン」×「コダワリスタイル」が提案されているが、野口氏は「対面キッチンがいいと思っていた私た ちも目からうろこのプラン」と話した。
「Brillia 大山 The Residence」は、東武東上線大山駅から徒歩6分、9階建て全48戸。専有面積は40.22~76.10㎡、価格は未定だが、3LDK(66㎡)で 4,500万円台になる模様。竣工予定は平成26年6月下旬。施工は飛島建設。6月8日からの事前案内回の予約は「目標を超える」90件に達しているとい う。

リビング
◇ ◆ ◇
完璧とは言えないまでも「主夫」として約10年間、食事、洗濯(掃除はあまりしなかったが)などの家事労働をこなしてきた記者は期待と不安を織り交ぜながら発表会に臨んだ。野口氏には「Bloomoi」を立ち上げたときに話しを聞いているし、プロジェクトメンバーの一人、田所氏には田所氏が独身のときインタビュー取材もやっている。お二人とも間違いなく同社の幹部になれる人材だと思った。
そんな二人に対する思い入れもあり、「どこにも負けない商品企画を提案してほしい」という期待が膨らむ一方で、コストなどを考えて「たいしたことはできないのではないか」という不安も頭によぎった。
結果は期待通りでもあり、ちょっぴり不満も残るものだった。期待通りというのは「ウォールキッチン」だ。働く女性だろうが「専業主婦」だろうが男だろうが女だろうが、調理好きにはたまらない企画が提案されていた。まず広さ。キッチンの広さは家族数でも異なるが、記者はプロから「4人家族なら最低4.5畳大、理想は6畳大」と聞いたことがある。そのプロは「独立型がいい」とも語った。
今回の提案はその理想の広さに近い。「よくぞ20坪のマンションに5.5畳大のキッチンを提案した」と喝采した。カウンターの幅は約4500ミリもあった。これだけすスペースがあると十分だ。框つき扉もいい。実際に調理してみると、皿やら茶碗やら鉢やらまな板、調味料、食材などを並べるためには、今の一般的な3~3.5畳大ではまず楽しく調理することは不可能だ。
左からプロジェクトメンバーの岩谷、田所、佐々木、野口、久江の各氏
対面キッチンもいいが、和食でも中華でもイタリアンでも調理に夢中になると、子どもや家族と対話しながらというのは相当の技術がないとできない。臭いなどもオープンキッチンは問題だ。記者はニンニクが嫌いだからあまり使わなかったが、好きなクサヤを焼いて大騒ぎになったことがある。ニオイは2日間ぐらい部屋中にこもる。独立型だと煙草を吸うスペースにもなる。記者は独立型がいいと思う。
もう一つ、「これはいい」と思った提案はオプションだが、こあがりのリビングスペースの提案だ。広さは1.5畳大はあったはずだ。限られたリビングスペースを多目的に利用できるようになっている。
6畳大の主寝室についている3畳大の「スタイルクロゼット」のドアは透明ガラスだったのには驚いた(クロゼットの中には全身が映るカガミがあったがこれは分かる)。プロジェクトメンバーに聞くと「ガラス越しに明日着ていく洋服を眺めるのにいい」とのことだった。ダイニングテーブルは引き出し付で、椅子と化粧道具などを入れられるワゴンを取り替えられるようになっていたのにも驚いた。
不満だったのは、食洗機も物干しポールもオプションになっていたことだ。「働く女性」は食べ物の後片付けや洗濯に要する「労働」は苦にならないのだろうか。コスト計算をしたら大変な額になるはずだ。
もう一つ二つ、提案したい。同社も含め働く女性の労働環境を改善することだ。優秀な女性をどんどん幹部に重用すべきだ。上場デベロッパーの中には社長どころか役員は一人もいないのが現状だ。「住生活総合サービス業」を標榜する業界がこれでは情けない。商品企画部門は勿論だが、用地取得の部署にも女性を起用すれば、また違った土地の魅力を引き出してくれるのではないか。「夫婦仲が良くなるマンション」の提案も行なってほしい。
「働く女性」「専業主婦」などの呼称も改めるべきだ。働く女性を強調するのは、負担が大きく理解されていない側面があるから分からないではないが、本来は働く女性も男性も同じであるはずだ。働く女性の対にあるのは専業主婦なのだろうが、この言葉には一種の羨望や侮蔑の意味が込められている。そもそも「兼業主婦」「専業主婦」などありえない。働くことと家事労働を対立的にとらえる概念がなくなるのが理想の社会だ。もちろん男と女の差別などあってはならない。

クロゼット



