細田工 全35区画のうち23区画が角地「成田はなのき台」 全住協・優良事業賞

「グローイングシティ成田はなのき台 セントラルマークス」
細田工務店は4月16日、全国住宅産業協会の「第4回優良事業表彰」で、千葉県成田市の戸建分譲団地「グローイングシティ成田はなのき台 セントラルマークス」が「優良事業賞 戸建分譲住宅部門(大規模)」を受賞したと発表した。昨年の「戸建分譲住宅部門(中規模)」に続く受賞。
「グローイングシティ成田はなのき台セントラルマークス」は全35区画で、全区画200㎡以上、23区画が角地、安全性とコミュニティに配慮した街区計画、通風・採光・動線計画にこだわった設計、15%を超える収納率などが高く評価された。
物件は、JR成田線成田駅からバス10分、徒歩3分、成田市はなのき台3丁目に位置する全35区画。敷地面積は200.43~222.96㎡、建物面積107.23~121.10㎡。現在分譲中の住戸(9戸)の価格は4,016万~4,550万円(最多価格帯4,100万円台)。「成田はなのき台」は全1000区画の団地。
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1区画200㎡というのはバブル前では郊外団地では稀なケースではなかったが、その後はほとんど供給されなくなったのではないか。全35区画のうち23区画が角地というのもほとんど前例がないのではないか。
今回、同社がこのような商品企画を採用したのは地価が低かったからだろうが、果敢な挑戦を評価したい。機会をみつけて現地見学したい。
中井社長の挨拶は簡潔明瞭の3分 野村不動産ホールディングス記者懇
中井社長
野村不動産ホールディングスグループは4月15日、恒例の記者懇親会を開いた。約100人が集まった。
挨拶に立った中井加明三社長は、「足元の住宅市場は順調。とくに都心部は強い需要がある。懸念されるのは建築費の高騰で、まだまだ上がる状況にある。情報収集に努め、適切に対応していく。2016年3月までの中期計画で営業利益650億円、自己資本比率30%を掲げたが、営業利益は2年前倒しで達成できる見込み。今後は年間4,000戸から5,000戸、さらに7,000戸を安定的に供給していく体制を整えていく。財務を強化し、思いきった投資も行なう。今回新設した開発企画本部を通じて複合開発に参入していく。野村らしい事業展開をおこなっていく」と話した。
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中井社長の挨拶は簡潔明瞭。時間にして3~4分だった。同社の歴代社長はもちろん、他のデベロッパーの懇親会を含めても記録的な短さだろう。昔は30分を優に越える社長、会長の挨拶も珍しくなかった。用意されたビールは熱気で沸騰し、参加者は飲む前に〝醒める〟ほど長かった。
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記者が聞きたかったのは3点。一つは「オハナ」。建築費の高騰で坪単価130~140万円の「オハナ」は果たしてどうなるか。これについて宮嶋誠一・野村不動産副社長は、「今期も来期も年間1,000戸供給は大丈夫。多少、価格に転嫁せざるを得ないが需要はある」と、今後も第一次取得層の期待に応えると話した。
もう一つは都市型戸建ての展開について。同社は年間1,000戸供給を打ち出し、これまで独走していた三井不動産レジデンシャルに追い付き、追い抜く勢いにある。当然、三井不動産レジデンシャルが得意とする小・中規模についても用地争奪戦が始まるのではないかとみているが、宮嶋氏も山本成幸常務も「よくバッティングする」と否定しなかった。
3点目は、昨年10月にリブランディングを開始した「野村の仲介+」は「プラウド」と同じ奇跡をたどることができるかどうかだ。この点については、宮島青史・野村不動産アーバンネット社長は、「半年が経過して社員がピリッとしてきた。お客さんに見られている、下手なことができないという意識改革が進んでいる。2020年までにはやる。見ててください」と自信をうかがわせた。
今後注目したいのは野村不動産リフォームと野村不動産パートナーズの展開だ。リフォームの社長でもある山本常務は「当社のマンションや戸建てのお客さん以外に外に打って出ることができていない」と課題をあげた。中井社長も「何とかする」と意欲をみせた。
ビル管理部門と統合し、社名も野村リビングサポートから野村不動産パートナーズに変更した同社・関敏明社長は「売り上げ規模で700億円ですから相当の規模。RBAも両部門を統合して戦う」と、機嫌がよかった。
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天につばすることかもしれないが、集まった報道陣の方々にもひとこと。今回に限ったことではないが、デベロッパーの懇親会にはいつもこれほどたくさんの記者の方が集まる。ところが、マンションなどの見学会となると極端に少なく、せいぜい20~30人。
歳をとるとトコロテンのように編集長やら社長やらに出世し、足腰も弱り現場から遠くなるのだろうが、記者が現場から外れたらただの人。何の取り柄もない。現場には取材ネタが溢れているし、懇親会で聞く話は2倍3倍も中身が深まっていく。
記者懇親会(新宿野村ビルで)
野村不動産アーバンネット「ありがとう、わたしの家」入賞作発表
野村不動産アーバンネットは4月15日、第2回「ありがとう、わたしの家」キャンペーンの入賞エピソードを発表した。
グランプリは、埼玉県の「はなまるさん」の「愛おしい跡」。娘さんが3歳、息子さんが1歳の時に購入した新築の戸建てが、二人が成長するにつれ床やら壁やらがいたずらなどで汚れていくのに「頭から角をだして」叱るのだが、ある日、実家に連れていたったときの出来事をつづったもの。
「先生ごっこが好きだった私」が作って貼った「花丸を付けた拙い字の小さな答案」を、子どもが「物置の片隅にしまわれていた机の裏側」から見つけ、「当時の記憶が鮮明に蘇り」「〝子供の成長の証〟として愛しんでくれている父と母」に感謝し、「嬉しくて涙がこみ上げてきました」と、親から私へ、さらには子どもへと受け継がれる情愛を率直な言葉で表現している。
グランプリには10万円分の、準グランプリの3名には5万円分の、「ありがとう、わたしの家」賞の5名には1万円分のギフトカードがそれぞれ贈られる。今年1月から2月末まで応募を受け付け、198点の応募があった。
詳細はキャンペーンサイトhttp://www.nomu.com/campaign/episode/へ。
「武蔵浦和SKY&GARDEN」 販社に長谷工アーベストが選ばれた理由
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「武蔵浦和SKY&GARDEN」完成予想図
新日鉄興和不動産(事業比率50%)、三菱商事(同30%)、三菱地所レジデンス(同20%)の3社が5月に分譲する「武蔵浦和SKY&GARDEN」を見学した。埼玉県下の駅近で「最高層・最大級」を謳い文句にユーザーの購買意欲を掻き立てているタワーマンションだ。
物件は、JR埼京線・武蔵野線武蔵浦和駅から徒歩3分、さいたま市南区沼影1丁目に位置する13階建てA棟、14階建てB棟、32階建てC棟、14階建てD棟、14階建てE棟からなる全776戸(E棟160戸はコスモスイニシア分譲・非分譲住戸15戸含む)。専有面積は58.55~97.90㎡、第1期(戸数未定)の予定価格は4,100万円台〜7,600万円台(最多価格帯4,600万円台)、坪単価は220~230万円になる模様。竣工予定は2016年2月下旬。施工は清水建設。設計・監理は久米設計。販売代理は三菱地所レジデンス、長谷工アーベスト。
総開発面積約30haの武蔵浦和駅周辺の全体で9つある再開発プロジェクトの最南端に位置する第3街区の開発。約19,000㎡の敷地を生かし、独立型のコミュニティ棟を中心とした23もの多彩な共用施設、まちの賑わいを創出する商業施設、オフィス棟、駐車場・駐輪場、約7,500㎡の広大な庭園から構成される。
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再開発の準備組合が発足したのが昭和63年というから、実に25年掛けてようやく分譲にこぎつけた案件だ。当初計画は、リクルートコスモス(現コスモスイニシア)が、当時としてはわが国最高峰の55階建て大京「エルザタワー55」を上回る61階建てからスタート。その後、バブル崩壊にリーマン・ショックに見舞われ、都市計画も数回にわたって変更され、事業者も変更され、今回の3社になった。
その紆余曲折はともかく、記者の最大の関心事は、3年前に分譲され圧倒的な人気になった28階建て野村不動産「プラウドタワー武蔵浦和マークス」(309戸のうち分譲は280戸)の坪単価225万円を上回るのか下回るのかだ。現段階では微妙のようだが、同じくらいに落ち着くのではないかとみている。
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オアシスガーデン
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取材は、一般のお客さんでごった返していた4月12日(土)だった。昔は土曜・日曜の現地見学をデベロッパーは認めていたが、ここ20年くらいは「お客さん」優先で見学することはほとんどできなくなっていた。今回は幹事会社の新日鉄興和不動産の計らいで土曜取材となった。
対応してもらったのは、長谷工アーベスト受託販売第三部門販売二部販売第1チーム上席プロジェクトマネージャー・照井学氏だった。
照井氏とは初めてお会いしたのだが、ほんの1、2分間で、照井氏がプロ中のプロ、これぞ営業マンであることを観取した。その場面はこうだ。
シアターは、この物件が埼玉の最高峰で最大級の物件であるということを強烈に印象づける、まるで映画の予告編のような迫力のあるものだった。そのなかで「おやっ」と思うナレーションが2つあった。1つは「大宮、浦和をしのぐ」というもので、もう1つは「武蔵野線と埼京線が交差する唯一無二」という文句だった。
どこが大宮や浦和をしのぐのか聞き忘れたのだが、これは未だに謎。地価公示ではないはずだし、ひょっとしたら池袋、新宿方面への近さのことだろうかと調べてみたら、なんと浦和より武蔵浦和の方が東京にわずか2~3分だが早くつける。これは嘘ではなかった。
もう一つ。路線が交差するのだから線路が蛇行しているのならともかく「唯一無二」なのは当たり前ではないか。記者は「唯一無二」の見出しを付けたマンションがひとつだけある。それは三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス千鳥ヶ淵」だ。これは、皇居を見下ろせるマンションは他にないからそうした。
この話を照井氏にした。驚いたのはここからだ。照井氏は「確かに。武蔵野線と交差する駅は18駅ある」とほとんど瞬時に答えた。そして、順々にその駅名を口にした「西船橋から東松戸-新八柱-南流山-南越谷-東川口-南浦和-武蔵浦和-北朝霞-新秋津-西国分寺-府中本町…」
あとで確かめたら18駅ではなく12駅だった。照井氏は南武線も含めたのではないか⇒と書いたら、同業の記者から「徒歩連絡も含めると18路線が正解」との連絡をもらった。これはすごい。現地に足を運ぶこともそうだろうし、マーケットを熟知していないとできないことだ。かつて、アンビシャスの安倍徹夫社長が首都圏のマンション供給エリアの全駅を諳んじたのをこの耳で聞いたことがあるが、それ以来の驚きだった。照井氏は「うちは販売会社ですが、長谷工コーポが土地を仕入れたら、都合を付けて極力現場を見るようにしています」と話した。にもかかわらずメタボなのはよく分からないが、激務の反動かハードワークに釣り合うように酒やカロリーを多く摂るからだろうと納得した。
これも後で聞いたのだが、4月1日付人事異動で受託販売第三部門担当の執行役員から受託販売第二部門担当執行役員に就任した遊佐康人氏によれば、照井氏は「私の右腕。遊佐軍団の一番若い次長職」だという。記者は全然覚えがないが、遊佐氏は以前、照井氏を記者に引き合わせてくれたことがあるという。
長谷工コーポの施工でもないのに、販売会社を選ぶコンペで同社が選ばれたのは、照井氏のようなプロが揃っているということだろうと合点した。70㎡でも4LDKの機能を持たせたモデルルーム提案も同社が行ったものだという。照井氏の説明は並みの営業マンより数段勝っていた。
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オアシスコート
中心市街地の活性化の起爆剤になるか 京急・大和ハウス「ザ・タワー横須賀中央」

「ザ・タワー横須賀中央」完成予想図
京浜急行(事業比率50%)と大和ハウス工業(同)の駅近再開発タワーマンション「ザ・タワー横須賀中央」を見学した。横須賀市は昨年の人口流出が全国トップと報じられるなど人口減少に歯止めがかからないが、果たしてこのマンションが地域活性化の起爆剤になるか。出だしは絶好調だ。
物件は、京浜急行線横須賀中央駅から徒歩3分、横須賀市大滝町2丁目に位置する38階建て全297戸((販売戸数253戸、事業協力者戸数44戸)。専有面積は44.72~124.97㎡、先に即日完売した1期の最多価格帯は4,200万円台。坪単価は190万円。竣工予定は平成27年11月中旬。施工は淺沼組。販売代理は三井不動産レジデンシャル、京急不動産。
現地は駅前の市街地のど真ん中。もっとも賑やかな一角に建つ。スーパー西友などがあったところだ。4階までが商業施設で、住戸は6階以上。標準階1フロア12戸構成。15~16階以上は北東に猿島、南東に馬堀海岸、北西に横須賀基地などの海岸が見渡せ、南西側には富士山が見える。最上階の124㎡のプレミアム住戸は1億2,900万円。
第1期分譲として150戸が3月9日に登録申し込みが締め切られ、最高4倍、平均1.3倍で即日完売。引き続き2期として70戸が3月末に分譲され、おおよそ50戸が売れている。未供給は価格が低いところが中心の33戸のみ。早期完売が期待される。
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横須賀中央を訪ねるのは、平成20年に見た双日・三交不・長谷工3社JVの「ザ・コーストよこすか海辺ニュータウン」(249戸、坪単価176万円)以来、6年振りだ。その時も感じたのだが、ずいぶんさびれているという印象を受けた。それより3年前、「横須賀プリンスホテル」も身売りされていた。
市は平成20年、横須賀中央駅を中心とする26haの「横須賀中央エリア」を活性化させるプランを発表。老朽化した建物の建て替えや土地の高度利用を図り、街の活性化を図ってきた。
今回のマンションはその第一弾だ。昨年、旧横須賀プリンスで行われた事業発表会には市長も参加して500人が集まった。失敗は許されないプロジェクトだ。最初に躓けば、第2弾、第3弾が打ちだせないからだ。
坪単価190万円というのは立地条件を考えれば安いような気がするが、トップランナーとして勢いをつけようという狙いがあったのだろう。この低めの単価設定は納得できる。最上階住戸の億ションをはじめ、1フロア10戸をまとめて購入したいという人もいたというから、この物件を待ち望んでいた地元の富裕層も多いのだろうと思った。デベロッパーは地域のポテンシャルを引き上げる役割も担っている。販売会社も含め両社の好発進に拍手を送りたい。
ただ、このマンションが早期完売したとしても、引き続くマンションが好調理に売れるかどうかは記者も自信がない。
◇ ◆ ◇
今年1月、総務省は昨年の全国市町村の人口動態をまとめ発表したが、横須賀市は転出超過が前年比599人増の1,772人でワーストとなった。労働人口の流出がとまらない。平成5年のピークには約44万人だったのが、直近では41万人を割り込んでいる。
今回のマンションの契約者も約7割が市民だという。つまり、地元や他の市内エリアから移り住むだけで、人口増加にはつながらない。横浜方面など市街からどれだけ呼び込むことができるかが課題となりそうだ。

眺望
半年で57戸供給 大健闘の三井不レジ「ファインコート守谷ビスタシティ」だが…

中央側溝の街並みが美しい「ファインコート守谷ビスタシティ」
三井不動産レジデンシャルと守谷市松並土地区画整理組合が分譲中の大規模戸建て分譲「ファインコート守谷ビスタシティ」を見学した。電柱を地下化した全927区画の規模で、1区画当たり50坪以上の敷地が大きな特徴の団地だ。
物件は、つくばエクスプレス守谷駅から徒歩12分、守谷市松並土地区画整理事業地区内に位置する全927区画の団地。1戸当たりの敷地面積は165㎡以上で、建物面積は100㎡以上、中心価格帯は4,000万円台の半ばから5,000万円台の前半。建物は2×4工法2階建て。施工は東急建設、東急ホームズ、西武建設、エステーホーム。昨秋から分譲開始されており、これまで供給した57戸がほぼ完売している。販売代理は三井不動産レジデンシャル。

メインストリートの松並木
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ずっと見学したいと思っていた団地だ。この区画整理事業に関する記者発表会が行われたのが昨年の2月。その場では戸建ての価格などは公表されなかったが、保留地の価格と敷地の広さから5,000万円をはるかに突破するんではないかと記者は考えた。
記事にも書いたが、「かつてない素晴らしい街ができるのではないか」という期待感と「わざわざ調整区域を市街化区域に編入して900区画もの団地を開発するのは無謀な挑戦ではないか」という懸念がせめぎ合った。
どちらが正解なのかその解を求めるのが最大の見学の理由だった。その答えは現段階ではまた出せない。街並みは素晴らしい。本来の建売住宅だ。戸建ての敷地はこれくらいあるのが理想だ。一部の街区には中央側溝も採用されており、きれいな景観が保たれている。
しかし、価格はやはり5,000万円台を超えるのは厳しいようで、5,000万円以下に抑えられている。半年で57戸の供給というのは、競争が激しいTX沿線では大健闘の部類だ。1団地で年間30戸も売れればいい方だと思うので、年間で100戸も売ったら大事件だ。楽観はできないと思うが、果たしてどうなるか…。

街並み
「区画整理の限界を超える」か スマートシティ「ビスタシティ守谷」(2013/2/22)
つくばの一等地 タカラレーベン「レーベン ザ TSUKUBA」が人気

「レーベンザTSUKUBA」(右が現場。億ションに見えるマンションが「エスペリア竹園」230戸。坪120万円で人気になった)
タカラレーベンが分譲中の「レーベンザTSUKUBA」を見学した。つくばエクスプレス線つくば駅から徒歩8分の一等地に建つ全322戸で、昨秋の分譲開始以来すでに3分の2が売れている。同社の記念碑的なマンションになる。
物件は、つくば駅から徒歩8分、つくば市竹園1丁目に位置する15階建て3棟全322戸の規模。専有面積は75.34~100.47㎡、近く分譲する2期3次の価格は3,200万円台~5,600万円台(最多価格帯3,800万円台・4,200万円台)、坪単価は160万円。竣工予定は平成27年8月末。施工は多田建設。

完成予想図
現地は、敷地の南西側に大清水公園、イベントホールの「つくばカビオ」、北側に中央警察署、UR都市機構、市立ノバホールなどの公園・施設があり、西武デパートも近接。UR都市機構が所有していた土地で、一時は市役所の建設が予定されていたということからも一等地であることが分かる。敷地に隣接して商業施設も併設される。
プランがゆったりしていていい。100㎡タイプも多く、間口は8.0~8.5m。75㎡タイプでも間口は約6.2m確保されている。「太陽光発電全量売電」と「電力一括購入サービス」などの組み合わせで、電力消費量の抑制を図る。ディスポーザー、食洗機、「たからの水」を標準装備。

大清水公園から臨む現地
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別掲の記事も参照していただきたいが、つくばではTXの開業を前後して雨後のタケノコのようにマンションが林立した。当初の坪単価は110~120万円ぐらいで、飛ぶように売れた。年間1,000戸くらいのペースで供給された。
ところが、2008年のリーマン・ショックで市場は激変。マンションは墓石と化した。値下げ競争が激化し、坪単価にして100万円かそれ以下で処分された物件も少なくなかった。
今回の坪単価は160万円とかなり強気な設定だが、この立地条件なら納得だ。半年で200戸以上売れているのも理解できる。よほどのことがない限り、南西側の眺望は確保されるはずだ。住むならやはり「竹園」だと思う。
もう一つ、なぜこの一等地のマンションがよく売れるかの理由が分かったような気がした。それは、国がつくば市内の公務員宿舎約2,500戸を処分する決定を昨年下したというのだ。こんご、どうなるかは分からないが、公務員宿舎がなくなった後の職員住宅の受け皿としてこのマンションが最高だと記者も思う。
同社は駅近でもう1物件200戸強を分譲するし、やはりつくばで供給実績が豊富なフージャースコーポレーションの「建設予定」の看板が立っていた。公務員宿舎の受け皿としてつくばがまた脚光を浴びるのだろうか。

モデルルーム
筑波研究学園と多摩ニュータウン 似ているのか似ていないのか(2014/4/12)
大成有楽不「オーベル浦和レジデンス」全105戸のうち99戸が即完

「オーベル浦和レジデンス」完成予想図
大成有楽不動産は4月10日、埼玉県庁やさいたま市役所など多くの行政機能が集積する官庁エリアの閑静な住宅街に位置する希少性の高い「オーベル浦和レジデンス」(全119戸、販売対象105戸・非分譲14戸))の第1期92戸・第1期2次7戸の合計99戸が連続して即日完売したと発表した。
物件は、JR京浜東北線・高崎線・宇都宮線・湘南新宿ライン浦和駅から徒歩12分、さいたま市浦和区仲町3丁目に位置する14階建て。専有面積は72.89~90.19㎡。坪単価は230万円弱。竣工予定は2015年2月下旬。設計・施工・監理は大成建設。
1期・1期2次の価格は4,250万~7,090万円(最多価格帯4,600万円台・5,390万円)。1期の登録期間は3月15日~3月21日。最高7倍、平均1.46倍。1期2次の登録日は3月30日。最高5倍、平均1.85倍。総来場者は約380件。契約者の29%が浦和区居住者で、他では川口市8%、南区4%、東京都北区4%など。年齢は30歳代が62%、40歳代が15%。家族構成は夫婦・子どもが62%、夫婦が34%。居住形態は賃貸が64%、社宅が22%。
契約者の主な評価ポイントは、交通利便性の高さ、官庁エリアの一画にある閑静な住宅街、レベルの高い基本性能、オーベルオリジナル商品「オレンジキッチン」「オレンジ収納」などの設備仕様。
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このマンションが人気になっていることは同社広報から聞いており、取材を申し込んだ結果、4月11日が取材日に決まっていた。その前日、即日完売のニュースが飛び込んできた。戸数の多さに驚いた。
浦和駅圏ではここ数年、かなりのマンションが供給されているが、即日完売したのは、今回のマンションに近接する2009年分譲の野村不動産「プラウド浦和仲町マークス」(全54戸)の1期35戸しかしらない。坪単価は224万円だった。それ以来の即完物件だが、戸数は3倍近くある。これはすごい数字だ。
記者は2週間前の「オーベル志村城山」の記事の中で「大成有楽不動産のマンションは飛躍的によくなっている」と書いた。それが証明されたようでもあり嬉しい。
嬉しいのは即完したこと以外にもう一つの理由がある。坪単価だ。現地は個人の邸宅跡地。単価予想としては240万円くらいではないかと読んだが、それより10万円くらい低かった。記者は富裕層向けのマンションはどんどん高値追及してもいいと思っている。設備仕様もあげてお金持ちの心をくすぐる戦法を支持する。
しかし、サラリーマン向けのマンションは極力価格を抑え、買いやすくしてほしいと願っている。野村不動産の物件より若干高いだけに抑えたのは大正解。腹八分目だ。スラブ厚は260~300ミリ、戸境壁は250ミリそれぞれ確保し、設備仕様は決して高いとはいえないが、それでもディスポーザー、食洗機、ミストサウナは標準装備。物干しポールなどきめ細かな商品企画もいい。

現地近くの空き地で摘んできた野草(春先の取材はこうした楽しみもある。草花はハナニラ、タンポポ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ。喫茶店のコップに入れて楽しみ、帰るときは水で濡らしたティッシュにくるんで会社に持ち帰りまた楽しむ)
筑波研究学園と多摩ニュータウン 似ているのか似ていないのか
つくば駅前
市内の一等地ではあるとはいえ、坪単価160万円という決して安くないタカラレーベン「レーベンTHE TSUKUBA」が好調な売れ行きを見せている。つくばエキスプレス線つくば駅から徒歩8分の全322戸で、この半年間で3分の2が売れているという。この記事を書く前に、「つくば」がどのような街であるかを紹介したい。同じような街づくりの多摩ニュータウンや、先iに書いた「柏の葉スマートシティ」と比較して読んでいただきたい。街づくりはいかにあるべきかの参考になるはずだ。
駅から10分程度の公園(人は一人もおらず、「持ち帰りましょう。犬のふん」の看板が立っていた)
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「レーベンTHE TSUKUBA」の取材を終え、一服しようと街の中心街へ向かった。午後4時過ぎだった。街行く人は信じられないほどまばら。野良犬も野良猫もカラスもスズメもいなかった。広い公園も人はいなかったが、禁煙だった。
最初に入った施設はホテルも入居するビル。1階にはかなりの飲食店があったが、人は皆無。全店舗とも夕方の営業は5時からと表示されていた。
仕方なくあちこちの店舗・施設を探し回ったあげく、ようやく探し当てたのは駅前のチェーン店のドーナツ屋だった。記者はただでもドーナツなど食べないから、コーヒーだけ注文した。270円だった。いつも利用するコーヒー専門店は消費増税に便乗したのかどうかはしらないが、200円から220円に値上げされた。ここはさらに50円も高かった。2本のタバコを吸った。時間は5時近くになっていた。1時間は街をうろついた計算だ。
記事は足で書く、人間は考える〝足〟だ。記者は飲むときと寝るとき以外はほとんど仕事、記事を書くことばかり考えている。歩くときもただでは歩かない。街をうろついた1時間は無駄ではない。どうして「つくば」には人がいないかをずっと考えた。そこで結論付けた結果はこうだ。
公務員・研究者が多い街だから、勤務時間中は外に出ない。人と接触する必要がない。教育日本一の街だから、小中学生は塾通いに忙しく、外で遊ばない。街区構成が大きいから、モーターリゼーションが徹底されている。車で移動しないと暮らせない。高齢者は出不精になる。横並びを旨とするのが公務員の世界だから、その意を汲み抜け駆けして早くから営業しようという店舗もない。学歴が高く、生活も安定しているので、パチンコ屋、アダルト系などのギャンブル・遊興施設を利用しない。タバコが吸えないから、喫煙者は街に近づかない。犬猫やカラス、スズメは人に寄り添う動物だから、人がいないところに住まない-などだ。
駅前一等地の商業ビルの店舗(人がいないところを狙って撮ったわけではない)
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歩くことは新しい発見をすることだ。1時間の間、途中で寄った駅構内の観光案内所で「つくば市議会だより」を貰った。日付は2月15日。次号は5月15日とある。つまり市議会の動きは年に4回しか市民に紙媒体としては公開されないということだ。これはどこも一緒だろう。
それでもすごく面白い情報をもたらしてくれた。「市政を問う白熱の一般質問」というスポーツ紙並みの刺激的な見出しの記事には市議会議員と市長のやり取りが紹介されていた。主だったものを紹介する。つくば市の置かれている状況がよくわかる。先に書いた記者の仮説が正しいことを裏付けてくれた。( )は議員の質問、「 」は市長の答弁。
(市内における約2500戸の国家公務員宿舎が削減されることが突然発表されてから1年…国策で作られた街『つくば』が、自立できるかどうかが試されている)「駅周辺には多くの公務員宿舎があり、これが一遍に廃止になることにより…まちづくりに与える影響は非常に大きい」
(筑波研究学園都市の建設が閣議了解されて、今年で50周年…今一度、均整のとれた田園都市を目指した…建設当時の理念に思いをはせて…)「都市づくりは百年の計とも言われる長期ビジョンが不可欠であり…次の50年を見据えたまちづくりが極めて重要」「科学技術を活用し、緑豊かな環境に集う人材や知材が未来を先導する自律都市、スマート・ガーデンシティを構築したい」
(平成25年度の県内交通死亡事故は…全国ワースト2位。つくば市内の死者数12人)「11月末現在で交通事故死亡者数が12人で、全員が65歳以上の高齢者」
(韓国系の市民団体が全米で従軍慰安婦像を設置しようとの動きがある…つくば市と姉妹都市を結んでいる市にも同様の動きがある…つくば市は、我が国の立場を堂々と説明し、従軍慰安婦像を設置することのないよう申し入れるべき)
「土浦市と合併しますと、財政規模が1000億円以上になり…中核市になることによって…つくば市が目指す教育日本一の取り組みに、一層の進展につながると期待」
「街路樹や宿舎の植木などの現状を見ると、雑草が生い茂って、管理が十分行き届いておらず、必ずしも良好な環境にあるとは言いがたい」
(先端技術が日々開発される学園都市として、マイクロソフト社の製品から脱却し他自治体に先んじてLinux導入の実績とノウハウの蓄積を図るべき)「全てのコンピュータをLinuxへ切り替えることは現実的ではない」
商業ビルの見事な広場(人の気配はまったくない)
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つくば市は、多摩ニュータウンと極めてよく似ている街だ。双子か兄弟のような存在かもしれない。開発手法が、UR都市機構が主導した土地区画整理事業と新住宅市街地開発法によるというのが同じだし、規模もほぼ同じ。筑波研究学園都市の区域面積が約2,900ha、計画人口が35万人であり、多摩ニュータウンのそれは約2,800ha、約34万人だ。前者は昭和55年3月までに予定されていた国の試験研究機関、大学などの施設が移転・新設された。後者の入居開始は昭和46年だ。
そして現在。前者の人口は約20万人、後者は22万人。これもほとんど同じ。当初目指した計画人口の6割ぐらいしか達成できていないことも同じだ。様々な問題が噴出し、「百年の計」であるべき都市計画は40~50年でその礎が揺らぎつつある点でも同じだ。
文化の香りがする街でも互角だ。タカラレーベンのマンションのパンフレットにも登場するつくば市在住の毛利衛さんに匹敵する著名人は多摩ニュータウンにはいないかもしれないが、つくば市が標榜する〝教育日本一〟に対しては、多摩市は市職員の給与は日本一と報じられたことがあるし、大学・学生の数では圧倒している。売り場面積では本店に次ぐ広さの丸善もある。
つくばと多摩ニュータウンはこのように酷似している街ではあるが、まったく似ていない部分も多い。例えばパチンコ屋。記者は高校時代にやり方は覚えたが、少なくともこの40年間はやったことがない。時間の無駄だと思ったからだ。そのタバコの是非はともかく、つくばの徒歩圏には1軒もない。多摩センター駅周辺には3カ所はあるはずだ。フーゾクだって駅近にある。10分も歩けば野良猫に会えるし、絶滅危惧種の野草も発見できる。駅周辺の公的場所では禁煙だが、喫煙場所もあるし、公園などでは喫煙を禁止などしていない。つまり、多摩ニュータウンはまだ人が住める、人間らしい街を維持しているということだ。
さらに、これがもっとも重要なことだが、国への依存度の違いだ。つくばは国策でつくられた街だからまずまずの財政力を誇っているが、一般会計の62%を占める市税の多くは公務員が納めているのだろうし、市民税より多い固定資産税も国が立派な街をつくったからだ。地方交付税も26億円ある。国に依存しなければ生きられないことは、紹介した議員と市長のやり取りで理解されるはずだ。多摩市も国に依存していないわけではないが、地方交付税はゼロだ。曲がりなりにも自立しているということだ。
駅近の舗道(見通せる100メートルくらいに人の影は数人ほど)
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タカラレーベンの「レーベンTHE TSUKUBA」の坪単価は160万円。三菱地所レジデンスが同じく多摩センターの一等地で予定している「ザ・パークハウス多摩センター」はいったいいくらになるのか。街のポテンシャルを計る意味でも興味深い。
三井不動産 新産業を生み出すイノベーション拠点「KOIL」開業

「KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」外観
三井不動産は4月10日、柏の葉スマートシティの中核街区として開発を進めている複合施設「ゲートスクエア」に設置した企業や個人が集まり交流を通じて新産業を生み出すクリエイティブなイノベーション拠点「KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」を4月14日(月)に開業すると発表した。
「KOIL」は、起業家から生活者まで多様な人々の知識、技術、アイデアを組み合わせることで革新的な新事業や製品・サービスを創造するための場で、国内最大級のコワーキングスペース(会員制共有ワークスペース)のKOILパークや、ベンチャー企業だけでなく大手企業の事業部門が入居するオフィスフロア、一般の方のビジター利用も可能な機能を持つKOILファクトリー(デジタルものづくり工房)、カフェやスタジオなどを併設。これまでにないオープンイノベーション・センターとなる。
広さは3フロア合計で約7,980㎡。KOILパーク会員は「月5プラン」の月額6,000円から、「使い放題プラン(固定席)」の月額27,000円まで。入会金は3,000円。
イノベーションの化学反応を起こすため、起業家のアイデアや技術を事業化につなげ、グローバルな飛躍へと導くメンター(助言・支援者)がKOILに常駐。創業支援プログラムを提供するとともに、大手企業、ベンチャー企業、クリエイターや生活者などと交流できる多彩なイベントを開催していく。
挨拶に立った同社常務執行役員・小野澤康夫氏は、同社のベンチャースピリットについて触れ、三井グループの創業のルーツである「越後家」から、土地をつくる「京葉臨海部の埋め立て事業」、空を開拓する、超高層時代を切り拓く「霞ヶ関ビル」、ライフスタイルを提案する「ららぽーと」「東京ディズニーランド」について語り、街づくりのイノベーション事業として今回の「柏の葉スマートシティ」があることを強調。「わが国にある閉塞感を打破するため、世界の課題解決モデルとなる街を公民学が連携して創造することを企図している」と話した。
さらに、「新産業を生みだす空間としての『KOIL』などのハードと、多様なコミュニティとの融合を図り、プラットホーム事業へと発展させ、イノベーション事業のリーディングカンパニーを目指す」と語った。
また、同社ベンチャー共創事業室長・松井健氏は、今後1年間の目標としてで「KOILパークは400会員をめざし、稼働率は95%くらいを考えている」と話した。この1年間で300を超える内外の団体が「柏の葉スマートシティ」の見学に訪れたことも明らかにした。

「KOILパーク」

「KOILファクトリー」
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つくばエクスプレスが開業して9年。まだ駅舎だけだった「柏の葉キャンパス」駅前に広がる「柏の葉スマートシティ」には今回で何度目の取材になるのだろう。10回はくだらないはずだ。開業当初から、「柏の葉」だけは成功すると読んだ。ビジョン、哲学が示されていたからだ。
しかし、他の沿線は20年たっても街は完成しないだろうし、その多くは失敗に終わるだろうと考えた。多摩ニュータウンや千葉ニュータウンと同じ旧来の開発手法とほとんど変わらないからだ。その思いは今も変わらない。
そして今回。同社が目指す街づくり全貌が見えてきた。小野澤常務も同社ベンチャー共創事業室長・松井健氏も街づくりのビジョンを語った。胸に響くものがあった。例えれば、ジグゾーパズルの穴が順々に開くような、難しい方程式を一つひとつ解いていくようなわくわく感、快感だ。
「柏の葉スマートシティ」は、2011年に国の「環境未来都市」「地域活性化総合特別区域」に指定された。ここでは紹介しないが、2050年の「柏の葉」の近未来像を描いた「提案書」には、「石化燃料を一切使用しない世界が広がり、長寿・高齢化社会は手放しで喜ばしいことと歓迎され、子供たちは、語学ばかりでなく国際的なリーダーシップの取れる人材として育ち、臆することなく世界へと飛躍し活躍する者が多いため、そのような環境を求めて、世界各国から移住してくる家庭も多い」と記されている。
それまであと30余年。記者は間違いなく生きていないが、そのような社会が実現していることを祈りたい。間違っても、建築から40~50年にして早くもさまざまな問題が噴出している多摩ニュータウンや筑波研究学園都市のようにならないようにしてほしい。

会見に集まった記者は約50人(通常のマンションなどの2~2.5倍くらい)

左からTXアントレプレナーパートナーズ最高顧問・村井勝氏、三井不動産常務・小野澤氏、同社ベンチャー共創事業室長・松井氏、ロフトワーク社長・諏訪光洋氏
「柏の葉」の「環境未来都市」 涙が出るほど嬉しい提案書(2012/2/13)

