大和ハウス 4・5階建て住宅市場に参入
大和ハウス工業 4・5階建て住宅市場に本格参入
モデルプラン(5階建て延べ床面積約445㎡)
大和ハウス工業は4月25日、同社初の重量鉄骨ラーメン構造の都市型4・5階建て住宅「skye (スカイエ)」を4月27日から首都圏で発売すると発表した。ゼネコンとして培った技術力とハウスメーカーとしてのノウハウを融合させた商品で、中層住宅市場に本格参入する。年間の販売目標は100棟。本体工事価格は3.3㎡当たり82.5万円から。
商品コンセプトは「空に伸ばして、広く住む。~『トシナカ』から『ソラナカ』へ」。オフィスビルなどに採用される重量鉄骨ラーメン構造を採用し、天井高2600ミリを実現。壁厚のロスを少なくすることで各階とも1㎡分の有効面積を確保。最大6370ミリスパン、最大2047ミリの「キャンチルーム」も可能となり、多世帯同居、賃貸併用、店舗併用など多様なニーズに対応できるのが特徴。
見学会で中村泉・同社上席執行役員営業本部住宅事業推進部長は、「中層住宅市場への本格的参入が狙いの商品。戸数はそれほどでもないが、中層住宅のニーズは高まっており、税制改正で使用規模宅地の特例として二世帯住宅も適用となる背景もありこれからも伸びる。ゼネコンとしての技術力とハウスメーカーのノウハウを融合させた」と話した。同社の集合住宅向け商品よりコストも抑えられたという。
4月27日には「まちなかスカイエ目白台」をオープンする。
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同社は中層住宅市場の背景として、ここ3年4・5階建て住宅が伸びており、平成23年度は2,713棟(前年比5.3%増)という数値を国交省「建築着工統計」資料から抜粋して紹介した。記者は4・5階建て住宅市場データがあることを初めて知った。毎月発表される国交省の住宅着工統計は確認はするが、建築着工統計はみない。
そこで、平成24年の建設着工統計を調べてみた。4・5階建て建築物は4,121棟で、うち居住専用は2,494棟。つまり約61%が居住専用だ。興味深いのは構造別で、もっとも多いのが鉄筋コンクリートで全体の70.5%に当たる2,905棟(うち居住専用は2,062棟)、次いで鉄骨で全体の28.2%にあたる1,164棟(居住専用は413棟)、鉄骨鉄筋は53棟(居住専用は17棟)だった。
数値的にはやはり鉄筋が大きなシェアを占めている。この分野に同社はコストの安さ(鉄筋に比べて1割は安いのではないか)、工期の短さ(これも1カ月ぐらい早いようだ)で参入しようという狙いだ。あとはデザイン勝負だろうが、同社は外壁材にタイルや塗り壁も用意する。
地所ホーム 全棟長期優良住宅&オリジナルHEMS
三菱地所ホーム
全棟長期住宅認定取得&「オリジナル HEMS」バージョンアップ
渋谷 モデルハウス
三菱地所ホームは4月23日、同社が2×4工法の注文住宅用に開発した高耐力壁の「ハイプロテクトウォール」の標準採用により全ての建物で耐震等級3を確保し、長期優良住宅認定を取得したと発表した。また、昨年4月に発売した「オリジナル HEMS」をバージョンアップし、これまでは手動での機能設定だったものが、自動的に機能を作動させることにより従来仕様より年間の冷暖房エネルギーを約 25%、金額にして約15,000円削減できるシステムを20万円で5月1日から販売する。
「ハイプロテクトウォール」は、従来の壁倍率4倍に対し、50%耐力をアップさせた壁倍率6倍の外壁。国内の森林保全と環境に配慮したトレーサビリティが明確な国産材の構造合板1級を採用し、壁倍率12倍の高耐力壁の設計も可能としたのが特徴。設計の自由度が高まったため、無柱空間を最大で72㎡まで確保できる。
発表会に臨んだ西貝昇社長は、「東日本大震災後、安心・安全とエネルギー問題についてのお客さまのニーズが高まっているが、長期優良住宅認定も『オリジナル HEMS 』も時代を先取りした商品で、お客様と楽しみながら建てられるのが特徴。先ごろオープンした『三菱地所レジデンス ラウンジ』の活用を含めてグループと連携を強化していく」と述べた。
「ハイプロテクトウォール」を採用したモデルハウスを4月27日(土)、渋谷ホームギャラリー(渋谷区神宮前)にオープンする。モデルハウスはリビング約29畳大で、天井高3m、3mハイサッシなどが特徴。
全館空調の自動制御機能付き「オリジナル HEMS」の年間販売目標は300棟。
渋谷 モデルハウス
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三菱地所ホームの記者発表会に参加したのは初めてだった。以前から、三菱地所レジデンスはマンションを年間 4,000 戸も 5,000 戸も供給しながらどうして建売住宅は供給しなくなったのか、三菱地所ホームはどうして三井ホームの売り上げの10分の1ぐらいの売り上げ(24年度は272億円)しかないのかずっと疑問に思ってきた。
その一方で、昨年、三菱地所グループが取り組むCSR活動の一環である「空と土プロジェクト」の稲刈り取材を行い、三菱地所ホームが山梨県と協定を結び、県有林のカラマツを構造材として積極的に採用していることを目の当たりにした。同社の構造材の国産材採用比率は業界トップクラスの50%に達する。森林・林業の再生が喫緊の課題だけに、同社の取り組みがきちんと評価されるべきだとも思った。
そこで、どうして売り上げが地所グループ全体の3%にも満たないのかなどについて、西貝社長らに質問した。西貝社長は、「リーマン・ショック前までは仙台や広島でも営業拠点を構えていたが、それ以後は首都圏と大阪圏の高所得者層を中心に集中的に営業活動をしているため」と答えた。国産材の採用については、「山梨に限らず北海道、岩手などでも協定を結び、今後も積極的に採用比率を高めていく」と話した。
また、注文住宅事業部門担当の同社常務執行役員・中津川隆士氏は、「当社の営業マンは100人弱。全社員の3分の1ぐらい。同業他社は社員の半分以上が営業マン」と、営業マンが少ないのが同業他社に後れを取っている理由の一つだと話した。
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なるほどとも思ったのだが、ならば営業マンを増やし、中堅層もターゲットとして取り組めば売り上げは飛躍的に伸びると思った。一定のシェアを占めそれを伸ばすのは大変なエネルギーが必要だが、現状は微々たるものだ。どこにも負けない技術力を持っているのなら数字を2倍、3倍ぐらいまで間違いなく伸ばせるはずだ。
「トレーサビリティ」は、家庭の主婦にとっては食材などを購入する際の最大の決め手になるはずだが、木材がそうはならないのは残念だ。
スウェーデンハ 網なし木製サッシ3層ガラス窓開発
スウェーデンハウス 網なしの木製サッシ3層ガラス窓開発
「木製サッシ3層ガラス窓」
スウェーデンハウスは4月22日、網の入らない耐熱強化ガラス入り防火窓「木製サッシ3層ガラス窓」を4月1日着工物件から使用していると発表した。
従来の防火窓では、一般的にガラスに細いスチールが網状に入っていたが、お客様から「網なし」の要望が多くあり、この要望を受けて網の入らない耐熱強化ガラスを開発し、国土交通省の防火認定を取得した。自社で生産する。バルコニーなどで用いる片開きドアも防火認定試験に合格しており、11月着工から標準仕様とする予定。
同社は1993年、日本で初の「木製サッシ3層網入りガラス窓」で防火認定を取得。準防火地域でも防火シャッターを設置することなく建築でき、外観デザインの向上を図ってきた。
今回の認定取得について、岡田正人社長は、「当社は今年で30周年。網が入らなくてもいいガラス窓の開発・生産によって品質を確保でき顧客満足度を高められる」と語り、同社取締役営業本部長・鈴木雅徳氏も「私は30年前から営業担当として、お客様に窓のことばかり説明してきた。窓は家の顔であり、高気密・高断熱・水密性能・防犯性能はいうまでもなく、外観デザイン、景色としても重要なアイテム」と話した。
窓単体価格としては従来製品より約1割価格アップになるという。
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網の入らない木製サッシガラス窓は同社の大きな武器になるはずだ。同社が掲げる「家は、窓から」のスローガンもその通りだと思う。記者は絵を描くのが趣味の一つだが、油絵だろうと日本画だろうと、額装なしでは〝絵にならない〟。額縁の選択を間違えるとそれもまた〝絵にならない〟。
それほど絵画にとって額縁が重要な役割を果たすが、家の窓も外から眺めればその家の風格、品格を表す。屋内から見れば、窓の枠は絵画と一緒だ。風景は額に収まった風景になる。アルミサッシでも絵になる場合はあるが、わが国の風景にはやはり木の枠がよく似合う。
同社にお願いしたいのは、そこまで木製ドアにこだわるのだから、外壁仕上げも木製にしてほしい。規制が厳しくて建てられないのだが、木製下見板の壁の家など最近は見たことがない。
建材試験センターで行われた性能評価試験。加熱20分終了時の防火窓。
最高温度が800℃に達しても、非加熱側に炎の侵入は認められない
2カ月弱で100戸契約 名鉄不動産「メイツ西武立川」
名鉄不動産「ソルヴィエントメイツ西武立川」
分譲2カ月弱で全146戸のうち100戸成約
「ソルヴィエントメイツ西武立川」完成予想図
名鉄不動産が分譲中の「ソルヴィエントメイツ西武立川」を見学した。2月下旬の分譲開始からわずか2カ月弱で全146戸のうち100戸を契約するなど極めて好調な売れ行きをみせている。
物件は、西武拝島線西武立川駅から徒歩1分、立川市西砂町一丁目に位置する10階建て全146戸の規模。専有面積は70.01~92.80㎡、近く分譲予定(15戸)の価格は2,600万円台~3,500万円台(予定最多価格帯2,700万円台)、坪単価は134万円。竣工予定は平成26年1月下旬。施工は長谷工コーポレーション。
2月下旬から分譲が始まっており、第1章として85戸が供給され80戸を成約。現在では約100戸が成約済みだ。来場者は週に20~30件に達するという。
現地はこのマンションも含めて戸建て街区、商業施設、公園などを一体的に開発する西武立川駅南口複合開発事業の一角。戸建ては三井不動産レジデンシャル168区画とダイワハウス91区画、合計259区画がある。駅前には商業施設「ヤオコー」が来春にオープン。敷地の南側には玉川上水緑道と広大な昭和の森ゴルフコースがある。
建物はL字型で、南向き住戸と西向き住戸が半々ずつ。長谷工の「アイセルコ」が利用できる。
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ご存じない方も多いだろうが、「西武立川」は古くから西武鉄道が用地を保有しており、昭和50年代から開発について地元立川市や昭島市と協議がされていた。立川市は基本的に開発についてゴーサインを出していたが、昭島市が難色を示し、その後もずっと手付かずだった。あれから20数年も経ってしまった。
20数年も計画がどうしてまとまらなかったのか、その後の紆余曲折を書けば面白い物語になるはずだが、不確かなこともあるのでここでは書かないが、売れ行きが好調なのは納得できる。同じ沿線で二駅新宿寄りの玉川上水駅圏では野村不動産「オハナ玉川上水」(322戸)が分譲されているが、こちらも同じぐらいの単価で売れ行きは好調だ。
現地の販売担当者によると、双方を見学する来場者は約3割だという。双方で468戸の規模だ。本来なら年間100戸も売れればいいエリアだ。圧倒的な単価・グロスの安さと水準以上の設備仕様を備えているのが人気の要因だが、これもまた〝アベノミクス〟効果か。
玉川上水路
<玉川上水路に植わっていたエノキ(榎)と思われる大木
「オハナ」の人気の秘密を見た 野村不「玉川上水」(2/22)
中村是公私邸跡地の三菱地所レジ「広尾羽澤」
三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス 広尾羽澤」
第一種低層住居専用地域の中村是公私邸跡地
「ザ・パークハウス 広尾羽澤」完成予想図
三菱地所レジデンスは4月22日、渋谷区広尾の第一種低層住居専用地域に位置する中村是公の私邸跡地マンション「ザ・パークハウス 広尾羽澤」 の記者発表会を行った。マンション市場の上げ潮ムードに乗り人気になりそうだ。
物件は、東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩12分、またはJR山手線恵比寿駅から徒歩13分、渋谷区広尾3丁目の第一種低層住居専用地域(容積率150%)に位置する地上3階地下3階建て全114戸(事業協力者住戸46戸含む)の規模。専有面積は43.51~152.01㎡、価格は未定だが、坪単価は400万円台の半ばになる模様。竣工予定は2014年4月下旬。施工は大成建設。販売開始は5月下旬。
現地は比高差が約10メートルある傾斜地の第一種低層住居専用地域。敷地面積は約8,000㎡の広大なもので、工事中のフェンス越しからでも立派な既存樹が見える。敷地は、大正から昭和の初期にかけて実業家で旧東京市長などを務めた中村是公の私邸として利用され、その後は角界の名士が訪れる料亭・レストランとして使用されてきた。
建物はロの字型で、耐震等級2を取得。エントランスアプローチは地下部分に設置し、コリドーを抜けてエレベータホール、ライトコートラウンジ、光庭につながっている。共用部には料亭として使用されていた時代の石畳や灯篭、暖炉を使用しているほか、トラバーチン(大理石)、木で組み上げた格子なども配す。屋上はできる限り緑化し、既存樹のアカマツ、シイ、モッコクなども残す。
モデルルームは106㎡のタイプで、キッチン天板は自然石とクォーツストーンの無償選択性。床はオークの突き板仕様。キッチンのバックカウンター・吊り戸棚は標準装備。キッチン、洗面室の扉などには天然目の突き板框形状を採用している。
12月からの資料請求は約1,800件で、完全予約制の来場者は約250件。1期分譲では全戸数の40%ぐらいを供給する意向だ。
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400万円台の半ばという単価設定は予想した通りだ。現地は広尾駅から歩いて最初に見たが、やや駅からあること、敷地は広大だがやや谷の部分に当たることから坪単価500万円はないと見た。恵比寿駅からのアプローチはどうなのか分からない。
中村是公はわれわれの世代は「ナカムラ ゼコウ」として教わった。満鉄の総裁だったのは知っていたが、東京市長だったのは知らなかった。戦後は「羽澤ガーデン」として知られていたが、記者も行ったことは一度もなかった。
エントランス
若年労働者の確保・賃金引上げ 太田国交相が要請
「技能労働者の賃金引上げを」
太田国交相が建設業団体に直接要請
太田大臣直々に要請が行われた(霞山会館で)
太田昭宏・国土交通大臣は4月18日、技能労働者の賃金水準の引き上げや復旧・復興事業及び公共事業の迅速かつ円滑な施工確保を図るため日本建設業連合会など建設業団体トップへ直接の要請を行った。国交相から建設業団体トップに対してこのような要請を直接行うのは例がなく、初めての取り組み。国交相の並々ならぬ意欲を示したものと見られる。
太田大臣は、「先に平成25年度の公共工事設計労務単価を大幅に引き上げたが、若年労働者の確保と技能労働者への適切な賃金水準を確保することは待ったなしの課題。あわせて社会保険への加入を促進することは喫緊の課題。業界が希望と誇りを持てる職場となるよう、発注者、受注者、さらには工事関係者など全ての関係者が危機感を共有して取り組んでいただきたい」と要請した。また、震災復興事業や公共事業の迅速、かつ円滑な施工確保についても、「現地では復興が実感できるようにして欲しいという希望が強い。若年労働者の不足、職人の高齢化など構造的な問題もあるが、社会インフラメンテナンス元年として位置付け復興を加速させたい」と述べた。
これに対して、建設業団体各代表は、「若年労働者の確保、技能労働者への適切な賃金水準の確保は健全な業界の発展のために不可欠」などとして適切に対応していくことを約束した。
国交省からは太田大臣のほか鶴保副大臣、松下政務官などが出席、建設業団体側からは日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会の4団体の代表が出席。報道陣も含め約100人が集まった。
国交省は平成25年度の公共工事設計労務単価を前年度比全国平均で約15%増の15,175円、被災三県は約21%増の16,503円に引き上げた。
建設業を取り巻く環境は厳しく、平成24年度の建設投資額はピーク時の平成4年度から約46%減の約45兆円に減少し、就業者数もピーク時から約19%減の503万人に減少するなど、建設労働者不足は構造的な問題とされている。低価格による入札が年々増加していることが労働者にしわ寄せされ、賃金水準も全産業と比較して26%低いとされている。雇用保険、健康保険、厚生年金の加入率はそれぞれ40%以下となっている。若年入植者は平成4年の5分の1に落ち込んでいる。建設技能労働者52万人のうち60歳以上は約18%に上り、10年後には大半が引退することになり、次世代への技能継承が大きな課題となっている。
要請する太田大臣
ゆとり世代の8割が中古住宅を検討 三井リアルティ
ゆとり世代の8割が中古住宅を検討
三井不動産リアルティ調査
ゆとり教育を受けた20歳代の〝ゆとり世代〟の8割が中古住宅を検討-こんな興味深い意識調査を「三井のリハウス」を展開する三井不動産リアルティがまとめ発表した。
住みかえ意識調査の第4弾となるもので、首都圏在住の “ゆとり世代” と呼ばれる22~25歳の社会人男女310名とその世代を子に持ち、住宅購入経験のある50~59歳の男女310名を対象にインターネットで住まいと距離に関する意識調査を実施したもの。
調査によると、結婚後に親との「近居」を望む “ゆとり世代” は約3割にとどまる一方で、子供との「近居」を望む “親世代” は約6割にのぼった。
また、 “ゆとり世代” はマイホーム購入時に約8割が中古住宅を検討し、7割以上は親からの資金援助を期待していないが、 “親世代” は2人に1人が子供のマイホーム購入時に資金援助をすると回答し、「資金援助をするので近くに住んでほしい」という希望を持っていることが分かった。
同社は、この結果について「『失われた20年とともに成長し堅実・安定志向』と言われている “ゆとり世代” の特徴が表れる結果となった」としている。
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ゆとり世代の約8割が中古住宅を検討し、7割以上が親からの資金援助を期待しないという結果は驚きだ。中古住宅が新築より安いというのが最大の理由だろうし、取得能力からいっても中古のほうが取得しやすいからだろう。これは賢明な選択だ。耐震性などに問題のある中古は敬遠したほうがいいが、中古だからといって基本性能が新築より劣るということはない。親に頼らないというのは、自立心が旺盛とも取れるが、親の懐具合をきちんと把握しているからだろう。
その一方で、親世代は資金援助を考えており、近居を望んでいるという結果もやや驚きだ。援助額は平均で約500万円だ。500万円しか援助できないのもまた親世帯の寂しい懐具合を示している。
もう一つ、注目したのはマイホームの購入を将来的に望まないゆとり世代は、「購入したくない」(20.3%)と「あまり購入したくない」(15.2%)と合わせると35.5%にものぼることだ。その理由は明示されていないが、〝飲まず食わず〟でせっせせっせとマイホームの頭金を貯めたわれわれ団塊世代からすると理解できない。
マイホーム取得だけが人生の目標ではないのは確かだが、日本国憲法でいう「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する 」(第25条)生存権は闘い取らないと国は保障してくれないのは確かだ。富裕層は分譲だろうが賃貸だろうが選択肢は多いが、一般的なサラリーマンにとって選択肢は多くない。賃貸はあらゆる面で分譲よりはるかに劣る。中長期的に見ても賃貸は冷遇され続けるのではないかと思う。
劣悪な居住環境だからといって心まで貧相になるとは限らないが、住居は人生を豊にする、心を豊にする生活の基本だ。人格形成に大きな影響を与えるのは間違いない。「健康で文化的な最低限の生活を営む」ことを諦めないでほしい。
大和ハウス マンション大手に迫る一の矢、二の矢
大和ハウス工業 コスモスイニシアを子会社化
大手の一角に迫る一の矢、二の矢放つ
大和ハウス工業は4月16日、コスモスイニシアが実施する第三者割当増資をを約95億円で引き受けると発表し、発行済み株式数の約64%を取得することで子会社化すると発表した。
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最近の大和ハウスの動きからしてコスモスイニシアを子会社化するのはありうることだと思っていたので、あまり驚かなかった。大和ハウスは確かにマンション供給大手ではあるが、首都圏に限ればいわゆるメジャー7のブランドにはやや遅れを取っていると見ている。5年先、10年先を見越した布石というか一の矢を同社は放った。
その一の矢とも言うべきなのは、 “ ブラウド ” ブランド構築の最大の功労者ともいうべき野村不動産の元副社長・高井基次氏の招聘だ。高井氏は昨年10月付でマンション事業を統括する上席執行役員マンション事業推進部統括部長に就任した。高井氏は「これまで地方をずっと回ってきたが、底力のある会社だと思った。それぞれの地域の一番情報を取得できる力がある。すぐにとは言えないが、しっかり基盤づくりを行う」「直販部隊を整えることや再開発にも力を入れていく」と意欲満々だ。同社はまた、女性だけの商品企画プロジェクトチーム「Natural Eye (ナチュラル アイ)」を立ち上げた。同業他社と同様、女性の視点でマンションの商品企画提案を行っていくものだ。
今回のコスモスイニシアの子会社化は二の矢とみていい。コスモスイニシアはバブル崩壊とリーマン・ショックによる2度の経営難を強いられたが、首都圏でのこれまでのマンション供給は量ではトップクラスだし、戸建てでもコンスタントに供給している。最近ではリノベーションマンションにも力を入れている。商品企画力も大手に負けないものがある。再び勢いを取り戻す可能性はある。
記者はさらに首都圏での同社の地位を不動のものにする三の矢が放たれるとみている。それはやはり商品企画に関することだろうと考えている。
それにしても最近の大手各社のマンション市場の覇権争いは熾烈を極める。中長期的には市場から評価されるのは10社ぐらいに絞られるのではないかと見ている。
アキュラホーム 間伐材採用した学習机天板寄贈
アキュラホーム
間伐材を採用した学習机天板2,056枚を小学校に寄贈
カンナ掛けを実演する宮沢社長
アキュラホームとグループ会社のオカザキホームは4月17日、子どもたちに木の素晴らしさを伝える「木望(きぼう)の未来プロジェクト」として2012年度は間伐材を採用した小学校学習用机の天板2,056枚を15の小学校に寄贈し、そのうち7校で木の良さを伝える出張授業「ふれあい授業」を実施したと発表した。
「木望の未来プロジェクト」は次代を担う子どもたちへ「森のすごさ」「木の素晴らしさ」「物づくりの楽しさ」の理解を深めてもらうことを目的に2010年からスタート。間伐材を加工し製作した小学校学習用机の天板を小学校に寄贈して古い机を再生している。アキュラホーム・宮沢俊哉社長自らが〝カンナ社長〟として「ふれあい授業」の講師を務める。
東建不販 足立区のサ高住の管理運営受託
東京建物不動産販売
足立区のサービス付き高齢者住宅の管理運営受託
東京建物不動産販売と日比谷花壇は4月17日、「足立区西新井6丁目サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)計画」の賃貸借及び運営についての基本合意書を締結したと発表した。
同計画は、日比谷花壇が事業主及び賃貸人、東建不販が賃借人及び管理運営事業者、やさしい手がサービス提供事業者として参画する異業種3社のコラボレーションによるプロジェクト。
東武大師線大師前駅から徒歩9分に位置し、62戸の居室と訪問介護事業所を併設したサービス付き高齢者向け住宅。24時間365日の有人管理体制で、緊急時対応、安否確認、生活・介護相談のほか、短時間随時介護サービスや食事提供サービス、アクティビティサービスなどの生活支援サービスを提供する。
東建不販は、東京建物が開発したサービス付き高齢者向け住宅「グレイプス浅草」の管理運営を受託しているほか、「グレイプスふじみ野」、「(仮称)コーシャハイム千歳烏山A棟・B棟・D棟」の管理・運営業務の受託が決まっている。